JP2021036814A - 茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料において、その穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させた茶飲料を提供する。【解決手段】本発明は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料であって、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を含有し、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを含有する場合の含有量が8〜100ppbであり、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを含有する場合の含有量が0.7〜100ppbである。原料の穀物としては、ハトムギ、玄米、及びトウモロコシから選択される1種以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、茶飲料に関する。より詳しくは、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料であって、麦茶感を向上させた茶飲料に関する。
例えば、茶葉や穀物等の原料を複数用いて、それら原料からの抽出液を含む茶飲料(「混合茶飲料」ともいう)は、原料由来の様々な成分を手軽に摂取できるため、健康志向の消費者から強く支持されている。そして、近年では、このような混合茶飲料においても、麦茶様の味わいによる止渇性が求められてきている。
止渇性を有する麦茶飲料に関して、例えば特許文献1には、冷たい状態に加えて、生ぬるい状態で飲用しても、止渇性並びに爽快感を備えた容器詰麦茶飲料についての技術が提案されている。具体的には、デンプン量とβグルカン量の合計多糖類量と、マルトース量と、麦由来可溶性固形分の割合と、香気成分であるピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比とをそれぞれ所定の範囲に調整することで、止渇性並びに爽快感を備えた茶飲料とすることができ、好適に飲用できるとしている。なお、特許文献2においても、同様の技術的思想からなる容器詰麦茶飲料が提案されている。
ここで、一般的に、茶飲料において、良好な止渇性を付与するために麦茶感を向上させるには、例えば大麦素材の配合量を増やすことが考えられる。しかしながら、麦素材を配合することによって麦茶感を向上させようとすると、その他の穀物素材の香味特徴が損なわれるという問題がある。
特開2012−217347号公報 特開2012−217348号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料において、その穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させた茶飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、少なくとも大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料において、特定の香気成分を所定の割合で配合させることで、穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料であって、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を含有し、前記2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が8〜100ppbであり、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量が0.7〜100ppbである、茶飲料である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記穀物は、ハトムギ、玄米、及びトウモロコシから選択される1種以上である、茶飲料である。
(3)本発明の第3の発明は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料の製造方法であって、大麦以外の原料穀物を抽出して穀物抽出液を得る工程と、前記穀物抽出液に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を、該2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が8〜100ppb、該2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量が0.7〜100ppbとなるように添加する工程と、を有する、茶飲料の製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を、該2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が8〜100ppb、該2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量が0.7〜100ppbとなるように添加する、茶飲料の麦茶感向上方法である。
本発明によれば、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料において、その穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させた茶飲料を提供できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。なお、本明細書にて、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.茶飲料≫
本発明に係る茶飲料は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料である。ここで、本明細書における「茶飲料」とは、焙煎した穀物や茶葉を抽出して得られる茶抽出液を含む液体飲料を意味し、少なくとも焙煎した穀物の抽出液を含む。また、この茶飲料は、ある1種の穀物を抽出して得られる茶抽出液のみからなる液体だけでなく、その茶抽出液を希釈した液体、その茶抽出液に他の穀物や茶葉の抽出液を混合して得られる液体、あるいはこれらの液体に添加物を加えて得られる液体、またはこれらの液体を乾燥したものを分散させてなる液体等を含む。
この茶飲料においては、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方の香気成分を含有する。そして、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを含有する場合には、茶飲料中のその含有量が8〜100ppbであり、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを含有する場合には、茶飲料中のその含有量が0.7〜100ppbである。
なお、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンと2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの両方を含有する場合でも、各成分の茶飲料中の含有量がそれぞれ上記の範囲となる。
[穀物由来の抽出物]
