JP2021041314A - 収着材料、収着材料の製造方法および特定物質捕捉システム - Google Patents

収着材料、収着材料の製造方法および特定物質捕捉システム Download PDF

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Abstract

【課題】 水系の液体中での溶解や溶出が生じにくく高い安定性を実現するとともに、高い特定物質捕捉効率を示す金属有機フレームワークを含む収着材料およびその製造方法を提供すること。【解決手段】 透析液、血液、血漿、または生物工学的手法により製造された物質の粗生成物を含む液体から、特定物質を捕捉することのできる金属有機フレームワークを含む収着材料であって、前記金属有機フレームワークが、(A)Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターと、(B)リンカーと、から構成され、残存カルボキシル基濃度(mmol/g)が2.1未満である、収着材料。【選択図】 なし

Description

本発明は、血液等から特定物質を除去するための収着材料、その収着材料の製造方法、およびその収着材料を用いた特定物質捕捉システムに関する。本発明は、特に、人工腎臓および人工透析における血液・血漿やバイオ生産物から、毒性物質や不純物を除去したり、有効成分を分離したりするための収着材料として有用である。
膜分離は、ある特定のカットオフ分子量未満の物質を除去する手法に用いられており、人工腎臓および人工透析において血液から毒性物質を除去する基本技術であるとともに、バイオ生産物を精製する基本技術でもあり、適切なカットオフ分子量を有する分離膜の選択により、除去されることが望まれる毒性物質の除去が実現される。しかし、タンパク質結合毒素に代表されるように、除去することが望まれる毒性物質が除去されることが望まれない物質と結合することにより分子量が増大すると、分離膜のカットオフ分子量を超えてしまい、適切に除去することができない場合がある。これを解決するための手法として、特許文献1には、透析精製プロセスと金属有機フレームワークを含む収着材による毒性物質除去プロセスを組み合わせたシステムが提案されている。
特表2010−512939号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、収着材料に含まれる金属有機フレームワークの構造が適切に選択されないことにより、水系の液体中での収着材料の溶解や溶出が生じるという課題や、水系の液体中での特定物質の捕捉効率が必ずしも十分ではないという課題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、水系の液体中での溶解や溶出が生じにくく高い安定性を実現するとともに、高い特定物質捕捉効率を示す金属有機フレームワークを含む収着材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、収着材料に含まれる金属有機フレームワークを構成する中心金属を、特定の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターとするとともに、金属有機フレームワーク中の残存カルボキシル基濃度を一定未満とすることにより、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
透析液、血液、血漿、または生物工学的手法により製造された物質の粗生成物を含む液体から、特定物質を捕捉することのできる金属有機フレームワークを含む収着材料であって、
前記金属有機フレームワークが、(A)Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターと、(B)リンカーと、から構成され、
残存カルボキシル基濃度(mmol/g)が2.1未満である、収着材料。
[2]
前記金属有機フレームワークが、(C)ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基を含む、上記[1]に記載の収着材料。
[3]
前記官能基のモル濃度が1.5(mmol/g)以上である、上記[1]または[2]に記載の収着材料。
[4]
前記金属有機フレームワークの孔サイズが7.2〜50オングストロームである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の収着材料。
[5]
前記特定物質は、毒素、毒性溶質、毒性小分子もしくは中分子、およびタンパク質結合毒素からなる群から選択される1種以上の毒性物質である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の収着材料。
[6]
前記特定物質は、リン酸塩、パラクレジル硫酸、インドキシル硫酸、馬尿酸、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フランプロパン酸(CMPF)からなる群から選択される1種以上の毒性物質である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の収着材料。
[7]
前記特定物質は、医薬的に有効な成分である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の収着材料。
[8]
上記[1]〜[7]のいずれかに記載の収着材料の製造方法であって、
ジメチルスルホキシド、ガンマブチルラクトン、水、シクロヘキサノン、および、シクロペンタノンからなる群から選択される1種以上を含む溶媒中において、Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターに配位する残存カルボキシル基を酸処理により除去する工程を含む、製造方法。
[9]
上記[1]〜[7]のいずれかに記載の収着材料を備えた第1の手段と、
少なくとも前記収着材料の分解物である中心金属およびリンカーを除去するための分離膜を備えた第2の手段と、
を有する特定物質捕捉システム。
[10]
前記(A)金属クラスター、および(B)リンカーの分子量が、分離膜のカットオフ分子量未満である、上記[9]に記載の特定物質補足システム。
[11]
前記分離膜は、透析膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、イオン交換膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、および正浸透膜からなる群から選択される1種以上である、上記[9]または[10]に記載の特定物質補足システム。
[12]
前記分離膜は、透析膜である、上記[9]または[10]に記載の特定物質補足システム。
[13]
前記分離膜が、平膜または中空糸膜の形態である、上記[9]〜[12]のいずれかに記載の特定物質補足システム。
本発明により、収着材料として用いる金属有機フレームワークの水系の液体中での溶解および溶出を防止し、水系の液体中での高い安定性を実現するとともに、水系の液体中での特定物質捕捉効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[収着材料]
本実施形態における収着材料は、
透析液、血液、血漿、または生物工学的手法により製造された物質の粗生成物を含む液体から、特定物質を捕捉することのできる金属有機フレームワークを含む収着材料であって、
