JP2021038660A - 小便器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献1に示すような小便器において、ボウル部の前壁の内側部分の洗浄が不十分となる場合があるため、特許文献2に示すように、ボウル部の導水凸部の凸面の頂部付近に、局所的に突出する突起部を設け、導水凸部の高さを一層高くすることで、導水凸部の外側から内側に向けて流れる洗浄水を跳ね返す小便器が知られている。この小便器には、突起部が比較的大量の洗浄水のうち導水凸部の外側から内側に向けて流れる洗浄水を跳ね返すことにより、洗浄水をボウル部の前壁の内側部分にも流すことができるとされている。
このように構成された本発明においては、節水化に伴い洗浄水量が低減され、吐水装置によりボウル面に左右方向に広がるように吐水される洗浄水は比較的水勢が弱く且つ比較的水量の少ない薄い水膜を形成するような場合であっても、棚部の順傾斜面が、ボウル面の内側に向けられるように傾斜しているため、洗浄水を内側向きのボウル面に向かって流下させることができ、ボウル面の左右両側の領域を良好に洗浄することができ、さらに、棚部の逆傾斜面が、内側向きのボウル面に対して外側に向けられるように傾斜されているため、洗浄水を逆傾斜面からボウル面に向かって流下させることを抑制し、洗浄水を棚部上において前方側の領域に向けて導くことができ、ボウル面の前方側の領域を良好に洗浄することができる。従って、ボウル面全体を良好に洗浄することができる。
このように構成された本発明においては、ボウル面上で左右方向へ広がった洗浄水の両端が、棚部に到達する位置の近傍に、逆傾斜面の上端が形成される。よって、洗浄水を逆傾斜面から内側に向かって流下させることを抑制し、棚部上を前方側の領域に向けて導くことができる。従って、吐水装置から吐水される洗浄水の水勢が比較的弱くなる場合においても、洗浄水をより前方側の領域に向けて導きやすくすることができる。従って、洗浄水量が低減される場合においても、ボウル面全体を良好に洗浄することができる。
このように構成された本発明においては、逆傾斜面の下端が、棚部の中間位置の近傍に形成されているので、洗浄水を逆傾斜面から内側に向かって流下させることを抑制し、且つ、棚部の中間位置の近傍までにおいて棚部に沿って前方側の領域に向かう洗浄水の流れを形成することができ、洗浄水を前方側の領域に向けて導きやすくすることができる。よって、吐水装置から吐水される洗浄水の水勢が比較的弱くなる場合においても、洗浄水をより前方側の領域に向けて導きやすくすることができる。従って、洗浄水量が低減される場合においても、ボウル面全体を良好に洗浄することができる。
このように構成された本発明においては、棚部の逆傾斜面が、洗浄水を逆傾斜面からボウル面に向かって流下させることを抑制し、棚部の逆傾斜面上に流れる洗浄水を、逆傾斜面の下端から棚部の下端まで形成される順傾斜面により、ボウル面に向かって徐々に流下させ、ボウル面の前方側の領域を良好に洗浄することができ、ボウル面全体を良好に洗浄することができる。
このように構成された本発明においては、棚部は、上方から順に、第1順傾斜面と、逆傾斜面と、第2順傾斜面とが形成されているので、第1順傾斜面は、洗浄水の一部を、棚部の上部からボウル面を洗浄させるように、ボウル面に沿って流下させることができる。また、逆傾斜面は、洗浄水を逆傾斜面から内側に向かって流下させることを抑制し、洗浄水を棚部上において前方側の領域に向けて導くことができる。また、第2順傾斜面は、逆傾斜面によって前方側に導かれる洗浄水の一部を、棚部の下部からボウル面を洗浄させるように、ボウル面に沿って流下させることができる。従って、ボウル面の前方側の領域を良好に洗浄することができ、さらに、ボウル面全体を良好に洗浄することができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水を吐水装置からボウル面上において左右方向へ広がるように吐水させることができ、ボウル面上において左右方向へ広がるように吐水された左右端近傍の洗浄水の水勢が比較的弱くなる場合においても、洗浄水をより前方側の領域に向けて導きやすくすることができる。従って、洗浄水量が低減される場合においても、ボウル面全体を良好に洗浄することができる。
