JP2021038683A - インジェクション機構付き圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機構部の厚みを大きくするなどの制約を受けることなくインジェクションポートを設置可能としたインジェクション機構付き圧縮機を提供する。【解決手段】圧縮機構部2に低圧と高圧の間の中間圧力状態の作動流体を外部からインジェクション管95を経由して圧縮室15へと引き込む中間圧経路41を設け、吐出室31と中間圧経路41を区画する区画部材44の内の少なくとも一つにより吐出弁19の可動範囲を規制する構成としてある。これにより、インジェクション用の中間圧経路を区画形成する区画部材によって吐出弁の可動範囲を規制するので、圧縮機構部の厚みを大きくするなどのことなく吐出弁を開閉する吐出ポート近傍位置にインジェクションポートを設置でき、高能力で高効率なインジェクション機構付き圧縮機を提供できる。【選択図】図7

Description

本発明は、インジェクションサイクルに用いるインジェクション機構付き圧縮機に関するものである。
特許文献1は、従来のインジェクションサイクルに用いるスクロール型のインジェクション機構付き圧縮機を示す。このインジェクション機構付き圧縮機は、効率向上のため、吐出リード弁を固定スクロールの鏡板に対して傾斜して固定し、肉厚となった部分にインジェクションポートと連通するバルブ室を設け、バルブ室にインジェクションポートを開閉可能なインジェクション弁を固定させることで、インジェクションポートを構成するスペースを設けつつ、吐出ポートのデッドボリュームの低減を図っている。つまり、固定スクロールの鏡板を肉厚にするという制約のもとにインジェクションポートを設け効率の向上を図っていた。
特許第5842637号公報
本開示は、インジェクションポートを構成する際に圧縮機構部の厚みを大きくするなどの制約を受けることなくインジェクションポートを設置可能としたインジェクション機構付き圧縮機を提供する。
本開示のインジェクション機構付き圧縮機は、密閉容器の内部に低圧状態の作動流体を吸入して高圧状態へと圧縮する圧縮機構部を有し、圧縮機構部には圧縮室から吐出室への出口に逆流を防止する吐出弁を設けた圧縮機において、前記圧縮機構部には低圧と高圧の間の中間圧力状態の作動流体を密閉容器の外部からインジェクション管を経由して圧縮室へと引き込むための中間圧経路を設け、前記吐出室と中間圧経路を区画する区画部材の内の少なくとも一つにより、前記吐出弁の可動範囲を規制する構成としたものである。
本開示は、インジェクション用の中間圧経路を区画形成する区画部材によって吐出弁の可動範囲を規制するので、圧縮機構部の厚みを大きくするなどの制約を受けることなく吐出弁を開閉する吐出ポート近傍位置にインジェクションポートを設置でき、高能力で高効率なインジェクション機構付き圧縮機を提供できる。
本実施例によるスクロール圧縮機の縦断面図 図1の圧縮機構部の要部拡大断面図 図2のC−C線矢視図 同スクロール圧縮機の旋回運動に伴う背圧室との連通路およびインジェクションポートの開口状態図 同スクロール圧縮機の旋回運動に伴う背圧室との連通路とシール部材との位置関係を示す説明図 本発明の一実施例による冷凍サイクル図 図2のA−A線矢視図 図7のB−B線矢視図 実施の形態2による中間圧経路と吐出ポート断面図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、特許文献1に記載されたインジェクション機構付きスクロール圧縮機があった。このインジェクション機構付き圧縮機は、固定スクロールの鏡板内にインジェクション弁を含むバルブ室を設けるため、インジェクション弁の寸法がそのまま鏡板の厚みとして必要となり、インジェクション機構を設けない場合と比較すると、鏡板厚み増加に伴う吐出ポートのデッドボリュームの影響が大きくなって効率向上効果が十分に得られないという課題があった。特に、インジェクションポートを吐出リード弁と比較的近い位置に配置する場合には、吐出リード弁を傾斜して配置した効果は小さくなり、デッドボリューム削減効果も限定的となってしまう、というものであった。
つまり、インジェクションポートの設置に当たって固定スクロール鏡板を厚くするという制約を受ける上に効率向上効果も十分に得られない、という課題があった。発明者らはこのような課題を見出し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、インジェクションポートを構成する際に圧縮機構部の厚みを大きくするという制約を受けることなく、インジェクションポートを設置可能としたインジェクション機構付き圧縮機を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1〜図8を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