前記金属有機フレームワークが、(A)Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターと、(B)リンカーと、から構成され、残存カルボキシル基濃度(mmol/g)が2.1未満である。
本実施形態の収着材料は、中心金属が少なくとも1つの他の中心金属とリンカーを介して結合され、2次元ないし3次元網目構造を形成した多孔質構造を有する金属有機フレームワークであり、この金属有機フレームワークを構成する中心金属を、Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlまたはZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターとし、さらに、残存カルボキシル基濃度を特定濃度未満としたものである。中心金属を、特定の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターとすることにより、金属有機フレームワークの水系の液体中での溶解および溶出を防止し、水系の液体中での高い安定性を実現することができる。また、残存カルボキシル基を一定未満とすることにより、水系の液体中での特定物質捕捉効率を向上させることができる。
本実施形態における金属有機フレームワークは、中心金属がリンカーにより結合されて一次元、二次元、または三次元構造となったハイブリッド材料である。金属有機フレームワークは、中心金属およびリンカーの設計次第で特定物質に対する高い選択性・吸着性を実現することができる。例えば、金属有機フレームワークのリンカーに様々な官能基を導入し、これにより捕捉する特定物質に対する親和性を調整することができる。
金属有機フレームワークは、それぞれの中心金属が少なくとも1つの他の中心金属に結合している複数の生体適合性金属と;隣接する中心金属を連結する複数の生体適合性リンカーと;複数の細孔とを含む。ここで、複数の中心金属は同一でも、異なっていてもよい。また、複数のリンカーについても同一でも、異なっていてもよい。また、金属有機フレームワーク中に存在する複数の細孔は、大きさが異なっていてもよいし、同一であってもよい。
本実施形態における収着材料である金属有機フレームワークは、中心金属およびリンカーを有し、反応条件に応じて、2次元または3次元網目構造として調製することができる。金属有機フレームワークの構造は、金属源、リンカーおよびモジュレータ(結晶成長速度調整剤)の選択ならびに反応条件(例えば、温度、pH、溶媒系、反応物質比および反応時間など)の選択により適宜調整することができ、用途に応じて所望の構造体を得ることができる。
金属有機フレームワークとしては、Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターを中心金属として有し、残存カルボキシル基濃度が2.1mmol/g未満であれば特に限定されることはなく、用途に応じて様々なものを用いることができる。例えば、特表2010−512939号公報、特表2011−517309号公報、特表2015−529258号公報、H. Furukawa et al. "The Chemistry and Applications of Metal−Organic Frameworks" Science 341, 1230444 (2013)等に記載されたものを用いることができる。また、水分中で使用可能な金属有機フレームワークとしては、例えば、特開2016−179431号公報、特開2018−105835号公報、特開2018−118211号公報、特開2018−118929号公報、S. Li et al. "Water Purification: Adsorption over Metal−Organic Frameworks"Chin. J. Chem. 2016, 34, 175−185記載されたもの等を用いることができる。これらの中でも、透析液または血液(血漿)を精製するための用途においては、タンパク質結合毒素を選択的に除去可能な生体適合性の金属有機フレームワークが好ましく、例えば、US20100286022A1、US8691748に記載されたもの等が挙げられる。
[中心金属]
本実施形態において「中心金属」とは、2個以上の金属原子が集合してなる金属クラスターを指し、収着材料の用途や捕捉する特定物質に応じて最適なものが選択される。中心金属を構成する金属原子は、水を含有する液体中での安定性の観点から、Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上からなることが好ましい。これらの金属群の中でも、捕捉する特定物質に対する親和性向上の観点から、Hf、Fe、Cr、AlおよびZrからなる群より選択される1種以上が好ましく、透析液または血液(血漿)を精製するための用途においては、血中での安定性の観点から、Fe、Zr、及びHfからなる群より選択される1種以上がより好ましい。
また、「金属クラスター」とは、金属原子が少なくとも2個以上、好ましくは数個から十数個集まって、一つの化合物のような特定の構造単位をもった物質を意味する。金属クラスターには、金属同士が直接結合するものや、金属同士が他の原子や分子を介して結合しているもの等が挙げられる。
本実施形態において「中心金属」は金属クラスターからなるが、一部が金属原子であってもよい。その場合、中心金属における金属原子の割合は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
[リンカー]
本実施形態において「リンカー」とは、上述した中心金属を架橋する配位子を指し、収着材料の用途や捕捉する特定物質に応じて最適なものが選択される。リンカーとしては、例えば、1〜20個の炭素原子からなるアルキルまたはシクロアルキル基、1〜5個のフェニル環からなるアリール基、あるいは、1〜20個の炭素原子を有するアルキルもしくはシクロアルキル基または1〜5個のフェニル環からなるアリール基からなるアルキルアミンまたはアリールアミンを含み、多座官能基が配位子の基礎構造に共有結合しているもの等が挙げられる。多座官能基としては、例えば、CO2H、CS2H、NO2、SO3H、Si(OH)3、Ge(OH)3、Sn(OH)3、Si(SH)4、Ge(SH)4、Sn(SH)4、PO3H、AsO3H、AsO4H、P(SH)3、As(SH)3、CH(RSH)2、C(RSH)3、CH(RNH22、C(RNH23、CH(ROH)2、C(ROH)3、CH(RCN)2、C(RCN)3(ここで、Rは、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であるか、1〜2個のフェニル環からなるアリール基である)、ならびにCH(SH)2、C(SH)3、CH(NH22、C(NH23、CH(OH)2、C(OH)3、CH(CN)2、およびC(CN)3等が挙げられる。上記の中でも、カルボン酸官能基を含むことが好ましい。また、いずれか1つ以上の炭素原子が、窒素、酸素、硫黄、硼素、リン、シリコンおよびアルミニウム原子等によって置換されていてもよい。