本発明の一実施形態における小便器1は、節水型の小便器として用いることができるように、小便器1の一回の洗浄に、0.5リットル乃至1.2リットルの洗浄水量を使用して一回の洗浄を行えるようになっているが、小便器1の一回の洗浄に、4リットル程度の洗浄水量を使用するような小便器にも適用可能である。このように、便器の種類に応じて使用する洗浄水量が異なっていてもよい。
自動便器洗浄ユニット4は、水道等の給水源から洗浄水を供給する給水管14と、給水管14に設けられる流量調整装置16と、給水管14に取り付けられ給水の供給及び停止を行う開閉弁18と、開閉弁18から後述するスプレッダに洗浄水を供給する供給通路20と、供給通路20の先端に取り付けられた吐水部であるスプレッダ22と、使用者の有無を検知する人体検知センサ24と、人体検知センサ24からの検知信号及び所定の制御プログラム等に基づいて開閉弁18等を制御することができる制御ユニット26と、を備えている。
制御ユニット26は、人体検知センサ24の使用者の有無の検知結果を受けて、開閉弁18を開閉させる制御を行う他、予め設定された所定時間、例えば2時間等の時間が経過するごとに、制御ユニット26から操作信号が発信され、この操作信号により、開閉弁18を開状態とする制御を行う。これにより、洗浄水が、給水管14からスプレッダ22に供給され、小便器1のボウル面8が洗浄され、排出口10の下流側に配置された排水トラップ管路12及び排水配管13内の雑菌の繁殖を抑制し、尿石等の付着を抑制する設備保護洗浄を行えるようになっている。
ボウル面8は、小便器において小便を受けるような内側に向けた面を形成している。ボウル面8は、小便器本体2において、収納室6の前面7と一体構造となっている。ボウル面8は、その上方側の部分において、収納室6の前面7と連続して形成されている。ここで、収納室6の前面7とボウル面8の「連続」は、収納室6の前面7とボウル面8が、面一に、又は、ほぼ面一に形成されていることを意味している。また、完全な面一である必要はなく、例えば、小さな段差があってもよく、収納室6の前面からボウル面8へと流れる洗浄水が剥離することがなければ良い。従って、スプレッダ22から左右方向に拡がるように吐水された洗浄水がボウル面8の上部において滑らかに広がるように水膜を形成しながら流れることができる。
また、図1に示すように、ボウル面8は、スプレッダ22を横切る水平断面において、ボウル面8の左側端部8bと右側端部8cとをつなぐ線分と、この線分を直径とする円弧との間の範囲に位置するように形成されている。
このようなボウル面8は、スプレッダ22から吐水された洗浄水をボウル面8上において左右方向へ広がるように水膜を形成させることができる。また、節水化の要請により、スプレッダ22から吐水される洗浄水量が低減される場合においても、比較的流量の少ない洗浄水によってボウル面8上に広範囲に比較的薄い水膜を形成し、ボウル面8を広範囲にわたって洗浄することができる。
また、このようなボウル面8は、ボウル面8の上端8dから下方に向けて徐々に後退して形成されると共に、連続的に曲率半径が小さくなるように形成されているので、ボウル面8の下方において、洗浄水がボウル面8から外部に飛散することをより確実に抑制することができる。
このようなボウル面8は、ボウル面8の右側端部8cと、ボウル面8の左側端部8bとが、下方に向かうにつれて前方に突出するように形成されているので、ボウル面8の下方において、洗浄水がボウル面8から右側端部8c又は左側端部8bを超えて外部に飛散することをより確実に抑制することができる。
図4は、図3のIV-IV線に沿って見た断面図であり、図5は図3のV-V線に沿って見た断面図であり、図6は図3のVI-VI線に沿って見た断面図であり、図7は図5の棚部の逆傾斜面の近傍部分を拡大して示す部分拡大断面図であり、図8は図3のVIII-VIII線に沿って見た断面図であり、図9は図3のIX-IX線に沿って見た断面図であり、図10は図3のX-X線に沿って見た断面図であり、図11は本発明の一実施形態による小便器の棚部の全体における、第1順傾斜面、逆傾斜面及び第2順傾斜面の傾斜の変化の様子を示す概略図である。