図1は、本開示の実施の形態に係るスクロール型のインジェクション機構付き圧縮機の縦断面図、図2は図1の圧縮機構部の要部拡大断面図である。以下、本実施の形態に係るインジェクション機構付き圧縮機について、その構成、作用を説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るインジェクション機構付き圧縮機は、密閉容器1と、密閉容器1の内部に位置する圧縮機構部2と、圧縮機構部2を駆動するモータ部3と、密閉容器1の底部に設けられた貯油部20とを備えている。図2に示すように、圧縮機構部2は、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどで固定された主軸受部材11と、主軸受部材11上にボルト止めされ、鏡板に渦巻き状のラップを直立する固定スクロール12と、鏡板に渦巻き状のラップを直立する旋回スクロール13と、固定スクロール12と旋回スクロール13とを噛み合わせてできる圧縮室15と、旋回スクロール13を固定スクロール12に対して押し付ける圧力を保持する背圧室29と、を備えている。
旋回スクロール13と主軸受部材11との間には、旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設けている。
シャフト4は、モータ部3により回転駆動される。シャフト4は、主軸受部材11により軸支され、シャフト4の上端にある偏心軸部4aにて旋回スクロール13を偏心駆動する。
これにより、旋回スクロール13を円軌道運動させる。固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が、外周側から中央部に向かって容積を縮めながら移動することを利用して、密閉容器1外に通じた吸入パイプ16及び固定スクロール12の外周部の吸入ポート17から作動流体(以下、冷媒と称す)を吸入して、圧縮室15に閉じ込んだのち圧縮を行う。所定の圧力に到達した冷媒は、固定スクロール12の中央部に設けられた吐出ポート18から吐出弁19を押し開いて、吐出圧力に到達した冷媒が吐出される吐出室31から、さらに吐出冷媒通路59、内部空間7を通り、最終的には吐出管22から密閉容器1外へ送り出される。
またシャフト4の下端にはポンプ25が設けられ、ポンプ25の吸い込み口が貯油部20内に存在するように配置する。ポンプ25は旋回スクロール13と同時に駆動されるため、ポンプ25は貯油部20にあるオイル6を、圧力条件や運転速度に関係なく、確実に吸い上げることができる。これによりオイル切れを起こすことがない。
ポンプ25で吸い上げたオイル6は、シャフト4内を通縦しているオイル供給穴26を通じて圧縮機構部2に供給される。なお、オイル6をポンプ25で吸い上げる前もしくは吸い上げた後に、オイルフィルタ等でオイル6から異物を除去すると、圧縮機構部2への異物混入が防止でき、更なる信頼性向上を図ることができる。
圧縮機構部2に導かれたオイル6は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。さらにオイル6の一部は、供給圧や自重によって、逃げ場を求めるようにして偏心軸部4aと旋回スクロール13との嵌合部、シャフト4と主軸受部材11との間の軸受部66に進入してそれぞれの部分を潤滑した後、落下し、貯油部20へ戻る。
図3は図2のC−C線矢視図である。固定スクロール12と旋回スクロール13により形成される圧縮室15には、旋回スクロール13のラップの外側に位置する外側圧縮室15aと、ラップの内側に位置する内側圧縮室15bがある。インジェクション機構付き圧縮機91は、外側圧縮室15aの吸入閉込み容積と、内側圧縮室15bの吸入閉込み容積とが異なる容積である非対称スクロール圧縮機である。ここで、吸入閉込み容積は、吸入ポート17から吸い込んだ冷媒を閉じ込めた直後の圧縮室容積である。
非対称スクロール圧縮機とすることにより、圧縮機全体としての吸入閉込み容積が増えるため、圧縮機内部の空間を効率的に使うことができる。また、吸入ポート17から吸い込んだ冷媒は、外側圧縮室15aについても吸入ポート17近辺で閉じ込めて圧縮工程に入ることができるため、低圧低温の冷媒が圧縮機構部2により加熱されて、冷媒の密度低下が生じるのを抑制できる。
その一方で、各圧縮室の吸入閉じ込み容積の違いは容積比に影響する。容積比とは、吸入閉込み容積に対する、圧縮工程中の圧縮室容積の比である。容積比は、外側圧縮室および内側圧縮室のそれぞれに規定できる。一般に、内側圧縮室および外側圧縮室が、固定スクロール12の中央部に設けられた吐出ポート18と連通する際の圧縮室容積は略等しい。吐出ポート18が圧縮室内の冷媒の唯一の排出経路である場合、各圧縮室の吐出可能容積比は吸入閉込み容積により決まる。ここで、吐出可能容積比とは、圧縮室が吐出可能となった、つまり、圧縮室が吐出室31と連通した時点の圧縮室の容積に対する、吸入閉込み容積の比である。吐出可能容積比は、外側圧縮室および内側圧縮室のそれぞれに規定できる。外側圧縮室15aの吸入閉込み容積が、内側圧縮室15bの吸入閉込み容積よりも大きいため、外側圧縮室15aは内側圧縮室15bに対して圧縮工程が長くなり、吐出可能容積比が大きくなる。