カルボン酸官能基を含むリンカーとしては、例えば、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−アミノテレフタル酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、トリメシン酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、2、2’−ジメチルビフェニル−4、4’−ジカルボン酸、2、5−ジヒドロキシテレフタル酸、2、5−チオフェンジカルボン酸、テトラキス(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、テトラキス(4−カルボキシビフェニル)ポルフィリン、1、3、6、8−テトラキス(p−カルボキシフェニル)ピレン、2、2’−ジヒドロビフェニル−3、3’、5、5’−テトラ(フェニル−4−カルボン酸)、4、4’−ジアミノ−3、3’、5、5’−テトラ(フェニル−4−カルボン酸)、4、4’−ジヒドロキシ−3、3’、5、5’−テトラ(フェニル−4−カルボン酸)、3、3’、5、5’−テトラカルボキシジフェニルメタン、1、3、5−トリス(4−カルボキシフェニル)−2、4、6−トリメチルベンゼン、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、マンデル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸およびアスコルビン酸が挙げられる。
リンカーは、ポリカルボン酸であってもよく、例えば、不飽和脂肪族ジカルボン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、不飽和環状ジカルボン酸、飽和環状ジカルボン酸、それらのヒドロキシ置換誘導体;不飽和脂肪族トリカルボン酸、飽和脂肪族トリカルボン酸、芳香族トリカルボン酸、不飽和環状トリカルボン酸、飽和環状トリカルボン酸、それらのヒドロキシ置換誘導体;などが挙げられる。これらのポリカルボン酸はいずれも、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、アルコキシなどで置換されていてもよい。ポリカルボン酸の具体例としては、例えば、アコニット酸、アジピン酸、アゼライン酸、ブタンテトラカルボン酸二水素化物、ブタントリカルボン酸、クロレンド酸、シトラコン酸、ジシクロペンタジエン−マレイン酸付加物、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ジペンテンおよびマレイン酸の付加物、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、完全マレアート化ロジン、マレエート化トール油脂肪酸、フマル酸、グルタル酸、イソフタル酸、イタコン酸、アルコールに次いでカルボン酸に過酸化カリウムで酸化されるマレエート化ロジン、マレイン酸、リンゴ酸、メサコン酸、3−4カルボキシル基を導入するために反応させたビフェノールAまたはビスフェノールF、シュウ酸、フタル酸、セバシン酸、コハク酸、酒石酸、テレフタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ならびにこれらの無水物等が挙げられる。
リンカーとしては、具体的には、例えば、特表2011−517309号公報に記載されたもの等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
本実施形態の金属フレームワークは、残存カルボキシル基濃度(mmol/g)が2.1未満である。残存カルボキシル基濃度(mmol/g)を2.1未満とすることで、水系の液体中であっても特定物質の吸着効率を高く保つことができる。金属フレームワークに含まれる残存カルボキシル基濃度(mmol/g)は、特定物質の吸着効率をさらに向上させる観点から、好ましくは1.0(mmol/g)未満である。
また、本実施形態の金属有機フレームワークは、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基を含むことが好ましい。金属有機フレームワークが、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基を含むことにより、水系の液体中でおける特定物質の吸着効率をさらに高く保つことができる傾向にある。
前記官能基のモル濃度は、特定物質の吸着効率をさらに向上させる観点から、好ましくは1.5(mmol/g)以上であり、より好ましくは2.5(mmol/g)以上であり、さらに好ましくは4.8(mmol/g)以上である。
金属フレームワークの残存カルボキシル基濃度および官能基濃度は、後述する実施例に記載された方法に従って測定することができる。
また、金属フレームワークの残存カルボキシル基濃度(mmol/g)を2.1(mmol/g)未満とする方法や官能基濃度(mmol/g)を1.5(mmol/g)以上とする方法については特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ガンマブチルラクトン、水、シクロヘキサノン、および、シクロペンタノンからなる群から選択される1種以上を含む溶媒中において、Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターに配位する残存カルボキシル基を酸処理により除去する工程を含む方法を用いることができる。
すなわち、本実施形態は、収着材料の製造方法であって、ジメチルスルホキシド、ガンマブチルラクトン、水、シクロヘキサノン、および、シクロペンタノンからなる群から選択される1種以上を含む溶媒中において、Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターに配位する残存カルボキシル基を酸処理により除去する工程を含む製造方法を包含する。
酸処理の方法としては、特に限定されず、例えば、塩酸と上記溶媒群から選択される1種類以上を含む混合溶媒に金属有機フレームワークを分散させ加熱する等の方法が挙げられる。
また、本実施形態の金属有機フレームワークの孔サイズは、7.2〜50オングストロームであることが好ましく、11〜50オングストロームであることがより好ましく、16〜50オングストロームであることがさらに好ましく、21〜50オングストロームであることがさらにより好ましい。金属有機フレームワークの孔サイズが7.2オングストローム以上であると、特定物質の吸着効率が向上する傾向にあり、50オングストローム以下であると、特定物質吸着の選択性が向上する傾向にある。
金属有機フレームワークの孔サイズは、後述する実施例に記載された方法に従って測定することができる。
[分離膜]
本実施形態においては、金属有機フレームワークを構成する中心金属およびリンカーの分子量は、分離膜のカットオフ分子量未満であることが好ましい。ここで、「カットオフ分子量」とは、分離膜が特定の阻止率で阻止できる物質の最小の分子量を指し、「阻止率R」は、分離膜透過前の原液中の溶質濃度をCb、分離膜透過後の透過液中の溶質濃度をCpとしたとき、R=1−Cp/Cbで求めることができる。
カットオフ分子量及び阻止率Rは、用途に応じて適宜設定すればよい。阻止率Rは、例えば、70%以上であってもよく、75%以上であってもよく、80%以上であってもよく、85%以上であってもよく、90%以上であってもよく、95%以上であってもよく、99%以上であってもよく、99.9%以上であってもよく、99.99%以上であってもよく、99.999%以上であってもよく、99.9999%以上であってもよく、100%であってもよい。