本発明に係る茶飲料は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含むものであり、少なくともその穀物を焙煎し、焙煎した穀物抽出液から構成される茶飲料である。
穀物としては、茶飲料の原料として通常用いられるものを使用でき、例えば、ハトムギ、玄米、トウモロコシ、大豆、小豆、芋等が挙げられる。
その中でも、ハトムギ、玄米、及びトウモロコシからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましく、これらの穀物由来の抽出物であれば、詳しくは後述する香気成分を特定の割合で含有させることによる効果に優れ、すなわち、麦茶感を向上させながら、その穀物素材の香味特徴が効果的に維持、向上される。
なお、この茶飲料としては、穀物である大麦の抽出物が含まれることを排除するものではなく、大麦以外の穀物由来の抽出物に加えて大麦の抽出物を含んでいてもよい。
上述したように穀物を原料とする抽出物は、穀物や茶葉等から抽出液等の抽出物を得るために通常行われる抽出処理によって得られる。例えば、原料穀物としてハトムギを用いる場合、ハトムギに対して抽出溶媒を用いて抽出処理を行うことで、ハトムギに含まれる諸成分を含む抽出液を回収できる。なお、その原料穀物は、焙煎や粉砕等の処理が施されていても、施されていなくてもよい。
[香気成分について]
2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンは、ピラジン類に属する化合物であり香気成分である。本発明に係る茶飲料では、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン又は2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいはその両方を含有する。
これらの香気成分は、大麦に含まれることが知られている。本発明者らは、大麦に含まれる数ある香気成分の中でも、上述した香気成分を特定の含有量で含有させることで、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料において、麦茶感を有効に向上させることができることを見出した。しかもそれだけでなく、その穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上できることを見出した。
これらの香気成分は、特に限定されないが、その化合物の市販品を用いて配合することができる。また、これらの香気成分は、上述したように大麦やその他の穀物成分に微量に含まれていることが知られており、そのような成分の抽出液やその抽出液から単離したものを用いて配合することもできる。
茶飲料中の2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量は、茶飲料中のその化合物の配合量により調整できる。また、例えば穀物成分の抽出物が含まれる茶飲料等では、その穀物成分の抽出物に含まれる2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量を含めて調整する。
なお、茶飲料中の2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定することができる。各原料中における濃度が把握できている場合には計算することもできる。
(2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量)
本発明に係る茶飲料において、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを含有する場合、茶飲料中の含有量は8〜100ppbの範囲である。なお、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを共に含有する場合においても、茶飲料中の2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量は上記の範囲である。
香気成分である2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量に関して、8ppb以上であることにより、麦茶感を向上させることができる。また、10ppb以上であることが好ましく、20ppb以上であることがより好ましく、50ppb以上であることが特に好ましい。
また、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量に関して、100ppb以下であることにより、茶飲料に含まれる穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させることができる。また、90ppb以下であることが好ましく、80ppb以下であることがより好ましく、70ppb以下であることが特に好ましい。
(2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量)
本発明に係る茶飲料において、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを含有する場合、茶飲料中の含有量は0.7〜100ppbの範囲である。なお、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを共に含有する場合においても、茶飲料中の2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量は上記の範囲である。
香気成分である2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量に関して、0.7ppb以上であることにより、麦茶感を向上させることができる。また、7ppb以上であることが好ましく、10ppb以上であることがより好ましく、50ppb以上であることが特に好ましい。
また、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量に関して、100ppb以下であることにより、茶飲料に含まれる穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させることができる。また、90ppb以下であることが好ましく、80ppb以下であることがより好ましく、70ppb以下であることが特に好ましい。
[2−エチル−3,5−ジメチルピラジンと2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの併用]
上述したように、本発明に係る茶飲料においては、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンと2,3−ジエチル−5−メチルピラジンとを併用してそれぞれを含有させることができる。このときの、茶飲料中における各成分の含有量は、上記と同様の範囲である。すなわち、茶飲料中において、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が8〜100ppbであり、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量が0.7〜100ppbである。
このように、茶飲料において、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンと2,3−ジエチル−5−メチルピラジンとをそれぞれを含有し、例えば、上記の含有量範囲内で各成分の含有比率を調整することで(例えば含有質量比率で1:1とする等)、穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させることができる。
