JP2021038114A - シリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウムイオン電池 - Google Patents

シリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウムイオン電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2021038114A
JP2021038114A JP2019160011A JP2019160011A JP2021038114A JP 2021038114 A JP2021038114 A JP 2021038114A JP 2019160011 A JP2019160011 A JP 2019160011A JP 2019160011 A JP2019160011 A JP 2019160011A JP 2021038114 A JP2021038114 A JP 2021038114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
silica
raw material
vegetable raw
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019160011A
Other languages
English (en)
Inventor
貴博 木下
Takahiro Kinoshita
貴博 木下
千利 増田
Chitoshi Masuda
千利 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jikan Techno Inc
Original Assignee
Jikan Techno Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jikan Techno Inc filed Critical Jikan Techno Inc
Priority to JP2019160011A priority Critical patent/JP2021038114A/ja
Publication of JP2021038114A publication Critical patent/JP2021038114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】シリコン素材の体積変化を吸収し、金属製物質の少ない植物性原料からシリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウム二次電池を提供することにある。
【解決手段】植物性原料を粉砕してシリカ源を得る前処理工程と、シリカ源を燃焼しシリカを抽出する燃焼工程と、燃焼工程で得られた燃焼物から炭素を除去する精製工程と、を含み、燃焼工程は、チャンバー内に燃焼用ガスを供給し、チャンバー内の前記シリカ源をプラズマ雰囲気において加熱する加熱工程により製造された非結晶シリカを使用し、その非結晶シリカを前駆体とし、炭素成分を除去し生成したシリコンを中心に含み、そのシリコンと炭素の間に空間314を備えたことを特徴とする。
【選択図】図26

Description

本発明は、植物性原料から効率よく非結晶性の微粒子を抽出し、その微粒子からシリコン等の負極活性物質に適したシリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウム二次電池に関するものである。
従来から微粒二酸化ケイ素としてのシリカは一般的な粉体と比べた場合、吸水性が低い。これを利用して、アイシャドーやファウンデーションといった化粧品において湿気による固形化を防ぐ役割として使用されるほか、安定化などの目的でクリームや乳液に使用されている。また、二酸化ケイ素は、純度の高いシリコンを使用した電池材料の負極材にも使用されてきている。
このシリカの内、結晶性シリカは有害性物質であることが知られているが、非結晶シリカは、有害物質に指定されておらず、化粧品、食品(サプリメントを含む)、あるいは農業用肥料並びに飼料(家畜用及び愛がん動物用)の用途に利用し得るものである。
例えば、特許文献1には、シリコンを負極活性物質として含むリチウム二次電池の発明が開示されており、詳細には、微粒子は、結晶子及び粒子の一方を 2個以上含む結晶金属、又は、結晶子及び粒子の両方を 含む結晶金属であるコアと、コアの表面を被覆する非結晶金属酸化物被膜と、から構成されるコアシェル構造を有する負極活性物質に関する発明である。
例えば、特許文献2には、炭素系負極活物質と、多孔性SiOx粒子 (0≦x<2)とを含んでなり、前記多孔性SiOx粒子が、表面にコーティングされた酸化膜層を含んでなり、前記多孔性SiOx粒子が、多孔性Si粒子であり、前記酸化膜層の厚さが、40nm以上200nm以下であり、前記多孔性SiOx粒子の比表面積が、5m2/gから50m2/gであることを特徴とする、負極活物質に関する発明である。
特開2019−43821号公報 特開2018−120866号公報
上述したようにシリコン系負極活物質は、従来から高い容量を表すものと知られており、シリコンを負極材として採用するリチウム二次電池が多くなってきている。
しかしながら、充放電を繰り返すリチウム二次電池は、最大400%以上の体積変化を引き起こし、シリコン材料内での電子の行き来が阻害されることになり、また、時にはシリコン粒子が破壊され要因ともなる。そのため、従来例のようなシリコンの体積変化を吸収する必要があった。
また、従来のシリコンを代表とする微粒子は、鉱物又は砂等のSiOから生成される材料が多く、製造工程の際の残留物として金属性の成分を多く含んでいる材料が多かった。そのため、金属性の残留物を除去する手間を多く必要としてきた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、シリコン素材の体積変化を吸収し、金属製物質の少ない植物性原料からシリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウム二次電池を提供することにある。
植物性原料から生成した非結晶シリカを前駆体とし、炭素成分を除去し生成したシリコンを中心に含み、そのシリコンと炭素の間に空間を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、本発明は、シリコンが膨張しても空間により膨張を吸収することが可能である。
