JP7226741B2 - 回転装置の部品及び回転装置の部品の製造方法 - Google Patents

回転装置の部品及び回転装置の部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭素材料を使用し軽量化及び放熱性能を向上させるために回転装置、その部品及びその製造方法に関するものである。
従来からカーボンファイバーを使用し、軽量化を図る技術は、産業界では回転装置に限らず車、スポーツ等のあらゆる製品の軽量化を目指すための材料の1つとして使用されてきている。
特に、回転装置では、金属部品が大量に使用されており、軽量化を図るための技術として、回転装置の筐体であるケースを、カーボンファイバーだけでなく、金属等の中でも軽量なアルミニュウムやマグネシウム合金に変えて軽量化を図っている 。
また、回転装置の中でも重量のある部品は、コア及び巻き線等があるが、コアは、回転する際に巻き線に流れる電流によって発生する磁力を利用して回転を行っている。そのため、樹脂を混合しコアの軽量化を図りながら、磁性の能力を向上させる技術が望まれていた。
例えば、特許文献1には、解繊された炭素繊維の切断物、未硬化の熱硬化性樹脂、及び、強磁性体の粉末粒子を含む混合材料を得る混合材料調製工程Q1と、混合材料を成形型に充填し、加熱により熱硬化性樹脂を硬化させる成形工程Q2と、を具備する製造方法により、解繊された炭素繊維の切断物、及び、強磁性体の粒子が、熱硬化性樹脂のマトリクスに分散しており、全体として強磁性を示す炭素繊維強化樹脂成形品を製造する発明が挙げられる。
特開2019-6960号公報
強磁性体の粉末状の粒子は、一般的に比重が樹脂よりも大きい材料が多く、樹脂に均等に分散させるために分散剤の選定や分散させる技術が必要となる。
また、回転装置の熱を放熱させるためにケースに樹脂を使用されるが、樹脂だけでは放熱する能力が低いため、放熱する材料を樹脂に混入させる技術も必要である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、炭素材料を使用し、回転装置の放熱性能やコア等の軽量化を図るために、磁性材料等と樹脂とを均一に分散させ、回転装置の部品を製造する技術及び回転装置を提供することにある。
供給した電力により回転する回転装置の部品であって、前記回転装置の筐体を形成する回転ケースを設け、前記回転ケースを、樹脂、比表面積が300m/g以上の炭素材料及び磁性体材料とを混ぜた材料により形成し、前記回転ケースの一部に、放熱用の前記磁性体材料が集中する箇所を設けたことを特徴とする。
以上の特徴により、本発明は、回転装置の回転ケースに放熱用の箇所が特定されるために、放熱用の対策をしやすくなる。また、比表面積が大きな炭素材料を使用することにより金属と樹脂との吸着効果が上昇し、樹脂に磁性体材料を取り込みやすくし、磁性体材料の分散効果が向上する。また、本発明の構成により分散効果が上昇するために磁性体の磁性能力が向上する。更に、本発明は炭素材料を使用しているので放熱効果が向上する。
実施形態の製造工程を示すプロセスフローを示す図である。 実施形態のプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の他の形態のプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の賦活装置の構成を示す概要図である。 実施形態の炭化炉装置の構成を示す概要図である。 実施形態の製造工程における炭素源の温度と炭化物の理論収率との関係を示す図である。 実施形態の高周波誘導加熱装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の高周波誘導加熱装置の構成を示す概要図である。 実施形態の高周波誘導加熱装置の一部を現す断面図である。 実施形態の高周波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の高周波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の他の形態のプラズマ装置の構成を示す概要図である。 実施形態の他の高周波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の他のマイクロ波誘導加熱装置の一部を現す概要図である。 実施形態の誘導加熱装置により炭素源を炭化させた様子を説明する説明図である。 本発明の製造装置で得られた炭化物の構造を表す概念図である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンの構造を表す概念図である。 本発明の製造装置で得られた炭化物の及びグラフェンのナロースペクトル測定によるXPSスペクトル図である。 本発明の製造装置で得られた炭化物の及びグラフェンのナロースペクトル測定によるXPSスペクトル図である。 本発明の製造装置で得られた炭化物の及びグラフェンの細孔径の分布図である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンのラマンスペクトルである。 本発明の製造装置で得られた炭化物のラマンスペクトルである。 従来の鉱物から得られたグラフェンのラマンスペクトルである。 本発明の製造装置で得られたグラフェンの電子顕微鏡写真である。 図24に示すグラフェンの元素分布図である。 本発明の製造装置で得られた炭化物の電子顕微鏡写真である。 図26に示す炭化物の元素分布図である。 本発明の製造装置で得られた炭化物を走査透過電子顕微鏡により撮像した写真である。 本発明の製造装置で得られた炭化物を走査透過電子顕微鏡により撮像した写真である。 図29に示す炭化物を走査透過電子顕微鏡により透過して現した写真である。 本発明の製造装置で得られた炭化物を走査透過電子顕微鏡により撮像した写真である。 図31に示す炭化物を走査透過電子顕微鏡により透過して現した写真である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンを走査透過電子顕微鏡により撮像した写真である。 図33に示すグラフェンを走査透過電子顕微鏡により透過して現した写真である。 本発明の製造装置で得られた炭化物の電子顕微鏡写真である。 鉱物から生成したグラフェンの電子顕微鏡写真である。 鉱物から生成したグラフェンの電子顕微鏡写真である。 グラフェンを製造する温度分布と黒鉛化度の関係を示した図である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンのラマンスペクトルである。 本発明の製造装置で得られたグラフェンのラマンスペクトルである。 本発明の製造装置で得られたグラフェンを走査透過電子顕微鏡により撮像した写真である。 図41に示すグラフェンを走査透過電子顕微鏡により透過して現した写真である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンを走査透過電子顕微鏡により撮像した写真である。 図41に示すグラフェンを走査透過電子顕微鏡により透過して現した写真である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンの電子顕微鏡写真である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンの電子顕微鏡写真である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンの電子顕微鏡写真である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンの電子顕微鏡写真である。 本発明の製造装置で得られたグラフェンを走査透過電子顕微鏡により撮像した写真である。 図49に示すグラフェンを走査透過電子顕微鏡により透過して現した写真である。 炭化物を生成する際の時間と温度の関係のグラフである。 本発明の回転装置を示す概要図である。 本発明の回転装置の内部機構を示す概要図である。 本発明の回転装置の構成部品を製造する際の概要図である。 本発明の回転装置の構成部品を示す概要図である。 本発明の電気機器を示す概要図である。 本発明の電気機器の断面図を示す図である。 本発明の電子部品を示す概要図である。 本発明の電子部品の断面図を示す概要図である。 本発明の電子デバイスを内蔵した圧電計測器を示す概要図である。 本発明の電子デバイスを内蔵した圧電計測器の構成を示す概要図である。
本発明にかかる炭素素材を使用した回転装置、その部品及びその製造方法並びに電子デバイス、電気製品等の製造方法や製品について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
(炭素材料)
先ず、本発明に使用される炭素材料について以下に説明する。
<バイオマス材料>
実施例1から実施例6によりグラフェンを製造する植物性原料について説明する。本発明は、食物の残渣や廃棄される植物性原料を使用して最終生成物であるグラフェンを製造する。植物性原料は、植物や木材等を使用するが、特に植物を収穫した際の残渣等の廃棄される植物性原料をグラフェンを製造する原料として使用すれば安価に、原料を入手することが可能である。
Figure 0007226741000001
表1は、植物性原料の成分表である。表1は、最も左に示す原料を構成する成分の割合を以下右に百分率で示している。例えば、稲わらは、炭素(C)が37.4%、窒素(N)が0.53%、リン(P)が0.06%、リン酸(P2O5)が0.14%、カリウム(K)が1.75%、カリ(K2O)が2.11%、カルシウム(Ca)が0.05%、マグネシウム(Mg)が0.19%及びナトリウム(Na)が0.11%となっている。
ここで、植物由来のケイ素含有の多孔質の植物性原料は、低温(300℃以上且つ1000℃以下)にて炭化しても実質的な変化がなく、ケイ素を除去することで細孔の配列を維持できる。植物性原料は、細胞が軸に沿って規則正しく配列し、細胞壁にケイ酸が沈積して肥厚している構造のものが多くある。そして、ケイ化細胞列の間には圧縮された狭い細胞列があり、炭素化後ケイ素等を除去することにより高い比表面積を有する炭素材料を得ることが可能である。上述したようにケイ酸が13%以上且つ35%以下と多くケイ酸が含まれるものが適している。ケイ酸が多すぎても得られるグラフェンが少なくなるため、20%程度の範囲の植物性原料が良い。
炭素が多く含まれる植物性原料の例として表1に示しているが、稲わらの他に、小麦わら、大麦わら、米ぬか、もみ殻、そばわら、大豆わら、サツマイモのつる、カブの葉、ニンジンの葉、トウモロコシの稈、サトウキビ梢頭部、ヤシ粕、ピーナッツ殻、みかんの皮、レッド杉のおがくず、カラ松の樹皮及び銀杏の落ち葉がある。その他、残渣ではなく植物そのものを使用しても良く。
