JP2021038293A - 樹脂部材の表面を改質する方法、表面改質剤、及び配線板の製造方法 - Google Patents

樹脂部材の表面を改質する方法、表面改質剤、及び配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂部材の表面形状を変えることなく、当該樹脂部材の表面を改質できる新規な方法を提供すること。【解決手段】本発明の一側面は、表面改質用共重合体が分散媒に分散した共重合体分散液を、樹脂部材の表面に接触させる工程と、樹脂部材の表面上の共重合体分散液から分散媒を揮発させて、樹脂部材の表面に共重合体を含む層を形成する工程と、を備える、樹脂部材の表面を改質する方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂部材の表面を改質する方法、表面改質剤、及び配線板の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化及び多機能化が一段と進み、これに伴い、LSI、チップ部品等の高集積化が進み、その形態も多ピン化及び小型化へと急速に変化している。これらの電子機器を構成する半導体素子、半導体パッケージ、プリント配線板、フレキシブル配線板等は、高密度化及び高精細化しているため、そのような電子機器に使用されるレジストパターン(ソルダーレジスト、層間絶縁膜等)もより微細に形成する必要がある。
レジストパターン上には、めっきにより金属層が更に設けられることがある。例えば、ビルドアップ方式の多層配線板は、絶縁樹脂フィルムを内層回路板にラミネートし、加熱により硬化させた後、レーザーによってビアホールを形成する。そして、アルカリ過マンガン酸処理等によって粗化処理とスミア処理とを行って無電解銅めっきを行い、第二の回路と層間接続可能とするビアホールを形成する(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平7−304931号公報 特開2002−3705号公報 特開平11−1547号公報
しかし、レジストパターン表面を粗化することにより無電解銅めっきとの接着力を確保する方法では、10μm以下の微細な回路においてショート不良及びオープン不良が発生しやすく、歩留まり良く製造することが難しい。また、配線板の高性能化に伴う信号の高速化には、信号が金属層(導体層)で損失することを抑制するために、レジストパターン表面を平坦化し、ひいては金属層(導体層)の表面を平坦化することが重要となっている。
その一方で、レジストパターン表面を平坦化する(粗化形状を小さくする)と、無電解銅めっきとの接着力が低下し、ラインが剥離する等の不良が発生するおそれがある。したがって、レジストパターン表面を粗化しなくても、無電解銅めっきとの接着力を確保できる方法が求められている。
以上説明した例のように、レジストパターンといった樹脂部材の表面形状を変えることなく、当該樹脂部材の表面に所望の特性(例えば、親水性、疎水性、超撥水性、接着性、金属イオン(例えば鉄イオン)の吸着特性等)を付与できる表面改質方法が望まれる。
そこで、本発明は、樹脂部材の表面形状を変えることなく、当該樹脂部材の表面を改質できる新規な方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、表面改質用共重合体を含む層を樹脂部材の表面上に形成することにより、樹脂部材の表面を好適に改質できることを見出した。すなわち、本発明の一側面は、表面改質用共重合体が分散媒に分散した共重合体分散液を、樹脂部材の表面に接触させる工程と、樹脂部材の表面上の共重合体分散液から分散媒を揮発させて、樹脂部材の表面に共重合体を含む層を形成する工程と、を備える、樹脂部材の表面を改質する方法である。
共重合体は、側鎖結晶性ブロック共重合体であってよい。
共重合体は、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、二級又は三級のアミノ基を有する(メタ)アクリレート及び二級又は三級のアミド基を有するアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である第2のモノマーに由来する構造単位とを含むブロック共重合体であってよい。第2のモノマーは、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、及びN,N−ジエチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
共重合体は、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートである第2のモノマーに由来する構造単位とを含むブロック共重合体であってよい。
第1のモノマーは、ベヘニルアクリレート、ステアリルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、及びラウリルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
樹脂部材は、感光性樹脂組成物の硬化物を含んでよい。感光性樹脂組成物は、フェノール樹脂を含有してよい。
本発明の他の一側面は、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、第1のモノマーと異なる第2のモノマーに由来する構造単位とを含む共重合体を含有する、表面改質剤である。
共重合体は、側鎖結晶性ブロック共重合体であってよい。
