JP2021038075A - 画像形成装置、および画像形成装置を制御する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺シートに対して円滑にスイッチバックを実行する。【解決手段】長尺シートLSに画像を形成する画像形成部120と、画像形成部120に長尺シートを搬送する搬送経路53と、長尺シートの搬送を制御する制御部と、を備え、制御部は、長尺シートLSの搬送方向における後端LS2がスイッチバックポイントSBPに位置する場合に、長尺シートに対してスイッチバックを実行することが可能であり、スイッチバックが実行される前の長尺シートLSの後端がスイッチバックポイントSBPに位置しかつ長尺シートの先端LS1が画像の形成に影響しない領域に位置するように、長尺シートにループLSRを形成するように長尺シートの搬送を制御する。【選択図】図7
Description
本開示は、画像形成装置、および画像形成装置を制御する方法に関する。
特許文献1には、長尺シートに対してトナー画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置が提案されている。この画像形成装置は、長尺シートの両面にトナー画像を形成するために、長尺シートの表裏を反転させる制御(いわゆるスイッチバック)を実行するための反転経路を備える。この画像形成装置は、長尺シートに対してスイッチバックを実行する場合には、長尺シートの搬送方向における後端(以下、「長尺シートの後端」という。)がスイッチバックポイントに位置するように長尺シートを搬送する。この画像形成装置は、長尺シートの後端がスイッチバックポイントに位置したときにこの後端が先端となるように、反転経路にこの長尺シートを搬送させることにより、スイッチバックを実行する。また、この画像形成装置は、互いに回転する一対の転写ローラーを備える。この画像形成装置は、一対の転写ローラーで長尺シートを挟み、一対の転写ローラーで長尺シートを圧接し、かつ一対の転写ローラーを回転させることにより、長尺シートにトナー画像を転写する。
特許文献1に記載の画像形成装置においては、スイッチバックする前の長尺シートの後端をスイッチバックポイントに位置させる場合において、長尺シートの搬送方向の長さによっては、一対の転写ローラーに長尺シートの先端が進入してしまう場合がある。このような一対の転写ローラーは、シートの搬送方向に動いている、もしくは当該搬送方向にしか動かないようになっている。このような転写ローラーに長尺シートの先端が進入している状態で、この画像形成装置が、長尺シートに対してスイッチバックを実行すると、長尺シートをスイッチバックする方向と、一対の転写ローラーの回転方向とが逆の方向になってしまうため、シートが引っ張られてしまう。また、長尺シートは一対の転写ローラーにより圧接されていることから、一対の転写ローラーは長尺シートを挟んだまま、搬送動作を続けると、長尺シートの損傷等が生じてしまう。さらに、長尺シートに対して円滑にスイッチバックを実行できないという問題が生じ得る。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、長尺シートに対して円滑にスイッチバックを実行する技術を提供することである。
本開示のある局面に従うと、長尺シートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部に長尺シートを搬送する搬送経路と、長尺シートの搬送を制御する制御部と、を備え、制御部は、長尺シートの搬送方向における一端がスイッチバック領域に位置する場合に、長尺シートに対してスイッチバックを実行することが可能であり、スイッチバックが実行される前の長尺シートの一端がスイッチバック領域に位置しかつ長尺シートの他端が画像の形成に影響しない領域に位置するように、長尺シートにループを形成するように長尺シートの搬送を制御する、画像形成装置が提供される。
ある局面において、画像形成部の上流側に配置されるローラーをさらに備え、ローラーは、第1状態と第2状態とに変化可能であり、制御部は、ローラーを第1状態に変化させて、長尺シートを画像形成部に搬送し、ローラーを第2状態に変化させて、長尺シートにループを形成する。
ある局面において、ローラーは、長尺シートを挟持可能な一対のローラーで構成されており、第1状態は、一対のローラーが離間している状態であり、第2状態は、一対のローラーが圧接している状態であり、制御部は、長尺シートの他端を、圧接している一対のローラーに当接させることにより長尺シートにループを形成する。
ある局面において、ローラーは、長尺シートを挟持可能な一対のローラーで構成されており、第1状態は、ローラーが回転している状態であり、第2状態は、ローラーが停止している状態であり、制御部は、ローラーが停止している状態に変化させて長尺シートの搬送を阻害させることにより長尺シートにループを形成する。
ある局面において、ローラーは、画像形成部とは反対側に長尺シートを搬送させる方向に回転する第3状態に変化可能であり、制御部は、ローラーを第2状態に変化させて長尺シートにループを形成した後に、ローラーを第3状態に変化させて長尺シートに対してスイッチバックを実行する。
ある局面において、画像形成装置は、複数のローラーを備え、制御部は、複数のローラーのうち、長尺シートの搬送方向の長さに応じた数のローラーを第2状態に変化させて長尺シートに2以上のループを形成する。
ある局面において、制御部は、長尺シートの搬送方向の長さが、スイッチバック領域から画像形成部までの距離以上である場合に、長尺シートにループを形成するように長尺シートの搬送を制御し、長尺シートの搬送方向の長さが、スイッチバック領域から画像形成部までの距離未満である場合に、長尺シートにループを形成しないように長尺シートの搬送を制御する。
ある局面において、画像形成部は、長尺シートに画像を転写し、かつ圧接および離間しない一対の転写ローラーで構成される転写部と、転写部により転写された画像を定着させ、かつ転写部の下流側に配置される定着部とを含み、画像の形成に影響しない領域は、転写部の上流側の領域である。
ある局面において、制御部は、長尺シートの先端を画像の形成に影響しない領域に到達するまで長尺シートを搬送する。
ある局面において、制御部は、ループが形成されることによる長尺シートの短縮量を、長尺シートの属性に基づいて導出する導出部と、長尺シートの搬送方向の長さから短縮量を減算した減算値が、スイッチバック領域から転写部までの距離以上である場合に、エラーを報知するエラー報知部とを含む。
ある局面において、画像形成部は、長尺シートに画像を転写し、かつ圧接および離間可能な一対の転写ローラーで構成される転写部と、転写部により転写された画像を定着させ、かつ転写部の下流側に配置される定着部とを含み、画像の形成に影響しない領域は、転写部の下流側でありかつ定着部の上流側の領域である。
ある局面において、制御部は、ループが形成されることによる長尺シートの短縮量を、長尺シートの属性に基づいて導出する導出部を含み、長尺シートの搬送方向の長さから短縮量を減算した減算値が、スイッチバック領域から転写部までの距離以上である場合に、一対の転写ローラーを離間させた後に、長尺シートの先端を画像の形成に影響しない領域に到達するまで長尺シートを搬送する。
ある局面において、制御部は、減算値が、スイッチバック領域から定着部までの距離以上である場合に、エラーを報知するエラー報知部を含む。
ある局面において、長尺シートの属性は、長尺シートの搬送方向の長さと、長尺シートの坪量との少なくとも1つを含む。
ある局面において、制御部は、長尺シートの搬送方向の長さと、長尺シートの坪量とに基づいて、ループの量のレベルを示すループレベルを導出する導出部を備え、導出部は、長さが第1所定値未満でありかつ坪量が第2所定値以上である場合には、第1ループレベルを導出し、長さが第1所定値未満でありかつ坪量が第2所定値未満である場合には、第2ループレベルを導出し、長さが第1所定値以上でありかつ坪量が第2所定値以上である場合には、第2ループレベルを導出し、長さが第1所定値以上でありかつ坪量が第2所定値未満である場合には、第3ループレベルを導出し、制御部は、導出部により第1ループレベルが導出された場合には、画像形成部に長尺シートの両面に画像を形成し、導出部により第2ループレベルが導出された場合には、長尺シートの両面に画像を形成可能であるが画像の品質は保証されない旨を報知し、導出部により第3ループレベルが導出された場合には、エラーを報知する。
ある局面において、搬送経路は、スイッチバック前の長尺シートの裏面に画像を形成するために、長尺シートを収容する第1スイッチバック経路を含み、
第1スイッチバック経路は、スイッチバック領域から画像形成部までの経路である。
第1スイッチバック経路は、スイッチバック領域から画像形成部までの経路である。
ある局面において、搬送経路は、第1スイッチバック経路に収容されている長尺シートの裏面に対して画像を形成するために、画像形成部に該長尺シートを搬送する第2スイッチバック経路を含み、
スイッチバック領域は、第1スイッチバック経路と第2スイッチバック経路とが合流している箇所の領域である。
スイッチバック領域は、第1スイッチバック経路と第2スイッチバック経路とが合流している箇所の領域である。
ある局面において、第1スイッチバック経路は、画像形成部の上流側の搬送経路と合流する。
本開示の別の局面に従うと、長尺シートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部に長尺シートを搬送する搬送経路とを備える画像形成装置を制御する方法であって、スイッチバックが実行される前の長尺シートの一端がスイッチバック領域に位置しかつ長尺シートの他端が画像の形成に影響しない領域に位置するように、長尺シートにループを形成するように長尺シートの搬送を制御するステップを備える、画像形成装置を制御する方法が提供される。
本開示によれば、長尺シートに対して円滑にスイッチバックを実行できる。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
本発明に基づいた実施の形態における画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成の少なくとも一部を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
[第1実施形態]
[画像形成装置1の全体構成]
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。本実施形態では、画像形成装置1が画像を形成する対象は、長尺シートLSである。以下では、長尺シートを長尺シートLSとする。また、長尺シートの素材は、画像形成装置1が画像を形成できるものであれば、如何なる素材であってもよい。長尺シートLSは、例えば、紙などである。
[画像形成装置1の全体構成]
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。本実施形態では、画像形成装置1が画像を形成する対象は、長尺シートLSである。以下では、長尺シートを長尺シートLSとする。また、長尺シートの素材は、画像形成装置1が画像を形成できるものであれば、如何なる素材であってもよい。長尺シートLSは、例えば、紙などである。
長尺シートLSは、A4サイズ、A3サイズ等の長尺シートLSよりも搬送方向の長さが長い枚葉紙である。また、上流とは、長尺シートLSの搬送方向における「上流」をいい、下流とは、長尺シートLSの搬送方向における「下流」をいう。
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式を採用する。画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写する。画像形成装置1は、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、長尺シートLSに二次転写することにより、トナー像を形成する。
YMCKの4色に対応する感光体ドラム413は、中間転写ベルト421の移動方向に沿って配置されている。画像形成装置1は、中間転写ベルト421に各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
制御部100は、画像形成装置1に含まれる各構成部を制御する。制御部100は「制御装置」または「コントローラー」と称してもよい。画像読取部10は、ADF装置11およびスキャナー装置12等を備える。ADF装置11は、原稿トレイに載置された1以上の原稿Dを搬送機構により搬送してスキャナー装置12へ送り出す。
スキャナー装置12は、ADF装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿またはコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査する。スキャナー装置12は、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、スキャナー装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。画像処理部30は、この入力画像データに対して所定の画像処理を実行する。
操作表示部20は、例えば、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成される。操作表示部20は、表示部21および操作部22を含む。表示部21は、制御部100の制御に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等を表示する。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備える。操作部22は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、画像読取部10からの入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う。例えば、画像処理部30は、記憶部72(図2参照)内の階調補正データ(例えば、階調補正テーブルLUT)に基づいて階調補正を行う。画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を実行する。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部120が制御される。