実施形態のシリカの生成の工程を示す図である。 実施形態の実施例1のプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の実施例2のプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の実施例7の乾燥装置の構成を示す概要図である。 実施形態の製造工程における熱の温度とシリカの理論収率との関係を示す図である。 実施形態の実施例4の高周波誘導加熱装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の実施例4の高周波誘導加熱装置の構成を示す概要図である。 実施形態の実施例4の高周波誘導加熱装置の一部を現す断面図である。 実施形態の実施例4の高周波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の実施例4の高周波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の実施例3のプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の実施例5の高周波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の実施例6のマイクロ波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の誘導加熱装置により炭素源を燃焼させた様子を説明する説明図である。 実施形態の実施例9のシリコンの生成工程を示す図である。 実施形態の実施例10のシリコンの生成工程を示す図である。 実施形態の実施例10のシリコンを生成するプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の実施例11のシリコンを生成するプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の製造方法により製造されたシリコンの電子顕微鏡写真である。 実施形態の製造方法により製造されたシリコンの透過した走査透過電子顕微鏡写真である。 実施形態の製造方法により製造されたシリコンの電子顕微鏡写真である。 実施形態の製造方法により製造されたシリコンの透過した走査透過電子顕微鏡写真である。 実施形態の製造方法により製造されたシリコンの電子顕微鏡写真である。 実施形態の製造方法により製造されたシリコンのX線回折のスペクトルである。 実施形態の製造方法により製造されたシリカの電子顕微鏡写真である。 実施形態の実施例12の微粒子の構造を現す概要図である。
本発明にかかるシリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウム二次電池に関するものである。図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
<植物性原料>
実施例1又は実施例7によってシリカ19を製造する植物性原料9について説明する。本発明は、食物の残渣や廃棄される植物性原料9を使用して最終生成物である非結晶性のシリカを製造する。植物性原料9は、植物や木材等を使用するが、特に植物を収穫した際の残渣等の廃棄される植物性原料9を、原料として使用すれば安価に、原料を入手することが可能である。
表1は、植物性原料9の成分表である。表1は、最も左に示す原料を構成する成分の割合を以下右に百分率で示している。例えば、稲わらは、炭素(C)が37.4%、窒素(N)が0.53%、リン(P)が0.06%、リン酸(P)が0.14%、カリウム(K)が1.75%、カリ(KO)が2.11%、カルシウム(Ca)が0.05%、マグネシウム(Mg)が0.19%及びナトリウム(Na)が0.11%となっている。
ここで、植物由来のケイ素含有の多孔質の植物性原料9は、低温(800℃以上且つ1150℃以下)にて燃焼させることにより図6に示すように、非結晶の状態によりシリカ(SiO2)の抽出が可能である。植物性原料9は、細胞が軸に沿って規則正しく配列し、細胞壁にケイ酸が沈積して肥厚している構造のものが多くある。
ケイ化細胞列の間には圧縮された狭い細胞列があり、炭素化後に燃焼物を除去することにより高い比表面積を有するシリカ19を得ることが可能である。上述したように植物性原料9は、シリカ(SiO2)が13%以上且つ35%以下と多くケイ素が含まれるものが適している。
ケイ素が比較的多く含まれる植物性原料9の例として表1に示しているが、稲わらの他に、小麦わら、大麦わら、米ぬか、もみ殻、そばわら、大豆わら、サツマイモのつる、カブの葉、ニンジンの葉、トウモロコシの稈、サトウキビ梢頭部、ヤシ粕、ピーナッツ殻、みかんの皮、レッド杉のおがくず、カラ松の樹皮及び銀杏の落ち葉がある。その他、残渣ではなく植物そのものを使用しても良く。
例えば、竹は、繊維素がセルロース、ヘミセルロース、リグニンで構成され、ミネラルが鉄、マグネシウム、カルシウム、マンガン、銅、ニッケル等から構成されているため。 また、竹又は竹の葉には焼成すると、シラノール基(Si−OH)が抽出され、焼成の過程でSiO4となって抽出される。
表2、3は、本発明にて、上述した表1の植物性原料9の内、シリカを製造する方法で最も適している植物性原料の成分組成表である。表2は、原料を構成する成分の割合を百分率で示している。例えば、水分が8%〜10%、灰分が15%〜10%、脂質が0.1%〜0.5%、リグニンが18%〜25%、ヘミセルロースが16%〜20%、セルロースが30%〜35%及びその他が5%〜10%である。このように、燃焼物となる有機質の 主な成分は、リグニン、ヘミセルロース、セルロースである。
表3は、表2に示す植物性原料9の無機質の化学成分である。表2に示す植物性原料9は、セルロース等の有機質が80wt%であり、無機質は20wt%である。表3の無機質の化学成分は、SiOが92.14wt%、Alが0.04wt%、CaOが0.48wt%、Feが0.03wt%、KOが3.2wt%、MgOが0.16wt%、MnOが0.18wt%、Na2Oが0.09wt%となっている。表2に示す植物性原料9は、無機質にシリカ(SiO)が多く含まれている。
(実施例1)
<プラズマ装置1>
実施例1のプラズマ装置10について図2を参照し説明する。本実施例は、後述する製造工程の燃焼工程S3を示している。図2は、実施例1のプラズマ装置10の構成を示す概要図である。プラズマ装置10は、主に、燃焼用ガス6、コントロール装置20、チャンバー1、真空ポンプ30から構成されている。尚、乾燥工程S2は、燃焼工程S3と兼ねても良い。
ガスボンベに収められる燃焼用ガス6は、主に空気又は酸素を使用したが、その他に空気又は酸素にヘリウム、ネオン、窒素等を混合したガスが挙げられる。燃焼用ガス6は、導入管7からガス量コントロール装置21を経由し、チャンバー1に充填が可能である。ガス量コントロール装置21は、燃焼用ガス6の流量を調整することが可能である。
チャンバー1は、制御弁22と接続され、真空ポンプ30によりチャンバー1内を真空状態に減圧が可能である。チャンバー1に接続され、チャンバー1内に燃焼用ガス6を導入している。制御弁22とチャンバー1との間には、チャンバー1内の真空状態を大気圧に開放するリーク弁23が設けられている。また、チャンバー1内の空気を導入する導出管8と真空ポンプ30との間にも制御弁14と、チャンバー1内の真空状態を大気圧に開放するリーク弁15とが設けられている。
また、温度制御装置24は、高周波電源4を制御し、チャンバー1内の温度保持や保持時間等を管理している。本実施例1のプラズマ装置10は、真空状態に近い低圧下に、作動ガスとして、上述した燃焼用ガス6を充填し、電極間であるカソード2及びアノード3間に高電流を流し、アーク放電により熱プラズマを得る方法である。このカソード2及びアノード3間には、カーボン製のるつぼ5が設置され、そのるつぼ5には上述した植物性原料9が入っている。植物性原料9は、アーク放電による熱プラズマにより800℃から1150℃の温度帯の加熱により、10〜30分程度でシリカ19が抽出される。