第2のモノマーは、二級又は三級のアミノ基を有する(メタ)アクリレート及び二級又は三級のアミド基を有するアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよく、共重合体は、ブロック共重合体であってよい。第2のモノマーは、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、及びN,N−ジエチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
第2のモノマーは、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートであってよく、共重合体は、ブロック共重合体であってよい。
第1のモノマーは、ベヘニルアクリレート、ステアリルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、及びラウリルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
本発明の他の一側面は、上記の方法により樹脂部材の表面を改質した後に、改質された樹脂部材に無電解めっき用触媒を付着させる工程と、樹脂部材上に無電解めっきにより金属層を形成する工程と、金属層上にめっきにより導体層を形成する工程と、を備える、配線板の製造方法である。この製造方法は、樹脂部材の表面を改質する前に、感光性樹脂組成物で形成された感光層を所定のパターンで露光し、現像することにより、樹脂部材として樹脂パターンを形成する工程を更に備えてよい。
本発明のポリ(メタ)アクリレート系樹脂の改質剤を用いれば、感光性樹脂組成物で形成したパターンの表面を改質し、種々の特性(例えば、親水性、超撥水性、接着性、金属イオン(例えば鉄イオン)の吸着特性等)を付与することができる。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
本発明の一実施形態は、樹脂部材の表面を改質する方法(以下「表面改質方法」ともいう)である。この表面改質方法は、表面改質用共重合体が分散媒に分散した共重合体分散液を、樹脂部材の表面に接触させる工程(共重合体接触工程)と、樹脂部材の表面上の共重合体分散液から分散媒を揮発させて、樹脂部材の表面に共重合体を含む層を形成する工程(共重合体層形成工程)と、を備えている。
共重合体接触工程においては、例えば、ディップ法又はコーティング法により、共重合体分散液を樹脂部材の表面に接触させる。樹脂部材は、樹脂で構成されている。樹脂部材は、フィルム状(膜状)、糸状等であってよく、これらの形状が組み合わせられた複合体であってもよい。
樹脂部材は、一実施形態において、樹脂パターン(より具体的には、ソルダーレジスト、層間絶縁膜等のレジストパターン)であってよい。このような樹脂部材は、例えば、感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていてよい。感光性樹脂組成物は、公知の感光性樹脂組成物であってよく(例えば、国際公開2014/103516号及び特開2016−009120号公報を参照)、一実施形態において、フェノール樹脂を含有する感光性樹脂組成物であってよい。樹脂部材は、一実施形態において、後述する表面改質用共重合体を含有しない。
共重合体接触工程で用いられる共重合体分散液は、分散媒と、該分散媒に分散した共重合体(表面改質用共重合体)とを含有する。このような共重合体分散液は、樹脂部材の表面を改質することができ、表面改質剤ということもできる。本発明の一実施形態は、当該共重合体(表面改質用共重合体)を含有する表面改質剤である。
共重合体(表面改質用共重合体)は、一実施形態において、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、第1のモノマーと異なる第2のモノマーに由来する構造単位とを含む共重合体である。共重合体は、第1のモノマーに由来する構造単位及び第2のモノマーに由来する構造単位のみからなっていてもよく、それ以外の構造単位を更に含んでいてもよい。共重合体は、好ましくはブロック共重合体であり、より好ましくは側鎖結晶性ブロック共重合体(側鎖に結晶性の官能基を有しているブロック共重合体)である。
第1のモノマーは、例えば、主鎖の炭素数が10以上のアルキル基を有している。当該アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、共重合体の側鎖に結晶性を付与しやすい観点から、好ましくは直鎖状である。第1のモノマーは、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは炭素数12以上、更に好ましくは炭素数16以上の直鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである。当該アルキル基の炭素数は、例えば25以下又は22以下であってよい。
第1のモノマーとしては、例えば、ベヘニルアクリレート(Behenyl Acrylate、BHA)、ステアリルアクリレート(Stearyl Acrylate、STA)、ヘキサデシルアクリレート(Hexadecyl Acrylate、AHDA)、及びラウリルアクリレート(Lauryl Acrylate、LA)が挙げられる。第1のモノマーは、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いられる。
共重合体における第1のモノマーに由来する構造単位の含有量は、共重合体を構成する全構造単位を基準として、40質量%以上、50質量%以上、又は60質量%以上であってよく、90質量%以下、80質量%以下、又は70質量%以下であってよい。