ボウル面8の棚部32は、小便器本体2の中心に延びる中央平面Pに対して左右対称な形状により、左右の棚部32がそれぞれ形成されている。
このように、第1順傾斜面32aは、中央平面P上の位置に向かう向きに向けられている。より具体的には、第1順傾斜面32aの面に直交する垂線V1が、中央平面Pと(中央平面Pを延ばした面と)、交差できるような向きで、内方に向かって延びるように第1順傾斜面32aが内側向きに形成されている。
図4に示すように、第1順傾斜面32aは、ボウル面8の第1順傾斜面内側端部32dに対するボウル面8の垂線V2よりも、前方側に延びるように形成されている。よって、第1順傾斜面32aと、ボウル面8とは、90°よりも大きな角度、すなわち鈍角の角度a1を形成している。
すなわち、図4及び図11に示すように、本実施形態においては、第1順傾斜面32aは、第1順傾斜面内側端部32dが、第1順傾斜面外側端部32eよりもL1mmの距離後方側となるような位置に形成されている。例えば、L1mmは、0mmよりも大きく且つ4mm以下となるような範囲に形成されている。従って、第1順傾斜面32aは、中央平面Pに向かう内側向きに傾いている平面を形成している。
図8に示すように、第1順傾斜面32aは、第1順傾斜面32aの面に直交する垂線V1が、中央平面Pに向かって延びるように形成されている。よって、第1順傾斜面32aは、ボウル面8の内側に向かって傾いている平坦面を形成している。
このように、第2順傾斜面32cは、中央平面P上の位置に向かう向きに向けられている。より具体的には、第2順傾斜面32cの面に直交する垂線V3が、中央平面Pと(中央平面Pを延ばした面と)、交差できるような向きで、内方に向かって延びるように第2順傾斜面32cが内側向きに形成されている。
図6に示すように、第2順傾斜面32cは、ボウル面8の第2順傾斜面内側端部32fの近傍領域に対するボウル面8の垂線V4よりも、前方側に延びるように形成されている。よって、第2順傾斜面32cと、ボウル面8とは、90°よりも大きな角度、すなわち鈍角の角度a2を形成している。本発明の一実施形態においては、第2順傾斜面32cの角度a2は、第1順傾斜面32aの角度a1よりも大きく形成されている。
すなわち、図6及び図11に示すように、本実施形態においては、第2順傾斜面32cは、第2順傾斜面内側端部32fが、第2順傾斜面外側端部32gよりもL2mmの距離後方側となるような位置に形成されている。例えば、L2mmは、0mmよりも大きく且つ8mm以下となるような範囲に形成されている。従って、第2順傾斜面32cは、中央平面Pに向かう内側向きに傾いている平面を形成している。
図11に示すように、例えば、第2順傾斜面32cは、第2順傾斜面内側端部32fと第2順傾斜面外側端部32gとの距離L2が、第1順傾斜面32aの同様の距離L1よりも大きく形成され、第2順傾斜面32cは第1順傾斜面32aよりもより内側向きに向けられて形成されている。
図10に示すように、第2順傾斜面32cは、第2順傾斜面32cの面に直交する垂線V3が、中央平面Pに向かって延びるように形成されている。よって、第2順傾斜面32cは、ボウル面8の内側に向かって傾いている平坦面を形成している。
図7に示すように、逆傾斜面32bは、ボウル面8の逆傾斜面内側端部32hに対するボウル面8の垂線V6と、逆傾斜面32bとの成す角度a3が0度よりも大きく且つ30度以下となるような角度に形成されている。より好ましくは、逆傾斜面32bは、ボウル面8の垂線V6と、逆傾斜面32bとの成す角度a3が0度よりも大きく且つ15度以下となるような角度に形成されている。例えば、逆傾斜面32bは、ボウル面8の垂線V6と、逆傾斜面32bとの成す角度a3が15度となるように形成されている。よって、逆傾斜面32bと、ボウル面8とは、鋭角の角度a4を形成している。
すなわち、図5及び図11に示すように、本実施形態においては、逆傾斜面32bは、逆傾斜面外側端部32iが、逆傾斜面内側端部32hよりもL3mmの距離後方側となるような位置に形成されている。例えば、L3mmは、0mmよりも大きく且つ5mm以下となるような範囲に形成されている。従って、逆傾斜面32bは、中央平面Pに向かわず外側向きに傾いている平面を形成している。