(実施例2)
<プラズマ装置2>
実施例1の他の変形例のプラズマ装置100について図3を参照し説明する。本実施例は、後述する製造工程の燃焼工程S3を示している。図3は、プラズマ装置10と同じ構成を示す箇所には同じ符号を付し、同じ構成の箇所は説明を省略する。
プラズマ装置100は、主に、燃焼用ガス6、コントロール装置20、チャンバー1、真空ポンプ30から構成されている。主にプラズマ装置100と異なる箇所は、熱プラズマを得る方法として、プラズマ用の燃焼用ガス6を流し、4MHzの高周波磁場を高周波電源32から高周波コイル31に印加することにより、熱プラズマを発生している点である。植物性原料9は、アーク放電による熱プラズマにより800℃から1150℃の温度帯の加熱により、10〜30分程度でシリカ19が抽出される。
以上のようなプラズマ装置10、100、200を使用することにより熱分解が困難なリグニンであっても分解が可能である。また、シリカ19は絶縁性が高いが、プラズマ装置10、100、200の高周波の交流を印可させることにより、絶縁であるシリカ19(SiO2)が分解可能であり、微細な非結晶のシリカが抽出可能である。
上述したプラズマ装置の他にバリヤ放電、コロナ放電、パルス放電及び直流放電型により熱プラズマを得る方法がある。
(実施例3)
実施例3のプラズマ装置100Aについて図11を参照し説明する。図11は、プラズマ装置10及びプラズマ装置100と同じ構成を示す箇所には同じ符号を付し、同じ構成の箇所は説明を省略する。
プラズマ装置100Aは、実施例2と同様な誘導結合型プラズマトーチによる熱プラズマである。プラズマ装置100Aは、高周波誘導加熱にて炭素素材を得る方法として、酸化させないように燃焼用ガス6を流し、3MHzの高周波磁場を高周波電源32から高周波コイル31に印加することにより、高周波の交流の誘導加熱による燃焼を行っている点である。植物性原料9は、熱プラズマにより800℃から1150℃のの温度帯の加熱により、10〜30分程度で燃焼される。
移動ロッド125は、上下に移動が可能である。図11に示すように、アルゴンガスと燃焼用ガスを混合した燃焼用ガス6又は水素ガス混入した燃焼用ガス6は、誘導加熱により、約1万℃まで昇温され、数十m/s以下の流速にて噴射し、導出管8からガスを導出している。また、導出管8の他に急冷するための急冷ガスを導出管8附近から噴出させてから導出管8から導出させても良い。
また、プラズマ装置100Aは、内部の温度が高いため、水冷装置として水冷2重管121が採用されている。プラズマ装置100Aは、冷たい不導体水を給水管123aから供給し、高温の不導体水を排水管123bにより回収して内部の温度上昇を抑えている。
主にプラズマ装置100と高周波誘導加熱にてシリカ19を得る方法は同じであるが、異なる箇所は、上昇ロッド125を備えている点が異なっている。図11に示すように、トーチは、炎型の温度分布(Ta、Tb、Tc)を示している。例えば、後述する乾燥工程S2の300℃から400℃に必要な領域は、Tcを示し、移動ロッド125はPcの位置に到達すると、300℃から400℃の温度で乾燥工程S2が可能である。
また、後述する燃焼工程S3の800℃から1150℃に必要な領域は、Tbを示し、移動ロッド125はPbの位置に到達すると、800℃から1150℃の温度で燃焼工程S3が可能である。更に、1150℃以上の温度でシリカの分解が必要な場合等の燃焼工程S3が必要な領域は、Taを示し、移動ロッド125はPaの位置に到達すると、1150℃以上の温度で乾燥工程S2又は燃焼工程S3が可能である。このように、プラズマ装置100Aは、移動ロッド125の設置の位置により温度の調整が可能であるため、一台の装置で様々な製造工程に対応が可能となる。
また、プラズマ装置10、100、100Aの装置における熱プラズマにより加熱された燃焼用ガス6、217が流れており、植物性原料や燃焼する対象は瞬時に蒸発・ガス化される。植物性原料9等の燃焼する対象は、核生成及び凝縮が行われ、急激な急冷の工程によりナノ粒子における化学反応が行われる。そのため、ナノ粒子化や化学反応を短時間で行うことができるため量産化に優れている。
以上のようなプラズマ装置10、100、100Aを使用することにより熱分解が困難なリグニン又はその他の不純物等であっても分解が可能である。
上述したプラズマ装置10、100、100Aは、高周波誘導結合型プラズマトーチであり、酸化雰囲気や還元雰囲気を自由に選択可能である。
上述したプラズマ装置10、100、100Aは、交流の高周波高電圧を印加すると、ケイ素等の絶縁体を通すことで電極間にフィラメント状のプラズマが時間的、空間的にランダムに発生する。非結晶のシリカ19が形成される。また、コロナ放電により電極から放出される電子は、チャンバー1内や植物性原料の電子や分子に衝突することで、励起や解離やイオン化が起こる。
このような高エネルギーの空間では、気相反応が起こり、特に燃焼用ガス6、217化に、若干量の反応性ガスを混ぜることにより、−OH(ヒドロキシル基)、−CHO、−C=O(カルボニル基)、−COOH(カルボキシル基)などの官能基が生成され、親水性が付与される。
(実施例4)
本実施例は、図6から図10を参照し、上述したシリカ19を製造する高周波誘導加熱装置200について説明する。高周波誘導加熱装置200は、磁場を生成し交流の高周波の誘導加熱により、導体である被加熱対象を加熱する装置である。被加熱対象は、後述するカーボンで形成した収納箱205である。
高周波誘導加熱装置200は、主に量産が可能なように、透視可能な石英管203の内部に植物性原料である植物性原料9を収容するカーボン又はカーボンの複合材料により形成した複数の収納箱205を設けている。この高周波誘導加熱装置200は、コイル243に交流の高周波電流を流すと、交番磁束が導体を貫通し、高密度の渦電流が流れ、そのジュール熱で導体が急速に加熱される。
そのため、植物性原料9の中にシリカ(SiO)等の絶縁物があっても磁束が透過し植物性原料9が導電し、植物性原料9自体も加熱され、また加熱が加速し短時間で燃焼することができる。また、シリカ(SiO)19等の絶縁物自体は、交番磁束を貫通させるため植物性原料9自体は、収納箱205からの加熱のみであり、また溶融する温度ではないため、そのまま残り、シリカ(SiO)19等の多くの絶縁物が残る。
先ず、図6及び図7を参照し、高周波誘導加熱装置200について説明する。左フランジ231と右フランジ232の間に透明な円柱状の石英管203を設けている。左右のフランジ231、232により、石英管203の内部を真空状態や低圧状態に保つことが可能なように密封及び開放が可能である。
また、石英管203は、左右のフランジ231、232の開放された一方から脱着可能である。左右のフランジ231、232は、水冷式の冷却機能を備えている。
尚、石英管203は、左右のフランジ231、232の両側から挟み込むように脱着及び固定する方法であっても良い。
図7に示すように右フランジ232は、燃焼用ガス217や燃焼用ガス218の流量を制御する制御弁224と接続される配管と接続され、燃焼用ガス217又は燃焼用ガス218を石英管203の内部に満たすことが可能である。また、右フランジ232は、低真空圧力計219と接続し、左フランジ231は、フィルタ221を経由し、圧力制御バルブ222や制御弁224と接続している。