圧縮比が比較的低い状態での運転である低圧縮比運転時において、吐出可能容積比が大きい圧縮室は圧縮室圧力が吐出圧力を超えても圧縮室内の冷媒を排出できずに過圧縮状態となるが、外側圧縮室15aは内側圧縮室15bよりも過圧縮状態になり易い。ここで、圧縮比は、吸入圧力に対する吐出圧力の比である。また、外側圧縮室15aは、内側圧縮室15bに比較して、圧縮室を押し付け方向視での投影した面積が大きい。このため、外側圧縮室15aの過圧縮状態は、旋回スクロール13を固定スクロール12から押し離す力を増大させ易い。
また、旋回スクロール13のラップ先端13cには、運転中の温度分布を測定した結果をもとに、中心部である巻き始め部から外周部である巻き終わり部にかけて、徐々にラップ高さが高くなるようにスロープ形状が設けられている。これにより、熱膨張による寸法変化を吸収し、局所摺動を防止することができる。
スクロール圧縮機は、図2に示すように、貯油部20からオイルを圧縮室15に導く給油経路55として、接続路55−1と供給路55−2とを備えている。また、圧縮室15への給油経路として、旋回スクロール13の内部に形成された通路13aと、固定スクロール12のラップ面側鏡板に形成された凹部12aとを備えている。通路13aには供給路55−2を含む。
通路13aの一方の開口端55−2bは、ラップ先端13cに形成し、旋回運動にあわせて周期的に凹部12aに開口する。また、通路13aの他方の開口端55−2aは、常時背圧室29に開口する。これにより、背圧室29は内側圧縮室15bとのみ間欠的に連通し、外側圧縮室15aとは連通しない。また、圧力上昇速度が速い内側圧縮室15bへ積極的にオイル供給することで、圧縮工程において、1つ前に形成された内側圧縮室15b−1(図3参照)から、次に形成された内側圧縮室15b−2(図3参照)への漏れを抑制できる。
また、図2に示すように、旋回スクロール13の背面13eに、シール部材78と、吐出圧力の冷媒を保持する高圧領域30と、吐出圧力と吸入圧力の中間の圧力の冷媒を保持する背圧室29を備えている。シール部材78により、シール部材78の内側を高圧領域30、シール部材78の外側を背圧室29に区画している。
給油経路のうち少なくとも一つが背圧室29を経由するよう構成する。つまり、給油経路55を、高圧領域30から背圧室29への接続路55−1と、背圧室29から内側圧縮室15bへの供給路55−2から構成する。これにより、背面13eからの背圧により、旋回スクロール13は固定スクロール12に安定的に押し付けられ、背圧室29から圧縮室15への冷媒の漏れを低減するとともに、安定した運転を行うことができる。
また、シール部材78を用いることにより、高圧領域30と背圧室29の圧力(以下、背圧)は完全に分離され、旋回スクロール29の背面29eからの圧力付加を安定的に制御できる。
また、高圧領域30から背圧室29への接続路55−1を設けることで、自転拘束機構14の摺動部や、固定スクロール12と旋回スクロール13のスラスト摺動部にオイル6を供給できる。
また、背圧室29から内側圧縮室15bへの供給路52を設けることで、内側圧縮室15bへの給油量を積極的に増やすことができ、内側圧縮室15bにおける漏れ損失を抑制できる。
また、接続路55−1の一方の開口端55−1bを旋回スクロール13の背面13eに形成し、シール部材78を往来させ、他方の開口端55−1aは常時高圧領域30に開口させる。これにより、間欠給油と背圧の調整が実現できる。
まず、間欠給油について説明する。
図5は、スクロール圧縮機の旋回運動に伴う背圧室との連通路とシール部材との位置関係を示す説明図である。図5は、位相を90度ずつずらしており、(a)0°〜90°、(b)90°〜180°、(c)180°〜270°、(d)270°〜360°の状態を示している。つまり、図5(b)は、図5(a)からシャフト4が90度回転した状態、図5(c)は、図5(b)からさらに90度回転した状態、図5(d)は、図5(c)からさらに90度回転した状態、図5(a)は、図5(d)からさらに90度回転した状態を示している。図5に示すように、接続路55−1の一方の開口端55−1bは、旋回スクロール13の背面13eに位置している。旋回スクロール13の背面13eは、シール部材78によって、内側の高圧領域30と外側の背圧室29に仕切られている。図5(b)の状態では、一方の開口端55−1bはシール部材78の外側である背圧室29に開口しているため、背圧室29と高圧領域30とが連通する。これにより、高圧領域30から背圧室29にオイル6が供給される。対して、図5(a)、(c)、(d)の状態では、開口端55−1bはシール部材78の内側に開口しているため、背圧室29は高圧領域30と連通しない。このため、高圧領域30から背圧室29にオイル6は供給されない。
