JP2021036776A - 経口組成物 - Google Patents

経口組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2021036776A
JP2021036776A JP2019158407A JP2019158407A JP2021036776A JP 2021036776 A JP2021036776 A JP 2021036776A JP 2019158407 A JP2019158407 A JP 2019158407A JP 2019158407 A JP2019158407 A JP 2019158407A JP 2021036776 A JP2021036776 A JP 2021036776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oral composition
composition according
awamori
lactic acid
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019158407A
Other languages
English (en)
Inventor
長亮 上間
Choryo Uema
長亮 上間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishikawa Shuzojo Co Ltd
Original Assignee
Ishikawa Shuzojo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishikawa Shuzojo Co Ltd filed Critical Ishikawa Shuzojo Co Ltd
Priority to JP2019158407A priority Critical patent/JP2021036776A/ja
Publication of JP2021036776A publication Critical patent/JP2021036776A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

【課題】泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物について新たな生理機能を見出し、当該乳酸菌発酵物を有効成分とする経口組成物を提供することを課題とする。【解決手段】泡盛蒸留粕含有組成物のラクトバチルス・プランタラム属乳酸菌発酵物を有効成分として含有する経口組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、泡盛蒸留粕含有組成物のラクトバチルス・プランタラム属乳酸菌発酵物を有効成分とする経口組成物に関し、更に詳細には、摂取することにより、優れた整腸作用や保湿効果が得られる経口組成物に関する。
酒類の醸造工程においては、副産物として粕が産生される。このような粕は、従来より有効利用が図られており、例えば、清酒を搾った後に残る固形分である酒粕は、甘酒や奈良漬けの原料として用いられてきた。また焼酎の製造工程において蒸留後に残る焼酎粕や、ビールの製造過程で麦汁を搾った後に生じるビール粕は、飼料や肥料などに利用されている。
近年、このような酒類製造上の副産物である粕の生理機能について研究が進められており、例えば、清酒の酒粕が、糖尿病や高血圧に対する予防効果等を有することが知られているが、さらに清酒の酒粕を乳酸菌で発酵させた発酵物について、これを経口摂取することで脂肪抑制効果、育毛効果等が得られるほか、皮膚に適用すると美白効果を示すことなどが報告されている(特許文献1〜3)。
泡盛は、原料のタイ米に黒麹を添加して米麹とし、これに水と酵母を加えてもろみを調製した後、アルコール発酵させて熟成もろみとし、この熟成もろみを蒸留することによって製造される。熟成もろみの蒸留工程で残った蒸留残渣(蒸留粕)には、クエン酸などの有機酸や必須アミノ酸が豊富に含まれているため、蒸留粕を圧搾ろ過などにより固液分離した液体を飲料に利用した「もろみ酢」が市販されており、その疲労回復などの機能が注目されている。しかし、泡盛蒸留粕を乳酸菌で発酵させた発酵物の生理機能についてはこれまでほとんど知見がなかった。
特開2007−099731号公報 特開2011−148737号公報 特開2019−006701号公報
本発明は、泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物について新たな生理機能を見出し、当該乳酸菌発酵物を有効成分とする経口組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、泡盛蒸留粕にラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する乳酸菌を作用させて得られる発酵物を摂取することにより、優れた整腸作用、アルコール代謝促進効果及び保湿効果が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、泡盛蒸留粕含有組成物のラクトバチルス・プランタラム属乳酸菌発酵物を有効成分として含有する整腸用、アルコール代謝促進用又は保湿用経口組成物である。