[その他の成分]
本発明に係る茶飲料においては、その効果を阻害しない範囲で、一般的な茶飲料に通常用いられる他の原料や添加剤を適宜配合できる。なお、配合量は目的とする効果に応じて適宜調整できる。具体的には、例えば、酸化防止剤、pH調整剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
[容器]
本発明に係る茶飲料においては、容器に充填することで容器詰茶飲料とすることができる。容器としては、飲料業界で公知の密封容器であればよく、適宜選択して用いることができ、流通形態や消費者ニーズに応じて適宜決定できる。その具体例としては、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、紙、アルミ、スチール等の単体、又はこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。特に、透明(半透明も含む)容器が好ましい。透明容器は全体が透明であっても、一部が透明であってもよい。
≪2.茶飲料の製造方法≫
本発明に係る茶飲料は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料であり、その大麦以外の原料穀物を抽出して得られる穀物抽出液に、上記の香気成分の含有量を適宜調整して配合することで製造できる。
具体的に、この茶飲料の製造方法は、大麦以外の原料穀物を抽出して穀物抽出液を得る工程と、その穀物抽出液に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を、それぞれ所定の含有量となるように添加する工程と、を有する。より具体的には、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを含有させる場合にはその含有量が8〜100ppbとなるように、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを含有させる場合にはその含有量が0.7〜100ppbとなるように、添加する。
穀物抽出液に対して2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び/又は2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを添加する方法は、常法に従えばよく、例えば、準備されたそれぞれ所定量の成分を含有する抽出液等を順次又は同時に添加する。そして、各成分を添加したのち、撹拌等により混合することで製造できる。原料の混合順序等については、特に限定されない。
製造された茶飲料は、容器に充填して容器詰茶飲料とすることができ、容器に充填する前又は後に、適宜殺菌処理してもよい。
≪3.茶飲料の麦茶感向上方法≫
上述したように、本発明に係る茶飲料は、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料であり、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン又は2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方の香気成分を特定の含有量で含有することで、その穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を向上させることができる効果を有する。
すなわち、大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を、それぞれ特定の割合で配合するという、茶飲料の麦茶感向上方法と定義することができる。具体的に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの場合にはその含有量が8〜100ppbとなるように、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの場合にはその含有量が0.7〜100ppbとなるように、添加する。
このような方法に基づいて2−エチル−3,5−ジメチルピラジン又は2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方の香気成分を、特定の含有割合となるように配合することで、効果的に麦茶感を向上でき、しかもそのとき、原料の穀物素材の香味特徴を損なわせることがない。
以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[試験1:2−エチル−3,5−ジメチルピラジンによる効果の検証]
(ハトムギ抽出液の調製)
焙煎粉砕ハトムギ(L値36)90gを、90℃の純水2700gで抽出し、2号ろ紙。でろ過後、冷却して抽出液を得た。得られた抽出液に、L−アスコルビン酸ナトリウムを2.7g、L−アスコルビン酸を0.9g、重炭酸ナトリウムを1.8g添加し、純水で9000gに定容して、調合液を得た。得られた調合液をUHT殺菌(140℃、30秒間)した後、無菌的にボトル充填し、殺菌ハトムギ抽出液を得た。得られた殺菌ハトムギ抽出液に含まれる2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの濃度は1.1ppbであり、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの濃度は0.13ppbであった。
(大麦抽出液(「麦茶感」基準サンプル)の調製)
焙煎粉砕大麦(L値34.5)90gを、90℃の純水2700gで抽出し、2号ろ紙でろ過後、冷却して抽出液を得た。得られた抽出液に、L−アスコルビン酸ナトリウムを2.7g、L−アスコルビン酸を0.9g、重炭酸ナトリウムを1.8g添加し、純水で9000gに定容して、調合液を得た。得られた調合液をUHT殺菌(140℃、30秒間)した後、無菌的にボトル充填し、殺菌大麦抽出液を得た。得られた殺菌大麦抽出液に含まれる2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの濃度は1.7ppbであり、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの濃度は0.20ppbであった。
(試験品の茶飲料の作製)
調製した殺菌ハトムギ抽出液に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンをその含有量が6〜200ppbとなるように添加して、試験サンプルである茶飲料を作製とした。
なお、茶飲料中における2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。具体的には、分析対象である飲料100μlをバイアル瓶(容量10ml)に入れ、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法によりGC−MS(アジレント社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:2−エチル−3,5−ジメチルピラジン 135>135(5V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