また、制御弁224は、工程に応じ温度条件や燃焼時間に応じて燃焼用ガス217又は燃焼用ガス218を切り替えて石英管203内に流入することが可能である。
制御装置210は、圧力制御バルブ222や制御弁224と接続したドライポンプ223により、石英管203の内部の圧力を制御している。
高周波コイル240は石英管203の周囲を取り囲むように形成され、コイル243が支持されるコイル支持具242が駆動装置1(214)に固定されている。その駆動装置1(214)は、レール236に沿って、X、−X方向へ移動を行う。駆動装置1(214)は、モータが使用されている。尚、モータの替わりにリニヤ駆動等であっても良い。
高周波コイル240は、X、−X方向への移動が可能である点が異なり、一度設置すれば植物性原料9を収容する複数の収納箱205を順次燃焼させることが可能であるため、一度に多くの植物性原料9を燃焼させることが可能である。また、高周波コイル240は、コイル243の近傍にコイル243から発する電磁波の影響を少なくするため遮蔽板241を備えている。
高周波誘導加熱装置200は、燃焼用ガス217を流し、20KHzの高周波磁場を高周波電源212から高周波コイル240に印加することにより、図5に示すように高周波誘導加熱により、800℃以上且つ1150℃以下で比較的大きな収率が得られた。燃焼用ガス217は、燃焼時に直物性原料9から発生するガスが石英管203内に留まらないように燃焼用ガス217を流して、発生したガスを収集する役割と酸化させないようにする役割とを有している。
以上のような高周波誘導加熱装置200は、高周波コイル240と燃焼用ガス217を使用することにより熱分解が困難なリグニンであっても燃焼時において導電性が付与されてきた場合に、自身も発熱するため速く分解が可能である。また、高周波誘導加熱装置200は、製造工程においてガス等の燃焼とは異なり、温度管理が簡単であると同時に、毒性のある物質等が発生しない点、また急速加熱(昇温速度10℃/分から100℃/分程度まで調整可能である)が可能である点、短時間で温度を上げて均一に燃焼させることができる点等により、短時間で多量に量産化するには最適である。
高周波電源212は、コイル243や電源を冷却するための水冷の冷却装置213が設けられている。また、石英管203内にて燃焼時に発生するタール成分等がドライポンプ223に影響を及ぼさないために、不織布、綿、紙等で形成したフィルタ221を設けている。
また、図6に示す温度制御装置211は、図7に示すように熱電対235が各々の収納箱205に近接して設けられている。従って、これら温度制御装置211から得られた情報により制御装置210は、所望する温度により燃焼させることが可能である。特に温度により収率が異なるために温度管理が重要である。
電気炉250は、石英管203の周囲を取り囲むように形成され、駆動装置2(216)に固定されている。その駆動装置2(216)は、レール236に沿って、X、−X方向へ移動を行う。駆動装置2(216)は、モータが使用されている。尚、モータの替わりにリニヤ駆動等であっても良い。
電気炉250は、ジュール熱を利用するような、備えられる発熱体からの熱により1200℃近くまで温度を上げることが可能であり、燃焼用ガス218を供給しながら石英管203内を清掃することが可能である。また、燃焼用ガス218は燃焼の支援用として用いられ、燃焼用ガス218は空気等の気体が考えられる。
尚、電気炉250は、電磁誘導電流を利用する低周波誘導炉、渦電流を利用する高周波誘導炉、孤高の高熱を利用するアーク炉等でも良い。また、電気炉250は、燃焼用ガス218である酸素を供給し、燃焼することによりCOとして除去し、本来透明である石英管203に付いた燃焼物を除去し清掃することが可能である。そうすることにより、高周波コイル240による、石英管203の内部の表面に付いた燃焼した燃えカスを除き、磁場が透過しやすくすることが可能である。
次に、図7から図10を参照し、石英管203及び収納箱205について説明する。図9及び図10に示すように、収納箱205は、植物性原料9を収納するように上端が開放した箱状に炭素材料により形成されている。特に、高周波誘導加熱装置200は、上述したプラズマ装置10、100に比較して多くの量を燃焼できるように収納箱205を複数個設けている。
また、図10(B)、(C)に示すように、収納箱205は筐体257と同じカーボン製の蓋255が設けられている。蓋255は、燃焼時に植物性原料9の有機物から発生するガスや水蒸気による突沸等による植物性原料9の飛散を防ぐためである。蓋255は、ガスや水蒸気等を逃がすためにガス抜き孔256が4隅に設けられている。
収納箱205は、蓋255の下方に、ステンレス製の網258を更に設けても良い。網258は、植物性原料9の周囲を覆うように設けても良く、また植物性原料9の上方だけ覆うよういにしても良い。網258は、飛散を抑え、更に燃焼用ガス217が通過すると共に誘導加熱による熱を上方から伝えやすくする効果もある。
図10(A)に示すように、収納箱205は、近傍に複数設けることにより燃焼用ガス217が流れる方向から順番に加熱すると、加熱された燃焼用ガス217が隣の収納箱205に収められた植物性原料9を温め、植物性原料9が予め乾燥される。そのため、収納箱205の2個目以降は燃焼時間が1個目よりも短くすることができる。また、植物性原料9から発生するガスによって突沸するようなことはない。
表面に4隅に棒状の片が突出した上端片部208と、裏面に両端の上方に突出した片状の下端片部207を複数設けた載置台206に、収納箱205は固定される。収納箱205は、下方の上端片部208と同じ位置に、上端片部208の片が挿入することが可能な穴が設けられ、その穴に上端片部208が嵌合し、収納箱205は載置台206に固定される。
収納箱205を固定した載置台206は、土台202に設けられた溝である土台溝204に沿って下端片部207を嵌合させ土台202に載置される。土台溝204は、収納箱205をずらして設置できるように、幅方向にY1分ずらして複数本設けられている。また、収納箱205は、幅方向だけでなく、図7に示すようにX方向に所定間隔X1離間させて設けられている。
図7及び図8に示すようにY1方向又はX方向に収納箱205を離間させることにより、加熱による燃焼の際に、燃焼する目標以外の収納箱205が影響を受けることを極力防ぐようにしている。また、土台202は、温度制御を可能にするため、土台溝204の近傍に熱電対が固定できる空間となる熱電対収納スペース209を確保している。
図8に示すように、石英管203は、透明な石英で形成した外径が125mm程度の円形の筒状に設けている。また、載置台206は、石英管203の内部の中心より下方に収納箱205を設置できる幅に形成されている。
高周波誘導加熱装置200は、炭素を得るように構成されているが、温度条件によりバイオマス材料からケイ素を含むシリカの抽出を行うことも可能であり、特に非結晶シリカを製造することも可能である。また、上述した乾燥工程S2だけでなく燃焼工程S3も電気炉250により可能である。そのため、同一の装置で様々な工程を温度管理しながら行うことが可能である。高周波誘導加熱装置200は、温度速度勾配や温度を高周波の出力を変えることにより自由に可変することが可能であるため、様々な原料に対応可能である。