本発明の経口組成物は、これを摂取することで、いわゆる悪玉菌を減少させて腸内細菌叢を改善するとともに、便の状態を改善し、排便を促進する作用などに基づき、優れた整腸作用を示すものである。また、アルコール飲料摂取による血中アルコール濃度及び血中アセトアルデヒド濃度の上昇を抑制して、悪酔いや二日酔いなどの不快な症状を軽減することが可能である。さらに、経口摂取することにより、皮膚表面水分量の減少を抑制し、優れた保湿効果を得ることができる。
試験例1における各群の1週間ごとの排便日数の変化量を示すグラフである。 試験例1における各群の1週間ごとの便形状の変化量を示すグラフである。 試験例1における各群の4週間ごとの便形状の変化量を示すグラフである。 試験例1における各群の1週間ごとの便の臭いの推移を示すグラフである。 試験例1における各群の4週間ごとの皮膚表面水分量の変化量を示すグラフである。 試験例2における各群のアルコール摂取翌朝の自覚症状のスコアを示すグラフである。 試験例2における各群のアルコール摂取後の血中エタノール濃度の推移を示すグラフである。 試験例2における各群のアルコール摂取後の血中アセトアルデヒド濃度の推移を示すグラフである。
本発明においては、有効成分として泡盛蒸留粕含有組成物を、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する乳酸菌により発酵させた発酵物(以下、「泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物」ということがある)を用いる。
本発明で使用する泡盛蒸留粕とは、泡盛の製造工程で生じる残渣である。泡盛は、原料のタイ米(インディカ米)に黒麹を添加して米麹とし、これに水と酵母を加えてもろみを調製した後、アルコール発酵させて熟成もろみとし、この熟成もろみを蒸留させることによって製造されるが、熟成もろみの蒸留工程における蒸留残渣が蒸留粕である。この泡盛蒸留粕は、圧搾ろ過などの公知の固液分離手段により、食物繊維などの固体部と液体部に分離することができる。本発明では、泡盛蒸留粕をそのまま用いることもできるが、整腸・保湿効果及び風味等の観点から、固液分離した液体部(泡盛蒸留粕液体部)を用いることが好ましい。泡盛蒸留粕の製造に使用されるタイ米や黒麹、酵母等に特に制限はなく、通常の泡盛の製造に使用可能なものであれば包含される。
具体的には、例えば次のようにして、泡盛蒸留粕液体部を得ることができる。まず、タイ米1000Kgを水に浸漬し、蒸気で蒸した後、黒麹菌400gを散布して2日間かけて製麹する。この麹に水1700Lと乾燥酵母100gを復水したものを加えもろみを調製し、約20日間程度発酵させる。この熟成もろみを単式蒸留機で蒸留してアルコールを抽出する。蒸留は留液のアルコール濃度が約5v/v%になるまで行う。蒸留後に単式蒸留機に残ったものが泡盛蒸留粕である。この泡盛蒸留粕から、圧搾ろ過等の公知の固液分離手段を用いて液体部を分離する。
このようにして得られた泡盛蒸留粕に乳酸菌を添加して培養させる。泡盛蒸留粕にはクエン酸が含まれpHが高いため、泡盛蒸留粕含有組成物には、培養にあたって予め水酸化ナトリウム、重曹、にがり、クエン酸、乳酸等のpH調整剤を添加してpHを調整することが好ましい。泡盛蒸留粕含有組成物のpHは3〜9が好ましく、より好ましくはpH4〜7であり、特に好ましくは5.2〜6.5である。このような範囲であると、乳酸菌による発酵が促進されて、整腸・保湿効果等に優れたものとなり、酸味も緩和される。
泡盛蒸留粕含有組成物には、乳酸菌により発酵させるにあたって、予め乳成分を添加することが好ましい。乳成分の添加により、乳酸菌による発酵が促進され、整腸・保湿効果等が向上するとともに、泡盛蒸留粕に特有のもろみ臭に対するマスキング効果が向上し、良好な風味となる。使用できる乳成分としては、牛乳等の獣乳またはその脱脂乳、無糖練乳、豆乳等が例示される。乳成分として脱脂粉乳を使用する場合の添加量は、経口組成物中に0.5〜10質量%(以下、特に断らない限り「%」は「質量%」を意味する)が好適であり、1〜6%がより好適であり、2〜4%が特に好適である。一方、乳製品として牛乳を使用する場合には、牛乳を泡盛蒸留粕に対して質量比(牛乳:泡盛蒸留粕)=2:1〜1:9の範囲で添加することが好適であり、1:1〜1:4の範囲がより好ましい。また乳製品として無糖練乳を用いる場合は、無糖練乳を泡盛蒸留粕に対して質量比(無糖練乳:泡盛蒸留粕)=2:1〜1:9の範囲で添加することが好適であり、1:1〜1:4の範囲がより好ましい。
泡盛蒸留粕含有組成物には、泡盛蒸留粕を乳酸菌により発酵させるにあたって、糖類を添加することが好ましい。糖類を添加することにより、乳酸菌による発酵を促し、整腸・保湿効果及び風味に優れたものとなる。糖類としては、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌が資化できるものであれば特に制限はないが、例えば、グルコース、ラクトース、ショ糖等が例示される。泡盛蒸留粕に対する糖類の添加量は、0.5〜20%が好適であり、1〜5%がより好ましい。
ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)に属する乳酸菌(ラクトバチルス・プランタラム属乳酸菌)としては、特に限定されるものではないが、例えば株式会社秋田今野商店から販売されているL3323株、L106716株、L1337株、L1390株等が、整腸・保湿効果に優れるとともに、もろみ臭に対するマスキング効果に優れ、良好な風味のものとなるため好適であり、これらの中でもL3323株、L1337株が特に好適に用いられる。