画像形成部120は、転写ユニット41Y、41M、41C、41Kと、中間転写ユニット42と、定着器60と、を含む。転写ユニット41Y、41M、41C、41Kは、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる転写を行う。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の転写ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、Kを添えて示す。図1では、Y成分用の転写ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の転写ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
転写ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(例えば、アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えば、フタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えば、ポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなる。電荷発生層は、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100は、感光体ドラム413の駆動モーター(図示略)に駆動電流を供給することにより、該感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることによりトナー像を形成する。トナー像は、静電潜像を可視化して形成されるものである。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるクリーニング部材としてのドラムクリーニングブレード等を有する。ドラムクリーニング装置415は、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存するトナーをドラムクリーニングブレードによって除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は、無端状ベルトで構成される。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも1つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置される駆動ローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。一次転写ローラー422と感光体ドラム413とは、中間転写ベルト421を挟む。一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、一次転写ニップが形成される。一次転写ニップは、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写する。
二次転写ローラー424は、バックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。バックアップローラー423Bは、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置される。二次転写ローラー424と、バックアップローラー423Bとは中間転写ベルト421を挟む。また、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、二次転写ニップ425が形成される。二次転写ニップ425は、中間転写ベルト421から長尺シートLSへトナー像を転写する。二次転写ニップ425は、本開示の「転写部」に対応する。また、本実施形態では、二次転写ローラー424およびバックアップローラー423Bが、離間および圧接しない構成であるとする。したがって、二次転写ローラー424およびバックアップローラー423Bが、離間および圧接する機構を設ける必要がないことから、離間および圧接する機構を備える画像形成装置と比較して、製造コストを削減できる。
各色の感光体ドラム413上のトナー像は、中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、長尺シートLSが二次転写ニップ425を通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が長尺シートLSに二次転写される。典型的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、長尺シートLSの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は長尺シートLSに静電的に転写される。トナー像が転写された長尺シートLSは定着器60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を有する。ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着器60は、二次転写ニップ425の下流側に配置される。上側定着器60Aと、下側定着器60Bと、加熱源60C等を備える。上側定着器60Aは、長尺シートLSの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する。下側定着器60Bは、長尺シートLSの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する。定着面側部材と裏面側支持部材とは定着ニップ60Eを形成する。定着ニップ60Eは、本開示の「定着部」に対応する。定着ニップ60Eは、長尺シートLSを狭持して搬送する。
定着器60は、トナー像が二次転写された長尺シートLSを定着ニップ60Eで加熱、加圧することにより、長尺シートLSにトナー像を定着させる。定着器60は、定着装置F内にユニットとして配置される。また、定着装置Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材から長尺シートLSを分離させるエア分離ユニット60Dが配置されている。
長尺シートLS搬送部50は、給紙部51、排紙部52および搬送経路53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量およびサイズ等に基づいて識別された長尺シートLS(例えば、規格長尺シートおよび特殊長尺シート)が予め設定された種類ごとに収容される。なお、長尺シートとは異なるシート(例えば、A4用紙等)は、他の給紙トレイユニット(図示せず)に収容される。
搬送経路53は、複数の搬送ローラー、および長尺シートLSの両面に画像形成するための両面搬送経路等を有する。複数の搬送ローラーは、ローラー531、およびローラー532等を含む。ローラー531、およびローラー532は、一対のローラーを構成する。「一対のローラー」は、対向している2つのローラーをいう。ローラー531、およびローラー532は、二次転写ニップ425の上流に設けられる。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている長尺シートLSは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路53により画像形成部120に搬送される。ローラー531、およびローラー532等は、長尺シートLSの傾きを補正すると共に、長尺シートLDの搬送タイミングを調整する。二次転写ニップ425は、中間転写ベルト421のトナー像を長尺シートLSの一方の面(例えば、表面)に一括して転写する。定着ニップ60Eは、転写されたトナー像を定着させる。なお、本実施形態では、「画像形成処理」は、二次転写ニップ425による長尺シートLSへの転写処理と、定着ニップ60Eによるトナー像の定着処理とを含む。画像が形成された長尺シートLSは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
次に、搬送経路53を説明する。搬送経路53は、二次転写ニップ425に長尺シートLSを搬送するための経路である。換言すれば、搬送経路53は、画像形成部120に長尺シートLSを搬送するための経路である。搬送経路53は、長尺シートLSが搬送される主搬送路530を備える。主搬送路530は、搬送方向上流側から、ローラー531、ローラー532、二次転写ニップ425、および定着ニップ60Eを経由して長尺シートLSを搬送する経路である。搬送経路53は、長尺シートLSの表裏を反転させる反転搬送路533を備える。
搬送経路53は、外部給紙口2aから給紙された長尺シートLSを主搬送路530に搬送する外部給紙搬送路542と、給紙トレイユニット51a〜51cから給紙された長尺シートLSを主搬送路530に搬送する給紙搬送路604とを備える。
主搬送路530は、装置本体2の内部で給紙トレイユニット51a〜51cの上方に設けられ、装置本体2の一方の側部から他方の側部へ延在する。主搬送路530の一端が外部給紙搬送路542及び給紙搬送路604と連通する。また、主搬送路530の他端が、装置本体2の他方の側部に設けられた排紙部52の排出口と繋がる。
外部給紙搬送路542の一端が外部給紙口2aと繋がり、外部給紙搬送路542の他端が主搬送路530と繋がる。給紙搬送路604は、装置本体2内の一方の側部の近傍に設けられる。給紙搬送路604は、給紙トレイユニット51a〜51cから主搬送路530へ上下(略垂直)方向に延在する。給紙搬送路604は、装置本体2の一方の側部に設けられた開閉扉(図示せず)が開かれることで、給紙搬送路604の経路の一部が外方に露出される。給紙搬送路604の経路の一部が外方に露出されている状態で、ユーザーはジャム処理等が可能になる。給紙搬送路604は、上方の端部が主搬送路530と繋がり、下方の端部が給紙トレイユニット51a〜51cと繋がる。
反転搬送路533は、装置本体2の内部で給紙トレイユニット51a〜51cと主搬送路530との間に設けられる。反転搬送路533は、装置本体2の他方の側部から一方の側部へ延在する。反転搬送路533は、第1の還流搬送路533aと、第2の還流搬送路533bとを含む。第1の還流搬送路533aは、主搬送路530で搬送される長尺シートLSの搬送方向において、定着器60より下流側で主搬送路530から下方へ分岐する。第2の還流搬送路533bは、二次転写ニップ425より上流側で主搬送路530と合流する。第2の還流搬送路533bは、本開示の「第2スイッチバック経路」に対応する。
第1の還流搬送路533aの一端と、第2の還流搬送路533bの一端とは繋がる。この繋がっている箇所が、スイッチバックポイントSBPとなる。換言すれば、スイッチバックポイントSBPは、第1の還流搬送路533aと、第2の還流搬送路533bとが合流している箇所である。本実施形態の画像形成装置1は、収容経路540(図7参照)を有する。収容経路540は、本開示の「第1スイッチバック経路」に対応する。また、以下では、画像の形成に影響しない領域を「非影響位置XP(図10参照)」という。収容経路540は、スイッチバックポイントSBPから、搬送ローラー53b、搬送ローラー53c、ローラー53a、ローラー531およびローラー532、非影響位置XPを経て、二次転写ニップ425までの経路をいう。また、収容経路540は、スイッチバック前の長尺シートLSの裏面に画像を形成するために、長尺シートLSを収容する経路である。非影響位置は、「位置」という局所的な概念を有するが、例えば、非影響位置は、「位置」という局所的な概念よりも広い概念を持つ「非影響領域」と表現してもよい。収容経路540は、スイッチバックを行う前の長尺シートを収容するための経路である。収容経路540に長尺シートLSが収容されている状態は、例えば、図7に示す状態である。
画像形成装置1は、収容経路540に収容されている長尺シートLSの一端(例えば、後端LS2)がスイッチバック領域(例えば、スイッチバックポイントSBP)に位置する場合に、長尺シートLSに対してスイッチバックを実行することが可能である。
以下、反転搬送路533において、第1の還流搬送路533aから長尺シートLSが搬送される矢印aで示す搬送方向を正方向と称し、第2の還流搬送路533bへ長尺シートLSが搬送される矢印bで示す搬送方向を負方向と称する。なお、本実施形態では、スイッチバックポイントSBPは、「ポイント」という局所的な概念を有するが、例えば、スイッチバックポイントSBPは、「ポイント」という局所的な概念よりも広い概念を持つ「スイッチバック領域」と表現してもよい。つまり、スイッチバック領域は、第1の還流搬送路533aと、第2の還流搬送路533bとが合流している箇所の領域である。
反転搬送路533は、スイッチバックポイントSBPに対して、正方向の搬送方向における下流側に、スイッチバックローラーとしての搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53cを備える。搬送ローラー53bおよび53cは、図示しないモーターの駆動力が伝達され、正方向および負方向の両方向に長尺シートLSを搬送させることができる。具体的には、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53cは、制御部100の制御の下、同期して回転し、互いに搬送方向および周速度(長尺シートLS搬送速度)が同じになるように回転駆動される。
次に、給紙トレイユニット51a〜51cから給紙された長尺シートLSに両面印刷を行う場合を説明する。以下では、長尺シートLSに両面印刷される場合において、先に画像が形成される面を「第1面(または表面ともいう。)」といい、第1面への画像形成後に画像が形成される面を「第2面(または裏面ともいう。)」という。