以上の高周波誘導加熱装置200は、熱を与える部分である高周波コイル240又は電気炉250が移動し、収納箱205に収められる植物性原料9に熱を与えるため、原料が移動するコンベア式と比較し、圧力制御が可能な空間内を容易に作り上げることができる。また、コンベア式は、コンベア等に必要な油分との化学反応が懸念され、不純物が混ざる要因ともなる。また、コンベア式と比較し、高周波誘導加熱装置200は、燃焼用ガスの混入等の装置が複雑になる等のコストが掛かる心配もない。高周波誘導加熱装置200は、石英管203の外部に設けられているため、外からの点検、整備作業も容易である。
また、1つの装置で、後述する乾燥工程S2又は燃焼工程S3の工程に使用することも可能である。更に、高周波誘導加熱装置200は、温度条件を変えれば、他の物質も製造することも可能である。以上のように高周波誘導加熱装置200は、多機能な装置であるために生産効率だけでなく多用途にも応用が可能である。
尚、高周波誘導加熱装置200は、載置台206を一台にし、石英管203の長さも一台にしたコンパクトな高周波誘導加熱装置200であっても良い。これにより一台10分定で燃焼工程S2は完了するので、台数を多くすることにより大量生産が可能である。
(実施例5)
実施例5の高周波誘導加熱装置200Aについて図12を参照し説明する。図12は、実施例4の高周波誘導加熱装置200と同じ構成を示す箇所には同じ符号を付し、同じ構成の箇所は説明を省略する。
高周波誘導加熱装置200Aは、シリコンを製造するにあたって3000℃以上の加熱が可能なように、水冷装置として水冷2重管263が採用されている。高周波誘導加熱装置200Aは、冷たい不導体水を給水管262aから供給し、高温になった不導体水を排水管262bにより回収して内部の温度上昇を抑えている。また燃焼用ガス17aは、カーボン製の収納るつぼ265に載置された植物性原料9の上方に、孔の空いた蓋267から排出される有機物の燃焼の際に発生するガスを含んだ排気ガス217b等を回収する排出管が設けられている。
(実施例6)
実施例6のマイクロ波誘導加熱装置200Bについて図13を参照し説明する。マイクロ波誘導加熱装置200Bは、300MHz〜300GHzの周波数の電磁波273を照射するマイクロ波発生装置272を設け、マイクロ波を遮蔽する筐体内に、セラミック収納箱274に植物性原料9を収納する。マイクロ波誘導加熱装置200Bは、植物性原料9に含まれる水分及び誘導体をマイクロ波によって振動させる誘導加熱により加熱する。
特に、図14(A)〜(D)に示すように、マイクロ波誘導加熱装置200Bは、H2O等の水分26を含んだ植物性原料9がシリカ19となる場合に、自己が発熱するために、熱効率が良く、水分を含んだ有機物は徐々に小さくなり燃焼させる。また、直物性原料9は、空気孔や水分を運ぶ基幹あるため、特に水を多く含んだ植物性原料9は、マイクロ波誘導加熱装置200Bによる加熱・分解に最適である。
高周波誘導加熱装置200、200A、200Bによる効果は、自己又は誘導体や導体が発熱するため、熱効率が良く、昇温速度が速い点が挙げられる。また、高周波誘導加熱装置200、200A200Bは温度管理が容易である。
(実施例7)
<乾燥装置>
図4は、上述したプラズマ装置10、100により植物性原料9から不純物を除去して高純度のシリカ19を抽出する乾燥装置40の例である。本実施例は、後述する製造工程の乾燥工程S2を示している。
加熱炉42を2000℃近くまで高温に加熱することが可能である。大型るつぼ50には、シリカ19を入れ酸素雰囲気で空気が流れる状態にし、300℃程度の温度で2時間程度の加熱及び乾燥の処理を行う。
(実施例8)
<シリカ生成のプロセスフロー>
図1を参照し、ナノレベルのシリカ19を製造する方法について実施例1から実施例7の製造装置を使用し、ナノレベルのシリカ19の製造工程を説明する。図1は、実施形態のシリカ19を製造する工程を示すプロセスフローを示す図である。
先ず、植物性原料9をミル機等により細かく粉砕する。ここで、粉砕方法は、ミル、ミキサー、グラインダー等が挙げられる。
次に、シリカを多く含む植物性原料9は、炭水化物の除去のみならず、アルカリ金属等の不純物が多く含まれている。そのため、本発明では前処理工程(S1)にて、強酸を使用すると環境や人的な負荷や強酸使用後の処理に負担がかかるため、環境又は人的な負荷の少ない有機酸を使用して植物性原料9の中にある炭水化物並びにアルカリ金属不純物の分解及び溶出を行う。その後、純水等で有機酸や溶出した不純物を洗い流す洗浄処理を行い、100℃程度の熱風による乾燥後に上述した燃焼工程(S3)の処理を行い高純度の非結晶性のシリカ19を生成する。有機酸は、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸及びギ酸等がある。
例えば、濃度5%から15%のクエン酸の水溶液に植物性原料9を15分から120分程度浸す浸透処理をし、その後水洗いし、有機酸の除去である洗浄処理を行った後、乾燥させて燃焼工程S3を行うと不純物が1%未満となるという結果がある。このときの有機酸の濃度は1%から20%程度が最適であり、また有機酸水溶液の液温は20℃から80℃が良い。また、浸透時間は60分から120分程度である。
そして、前処理工程S1の後は、洗浄処理した植物性原料9は、300℃程度、2時間電気炉等で乾燥工程S2を行う。このとき、乾燥工程S2と以降の燃焼工程S3を同時に行っても良い。
次に、燃焼行程S3は、酸素を少量供給し600℃から1100℃の温度で植物性原料9を燃焼させる。非結晶のシリカ19を抽出するには1000℃以下が良く、有機酸5%で且つ800℃程度の温度で燃焼させると良い。また、乾燥処理は、100℃程度の温度での熱風や炉に入れての乾燥等がある。
乾燥又は燃焼は、上述したプラズマ装置10、100、200を使用することにより熱分解が困難なリグニンであっても分解が可能である。また、シリカ19は絶縁性が高いが、プラズマ装置の高周波の交流を印可させることにより、絶縁であるシリカ19(SiO2)が粉砕可能であり、微細な非結晶のシリカ19が抽出可能である。
また、前処理において塩化水素(HCL)を希釈した溶液に植物性原料9を浸し、乾燥させてから燃焼工程S3に進んでも良く。希釈した塩化水素溶液にセルロースの一部が溶出し、燃焼工程S3後の純度を上げることが可能である。
実施例1から実施例7の製造装置の内、実施例1及び実施例2の図2及び図3に示すプラズマ装置10、100を使用した場合の燃焼工程S3を説明する。乾燥工程S2で生成した植物性原料9を0.8g程度をるつぼ5に入れて金属の網等で覆う。上述したプラズマ装置10、100の所定の加熱する位置にるつぼ5を配置する。チャンバー1内の圧を真空ポンプ30により80Paまで減圧を行い、燃焼用ガス6をチャンバー1内に8から10ml/分の流量により注入し、チャンバー1内は、1300から1500Paの圧力に保たれている。