図9に示すように逆傾斜面32bは、逆傾斜面32bの面に直交する垂線V5が、中央平面Pから離れる外側の向き、すなわち中央平面Pと交差しない向きに向かって外方に延びるように逆傾斜面32bが外側向きに形成されている。
また、逆傾斜面32bを第2順傾斜面32cの上流側に配置することにより、逆傾斜面32bからボウル面8に向かって流下させることを抑制した洗浄水を、第2順傾斜面32cからボウル面8に向かって徐々に流下させることができる。また、逆傾斜面32bを第1順傾斜面32aと第2順傾斜面32cとの間に配置することにより、第1順傾斜面32a及び第2順傾斜面32cから、洗浄水をボウル面8のより広い範囲にわたって流下させることができる。
棚部32の凹部32nは、小便器本体2の中央の先端側に形成されている。棚部32の凹部32nは、棚部32を所定長さ離間させるように分断している。図2に示すように、右側の棚部32の先端の右側棚部先端部32oと、左側の棚部32の先端の左側棚部先端部32pとの間が離間するように形成されている。
ボウル面8の前端部8eの内側向き面8fの棚部のない領域36の部分には棚部が形成されておらず、内側向き面8fの上縁部8gから下端部8hまで比較的平坦なボウル面8を形成している。ボウル面8は、内側向き面8fの上縁部8gから下端部8hまで、横向きに突出する棚部が存在しないような、比較的滑らかな曲線形状により形成されていてもよい。
このように、凹部32nの棚部のない領域36は、左側縦壁32qと、右側縦壁32rとにより挟まれた凹形状の内側領域を形成している。凹部32nの棚部のない領域36の底面を形成する凹部底面36aは、ボウル面8の底面8iにより形成されている。ボウル面8の底面8iは、ボウル面8の最も低い部分の底面を形成している。ボウル面8の底面8iは、ボウル面8の下部において横向きに排出口10に延びる比較的平坦且つ緩やかな傾斜の曲面である。凹部32nの凹部底面36aをボウル面8の底面8iまで比較的低い位置に形成することができる。図3に示すように、凹部底面36aとボウル面8の底面8iとはほぼ平坦に接続され、ほぼ面一の面(緩やかな曲面)を形成している。
従って、棚部のない領域36は、左右両側の右側棚部先端部32o及び左側棚部先端部32pの棚部の上面の位置が、凹部底面36aの高さから比較的高い高さ位置となっている。よって、右側棚部先端部32o及び左側棚部先端部32pの棚部の上面と、凹部底面36aとの間において、右側棚部先端部32o及び左側棚部先端部32pのそれぞれの上面を中央向きに流れてくる洗浄水が、重力を受けて、棚部のない領域36内に向かって流れ落ち、これらの棚部先端部の上面より低い位置において合流する(衝突する)ように形成されている。
なお、変形例として、凹部底面36aは、ボウル面8の底面8iに限られず、ボウル面8の底面8iより高い位置に他の面として形成されていてもよい。
先ず、本発明の一実施形態による小便器1による小便洗浄動作の流れを説明する。
通常、使用者が小便器1の前に立つと、人体検知センサ24が使用者の存在を検出して検出情報を制御ユニット26に送り、制御ユニット26は使用者の存在を認識する。使用者が小便器1のボウル面8に放尿を終え、放尿を済ませた使用者が小便器1の前から立ち去り、制御ユニット26が非検出状態となると、制御ユニット26は使用者が小便器1から立ち去ったと判断して、制御ユニット26が小便洗浄を開始する。
スプレッダ22から吐水された洗浄水は、ボウル面8の正面部8aの比較的深さの浅い凹曲面の形状により、ボウル面8の中央部から左右両端部方向まで導かれることができる。節水化の要請により洗浄水量が低減される場合において、スプレッダ22から吐水された洗浄水は、左右方向に広く吐水されるものの、水量が比較的少なく、水膜が薄く形成され、水勢も比較的弱いため、ボウル面8全体に効果的に水膜を形成できるように誘導される。