制御部100は、長尺シートLSを主搬送路530内において、二次転写ニップ425への方向に搬送させる。二次転写ニップ425は、長尺シートの第1面に画像を転写し、定着ニップ60Eは、該転写された画像を定着させる。長尺シートLSは、主搬送路530から第1の還流搬送路533aを経由して反転搬送路533に搬送されるように、制御部100によって搬送される。制御部100は、長尺シートLSの搬送方向における後端がスイッチバックポイントSBPに位置した場合に、スイッチバックを実行する。スイッチバックは、搬送ローラー53b等の回転方向を切り替えて搬送方向を反転させる制御である。換言すれば、スイッチバックは、長尺シートLSの第1面に画像を形成した後に、長尺シートLSの表裏を反転させて、二次転写ニップ425の上流に搬送させる制御である。典型的には、スイッチバックは、長尺シートLSの両面のうちの画像が形成された第1面を裏側にし、画像が形成されていない第2面を表側にして、二次転写ニップ425の上流に搬送させる制御である。制御部100は、長尺シートLSを反転搬送路533から第2の還流搬送路533bを経由して主搬送路530に搬送するように搬送し、長尺シートLSを二次転写ニップ425の上流に搬送させる。スイッチバックは、反転搬送路533に長尺シートLSを搬送させることにより、実現される。
長尺シートLSは、第2の還流搬送路533b内で搬送され長尺シートLSの表裏が反転されることから、第1面が下側になり、第2面が上側となる。長尺シートLSは、長尺シートLSの第2面が上側に向いた状態で、二次転写ニップ425の上流側に搬送される。二次転写ニップ425は、画像が形成されていない第2面に対して画像を転写する。その後、定着ニップ60Eは、該転写された画像を定着させる。
[画像形成装置1のハードウェア構成]
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を用いて、画像形成装置1のハードウェア構成を説明する。図2に示すように、画像形成装置1は、主に、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、定着器60、中間転写ユニット42、ローラー600、定着器60、ループセンサー75、および制御部100等を備える。
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を用いて、画像形成装置1のハードウェア構成を説明する。図2に示すように、画像形成装置1は、主に、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、定着器60、中間転写ユニット42、ローラー600、定着器60、ループセンサー75、および制御部100等を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各構成部を制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて長尺シートLSにトナー像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
また、図2では、定着器60と、中間転写ユニット42とをまとめて、「画像形成部120」と示している。また、定着器60のうちの定着ニップ60Eと、中間転写ユニット42のうちの二次転写ニップ425とをまとめて、「画像形成部120」としてもよい。
ローラー600は、図1で示したローラー531、ローラー532等の全てのローラーを含む。ループセンサー75については後述する。制御部100は、ローラー600を駆動することにより、搬送経路53での用紙の搬送を制御する。なお、特に図示しないが、長尺シートの搬送経路の所定の位置に、該長尺シートを検出するセンサーが設けられている。制御部100は、このセンサーからの検出信号に基づいて、長尺シートの位置を特定できる。
[比較例について]
次に、比較例の画像形成装置でのスイッチバックを説明する。図3は、比較例の画像形成装置でのスイッチバックを説明するための図である。図3は、比較例の画像形成装置が、長尺シートLSの両面印刷中の処理を示した図である。図3は、長尺シートLSの第1面に画像が形成された後において、長尺シートLSの後端X2がスイッチバックポイントSBPに位置している場合を示す。なお、図3では、説明に用いる構成部に参照符号を付加する。この構成部とは、
比較例の画像形成装置においては、転写ニップ700Cは、転写ローラー700A、および転写ローラー700Bの互いの圧接により形成される。転写ローラー700A、および転写ローラー700Bは、図3の矢印に示すように、正方向に回転する。比較例の画像形成装置が、スイッチバックする前の長尺シートLSの後端X2をスイッチバックポイントSBPに位置させる場合において、長尺シートLSの搬送方向(例えば、a方向)の長さが長い場合には、互いに回転している一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bに長尺シートLSの先端X1が進入してしまう。互いに回転している一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bに長尺シートの先端が進入している状態で、この画像形成装置が、長尺シートLSに対してスイッチバックを実行すると、一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bの回転方向に反する方向(つまり、方向b)に該長尺シートLSが搬送される。一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bの回転方向に反する方向に長尺シートLSが搬送された場合には、長尺シートLSは一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bにより圧接されていることから、中間転写ベルト900と長尺シートLSとの摩擦等により、長尺シートLSの損傷および中間転写ベルト900の損傷のうち少なくとも一方が生じ得る。したがって、比較例の画像形成装置では、長尺シートに対して円滑にスイッチバックを実行できないという問題が生じ得る。
次に、比較例の画像形成装置でのスイッチバックを説明する。図3は、比較例の画像形成装置でのスイッチバックを説明するための図である。図3は、比較例の画像形成装置が、長尺シートLSの両面印刷中の処理を示した図である。図3は、長尺シートLSの第1面に画像が形成された後において、長尺シートLSの後端X2がスイッチバックポイントSBPに位置している場合を示す。なお、図3では、説明に用いる構成部に参照符号を付加する。この構成部とは、
比較例の画像形成装置においては、転写ニップ700Cは、転写ローラー700A、および転写ローラー700Bの互いの圧接により形成される。転写ローラー700A、および転写ローラー700Bは、図3の矢印に示すように、正方向に回転する。比較例の画像形成装置が、スイッチバックする前の長尺シートLSの後端X2をスイッチバックポイントSBPに位置させる場合において、長尺シートLSの搬送方向(例えば、a方向)の長さが長い場合には、互いに回転している一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bに長尺シートLSの先端X1が進入してしまう。互いに回転している一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bに長尺シートの先端が進入している状態で、この画像形成装置が、長尺シートLSに対してスイッチバックを実行すると、一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bの回転方向に反する方向(つまり、方向b)に該長尺シートLSが搬送される。一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bの回転方向に反する方向に長尺シートLSが搬送された場合には、長尺シートLSは一対の転写ローラー700Aおよび転写ローラー700Bにより圧接されていることから、中間転写ベルト900と長尺シートLSとの摩擦等により、長尺シートLSの損傷および中間転写ベルト900の損傷のうち少なくとも一方が生じ得る。したがって、比較例の画像形成装置では、長尺シートに対して円滑にスイッチバックを実行できないという問題が生じ得る。
そこで、本実施形態の画像形成装置は、長尺シートLSの損傷および中間転写ベルト900の損傷を生じさせずに、長尺シートに対して円滑にスイッチバックを実行する。
[本実施形態の画像形成装置の用紙の搬送について]
図4〜図11は、本実施形態の画像形成装置1の長尺シートLSの搬送の一例を示す図である。また、図4〜図11において、長尺シートLSの搬送方向(例えば、長尺シートLSの長手方向)における先端を先端LS1とし、後端を後端LS2とする。「後端LS2」は、本開示の「一端」に対応し、「先端LS1」は、本開示の「他端」に対応する。
図4〜図11は、本実施形態の画像形成装置1の長尺シートLSの搬送の一例を示す図である。また、図4〜図11において、長尺シートLSの搬送方向(例えば、長尺シートLSの長手方向)における先端を先端LS1とし、後端を後端LS2とする。「後端LS2」は、本開示の「一端」に対応し、「先端LS1」は、本開示の「他端」に対応する。
図4は、二次転写ニップ425が長尺シートLSの第1面に画像を転写し、かつ定着ニップ60Eが長尺シートLSの第1面の画像を定着している場合を示す図である。
ローラー531およびローラー532は、画像形成部120(二次転写ニップ425および定着ニップ60E)の上流側に配置されている。ローラー531およびローラー532は一対のローラーで構成されている。ローラー531およびローラー532は長尺シートLSを挟持可能である。制御部100は、「ローラー531およびローラー532」を第1状態と第2状態とに制御できる。本実施形態では、第1状態は、ローラー531およびローラー532が離間している状態である。また、第2状態は、ローラー531およびローラー532が圧接している状態である。
ローラー531およびローラー532が圧接している状態とは、ローラー531およびローラー532のうち少なくとも一方のローラーが、他方のローラーに対して圧接している状態である。つまり、ローラー531およびローラー532が圧接している状態とは、ローラー531およびローラー532のうち一方のローラーが、他方のローラーに対して圧接している状態としてもよい。また、ローラー531およびローラー532が圧接している状態とは、ローラー531およびローラー532が互いに圧接し合っている状態としてもよい。
図5は、ローラー531と、ローラー532とが離間している状態(つまり、第1状態)を示す図である。図5に示すように、制御部100は、長尺シートLSの第1面に画像を形成するために長尺シートLSを二次転写ニップ425に搬送する場合には、ローラー531と、ローラー532とを離間させ、かつローラー531およびローラー532を正方向に回転させる。正方向の回転とは、図5に示す矢印の回転である。ローラー531と、ローラー532とが離間した場合には、空隙Sが生じる。ローラー531およびローラー532を回転させると、長尺シートLSは、空隙Sを通過して、二次転写ニップ425まで搬送される。このように、制御部100は、長尺シートLSを円滑に二次転写ニップ425に搬送できる。また、図5のループセンサー75については後述する。
図6は、長尺シートLSの第1面に対する画像の転写、および画像の定着が終了したときを示す図である。図7は、制御部100が、図6の状態の長尺シートLSを矢印aに沿ってさらに搬送させることにより、後端LS2がスイッチバックポイントSBPに位置した場合を説明する。
ここで、制御部100は、スイッチバックが実行される前の長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに位置しかつ長尺シートLSの先端LS1が画像の形成に影響しない領域に位置するときに、長尺シートLSに1以上のループLSRを形成するように長尺シートLSの搬送を制御する。ここでループLSRは、典型的には、長尺シートLSの「たわみ」をいう。また、ループLSRは、長尺シートLSの先端LS1の近傍に形成される。
図8は、ループLSRが形成された長尺シートLSと、ループLSRが形成されていない長尺シートLSとを示した図である。図8(A)は、ループLSRが形成された長尺シートLSを示す図である。図8(B)は、ループLSRが形成されていない長尺シートLSを示す図である。図8(A)および図8(B)に示すように、ループLSRが形成されている長尺シートの直線距離を「直線距離L1」とし、ループLSRが形成されていない長尺シートの直線距離を「直線距離L2」とする。この場合には、ループLSRが形成されている分だけ、長尺シートLSの直線距離は短くなる。したがって、L1<L2となる。
このように、制御部100によりループLSRが形成されたときには、ループLSRが形成されていないときと比較して、長尺シートLSの直線距離を短くできる。形成された長尺シートLSにより短くなった直線距離を、図8に示すように「短縮量Lm」という。また、短縮量Lmは、ループ量ともいう(図12参照)。長尺シートLSRを形成することにより、長尺シートLSの先端LS1が、二次転写ニップ425に進入することを防止できつつ、収容経路540は、比較例の画像形成装置よりも長い長尺シートLSを収容できる。
次に、本実施形態におけるループLSRの形成の手法の一例を説明する。図9は、ループLSR等の拡大図である。本実施形態の制御部100は、ループLSRを形成するために、ローラー531およびローラー532を第2状態に制御する。ローラー531およびローラー532が第2状態に制御されるタイミングは、「長尺シートLSの後端LS2が、ローラー531およびローラー532を通過したとき」から、「長尺シートLSの先端LS1がローラー531およびローラー532に到達するとき」までの期間のうち、予め定められたタイミングである。本実施形態では、このタイミングは、この期間のうちの長尺シートの表面に対する画像形成(画像の転写および画像の定着)が完了したタイミングである(後述の図14のステップS14参照)。つまり、このタイミングは、長尺シートLSの後端LS2が定着ニップ60Eを通過したタイミングである。
本実施形態の制御部100がローラー531およびローラー532を第2状態に制御することにより、ローラー531とローラー532との間の空隙S(図5参照)を消滅させることができる。したがって、制御部100は、長尺シートLSの先端LS1をローラー531とローラー532とに当接させることにより、長尺シートLSの搬送を阻害する。制御部100は、長尺シートLSの搬送を阻害することにより、長尺シートLSにループLSRを形成できる。その結果、図7に示すように、長尺シートLSの先端LS1が、二次転写ニップ425に到達することを防止できる。