同様に、実施例4の図6から図10に示す高周波誘導加熱装置200を使用した場合の燃焼工程S3を説明する。前処理工程S1で植物性原料9を収納容器205内に敷き詰め、金属の網等で覆う。上述した高周波誘導加熱装置200の所定の加熱する位置に複数の収納容器205をずらして配置する。石英管203内の圧をドライポンプ223により80Paまで減圧を行い、燃焼用ガス217を石英管203内に8から10ml/分の流量により注入し、チャンバー1内は、1300Paから1500Paの圧力に保たれている。
出願人は、図5に示すように、実施例4における高周波誘導加熱により200℃から1100℃の温度の間を100℃刻みにより燃焼工程S3を行い、植物性原料9を燃焼する際の温度と収率を求めた。0.8gの植物性原料9から得られたシリカ19の重量を割り得られた値を図5に示している。800℃から1150℃にて36%と最も大きな収率が測定され、800℃以上且つ1150℃以下で比較的大きな収率が得られた。また、シリカ19は、1150℃若しくは1000℃以下にて非結晶状態となるため、800℃から1000℃までの温度で燃焼させることが好ましい。
本測定では、稲わら、ぬか、ヤシ殻、もみ殻及びピーナッツ殻等を行ったが、同様の結果が得られた。
実施例7における加熱炉42を使用した燃焼工程S2を説明する。先ず、実施例7の図4に示す乾燥装置40の加熱炉42を2000℃近くまで高温にし、大型るつぼ50には、植物性原料9を入れ空気が流れる状態にし、600℃以上1000℃以下で1時間加熱処理を行うことで、炭素をCO2として除去し、SiOを得ることができる。これにより純度の高いSiO2が生成される。シリカ19を非結晶のまま残すためには1000℃以下が最適である。
同様に、実施例4における燃焼工程S2を説明する。先ず、実施例4の図6から図10に示すプラズマ装置200の電気炉250を1000℃近くまで高温にし、先程の燃焼工程S2で焼成し、燃焼用ガス217の供給を止め、大気圧状態にした後、石英管203内に燃焼用ガス218である酸素を供給するか、空気が流し、収納容器205には、先程の燃焼工程2にて燃焼させたシリカ19を入れ空気又は酸素が供給できる状態にし、600℃で1時間加熱処理を行うことで、炭素をCOとして除去し、シリカ19(SiO)を得ることができる。これにより、図25に示すような純度の高い非結晶性のシリカ19(SiO)が生成される。図25は、図19は、シリカ19の1,000倍の電子顕微鏡写真である。
(実施例9)
<シリコン生成のプロセスフロー>
図15を参照し、シリコン113を製造する方法について製造工程を説明する。図15は、実施形態のシリコン113を製造する工程を示すプロセスフローを示す図である。上述した製造工程のS1からS3から生成された純度の高いシリカ19(SiO)を使用し、S4からS5の工程により多結晶の純度の高いシリコン113を製造する。
化1の反応式は、抽出したシリカ19のケイ素(Si)とHClガスを反応させている。反応温度は、300℃から350℃にて反応させる。反応後に得られる生成物は、トリクロロシランガス(SiHCl)、SiCl及び塩化物の混合物となる。このように金属ガス処理工程S4においてトリクロロシランガス(SiHCl)が生成される。
この高純度のSiHClとHとを真空状態で反応させ1500℃に加熱する。そうすると化2の反応式にみられるSiHCl3のHによる還元反応と、化3の反応式にみられる熱分解により、シリコン(Si又はSiO)と3SiClが生成され、SiHClの約1/3が多結晶シリコンを形成する。
このようにシリコン生成工程S5において高純度の多結晶シリコン113(Si又はSiO)が生成される。このシリコン13は、太陽電池の材料、燃料電池の負極材及びLSIデバイス又はVLSIデバイス等の電子回路の材料として使用される。
尚、トリクロロシランガス(SiHCl)の他に、四塩化ケイ素(SiCl)、四臭化ケイ素(SiBr)、四ヨウ化ケイ素(SiI)といったハロゲン化Siを水素還元及び熱分解により純度の高い多結晶のシリコン113を製造することも可能である。
(実施例10)
<他のシリコン生成のプロセスフロー>
図16及び図17を参照し、シリコン113を製造する方法について製造工程を説明する。図16は、他の実施形態のシリコン113を製造する工程を示すプロセスフローを示す図である。上述した製造工程のS1からS3から生成された純度の高いシリカ19(SiO2)を使用し、シリコン生成工程S5−1の工程により多結晶の純度の高いシリコンを製造する。
図17は、他の実施形態のシリコン113の製造工程を示す概要図である。図17に示すシリコン生成装置60は、ガスボンベからリーク弁64を操作し、またポンプ及びリーク弁65を操作した上で、燃焼用ガス62を室内に充填させ、燃焼用ガス62の雰囲気にする。ガスボンベに収められる燃焼用ガス6は、主にアルゴンを使用したが、その他にヘリウム、ネオン、窒素等が挙げられる。
次に、非結晶性のシリカ19を金属61(アルミニュウムやマグネシウム)により圧力Pを掛けながら、上述したプラズマ装置10、100、200を使用し、熱プラズマ63により4MHzの高周波磁場を高周波電源32から高周波コイル31に印加することにより、熱プラズマを発生させている。
アーク放電による熱プラズマ63により600℃から1000℃の温度帯の加熱によりシリカ19を圧力Pを掛けて金属と反応させ、化4に示すようにシリコン113(Si又はSiO)を抽出する。本実施例では、アルミニュウムを例にして説明すると、化4に示すようにシリカ(SiO)とアルミニュウム(Al)とを反応させて酸化アルミニュウム(Al2O3)とシリコン(Si若しくはSiO)を生成する。好ましくは、燃焼用ガス62の雰囲気で800℃で反応させる。
尚、プラズマ装置10、100、200に使用される燃焼用ガス6の他に、酸素を含んだ空気であっても良く、炭素等を燃焼させて除去できる状態であれば良い。
(実施例11)
図16及び図18を参照し、シリコン113及びシリコン113を製造する方法について説明する。
図16は、他の実施形態のシリコン113を製造する工程を示すプロセスフローを示す図である。上述した製造工程のS1からS3から生成された純度の高いシリカ19(SiO2)を使用し、シリコン生成工程S5−1の工程により多結晶の純度の高いシリコンを製造する。
図16は、他の実施形態のシリコン113の製造工程を示す概要図である。図18に示すシリコン生成装置60Aは、ガスボンベからリーク弁を操作し、またポンプ及びリーク弁を操作した上で、燃焼用ガス62を室内65に充填させ、燃焼用ガス62の雰囲気にする。ガスボンベに収められる燃焼用ガス62は、主にアルゴンを使用したが、その他にヘリウム、ネオン、窒素等が挙げられる。
次に、非結晶性のシリカ19とマグネシウム61Mを直径が20mmのロッド64の上に混入し、ジルコニアやアルミナの材料により形成したロッド64を両側から押し、シリカ19とマグネシウム61Mに0.1から0.9Mpaの圧力Pを掛けながら、ロッド64の両端から直流電流500Aから2500Aの燃焼用ガス62を流しながら、放電プラズマ焼結法により650℃から800℃の温度で30分加熱する。この際、熱プラズマにより、シリカ19とマグネシウム61Mの分子間にアーク放電が起こり、更に反応が進み短時間で反応が完了し純度の高いシリコン(Si)の生成が可能である。
熱プラズマ63により600℃から1000℃の温度帯の加熱によりシリカ19を圧力Pを掛けてマグネシウムと反応させ、化5に示すようにシリコン113(Si又はSiO)を抽出する。