例えば、竹は、繊維素がセルロース、ヘミセルロース、リグニンで構成され、ミネラルが鉄、マグネシウム、カルシウム、マンガン、銅、ニッケル等から構成されているため。 また、竹の葉には焼成すると、シラノール基(Si-OH)が抽出され、焼成の過程でSiO4となって抽出される。
Figure 0007226741000002
Figure 0007226741000003
表2、3は、本発明にて、上述した表1の植物性原料である炭素源9のうち、炭素材料を製造する方法で最も適している植物性原料の成分組成表である。表2は、原料を構成する成分の割合を百分率で示している。例えば、水分が8%~10%、灰分が10%~18%、脂質が0.1%~0.5%、リグニンが18%~25%、ヘミセルロースが16%~20%、セルロースが30%~35%及びその他が5%~10%である。このように、シリカ灰19となる主な成分は、リグニン、ヘミセルロース、セルロースである。
表3は、表2に示す植物性原料である炭素源9の無機質の化学成分である。表2に示す植物性原料である炭素源9は、セルロース等の有機質が80wt%であり、無機質は20wt%である。表3の無機質の化学成分は、SiO2が92.14wt%、Al2O3が0.04wt%、CaOが0.48wt%、Fe2O3が0.03wt%、K2Oが3.2wt%、MgOが0.16wt%、MnOが0.18wt%、Na2Oが0.09wt%となっている。表2に示す植物性原料である炭素源9は、無機質に酸化ケイ素(SiO2)が多く含まれている。
(グラフェン及び炭化物)
実施例1から実施例10により製造した炭化工程S2で得られた炭化物19及び賦活工程S3で得られた炭素素材であるグラフェン113を図16から図34に示す。図24は、賦活工程S3で得られた炭素素材であるグラフェン113の50,000倍の電子顕微鏡写真である。図26は、炭化工程S2で得られたケイ素(Si)24wt%を含む炭化物19の100,000倍の電子顕微鏡写真である。
図28は、炭化工程S2で得られたケイ素(Si)24wt%を含む炭素素材の30,000倍の電子顕微鏡写真である。図29は、炭化工程S2で得られた炭化物19の100,000倍の電子顕微鏡写真である。図35は、炭化工程S2で得られた炭化物19の2,200倍の電子顕微鏡写真である。
図30は、本発明の製造装置で得られた炭化物19の図29に示す走査透過電子顕微鏡で撮影し、透過した100,000倍の画像である。図31は、本発明の製造装置で得られた炭化物19の走査透過電子顕微鏡で撮影した80,000倍の画像である。図32は、本発明の製造装置で得られた炭化物19の図31に示す走査透過電子顕微鏡で撮影し、透過した80,000倍の画像である。
図33は、本発明の製造装置で得られたグラフェン113の走査透過電子顕微鏡で撮影した100,000倍の画像である。図34は、本発明の製造装置で得られたグラフェン113の図33に示す走査透過電子顕微鏡で撮影し、透過した100,000倍の画像である。
図36は、従来の方法により鉱物から生成したグラフェンCの10,000倍の電子顕微鏡写真である。図37は、従来の方法により鉱物から生成したグラフェンCの100,000倍の電子顕微鏡写真である。
後述する炭化工程S2で得られた炭化物19は、炭素を除いた灰分が、熱重量測定によると37.1wt%と多くなっており、その灰分のうちケイ素(Si)は炭化物19全体の24wt%から30wt%となっている。その他に、Kが0.51wt%から7wt%、Alが0.1wt%から1.6wt%、Caが0.17wt%から0.5wt%、Feが0.4wt%となっており、Cr、Ni、Mn、Mg、P、S、Naが0.1wt%以下となっている。
所謂賦活処理である賦活工程S3を行っていない炭化工程S2で得られた炭化物19は、ケイ素を多く含み、不活性ガス中で炭化される場合には、強還元されず、SiO2-xとなり、芳香族の-OH基などと-O-Si-O-Rの形で結合し、リグニン多糖複合体になり、C/SiOxの形になりやすいと考えられる。
また、後述する賦活工程S3で得られたグラフェン113は、炭素を除いた灰分が、熱重量測定によると26.7wt%と多くなっており、そのうちケイ素(Si)はグラフェン113全体の14wtから19wt%となっている。その他に、Kが4.3wt%、Alが1.5wt%、Caが1.3wt%、Feが0.4wt%となっており、P、Mn、Cl、S、Mgが0.1wt%以下となっている。
以上のように、グラフェン113及び炭化物19のケイ素は、14wt%から30wt%とケイ素の量が多くなっている。
そのため、炭化工程S2で得られ炭化物19は、電池材料の負極材に使用した場合には、サイクル容量が向上するという効果がある。
Figure 0007226741000004
表4及び図20に示すようにCO2吸脱着測定の結果においてグラフェン113及び炭化物19は、細孔径が主に0.8nmから2nmの微細な細孔が形成されていることが確認できた。
そのため、金属イオン等を吸着しやすくと考えられる。また表4に示すようにガス吸着測定及び水蒸気吸着測定により測定されたメソ孔の容積は、グラフェン113が、0.487ml/gであり、炭化物19が、0.259ml/gであった。また、ミクロ孔容積は、グラフェン113が、0.46ml/gであり、炭化物19が、0.27ml/gであった。
また、表4に示すようにグラフェン113又は炭化物19の粒子は、15μmから229μmの分布の径を示し、分布の積算値の中央値で示すメジアン径で約110μmである。
このように、0.2ml/gから0.6ml/gのメソ孔容積を形成している。特に後述する不純物を除去する賦活処理を行った後のグラフェン113の方が高い値を示しており、ケイ素の除去によりメソ孔やミクロ孔が成長していると考えられる。
また、表4に示すように水蒸気吸着測定法により測定され、BET式による比表面積は、グラフェン113が、1792m/gを示し、この幅は890m/g~2000m/gの幅がある。炭化物19が、726.4m/gを示し、この幅は890m/g~1500m/gの幅がある。何れも比表面積が大きくケイ素成分(Si)を取り除いた後のグラフェン113は、より比表面積が大きくなっている。そのため、グラフェン113は、吸着する作用が高くなっている。また、電池材料では電荷を多く貯めることが可能である。
また、図35に示すように炭化物19は、細孔97よりも1000倍から10000倍の大きな2μmから10μmの径の孔96も設けられている。このように、大きな孔だけではなく、細孔径が0.8から2nmの細孔97もあり多孔性の性質を備えている。また、図28から図32に示すように細孔97だけでなく表面に50nmから100nm前後の凹凸が形成されている。図28から図32に示すように、炭化物19は、二酸化ケイ素(SiO2)、過酸化カリウム(K2O2)、カリウム(K)等からなる球状に凝集した凝集体98により形成されている。
図27は、図26で撮像した炭化物19の元素分布を示し、C、O、Al、Si、Kの元素が確認できる。図26及び図27に示すように炭化物19は、炭素を含み表面に四角形状や略球状の二酸化ケイ素(SiO2)や酸化カリウム(K2O)等からなる500nmから1μmの凝集体98によって形成される凹凸が設けられている。図27に示すように炭化物19は、全体に微小な二酸化ケイ素や酸化カリウムが形成されている。炭素源9に含まれる酸化カリウム(K2O)は、390℃で過酸化カリウムとケイ素に分解されることから、炭化物19は過酸化カリウム(K2O2)、カリウム(K)からなる球状に凝集した凝集体98が形成される。また、
図25は、図24で撮像した炭化物19の元素分布を示し、C、O、Al、Si、Kの元素が確認できる。図25、図27、図33及び図34に示すように、グラフェン113及び炭化物19の縦方向や横方向に伸びている大小からなる多孔は、植物性原料の成長過程で形成された多孔及び凹凸があり、図24、図33及び図34に示すように、不純物の除去となる賦活工程S3によりケイ素(又は二酸化ケイ素)等を含む炭素以外の不純物の除去や有機物の炭化の際に形成される多孔もある。
図25及び図27に示すように、炭化物19及びグラフェン113は、二酸化ケイ素(SiO2)や酸化カリウム(K2O)等が炭化物が微小な状態で全体に付着している。そのため、これら不純物を除去することにより比表面積が増大する。
また、グラフェン113の表面に凹凸や細孔97が形成されている。特に、炭化物19は、元素成分のK(カリウム)が、K(カリウム)又は酸化カリウム(K2O)の状態で炭化物19の表面や内部に微小となって含有している状態と、K(カリウム)又は酸化カリウム(K2O)の状態で炭化物19の表面や内部に凝集して形成される状態とがある。
また、炭化物19は、同様に元素成分のSi(ケイ素)が、Si(シリコン)又は二酸化ケイ素(SiO2)の状態で炭化物19の表面や内部に微小となって含有している状態と、Si(シリコン)又は二酸化ケイ素(SiO2)の状態で炭化物19の表面や内部に凝集して形成される状態とがある。そして、炭化物19は、賦活処理を施すことによって、炭素の純度が上がっていくと同時に、比表面積が向上していく。
表4に示すように、ガス置換密度測定装置により測定した真密度は、グラフェン113が2.56g/cm及び炭化物19が2.27g/cmであった。また、グラフェン113の嵩密度は、0.21から0.29g/cmであった。
また、二重リング法及び四端子法による測定した粉体抵抗値は、炭化物19が1.27×103~5Ω・cmとなり、ケイ素を除くことによりグラフェン113が、3.8×10-2Ω・cmとなり導電性が向上する。また、炭化物19は、ケイ素を多く残すことにより、ケイ素に吸着しやすい物質に溶け込みやすくなると、同時に絶縁性能が向上する。
また、グラフェン113の電量滴定法により測定した含有水分量は、0.565%であった。
図21は、本発明の製造装置で得られたグラフェン113のラマンスペクトルである。図22は、本発明の製造装置で得られた炭化物19のラマンスペクトルである。図23は、従来の鉱物から得られたグラフェンのラマンスペクトルである。これら図は、ラマン分光装置により解析し、得られたデータは、横軸を波長(波数(Raman shift(cm-1)))、縦軸を強度とするラマンスペクトルである。
また、表4に示すように、ラマンスペクトル法による波長のピークとなるGバンド(1590cm-1)のピーク値IG及びDバンド(1350cm-1)のピーク値IDである。
グラフェンCは、炭素原子がsp2混成軌道によるπ結合で、一平面上に六角形状に並ぶシート状の単原子膜である。図23、図36及び図37は、鉱物から生成されたグラフェンCは多層で結晶性が高いグラフェンである。それに対し、図21から図35に示す本発明で生成された炭化物19及びグラフェン113は、非結晶性であることが確認できる。