また、図9に示すローラー531およびローラー532が圧接状態でかつ長尺シートLSの先端LS1がローラー531またはローラー532に当接している場合において、「長尺シートLSの搬送が継続しておりかつ長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに到達していない場合」と、「長尺シートLSの搬送が停止しておりかつ長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPで停止されている場合」とがある。
制御部100は、ループセンサー75によるループLSRの検出により、ループLSRが形成されたと判断したときには、二次転写ニップ425の方向に長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させる。また、所定距離Lxは、ローラー531およびローラー532の圧接箇所602(例えば、図10参照)から二次転写ニップ425までの距離未満の距離である。所定距離Lxは、本実施形態では、50mmである。制御部100が、二次転写ニップ425の方向に長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させる場合には、例えば、形成されていないループLSRが消滅しない程度にローラー531およびローラー532を離間状態にして、ローラー531およびローラー532を正方向に所定量回転させることにより、長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させる。長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させる処理は、長尺シートLSの先端LS1を非影響位置XPに到達するまで長尺シートを搬送する処理である。
なお、ローラー531およびローラー532が圧接状態となったときから、ループセンサー75によりループLSRが検出されるときまでの時間は、おおよそ決まっている時間である。したがって、画像形成装置1の設計者等は、この時間を予め測定するようにしてもよい。この場合には、「二次転写ニップ425の方向に長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させるタイミング」は、「制御部100がローラー531およびローラー532が圧接状態にされたときから、所定時間経過したタイミング」としてもよい。この「所定時間」は、画像形成装置1の設計者等が予め測定した時間である。つまり、「所定時間」は、ループLSRの形成が開始したときから、ループLSRの形成が完了するときまでの時間であり、予め定められた時間である。
図10は、所定距離Lx、搬送させた後の長尺シートLSを示す図である。図10に示すように、制御部100が、長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させたとしても、長尺シートLSの先端LS1は、二次転写ニップ425に到達せずに、非影響位置XPに停止させることができる。また、長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させることに応じて、ループ量(短縮量Lm)が減少する。図9と図10とを比較すると、図10の方が図9よりもループLSRの大きさが小さくなっている。
しかし、長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させている途中において、長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに到達しておらずかつ長尺シートLSの搬送が継続されている場合には、この搬送の継続に応じて、ループ量(短縮量Lm)が増加する。したがって、最終的には、図10のループLSRの量が大きくなり、該ループLSRは、図9に示すループLSRの大きさに到達する。本実施形態の画像形成装置1は、「長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させない画像形成装置」と比較して、所定距離Lx分長い長尺シートLSを収容できる。
本実施形態では、長尺シートLSに対する画像の形成に影響しない非影響位置XPは、二次転写ニップ425の上流側の領域に含まれ、より特定的には、圧接箇所602から二次転写ニップ425までの領域に含まれる。
図10の状態であるときにおいて、制御部100は、ローラー531およびローラー532を第3状態に制御することにより、スイッチバックを実行する。ここで、第3状態は、ローラー531およびローラー532を離間させ、かつ、画像形成部120とは反対側に長尺シートLSを搬送させる方向に回転する状態である。換言すれば、第3状態は、ローラー531およびローラー532の回転方向が負方向である状態である。負方向とは、図5の矢印で示している正方向とは逆の回転方向である。負方向は、画像形成部120とは反対側に長尺シートLSを搬送させる方向である。図11は、スイッチバックが実行された長尺シートLSを示す図である。図11に示すように、スイッチバックが実行された長尺シートLSの後端LS2が先端となり、第2の還流搬送路533bを経由して該長尺シートLSは搬送される。図11の例では、スイッチバックされた長尺シートLSの第2面(裏面)に対して、画像が転写されている場合を示す。このように、第2の還流搬送路533bは、収容経路540に収容されている長尺シートLSの裏面に対して画像を形成するために、二次転写ニップ425に該長尺シートLSを搬送する経路である。
[ループ量について]
次に、図8で説明したループ量(つまり、短縮量Lm)を説明する。図12は、長尺シートの搬送方向の長さと、坪量と、ループ量との対応を示した図である。以下では、ループLSRが形成されていない長尺シートの搬送方向の長さを「長尺シート長」ともいう。図12の「ループレベル」および「処理」の項目については、「変形例」で説明する。坪量とは、長尺シートの単位容積(例えば、1m3)当たりの重量である。なお、坪量は、長尺シートの単位面積(例えば、1m2)当たりの重量としてもよい。
次に、図8で説明したループ量(つまり、短縮量Lm)を説明する。図12は、長尺シートの搬送方向の長さと、坪量と、ループ量との対応を示した図である。以下では、ループLSRが形成されていない長尺シートの搬送方向の長さを「長尺シート長」ともいう。図12の「ループレベル」および「処理」の項目については、「変形例」で説明する。坪量とは、長尺シートの単位容積(例えば、1m3)当たりの重量である。なお、坪量は、長尺シートの単位面積(例えば、1m2)当たりの重量としてもよい。
一般的に、長尺シート長が長いほど、ループは形成されやすい。また、長尺シートの坪量が小さいほど、長いループは形成されやすい。図12の例では、第1所定値は、長尺シートの長さについての閾値であり、第2所定値は、長尺シートの坪量についての閾値である。図12の例では、第1所定値=900mmとし、第2所定値=128g/m3とする。
図12の例では、長尺シート長が900mm未満(つまり、第1所定値未満)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3以上(つまり、第2所定値以上)である場合には、形成されるループ量は、10mmであると規定されている。
図12の例では、長尺シート長が900mm未満(つまり、第1所定値未満)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3未満(つまり、第2所定値未満)である場合には、形成されるループ量は、20mmであると規定されている。
図12の例では、長尺シート長が900mm以上(つまり、第1所定値以上)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3以上(つまり、第2所定値以上)である場合には、形成されるループ量は、20mmであると規定されている。
図12の例では、長尺シート長が900mm以上(つまり、第1所定値以上)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3以上である場合には、形成されるループ量は、30mmであると規定されている。また、長尺シート長と、坪量とから、ループ量が画像形成装置1の設計者等により予め測定される。また、図12の例で示したループ量は、長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに位置し、かつ長尺シートLSの先端LS1が、圧接状態のローラー531およびローラー532に当接している場合に形成されるループLSRのループ量である。
図13は、制御部100等の機能構成例を示す図である。制御部100は、ジョブ入力部1002と、取得部1004と、導出部1006と、判断部1008と、駆動部1010と、エラー報知部1015との機能を有する。操作部22に対するユーザーの命令に基づくジョブ、および画像形成装置1の外部の外部装置からのジョブが、ジョブ入力部1002に入力される。外部装置は、例えば、PC(personal computer)、タブレット、およびスマートフォンなどのうちのいずれかである。このジョブが、画像が形成されるシートが長尺シートであり、かつ長尺シートの両面に画像を形成するジョブである場合には、取得部1004は、この長尺シートの属性を取得する。本実施形態では、長尺シートの属性は、長尺シート長、および長尺シートの坪量であるとする。また、長尺シートの属性は、他のパラメーターであってもよく、例えば、長尺シートの属性は、長尺シートの材質等としてもよい。長尺シートの属性は、長尺シート長、および長尺シートの坪量の少なくとも一方としてもよい。なお、長尺シートについては、規格が定められている。長尺シートの規格に対応して、長尺シートの長尺シート長および長尺シートの坪量が定められている。典型的には、ユーザーは、長尺シートの規格を含む命令を入力する。したがって、取得部1004は、長尺シートの規格を含む命令に基づくジョブから、長尺シート長および長尺シートの坪量を取得できる。
導出部1006は、長尺シートの属性(例えば、長尺シート長および長尺シートの坪量)に基づいて、制御部100により形成されるループLSRの量に関するループ量情報を導出する。本実施形態では、ループ量情報は、ループ量(つまり、図8で説明した短縮量Lm)であるとする。また、図12に示す情報は予め作成され、記憶部1009に予め記憶されている。なお、記憶部1009は、例えば、記憶部72の少なくとも一部の記憶領域により構成される。導出部1006は、図12に示す情報を参照して、長尺シート長および長尺シートの坪量に基づいて、ループ量を導出する。導出部1006は、導出されたループ量を判断部1008に送信する。なお、本実施形態では、図12に示す情報を用いて、導出部1006は、ループ量を導出する。変形例として、図12に示す情報を用いる手法ではなく、他の手法で、導出部1006は、ループ量を導出するようにしてもよい。例えば、予め定められた導出式に対して、長尺シート長および長尺シートの坪量を入力することにより、ループ量を導出するようにしてもよい。
判断部1008は、ループ量情報(本実施形態では、ループ量)に基づいて、長尺シートLSに対する画像の形成の影響を及ぼすことなく、長尺シートLSの両面に画像を形成できるか否かを判断する。ここで、判断部1008による判断の手法を説明する。判断部1008は、「取得部1004が取得した長尺シートの長尺シート長」から、「導出部1006が導出したループ量(つまり短縮量Lm)」を減算する。この減算値は、ループLSRが形成された後の長尺シートの直線距離L1である(図8参照)。また、以下では、スイッチバックポイントSBPから、収容経路540を経由して二次転写ニップ425までの距離を「第1距離」という。
判断部1008は、この減算値(つまり、ループLSRが形成された長尺シートLSの直線距離L1)と、第1距離とを比較する。仮に、減算値が、第1距離以上であると判断部1008により判断された場合というのは、長尺シートの直線距離が過度に長すぎるということである場合である。この場合は、長尺シートLSにループLSRが形成されたとしても、例えば、図10に示すように長尺シートLSを所定距離Lx、搬送させれば、長尺シートLSの先端LS1が二次転写ニップ425に進入する場合ということである。この場合に、長尺シートLSをスイッチバックさせると、二次転写ローラー424およびバックアップローラー423Bの回転方向に反した方向に搬送されることになる。したがって、長尺シートLSの破損、および、中間転写ベルト421の損傷のうち少なくとも一方が発生してしまうという問題が生じ得る。
そこで、本実施形態では、減算値が第1距離以上であることが判断部1008により判断された場合には、制御部100は、長尺シートLSに対する画像形成を停止させると共に、エラー報知部1015は、エラーを報知する。具体的には、減算値が第1距離以上であると判断部1008により判断された場合には、判断部1008は、減算値が第1距離以上である旨を示す信号をエラー報知部1015に送信する。エラー報知部1015が、この信号を受信したときに、エラーを報知する。エラー報知は、例えば、表示部21に「長尺シートに両面印刷を実行できない旨」を表示する処理、およびスピーカー(特に図示せず)から、長尺シートに両面印刷を実行できない旨」を音声出力する処理のうち少なくとも1つの処理を含む。