すなわち、接続路55−1の一方の開口端55−1bは、高圧領域30と背圧室29とを往来し、接続路55−1の両開口端55−1a、55−1bで圧力差が生じたときのみ背圧室29にオイル6が供給される。これにより、給油量は一方の開口端55−1bがシール部材78を往来する時間割合で調整できる。このため、接続路55−1の通路径をオイルフィルタに対し10倍以上の寸法で構成できる。
また、通路に異物が噛み込んで閉塞する恐れがなくなるため、安定した背圧の印加と同時にスラスト摺動部及び自転拘束機構14の潤滑も良好な状態を維持でき、高効率かつ高信頼性を実現できる。なお、他方の開口端55−1aが常時高圧領域30にあり、一方の開口端55−1bが高圧領域30と背圧室29を往来する場合を例として説明したが、他方の開口端55−1aが高圧領域30と背圧室29を往来し、一方の開口端55−1bが常時背圧室29にある場合でも、両開口端55−1a、55−1bで圧力差が生じるため、間欠給油が実現でき、同様の効果が得られる。
次に、背圧の調整について説明する。
図4は、スクロール圧縮機の旋回運動に伴う背圧室との連通路およびインジェクションポートの開口状態図である。図4は、固定スクロール12に旋回スクロール13を噛み合わせ、旋回スクロール13の背面13eから見た状態であり、位相を90度ずつずらした図である。図5と同様に、図4は、(a)0°〜90°、(b)90°〜180°、(c)180°〜270°、(d)270°〜360°を示している。つまり、図4(b)は、図4(a)からシャフト4が90度回転した状態、図4(c)は、図4(b)からさらに90度回転した状態、図4(d)は、図4(c)からさらに90度回転した状態、図4(a)は、図4(d)からさらに90度回転した状態を示している。
図4(a)に示す状態が、外側圧縮室15aが冷媒を閉じ込める位置であり、図4(c)に示す状態が、内側圧縮室15bが冷媒を閉じ込める位置である。
図4(a)に示す状態では、2つの外側圧縮室15aが形成されており、外周側に位置する外側圧縮室15aは冷媒を閉じ込めた直後の低圧状態であり、内周側に位置する外側圧縮室15aは中間圧状態である。図4(c)に示す状態では、内周側に形成された外側圧縮室15aは吐出前の高圧状態である。
図4(c)に示す状態では、2つの内側圧縮室15bが形成されており、外周側に位置する内側圧縮室15bは冷媒を閉じ込めた直後の低圧状態であり、内周側に位置する内側圧縮室15bは中間圧状態である。図4(d)に示す状態では、内周側に形成された内側圧縮室15bは吐出前の高圧状態である。
以上の図4(a)(b)(c)(d)にインジェクションポート43を図示しているが、このインジェクションポート43は、吸入工程が完了して圧縮を開始し始めた状態の圧縮室に開口するように構成している。これにより、インジェクションされた中間圧状態の冷媒が低圧状態の吸入ポート17まで膨張するのを抑制し、冷凍サイクルを循環する冷媒量を増加させ、大能力で高効率な運転が可能となる。このような動作をより効果的に実現するためには、インジェクションポート43は必然的に吐出ポート18や吐出バイパスポート21に近い位置に設けなければならず、吐出室31と中間圧経路41を両立して区画するのが難しくなる。即ち、吐出弁19のような吐出弁可動体の可動範囲を規制する部材が単独で配置され、吐出室31と中間圧経路41を別部材により区画する場合、それぞれの部材間にスペースを設けて配置する必要が生じるため、吐出弁19近傍にインジェクションポート43を配置させることができなかった。
そこで、本実施の形態では吐出室31と中間圧経路41を区画する区画部材44そのものに、吐出弁19の可動量を規制する役割を持たせることで、インジェクションポート43をより吐出ポート18に近い位置に構成することを可能としている。
図7は、図2のA−A線矢視図である。図8は、図7のB−B線矢視図である。
固定スクロール12の鏡板内部に設けた中間圧経路41は、逆止弁42を通って固定スクロール12と区画部材41で囲まれる空間にも形成されており、区画部材41は、中間圧経路41のすぐ近傍に設けられた吐出弁19のリフト量も規制することで、インジェクションポート43と吐出ポート18の近接配置を実現している。
このように、区画部材41の一部を吐出弁19の規制部材として用いることによって、締結部の共用化、干渉回避隙間の縮小・廃止、圧力シール長さの確保を可能とし、より吐出ポート18に近い位置でのインジェクションポート構成を可能として、インジェクションサイクルの効果を最大化可能とするインジェクション機構付き圧縮機を実現している。