そして、表4に示すようにIGをID割った値は、グラフェン113が、1.68となり、炭化物19が、1.37であり、植物性原料の中でも結晶性が高いことを示している。特に炭化物19は、ケイ素が多く含んでおりグラフェン113よりも結晶性が高く、このケイ素を取り除いても、グラフェン113は、結晶性が高いままである。このように、ケイ素を除去する前の炭化物19は結晶性が高いため、グラフェン113はケイ素を除去しても高いままである。
炭化物19又はグラフェン113のIGをID割った値は、好ましいのは0.9以上であって0.9から2.0程度の値を示している。
グラフェン113は、後述する賦活工程(S3)の調整により10wt%から30wt%とケイ素成分の量を残すことも可能である。
図18に示すように、X線電子分光法(XPS)により、X線源としてMgKa線を用い、炭化物19及びグラフェン113に含まれる元素の種類とピーク強度のワイドスペクトル測定を行った結果を示している。750eV付近にCa、PあるいはSのピークがあり530eV付近にOのピークがみられ、280eV付近にCのピークがみられ、160eV付近にSiのピークがみられる。
また、図19は、Cのピークを示すXPSスペクトルの図である。グラフェン113は、のピークは全体的にブロードとなる傾向が確認されており、後述する賦活工程S3により構造が乱れ、-OH、-CHO、-COOHなどの含酸素官能基が生成されていることが確認できた。電気二重層キャパシタ等においては官能基の付与量に対して静電容量が増加する傾向にあるため、賦活工程S3の工程によりグラフェン113は、含酸素官能基が増加するため、静電容量も炭化物19に比較し増加する傾向にある。
特に、透過法によるフーリエ変換赤外線分光分析を行った結果では、炭化物19及びグラフェン113は、3402から3424cm-1付近にピークを持ち及び1018から1094cm-1付近にピークを持つことが確認されている。
(実施例1)
本実施例のプラズマ装置10について図2を参照し説明する。図2は、本実施例のプラズマ装置10の構成を示す概要図である。プラズマ装置10は、主に、不活性ガス6、コントロール装置20、チャンバー1、真空ポンプ30から構成されている。
ガスボンベに収められる不活性ガス6は、主にアルゴンを使用したが、その他にヘリウム、ネオン、窒素等が挙げられる。不活性ガス6は、導入管7からガス量コントロール装置21を経由し、チャンバー1に充填が可能である。ガス量コントロール装置21は、不活性ガス6の流量を調整することが可能である。
チャンバー1は、制御弁22と接続され、真空ポンプ30によりチャンバー1内を真空状態に減圧が可能である。チャンバー1に接続され、チャンバー1内に不活性ガス6を導入している。制御弁22とチャンバー1との間には、チャンバー1内の真空状態を大気圧に開放するリーク弁23が設けられている。また、チャンバー1内の空気を導入する導出管8と真空ポンプ30との間にも制御弁14と、チャンバー1内の真空状態を大気圧に開放するリーク弁15とが設けられている。
また、温度制御装置24は、高周波電源4を制御し、チャンバー1内の温度保持や保持時間等を管理している。本実施例のプラズマ装置10は、真空状態に近い低圧下に、作動ガスとして、不活性ガス6であるアルゴンガスを流し、電極間であるカソード2及びアノード3間に高電流を流し、アーク放電により熱プラズマを得る方法である。
このカソード2及びアノード3間には、カーボン製のるつぼ5が設置され、そのるつぼ5には後述する炭素源9が入っている。炭素源9は、アーク放電による熱プラズマにより300℃から1000℃の温度帯の加熱により、10~30分程度で炭化される。尚、上述したプラズマ装置の他にバリヤ放電、コロナ放電、パルス放電、直流放電型により熱プラズマを得る方法がある。
(実施例2)
実施例2のプラズマ装置100について図3を参照し説明する。図3は、プラズマ装置10と同じ構成を示す箇所には同じ符号を付し、同じ構成の箇所は説明を省略する。プラズマ装置100は、主に、不活性ガス6、コントロール装置20、チャンバー1、真空ポンプ30から構成されている。主にプラズマ装置100と異なる箇所は、高周波誘導加熱にて炭素素材を得る方法として、酸化させないように不活性ガス6を流し、3~4MHzの高周波磁場を高周波電源32から高周波コイル31に印加することにより、高周波の交流の誘導加熱による炭化を行っている点である。炭素源9は、誘導加熱により300℃から1000℃の温度帯の加熱により、10~30分程度で炭化される。
(実施例3)
実施例3のプラズマ装置100Aについて図12を参照し説明する。図12は、プラズマ装置10及びプラズマ装置100と同じ構成を示す箇所には同じ符号を付し、同じ構成の箇所は説明を省略する。
プラズマ装置100Aは、実施例2と同様な誘導結合型プラズマトーチによる熱プラズマである。プラズマ装置100Aは、高周波誘導加熱にて炭素素材を得る方法として、酸化させないように不活性ガス6を流し、3MHzの高周波磁場を高周波電源32から高周波コイル31に印加することにより、高周波の交流の誘導加熱による炭化を行っている点である。炭素源9は、誘導加熱により500℃から800℃の温度帯の加熱により、10~30分程度で炭化される。
移動ロッド125は、上下に移動が可能である。図12に示すように、アルゴンガスと水素ガスを混合した不活性ガス6又は窒素ガスを使用した不活性ガス6は、誘導加熱により、約1万℃まで昇温され、数10m/s以下の流速にて噴射し、導出管8からガスを導出している。また、導出管8の他に急冷するための急冷ガスを導出管8付近から噴出させてから導出管8から導出させても良い。
また、プラズマ装置100Aは、内部の温度が高いため、水冷装置として水冷2重管121が採用されている。プラズマ装置100Aは、冷たい不導体水を給水管123aから供給し、高温の不導体水を排水管123bにより回収して内部の温度上昇を抑えている。
主にプラズマ装置100と高周波誘導加熱にて炭素素材を得る方法は同じであるが、異なる箇所は、上昇ロッド125を備えている点が異なっている。図12に示すように、トーチは、炎型の温度分布(Ta、Tb、Tc)を示している。例えば、後述する炭化工程S2の500℃から800℃に必要な領域は、Tcを示し、移動ロッド125はPcの位置に到達すると、500℃から800℃の温度で炭化工程S2が可能である。
また、後述する賦活工程S3の800℃から1000℃に必要な領域は、Tbを示し、移動ロッド125はPbの位置に到達すると、800℃から1000℃の温度で炭化工程S2が可能である。更に、1000℃以上の黒鉛化度を向上させる場合又は二酸化ケイ素の分解が必要な場合等の炭化工程S2又は賦活工程S3が必要な領域は、Tcを示し、移動ロッド125はPcの位置に到達すると、1000℃以上の温度で炭化工程S2又は賦活工程S3が可能である。このように、プラズマ装置100Aは、移動ロッド125の設置の位置により温度の調整が可能であるため、一台の装置で様々な製造工程に対応となる。
また、プラズマ装置10、100、100Aの装置における熱プラズマにより加熱された不活性ガス6、217が流れており、植物性原料や炭化する対象は瞬時に蒸発・ガス化される。炭素源9や炭化物19等の炭化する対象は、核生成及び凝縮が行われ、急激な急冷の工程によりナノ粒子における化学反応が行われる。そのため、ナノ粒子化や化学反応を短時間で行うことができるため量産化に優れている。
以上のようなプラズマ装置10、100、100Aを使用することにより熱分解が困難なリグニン又はその他の不純物等であっても分解が可能である。
上述したプラズマ装置10、100、100Aは、高周波誘導結合型プラズマトーチであり、酸化雰囲気や還元雰囲気を自由に選択可能である。
上述したプラズマ装置10、100、100Aは、交流の高周波高電圧を印加すると、ケイ素等の絶縁体を通すことで電極間にフィラメント状のプラズマが時間的、空間的にランダムに発生する。また、コロナ放電により電極から放出される電子は、チャンバー1内や植物性原料の電子や分子に衝突することで、励起や解離やイオン化が起こる。
このような高エネルギーの空間では、気相反応が起こり、特に不活性ガス6、217化に、若干量の反応性ガスを混ぜることにより、-OH(ヒドロキシル基)、-CHO、-C=O(カルボニル基)、-COOH(カルボキシル基)などの官能基が生成され、親水性が付与される。
(実施例4)
本実施例は、図7から図11を参照し、上述した炭化物19等を製造する高周波誘導加熱装置200について説明する。高周波誘導加熱装置200は、磁場を生成し交流の高周波の誘導加熱により、導体である被加熱対象を加熱する装置である。被加熱対象は、後述するカーボンで形成した収納箱205である。
高周波誘導加熱装置200は、主に量産が可能なように、透視可能な石英管203の内部に植物性原料である炭素源9を収容するカーボン又はカーボンの複合材料により形成した複数の収納箱205を設けている。この高周波誘導加熱装置200は、コイル243に交流の高周波電流を流すと、交番磁束が導体を貫通し、高密度の渦電流が流れ、そのジュール熱で導体が急速に加熱される。
そのため、炭素源9の中に二酸化ケイ素(SiO)等の絶縁物があっても磁束が透過し炭素源9が導電し、炭素源9自体も加熱され、また加熱が加速し短時間で炭化することができる。また、二酸化ケイ素(SiO)等の絶縁物自体は、交番磁束を貫通させるため二酸化ケイ素(SiO)自体は、収納箱205からの加熱のみであり、また溶融する温度ではないため、そのまま残り、二酸化ケイ素(SiO)等の多くの絶縁物が残る。
先ず、図7及び図8を参照し、高周波誘導加熱装置200について説明する。左フランジ231と右フランジ232の間に透明な円柱状の石英管203を設けている。左右のフランジ231、232により、石英管203の内部を真空状態や低圧状態に保つことが可能なように密封及び開放が可能である。
また、石英管203は、左右のフランジ231、232の開放された一方から脱着可能である。左右のフランジ231、232は、水冷式の冷却機能を備えている。
尚、石英管203は、左右のフランジ231、232の両側から挟み込むように脱着及び固定する方法であっても良い。
図8に示すように右フランジ232は、不活性ガス217や燃焼用ガス218の流量を制御する制御弁224と接続される配管と接続され、不活性ガス217又は燃焼用ガス218を石英管203の内部に満たすことが可能である。また、右フランジ232は、低真空圧力計219と接続し、左フランジ231は、フィルタ221を経由し、圧力制御バルブ222や制御弁224と接続している。
また、制御弁224は、工程に応じ温度条件や燃焼時間に応じて不活性ガス217又は燃焼用ガス218を切り替えて石英管203内に流入することが可能である。
制御装置210は、圧力制御バルブ222や制御弁224と接続したドライポンプ223により、石英管203の内部の圧力を制御している。
図8から図10に示すように、高周波誘導加熱装置200は、石英管203を通して様々な温度を作り上げることが可能であり、植物性原料である炭素源9から炭素だけでなくケイ素を含むシリカの抽出や上述した賦活工程でも使用できるように高周波コイル240及び電気炉250を備えている。