本実施形態において、金属有機フレームワークを構成する中心金属は金属クラスターであるが、上記分子量は、金属クラスターを構成する金属原子自体の分子量を意味する。
本実施形態において「分離膜」とは、特定のカットオフ分子量未満の物質のみ透過できる膜のことを指し、人工腎臓および人工透析に用いられる透析膜やバイオ生産物の精製に用いられる分離膜を含む。分離膜は、そのカットオフ分子量が、併用する金属有機フレームワークの分解物である中心金属およびリンカーの分子量以上であれば、特に限定されることなく、様々な種類および形態のものを用いることができる。具体的には、透析膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、イオン交換膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、および正浸透膜等が挙げられ、用途に応じて最適なものを選択して用いることができる。また、分離膜の形態も特に限定されず、平膜または中空糸膜等を用いることができる。
分離膜としては、例えば、酒井清孝「人工透析膜の設計−透析カイネティクスより−」膜(MEMBRANE),14(1),31−44(1989)、酒井清孝「医療用膜の現状と将来展望」膜(MEMBRANE),30(4),185−191(2005)、酒井清孝「血液透析治療の歴史−装置工学的側面から見た−」膜(MEMBRANE),37(1),2−9(2012)、特開2015−231523号、特表2016−528233、特開2018−38426、WO2008/156124、WO2017/126496 A1、WO2018/038248 A1等に記載されたものを用いることができる。分離膜としては、より具体的には、例えば、APS、VPS、kf−m、KF(以上、すべて旭化成メディカル社製ダイアライザーの商品シリーズ名)、RENAK−PS、kf−m、KF(以上、すべて川澄化学社製ダイアライザーの商品シリーズ名)、BP(JMS社製ダイアライザーの商品シリーズ名)、B3、B1、BK、BG、NF、TS、CS、CX、NV(以上、すべて東レ社製ダイアライザーの商品シリーズ名)、FLX、FDX、FDY、FDW、FDZ、PN(以上、すべて日機装社製ダイアライザーの商品シリーズ名)、FB、PES(以上、すべてニプロ社製ダイアライザーの商品シリーズ名)、FX(フレゼニウス社製ダイアライザーの商品シリーズ名)、H12(ガンブロ社製ダイアライザーの商品シリーズ名)等を用いることができる。
本実施形態の収着材料は、血液、血漿、または生物工学的手法により製造された物質の粗生成物を含む液体から、特定物質を捕捉することのできる材料である。ここで、「生物工学的手法により製造された物質の粗生成物を含む液体」とは、所望の物質を分泌する生物等の培養上清、又は、所望の物質を産生した動物の血液ないし腹水培養液であって、所望の物質以外の夾雑物ないし溶媒を含む液体のことを指し、具体的には、遺伝子組み換えや細胞融合等の技術により改変した細胞ないし微生物の培養上清、あるいは、免疫した動物の血液ないし腹水培養液等が挙げられる。
本実施形態において、「特定物質」には、収着材料を適用する対象に含まれる種々のものが含まれ、例えば、透析液や血液に適用する場合には、生体に悪影響を及ぼす毒性物質が挙げられ、バイオ生産物に適用する場合には、不純物もしくは有効成分等が挙げられるが、これらに限定されることはない。また、金属有機フレームワークによって捕捉される特定物質は、必ずしも1種である必要はなく、2種以上である場合も含まれる。
ここで、毒性物質としては、生体に悪影響のある物質であれば特に限定されることはないが、例えば、毒素、毒性溶質、毒性小分子もしくは中分子、およびタンパク質結合毒素からなる群から選択される1種以上であり、具体的には、カリウム、リン酸塩、尿素、尿酸、アンモニア、クレアチニン、パラクレジル硫酸、インドキシル硫酸、馬尿酸、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フランプロパン酸(CMPF)、β2−ミクログロブリン(β2M)、ならびにビリルビンおよびパラアミノ馬尿酸などのアルブミン結合毒素等が挙げられる。また、毒性物質には、Vanholder R, et al, kidney Int, 63 (5): 1934−1943, 2003)のTable.1−3に記載された化合物等も含まれる。
また、不純物もしくは有効成分としては、特に限定されないが、バイオ生産物を精製して医薬品を得る場合には、医薬的に好ましくない不純物や、医薬的に有効な成分等が挙げられる。不純物の具体例としては、所望の物質を分泌する生物に由来する成分、所望の物質を分泌する生物の培養に用いた原料液に由来する夾雑成分、ウイルス等が挙げられ、医薬的に有効な成分の具体例としては、抗体医薬やタンパク・ペプチド医薬などのバイオ医薬品等が挙げられる。
なお、本実施形態において「捕捉」とは、ある1種以上の特定物質を、種々の成分が含まれる溶液等から抜き出し保持することを意味し、「除去」、「分離」および「単離」等もこれに含まれる。
[用途]
本実施形態の収着材料は、人工腎臓および人工透析用の収着材料や、バイオ生産物用の収着材料として特に有用であるが、これらの用途に限定されることはなく、様々な用途に用いることが可能である。具体的には、血液浄化療法、解毒治療、エンドトキシン吸着療法、活性炭吸着療法、ビリルビン吸着療法、血球吸着療法、あるいは、血漿吸着療法用の収着材料として用いることができる。
バイオ生産物から不純物や毒性物質を分離するための収着材料として用いる場合には、例えば、バイオ医薬品を精製する際に、様々な膜による膜分離処理やクロマト工程を経て細胞や微生物の培養液から不純物を除去・分離することが一般的であるが、そのいずれかの工程間或いは工程中において、本実施形態の収着材料を用いて不純物や毒性物質を除去することができる。また、例えば、アフィニティ精製によってバイオ医薬品の有効成分を分離する場合には、本実施形態の収着材料を用いて特異的に有効成分を捕捉することができる。
[特定物質捕捉システム]
本実施形態における特定物質捕捉システムは、
上述した収着材料を備えた第1の手段と、
少なくとも前記金属有機フレームワークの分解物である中心金属およびリンカーを除去するための分離膜を備えた第2の手段と、
を有する。
ここで、前記金属有機フレームワークを構成する金属クラスターおよびリンカーの分子量は、前記分離膜のカットオフ分子量未満であることが好ましい。
本実施形態における特定物質捕捉システムは、第1の手段により、血液やバイオ生産物等から特定物質を捕捉し、さらに、第1の手段に含まれる金属有機フレームワークが意図せず分解した場合でも、分解した中心金属およびリンカーが第2の手段により除去されるため、収着材料分解物の血液、血漿、ないしバイオ生産物への混入を防止することができる。
第1の手段と第2の手段は、同一の装置内に存在していても、別々の装置内に存在していてもよい。また、各手段の順序についても特に限定されず。第1の手段が第2の手段よりも前に配置されていても、第1の手段が第2の手段よりも後に配置されていてもよい。例えば、本実施形態の特定物質捕捉システムを血液透析に用いる場合、第1の手段が第2の手段よりも後に配置されている場合には、収着材料分解物が一旦生体内に入った後、生体の血液排出口から排出された血液が第2の手段を通過することによって、収着材料分解物が適切に除去される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を実施例に制限することを意図したものではない。