本実施例では、マグネシウムを例にして説明すると、化5に示すようにシリカ(SiO)とマグネシュウム(2Mg)とを反応させて酸化マグネシュウム(2MgO)とシリコン(Si)を生成する。好ましくは、燃焼用ガス62の雰囲気で800℃で反応させる。ここで、シリカ19(SiO)とマグネシュウム(2Mg)の割合は、シリカ19を1に対し、0.5〜2.0の割合が良い。
(シリコン)
以上のように上述した実施例9から実施例11により製造したシリコン113の電子顕微鏡写真を図19から図22に示す。図19は、シリコン113の20,000倍の電子顕微鏡写真である。図20は、図19に示すシリコン113を透過して現した20,000倍の走査透過電子顕微鏡写真である。図21は、シリコン113の100,000倍の電子顕微鏡写真である。図22は、図21に示すシリコン113を透過して現した100,000倍の走査透過電子顕微鏡写真である。図23は、シリコン113の12,000倍の電子顕微鏡写真である。図24は、シリコン113のX線回折により現したスペクトル図を示している。図25は、シリカ19の1000倍の電子顕微鏡写真である。
図21及び図22は、20nmから60nmの球状のシリコン113の微粒子が凝集している図を示している。また、図24にシリコン113のX線回折により現したスペクトル図を示している。図24は、格子面を現すミラー指数(111)、(220)、(311)、(400)、(331)、(422)を示している。また、表4は、ミラー指数のそれぞれについて、(111)を100とした場合の強度比を示している。
(111)を100とすると、(220)は54、(311)は41、(400)は12、(331)は13、(422)は16であり、(400)の強度比は、(422)又は(331)よりも小さな値を示している。表4及び図24に示すように、シリコン113は単結晶を示している。
図25は、上述した製造装置により製造したシリカ19を示している。シリカ19は、BET法5μmから15μmの幅を持った鱗片状の表面を形成している。シリカ19は、窒素吸脱着等温線測定を行い、BET法により求めた比表面積が231m/gである。シリコン113を製造するに際し、200〜250m/gのシリカ19を使用すると比表面積の大きなシリコン113が形成される。
(実施例12)
上述して生成した微小なシリコン113を使用して、リチウム二次電池に使用するシリコン系負極活物質に適した微粒子310を製造する製造装置及び製造方法について説明する。
<シリコン素材>
図26は、微粒子310の構造を現す概要図である。図26(A)は、シリコン113の周囲にシリコン113を酸処理または酸化雰囲気で加熱した球状又は層状のシリカ(SiO)で形成した除去部312を形成する。
次に、微粒子310は、除去部312の更に周囲にカーボン310によるコーティングを行う。コーティングは、カーボンシート等の炭素素材の上に、除去部312を含んだシリコン113を乗せ、不活性ガス及び水素ガスを含んだ雰囲気により600℃から900℃の温度のもと圧力を大気圧力下で炭化させることにより、除去部312の周囲にカーボン313を付着させる。
そして、最後に除去部312を無機酸等にて除去することにより図26(B)のように空間314を備えた微粒子310が形成される。無機酸には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸及びフッ化水素酸があり、これらのうちシリカ(SiO)とフッ化水素酸(6HF)による反応により、水(HO)と四フッ化ケイ素(SiF)を生成し、ケイ素を除くことが可能である。
以上の構成によりシリコン113が膨張しても空間により膨張を吸収することが可能であり、また植物性原料により生成されたシリコン113は、凹凸が形成されているため、図19から図23に示すように比表面積が大きく膨張を吸収することが可能である。また、植物性原料9から製造された比表面積が大きいカーボン313を使用すればシリコン113の膨張も吸収可能である。、
尚、除去部312は、シリカ(SiO)の他にでんぷん等を使用しても良く、カーボン313を表面に接着した後に、カーボン313を焼結してもよく、このときにでんぷんを熱で分解する事で空間314を備えた微粒子310を形成しても良い。
尚、カーボン310は、上述した植物性原料9から製造した炭素素材であっても良く、例えば、多孔性の窒素吸脱着等温線測定を行い、BET法により求めた比表面積が700から1800m/gの炭素素材であっても良く。またカーボン310は、植物性原料から生成される非結晶性の炭素素材であって、1μm以下の微小なケイ素成分及びカリウム成分を含んだ凹凸を備えたことを特徴とする炭素素材であっても良い。
尚、カーボン310は、細孔径が0.2nmから2nmの微細な細孔が形成されていることを特徴とする炭素素材であっても良い。また、カーボン310は、24wt%から35wt%のケイ素成分を含んだことを特徴とする炭素素材。また、カーボン310は、微小なケイ素又はカリウムを全体に均一に含んだことを特徴とする炭素素材。カーボン310は、分解したカリウム又は過酸化カリウムの何れかの凝集体を含んだことを特徴とする炭素素材。表面にケイ素成分又はカリウム成分を含んだ50nmから100nm前後の凹凸を備えたことを特徴とする炭素素材であっても良い。
1 チャンバー
2 カソード
3 アノード
4、32 高周波電源
5 るつぼ
6、217 燃焼用ガス
7 導入管
8 導出管
9 植物性原料
10、100、200 プラズマ装置
14、22 制御弁
15、23、64、65 リーク弁
19 シリカ
20 コントロール装置
21 ガス量コントロール装置
30 真空ポンプ
31 高周波コイル
40 不純物除去装置
42 加熱炉
50 大型るつぼ
60、60A シリコン生成装置
61、61M 金属
62 燃焼用ガス
63 熱プラズマ
64 ロッド
65 室内
113 シリコン
202 土台
203 石英管
204 土台溝
205 収納容器
206 載置台
207 下端片部
208 上端片部
209 収納スペース
210 制御装置
211 温度制御装置
212 高周波電源
213 冷却装置
214 駆動装置1
215 電源制御装置
216 駆動装置2
218 燃焼用ガス
219 真空圧力計
221 フィルタ
223 ドライポンプ
224 制御弁
231 左フランジ
232 右フランジ
235 熱電対
236 レール
240 高周波コイル
241 遮蔽板
242 コイル支持具
243 コイル
250 電気炉
312 除去部
310 微粒子
313 カーボン
314 空間
P 圧力
S1 前処理工程
S2 乾燥工程
S3 燃焼工程
S4 金属ガス処理工程
S5、S5−1 シリコン生成工程。

Claims (7)

  1. 植物性原料から生成した非結晶シリカを前駆体とし、炭素成分を除去し生成したシリコンを中心に含み、そのシリコンと炭素の間に空間を備えたことを特徴とするシリコン素材。
  2. 前記植物性原料は、シリカを13%から35%以下含むことを特徴とする請求項1に記載のシリコン素材。
  3. 前記非結晶シリカは、5μmから15μmの幅を持った鱗片状の表面を形成していることを特徴とする請求項1及び請求項2の何れか一項に記載のシリコン。