棚部32の上端部領域に設けられた第1順傾斜面32aに流下した洗浄水は、その一部は、矢印F2に示すように、図8に示すような第1順傾斜面32aの平坦面方向に沿って、棚部32上を前方側(逆傾斜面32b側)に向かって流れる。一方、第1順傾斜面32aに流下した洗浄水のうち他の部分は、矢印F3に示すように、第1順傾斜面32aの内側向きの傾きに沿って、さらに下方のボウル面8に広がるように流下する。第1順傾斜面32aは、逆傾斜面32bよりも高い位置に位置し、洗浄水が第1順傾斜面32aからボウル面8上を広がるように流下するので、逆傾斜面32bの下方側のボウル面8についても、第1順傾斜面32aから流下する洗浄水により十分に洗浄することができる。このように、第1順傾斜面32aからボウル面8に流下する洗浄水によりボウル面8の両側の領域を広範囲に洗浄することができる。
逆傾斜面32bは、ボウル面8を流下してきた洗浄水の集まりやすい逆傾斜面32bの上端32lから、中間点32mまでの所定の距離にわたって形成されているので、洗浄水の流れが、矢印F4に示すような向きに指向され、逆傾斜面32bの終了後も下方の前方側に指向された流れを形成しやすくすることができる。
一方、第2順傾斜面32cに流入した洗浄水のうち他の部分は、矢印F6に示すように、第2順傾斜面32cの内側向きの傾きに沿って、さらに下方のボウル面8に広がるように流下する。このように、第2順傾斜面32cからボウル面8に流下する洗浄水によりボウル面8の前方側の両側の領域を広範囲に洗浄することができる。
また、節水化に伴い洗浄水量が低減され、スプレッダ22によりボウル面に左右方向に広がるように吐水される洗浄水が比較的水勢が弱く且つ比較的水量の少ない薄い水膜を形成するような場合であっても、棚部32によって、ボウル面8の面上を左右両側の領域から前方側の領域まで洗浄できない部分を生じさせないように広範囲に流れ、ボウル面8を流下しながらボウル面8全体の良好な洗浄を行うことができる。
主に、右側棚部先端部32o及び左側棚部先端部32pから棚部のない領域36に流下する洗浄水は、やや下方の空中における合流位置(合流領域)C1においてぶつかり合うように混ざり合い凹部底面36aに向かって流下する。
また、比較的多くの洗浄水が、凹部32nの内側向き面8f、左側縦壁32q又は右側縦壁32rのいずれかに沿うように流れ落ちることとなるため、洗浄水同士が落下中に衝突又は合流した場合においても、衝突等による水跳ね、飛散等が生じにくく、生じたとしても前端部8eを乗り越えて外部に飛び出しにくくなっている。
右側棚部先端部32o及び左側棚部先端部32pの上面より棚部のない領域36に流下した洗浄水は、凹部底面36aに着水する。凹部底面36aはボウル面8の底面8iにより形成されているので、洗浄水は、右側棚部先端部32o及び左側棚部先端部32pの上面よりボウル面8の底面8iまでボウル面8内において可能な限り低くまで流下することができ、さらに、合流位置C1及び凹部底面36aへの着水位置が比較的低く位置される。従って、合流位置C1及び凹部底面36aの着水位置において生じやすい洗浄水の飛散が前端部8eの上縁部8gを超えて外部に到達することを抑制することができる。
上述した本実施形態による小便器1によれば、節水化に伴い洗浄水量が低減され、スプレッダ22によりボウル面8に左右方向に広がるように吐水される洗浄水は比較的水勢が弱く且つ比較的水量の少ない薄い水膜を形成するような場合であっても、棚部32の第1順傾斜面32aが、ボウル面8の内側に向けられるように傾斜しているため、洗浄水を内側向きのボウル面8に向かって流下させることができ、ボウル面8の左右両側の領域を良好に洗浄することができ、さらに、棚部32の逆傾斜面32bが、内側向きのボウル面8に対して外側に向けられるように傾斜されているため、洗浄水を逆傾斜面32bからボウル面8に向かって流下させることを抑制し、洗浄水を棚部32上において前方側の領域に向けて導くことができ、ボウル面8の前方側の領域を良好に洗浄することができる。従って、ボウル面8全体を良好に洗浄することができる。
2 小便器本体
3 蓋
4 自動便器洗浄ユニット
6 収納室
7 前面
8 ボウル面
8a 正面部
8b 左側端部
8c 右側端部
8d 上端
8e 前端部
8f 内側向き面
8g 上縁部
8h 下端部
8i 底面
9 壁取付面
10 排出口
12 排水トラップ管路
13 排水配管
14 給水管
16 流量調整装置
18 開閉弁
20 供給通路
22 スプレッダ
24 人体検知センサ
26 制御ユニット