また、判断部1008は、長尺シート長(つまり、図8に示すループLSRが形成されていない長尺シートの直線距離L2)が、第1距離以上であると判断した場合には、制御部100が、長尺シートLSのループLSRを形成することにより、スイッチバック前の長尺シートLSを収容経路540に収容できる場合ということである。この場合には、制御部100は、ローラー531およびローラー532を圧接させる。図13に示すように、駆動部1010は、ローラー531およびローラー532のモーター(図示せず)にローラー駆動信号を送信することにより、ローラー531およびローラー532を圧接させる。この圧接により、図9に示すように、長尺シートLSにループLSRが形成される。さらに、ループセンサー75の検出結果に基づいて、制御部100が、ループLSRの形成が完了したと判断した場合には、図10に示すように、所定距離Lx(本実施形態では、50mm)、搬送させる。その後、長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに到達したと判断された場合には、駆動部1010は、他のローラー(例えば、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53c)を駆動することにより、長尺シートに対してスイッチバックを実行する。このスイッチバックにより、長尺シートの裏面が、二次転写ニップ425まで到達したときに、該二次転写ニップ425が該裏面に画像を転写するように,画像形成部120を制御する。
また、判断部1008は、長尺シート長(つまり、図8に示すループLSRが形成されていない長尺シートの直線距離L2)が、第1距離未満であると判断した場合には、制御部100は、ループLSRを形成する必要が無い。したがって、制御部100は、ローラー531およびローラー532の離間を維持する。その後、長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに到達したと判断された場合には、駆動部1010は、他のローラー(例えば、搬送ローラー53bおよび搬送ローラー53c)を駆動することにより、長尺シートに対してスイッチバックを実行する。このスイッチバックにより、長尺シートの裏面が、二次転写ニップ425まで到達したときに、該二次転写ニップ425が該裏面に画像を転写するように,画像形成部120を制御する。
[制御部のフローチャート]
図14は、制御部100のフローチャートである。図14を用いて、制御部100の主な処理の流れを説明する。図14の処理は、ジョブ入力部1002に、長尺シートの両面印刷のジョブが入力されたときに開始される。ステップS2において、取得部1004は、画像形成対象の長尺シートLSの長尺シート長を取得する。次に、ステップS4において、取得部1004は、該長尺シートLSの長尺シート長を取得する。なお、取得部1004は、ステップS4の処理をステップS2の処理よりも先に実行するようにしてもよい。
図14は、制御部100のフローチャートである。図14を用いて、制御部100の主な処理の流れを説明する。図14の処理は、ジョブ入力部1002に、長尺シートの両面印刷のジョブが入力されたときに開始される。ステップS2において、取得部1004は、画像形成対象の長尺シートLSの長尺シート長を取得する。次に、ステップS4において、取得部1004は、該長尺シートLSの長尺シート長を取得する。なお、取得部1004は、ステップS4の処理をステップS2の処理よりも先に実行するようにしてもよい。
次に、ステップS6において、導出部1006は、長尺シート長と長尺シートの坪量とに基づいて、図12の情報を参照して、長尺シートのループ量を導出する。次に、ステップS8において、判断部1008は、ステップS2で取得した長尺シート長から、ステップS6で導出されたループ量を減算することにより、ループ形成後の長尺シートLSの長さ(つまり、図8に示す直線距離L1)を算出する。ループ形成後の長尺シートLSの長さは、前述の「減算値」に相当する。
次に、ステップS10において、判断部1008は、ループ形成後の長尺シート長が、スイッチバックポイントSBPから二次転写ニップ425までの第1距離以上であるか否かを判断する。ステップS10においてループ形成後の長尺シートLSの長さが第1距離以上であると判断部1008により判断された場合には(ステップS10でYES)、処理は、ステップS26に進む。ステップS26においては、エラー報知部1015は、エラーを報知する。
また、ステップS10においてループ形成後の長尺シートLSの長さが第1距離未満であると判断部1008により判断された場合には(ステップS10でNO)、処理は、ステップS12に進む。ステップS12において、長尺シート長(つまり、ループ形成前の長尺シートLSの長さ)が、スイッチバックポイントSBPから画像形成部120(本実施形態では、二次転写ニップ425)までの第1距離以上であるか否かを判断する。ステップS12において長尺シート長が第1距離以上であると判断部1008により判断された場合には(ステップS12でYES)、処理は、ステップS14に進む。一方、ステップS12において、長尺シート長(つまり、ループ形成前の長尺シートLSの長さ)が、第1距離未満であると判断部1008により判断された場合には(ステップS12でNO)、処理は、ステップS24に進む。
ステップS24では、制御部100は、ローラー531およびローラー532の離間を維持する。なお、図14においては、制御部100の処理を明確化するために、ステップS24を明記している。長尺シートLSの表面に対して画像を形成する際には、ローラー531およびローラー532は離間しており、ステップS24においては、この離間が維持される。したがって、ステップS24では、制御部100は、積極的な処理を実行しない。
また、ステップS14では、制御部100は、長尺シートの表面の画像の形成(つまり、画像の転写および画像の定着)が完了したか否かを判断する。制御部100は、ステップS14でYESと判断するまで、このステップS14の処理を繰り返す。ステップS14でYESと判断された場合には、ステップS16において、駆動部1010は、ローラー531およびローラー532を圧接状態に制御する。
次に、ステップS18において、制御部100は、ループLSRの形成が完了したか否かを判断する。制御部100は、ループセンサー75の検出結果に基づいて、ループLSRの形成が完了したか否かを判断する。ループセンサー75によりループが検出された旨の信号が、ループセンサー75から制御部100に送信されたときに、制御部100は、ループLSRの形成が完了したと判断する。制御部100は、ループLSRの形成が完了したと判断するまで、ステップS18の処理を繰り返す。また、圧接されているローラー531およびローラー532に長尺シートLSの先端LS1が当接したときから(例えば、ループLSRの形成が開始したときから)、ループセンサー75によりループLSRが検出されるまでの時間は実験などにより予め定めることができる。したがって、例えば、ローラー531およびローラー532が圧接したときから、所定時間経過したときに、ステップS18では、YESと判断する構成としてもよい(ステップS18内の括弧書き参照)。
制御部100は、ステップS18においてYESと判断するまでステップS18の処理を繰り返す。ステップS18でYESと判断された場合には、ステップS20において、制御部100は、二次転写ニップ425の方向へ、図10に示すように長尺シートLSを所定距離Lx(例えば、50mm)搬送させる。次に、ステップS22において、制御部100は、長尺シートLSに対してスイッチバックを実行することにより、第2の還流搬送路533bを経由して長尺シートLSの裏面を上にして二次転写ニップ425に搬送する。その後、制御部100は、長尺シートLSの裏面に二次転写ニップ425に画像を転写させる。その後、制御部100は、裏面に転写された画像を定着ニップ60Eに定着させる。
なお、図14のステップS2〜ステップS12の処理、およびステップS26の処理は、ジョブが入力されたときに実行される処理である。したがって、ステップS26の処理に基づくエラー報知は、長尺シートの表面に画像を形成するまでに実行される。よって、制御部100は、過度に長い長尺シートLSに対しては両面印刷できないことを、長尺シートの両面に画像を形成する前に、ユーザーに認識させることができる。
[小括]
(1) 本実施形態の画像形成装置1は、長尺シートLSの両面に画像を形成可能である。特定的には、画像形成部120が、長尺シートLSに画像を形成する。画像形成装置1は、画像形成部120に長尺シートLSを搬送する搬送経路53を有する。画像形成装置1は、長尺シートLSの搬送を制御する制御部100を備える。制御部100は、図7等に示すように、長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに位置しているときに、スイッチバックを制御可能である。さらに、制御部100は、スイッチバックが実行される前の長尺シートLSの一端(例えば、先端LS1)がスイッチバックポイントSBPに位置しかつ長尺シートLSの他端(例えば、後端LS2)が画像の形成に影響しない領域に位置するように、長尺シートLSにループLSRを形成するように長尺シートLSの搬送を制御する。換言すれば、制御部100は、スイッチバックが実行される前の長尺シートLSの一端(例えば、後端LS2)がスイッチバックポイントSBPに位置する場合に、長尺シートLSの他端(例えば、先端LS1)が画像の形成に影響しない領域に位置するように、長尺シートLSにループLSRを形成する。
(1) 本実施形態の画像形成装置1は、長尺シートLSの両面に画像を形成可能である。特定的には、画像形成部120が、長尺シートLSに画像を形成する。画像形成装置1は、画像形成部120に長尺シートLSを搬送する搬送経路53を有する。画像形成装置1は、長尺シートLSの搬送を制御する制御部100を備える。制御部100は、図7等に示すように、長尺シートLSの後端LS2がスイッチバックポイントSBPに位置しているときに、スイッチバックを制御可能である。さらに、制御部100は、スイッチバックが実行される前の長尺シートLSの一端(例えば、先端LS1)がスイッチバックポイントSBPに位置しかつ長尺シートLSの他端(例えば、後端LS2)が画像の形成に影響しない領域に位置するように、長尺シートLSにループLSRを形成するように長尺シートLSの搬送を制御する。換言すれば、制御部100は、スイッチバックが実行される前の長尺シートLSの一端(例えば、後端LS2)がスイッチバックポイントSBPに位置する場合に、長尺シートLSの他端(例えば、先端LS1)が画像の形成に影響しない領域に位置するように、長尺シートLSにループLSRを形成する。
このような構成によれば、スイッチバック前の長尺シートLSの先端LS1が、画像の形成に影響する領域(例えば、図3に示すように二次転写ニップ425)に進入することを防止できる。よって、画像形成装置1は、二次転写ニップ425の圧接に基づく長尺シートLSの損傷および中間転写ベルト421の損傷のうちの少なくとも1つが生じることを抑制できる。したがって、本実施形態の画像形成装置1は、長尺シートLSに対して円滑にスイッチバックを実行できる。さらに、本実施形態の画像形成装置1は、「長尺シートLSにループLSRを形成しない画像形成装置」と比較して、長い長尺シートLSを収容することができ、結果として、該長尺シートLSの両面に画像を形成できる。
(2) 画像形成装置1は、画像形成部120の上流側に、ローラー531およびローラー532を備える。制御部100は、ローラー531およびローラー532を第1状態および第2状態に制御可能である。制御部100は、図6に示すように、ローラー531およびローラー532を第1状態に制御して、長尺シートLSを画像形成部120に搬送する。一方、制御部100は、図9に示すように、ローラー531およびローラー532を第2状態に制御することにより、長尺シートLSに対してループLSRを形成する。このような構成によれば、制御部100は、ローラーの状態の制御により、長尺シートLSの搬送および長尺シートLSのループLSRの形成を実行できる。なお、変形例として、ループLSRを形成するために制御するローラーは、ローラー531およびローラー532は他のローラーとしてもよい。例えば、制御部100は、ローラー531およびローラー532の上流側のローラーを用いて、ループLSRを形成するようにしてもよい。
(3) また、ローラー531およびローラー532は、長尺シートLSを挟持可能な一対のローラーで構成されている。第1状態は、図5に示すように、ローラー531およびローラー532が離間している状態である。また、第2状態は、図9に示すように、ローラー531およびローラー532が圧接している状態である。このような構成によれば、制御部100は、ローラー531およびローラー532を離間させる、または、ローラー531およびローラー532を圧接させることにより、長尺シートLSの搬送および長尺シートLSのループLSRの形成を実行できる。
(4) また、図14のステップS18に示すように、制御部100は、ローラー531およびローラー532を第2状態(つまり、圧接状態)に変化させたときから所定時間が経過したときに、二次転写ニップ425の方向に、所定距離Lx(本実施形態では、50mm)、長尺シートLSを搬送させる。本実施形態の画像形成装置1は、「長尺シートLSを所定距離Lx搬送させない画像形成装置」と比較して、より長い長尺シートLSを収容できる。
(5) また、制御部100は、長尺シート長(つまり、ループLSR形成前の長尺シートの長さ)が、スイッチバックポイントSBPから画像形成部120(本実施形態では、二次転写ニップ425)までの第1距離以上である場合に(図14のステップS12でYES)、長尺シートLSにループLSRを形成するように長尺シートの搬送を制御する。本実施形態では、ステップS16に示すように、制御部100は、ローラー531およびローラー532を圧接状態にする。したがって、制御部100は、適切にループLSRを形成できる。一方、長尺シート長(つまり、ループLSR形成前の長尺シートの長さ)が、スイッチバックポイントSBPから画像形成部120(本実施形態では、二次転写ニップ425)までの第1距離以上である場合に(図14のステップS12でNO)、長尺シートLSにループLSRを形成しないように長尺シートの搬送を制御する。本実施形態では、ステップS16に示すように、制御部100は、ローラー531およびローラー532を第1状態(つまり、離間状態)に制御する。この第1状態の制御により、制御部100は、長尺シートに対してスイッチバックを実行する。この場合には、制御部100は、ローラー531およびローラー532を圧接する処理を実行する必要が無く、ローラー531およびローラー532の制御負担を軽減できる。