高周波コイル240は石英管203の周囲を取り囲むように形成され、コイル243が支持されるコイル支持具242が駆動装置1(214)に固定されている。その駆動装置1(214)は、レール236に沿って、X、-X方向へ移動を行う。駆動装置1(214)は、モータが使用されている。尚、モータの替わりにリニヤ駆動等であっても良い。
高周波コイル240は、X、-X方向への移動が可能である点が異なり、一度設置すれば炭素源9を収容する複数の収納箱205を順次炭化させることが可能であるため、一度に多くの炭素源9を炭化させることが可能である。主に、製造工程では後述する図1のS2の炭化工程で活用が可能である。
また、高周波コイル240は、コイル243の近傍にコイル243から発する電磁波の影響を少なくするため遮蔽板241を備えている。
高周波誘導加熱装置200は、不活性ガス217を流し、20KHzの高周波磁場を高周波電源212から高周波コイル240に印加することにより、図6に示すように高周波誘導加熱により、300℃以上且つ1000℃以下で比較的大きな収率が得られた。不活性ガス217は、炭化時に直物性原料から発生するガスが石英管203内に留まらないように不活性ガス217を流して、発生したガスを収集する役割と酸化させないようにする役割とを有している。
以上のような高周波誘導加熱装置200は、高周波コイル240と不活性ガス217を使用することにより熱分解が困難なリグニンであっても炭化時において導電性が付与されてきた場合に、自身も発熱するため速く分解が可能である。また、高周波誘導加熱装置200は、製造工程においてガス等の燃焼とは異なり、温度管理が簡単であると同時に、毒性のある物質等が発生しない点、また急速加熱(昇温速度10℃/分から100℃/分程度まで調整可能である)が可能である点、短時間で温度を上げて均一に炭化させることができる点等により、短時間で多量に量産化するには最適である。
高周波電源212は、コイル243や電源を冷却するための水冷の冷却装置213が設けられている。また、石英管203内にて燃焼時に発生するタール成分等がドライポンプ223に影響を及ぼさないために、不織布、綿、紙等で形成したフィルタ221を設けている。
また、図7に示す温度制御装置211は、図8に示すように熱電対235が各々の収納箱205に近接して設けられている。従って、これら温度制御装置211から得られた情報により制御装置210は、所望する温度により炭化させることが可能である。特に温度により収率が異なるために温度管理が重要である。高周波誘導加熱装置200は、温度を制御することにより植物性原料から炭化物19の抽出だけでなく、ケイ素を含むシリカ等を抽出することも可能である。
電気炉250は、石英管203の周囲を取り囲むように形成され、駆動装置2(216)に固定されている。その駆動装置2(216)は、レール236に沿って、X、-X方向へ移動を行う。駆動装置2(216)は、モータが使用されている。尚、モータの替わりにリニヤ駆動等であっても良い。
電気炉250は、ジュール熱を利用するような、備えられる発熱体からの熱により1000℃近くまで温度を上げることが可能であり、燃焼用ガス218を供給しながら石英管203内を清掃することが可能である。また、電気炉250は、炭化物19を賦活させる際に燃焼させることが可能である。
また、燃焼用ガス218は燃焼の支援用として用いられ、燃焼用ガス218は酸素等が考えられる。主に図22に示す賦活工程S3での工程で使用され、1000℃近くでの燃焼時に使用される。
尚、電気炉250は、電磁誘導電流を利用する低周波誘導炉、渦電流を利用する高周波誘導炉、孤高の高熱を利用するアーク炉等でも良い。また、電気炉250は、燃焼用ガス218である酸素を供給し、燃焼することによりCO2として除去し、本来透明である石英管203に付いた炭化物を除去し清掃することが可能である。そうすることにより、高周波コイル240による、石英管203の内部の表面に付いた炭化した燃えカスを除き、磁場が透過しやすくすることが可能である。
次に、図9から図11を参照し、石英管203及び収納箱205について説明する。図10及び図11に示すように、収納箱205は、炭素源9や炭化物19を収納するように上端が開放した箱状に炭素材料により形成されている。特に、高周波誘導加熱装置200は、上述したプラズマ装置10、100に比較して多くの量を炭化できるように収納箱205を複数個設けている。
また、図11(B)、(C)に示すように、収納箱205は筐体257と同じカーボン製の蓋255が設けられている。蓋255は、炭化時に炭素源9の有機物から発生するガスや水蒸気による突沸等による炭素源9の飛散を防ぐためである。蓋255は、ガスや水蒸気等を逃がすためにガス抜き孔256が4隅に設けられている。
収納箱205は、蓋255の下方に、ステンレス製の網258を更に設けても良い。網258は、炭素源9の周囲を覆うように設けても良く、また炭素源9の上方だけ覆うよういにしても良い。網258は、飛散を抑え、更にガスが通過するとともに誘導加熱による熱を上方から伝えやすくする効果もある。
図11(A)に示すように、収納箱205は、近傍に複数設けることにより不活性ガス217が流れる方向から順番に加熱すると、加熱された不活性ガス217が隣の収納箱205に収められた炭素源9を温め、炭素源9が予め乾燥される。そのため、収納箱205の2個目以降は炭化時間が1個目よりも短くすることができる。また、炭素源9から発生するガスによって突沸するようなことはない。
表面に4隅に棒状の片が突出した上端片部208と、裏面に両端の上方に突出した片状の下端片部207を複数設けた載置台206に、収納箱205は固定される。収納箱205は、下方の上端片部208と同じ位置に、上端片部208の片が挿入することが可能な穴が設けられ、その穴に上端片部208が嵌合し、収納箱205は載置台206に固定される。
収納箱205を固定した載置台206は、土台202に設けられた溝である土台溝204に沿って下端片部207を嵌合させ土台202に載置される。土台溝204は、収納箱205をずらして設置できるように、幅方向にY1分ずらして複数本設けられている。また、収納箱205は、幅方向だけでなく、図8に示すようにX方向に所定間隔X1離間させて設けられている。
図9及び図10に示すようにY1方向又はX方向に収納箱205を離間させることにより、加熱による炭化の際に、炭化する目標以外の収納箱205が影響を受けることを極力防ぐようにしている。また、土台202は、温度制御を可能にするため、土台溝204の近傍に熱電対が固定できる空間となる熱電対収納スペース209を確保している。
図10に示すように、石英管203は、透明な石英で形成した外径が125mm程度の円形の筒状に設けている。また、載置台206は、石英管203の内部の中心より下方に収納箱205を設置できる幅に形成されている。
高周波誘導加熱装置200は、炭素を得るように構成されているが、温度条件によりバイオマス材料からケイ素を含むシリカの抽出を行うことも可能であり、特に非結晶シリカを製造することも可能である。また、上述した炭化工程S2だけでなく賦活工程S3も電気炉250により可能である。そのため、同一の装置で様々な工程を温度管理しながら行うことが可能である。高周波誘導加熱装置200は、温度速度勾配や温度を高周波の出力を変えることにより自由に可変することが可能であるため、様々な原料に対応可能である。
以上の高周波誘導加熱装置200は、熱を与える部分である高周波コイル240又は電気炉250が移動し、収納箱205に収められる炭素源9に熱を与えるため、原料が移動するコンベア式と比較し、圧力制御が可能な空間内を容易に作り上げることができる。また、コンベア式は、コンベア等に必要な油分との化学反応が懸念され、不純物が混ざる要因ともなる。また、コンベア式と比較し、高周波誘導加熱装置200は、不活性ガスの混入等の装置が複雑になる等のコストが掛かる心配もない。高周波誘導加熱装置200は、石英管203の外部に設けられているため、外からの点検、整備作業も容易である。
また、1つの装置で、後述する炭化工程S2又は賦活工程S3の工程に使用することも可能である。更に、高周波誘導加熱装置200は、温度条件を変えれば、他の物質も製造することも可能である。以上のように高周波誘導加熱装置200は、多機能な装置であるために生産効率だけでなく多用途にも応用が可能である。
尚、高周波誘導加熱装置200は、載置台206を一台にし、石英管203の長さも一台にしたコンパクトな高周波誘導加熱装置200であっても良い。これにより一台10分定で炭化工程S2は完了するので、台数を多くすることにより大量生産が可能である。
(実施例5)
実施例5の高周波誘導加熱装置200Aについて図13を参照し説明する。図13は、実施例4の高周波誘導加熱装置200と同じ構成を示す箇所には同じ符号を付し、同じ構成の箇所は説明を省略する。
高周波誘導加熱装置200Aは、3000℃以上の加熱が可能なように、水冷装置として水冷2重管263が採用されている。高周波誘導加熱装置200Aは、冷たい不導体水を給水管262aから供給し、高温になった不導体水を排水管262bにより回収して内部の温度上昇を抑えている。また不活性ガス17aは、カーボン製の収納るつぼ265に載置された炭素源9の上方に孔の空いた蓋267から排出される有機物の炭化の際に発生するガスを含んだ排気ガス217b等を回収する排出管が設けられている。
(実施例6)
実施例6のマイクロ波誘導加熱装置200Bについて図14を参照し説明する。マイクロ波誘導加熱装置200Bは、300MHz~300GHzの周波数の電磁波273を照射するマイクロ波発生装置272を設け、マイクロ波を遮蔽する筐体内に、セラミック収納箱274に炭素源9を収納する。マイクロ波誘導加熱装置200Bは、炭素源9に含まれる水分及び誘導体をマイクロ波によって振動させる誘導加熱により加熱する。
特に、図15(A)~(D)に示すように、マイクロ波誘導加熱装置200Bは、H2O等の水分26を含んだ炭素源9が炭化物19となる場合に、自己が発熱するために、熱効率が良く、水分を含んだ有機物は徐々に小さくなり炭化させる。また、直物性原料は、空気孔や水分を運ぶ基幹あるため、特に水を多く含んだ炭素源9は、マイクロ波誘導加熱装置200Bによる加熱・分解に最適である。
高周波誘導加熱装置200、200A、200Bによる効果は、自己又は誘導体や導体が発熱するため、熱効率が良く、昇温速度が速い点が挙げられる。また、高周波誘導加熱装置200、200A200Bは温度管理が容易である。また、絶縁物のケイ素又は二酸化ケイ素等の不純物を取り除くことにより、炭化物19やグラフェン113の表面に凹凸を形成することや、図15(D)に示すように細孔97を形成することが可能である。
(実施例7)
<賦活装置>
図4は、上述したプラズマ装置10、100により炭素源9を炭化した炭化物19から酸化ケイ素(ケイ素)等の不純物を除去する賦活装置40の例である。