28 吐水口部
30 供給通路
32 棚部
32a 第1順傾斜面
32b 逆傾斜面
32c 第2順傾斜面
32d 第1順傾斜面内側端部
32e 第1順傾斜面外側端部
32f 第2順傾斜面内側端部
32g 第2順傾斜面外側端部
32h 逆傾斜面内側端部
32i 逆傾斜面外側端部
32j 上端
32k 下端
32l 上端
32m 中間点
32n 凹部
32o 右側棚部先端部
32p 左側棚部先端部
32q 左側縦壁
32r 右側縦壁
36 棚部のない領域
36a 凹部底面
a1 角度
a2 角度
a3 角度
a4 角度
C1 合流位置
G 床面
L 全長
L1 距離
L2 距離
P 中央平面
W 壁面
このように構成された本発明においては、節水化に伴い洗浄水量が低減され、吐水装置によりボウル面に左右方向に広がるように吐水される洗浄水は比較的水勢が弱く且つ比較的水量の少ない薄い水膜を形成するような場合であっても、棚部の順傾斜面が、ボウル面の内側に向けられるように傾斜しているため、洗浄水を内側向きのボウル面に向かって流下させることができ、ボウル面の左右両側の領域を良好に洗浄することができ、さらに、棚部の逆傾斜面が、内側向きのボウル面に対して外側に向けられるように傾斜されているため、洗浄水を逆傾斜面からボウル面に向かって流下させることを抑制し、洗浄水を棚部上において前方側の領域に向けて導くことができ、ボウル面の前方側の領域を良好に洗浄することができる。従って、ボウル面全体を良好に洗浄することができる。
また、好ましくは、ボウル面の外側端部接続部分と棚部の外側端部とのなす角が鈍角になるよう形成される領域では、水平断面において棚部の内側端部と接続するボウル面の内側端部接続部分と棚部の内側端部とのなす角が鈍角になるように棚部が形成され、ボウル面の外側端部接続部分と棚部の外側端部とのなす角が鋭角になるよう形成される領域では、水平断面において棚部の内側端部と接続するボウル面の内側端部接続部分と棚部の内側端部とのなす角が鋭角になるように棚部が形成される。
また、好ましくは、ボウル面の外側端部接続部分と棚部の外側端部とのなす角が鈍角になるよう形成される領域が、ボウル面の外側端部接続部分と棚部の外側端部とのなす角が鋭角になるよう形成される領域よりも高い位置に設けられている。
Claims (6)
- 洗浄水によりボウル面を洗浄する小便器であって、
上記小便器の正面において小便を受けるような内側に向けた面を形成している上記ボウル面と、
上記ボウル面内の上方領域の中央に設けられ、洗浄水を上記ボウル面の左右方向に広がるように吐水する吐水装置と、を有し、
上記ボウル面は、上記ボウル面の左右両側の領域から前方側の領域まで下降しながら延び、上記ボウル面の左右両側の領域上を流下する洗浄水の一部を前方側の領域に向けて導く棚部を有し、
上記ボウル面の上記棚部は、上記ボウル面の内側に向けられるように傾斜されている順傾斜面と、内側向きの上記ボウル面に対して外側に向けられるように傾斜されている逆傾斜面と、を備えていることを特徴とする小便器。 - 上記ボウル面の上記棚部の上記逆傾斜面は、その上端が、上記吐水装置から吐水され左右方向まで広がった洗浄水の両端が上記棚部に到達する位置の近傍に形成されている請求項1に記載の小便器。
- 上記ボウル面の上記棚部の上記逆傾斜面は、その下端が、上記棚部の中間位置の近傍に形成されている請求項2に記載の小便器。
- 上記ボウル面の上記棚部の上記逆傾斜面の下端から上記棚部の下端まで上記順傾斜面が形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の小便器。
- 上記ボウル面の上記棚部は、上方から順に、上端側の上記順傾斜面を形成する第1順傾斜面と、上記逆傾斜面と、下端側の上記順傾斜面を形成する第2順傾斜面とを備えている請求項4に記載の小便器。
- 上記ボウル面は、上記ボウル面の上端から下方に向けて徐々に後退して形成されると共に、連続的に曲率半径が小さくなるように形成されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の小便器。
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