上記ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌を泡盛蒸留粕含有組成物に接種し発酵させる。例えば、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌を予めMRS液体培地などの適当な培地で20〜35℃、12〜24時間程度培養した培養液を、泡盛蒸留粕に対して0.1〜10v/v%、好ましくは0.5〜2v/v%で接種すればよい。ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌を接種した泡盛蒸留粕含有組成物は10〜45℃で3〜72時間、好ましくは25〜40℃で12〜24時間程度培養する。
泡盛蒸留粕含有組成物の発酵にあたっては、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌とともに、酵母を用いてもよい。酵母による発酵は、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌による発酵の前後いずれでもよいが、乳酸菌による発酵後の方が好ましい。酵母としては、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロミセス属酵母が例示される。酵母は泡盛蒸留粕に対し0.1〜10%、好ましくは1〜5%で接種される。酵母を接種した泡盛蒸留粕含有組成物は5〜40℃で3〜72時間、好ましくは20〜30℃で24〜72時間培養する。
本発明の経口組成物は、このようにして得られる泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物を有効成分として含有するものであり、飲食品、医薬品、医薬部外品等を包含する。
本発明の飲食品には、通常の飲食品の他、健康食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、栄養補助食品なども含まれる。
本発明の飲食品は、泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物に、飲食品に通常添加される食品素材及び/又は食品添加剤を配合し、常法に従って調製することができる。その形態は特に限定されず、例えば、液状、錠剤、カプセル、ペースト、顆粒等とすることができる。飲食品としては、茶、ジュース、清涼飲料、泡盛もろみ酢発酵飲料等の飲料、パン、ビスケット、ホットケーキ、麺、錠菓等のデンプンを主体とする食品、ガム、キャンディー、和菓子等の菓子類、ハム、ソーセージ等の畜肉食品、ちくわ、かまぼこ等の魚肉食品、魚介類食品、ドレッシング、醤油、ジャム、ふりかけ等の調味料等が挙げられる。これらの中でも、飲料が好ましく、特に泡盛もろみ酢発酵飲料が好適である。泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物を含有する飲料として、「美らBio」(株式会社石川酒造場社製)が市販されている。飲料に用いる食品素材及び/又は食品添加物としては、糖質、甘味料、増粘剤、乳化剤、ビタミン類等を挙げることができ、具体的には、ショ糖、グルコース、フルクトース、黒糖等の糖質;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、還元水飴等の糖アルコール(甘味料);寒天、ゼラチン、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン等の増粘(安定)剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤;ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類;香料等を挙げることができる。
本発明の飲食品中の泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物の含有量は特に制限されるものではないが、例えば20〜80%程度であり、好ましくは40〜60%である。
本発明の医薬品又は医薬部外品(以下、「医薬品等」ということがある)は、上記泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物に、必要に応じ、薬学的に許容される担体と組み合わせて製剤化できる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水、糖アルコール等が挙げられる。さらに必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤、賦形剤等の慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
本発明の医薬品等の剤型は特に限定されないが、例えば、液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤、坐剤、外用剤等が挙げられ、常法に従って調製することができる。
本発明の医薬品等における泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物の含有量は特に限定されるものではないが、例えば20〜80%であり、好ましくは40〜60%である。