加熱炉41は、炉42を2000℃近くまで加熱することが可能である。大型るつぼ50には、蓋51が付いており、壺52の内部に小型るつぼ60と活性炭53が入っている。小型るつぼ60は、壺62中に炭化物19の上方に水酸化カリウム(KOH)18が混入させ、蓋61が設けてある。小型るつぼ60及び大型るつぼ50は、安定したファインセラミック材料等が考えられ、酸化アルミニュウムAl2O3等が使用される。
(実施例8)
実施例1と同じ構成や同じ構成については同様の符号を付して説明を省略する。図5に実施例1で説明したとおり前処理工程S1にて植物性原料から生成した炭素源9及び酸化抑制物質70を釜83に入れる。ここで、炭素源9は釜83の容量の1/10~2/3程度の容量を入れるのが好ましい。前処理工程S1は、造粒剤を使用せず、ミル等で粉砕するだけでも良い。
ここで、酸化抑制物質70は、燃焼時に酸化を防ぐため酸素濃度を抑えながら燃焼させる物質であればても良く、ハロゲン化物(二酸化炭素、窒素、ハロン2402、ハロン1121、ハロン1301)のガスや液体を混入させ燃焼させても良い。
その後、燃焼炉80の炉81内の雰囲気を800℃以上にし、炭素源9を20気圧及び400℃以上及び900℃以下の条件で3時間燃焼させる。
(実施例9)
<プロセスフロー1>
図1を参照し、上述した実施例2を中心にグラフェンを製造する方法について製造工程を説明する。図1は、実施形態の製造工程を示すプロセスフローを示す図である。
先ず、前処理工程S1は、上述のように植物性原料を乾燥した後、植物性原料を粉砕し、その粉砕した植物性原料とPVA等の造粒剤を10対1の割合に、水を混ぜ合わせて植物性原料を適度な大きさにして練り合わせ、ホットプレート等の乾燥装置の上で100℃近くに加熱し水分を蒸発させて炭素源9を生成する。ここで、粉砕方法は、ミル、ミキサー、グラインダー等が挙げられる。特に、造粒剤は、誘導加熱の際に、炭素源9の蒸気による突沸を防ぐことができる。
次に、炭化工程S2を説明する。前処理工程S1で炭素源9を0.8g程度、るつぼ5に入れて金属の網等で覆う。上述したプラズマ装置10、100、100Aの所定の加熱する位置にるつぼ5を配置する。チャンバー1内の圧を真空ポンプ30により80Paまで減圧を行い、不活性ガス6をチャンバー1内に8から10ml/分の流量により注入し、チャンバー1内は、1300から1500Paの圧力に保たれている。尚、炭化工程S2は、実施例1及び実施例3を使用しても同様のグラフェンが製造可能である。
出願人は、図6に示すように、熱プラズマにより200℃から1100℃の温度の間を100℃刻みにより炭化工程S2を行い、炭素源9を炭化する際の温度と収率を求めた。0.8gの炭素源9から得られた最終生成物であるグラフェン113の重量を割り得られた値を図6に示している。
500℃から800℃にて36%と最も大きな収率が測定され、300℃以上且つ1000℃以下で比較的大きな収率が得られた。本測定では、稲わら、ぬか、ヤシ殻、もみ殻及びピーナッツ殻等を行ったが、同様の結果が得られた。炭化工程S2において、炭素源9は、不活性ガス6を流入しながらアーク放電による熱プラズマにより300℃から1000℃の温度帯の加熱により、10~30分程度で炭化される。
次に、賦活工程S3を説明する。上記で得られた炭化物19を1に対し、水酸化カリウム(KOH)18を5の比率の重量で混合し、図4に示す小型るつぼ60の壺62中に入れて蓋61をする。また小型るつぼ60は、大型るつぼ50の中に収容し、周りに活性炭53を埋設する。小型るつぼ60内への酸素の侵入を防ぐために活性炭53が埋設されている。加熱炉41は、炉42を950℃近くまでの温度にし、2~3時間程度焼成を行った。
ここで水酸化カリウム18は、ケイ素の除去を促進させるため、最終生成物であるグラフェン113の収率向上を挙げる観点から使用される。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化ナトリウム、酸化カリウム等のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属酸化物、硫化ナトリウム、硫化カリウムなどのアルカリ金属硫化物、硫化マグネシウム、硫化カルシウム等のアルカリ土類金属硫化物などが挙げられる。その他に、炭化しきれなかったリグニンは酸により塩酸、硫酸、PTSA、及び塩化アルミニュウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の酸により除去することも考えられる。
水酸化カリウムと反応させた炭化物19のうち、ケイ酸は水酸化カリウム18と反応し、ケイ酸カリウムとなり、水溶性である残った水酸化カリウム(KOH)18(図4)やケイ酸カリウムを水に溶かし、この混合液を濾紙セットし、真空や減圧した濾過器に通すことにより酸化ケイ素(ケイ素)を除去する。そして、乾燥させた賦活工程S3では、最初の植物性原料を造粒したときと比較して約1/8~1/10の重量の最終生成物となるグラフェン113の生成が可能であった。
(実施例10)
<プロセスフロー2>
図1を参照し、実施例5の高周波誘導加熱装置200、200A、200Bを使用してグラフェンを製造する方法について製造工程を説明する。尚、上述した実施例4のプロセスフロー1内、前処理工程S1は、同じであるため省略する。
本実施例の図7から図11に示す高周波誘導加熱装置200を使用した場合の炭化工程S2を説明する。前処理工程S1で炭素源9を収納箱205内に敷き詰め、ステンレス等の金属の網等で覆う。上述した高周波誘導加熱装置200の所定の加熱する位置に複数の収納箱205をずらして配置する。石英管203内の圧をドライポンプ223により80Paまで減圧を行い、不活性ガス217を石英管203内に8から10ml/分の流量により注入し、石英管203内は、1300から1500Paの圧力に保たれている。
出願人は、図6に示すように、加熱により200℃から1100℃の温度の間を100℃刻みにより炭化工程S2を行い、炭素源9を炭化する際の温度と収率を求めた。0.8gの炭素源9から得られた炭化物19の重量を割り得られた値を図6に示している。500℃から800℃にて36%と最も大きな収率が測定され、300℃以上且つ1000℃以下で比較的大きな収率が得られた。
本測定では、稲わら、ぬか、ヤシ殻、もみ殻及びピーナッツ殻等を行ったが、同様の結果が得られた。炭化工程S2において、炭素源9は、不活性ガス217を流入しながら高周波誘導加熱により、300℃から1000℃の温度帯で、10~30分程度で炭化される。
次に、賦活工程S3を説明する。上記で得られた炭化物19を1に対し、水酸化カリウム(KOH)18を5の比率の重量で混合し、図4に示す小型るつぼ60の壺62中に入れて蓋61をする。また小型るつぼ60は、図11に示す収納箱205の中に収容し、周りに活性炭53を埋設する。小型るつぼ60内への酸素の侵入を防ぐために活性炭53が埋設されている。電気炉250は、石英管203内を950℃近くまで高温にし、2~3時間程度焼成を行った。
ここで水酸化カリウム18は、ケイ素の除去を促進させるため、グラフェン113の収率向上を挙げる観点から使用される。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化ナトリウム、酸化カリウム等のアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属酸化物、硫化ナトリウム、硫化カリウムなどのアルカリ金属硫化物、硫化マグネシウム、硫化カルシウム等のアルカリ土類金属硫化物などが挙げられる。その他に、炭化しきれなかったリグニンは酸により塩酸、硫酸、PTSA、及び塩化アルミニュウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の酸により除去することも考えられる。
水酸化カリウムと反応させた炭化物19のうち、ケイ酸は水酸化カリウム18と反応し、ケイ酸カリウムとなり、水溶性である残った水酸化カリウム(KOH)18(図4)やケイ酸カリウムを水に溶かし、この混合液を濾紙セットし、真空や減圧した濾過器に通すことにより酸化ケイ素(ケイ素)を除去する。そして、乾燥させた賦活工程S3では、最初の植物性原料を造粒したときと比較して約1/8~1/10の重量の最終生成物となるグラフェン113の生成が可能であった。
(実施例11)
上述した実施形態の前処理工程(S1)について、更に以下に示す処理を行うことにより、ケイ素の除去の作業工程を削減しやすくなり、炭素の純度の高い最終生成物であるグラフェン113を製造することができる。ケイ素を予め除去することにより、ケイ素の燃焼により炉やチャンバー内を汚すことが少なくなる。
前処理工程(S1)として、植物性原料である炭素原9を粉砕するか若しくは粉砕する前に無機酸を使用し、炭素原9のケイ素を減らすか若しくは除去をすることが可能である。 このような前処理工程(S1)を行うことにより賦活工程(S3)を省くことが可能であり、特に実施例7のように黒鉛化度を上げるための3000℃前後の炭化工程(S2)を行うことにより炭素が98%以上であって不純物に金属の含まない高純度の結晶性の高いグラフェン113の製造可能である。
無機酸には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸及びフッ化水素酸があり、これらのうち二酸化ケイ素(SiO2)とフッ化水素酸(6HF)による反応により、水(H2O)と四フッ化ケイ素(SiF4)を生成し、ケイ素を除くことが可能である。
(実施例12)
上述した炭化装置(10、100、100A、200、200A、200B)を使用し、1000℃以上に温度条件を変化させることにより、良質のグラフェン114を作成することが可能である。また、Aの300℃から900℃付近までは低温領域71にて、前処理工程(S1)を行わず、ケイ素(Si)を多く含む炭化物19を製造した後(炭化工程S2)、アルゴンガス等の不活性ガス6、217の雰囲気においてBの1700℃から2500℃付近の温度で加熱すると炭化ケイ素(SiC)が形成される。
(実施例13)
他の実施形態のグラフェンPの製造方法を、図1及び図38を参照し説明する。この製造方法は、上述した製造装置(10、100、200)を使用し、温度条件を変えることにより黒鉛化度が向上しているグラフェンPの製造も可能である。特に、実施例5の高周波誘導加熱装置200Aは3000℃以上の高温に炭化できる装置であるため、実施例5を例に説明する。
グラフェンPは、製造する方法のルートが2つあり、先ず図1を参照し、ルート1について説明する。ルート1は、上述した前処理工程S1を行い、上述の温度71の300℃から900℃の温度帯Aにより炭化工程S2を行う。次に、上述した賦活工程S3を行い、グラフェン113を作成する。次に、グラフェン113を温度74の900℃から1300℃の温度帯Dにより二回目の炭化工程S4を行い、グラフェン114を作成する。