(6) また、制御部100は、ローラー531およびローラー532を、正方向(図5参照)に回転させることができるとともに、負方向(図5に記載の矢印の逆方向)に回転させることができる。ローラー531およびローラー532の第3状態は、ローラー531およびローラー532が離間し、かつローラー531およびローラー532を負方向に回転させる状態である。制御部100は、ローラー531およびローラー532を第2状態に変化させて長尺シートLSにループLSRを形成した後に、ローラー531およびローラー532を第3状態に変化させて長尺シートLSに対してスイッチバックを実行する。このような構成によれば、ローラー531およびローラー532の状態に応じて、ループLSRを形成することおよび長尺シートLSをスイッチバックできる。
(7) また、本実施形態の「画像の形成に影響しない非影響位置XP」は、画像形成部120の上流側であり、より特定的には、二次転写ニップ425の上流側の領域である。本実施形態では、非影響位置XPは、図10の例では、ローラー531およびローラー532の圧接箇所602と二次転写ニップ425との間の領域の非影響位置XP、および図9に示すように、圧接されているローラー531およびローラー532の位置である。このような構成によれば、長尺シートLSに対してスイッチバックを実行する場合には、長尺シートLSの先端LS1を、「画像の形成に影響しない非影響位置XP」に位置させることができる。したがって、画像形成装置1は、長尺シートLSへの画像の形成に影響を及ぼさないように長尺シートLSに対してスイッチバックを実行できる。
(8) また、導出部1006は、ループLSRが形成されることによる長尺シートの短縮量Lmを、長尺シートの属性に基づいて導出する(図14のステップS6)。その後、判断部1008が、長尺シート長から短縮量Lmを減算した減算値(つまり、ループLSR形成後の長尺シートの直線距離L1)が、スイッチバックポイントSBPから二次転写ニップ425までの第1距離以上であるか否かを判断する(ステップS10)。判断部1008が、長尺シート長から短縮量Lmを減算した減算値(つまり、ループLSR形成後の長尺シートの直線距離L1)が、スイッチバックポイントSBPから二次転写ニップ425までの第1距離以上であると判断した場合には(ステップS10でYES)、エラー報知部1015は、エラーを報知する。ループLSRが形成されたとしても、長尺シートLSの先端LS1が二次転写ニップ425に到達する場合には、長尺シートLSの損傷、および、中間転写ベルト421の損傷の少なくとも一方が生じる可能性が高い。したがって、エラー報知部1015は、エラーを報知することにより、長尺シートLSの両面印刷を停止して、長尺シートLSの損傷、および、中間転写ベルト421の損傷が生じることを防止できる。
(9) また、導出部1006が用いる長尺シートLSの属性は、長尺シート長および長尺シートLSの坪量である(図12参照)。したがって、導出部1006は、長尺ソートLSの属性に合った短縮量Lmを導出できる。
(10) また、図4等に示すように、収容経路540は、画像形成部120の上流側の搬送経路(例えば、主搬送路530)と合流している。したがって、収容経路540は、画像形成部120の上流側の搬送経路と合流していない画像形成装置と比較して、画像形成装置のサイズを小型化できる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、第1状態は、ローラー531とローラー532とが圧接している状態であるとし、第2状態は、ローラー531とローラー532とが離間している状態であるして説明した。しかしながら、第1状態および第2状態はそれぞれ他の状態としてもよい。例えば、ローラー531とローラー532とを圧接可能とする構成ではなく、ローラー531とローラー532とが離間させる状態が維持する構成としてもよい。このような構成によれば、ローラー531とローラー532とを圧接させる機構を設ける必要がないことから、画像形成装置の構成を簡素化できる。
第1実施形態では、第1状態は、ローラー531とローラー532とが圧接している状態であるとし、第2状態は、ローラー531とローラー532とが離間している状態であるして説明した。しかしながら、第1状態および第2状態はそれぞれ他の状態としてもよい。例えば、ローラー531とローラー532とを圧接可能とする構成ではなく、ローラー531とローラー532とが離間させる状態が維持する構成としてもよい。このような構成によれば、ローラー531とローラー532とを圧接させる機構を設ける必要がないことから、画像形成装置の構成を簡素化できる。
図15は、本実施形態のローラー531とローラー532との状態を示す図である。図15(A)は、ローラー531とローラー532との第1状態の変形例を示す図であり、図15(B)は、ローラー531とローラー532との第2状態の変形例を示す図である。図15(A)の例では、ローラー531とローラー532とは離間しており、かつ長尺シートLSを二次転写ニップ425の方向に搬送するようにローラー531とローラー532の少なくとも一方が回転している。図15(A)の例では、ローラー531とローラー532との双方が回転している。制御部100は、ローラー531とローラー532とが、図15(A)に示す状態であるときには、長尺シートLSを適切に二次転写ニップ425に搬送できる。
図15(B)の例では、ローラー531とローラー532とは離間しており、かつローラー531とローラー532の回転は停止している。制御部100は、ローラー531とローラー532とが停止している状態に変化させて長尺シートLSの搬送を阻害させることができる。制御部100は、長尺シートLSの搬送を阻害させることにより長尺シートLSにループLSRを形成できる。
本実施形態の画像形成装置は、ローラー531とローラー532とを圧接させる機構を設ける必要がなく、かつ画像形成装置は、長尺シートLSの搬送および長尺シートLSのループLSRを適切に形成できる。
[第3実施形態]
第1実施形態では、図14のステップS18およびステップS20に示すように、制御部100は、ステップS18においてループLSRの形成が完成した後に、ステップS20において長尺シートLSを所定距離Lx搬送させるとして説明した。しかしながら、ステップS18の処理とステップS20の処理との順序を逆にしてもよい。つまり、制御部100は、長尺シートLSを所定距離Lx搬送させた後に、ローラー531およびローラー532を第2状態にすることよりループLSRを形成するようにしてもよい。このような構成が採用された画像形成装置は、前述の実施形態の画像形成装置1と同様の効果を奏する。
第1実施形態では、図14のステップS18およびステップS20に示すように、制御部100は、ステップS18においてループLSRの形成が完成した後に、ステップS20において長尺シートLSを所定距離Lx搬送させるとして説明した。しかしながら、ステップS18の処理とステップS20の処理との順序を逆にしてもよい。つまり、制御部100は、長尺シートLSを所定距離Lx搬送させた後に、ローラー531およびローラー532を第2状態にすることよりループLSRを形成するようにしてもよい。このような構成が採用された画像形成装置は、前述の実施形態の画像形成装置1と同様の効果を奏する。
[第4実施形態]
第1実施形態の画像形成装置1は、形成されるループLSRの数は1つであるとして説明した。例えば、長尺シートLSの長さが過度に長い場合には、1つのループLSRが形成された場合であっても、長尺シートLSの先端LS1が、二次転写ニップ425に到達する場合がある。そこで、本実施形態では、制御部100により形成されるループLSRの数は2以上とする。
第1実施形態の画像形成装置1は、形成されるループLSRの数は1つであるとして説明した。例えば、長尺シートLSの長さが過度に長い場合には、1つのループLSRが形成された場合であっても、長尺シートLSの先端LS1が、二次転写ニップ425に到達する場合がある。そこで、本実施形態では、制御部100により形成されるループLSRの数は2以上とする。
図16および図17は、本実施形態の画像形成装置のループの形成の一例を示した図である。また、第4実施形態では、ローラー531およびローラー532の上流側に、さらに、ローラー581およびローラー582が設けられている。ローラー581およびローラー582の上流側に、さらに、ローラー591およびローラー592が設けられている。ローラー581およびローラー582は一対のローラーである。また、ローラー591およびローラー592は一対のローラーである。
ローラー531およびローラー532と同様に、制御部100は、ローラー581およびローラー582を第1状態および第2状態に制御できる。また、制御部100は、ローラー591およびローラー592を第1状態および第2状態に制御できる。本実施形態では、ローラー581とローラー582との第1状態はローラー581とローラー582とが離間している状態であり、ローラー581とローラー582との第2状態はローラー581とローラー582とが圧接している状態である。また、ローラー591とローラー592との第1状態はローラー591とローラー592とが離間している状態であり、ローラー591とローラー592との第2状態はローラー591とローラー592とが圧接している状態である。
このように、本実施形態の画像形成装置は、複数の組(本実施形態では「3組」)のローラーを備え、かつ制御部100が複数の組のローラーそれぞれを、第1状態および第2状態に制御できる。3組のローラーは、ローラー531およびローラー532と、ローラー581およびローラー582と、ローラー591およびローラー592とである。
さらに、制御部100は、複数の組のローラーのうち、長尺シートの搬送方向の長さに応じた数の組のローラーを第2状態に変化させて長尺シートに1以上のループを形成する。図18は、本実施形態における長尺シート長と、第2状態にする1組のローラーの組数との対応を示した図である。図18の例では、長尺シート長が、第1閾値LA未満である場合には、第2状態にする1組のローラーの組数は「0」であることが対応づけられている。つまり、長尺シート長が、第1閾値LA未満である場合には、制御部100は、ローラーを圧接する処理を実行しない。なお、長尺シート長が、第1閾値LA未満である場合とは、「図14のステップS12でNOと判断される場合」に対応する。
また、図18の例では、長尺シート長が、第1閾値LA以上でありかつ第2閾値LB未満である場合には、第2状態にする1組のローラーの組数は「1」であることが対応づけられている。図18の例では、長尺シート長が、第2閾値LB以上でありかつ第3閾値LC未満である場合には、第2状態にする1組のローラーの組数は「2」であることが対応づけられている。図18の例では、長尺シート長が、第3閾値LC以上である場合には、第2状態にする1組のローラーの組数は「3」であることが対応づけられている。ただし、図18の※印に示されているように、LC>LB>LAである。また、図18の括弧書きに示すように、「第2状態にするローラーの組数」は「形成されるループの数」に対応する。なお、図18に対応する情報は予め作成され、記憶部1009に予め記憶されている。なお、図18では、第2状態にするローラーの組数の最大数は、「3」であるとして説明した。しかしながら、変形例として、第2状態にするローラーの組数の最大数は、4以上であるとしてもよい。
ジョブ入力部1002にジョブが入力されたときに、取得部1004は、該ジョブから長尺シート長を取得する。次に、導出部1006は、図18の情報を参照して、該取得した長尺シート長から、第2状態にするローラーの組数を導出する。駆動部1010は、該導出されたローラーの組数に基づいて、それぞれのローラーを第2状態に制御することにより1以上のループを形成する。
制御部100が、第2状態に制御されるローラーの組数が2であると判断した場合には、まず、該2組のローラーのうち二次転写ニップ425に最も近いローラー(つまり、ローラー531およびローラー532)を第2状態に制御する。制御部100は、ローラー531およびローラー532が第2状態に制御された後、該第2状態に制御されたときから所定時間が経過したときに、残りの組のローラー(つまり、ローラー581とローラー582)を第2状態に制御する。
また、制御部100が、第2状態に制御されるローラーの組数が3であると判断した場合には、制御部100は、3組のローラーのうち二次転写ニップ425に最も近いローラー(つまり、ローラー531およびローラー532)を第2状態に制御する。制御部100は、ローラー531およびローラー532が第2状態に制御した後、該第2状態に制御されたときから所定時間が経過したときに、残りの全ての組のローラー(つまり、ローラー581およびローラー582と、ローラー591およびローラー592)を第2状態に制御する。
図16および図17は、第2状態に制御されるローラーの組数が2である場合を説明するための図である。制御部100は、長尺シートLSの表面への画像の形成が終了した後、制御部100は、長尺シートLSの先端LS1がローラー531およびローラー532に到達する前に、ローラー531およびローラー532を圧接状態に制御する。この制御により、長尺シートLSに第1のループLSR1が形成される。なお、ローラー531およびローラー532を圧接状態に制御されたときには、ローラー581とローラー582とが離間しておりかつローラー581とローラー582との間に長尺シートLSが介入している。
また、制御部100が、ローラー531およびローラー532を圧接状態に制御したときから、所定時間が経過したときには、制御部100は、ローラー581とローラー582とを圧接状態に制御する。これにより、図18に示すように、ローラー581とローラー582とにより圧接された箇所の搬送が停止されることから、長尺シートLSに第2のループLSR2が形成される。なお、変形例として、制御部100が、ローラー531およびローラー532を圧接状態に制御して、ループセンサー75によりループLSR1が検出されたときに、ローラー581とローラー582とを圧接状態に制御するようにしてもよい。
このように、本実施形態の画像形成装置は、長尺シート長が第3閾値LC未満であると判断された場合には、複数組(本実施形態では、3組)のうちのローラー531およびローラー532を圧接状態に制御した後、複数組(本実施形態では、3組)のうちの1つの組のローラー581およびローラー582を圧接状態に制御する。また、本実施形態の画像形成装置は、長尺シート長が第3閾値LC以上であると判断された場合には、複数組(本実施形態では、3組)のうちのローラー531およびローラー532を圧接状態に制御した後、複数組(本実施形態では、3組)のうちの残りの全ての組のローラー(ローラー581およびローラー582と、ローラー591およびローラー592)を圧接状態に制御する。