第2のモノマーは、一実施形態において、二級又は三級のアミノ基を有する(メタ)アクリレート及び二級又は三級のアミド基を有するアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である。すなわち、共重合体は、一実施形態において、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、二級又は三級のアミノ基を有する(メタ)アクリレート及び二級又は三級のアミド基を有するアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である第2のモノマーに由来する構造単位とを含む。
このような第2のモノマーとしては、例えば、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(2-(Dimethylamino) ethyl Methacrylate、DMAEMA)、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(2-(Dimethylamino) ethyl Acrylate、DMAEA)、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(2-(Diethylamino) ethyl Methacrylate、DEAEMA)、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート(2-(Diethylamino) ethyl Acrylate、DEAEA)、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート(2-(tert-Butylamino) ethyl Methacrylate、TBAEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(N,N-Dimethylacrylamide、DMAA)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(N,N-Dimethylaminopropyl Acrylamide、DMAPAA)、及びN,N−ジエチルアクリルアミド(N,N-Diethylacrylamide、DEAA)が挙げられる。
第2のモノマーは、一実施形態において、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートである。すなわち、共重合体は、一実施形態において、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートである第2のモノマーに由来する構造単位とを含む。
第2のモノマーにおけるオキシアルキレン基は、例えばオキシエチレン基であってよい。第2のモノマーは、複数のオキシアルキレン基で構成されるポリオキシアルキレン鎖を有していてもよい。このような第2のモノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレートが挙げられる。
共重合体における第2のモノマーに由来する構造単位の含有量は、共重合体を構成する全構造単位を基準として、10質量%以上、20質量%以上、又は30質量%以上であってよく、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。共重合体における第2のモノマーに由来する構造単位の含有量は、共重合体における第1のモノマーに由来する構造単位の含有量100質量部に対して、20質量部以上であってよく、200質量部以下であってよい。
共重合体の重量平均分子量は、例えば、1,000以上であってよく、50,000以下であってよい。共重合体の重量平均分子量は、GPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量である。
共重合体分散液(表面改質剤)における共重合体の含有量は、表面改質が可能な有効量であればよく、より効果的に表面改質できる観点から、共重合体分散液(表面改質剤)全量を基準として、0.01質量%以上であってよく、5重量%以下であってよい。
共重合体分散液における分散媒は、共重合体を分散可能な分散媒であればよい。分散媒としては、例えば、酢酸ブチル、炭素数が1〜5のアルコール、アセトン、炭素数が1〜5のケトン、炭素数が1〜5のエーテル、キシレン等の芳香族炭化水素、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
続いて、共重合体層形成工程では、樹脂部材の表面上の共重合体分散液(樹脂部材の表面に付着した共重合体分散液)から分散媒を揮発させる。具体的には、例えば、共重合体分散液が付着した樹脂部材を室温(25℃)下に静置することにより、分散媒を揮発させる。
これにより、樹脂部材の表面に共重合体を含む層(共重合体層)が形成される。共重合体層の厚さは、好ましくは0.5μm以下であり、好ましくは0.2μm以下である。
共重合体層の表面粗さは、例えば配線板の用いられる場合に、高周波特性の低下を抑制され、配線板を流れる信号の損失を低減できる観点から、好ましくは0.1μm以下である。共重合体層の表面粗さは、レーザー式粗さ計、接触式粗さ計、原子間力顕微鏡、走査型透過顕微鏡等を用いて測定することができる。
以上のようにして共重合体により表面を改質(修飾)された樹脂部材には、共重合体の種類(特に第2のモノマーの種類)に応じて、種々の特性(例えば、親水性、疎水性、超撥水性、接着性、金属イオン(例えば鉄イオン)の吸着特性等)が付与される。
また、上述した共重合体(表面改質剤)を用いると、樹脂部材が物理的に傷みにくいため、樹脂部材の力学的強度が劣化しにくく、樹脂部材の耐久性が向上する。加えて、例えば、多孔性の樹脂部材を改質する場合、上述した共重合体(表面改質剤)を用いると、樹脂部材の孔(細孔)の内部まで容易に改質できる。