実施例及び比較例で製造した金属フレームワークの各物性の測定方法および評価方法は以下のとおりである。
<残存カルボキシル基濃度>
残存カルボキシル基濃度(mmol/g)を求めるため、金属有機フレームワーク(10mg)を1mmol/lの重水素化水酸化ナトリウム重水溶液(10ml)、もしくは重水素化硫酸重水溶液(5ml)に完全に溶解させた後に重水素化ジメチルスルホキシド溶液を加え10mlとしたサンプルを各々作成し、内標を加えたのち、NMRを測定した。得られたNMRのデ−タから、残存カルボン酸および内標のピ−クの積分比を求め、金属有機フレームワーク1gあたりの残存カルボキシル基のモル濃度(mmol/g)を計算した。重水素化水酸化ナトリウム溶液のサンプルからはギ酸の濃度が、重水素化硫酸水溶液と重ジメチルスルホキシドの混合溶媒からなるサンプルからはそれ以外のカルボキシル基濃度が求められ、以下の(式2)により金属有機フレームワーク1gあたりの残存カルボキシル基のモル濃度(mmol/g)を算出した。
(式2):残存カルボキシル基濃度(mmol/g)=ギ酸のモル濃度(mmol/g)+ギ酸以外のカルボキシル基濃度(mmol/g)
<官能基濃度>
官能基濃度は、金属有機フレームワークの構造式から次式(1)により算出した。
(式1):官能基濃度(mmol/g)=((構造単位中のアミド基のモル数+構造単位中の水酸基のモル数)/(構造単位の分子量))
官能基のモル数を測定するには、金属有機フレームワーク(10mg)を重水素化硫酸水溶液(5ml)に完全に溶解させた後に重水素化ジメチルスルホキシド溶液を加え10mlとしたサンプルに内標を加えNMRを測定した。得られたNMRのデ−タから、官能基および内標のピ−クの積分比を求め、金属有機フレームワーク1gあたりの官能基濃度(mmol/g)を計算した。
<孔サイズ>
金属有機フレームワークを真空乾燥した後、ベックマン・コールター(株)社製コールターSA3100(商品名)を用い、吸着ガスに窒素を用いたBET法で、金属有機フレームワークの単位重量あたりの表面積BET(m2/g)を求めた。
<分子量>
金属有機フレームワーク(10mg)を1mmol/lの水酸化ナトリウム水溶液(10ml)に完全に溶解させる、もしくは硫酸水溶液(5ml)に完全に溶解させた後にジメチルスルホキシド溶液を加え10mlとし、液体クロマトグラフィ質量分析法によりリンカーの分子量を測定した。
<金属有機フレームワークによるCMPFまたは尿毒素の除去率評価>
金属有機フレームワークによるCMPFまたは馬尿酸(いずれも代表的な尿毒素)の除去率評価は以下の方法により行った。容器中の金属有機フレームワーク(2.5mg)に、20ppmのCMPF水溶液(2.5ml)を加え、容器を25℃で24時間保持することにより、金属有機フレームワークにCMPFを吸着させた。その後、1000RCFで10分遠心し、上澄み液を回収した。そして、上澄み液中のCMPF濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定し、金属有機フレームワーク非存在下でのCMPF濃度と比較することで吸着除去率を算出した。除去率が70%以上のものを◎、30%以上70%未満のものを〇、30%未満のものを△とした。同様の方法で馬尿酸除去率を算出した。
<金属有機フレームワークの水中での安定性>
水中での金属有機フレームワークの安定性は、金属有機フレームワークを水中、50℃で24時間反応させた前後での乾燥重量減少比(次式(X))により算出された値が、0.70以上の時を〇とした。
乾燥重量減少比=(反応後の乾燥重量/反応前の乾燥重量)
<金属有機フレームワークの溶出量評価>
金属有機フレームワーク1.5mgを2.0mlの50mMトリス緩衝液(イオン強度0.15mol/l)中に分散させ、37℃で24時間静置した。静置後のサンプルを1000RCFで10分遠心して得られた上澄み0.2mLを透析器(Spectrum社製、Micro Float−A−Lyzer、F235051;MWCO=500−1,000)に備え、1.0Lの50mMトリス緩衝液(イオン強度0.15mol/l)を用いて24時間透析を行なった。透析終了後、上澄み中の金属濃度および配位子濃度を、各々ICP発光分析測定および紫外可視吸収スペクトル測定より求めた。金属および配位子の濃度が10ppm以下を◎、20ppm以上50ppm以下を〇、50ppm以上100ppm以下を△、100ppm以上を×とした。
<金属塩と有機配位子の略称>
(金属塩)
ZrCl4:塩化ジルコニウム(Zirconium(IV) Chloride)
HfCl4:塩化ジルコニウム(Hafnium(IV) Chloride)
ZrOCl2・8H2O:オキシ塩化ジルコニウム・8水和物(Zirconium(IV) oxychloride octahydrate)
HfOCl2・8H2O:オキシ塩化ハフニウム・8水和物(Hafnium(IV) oxychloride octahydrate)
(有機配位子)
BDC:テレフタル酸(Terephthalic acid)
BDC−NH2:2−アミノテレフタル酸(2−Aminoterephthalic acid)
BDC−(COOH)2:ピロメリト酸(Pyromellitic acid)
NDC:2、6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−Naphthalenedicarboxylic acid)
BPDC:4、4’−ビフェニルジカルボン酸(4,4’−Biphenyldicarboxylic acid)
Me2BPDC:2、2’−ジメチルビフェニル−4、4'−ジカルボン酸(2,2’−dimethylbiphenyl−4,4’−dicarboxylic acid)
BDC−(OH)2:2、5−ジヒドロキシテレフタル酸(2,5−Dihydroxyterephthalic acid)
TDC:2、5−チオフェンジカルボン酸(2,5−Thiophenedicarboxylic acid)
TCPP:テトラキス(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン(Tetrakis(4−carboxyphenyl)porphyrin))
TCBP:テトラキス(4−カルボキシビフェニル)ポルフィリン(Tetrakis(4−carboxybiphenyl)porphyrin))
4TBAPy:1、3、6、8−テトラキス(p−カルボキシフェニル)ピレン(1,3,6,8−tetrakis(p−benzoic acid)pyrene
4TPCB:2、2’−ジヒドロビフェニル−3、3'、5、5'−テトラ(フェニル−4−カルボン酸)(2,2’−dihydrobiphenyl−3,3’,5,5’−tetra(phenyl−4−carboxylic acid))
4、4’−NH2−H4TPCB:4、4’−ジアミノ−3、3'、5、5'−テトラ(フェニル−4−カルボン酸)(4,4’−diamino−biphenyl−3,3’,5,5’−tetra(phenyl−4−carboxylic acid))
4、4’−OH−H4TPCB:4、4’−ジヒドロキシ−3、3'、5、5'−テトラ(フェニル−4−カルボン酸)(4,4’−dihydroxy−biphenyl−3,3’,5,5’−tetra(phenyl−4−carboxylic acid))