本実施形態の画像形成装置は、長尺シートLSに対して複数のループを形成できることから、1のループを形成する画像形成装置と比較して、短縮量Lmを増加させることができる。したがって、本実施形態の画像形成装置は、長尺シートLSに対して複数のループを形成できることから、1のループを形成する画像形成装置と比較して、ループが形成された後の長尺シートLSの直線距離を短くできる。よって、本実施形態の画像形成装置は、1のループを形成する画像形成装置と比較して、より長い長尺シートLSに対してスイッチバックを実行できる。
また、本実施形態の画像形成装置は、過度に長い長尺シートであっても、該長尺シートに応じた数のループを形成できる。したがって、本実施形態の画像形成装置は、1のループを形成する画像形成装置と比較して、より長い長尺シートLSに対してスイッチバックを実行できる。
[第5実施形態]
第5実施形態では、図12の括弧書きで示されている「ループレベル」を説明する。ループレベルは、ループ量のレベルを示す値である。図12の例では、長尺シート長が900mm未満(つまり、第1所定値未満)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3以上(つまり、第2所定値以上)である場合には、ループレベルは、ループレベル1であると規定されている。
第5実施形態では、図12の括弧書きで示されている「ループレベル」を説明する。ループレベルは、ループ量のレベルを示す値である。図12の例では、長尺シート長が900mm未満(つまり、第1所定値未満)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3以上(つまり、第2所定値以上)である場合には、ループレベルは、ループレベル1であると規定されている。
図12の例では、長尺シート長が900mm未満(つまり、第1所定値未満)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3未満(つまり、第2所定値未満)である場合には、ループレベルは、ループレベル2であると規定されている。
図12の例では、長尺シート長が900mm以上(つまり、第1所定値以上)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3以上(つまり、第2所定値以上)である場合には、ループレベルは、ループレベル2であると規定されている。
図12の例では、長尺シート長が900mm以上(つまり、第1所定値以上)であり、長尺シート長の坪量が128g/m3未満(つまり、第2所定値未満)である場合には、ループレベルは、ループレベル3であると規定されている。導出部1006は、取得部1004が取得した長尺シート長および長尺シートLSの坪量に基づいて、図12の情報を参照して、ループレベルを導出する。
また、本実施形態では、制御部100は、図12の「処理」の欄に示すように、ループレベルに応じて異なる処理を実行する。一般的に、ループレベルが大きくなる、つまり形成されるループが大きくなるということは、長尺シートLSの湾曲部分が大きくなるということである。また、収容経路540の面には、ローラーおよびセンサー等様々な部材(以下、収容部材)が設けられている。仮に、長尺シートLSの湾曲部分が大きい場合において、該長尺シートLSに対してスイッチバックを実行すると、長尺シートLSの湾曲部分等が、収容部材に衝突し、長尺シートLSが損傷する場合がある。
そこで、本実施形態では、図12に示すように、導出部1006によりループレベル3が導出された場合には、制御部100のエラー報知部1015は、長尺シートの両面に画像を形成不可能であると判断し、エラーを報知する。
また、図12に示すように、導出部1006によりループレベル2が導出された場合には、制御部100は、長尺シートLSの両面に画像を形成可能であるが画像の品質は保証されないと判断する。この判断に基づいて、制御部100は、画質保証外報知を実行する。画質保証外報知は、ユーザーに対して、「長尺シートLSに対して画像印刷を実行するが、該印刷される画像の品質は保証されない」旨の報知である。例えば、画質保証外報知は、表示部21に「長尺シートLSに対して画像印刷を実行するが、該印刷される画像は保証されない旨」を表示する処理、およびスピーカー(特に図示せず)から、「長尺シートLSに対して画像印刷を実行するが、該印刷される画像は保証されない旨」を音声出力する処理を含む。
また、導出部1006によりループレベル1が導出された場合には、長尺シートの両面に画像を形成可能であると判断し、制御部100は、長尺シートの両面に画像を形成する通常印刷を実行する。
本実施形態の画像形成装置によれば、ループレベルに応じて適切な処理を実行できる。
[第6実施形態]
第1実施形態の画像形成装置1は、二次転写ニップ425を形成する2つのローラーである二次転写ローラー424およびバックアップローラー423Bが、離間および圧接しない構成であるとして説明した。しかしながら、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424は、制御部100の制御により離間および圧接可能であるとしてもよい。「バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424が圧接する」とは、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424のうち少なくとも一方が他方を圧接することをいう。また、図1等にも示したように、定着ニップ60Eは、二次転写ニップ425の下流側に形成されている。
[第6実施形態]
第1実施形態の画像形成装置1は、二次転写ニップ425を形成する2つのローラーである二次転写ローラー424およびバックアップローラー423Bが、離間および圧接しない構成であるとして説明した。しかしながら、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424は、制御部100の制御により離間および圧接可能であるとしてもよい。「バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424が圧接する」とは、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424のうち少なくとも一方が他方を圧接することをいう。また、図1等にも示したように、定着ニップ60Eは、二次転写ニップ425の下流側に形成されている。
図19は、ループLSRが形成されており、かつ、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424が離間している状態を示す。なお、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424が圧接している状態とは、例えば、図9に示す状態である。
本実施形態の「画像の形成に影響しない非影響位置XP’」は、図19に示すように、転写部(例えば、二次転写ニップ425)の下流側の領域であって定着部(例えば、定着ニップ60E)の上流側の領域である。図19においては、「画像の形成に影響しない非影響位置XP’」は、二次転写ニップ425から定着ニップ60Eまでの搬送経路の位置である。
図20は、第6実施形態の制御部100のフローチャートである。また、以下では、スイッチバックポイントSBPから、収容経路540を経由して定着ニップ60Eまでの距離を「第2距離」という。また、前述したように、第1距離は、スイッチバックポイントSBPから、収容経路540を経由して二次転写ニップ425までの距離である。つまり、第2距離>第1距離である。
ステップS8の処理が終了すると、ステップS110において、判断部1008は、ループ形成後の長尺シートLSの長さが、スイッチバックポイントSBPから定着ニップ60Eまでの距離(つまり、第2距離)以上であるか否かを判断する。ステップS110においてループ形成後の長尺シートLSの長さが第2距離以上であると判断部1008により判断された場合には(ステップS110でYES)、長尺シートLSが過度に長いということである。したがって、ステップS110でYESと判断された場合には、ステップS26において、エラー報知部1015は、エラーを報知する。
ステップS110においてループ形成後の長尺シートLSの長さが第2距離未満であると判断部1008により判断された場合には(ステップS110でNO)、処理は、ステップS10に進む。
ステップS10において、判断部1008は、ループ形成後の長尺シート長が、スイッチバックポイントSBPから二次転写ニップ425までの第1距離以上であるか否かを判断する。ステップS10においてループ形成後の長尺シートLSの長さが第1距離以上であると判断部1008により判断された場合には(ステップS10でYES)、処理は、ステップS112に進む。ステップ112においては、制御部100は、所定の記憶領域(例えば、RAM103)に、離間フラグを設定する。
ここで、離間フラグは、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424を離間させることを示すフラグである。後述のステップS160において、制御部100は、離間フラグが設定されている場合には、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424を離間させる。ステップS112の処理が終了すると、処理は、ステップS14に進む。
また、ステップS160において、ステップS112で説明した離間フラグが設定されている場合には、制御部100は、ローラー531およびローラー532を圧接させるとともに、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424を離間させる。また、ステップS160において、ステップS112で説明した離間フラグが設定されていない場合には、制御部100は、ローラー531およびローラー532を圧接させる一方、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424を離間させない。
また、ステップS18でYESと判断された場合には、制御部100は、ステップS20の処理を実行する。ステップS20においては、離間フラグが設定されていない場合には、制御部100は、長尺シートLSを所定距離Lx搬送させることにより、図10に示す非影響位置XPまで、長尺シートLSの先端LS1を搬送する。また、ステップS20においては、離間フラグが設定されている場合には、制御部100は、長尺シートLSを所定距離Lx搬送させることにより、図19に示す非影響位置XP’まで、長尺シートLSの先端LS1を搬送する。
本実施形態の画像形成装置の処理をまとめると以下のようになる。
(A) ループ形成後の長尺シートの長さ≧第2距離(スイッチバックポイントSBPから定着ニップ60Eまでの距離)である場合には、エラー報知部1015は、長尺シートLSの両面印刷を停止して、エラーを報知する(図20のステップS26)。したがって、長尺シートLSの損傷、および、中間転写ベルト421の損傷が生じることを防止できる。
(A) ループ形成後の長尺シートの長さ≧第2距離(スイッチバックポイントSBPから定着ニップ60Eまでの距離)である場合には、エラー報知部1015は、長尺シートLSの両面印刷を停止して、エラーを報知する(図20のステップS26)。したがって、長尺シートLSの損傷、および、中間転写ベルト421の損傷が生じることを防止できる。
(B) 第1距離≦ループ形成後の長尺シートの長さ<第2距離である場合には、ローラー531およびローラー532を圧接させることによりループLSRを形成する。さらにこの場合には、制御部100は、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424を離間した後で、制御部100は、図19に示す非影響位置XP’まで、長尺シートLSの先端LS1を搬送する。したがって、本実施形態の画像形成装置は、第1実施形態の画像形成装置よりも長い長尺シートに対してスイッチバックを実行することができる。
(C) ループ形成後の長尺シートの長さ<第1距離であり、かつループ形成前の長尺シートの長さ≧第1距離である場合には、ローラー531およびローラー532を圧接させることによりループLSRを形成し、バックアップローラー423Bおよび二次転写ローラー424を離間させずに、制御部100は、図10に示す非影響位置XPまで、長尺シートLSの先端LS1を搬送する。したがって、本実施形態の画像形成装置は、「長尺シートLSにループLSRを形成しない画像形成装置」よりも長い長尺シートに対してスイッチバックを実行することができる。
(D) ループ形成前の長尺シートの長さ<第1距離である場合には、ローラー531およびローラー532の離間を維持してループLSRを形成しない。この場合には、制御部100は、ローラー531およびローラー532を圧接する処理を実行する必要が無く、ローラー531およびローラー532の制御負担を軽減できる。
[第7実施形態]
図21は、第7実施形態の搬送経路を示す図である。図4等に示す前述の実施形態の画像形成装置と、第7実施形態の画像形成装置とを比較すると、前述の実施形態では、収容経路540は、画像形成部120の上流側の搬送経路(例えば、主搬送路530)と合流している。一方、第7実施形態では、収容経路540は、画像形成部120の上流側の搬送経路(例えば、主搬送路530)と合流していない箇所を含む。図21に示すように、本実施形態の画像形成装置は、合流搬送路P1と並行搬送路P2とを含む。
図21は、第7実施形態の搬送経路を示す図である。図4等に示す前述の実施形態の画像形成装置と、第7実施形態の画像形成装置とを比較すると、前述の実施形態では、収容経路540は、画像形成部120の上流側の搬送経路(例えば、主搬送路530)と合流している。一方、第7実施形態では、収容経路540は、画像形成部120の上流側の搬送経路(例えば、主搬送路530)と合流していない箇所を含む。図21に示すように、本実施形態の画像形成装置は、合流搬送路P1と並行搬送路P2とを含む。