次に、背圧室29の作用について説明する。図4(d)の状態では、一方の開口端55−2bは、凹部12aに開口している。このため、内側圧縮室15bは背圧室29と連通する。高圧縮比運転時には、供給路55−2及び通路13aを通って背圧室29から内側圧縮室15bにオイル6が供給される。
凹部12aは、内側圧縮室15bが、吸入した冷媒を閉じ込めた直後に、一方の開口端55−2bが開口する位置に設けている(図4(d)参照)。換言すると、一方の開口端55−2bによって給油経路は、吸入冷媒を閉じ込み後の圧縮工程中にある内側圧縮室15bに開口する位置に設けている。そのため、内側圧縮室15bと連通している間の背圧室29の圧力は、内側圧縮室15bの圧力とほぼ等しくなる。対して、図4(a)、(b)、(c)の状態では、一方の開口端55−2bは凹部12aに開口していない。このため、背圧室29から内側圧縮室15bにオイル6は供給されない。また、背圧室29の圧力も内側圧縮室15bから影響を受けない。
また、前述のように、図4(b)に対応する図5(b態では、背圧室29と高圧領域30とが連通する。これにより、連通している間、高圧領域30のオイル6が背圧室29へと共有され、背圧室29の圧力は上昇する。
つまり、背圧室29を吸入圧力と吐出圧力との中間の圧力状態に調整でき、この圧力が旋回スクロールへの押し付け力として機能する。
スクロール圧縮機は、圧縮室15で圧縮した冷媒を吐出室31に導く通路として、吐出ポート18の他に吐出バイパスポート21を設けている。吐出バイパスポート21は吐出ポート18と同様、リード弁を備えている。圧縮室15内の圧力が吐出室31の圧力に達した場合には、リード弁が押し開らかれ、吐出室31に冷媒を排出される。吐出弁可動体であるリード弁19の最大リフト量は可動体規制部材である区画部材44によって制限され、過度な変形による破損を防止している。特に、インジェクション率が高い運転条件においては、圧縮室15の圧力上昇速度も速くなるため、リード弁19に掛かる負荷も大きく、リフト量を規制する重要性も高くなる。
また、圧縮室15の圧力が吐出室31の圧力に満たない場合は、リード弁が閉じて吐出室31から圧縮室15への冷媒の逆流を抑制する。
ただし、吐出ポート18および吐出バイパスポート21が前述の機能を実現する条件として、圧縮室15が吐出ポート18や吐出バイパスポート21と連通する位置に存在する必要がある。吐出ポート18や吐出バイパスポート21は固定スクロール12の鏡板に設けられた固定通路である。圧縮室15は圧縮動作とともに容積を縮めながら中心側へと移動していき、圧縮室15が吐出ポート18もしくは吐出バイパスポート21と連通する位置まで進んで初めて、圧縮室15の冷媒を吐出室31へ排出可能となる。吐出バイパスポート21は、圧縮工程において、圧縮室15が吐出ポート18によって吐出室31と連通する前の圧縮室15と、吐出室31とを連通させるように設けられている。
スクロール圧縮機91は、外側圧縮室15aが連通する吐出バイパスポート21aと内側圧縮室15bが連通する吐出バイパスポート21bをそれぞれ別々に設け、連通するタイミングをずらしている。
吐出バイパスポート21aは、図4(a)の状態では、外側圧縮室15aと連通せず、図4(b)〜(d)の状態では、外周側に位置する外側圧縮室15aと連通する位置に設けられている。吐出バイパスポート21bは、図4(d)の状態では、内側圧縮室15と連通せず、図4(a)〜(c)の状態では、外周側に位置する内側圧縮室15bと連通する位置に設けられている。
外側圧縮室15aは、図4(a)のタイミングで吸入工程を完了して外側圧縮室15aを閉じ込める。圧縮工程が90°進んだ図4(b)において、既に外側圧縮室15aは吐出バイパスポート21aと連通状態にある。この場合、外側圧縮室15aの吐出可能容積比は、外側圧縮室15aが吐出バイパスポート21aと連通するタイミングの圧縮室容積に対する外側圧縮室15の吸入閉込み容積の比で決まり、実質的に吐出ポート18との連通タイミングには依存しない。
一方、内側圧縮室15bは、図4(c)のタイミングで吸入工程を完了して内側圧縮室15bを閉じ込める。内側圧縮室15bは、圧縮工程が90°進んだ図4(d)において、吐出バイパスポート21bとは連通しておらず、更に90°進んだ図4(a)において、吐出バイパスポート21bと連通する。また、内側圧縮室15bは、図4(d)のタイミングで、供給路55−2及び通路13aを介して背圧室29と連通している。
この場合も、内側圧縮室15bの吐出可能容積比は吐出バイパスポート21bとの連通タイミングにより決められ、背圧室29が連通する内側圧縮室15bの吐出可能容積比は、背圧室閉口時容積比および外側圧縮室15aの吐出可能容積比よりも大きい。ここで、背圧室閉口時容積比とは、背圧室29が連通する側の圧縮室、つまり内側圧縮室15bにおいて、背圧室29と圧縮途中の内側圧縮室15bの連通が終了する時(つまり、図4(d)の直後のタイミング)の外周側の内側圧縮室15bの容積に対する、吸入閉込み容積の比である。