4MDIP:3、3’、5、5’−テトラカルボキシジフェニルメタン(3,3’,5,5’−tetracarboxydiphenylmethane)
TMTA:1、3、5−トリス(4−カルボキシフェニル)−2、4、6−トリメチルベンゼン(1,3,5−tris(4−carboxyphenyl)−2,4,6−trimethylbenzene)
Figure 2021041314
<金属有機フレームワークの合成>
金属有機フレームワークを以下の実施例および比較例に示す通りに作成した。
(実施例1−1−1)
密閉式ガラス容器にZrCl4(125mg)、BDC(123mg)、ジメチルホルムアミド(DMF、15ml)を加え室温で十分に溶解させた。続いて、12mmol/lの塩酸(1.0ml)を加えた後、室温まで空冷させた。得られた前記反応溶液を80℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた固体をジメチルスルホキシド(DMSO、15ml)で計3回洗浄を行い、再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、80℃の防爆オーブンで24時間反応させた。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、80℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−1−2)
BDC(123mg)からBDC−NH2(135mg)に変更した以外は実施例1−1−1と同様に合成した。
(実施例1−1−3)
BDC(123mg)からBDC−(COOH)2(190mg)に変更した以外は実施例1−1−1と同様に合成した。
(実施例1−2)
BDC(123mg)からBPDC(90mg)に変更した以外は実施例1−1−1と同様に合成した。
(実施例1−3)
BDC(123mg)からNDC(80mg)に変更した以外は実施例1−1−1と同様に合成した。
(実施例1−4)
BDC(123mg)からBDC−(OH)2(135mg)に変更した以外は実施例1−1−1と同様に合成した。
(実施例1−5)
密閉式ガラス容器に(80mg)、ギ酸(10ml)、BTC(50mg)、DMF(10ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を100℃の防爆オーブンで5日間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により白色固体を回収した。得られた固体を再度DMF(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、100℃の防爆オ−ブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた固体をDMSO(15ml)で計3回洗浄を行い、再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、80℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により白色固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、150℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−6)
密閉式ガラス容器にZrCl4(230mg)、TDC(258mg)、DMF(25ml)、酢酸(11ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで3日間反応させた。反応終了後、得られた固体をDMSO(15ml)で計3回洗浄を行い、再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷し、遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、100℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−7)
密閉式ガラス容器にZrCl4(200mg)、BPDC−(CH32(100mg)、DMF(20ml)、トリフルオロ酢酸(1ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで3日間反応させた。反応終了後、得られた固体をDMSO(15ml)で計3回洗浄を行い、再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(1.0mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷し、遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、100℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−8)
密閉式ガラス容器に(38mg)、TCPP(7mg)、ギ酸(7ml)、DMF(10ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を130℃の防爆オーブンで5日間反応させた。反応終了後、得られた固体をDMSO(15ml)で計3回洗浄を行い、再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷し、遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、120℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−9)
密閉式ガラス容器にZrCl4(30mg)、TCPP(10mg)、安息香酸(400mg)、DMF(2ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、120℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−10)
密閉式ガラス容器に(200mg)、安息香酸(3g)、DMF(16ml)を加え室温で十分に溶解させた後、トリフルオロ酢酸(160μl)、H4TBAPy(80mg)を加え、十分溶解させた。得られた溶液を120℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(1mL)を加えた後、100℃の防爆オ−ブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、120℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−11)
密閉式ガラス容器に(100mg)、1−アミノ安息香酸(3g)、DMF(8ml)を加え室温で十分に溶解させた後、H4TBAPy(40mg)を加え、十分溶解させた。得られた溶液を120℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(20ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(1mL)を加えた後、100℃の防爆オ−ブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、120℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−12)