さらに、従来の手法で改質した樹脂部材に、重金属等の吸着能を持つ置換基を導入した場合、吸着された重金属を脱離処理するためには強酸で洗浄する必要があった。これに対し、上述した共重合体(表面改質剤)を用いた場合、例えば温水又は温溶媒処理により、重金属が吸着した共重合体層を樹脂部材から脱離させることもできるため、強酸で洗浄する処理が必須ではなく、環境負荷を著しく低くすることが可能となる。
以上説明した共重合体(表面改質剤)は、樹脂部材として、感光性樹脂組成物でパターン形成された樹脂パターン(より具体的には、ソルダーレジスト、層間絶縁膜等のレジストパターン)を用いた場合に特に好適である。
本発明の一実施形態は、上述した表面改質方法により樹脂部材(樹脂パターン)の表面を改質した後に、改質された樹脂部材(樹脂パターン)に無電解めっき用触媒を付着させる工程(触媒付着工程)と、樹脂部材(樹脂パターン)上に無電解めっきにより金属層を形成する工程(金属層形成工程)と、金属層上にめっきにより導体層を形成する工程(導体層形成工程)と、を備える、配線板の製造方法である。
触媒付着工程における触媒の付着方法、金属層形成工程における金属層の形成方法、及び導体層形成工程における導体層の形成方法は、いずれも公知の方法であってよい。
この製造方法は、樹脂部材(樹脂パターン)の表面を改質する前(触媒付着工程の前)に、感光性樹脂組成物で形成された感光層を所定のパターンで露光し、現像することにより、樹脂パターンを形成する工程を更に備えていてよい。この工程では、露光後及び現像後に加熱を行ってよい。露光、現像及び加熱の方法は、いずれも公知の方法であってよい。
次に、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
(表面改質剤の作製)
ベヘニルアクリレート6.7gと開始剤Bloc Builder MA No.33(アルケマ社製)0.385gを酢酸ブチル6.7gに分散したものを撹拌重合装置に投入し、オイルバス(105℃)で加熱しながら、窒素気流下で5時間重合した。このとき、撹拌重合装置における攪拌速度は約75rpmとした。次に、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート3.6gを酢酸ブチル3.7gに分散したものを同じ攪拌重合装置に投入し、オイルバス(105℃)で加熱しながら、窒素気流下で15時間重合した。このときも、撹拌重合装置における攪拌速度は約75rpmとした。この溶液をエタノールに再沈殿し、真空乾燥させ、ブロック共重合体(i)を得た。ブロック共重合体(i)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は、5,000であった。
得られたブロック共重合体(i)をキシレンに分散させて、表面改質剤(共重合体分散液)1を得た。この表面改質剤1におけるブロック共重合体(i)の含有量は、0.1質量%であった。
(樹脂部材の作製)
クレゾールノボラック樹脂(旭有機材工業(株)製、商品名:TR4020G)70g、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル((株)三和ケミカル製、商品名:MX−270)20g、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(新日鉄住金化学(株)製、商品名:ZX−1542)30g、トリアリールスルホニウム塩(サンアプロ(株)製、商品名:CPI−110A)4.5g、9,10−ブトキシアントラセン(川崎化成工業(株)製、商品名:DBA)0.05g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製、商品名:KBM−403)3.8g、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(和光純薬工業(株)製)118gを配合し、感光性樹脂組成物を得た。
上記感光性樹脂組成物を6インチのシリコンウエハーにスピンコートし、ホットプレート上にて120℃で3分間加熱し、厚さが11.3μmの均一な塗膜を作製した。作製した塗膜に、アライナー露光機にてi線で露光(1000mJ/cm)を行った。次いで、露光された塗膜を65℃で1分間、次いで85℃で4分間加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像時間72秒間で浸漬し、感光性樹脂組成物の硬化物で形成された樹脂部材を得た。
(樹脂部材の表面改質及びその評価)
得られた樹脂部材を表面改質剤1に80℃で10分間浸漬した。その後、樹脂部材を室温(25℃)下に静置加熱し、キシレンを揮発させた。これにより、樹脂部材の表面にブロック共重合体(i)の層が形成された評価サンプルを得た。続いて、水接触角測定装置を用い、得られた評価サンプル表面の接触角を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレートをジエチレングリコールエチルエーテルアクリレートに変更した以外は実施例1と同様にして、ブロック共重合体(ii)を合成し、表面改質剤(共重合体分散液)2を得た。ブロック共重合体(ii)のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は、29,800であった。表面改質剤2におけるブロック共重合体(ii)の含有量は、0.1質量%であった。