次に、グラフェン114を上述したHF処理(S5)を行い、温度73の2500℃から3200℃の温度帯Cにより三回目の炭化工程S6を行うことにより、黒鉛化度が上昇し、鉱物と比較して金属性の不純物が少ない純度の高いグラフェンPが生成される。
また、この工程だけでなく、ルート2の工程により純度の高いグラフェンPの製造が可能である。ルート2は、グラフェン1113を生成した後、HF処理(S5)を行い、温度73の2500℃から3200℃の温度帯Cにより三回目の炭化工程S6を行うことにより、黒鉛化度が上昇し、鉱物と比較して金属性の不純物が少ない純度の高いグラフェンPが生成される。
更に、Cの2500℃から3500℃付近までは高温73は、黒鉛化を行う場合の温度管理であり、黒鉛化度が優れ、更に電気伝導度が優れたグラフェンPが形成される。特に、2800℃から3000℃付近が最も良い。
尚、図38に示すように、窒素やアルゴン等の不活性ガスを充填した雰囲気において、温度74に示す温度帯Dの900℃から1450℃以下の温度帯では、二酸化ケイ素が溶融しないが、酸処理やアルカリ処理により炭素の純度を高めるためにも良い温度帯である。また、温度帯B又は温度帯Cは、1650℃以上で二酸化ケイ素は溶融するため、二酸化ケイ素を除くことにより比表面積の数値を上げることができる温度帯である。
(グラフェン2)
図39から図50に示すように、本実施形態により生成された黒鉛化度が向上したグラフェンPについて説明する。図39は、本発明の製造装置で得られたグラフェン114のラマンスペクトルである。図40は、本発明の製造装置で得られたグラフェンPのラマンスペクトルである。
図41は、本発明の製造装置で得られたグラフェン114の15,000倍の電子顕微鏡写真である。図42は、本発明の製造装置で得られたグラフェン114の図41に示す走査透過電子顕微鏡で撮影し、透過した15,000倍の画像である。
図43は、本発明の製造装置で得られたグラフェン114の200,000倍の電子顕微鏡写真である。図44は、本発明の製造装置で得られたグラフェン114の図43に示す走査透過電子顕微鏡で撮影し、透過した200,000倍の画像である。
図45は、本発明の製造装置で得られたグラフェンPの1,000倍の電子顕微鏡写真である。図46は、本発明の製造装置で得られたグラフェンPの5,000倍の電子顕微鏡写真である。図47は、本発明の製造装置で得られたグラフェンPの10,000倍の電子顕微鏡写真である。図48は、本発明の製造装置で得られたグラフェンPの100,000倍の電子顕微鏡写真である。図49は、本発明の製造装置で得られたグラフェンPの40,000倍の電子顕微鏡写真である。図50は、本発明の製造装置で得られたグラフェンPの図49に示す走査透過電子顕微鏡で撮影し、透過した40,000倍の画像である。
グラフェンPは、図45から図50に示すように、細孔97よりも1000倍から10000倍の大きな2μmから10μmの径の孔96も設けられている。このように、大きな孔だけではなく、細孔径が0.8から2nmの細孔97もあり多孔性の性質を備えている。図16及び図17に示すように、これらの縦方向や横方向に伸びている大小からなる多孔は、植物性原料の成長過程で形成された多孔があり、細胞壁の近傍にあるケイ素91の除去や有機物の炭化の際に形成される多孔もある。図42及び図44は、ケイ素成分を含む15nmから50nm前後の球状の二酸化ケイ素91が、微小の凹凸となって形成されている。
グラフェンPの元素数濃度は、不純物に金属成分は少なくAlが僅かばかり含み0.12wt%となっており、その他酸素(O)が0.9wt%~1.24wt%と、炭素が98.6wt%となっており、炭素が約98%の純度となっている。このように金属成分が1wt%未満であるために、炭素の純度が高いものとなっている。
図40は、レーザーラマン分光光度計を用いて測定されたグラフェンPのラマンスペクトル法による波長のピークを示しており、結晶性が高いことを示している。ラマンスペクトル法による波長のピークとなるGバンド(1590cm-1)のピーク値IG及びDバンド(1350cm-1)のピーク値IDである。
Figure 0007226741000005
そして、表5及び図40に示すようにIGをID割った値は、約8.67となり、グラフェンPにおいては非常に高い値を示し、結晶性が高いことを示している
図39は、レーザーラマン分光光度計を用いて測定されたグラフェン114のラマンスペクトル法による波長のピークを示している。グラフェン114は、図39及び表5に示すようにIGをID割った値が0.91であり、炭素(C)が79.82wt%、ケイ素(Si)が、15.5wt%、カリウム(K)が2.13wt%と構成されている。これにより、優れた炭素材料が形成される。
また、水蒸気吸着測定法により測定され、BET式による比表面積は、グラフェン114が、1780m/gを示している。また、グラフェンPの電量滴定法により測定した含有水分量は、0.01%であり、1%未満が最適である。
また、上述した測定方法により測定された粉体抵抗値は、グラフェン114が3.8×10-3Ω・cmとなり、ケイ素を除くことによりグラフェンPが、1.6×10-3Ω・cmとなり導電性が向上する。
(炭化温度と時間の関係)
上述したグラフェン製造装置(10、100、100A、200、200A、200B)を使用し、図1に示す炭化工程(S2)際の時間との関係を表5及び図38に示す。図38は、炭化する際の加熱温度と時間の関係を示した図である。
Figure 0007226741000006
高周波誘導加熱装置200により500℃の温度で炭素源9を炭化する際を例にして説明する。表5に示す加熱表面積Sは収納箱205の蓋255を含めた内側の表面積(cm2)を示している。そして、加熱体積V(cm3)は、収納箱205に収められる炭素源9の体積を示している。そして、炭素源9の1cm3当たりの加熱する面積を表しており、加熱面積Hの値が大きければ、加熱される面積は大きくなり、熱量が多くなると考えられる。
図38は、熱量面積htは、室温から昇温速度を100℃/分で温度を上げていき、500℃で25分保持し炭素源9を炭化させた場合の時間h(h)と加熱温度の関係を斜線で示した面積で現した値である。加熱係数Kは、加熱面積Hと熱量面積htの積で現した数値である。加熱係数Kは、130~280の範囲が良く、特に、収率を考慮すると保持温度が500℃以上であって、加熱係数Kは、150~260が最も良い。
尚、高周波誘導加熱装置200を例に示したが、グラフェン製造装置(10、100、100A、200A、200B)を使用しても良い。また、加熱を止めて(D点)から冷却までの時間(D-E間の時間)も熱量面積htに加えて計算しても良い。また、加熱係数Kは、130~300の範囲が良く、特に、収率を考慮すると保持温度が500℃以上であって、加熱係数Kは、150~280が最も良い。
(回転装置、その部品及びその製造方法)
以下に、上述した製造方法等により製造された炭素材料を使用した回転装置その部品及びその製造方法について図52から図55を参照し説明する。
図52は、回転装置300の全体を示す概要図である。図52は、円筒状のケース301の中央に、孔を設けた回転孔306の中心に配置された軸芯302備えた回転装置300である。回転装置300は、直流等の電力を+端子303、-端子304に供給することによって、軸芯302を回転する所謂モータである。
回転装置300は、上述した炭化物19又はグラフェン113、114、Pを10%wの割合で樹脂に混入し、カーボンファイバーを平織りや綾織り等の織り方で織られたカーボンファイバーの布を筐体の骨組みとして巻き付けて形成している。炭化物19又はグラフェン113、114、Pを樹脂に混入する割合は1%wtから30%wt程度が最適である。
樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等が良く、カーボンファイバー強化樹脂に使用される母材であれば使用が可能である。
尚、カーボンファイバーは、炭化物19又はグラフェン113、114、Pを5%wtから30%wt程度の重量割合にてピッチ材料に混入し、この混入したピッチ材料を紡糸した後に、不溶化及び黒鉛化の熱処理を施してカーボンファイバーを得るようにしても良い。
回転装置300は、後述する製造方法により放熱する放熱部305を選択的に所望する位置へ設けている。放熱部305は、後述する磁性材料を使用して構成している。
図53に示される回転装置300は、ブラシを使用した3極のDCモータを例に説明するが、ステッピングモータ、ブラシレスDCモータ、交流モータ及び超音波モータ等に適用が可能である。また、本発明の回転装置300は、3極だけでなく5極等の極数に関係なく適用も可能である。
図53に示される回転装置300は、ケース301で覆われており、ケース301の中心には、軸芯302が配置されている。回転装置300は、回転孔306の中心に配置された軸芯302に複数の鉄心片324を積層したコア323が設けられている。複数の鉄心片324に、銅線で構成された巻線325を巻き付けている。尚、巻線325は、銅線の代わりに上述したカーボンファイバーで構成しても良い。巻線325を軽量に製造することが可能である。
回転装置300は、巻線325が巻かれたコア323の外周に、N極、S極を有する永久磁石321、322が接触しない程度に近接されている。また、3極の各極の巻線325は、3枚の各整流片328に半田付け等により接続されている。整流片328は、上述した炭化物19又はグラフェン113、114、Pとセラミック等を混練し、焼成したカーボンブラシ327が設けられている。カーボンブラシ327は、+端子303、-端子304の各々の先端に設けられている。
図54は、鉄心片324を製造する際の構成を示す概念図である。本実施例では、樹脂は5時間から24時間の時間で区か硬化する2液型のエポキシ樹脂を例に説明する。また、磁性体である磁性材料には、酸化鉄、酸化クロム、コバルト、フェライト、非酸化金属磁性体等が考えられるが、本実施例では固体の粉末状である四酸化鉄を例に説明する。磁性材料は、50%wtの割合で混入した。磁性材料が多すぎても軽量化に繋がらないので、最適なのは30%wtから60%wtが最適である。この方法により製造されたコア323は、金属で製造されたコアよりも約50%の軽量化が達成された。
軽量化するために樹脂を使用して製造する鉄心片324は、先ず鉄心片324の形に型331を成形した後、型331に磁性体を混入した樹脂を流し込み製造する。磁性体と樹脂では、比重が違うため重力により下に磁性体が偏ってしまう。
そのため、型331の上下に、セパレータ334を挟んでN極の永久磁石332及びS極の永久磁石333を配置する。これにより、樹脂が硬化する際の磁性体の偏りを防ぎ、磁性体のN極、S極への配向させたい方向へ制御することが可能である。鉄心片324は、磁性体を整列させることにより巻線325に流れる電磁誘導における磁力の向上が図られる。
