JP2021038904A - 熱交換器用偏平チューブおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
先ず、一対の第1プレート7a、第2プレート7bの平面部1の幅方向Xの中間位置に、長手方向に延びる柱状の折返部3が形成され、その折返部3の頂部には離間して、図示しない、スリットが設けられる。そして、図5(A)のごとく、その折返部3に対向する平面部1の位置にフラックス10を塗布しておく。次いで、図5(B)のごとく、両プレート7a、7bの幅方向の両端を巻き締め、偏平なチューブ状に形成する。
次いで、高温の炉内で、その偏平チューブ6の外面に被覆されたろう材9がスリット4に供給されて、一方のプレートの折返部3の頂部と、その頂部に対向する他方のプレートの平面部1との間がフラックス10を介してろう付固定される。
上記の場合、折返部3の重ね合わされた面からのろう材9の浸透が不足し、折返部3の頂部3aと偏平チューブ6の内面とのろう付の信頼性が損なわれる場合がある。
本発明は、上記の問題を解決することを課題とする。
両平面部1間を連結し、対向する一対の側面部2と、
一方の前記平面部1の前記幅方向Xの中間位置で折り返されて重ね合わされた面が長手方向Yに伸びる少なくとも一つの折返部3と、を有し、
前記折返部3の頂部3aが他方の平面部1に当接され、その当接部がろう付された熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記頂部3aには、金属プレート7の長手方向Yに沿って配置され、金属プレート7を貫通するスリット4が形成され、
前記折返部3に前記スリット4に交差するように、その折返部3の重ね合わされた面の内側で、その頂部3aから付根部3bにかけて案内溝5が形成された熱交換器用偏平チューブである。
前記案内溝5は、金属プレート7の板厚方向に貫通しない細溝状に形成されたものである熱交換器用偏平チューブである。
前記案内溝5が、前記折返部3から前記平面部1にまで伸びる延長部5aを有する熱交換器用偏平チューブである。
前記帯状の金属プレート7を貫通するスリット4を長手方向Yに間欠的に形成すると共に、そのスリット4に交差し、長手方向に定間隔に複数の案内溝5を形成する工程と、
次いで、金属プレート7に設けたスリット4を頂部3aとし、幅方向Xに曲折することにより、前記案内溝5が折り返して重ね合わされる工程と、を有することを特徴とする熱交換器用偏平チューブの製造方法である。
この構造により、偏平チューブの内面側に十分なろう材およびフラックスを浸透させることができる。そのため、ろう材やフラックスの不足によるろう付不良を回避でき、頂部3aとそれに対向する平面部1とが確実に接合される。
そして、平面部1の内面にフラックスを塗布する必要がないので、その手間がなく、また、ろう付後の平面部1の内面におけるフラックスの残渣も低減される。
そのため、ろう付後に案内溝5がろうで閉じずに、そこの気密性が損なわれるおそれがなく、偏平チューブの内面側に十分なろう材およびフラックスを浸透させることができる。
そのため、案内溝5を介して、偏平チューブの外面側のより広い範囲から、ろう材やフラックスをスリット4に導ける。その結果、偏平チューブの内面側に十分なろう材やフラックスを浸透させることができる。
金属プレート7の長手方向にスリット4を形成すると共に、そのスリット4に交差し且つ、長手方向に定間隔に複数の案内溝5を形成する工程と、
次いで、金属プレート7に設けたスリット4を頂部3aとし、幅方向Xに曲折することにより、前記案内溝5が折り返して重ね合わされる工程と、を有するものである。
この発明によれば、金属プレート7を曲折する前に、ローラー等で複数の案内溝5を一括して形成することが可能となるので、案内溝5を有する偏平チューブを容易に製造することができる。
図1は、本発明の折返部3を有する偏平チューブの要部斜視図である。
図2は、偏平チューブの素材である金属プレート7の表面に設けたスリット4と案内溝5の形成位置を示す要部説明図である。図2(A)は金属プレート7に案内溝5を設けた平面図、同図(B)はさらに案内溝5を横断してスリット4を設けた平面図、同図(C)は同図(A)のC−C矢視断面図、同図(D)は同図(B)のD−D矢視断面図である。
図3は、同金属プレート7の折返部3の形成時の曲折工程を示す要部説明図であり、図3(A)はその第1工程、同図(B)は第2工程、同図(C)は第3工程を示す説明図である。
本発明では、金属プレート7の幅方向をXとし、その長手方向をYとする。
そして、一方の平面部1の幅方向Xの中間位置に少なくとも一つの長手方向Yに伸びる折返部3が形成されている。この折返部3は、金属プレート7を幅方向Xに折り返して、金属プレート7の面が重ね合わされて形成されている。そして、その折返部3の頂部3aが他方の平面部1に当接され、その当接部がろう付されるものである。