専門パネル6名にて官能評価を行った。具体的には、「麦茶感」、「ハトムギ感」についてそれぞれ7段階評価(1点:「無い」〜7点:「かなりある」)で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2−エチル−3,5−ジメチルピラジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「ハトムギ感」については、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2−エチル−3,5−ジメチルピラジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。
なお、上記のように点数が高いほど「麦茶感」、「ハトムギ感」を有することを意味し、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「ハトムギ感」であるものを効果がある、すなわちハトムギ感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果がある、と判断した。
Figure 2021036814
表1に示すように、実施例1、2では、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの添加により、ハトムギ抽出液からなる茶飲料において、麦茶感を向上させることができた。また、麦茶感を向上させたことに伴うハトムギ感の低下も抑えられ、ハトムギの特徴的な香味が損なわれることもなかった。
一方で、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの添加したものの6ppbと低含有量とした比較例1では、ハトムギ感の低下はなかったものの、麦茶感の向上効果はほぼ認められなかった。また、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンを200ppbと高含有量となるように添加した比較例2では、麦茶感を向上させることはできたものの、それに伴ってハトムギ感が低下し、ハトムギの特徴的な香味が損なわれた。
[試験2:2,3−ジエチル−5−メチルピラジンによる効果の検証]
(試験品の茶飲料の作製)
上記の試験1と同様に殺菌ハトムギ抽出液を調製した後、その殺菌ハトムギ抽出液に、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンをその含有量が0.5〜200ppbとなるように添加して、試験サンプルである茶飲料を作製とした。
茶飲料中における2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量は、下記の条件で、試験1と同様にガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:2,3−ジエチル−5−メチルピラジン 150>135(10V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製した茶飲料について、「麦茶感」、「ハトムギ感」についてそれぞれ7段階評価で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「ハトムギ感」については、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。そして、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「ハトムギ感」であるものを効果、すなわちハトムギ感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果があると判断した。
Figure 2021036814
表2に示すように、実施例3〜5では、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの添加により、ハトムギ抽出液からなる茶飲料において、麦茶感を向上させることができた。また、麦茶感を向上させたことに伴うハトムギ感の低下も抑えられ、ハトムギの特徴的な香味が損なわれることもなかった。
一方で、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの添加したものの0.5ppbと低含有量とした比較例3では、ハトムギ感の低下はなかったものの、麦茶感の向上効果はほぼ認められなかった。また、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを200ppbと高含有量となるように添加した比較例4では、麦茶感を向上させることはできたものの、それに伴ってハトムギ感が低下し、ハトムギの特徴的な香味が損なわれた。
[試験3:3−メチルピリジンによる効果の検証]
(試験品の茶飲料の作製)
上記の試験1と同様に殺菌ハトムギ抽出液を調製した後、その殺菌ハトムギ抽出液に、3−メチルピリジンをその含有量が6〜200ppbとなるように添加して、試験サンプルである茶飲料を作製とした。なお、添加前の殺菌ハトムギ抽出液に含まれる3−メチルピリジンの濃度は1.8ppbであった。また、この3−メチルピリジンは、大麦に含まれる香気成分であることが知られている。
茶飲料中における3−メチルピリジンの含有量は、下記の条件で、試験1と同様にガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:3−メチルピリジン 93>93(5V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製した茶飲料について、専門パネル6名にて官能評価を行った。具体的には、「麦茶感」、「ハトムギ感」についてそれぞれ7段階評価で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌ハトムギ抽出液(3−メチルピリジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「ハトムギ感」については、調製した殺菌ハトムギ抽出液(3−メチルピリジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。そして、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「ハトムギ感」であるものを効果、すなわちハトムギ感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果があると判断した。
Figure 2021036814
表3に示すように、大麦に含まれる香気成分である3−メチルピリジンを添加しても、麦茶感の向上効果はほとんど無かった。実施例1及び2の2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの添加や、実施例3〜5の2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの添加と比べても、同程度の含有量で麦茶感の向上効果は認められなかった。
このことから、試験1及び2を踏まえて、香気成分のなかでも、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンや2,3−ジエチル−5−メチルピラジンにおいて、穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を効果的に向上できることがわかった。
[試験4:2−メチルピラジンによる効果の検証]
(試験品の茶飲料の作製)
上記の試験1と同様に殺菌ハトムギ抽出液を調製した後、その殺菌ハトムギ抽出液に、2−メチルピラジンをその含有量が200ppbとなるように添加して、試験サンプルである茶飲料を作製とした。なお、添加前の殺菌ハトムギ抽出液に含まれる2−メチルピラジンの濃度は135ppbであった。また、この2−メチルピラジンは、大麦に含まれる香気成分であることが知られている。