また、後述する磁性体の配向においては後述する放熱部の製造においても応用される。セパレータ334は、磁性体が直接永久磁石332、333に張り付くのを防止している。セパレータ334は、紙やシリコンを塗布したシート状のもので良い。
また、永久磁石333、332の代わりに、電磁誘導により磁性体の配向を制御して硬化させる方法も考えられる。
また、2液型のエポキシ樹脂、磁性体及び炭化物19又はグラフェン113、114、Pを混入させているが、特に、炭化物19又はグラフェン113、114、Pは、ベット式で表す比表面積が700m/gから1800m/gで示され、300m/g以上の炭化物19又はグラフェン113、114、Pを使用すると良い。炭化物19又はグラフェン113、114、Pは多孔質であり、比表面積が大きいことから、磁性材料を取り込みやすくしている。
特に、炭化物19又はグラフェン113、114、Pは、ナノレベルの孔が多く存在するために、ナノレベルの磁性材料であっても吸着しやすく、樹脂に分散させる効果があるため、磁性材料を樹脂に均一に更に配向することが可能である。
次に、図55は、回転装置300のケース301の断面を現した概要図である。ケース301は、回転孔306の中心に対称に形成し、表面を上述したカーボンファイバーのクロス310により覆い、中間部材312に樹脂が充填されている。引っ張り硬度等を向上させている。
また、ケース301は、カーボンファイバーのクロス310により放熱効果も向上させている。ケース301は、上述した2液型のエポキシ樹脂、磁性体及び炭化物19又はグラフェン113、114、Pを混入させた熱硬化性樹脂を中間に使用してカーボンファイバーのクロス310により強化したカーボンファイバー強化樹脂である。カーボンファイバーはクロスに限らず、チョップした材料であっても良い。
特に、ケース301は、強力な永久磁石を使用して、磁性体を放熱部305に集中させ硬化させている。型の作成及び樹脂の配合は、鉄心片324を製造する方法と同じであるが、磁性体を放熱部305に集中させることにより、回転装置300の放熱を外部に逃がすための経路が固定できる。また、放熱部305以外は、樹脂及びカーボンファイバーのクロス310により構成することが可能であるため、ケース301は、軽量化が図られる。また、中間部材312に炭化物19又はグラフェン113、114、P等が混入されているため、樹脂単体よりも放熱効果が得られる。
尚、中間部材312の代わりにクロス310を敷き詰めても良く、その際にクロス310の接着として2液型のエポキシ樹脂及び炭化物19又はグラフェン113、114、Pを混入させた熱硬化性樹脂を使用しても良く。また、磁性体を混入させて放熱部305を上述のごとく成形しても良い。
(電子デバイス、電子部品及び電気機器)
以下に、上述した製造方法等により製造された炭素材料を使用した電子デバイス、電子部品、電気機器及びその製造方法について図56から図61を参照し説明する。
先ず、図56及び図57を参照し発熱装置500について説明する。図56(A)(B)は、電気機器である発熱装置500の正面を現した図である。発熱装置500は、四角形状の面状の発熱体である。
発熱装置500は、下方両端に電力を供給する配線である直流+配線503及び直流-配線504を設けている。発熱装置500は、発熱体収納ケース501の内部に直流+配線503及び直流-配線504と半田付け等で接続した銅板やアルミ箔等の材料で構成した直流+電極507及び直流-電極508を設けている。
電力は、発熱装置500に直流12Vを供給しているが、供給する電力を限定する必要はなく、交流100、200V及び直流24V等であっても良い。
発熱装置500は、発熱体収納ケース501を設け、発熱体収納ケース501の内部は空洞になっている。発熱体収納ケース501は、その空洞内部に上述した製造方法により製造した炭化物19又はグラフェン113、114、P等を発熱材料506として収納し発熱体収納蓋502により密封している。発熱体収納ケース501は、本実施例ではカーボンファイバーを混入したPLA樹脂により形成したが、ガラス、セラミック及び耐熱プラスチック等で形成しても良い。
図57は、図56(B)の正面図に示されるA-A線の箇所を切断した断面図である。発熱装置500は、直流+電極507及び直流-電極508間に流れる電力により発熱材料505を発熱させている。本実施例では、直流の12Vの電圧を直流+電極507及び直流-電極508間に流し、2.8Aから3.9Aの電流が流れた。消費電力は、約35Wから48W前後である。
発熱装置500は、制御温度として30℃から70℃までの範囲での制御が可能である。本実施例ではグラフェン113を使用しており、グラフェン113が、長さ180mm×幅100mm×厚み3~5mmの範囲で積層されている。このときの発熱装置500の全体抵抗は15~50Ωである。
発熱装置500は、発熱体収納蓋502と発熱材料506の間に、ヒータセパレータ505を形成している。ヒータセパレータ505は、発熱体収納蓋502と発熱体収納ケース501を接着する際に、発熱材料506への接着剤の侵入を防いでいる。接着剤が、発熱材料506へ混入すると抵抗値が上昇してしまい、所望する抵抗値が実現できないためである。
また、発熱装置500は、5%から15%程度の水分を含み密封することによって温度上昇を防ぎ、100℃以下の範囲で一定の温度になるように調整も可能である。そのためヒータセパレータ505は、水分を吸収し、保湿する効果がある材料が良い。例えば、ヒータセパレータ505は、和紙や半紙等の紙や耐熱スポンジ等であっても良い。
発熱装置500は、炭化物19又はグラフェン113、114、Pにおいて、各炭素材楼の個体体積抵抗が異なるため、これらを混入させることにより抵抗値を変化させて所望する抵抗値の作成が可能である。
また、炭化物19又はグラフェン113、114は、炭素材料だけでなく比較的多くのケイ素成分(Si)若しくは二酸化ケイ素(SiO2)が混入されているため、発熱装置500は、一定の範囲の温度で保持しやすく、温度の上昇及び低下も緩やかである。
また、炭化物19又はグラフェン113、114は、上述のように比表面積が大きいことから水を保湿しやすい。そのため、発熱装置500は、一定の温度に安定した発熱体となる。
次に、発熱装置500の製造方法について説明する。発熱装置500は、粉末状の発熱材料506を水に分散させた状態で、発熱体収納ケース501に収め、炭化物19又はグラフェン113、114、Pを上から圧力を掛けながら凝集させ、水分を蒸発させて炭化物19又はグラフェン113、114、Pを固める。そして、5%から15%程度の水分を含んだ状態で、ヒータセパレータ505及び発熱体収納蓋502を発熱材料506の上に配置し、接着剤等により密封する。
尚、必ずしもヒータセパレータ505は必要ないが、水分を多少含んだ状態を維持し、発熱材料506を発熱体収納ケース501に固めることが可能であれば、特に限定する必要はない。
尚、発熱材料506をセラミックと炭化物19又はグラフェン113、114、Pとを50:50の割合で混錬し、無酸素状態で焼成した固体状の発熱材料506であっても良い。 以上の構成により、発熱装置500は、軽量、消費電力が少く、温度の安定した発熱体の提供が可能である。
次に、図58及び図59を参照し電子部品であるLED基板600について説明する。
図58は、LED基板600の正面図である。LED基板600は、1つの光源Lを直流電圧3.2Vで駆動し、消費電力が1W程度のLEDが搭載されている。そして、LED基板600は、光源Lを3個直列に光源+端子601及び光源-端子602間において接続し、直流の12Vを印可している。光源+端子601及び光源-端子602間は、上述した製造方法により製造した炭化物19又はグラフェン113、114、Pを使用してパターン配線603、605を形成している。
本実施例では、プリント基板の代わりに、方形状の基板ケース606を樹脂により形成し、パターン配線603、605を溝状に形成し、その溝の中に炭化物19又はグラフェン113、114、Pを銅等のプリントパターンの代替えとしてパターン配線603、605を形成している。そのため、銅等に代表される金属を使用するよりも軽量にLED基板600を形成することが可能である。
図59は、図58に示すA-A線でLED基板600を切断した際の断面図である。LED基板600は、絶縁破壊の強い樹脂を使用し、上述したカーボンファイバーや炭化物19又はグラフェン113、114、P等を混入した樹脂により形成している。これにより、LED基板600は、通常の樹脂よりも放熱性能を向上させている。
パターン配線603、605は、基板ケース606の一部に溝状の溝部612を設けている。溝部612は、上述した炭化物19又はグラフェン113、114、Pを積層したカーボン積層部611を構成している。また、光源Lの光源-端子602はカーボン積層部611に埋設されている。パターン配線603、605は、上方にパターン密封部610を設けている。パターン密封部610は、樹脂や紙等を接着してカーボン積層部611を密封している。また、パターン密封部610は、そのままエポキシ樹脂等の接着剤により構成しても良い。
LED基板600は、半田も使用することはなく、また、一般的にLEDに必要な電流制限抵抗は、パターン配線603、605が役割を担っているために、上述した炭化物19又はグラフェン113、114、P等を樹脂又は上述した配線を固定する接着剤との混入にし、抵抗値を調整することにより電流制限抵抗を構成している。そのため、LED基板600は別に抵抗器を設ける必要がない。
次に、LED基板600の製造方法について説明する。LED基板600は、樹脂等の素材で四角形状に構成した基板ケース606に光源Lを収納する形状に加工するとともに、カーボン積層部611を収納する形状に溝部612を加工する。
LED基板600は、光源Lを配置した後、粉末状の炭化物19又はグラフェン113、114、Pを水に分散させた状態で、基板ケース606の溝部612に収め、上から圧力を掛けながら凝集させ、水分を蒸発させて炭化物19又はグラフェン113、114、Pを固め、カーボン積層部611を構成する。そして、5%から15%程度の水分を含んだ状態で、パターン密封部610を上に配置し、接着剤等により密封する。以上の製造方法によりLED基板600を製造する。
次に、図60及び図61を参照し圧電計測器700について説明する。
図60は、電子デバイス710を内蔵した圧電計測器700の概要を現した斜視図である。圧電計測器700は、方形状の土台703の上方に円筒状の圧電ケース701を形成し、圧電ケース701の内部に圧電デバイス710を埋設している。
圧電計測器700は、圧電ケース701の上方に、押しボタン702を設けている。圧電計測器700は、圧電ケース701の側方に圧電+電極705、圧電-電極704及びアナログ入力端子706を設けている。圧電+電極705及び圧電-電極704は、先端を銅板等により電極を形成し、圧電デバイス710に接触している。アナログ入力端子706は、同じく先端を銅板等による入力端子を形成し圧電デバイス710に接触している。