  4. 20nmから60nmの球状を形成していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のシリコン素材。
  5. ミラー指数で現す(400)強度比は、ミラー指数で現す(422)又はミラー指数で現す(331)よりも小さな値を示していることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のシリコン素材。
  6. 前記非結晶シリカは、BET法により求めた比表面積が200から250m/gであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のシリコン素材。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載のシリコン素材を負極材として含んでいることを特徴とするリチウムイオン電池。
JP2019160011A 2019-09-03 2019-09-03 シリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウムイオン電池 Pending JP2021038114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019160011A JP2021038114A (ja) 2019-09-03 2019-09-03 シリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウムイオン電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019160011A JP2021038114A (ja) 2019-09-03 2019-09-03 シリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウムイオン電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021038114A true JP2021038114A (ja) 2021-03-11

Family

ID=74848193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019160011A Pending JP2021038114A (ja) 2019-09-03 2019-09-03 シリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウムイオン電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021038114A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7398720B1 (ja) 2022-10-14 2023-12-15 ジカンテクノ株式会社 シリカの製造装置、シリカの製造方法及びシリカを使用した化粧品の製造方法
WO2024080300A1 (ja) * 2022-10-14 2024-04-18 ジカンテクノ株式会社 シリカの製造方法及び化粧品の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7398720B1 (ja) 2022-10-14 2023-12-15 ジカンテクノ株式会社 シリカの製造装置、シリカの製造方法及びシリカを使用した化粧品の製造方法
WO2024079921A1 (ja) * 2022-10-14 2024-04-18 ジカンテクノ株式会社 シリカの製造装置、シリカの製造方法及びシリカを使用した化粧品の製造方法
WO2024080300A1 (ja) * 2022-10-14 2024-04-18 ジカンテクノ株式会社 シリカの製造方法及び化粧品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7290242B2 (ja) 炭素素材の製造装置
Patil et al. Preparation of silica powder from rice husk
Liou Preparation and characterization of nano-structured silica from rice husk
CN101891214B (zh) 一种低温合成碳化硼粉末的制备方法
Patel et al. Recent advance in silica production technologies from agricultural waste stream
US10758916B2 (en) Application method and device for cold field plasma discharge assisted high energy ball milled powder
Haslinawati et al. Effect of temperature on ceramic from rice husk ash
JP2021038114A (ja) シリコン素材及びそのシリコン素材を含むリチウムイオン電池
JP2011530472A (ja) 高純度ケイ素およびその誘導体への低コスト経路
Rojas et al. Production and characterization of silica nanoparticles from rice husk
JP2014072497A (ja) キャパシタ電極材用活性炭及びその製造方法、キャパシタ用電極、並びにキャパシタ
KR20150017795A (ko) 마이크로웨이브 플라즈마를 이용한 흑연 정제장치 및 정제방법
CN110217796A (zh) 一种高纯碳化硅粉及其制备方法
Rahim et al. Production of activated carbon and precipitated white nanosilica from rice husk ash,''
KR101618773B1 (ko) 플러렌의 제조방법
JP7312396B2 (ja) 炭素素材の製造方法
JP2020183327A (ja) シリコン、そのシリコンの製造装置及びそのシリコンの製造方法
CN107954718B (zh) 一种碳化硼冶炼装置及碳化硼的制备方法
KR101051437B1 (ko) 알칼리 용액 분무 활성화법에 의하여 제조된 활성탄소 및 그 제조방법
KR101515534B1 (ko) 전극소재용 플러렌의 제조방법
JP7312397B2 (ja) 炭化物及び炭素素材の製造方法
Fernandes et al. Production and characterization of silica materials from rice husk ash by different combustion processes
JP2021118124A (ja) 炭素材料を使用した発熱体及びその製造方法。
JP2021118290A (ja) 炭素素材を使用した導電性の電子部品及びその製造方法
JP7226741B2 (ja) 回転装置の部品及び回転装置の部品の製造方法