次に上記インジェクション機構付き圧縮機を用いた冷凍サイクル装置について、説明する。
図6は本発明の実施の形態によるインジェクション機構付き圧縮機を用いた冷凍サイクル図である。
図6に示すように、インジェクション機構付き圧縮機を用いた冷凍サイクル装置は、インジェクション機構付き圧縮機91、凝縮器92、蒸発器93、2つの減圧器94a,94b、インジェクション管95、気液分離器96を備えている。インジェクション機構付き圧縮機91、凝縮器92、上流側の減圧器94a、気液分離器96、下流側の減圧器94bは配管により環状に接続されている。インジェクション管95は、気液分離器96とインジェクション機構付き圧縮機91とを接続している。
凝縮器92で凝縮した冷媒は、上流側の減圧器94aで中間圧まで減圧され、気液分離器96に流入する。気液分離器96は、中間圧の冷媒の気相成分(ガス冷媒)と液相成分(液冷媒)とに分離する。中間圧の液冷媒は、更に下流側の減圧器94bを通り、低圧冷媒となって蒸発器93に流入する。
蒸発器93に流入した液冷媒は、熱交換によって蒸発し、ガス冷媒又は一部、液冷媒が混じったガス冷媒として排出される。蒸発器93から排出された冷媒は、インジェクション機構付き圧縮機91の圧縮室15に流入される。
一方、気液分離器96で分離された中間圧のガス冷媒は、インジェクション管95を通り、インジェクション機構付き圧縮機91内の圧縮室15に噴射(インジェクション)される。インジェクション管95に閉塞弁や減圧器を設け、インジェクションする圧力を調整、停止する手段を設けても良い。
インジェクション機構付き圧縮機91は、蒸発器93から流入する低圧冷媒を圧縮する圧縮過程において、気液分離器96の中間圧冷媒を圧縮室15にインジェクションさせて、冷媒を圧縮し、高温高圧冷媒として吐出管22から凝縮器92に排出する。
気液分離器96で分離される気相成分と液相成分の比率について説明する。上流側の減圧器94aの入口側圧力と出口側圧力との圧力差が大きいほど、気相成分が多くなる。また、凝縮器92出口の冷媒の過冷却度が小さい、もしくは乾き度が大きいほど、気相成分が多くなる。
一方、インジェクション機構付き圧縮機91がインジェクション管95を介して吸入する冷媒の量は、中間圧が高いほど多くなる。気液分離器96で分離される冷媒の気相成分比率よりも多くインジェクション管95から冷媒を吸い込むと、気液分離器96のガス冷媒が枯渇し、インジェクション管95に液冷媒が流入する。
インジェクション機構付き圧縮機91の能力を最大限に発揮するためには、気液分離器96において分離されるガス冷媒が余すことなくインジェクション管95からインジェクション機構付き圧縮機91に吸い込まれることが望ましい。仮に、その均衡状態から外れてしまうとインジェクション管95からインジェクション機構付き圧縮機91に液冷媒が流入する。インジェクション管95から液冷媒が流入する場合においても、インジェクション機構付き圧縮機91が高い信頼性を維持できるよう構成することが望ましい。
図7は、図2のA−A線矢視図である。図8は、図7のB−B線矢視図である。
インジェクション管95から流入する中間圧の冷媒は、図1、図2、図7、図8に示すように、中間圧経路41に流入し、インジェクションポート43手前に設けた逆止弁42のリード弁42aを開き、閉じ込み後の圧縮室15にインジェクションされ、吸入ポート17から吸い込んだ冷媒と共に吐出ポート18もしくは吐出バイパスポート21から吐出室31へ、更に吐出冷媒通路59を経由して密閉容器1内の内部空間7に吐出され、最終的には吐出管22から送り出される。
中間圧の冷媒をインジェクションするためのインジェクションポート43は、固定スクロール12の鏡板を貫通して設けている。インジェクションポート43は、外側圧縮室15a及び内側圧縮室15bに順次開口する。インジェクションポート43は、図4で示したように、外側圧縮室15a及び内側圧縮室15bでの閉じ込み後の圧縮工程中に開口する位置に設けている。
本実施の形態に係るインジェクション機構付き圧縮機では、逆止弁42は固定スクロール12の鏡板に設けた弁座42bにリード弁42aを組み付け、区画部材44で挟み込むことにより構成され、リード弁42aの最大リフト量は逆止弁可動体規制部44bで規制される。
圧縮室15の内圧が中間圧経路41の逆止弁42よりもインジェクション管95側の圧力よりも低い時にのみリード弁42aが開き、圧縮室15に連通させる。リード弁42aを用いることで、可動部における摺動箇所が少なく、長期に亘りシール性を維持できるとともに、流路面積を必要に応じて拡大し易い。逆止弁42を設けなかったり、逆止弁42をインジェクション管95に設けた場合は、圧縮室15の冷媒がインジェクション管95まで逆流し、無駄な圧縮動力を消費することになる。本実施の形態では逆止弁42を圧縮室15に近い箇所に設けることで圧縮室15からの逆流を抑制している。