茶飲料中における2−メチルピラジンの含有量は、下記の条件で、試験1と同様にガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:2−メチルピラジン 94>67(10V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製した茶飲料について、専門パネル6名にて官能評価を行った。具体的には、「麦茶感」、「ハトムギ感」についてそれぞれ7段階評価で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2−メチルピラジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「ハトムギ感」については、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2−メチルピラジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。そして、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「ハトムギ感」であるものを効果、すなわちハトムギ感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果があると判断した。
Figure 2021036814
表4に示すように、大麦に含まれる香気成分である2−メチルピラジンを高含有量となるように添加しても、麦茶感の向上効果はほとんど無かった。
このことから、試験1及び2を踏まえて、香気成分のなかでも、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンや2,3−ジエチル−5−メチルピラジンにおいて、穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を効果的に向上できることがわかった。
[試験5:2,5−ジメチルピラジンによる効果の検証]
(試験品の茶飲料の作製)
上記の試験1と同様に殺菌ハトムギ抽出液を調製した後、その殺菌ハトムギ抽出液に、2,5−ジメチルピラジンをその含有量が200ppbとなるように添加して、試験サンプルである茶飲料を作製とした。なお、添加前の殺菌ハトムギ抽出液に含まれる2,5−ジメチルピラジンの濃度は8.7ppbであった。また、この2,5−ジメチルピラジンは、大麦に含まれる香気成分であることが知られている。
茶飲料中における2,5−ジメチルピラジンの含有量は、下記の条件で、試験1と同様にガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:2,5−ジメチルピラジン 108>42(20V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製した茶飲料について、専門パネル6名にて官能評価を行った。具体的には、「麦茶感」、「ハトムギ感」についてそれぞれ7段階評価で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2,5−ジメチルピラジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「ハトムギ感」については、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2,5−ジメチルピラジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。そして、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「ハトムギ感」であるものを効果、すなわちハトムギ感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果があると判断した。
Figure 2021036814
表5に示すように、大麦に含まれる香気成分である2,5−ジメチルピラジンを高含有量となるように添加しても、麦茶感の向上効果はほとんど無かった。
このことから、試験1及び2を踏まえて、香気成分のなかでも、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンや2,3−ジエチル−5−メチルピラジンにおいて、穀物素材の香味特徴を損なわせることなく、麦茶感を効果的に向上できることがわかった。
[試験6:2−エチル−3,5−ジメチルピラジンと2,3−ジエチル−5−メチルピラジンとの併用よる効果の検証]
(試験品の茶飲料の作製)
上記の試験1と同様に殺菌ハトムギ抽出液を調製した後、その殺菌ハトムギ抽出液に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジンと2,3−ジエチル−5−メチルピラジンとを1:1の比率でそれぞれの含有量が50ppb、したがって添加香気成分の合計含有量が100ppbとなるようにして、試験サンプルである茶飲料を作製とした。
茶飲料中における2−エチル−3,5−ジメチルピラジンと2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量は、それぞれ、試験1及び試験2と同様に、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製した茶飲料について、専門パネル6名にて官能評価を行った。具体的には、「麦茶感」、「ハトムギ感」についてそれぞれ7段階評価で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「ハトムギ感」については、調製した殺菌ハトムギ抽出液(2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。そして、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「ハトムギ感」であるものを効果、すなわちハトムギ感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果があると判断した。
Figure 2021036814
表6に示すように、実施例6では、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの併用添加により、ハトムギ抽出液からなる茶飲料において、麦茶感を向上させることができた。また、麦茶感を向上させたことに伴うハトムギ感の低下も抑えられ、ハトムギの特徴的な香味が損なわれることもなかった。
[試験7:穀物成分がトウモロコシである場合の効果の検証]
(トウモロコシ抽出液の調製)
焙煎トウモロコシ(L値56)90gを、90℃の純水2700gで抽出し、2号ろ紙でろ過後、冷却して抽出液を得た。得られた抽出液に、L−アスコルビン酸ナトリウムを2.7g、L−アスコルビン酸を0.9g、重炭酸ナトリウムを1.8g添加し、純水で9000gに定容して、調合液を得た。得られた調合液をUHT殺菌(140℃、30秒間)した後、無菌的にボトル充填し、殺菌トウモロコシ抽出液を得た。得られた殺菌トウモロコシ抽出液に含まれる2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの濃度は0.28ppbであった。
(試験品の茶飲料の作製)
殺菌トウモロコシ抽出液に、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンをその含有量が100〜200ppbとなるように添加して、試験サンプルである茶飲料を作製とした。