また、この例では、そのスリット4に直交して案内溝5が形成される。その案内溝5は、金属プレート7の長手方向Yに間欠的に多数、並列される。この案内溝5は、プレス成形により形成でき、図2(C)、同図(D)に示すように、金属プレート7を貫通していない。各案内溝5の間隔は、一例として、1.5mmである。
次いで、図3(B)〜(C)に示す如く、スリット4が折返部3の頂部3aとなるように、幅方向Xに曲折することにより、金属プレート7に折返部3が形成される。
図3(C)に示す如く、折返部3の頂部3aには、スリット4の開口4aが露出するとともに、案内溝5が折返部3の内側に重なり合い、折返部3の付根部3bから頂部3aにかけて立ち上がるように形成される。
その付根部3bには、金属プレート7の幅方向Xに延長する延長部5aが形成される。
付根部3bは、図1に示す如く、偏平チューブ6の外面側に露出し、そこに形成される延長部5aも偏平チューブ6の外面側に露出する。
図4は、そのろう付時のろうフィレット13の形成のされ方を示す。図4(A)はろう付前のチューブの横断面図、同図(B)は同図(A)をろう付した時のろう材およびフラックスの流れを示すB部拡大図、同図(C)は偏平チューブ6のろう付後のろうフィレット13の状態を示す拡大図である。
図4(A)のごとく、折返部3の頂部3aが対向する平面部1に接触する。同図(A)に示すように、チューブの内面側の平面部1には、犠牲陽極材12を被覆することができる。
そして、図4(C)に示す如く、第2プレート7bの頂部3aとその頂部3aに接触する第1プレート7aの平面部1との間にろうフィレット13が形成される。
2 側面部
3 折返部
3a 頂部
3b 付根部
4 スリット
4a 開口
5 案内溝
5a 延長部
6 偏平チューブ
7a 第1プレート
7b 第2プレート
8 ディンプル
9 ろう材
10 フラックス
11 巻締め部
12 犠牲陽極材
13 ろうフィレット
Claims (4)
- 帯状の金属プレート(7)が幅方向(X)に曲折されて、対向する一対の平面部(1)と、
両平面部(1)間を連結し、対向する一対の側面部(2)と、
一方の前記平面部(1)の前記幅方向(X)の中間位置で折り返されて重ね合わされた面が長手方向(Y)に伸びる少なくとも一つの折返部(3)と、を有し、
前記折返部(3)の頂部(3a)が他方の平面部(1)に当接され、その当接部がろう付された熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記頂部(3a)には、金属プレート(7)の長手方向(Y)に沿って配置され、金属プレート(7)を貫通するスリット(4)が形成され、
前記折返部(3)に前記スリット(4)に交差するように、その折返部(3)の重ね合わされた面の内側で、その頂部(3a)から付根部(3b)にかけて案内溝(5)が形成された熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項1に記載の熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記案内溝(5)は、金属プレート(7)の板厚方向に貫通しない細溝状に形成されたものである熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項1に記載の熱交換器用偏平チューブにおいて、
前記案内溝(5)が、前記折返部(3)から前記平面部(1)にまで伸びる延長部(5a)を有する熱交換器用偏平チューブ。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器用偏平チューブの製造方法において、
前記帯状の金属プレート(7)を貫通するスリット(4)を長手方向(Y)に間欠的に形成すると共に、そのスリット(4)に交差し、長手方向に定間隔に複数の案内溝(5)を形成する工程と、
次いで、金属プレート(7)に形成されたスリット(4)を頂部(3a)とし、幅方向に曲折することにより、前記案内溝(5)が折り返して重ね合わされる工程と、
を有する熱交換器用偏平チューブの製造方法。
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JP2002071286A (ja) * | 2000-08-24 | 2002-03-08 | Toyo Radiator Co Ltd | 熱交換器用偏平チューブおよびその製造方法 |
JP2007093025A (ja) * | 2005-09-27 | 2007-04-12 | Showa Denko Kk | 熱交換器およびその製造方法 |
JP2010197002A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 板折り曲げ式のアルミニウム製熱交換器用チューブ、アルミニウム製熱交換器及び板折り曲げ式のアルミニウム製熱交換器用チューブの製造方法 |
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