図7に示すように、吐出弁19と吐出バイパスリード弁21aおよび逆止弁のリード弁42aは1枚のシート材により構成されており、全体を区画部材44で押さえてシールすることで、リード弁の最大リフト量を規制しつつ、ボルト48により一体的に固定している。これにより、固定部材48の数を削減するとともに吐出弁19により近い位置までインジェクションポート43を配置可能としている。
また、インジェクションポート43は、図4に示すように、第1圧縮室15aと第2圧縮室15bとに順次開口する位置に設けている。また、インジェクションポート43は、図4(b)、(c)に示すように吸入冷媒を閉じ込み後の圧縮行程中にある外側圧縮室15a又は図4(a)に示すように吸入冷媒を閉じ込み後の圧縮行程中にある内側圧縮室15bに開口する位置に、固定スクロール12の鏡板を貫通して設けている。これにより、インジェクションポート43からインジェクションされた冷媒が閉じ込み前の圧縮室から吸入ポート17へ流れ出て、本来、蒸発器93から吸い込まなければいけない冷媒の吸い込み量が落ちるのを防いでいる。
なお、本実施の形態では圧縮室と背圧室との連通路として給油経路を用いたが、給油経路とは別に独立した経路を設けても同様の効果を得ることができる。また、背圧室は旋回スクロールの背面側に限らず、固定スクロールの背面側に設け、固定スクロールを旋回スクロールに押し付ける構成でもよい。
さらに、本実施の形態ではスクロール方式のインジェクション機構付き圧縮機を用いたが、ロータリ方式やレシプロ方式、スクリュー方式などの他の圧縮方式を用いても同様の効果を得ることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、固定スクロール12の鏡板内に中間圧経路41を形成して当該中間圧経路41から逆止弁42aを押し開いて固定スクロール12上面と区画部材44との間の中間圧経路41部分からインジェクションポート43へと流れる構成とし、区画部材44に逆止弁可動体規制部44bを設けていたが、これは以下のようにすることもできる。すなわち、図9に示すように、固定スクロール12上面に区画部材44を設置してその内部に中間圧経路41を形成するとともに、固定スクロール12上面に中間圧経路41部分を窪み形成し、インジェクション管95から導入した中間圧の冷媒が区画部材44の内部を通り、区画部材44の弁座42bに設けた逆止弁42aを押し開いて、インジェクションポート43へと流れる構成としてもよい。このような構成にすることで、固定スクロール12の鏡板はより薄く構成でき、吐出ポート18やインジェクションポート43の長さを短くして、デッドボリュームの発生を抑制した高効率なインジェクション機構付き圧縮機とすることができる。
[1−2.効果等]
以上のように、本実施の形態において、インジェクション機構付き圧縮機は、圧縮機構部には低圧と高圧の間の中間圧力状態の作動流体を密閉容器の外部からインジェクション管を経由して圧縮室へと引き込むための中間圧経路を設け、前記吐出室と中間圧経路を区画する区画部材の内の少なくとも一つにより、前記吐出弁の可動範囲を規制する構成としてある。これによって、区画部材が吐出弁の規制部材の役割も担うために、圧縮機構部の厚みを大きくしたり、組立時の干渉に配慮したりすることなく吐出弁で開閉する吐出ポート近傍位置にインジェクションポートを設置でき、高能力で高効率なインジェクション機構付き圧縮機を提供できる。また、吐出弁固定部は区画部材の圧力シール部として用いることができるため、インジェクションポート位置の制約を大きく緩和できる。
また、前記中間圧経路の内、前記圧縮室への開口部であるインジェクションポートは、圧縮開始後の前記圧縮室へのみ開口する位置に設けた構成としているので、吐出弁との干渉が課題として生じるのを回避でき、高能力で高効率なインジェクション機構付き圧縮機を提供できる。すなわち、インジェクションポートを圧縮開始後の圧縮室にのみ開口するには、インジェクションポート位置をより吐出弁に近い位置に設ける必要があり、この場合、吐出弁との干渉が課題として生じるが、前記構成によればこのような課題を回避し、高能力で高効率なインジェクション機構付き圧縮機を提供できる。
また、前記圧縮室と前記中間圧経路との間には作動流体の逆流を抑制する逆止弁を設け、前記区画部材には前記逆止弁の弁座を設けた構成としているので、圧縮室から中間圧経路への作動流体の逆流を抑制し、圧縮室のデッドボリュームを減らすことができる。また、区画部材を逆止弁の弁座とすることで、省スペースで構成でき、中間圧経路への影響を最小限に留め、高能力で高効率な運転が可能となる。