また、実施例1と同様にして樹脂部材を作製し、表面改質剤1を表面改質剤2に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂部材の表面改質及びその評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1と同様にして樹脂部材を作製し、表面改質剤1をキシレン(共重合体を含有しない)に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂部材の表面改質及びその評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1と同様にして樹脂部材を作製し、得られた樹脂部材(表面改質を行っていない)に対して実施例1と同様にして接触角を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021038293
表1に示すように、キシレンのみを用いた比較例1と、表面改質を行っていない比較例2とでは、接触角が同等であるのに対し、表面改質剤を実施例1及び2では、比較例1,2よりも、接触角が大きくなった(疎水性の表面に改質された)。
上述した表面改質剤によれば、樹脂部材の表面を改質し、種々の特性(例えば、親水性、超撥水性、接着性、金属イオン(例えば鉄イオン)の吸着特性等)を付与することができる。

Claims (16)

  1. 表面改質用共重合体が分散媒に分散した共重合体分散液を、樹脂部材の表面に接触させる工程と、
    前記樹脂部材の表面上の前記共重合体分散液から前記分散媒を揮発させて、前記樹脂部材の表面に前記共重合体を含む層を形成する工程と、を備える、樹脂部材の表面を改質する方法。
  2. 前記共重合体が側鎖結晶性ブロック共重合体である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記共重合体が、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、二級又は三級のアミノ基を有する(メタ)アクリレート及び二級又は三級のアミド基を有するアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である第2のモノマーに由来する構造単位とを含むブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2のモノマーが、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、及びN,N−ジエチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記共重合体が、炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートである第2のモノマーに由来する構造単位とを含むブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記第1のモノマーが、ベヘニルアクリレート、ステアリルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、及びラウリルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記樹脂部材が感光性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記感光性樹脂組成物がフェノール樹脂を含有する、請求項7に記載の方法。
  9. 炭素数10以上の長さのアルキル鎖を有する(メタ)アクリレートである第1のモノマーに由来する構造単位と、前記第1のモノマーと異なる第2のモノマーに由来する構造単位とを含む共重合体を含有する、表面改質剤。
  10. 前記共重合体が側鎖結晶性ブロック共重合体である、請求項9に記載の表面改質剤。
  11. 前記第2のモノマーが、二級又は三級のアミノ基を有する(メタ)アクリレート及び二級又は三級のアミド基を有するアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、前記共重合体がブロック共重合体である、請求項9又は10に記載の表面改質剤。
  12. 前記第2のモノマーが、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、及びN,N−ジエチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項11に記載の表面改質剤。
  13. 前記第2のモノマーが、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレートであり、前記共重合体がブロック共重合体である、請求項9又は10に記載の表面改質剤。
  14. 前記第1のモノマーが、ベヘニルアクリレート、ステアリルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、及びラウリルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項9〜13のいずれか一項に記載の表面改質剤。
  15. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により前記樹脂部材の表面を改質した後に、改質された前記樹脂部材に無電解めっき用触媒を付着させる工程と、
    前記樹脂部材上に無電解めっきにより金属層を形成する工程と、
    前記金属層上にめっきにより導体層を形成する工程と、を備える、配線板の製造方法。
  16. 前記樹脂部材の表面を改質する前に、感光性樹脂組成物で形成された感光層を所定のパターンで露光し、現像することにより、前記樹脂部材として樹脂パターンを形成する工程を更に備える、請求項15に記載の製造方法。
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