密閉式ガラス容器にZrCl4(20mg)、TPCB(10mg)、安息香酸(700mg)、DMF(3ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(10ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、80℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−13)
密閉式ガラス容器にZrCl4(20mg)、4、4’−OH−TPCB(10mg)、安息香酸(500mg)、DMF(2ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで48時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(10ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、80℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−14)
密閉式ガラス容器にZrCl4(20mg)、4、4’−OH−TPCB(10mg)、安息香酸(500mg)、DMF(2ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで48時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(10ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(0.5mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、80℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−15)
密閉式反応容器にH4MDIP(200mg)、ギ酸(12ml)、無水酢酸(15ml)を加え120℃で十分に溶解させた後、得られた溶液にZrCl4(400mg)を加え、120℃の防爆オーブンで72時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(50ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(4mL)を加えた後、80℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、80℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例1−16)
密閉式反応容器にTCBP(120mg)、安息香酸(1.4g)、DMF(8ml)を加え80℃で十分に溶解させた後、得られた溶液にZrCl4(80mg)を加え、120℃の防爆オ−ブンで72時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体を再度DMSO(50ml)に分散させ、12mmol/lの塩酸(1.0mL)を加えた後、100℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、得られた溶液から遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、120℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(比較例1−1)
密閉式ガラス容器にZrCl4(200mg)、Me2−BPDC(100mg)、DMF(20ml)、トリフルオロ酢酸(1ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで3日間反応させた。反応終了後、得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、100℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(比較例1−2)
密閉式ガラス容器にZrCl4(230mg)、TDC(110mg)、DMF(10ml)、N−メチルピロリドン(10ml)、酢酸(7ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで2日間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、100℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(比較例1−3)
密閉式ガラス容器にZrCl4(230mg)、TDC(172mg)、DMF(50ml)、酢酸(3ml)を加え室温で十分に溶解させた後、得られた溶液を120℃の防爆オーブンで12時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、DMF(15ml)で計3回、アセトン(15ml)で計3回洗浄および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、100℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例2−1−1)
ZrCl4(125mg)から塩化ハフニウム(180mg)に変更した以外は実施例1−1−1と同様に合成した。
(実施例2−1−2)
ZrCl4(125mg)から塩化ハフニウム(180mg)に変更した以外は実施例1−1−2と同様に合成した。
(実施例2−1−3)
ZrCl4(125mg)から塩化ハフニウム(180mg)に変更した以外は実施例1−1−3と同様に合成した。
(実施例2−2)
ZrCl4(125mg)から塩化ハフニウム(180mg)に変更した以外は実施例1−2と同様に合成した。
(実施例2−3)
ZrCl4(125mg)から塩化ハフニウム(180mg)に変更した以外は実施例1−3と同様に合成した。
(実施例2−4)
ZrCl4(125mg)から塩化ハフニウム(180mg)に変更した以外は実施例1−4と同様に合成した。
(実施例2−5)
オキシ塩化ジルコニウム(80mg)からHfOCl2・8H2O(150mg)に変更した以外は実施例1−5と同様に合成した。
(実施例2−6)
ZrCl4(230mg)からHfOCl2・8H2O(350mg)に変更した以外は実施例1−6と同様に合成した。
(実施例2−7)
ZrCl4(200mg)から塩化ハフニウム(300mg)に変更した以外は実施例1−8と同様に合成した。
(実施例2−8)
ZrOCl2・8H2O(38mg)からHfOCl2・8H2O(50mg)に変更した以外は実施例1−7と同様に合成した。
(実施例2−9)
ZrCl4(30mg)から塩化ハフニウム(40mg)に変更した以外は実施例1−9と同様に合成した。
(実施例2−10)
ZrOCl2・8H2O(200mg)からHfOCl2・8H2O(240mg)に変更した以外は実施例1−10と同様に合成した。
(実施例2−11)
ZrOCl2・8H2O(100mg)からHfOCl2・8H2O(150mg)に変更した以外は実施例1−11と同様に合成した。
(実施例2−12)
ZrCl4(20mg)から塩化ハフニウム(30mg)に変更した以外は実施例1−12と同様に合成した。
(実施例2−13)