合流搬送路P1は、主搬送路530における二次転写ニップ425の上流側に繋がる第1の両面経路である。並行搬送路P2は、主搬送路530に繋がる前に折り返す第2の両面経路である。図21に示すように、長尺シートLSの搬送方向を合流搬送路P1と並行搬送路P2のいずれかに切り替える切換ゲート533gが設けられている。制御部100は、切換ゲート533gを切換可能である。
合流搬送路P1は、長尺シートLS1を両面印刷するために使用される両面経路である。合流搬送路P1は、正方向に搬送される長尺シートLSの搬送方向におけるローラー5311の上流側で主搬送路530と合流することで、反転搬送路533と主搬送路530とを繋ぐ。本実施形態では、合流搬送路P1は、主搬送路530と第2の還流搬送路533bとの合流箇所より上流側で合流する。また、合流搬送路P1は、用紙が主搬送路530の図中左方向に搬送される向きで主搬送路530と合流する。
並行搬送路P2は、合流搬送路P1と同様に、長尺シートLSを両面印刷するために使用される両面経路である。並行搬送路P2は、図21に示すように、主搬送路530と合流しない経路である。並行搬送路P2は、合流搬送路P1および主搬送路530の下方で、これら合流搬送路P1および主搬送路530と同方向に延びるように並行に設けられている。並行搬送路P2の先端(終端)は、第2の還流搬送路533bにおける主搬送路530と接続される終端部の近傍まで延びている。画像形成装置内にこのような第2の両面経路としての並行搬送路P2を設けることで、画像形成装置のデッドスペースを有効に利用しつつ、長尺シートLSの両面印刷における生産性を向上させることができる。
[変形例]
(1) 前述の実施形態では、ループLSRを形成するための部材は1組のローラーであるとして説明した。しかしながら、ループLSRを形成するための機構は、他の機構であってもよい。例えば、他の機構は、1つのローラーと、該ローラーからの長尺シートLSへの圧接を受ける受け部材とから構成されるとしてもよい。受け部材は、例えば、平面部を有し、ローラーからの長尺シートLSへの圧接を、該平面部で受けるようにしてもよい。また、他の機構は、例えば、搬送経路に吸引口を設け、該吸引口から長尺シートLSを吸引することにより、ループLSRを形成するとしてもよい。
(1) 前述の実施形態では、ループLSRを形成するための部材は1組のローラーであるとして説明した。しかしながら、ループLSRを形成するための機構は、他の機構であってもよい。例えば、他の機構は、1つのローラーと、該ローラーからの長尺シートLSへの圧接を受ける受け部材とから構成されるとしてもよい。受け部材は、例えば、平面部を有し、ローラーからの長尺シートLSへの圧接を、該平面部で受けるようにしてもよい。また、他の機構は、例えば、搬送経路に吸引口を設け、該吸引口から長尺シートLSを吸引することにより、ループLSRを形成するとしてもよい。
(2) 図14のS10およびS12は、ループが形成された後の長尺シートの直線距離を用いて制御部100は、判断するとして説明した。しかしながら、図14のS10およびS12は、ループが形成される前の長尺シートの長さ、第1閾値N1、および第2閾値N2を用いて制御部100は、判断するようにしてもよい。ただし、第2閾値N2>第1閾値N1とする。
例えば、図14のステップS10において、制御部100は、長尺シート長が、第2閾値N2以上であるか否かを判断するようにしてもよい。ステップS10において、制御部100が、第2閾値N2以上であると判断した場合には、長尺シート長は過度に長いと判断することにより、ステップS26によりエラー報知部1015は、エラーを報知する。ステップS10において、制御部100が、長尺シート長が第2閾値N2未満であると判断した場合には、ステップS12において、制御部100が、長尺シート長が第1閾値N1以上であるか否かを判断する。ステップS12において、制御部100が、長尺シート長が第1閾値N1以上であると判断した場合には、処理は、ステップS14に進む。一方、ステップS12において、制御部100が、長尺シート長が第1閾値N1未満であると判断した場合には、処理は、ステップS24に進む。
また、長尺シートLSの長さを用いずに、他の手法により、ステップS10等の処理を実行するようにしてもよい。例えば、搬送ローラー53cからローラー531およびローラー532までに配置されているセンサー(図示せず)により、長尺シートLSの先端LS1が検知された場合には、長尺シートLSの先端LS1は、二次転写ニップ425に進入する可能性が高い。したがって、搬送ローラー53cからローラー531およびローラー532までに配置されているセンサーにより、長尺シートLSの先端LS1が検知された場合には、制御部100は、ステップS16の処理を実行する。
また、今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
20 操作表示部、21 表示部、22 操作部、30 画像処理部、60 定着器、60A 上側定着器、60B 下側定着器、60D エア分離ユニット、60E 定着ニップ、422 一次転写ローラー、423 支持ローラー、423A 駆動ローラー、423B バックアップローラー、424 二次転写ローラー、425 二次転写ニップ、426 ベルトクリーニング装置、530 主搬送路、533 反転搬送路、533a 第1の還流搬送路、533b 第2の還流搬送路、533g 切換ゲート、540 収容経路、542 外部給紙搬送路、602 圧接箇所、604 給紙搬送路、1002 ジョブ入力部、1004 取得部、1006 導出部、1008 判断部、1010 駆動部、1015 エラー報知部。
Claims (19)
- 長尺シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に前記長尺シートを搬送する搬送経路と、
前記長尺シートの搬送を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記長尺シートの搬送方向における一端がスイッチバック領域に位置する場合に、前記長尺シートに対してスイッチバックを実行することが可能であり、
前記スイッチバックが実行される前の前記長尺シートの前記一端が前記スイッチバック領域に位置しかつ前記長尺シートの他端が前記画像の形成に影響しない領域に位置するように、前記長尺シートにループを形成するように前記長尺シートの搬送を制御する、画像形成装置。 - 前記画像形成部の上流側に配置されるローラーをさらに備え、
前記ローラーは、第1状態と第2状態とに変化可能であり、
前記制御部は、
前記ローラーを前記第1状態に変化させて、前記長尺シートを前記画像形成部に搬送し、
前記ローラーを前記第2状態に変化させて、前記長尺シートに前記ループを形成する、請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記ローラーは、前記長尺シートを挟持可能な一対のローラーで構成されており、
前記第1状態は、前記一対のローラーが離間している状態であり、
前記第2状態は、前記一対のローラーが圧接している状態であり、
前記制御部は、前記長尺シートの前記他端を、圧接している前記一対のローラーに当接させることにより前記長尺シートに前記ループを形成する、請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記ローラーは、前記長尺シートを挟持可能な一対のローラーで構成されており、
前記第1状態は、前記ローラーが回転している状態であり、
前記第2状態は、前記ローラーが停止している状態であり、
前記制御部は、前記ローラーが停止している状態に変化させて前記長尺シートの搬送を阻害させることにより前記長尺シートに前記ループを形成する、請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記ローラーは、前記画像形成部とは反対側に前記長尺シートを搬送させる方向に回転する第3状態に変化可能であり、
前記制御部は、前記ローラーを前記第2状態に変化させて前記長尺シートに前記ループを形成した後に、前記ローラーを前記第3状態に変化させて前記長尺シートに対してスイッチバックを実行する、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、複数の前記ローラーを備え、
前記制御部は、前記複数のローラーのうち、前記長尺シートの搬送方向の長さに応じた数のローラーを前記第2状態に変化させて前記長尺シートに2以上の前記ループを形成する、請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
前記長尺シートの搬送方向の長さが、前記スイッチバック領域から前記画像形成部までの距離以上である場合に、前記長尺シートに前記ループを形成するように前記長尺シートの搬送を制御し、
前記長尺シートの搬送方向の長さが、前記スイッチバック領域から前記画像形成部までの距離未満である場合に、前記長尺シートに前記ループを形成しないように前記長尺シートの搬送を制御する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成部は、
前記長尺シートに前記画像を転写し、かつ圧接および離間しない一対の転写ローラーで構成される転写部と、
前記転写部により転写された前記画像を定着させ、かつ前記転写部の下流側に配置される定着部とを含み、
前記画像の形成に影響しない領域は、前記転写部の上流側の領域である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記長尺シートの先端を前記画像の形成に影響しない領域に到達するまで前記長尺シートを搬送する、請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、
前記ループが形成されることによる長尺シートの短縮量を、前記長尺シートの属性に基づいて導出する導出部と、
前記長尺シートの搬送方向の長さから前記短縮量を減算した減算値が、前記スイッチバック領域から前記転写部までの距離以上である場合に、エラーを報知するエラー報知部とを含む、請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成部は、
前記長尺シートに前記画像を転写し、かつ圧接および離間可能な一対の転写ローラーで構成される転写部と、
前記転写部により転写された前記画像を定着させ、かつ前記転写部の下流側に配置される定着部とを含み、
前記画像の形成に影響しない領域は、前記転写部の下流側でありかつ前記定着部の上流側の領域である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、
前記ループが形成されることによる長尺シートの短縮量を、前記長尺シートの属性に基づいて導出する導出部を含み、
前記長尺シートの搬送方向の長さから前記短縮量を減算した減算値が、前記スイッチバック領域から前記転写部までの距離以上である場合に、前記一対の転写ローラーを離間させた後に、前記長尺シートの先端を前記画像の形成に影響しない領域に到達するまで前記長尺シートを搬送する、請求項11に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記減算値が、前記スイッチバック領域から前記定着部までの距離以上である場合に、エラーを報知するエラー報知部を含む、請求項11または請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記長尺シートの前記属性は、前記長尺シートの搬送方向の長さと、前記長尺シートの坪量との少なくとも1つを含む、請求項10または請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記長尺シートの搬送方向の長さと、前記長尺シートの坪量とに基づいて、前記ループの量のレベルを示すループレベルを導出する導出部を備え、
前記導出部は、
前記長さが第1所定値未満でありかつ前記坪量が第2所定値以上である場合には、第1ループレベルを導出し、
前記長さが前記第1所定値未満でありかつ前記坪量が前記第2所定値未満である場合には、第2ループレベルを導出し、
前記長さが前記第1所定値以上でありかつ前記坪量が前記第2所定値以上である場合には、前記第2ループレベルを導出し、
前記長さが前記第1所定値以上でありかつ前記坪量が前記第2所定値未満である場合には、第3ループレベルを導出し、
前記制御部は、
前記導出部により前記第1ループレベルが導出された場合には、前記画像形成部に前記長尺シートの両面に前記画像を形成し、
前記導出部により前記第2ループレベルが導出された場合には、前記長尺シートの両面に前記画像を形成可能であるが前記画像の品質は保証されない旨を報知し、
前記導出部により前記第3ループレベルが導出された場合には、エラーを報知する、請求項1〜請求項9、および請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記搬送経路は、前記スイッチバック前の前記長尺シートの裏面に画像を形成するために、前記長尺シートを収容する第1スイッチバック経路を含み、
前記第1スイッチバック経路は、前記スイッチバック領域から前記画像形成部までの経路である、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記搬送経路は、前記第1スイッチバック経路に収容されている前記長尺シートの裏面に対して画像を形成するために、前記画像形成部に該長尺シートを搬送する第2スイッチバック経路を含み、
前記スイッチバック領域は、前記第1スイッチバック経路と前記第2スイッチバック経路とが合流している箇所の領域である、請求項16に記載の画像形成装置。 - 前記第1スイッチバック経路は、前記画像形成部の上流側の前記搬送経路と合流する、請求項16または請求項17に記載の画像形成装置。
- 長尺シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に前記長尺シートを搬送する搬送経路とを備える画像形成装置を制御する方法であって、
スイッチバックが実行される前の前記長尺シートの一端がスイッチバック領域に位置しかつ前記長尺シートの他端が前記画像の形成に影響しない領域に位置するように、前記長尺シートにループを形成するように前記長尺シートの搬送を制御するステップを備える、画像形成装置を制御する方法。
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