また、前記圧縮室と前記中間圧経路との間に作動流体の逆流を抑制する逆止弁を設け、前記逆止弁の可動体の可動範囲を前記区画部材によって規制する構成としているので、圧縮室から中間圧経路への作動流体の逆流を抑制し、圧縮室のデッドボリュームを減らすことができる。また、区画部材を逆止弁の可動体の可動範囲規制部材とすることで、省スペースで構成でき、中間圧経路への影響を最小限に留め、高能力で高効率な運転が可能となる。
また、前記吐出弁および前記逆止弁にリードバルブ式の弁体を用い、少なくとも各1つを含む複数の弁体を一体のシート上に形成した構成としているので、平面内で吐出室と中間圧経路を区画可能となる。すなわち、区画部材が圧縮機構部との間で吐出弁可動体および逆止弁可動体の双方を固定する際、複数の可動体の厚みが異なると、それぞれの厚み差を考慮して区画部材の形状を調整しなければならなかったが、吐出弁と逆止弁の弁体を一体のシートで構成することで、固定および圧力シールのための寸法管理が容易となり、シート部材のいずれかの箇所で固定し、平面内で吐出室と中間圧経路を区画可能となる。これによって、吐出室と中間圧経路の区画が容易になり、インジェクションポート位置の制約を受けずに高能力で高効率なインジェクション機構付き圧縮機を提供できる。
以上、本開示における技術の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明のインジェクション機構付き圧縮機は、高能力で高効率な圧縮機となり、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷凍装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に有用である。
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3 モータ部
4 シャフト
4a 偏心軸部
6 オイル
7 内部空間
11 主軸受部材
12 固定スクロール
12a 凹部
13 旋回スクロール
13c ラップ先端
13e 背面
14 自転拘束機構
15 圧縮室
15a 外側圧縮室
15b 内側圧縮室
16 吸入パイプ
17 吸入ポート
18 吐出ポート
19 吐出弁(吐出弁可動体)
20 貯油部
21 吐出バイパスポート
21a 吐出バイパスリード弁
22 吐出管
25 ポンプ
26 オイル供給穴
29 背圧室
30 高圧領域
31 吐出室
41 中間圧経路
42 逆止弁
42a リード弁
42b 弁座
43 インジェクションポート
43a インジェクションポート入口
44 区画部材(可動体規制部材)
44a 吐出弁可動体規制部
44b 逆止弁可動体規制部
45 マフラー
48 固定部材(ボルト)
55 給油経路
55−1 接続路
55−1a 他方の開口端(高圧領域側)
55−1b 一方の開口端(背圧室側)
55−2 供給路
55−2a 他方の開口端(背圧室側)
55−2b 一方の開口端(圧縮室側)
59 吐出冷媒通路
66 軸受部
78 シール部材
91 インジェクション機構付き圧縮機
92 凝縮器
93 蒸発器
94 膨張弁
95 インジェクション管
96 気液分離器

Claims (5)

  1. 密閉容器の内部に低圧状態の作動流体を吸入して高圧状態へと圧縮する圧縮機構部を有し、前記圧縮機構部には圧縮室から吐出室への出口に逆流を防止する吐出弁を設けた圧縮機において、
    前記圧縮機構部には低圧と高圧の間の中間圧力状態の作動流体を前記密閉容器の外部から前記圧縮室へと引き込むための中間圧経路を設け、
    前記吐出室と前記中間圧経路を区画する区画部材の内の少なくとも一つにより、前記吐出弁の可動範囲を規制したことを特徴とするインジェクション機構付き圧縮機。
  2. 前記中間圧経路の内、前記圧縮室への開口部であるインジェクションポートは、圧縮開始後の前記圧縮室へのみ開口する位置に設けたことを特徴とする請求項1記載のインジェクション機構付き圧縮機。
  3. 前記圧縮室から前記中間圧経路への作動流体の逆流を抑制する逆止弁を設け、前記区画部材には前記逆止弁の弁座を設けたことを特徴とする請求項1もしくは2記載のインジェクション機構付き圧縮機。
  4. 前記圧縮室から前記中間圧経路への作動流体の逆流を抑制する逆止弁を設け、前記逆止弁の可動体の可動範囲を前記区画部材によって規制したことを特徴とする請求項1もしくは2に記載のインジェクション機構付き圧縮機。
  5. 前記吐出弁および前記逆止弁にリードバルブ式の弁体を用い、少なくとも各1つを含む複数の弁体を一体のシート上に構成したことを特徴とする請求項3もしくは4に記載のインジェクション機構付き圧縮機。
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