ZrCl4(20mg)から塩化ハフニウム(30mg)に変更した以外は実施例1−13と同様に合成した。
(実施例2−14)
ZrCl4(20mg)から塩化ハフニウム(30mg)に変更した以外は実施例1−12と同様に合成した。
(実施例2−15)
ZrCl4(400mg)から塩化ハフニウム(600mg)に変更した以外は実施例1−15と同様に合成した。
(実施例3−1)
密閉式ガラス容器に鉄(粉末、110mg)、BTC(280mg)、硝酸(15.6M、80μl)、水(10ml)を加え95℃の防爆オーブンで24時間反応させた。反応終了後、容器を室温まで空冷した後、遠心分離により固体を回収した。得られた固体は、水(15ml)で計5回洗浄後、60℃の防爆オ−ブンで加熱した。加熱終了後、容器を室温まで空冷下後、DMF(15ml)で計5回、エタノール(15ml)で計3回洗浄を行った。および遠心分離を行い、未反応原料を除去した。続いて、100℃、2mmHgの条件下で24時間乾燥を行い、金属有機フレームワークを得た。
(実施例3−2)
鉄(粉末、110mg)をクロム(粉末、100mg)に変更した以外は実施例3−1と同様に合成した。
(実施例3−3)
鉄(粉末、110mg)をアルミニウム(粉末、100mg)に変更した以外は実施例3−1と同様に合成した。
得られた金属有機フレームワークの単結晶X線構造解析を行ったところ、いずれも、Zr、HfまたはFeが3または6個集合してなる金属クラスターとリンカーとから構成されていることが確認された。それぞれの金属有機フレームワークの中心金属の金属原子数を表1〜3に示す。
金属有機フレームワークの評価結果を表1〜3に示す。Zr、Hf、Fe、CrまたはAlが3または6個集合してなる金属クラスターと、リンカー、から構成される金属有機フレームワークである実施例1−1−1、1−1−2、1−1−3、1−2〜1−16、実施例2−1−1、2−1−2、2−1−3、2−2〜2−15、および、実施例3−1〜3−3はいずれも水中での安定性が良好であり、水中での溶解や溶出が抑制されていた。
また、残存カルボキシル基濃度が2.1mmol/g未満である実施例1−1−1、1−1−2、1−1−3、1−2〜1−16、実施例2−1−1、2−1−2、2−1−3、2−2〜2−15、および、実施例3−1〜3−3は、いずれもCMPFおよび馬尿酸を少なくとも30%以上除去することが可能であると優れた物性を示した。一方、残存カルボキシル基濃度が2.1mmol/g以上である比較例1−1〜1−3は、いずれもCMPFおよび馬尿酸を30%未満しか除去することができないことが明らかとなった。
また、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基の濃度が1.5mmol/g以上である実施例1−1−1、1−1−2、1−1−3、1−2〜1−15、実施例2−1−1、2−1−2、2−1−3、2−2〜2−15、および、実施例3−1〜3−3は、いずれもCMPFおよび馬尿酸除去率が少なくとも30%以上と優れた物性を示した。
さらに、中心金属とリンカーの分子量が1,000未満である実施例1−1−1、1−1−2、1−1−3、1−2〜1−15、実施例2−1−1、2−1−2、2−1−3、2−2〜2−15、および、実施例3−1〜3−3を備えた第一の手段と、透析膜(カットオフ分子量:500−1000)を備えた第二の手段と、を有するシステム中では、いずれも金属有機フレームワークの溶出量が10ppm以下に抑えられていた。
Figure 2021041314
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Claims (13)

  1. 透析液、血液、血漿、または生物工学的手法により製造された物質の粗生成物を含む液体から、特定物質を捕捉することのできる金属有機フレームワークを含む収着材料であって、
    前記金属有機フレームワークが、(A)Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターと、(B)リンカーと、から構成され、
    残存カルボキシル基濃度(mmol/g)が2.1未満である、収着材料。
  2. 前記金属有機フレームワークが、(C)ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基を含む、請求項1に記載の収着材料。
  3. 前記官能基のモル濃度が1.5(mmol/g)以上である、請求項1または2に記載の収着材料。
  4. 前記金属有機フレームワークの孔サイズが7.2〜50オングストロームである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の収着材料。
  5. 前記特定物質は、毒素、毒性溶質、毒性小分子もしくは中分子、およびタンパク質結合毒素からなる群から選択される1種以上の毒性物質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の収着材料。
  6. 前記特定物質は、リン酸塩、パラクレジル硫酸、インドキシル硫酸、馬尿酸、3−カルボキシ−4−メチル−5−プロピル−2−フランプロパン酸(CMPF)からなる群から選択される1種以上の毒性物質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の収着材料。
  7. 前記特定物質は、医薬的に有効な成分である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の収着材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の収着材料の製造方法であって、
    ジメチルスルホキシド、ガンマブチルラクトン、水、シクロヘキサノン、および、シクロペンタノンからなる群から選択される1種以上を含む溶媒中において、Zn、Hf、Ce、Fe、Cu、Cr、AlおよびZrからなる群から選択される1種以上の金属原子が2個以上集合してなる金属クラスターに配位する残存カルボキシル基を酸処理により除去する工程を含む、製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の収着材料を備えた第1の手段と、
    少なくとも前記収着材料の分解物である中心金属およびリンカーを除去するための分離膜を備えた第2の手段と、
    を有する特定物質捕捉システム。
  10. 前記(A)金属クラスター、および(B)リンカーの分子量が、分離膜のカットオフ分子量未満である、請求項9に記載の特定物質補足システム。
  11. 前記分離膜は、透析膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、イオン交換膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、および正浸透膜からなる群から選択される1種以上である、請求項9または10に記載の特定物質補足システム。
  12. 前記分離膜は、透析膜である、請求項9または10に記載の特定物質補足システム。
  13. 前記分離膜が、平膜または中空糸膜の形態である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の特定物質補足システム。
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