図61は、電子デバイス710を内蔵した圧電計測器700の構成を示すブロック図である。圧電+電極705及び圧電-電極704は、例えば両端に5Vの直流電圧が印加されている。また、アナログ入力端子706は、5Vの電圧をアナログ入力により入力し、測定した値をモニター720上に表示を行っている。
上述した圧電ケース701内に、収められた電子デバイス710を押しボタン702を押下することにより圧力が掛かり、導電性の弾性のある電子デバイス710は、これら端子(704,705,706)との接触の度合いが密になったり粗になったりと変化することにより抵抗値が変わる。この抵抗値の変化を読み取ることにより圧力の変化を読み取る電子デバイス710である。
次に、電子デバイス710の製造方法について説明する。電子デバイス710は、ゲル状の弾性がある状態で構成するのが良いため、本実施例では、ポリビニルアルコールに、ホウ砂又はホウ酸10%wtの水溶液を作成する。
ポリビニルアルコールに水溶液を混ぜながら弾性のあるゲル状を構成した。このゲル状を構成した後、上述した製造方法等により製造した炭化物19又はグラフェン113、114、Pを10%wtから20%wtの割合で混入し、練り合わせる。
この方法により製造された、電子デバイス710の抵抗値は、グラフェン113を混入した場合50KΩから200kΩの表面抵抗であった。この抵抗値は、炭化物19又はグラフェン113、114、Pの各々の固体体積抵抗値が異なるので所望する抵抗値になるようにブレンドして調整することも可能である。また、ポリビニルアルコールの添加する量を調整することによっても電子デバイス710の抵抗値の調整は可能である。
尚、この電子デバイス710は、ゲル状に近い状態であるため、チューブに封入し、電極を設けることにより、チューブの屈曲により曲げ圧力等を感知する圧力センサーに応用が可能である。ロボットアーム等の屈曲時の圧力センサーとしての応用が可能である。
(本実施例の技術的特徴及び効果)
上記実施形態から考えられる他の技術的特徴を効果と共に以下に記載する。
<特徴点1>
供給した電力により回転する回転装置(例えば、主に回転装置300)の部品であって、前記回転装置の筐体を形成する回転ケース(例えば、主にケース301)を設け、
前記回転ケースを、樹脂(例えば、主に二液硬化型エポキシ樹脂)、比表面積が300m/g以上の炭素材料(例えば、主に炭化物19又はグラフェン113、114、P)及び磁性体材料(例えば、主に四酸化鉄)を混ぜた材料により形成し、
前記回転ケースの一部に、放熱用の前記磁性体材料が集中する箇所(例えば、主に放熱部305)を設けたことを特徴とする。
以上の特徴によって、回転装置の回転ケースに放熱用の箇所が特定されるために、放熱用の対策をしやすくなる。また、比表面積が大きな炭素材料を使用することにより金属と樹脂との吸着効果が上昇し、樹脂に磁性体材料を取り込みやすくし、磁性体材料の分散効果が向上する。また、本発明の構成により分散効果が上昇するために磁性体の磁性能力が向上する。更に、本発明は炭素材料を使用しているので放熱効果が向上する。
<特徴点2>
更に、カーボンファイバーを織った布(例えば、主にクロス310)を含んでいることを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は強度を向上させた上に軽量化が図られる。
<特徴点3>
供給した電力により回転する回転装置(例えば、主に回転装置300)の部品であって、
前記回転装置は、電力が供給される巻線により発生する磁力を伝えるコア(例えば、主にコア323)を設け、
樹脂(例えば、主に二液硬化型エポキシ樹脂)、比表面積が300m/g以上の炭素材料(例えば、主に炭化物19又はグラフェン113、114)及び磁性体材料(例えば、主に四酸化鉄)を混ぜて形成した前記コアを設けことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、比表面積が大きな炭素材料を使用することにより金属と樹脂との吸着効果が上昇し、樹脂に磁性体材料を取り込みやすくし、磁性体材料の分散効果が向上する。そのために、磁性体の能力を発揮しつつ軽量化したコアが製造される。
<特徴点4>
前記炭素材料は、14wt%以上のケイ素成分を含んでいることを特徴とする。
以上の特徴によって本発明は、放熱効果を向上させている。
<特徴点5>
供給した電力により回転する回転装置(例えば、主に回転装置300)の部品の製造方法であって、
樹脂(例えば、主に二液硬化型エポキシ樹脂)と比表面積が300m/g以上の炭素材料(例えば、主に炭化物19又はグラフェン113、114)と磁性体材料(例えば、主に四酸化鉄)を混入し、型に混入した材料を流し込み硬化させて形成する硬化工程を備え、
前記硬化工程は、前記炭素材料を硬化する前記樹脂に1%wtから30%wtの割合で混入し、
更に、前記樹脂に前記磁性体材料を30%wtから50%wtの割合で混入して硬化させたことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、比表面積が大きな炭素材料を使用することにより金属と樹脂との吸着効果が上昇し、樹脂に磁性体材料を取り込みやすくし、磁性体材料の分散効果が向上する。また、本発明の構成により分散効果が上昇するために磁性体の磁性能力が向上する。更に、本発明は炭素材料を使用しているので放熱効果が向上する。
<特徴点6>
前記硬化工程は、硬化する型の近傍に磁力を供給し、その磁力により磁性材料を配向しながら硬化させる(例えば、主に図54、永久磁石321、322、332、333)ことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、永久磁石によって磁性体が配向するために磁性体の磁性能力が向上する。
上記実施形態から考えられる他の技術的特徴は、炭素素材(炭化物19)を製造する製造方法であって、収納部により加熱する際の面積を示す加熱表面積(S)を炭素源(9)を加熱する際の体積を表した体積を示す加熱体積(V)で割った値を加熱面積(H)とし、前記炭化源を加熱する時間(h)と前記炭化源を加熱する温度の関係を面積で現した値を熱量面積(ht)とし、前記加熱面積(H)と前記熱量面積(ht)の積を加熱係数(K)として表し、前記加熱係数(K)の値が130から280の値を示す範囲で、前記炭素源を加熱して前記、炭素素材を生成することを特徴とする炭素材料の製造方法。
上記の方法によれば、短時間で収率も良く炭素素材を製造することが可能であるとともにグラフェンを製造する際の前筺体として比表面積が大きく、金属残留物の少ないグラフェンが製造することが可能である。特に、高周波誘導加熱によるプラズマ装置や炭化装置等の装置では、加熱係数(K)の値が130から280の値を示す範囲であれば短時間に多くの量の炭素素材を製造することが可能である。
本発明の回転装置の産業上の利用に関して、ドローン、車両、船舶、産業機器等のあらゆる回転装置に応用が可能である。
1…チャンバー、2…カソード、3…アノード、4、32…高周波電源、5…るつぼ、
6、217…不活性ガス、7…導入管、8…導出管、9…炭素源、
10、100、100A…プラズマ装置、14、22、224…制御弁、
15、23…リーク弁、19…炭化物、20…コントロール装置、
21…ガス量コントロール装置、30…真空ポンプ、31、240…高周波コイル、
40…賦活装置、41…加熱炉、42、81…炉、
50…大型るつぼ、
51、61…蓋、52、62…壺、53…活性炭、
60…小型るつぼ、
70…酸化抑制物質、71…低温領域、72…中温領域、73…高温領域、
80…燃焼炉、83…釜、96…孔、97…細孔、98…ケイ素、
113、114、P…グラフェン、
200、200A…高周波誘導加熱装置、
200B…マイクロ波誘導加熱装置、202…土台、203…石英管、204…土台溝、
205…収納箱、206…載置台、207…下端片部、208…上端片部、
209…収納スペース、210…制御装置、211…温度制御装置、
212…高周波電源、213…冷却装置、214…駆動装置1、215…電源制御装置、
216… 駆動装置2、218…燃焼用ガス、219…真空圧力計、221…フィルタ、
223…ドライポンプ、231…左フランジ、232…右フランジ、235…熱電対、
236…レール、241…遮蔽板、242…コイル支持具、243…コイル、
250…電気炉、
300…回転装置、301…ケース、302…軸芯、303…+端子、
304…-端子、305…放熱部、306…回転孔、310…クロス、312…中間部材、
321、322、332、333…永久磁石、323…コア、324…鉄心片、
325…巻線、327…カーボンブラシ、328…整流片、331…型、
334…セパレータ、
500…発熱装置、501…収納ケース、502…発熱体収納蓋、
503…直流+配線503、504…直流-配線、505…セパレータ、発熱材料…506、
507…直流+電極、508…直流-電極、
600…LED基板、601…光源+端子、
602…光源-端子、603、605…パターン配線、606…基板ケース、
610…パターン密封部、611…カーボン積層部、612…溝部、
700…圧電計測器、
701…圧電ケース、702…押しボタン、703…土台、705…圧電+電極、
704…圧電-電極、706…アナログ入力端子、710…電子デバイス、L…光源、
S1…前処理工程S2、S4、S6…炭化工程、S5…HF処理、S3…賦活工程。

Claims (4)

  1. 供給した電力により回転する回転装置の部品であって、
    前記回転装置は、電力が供給される巻線により発生する磁力を伝えるコアを設け、
    樹脂、比表面積が300m/g以上の炭素材料及び磁性体材料とを混ぜて形成した前記コアを設けることを特徴とする回転装置の部品。
  2. 供給した電力により回転する回転装置の部品の製造方法であって、
    樹脂、比表面積が300m/g以上の炭素材料及び磁性体材料を混入し、型に混入した材料を流し込み硬化形成する硬化工程を備え、
    前記硬化工程は、前記炭素材料を硬化する前記樹脂に1%wtから30%wtの割合で混入し、
    更に、前記樹脂に前記磁性体材料を30%wtから50%wtの割合で混入し硬化することを特徴とする回転装置の部品の製造方法。
  3. 前記炭素材料は、14wt%以上のケイ素成分を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の回転装置の部品の製造方法。
  4. 前記硬化工程は、硬化する型の近傍に磁力を供給し、その磁力により前記磁性体材料を配向しながら硬化することを特徴とする請求項2に記載の回転装置の部品の製造方法。
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