茶飲料中における2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量は、試験2と同様にガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製した茶飲料について、専門パネル6名にて官能評価を行った。具体的には、「麦茶感」、「トウモロコシ感」についてそれぞれ7段階評価で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌トウモロコシ抽出液(2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「トウモロコシ感」については、調製した殺菌トウモロコシ抽出液(2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。そして、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「トウモロコシ感」であるものを効果、すなわちトウモロコシ感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果があると判断した。
Figure 2021036814
表7に示すように、実施例7では、トウモロコシ抽出液に対する2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの添加により、その茶飲料において、麦茶感を向上させることができた。また、麦茶感を向上させたことに伴うトウモロコシ感の低下も抑えられ、トウモロコシ抽出液の特徴的な香味が損なわれることもなかった。なお、参照例1にて示すように、穀物であるトウモロコシの抽出液を含有する場合、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンを200ppbと高含有量となるように添加しても、トウモロコシ感の低下は抑えられ、トウモロコシの特徴的な香味を損なわせることなく、麦茶感を向上させることができた。
[試験8:穀物成分が玄米である場合の効果の検証]
(玄米抽出液の調製)
焙煎玄米(L値46.5)90gを、90℃の純水2700gで抽出し、2号ろ紙でろ過後、冷却して抽出液を得た。得られた抽出液に、L−アスコルビン酸ナトリウムを2.7g、L−アスコルビン酸を0.9g、重炭酸ナトリウムを1.8g添加し、純水で9000gに定容して、調合液を得た。得られた調合液をUHT殺菌(140℃、30秒間)した後、無菌的にボトル充填し、殺菌玄米抽出液を得た。得られた殺菌玄米抽出液に含まれる2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの濃度は0.24ppbであった。
(試験品の茶飲料の作製)
殺菌玄米抽出液に、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンをその含有量が100ppbとなるように添加して、試験サンプルである茶飲料を作製とした。
茶飲料中における2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量は、試験2と同様に、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製した茶飲料について、専門パネル6名にて官能評価を行った。具体的には、「麦茶感」、「玄米感」についてそれぞれ7段階評価で点数化して平均値を算出した。「麦茶感」については、調製した殺菌大麦抽出液を基準(評点4点)とし、調製した殺菌玄米抽出液(2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を対照品(評点1点)として評価した。「玄米感」については、調製した殺菌玄米抽出液(2,3−ジエチル−5−メチルピラジン未添加のもの)を基準(評点4点)として評価した。そして、「麦茶感」が2点以上で、かつ、「麦茶感」<「玄米感」であるものを効果、すなわち玄米感を損なわせることなく麦茶感を向上させる効果があると判断した。
Figure 2021036814
表8に示すように、実施例8では、玄米抽出液に対する2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの添加により、その茶飲料において、麦茶感を向上させることができた。また、麦茶感を向上させたことに伴う玄米感の低下も抑えられ、玄米抽出液の特徴的な香味が損なわれることもなかった。
[試験1:2−エチル−3,5−ジメチルピラジンによる効果の検証]
(ハトムギ抽出液の調製)
焙煎粉砕ハトムギ(L値36)90gを、90℃の純水2700gで抽出し、2号ろ紙でろ過後、冷却して抽出液を得た。得られた抽出液に、L−アスコルビン酸ナトリウムを2.7g、L−アスコルビン酸を0.9g、重炭酸ナトリウムを1.8g添加し、純水で9000gに定容して、調合液を得た。得られた調合液をUHT殺菌(140℃、30秒間)した後、無菌的にボトル充填し、殺菌ハトムギ抽出液を得た。得られた殺菌ハトムギ抽出液に含まれる2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの濃度は1.1ppbであり、2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの濃度は0.13ppbであった。
Figure 2021036814

Claims (4)

  1. 大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料であって、
    2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を含有し、
    前記2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が8〜100ppbであり、
    前記2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量が0.7〜100ppbである、
    茶飲料。
  2. 前記穀物は、ハトムギ、玄米、及びトウモロコシから選択される1種以上である、
    請求項1に記載の茶飲料。
  3. 大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料の製造方法であって、
    大麦以外の原料穀物を抽出して穀物抽出液を得る工程と、
    前記穀物抽出液に、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を、該2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が8〜100ppb、該2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量が0.7〜100ppbとなるように添加する工程と、
    を有する、茶飲料の製造方法。
  4. 大麦以外の穀物由来の抽出物を含む茶飲料に、
    2−エチル−3,5−ジメチルピラジン及び2,3−ジエチル−5−メチルピラジンのいずれか一方、あるいは両方を、該2−エチル−3,5−ジメチルピラジンの含有量が8〜100ppb、該2,3−ジエチル−5−メチルピラジンの含有量が0.7〜100ppbとなるように添加する、
    茶飲料の麦茶感向上方法。
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