本発明の経口組成物は、これを経口摂取ないし投与することにより優れた整腸作用を有するものである。本発明において整腸作用とは、便通を促進させる作用、便の状態・形状を改善する作用、腸内細菌叢のバランスを改善する作用、便のにおいを低減する作用等を意味する。一般的に、腸内において、いわゆる善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスを維持することが重要であると考えられ、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)やラクトバシラス属(Lactobacillales)の微生物が善玉菌と呼ばれるのに対し、クロストリジウム属(Clostridium)の微生物は悪玉菌とされるところ、本発明の経口組成物を摂取すると、クロストリジウム属微生物を減少させることができる。
また本発明の経口組成物は、経口摂取ないし投与することにより、アルコール飲料摂取後の血中エタノール濃度及びアセトアルデヒド濃度の上昇を抑制することができ、吐き気、嘔吐、体のだるさ、目覚めの悪さ、スッキリしない感じ、悪酔い、二日酔いなどの不快な症状を予防ないし軽減することができる。
さらに本発明の経口組成物を、経口摂取ないし投与することにより、皮膚表面水分量減少の抑制等に基づき、保湿効果を得ることができる。
本発明の経口組成物には、整腸、アルコール代謝促進又は保湿に関する効果ないし機能を明示的又は暗示的に表示することができる。このような表示としては、特に限定されないが、便通改善効果、腸内フローラ改善効果、腸内環境改善効果、便通促進効果、アルコール代謝促進効果、血中エタノール濃度上昇抑制効果、血中アセトアルデヒド濃度上昇抑制効果、悪酔い又は二日酔い防止効果、保湿効果、化粧のり改善効果、乾燥肌改善効果、保水力向上効果、潤い向上効果あるいはこれらと同視できる表示などが挙げられる。このような表示は、本発明の飲食品、医薬品等の態様に応じて、飲食品又は医薬品等自体に付してもよいし、これらの容器又は包装に付してもよい。
以下、本発明を実施例等を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
参 考 例 1
泡盛蒸留粕液体部の調製:
タイ米1000Kgを水に浸漬し、蒸気で蒸した後、黒麹菌400gを散布して2日間かけて製麹した。この麹に水1800Lと乾燥酵母300gを復水したものを加えもろみを調製し、約20日間程度発酵させた。この熟成もろみを単式蒸留機により留液のアルコール濃度が5〜10%になるまで蒸留した。蒸留後単式蒸留機に残った泡盛蒸留粕を圧搾ろ過により液体部を分離した。なお、種麹にはアスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・サイトウイ(石川種麹店)を使用し、酵母には泡盛101号(沖縄県酒造組合)を使用した。
製 造 例 1
泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物の調製:
参考例1で得られた泡盛蒸留粕液体部を5M NaOHでpH6.4に調整した後、終濃度1%となるように上白糖を添加し溶解させ、無糖練乳と泡盛蒸留粕液体部を1:9になるように溶解させた。本溶液を100mL三角フラスコに50 mLずつ調製した後、ウォーターバスで85℃で3時間処理した。処理後の溶液50mLに対して、Lactobacillus plantarum L3323株をMRS液体培地で30℃、12時間培養した溶液1mLを添加し、30℃で48時間発酵させた。次いで泡盛101号乾燥酵母1gを40℃の水100mLで1時間復水した溶液1mLを添加し30℃で48時間発酵させて、泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物を得た。
試 験 例 1
整腸及び美白効果試験:
美らbio(株式会社石川酒造場社製)を被験食品とし、1日に1回、100mLを夕食後〜就寝前までに被験者に摂取させた(被験食品群)。プラセボ食品群には、泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物を含有しない果汁飲料を同様に摂取させた。摂取期間は8週間とした。試験の対象者は下記基準に基づき選択し(各群28名)、無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を実施した。
(1)年齢が20歳以上64歳以下の男女
(2)普段の排便回数が1週間に3〜5回程度を中心とした、便秘傾向の者
(3)規則的な食生活(1日3食(朝、昼、夕))を送っている者
(4)自覚症状として肌の乾燥が気になる者
被験者は、前観察期間(2週間)及び摂取期間を通じて、排便回数、便形状、便の臭いなど便通について記録した。また摂取前、摂取後4週目、8週目に腸内フローラ解析、皮膚表面水分量測定を行った。摂取期間終了後、所定の選択基準に従って解析対象者を選定し、被験食品群25名、プラセボ食品群24名を解析対象とした。下記評価項目について、以下の方法に従って有効性を評価した。
[整腸作用]
(1)排便日数
摂取期間の前観察期間からの実測値について、群間の差をMann−WhitneyのU検定を用いて評価した。また、各群それぞれにおいて摂取後各時点の前観察からの変化量を算出し、群内、群間の変動をWilcoxonの符号付順位和検定、Mann−WhitneyのU検定にて評価した。その結果、図1に示すとおり、1週間ごとの排便日数について、8週目の変化量において群間の有意差が認められた。
(2)便形状
前観察期間および摂取期間の採便時の形状を、7段階評価(1:コロコロ便、2:硬い便、3:やや硬い便、4:普通便、5:やや柔らかい便、6:泥状便、7:水様便)して1点〜7点とスコア化し、実測値および摂取期間と前観察期間の差を用いて被験食品群とプラセボ群との群間比較を行った。検定方法はMann−WhitneyのU検定とした。各群内の変動については、Wilcoxonの符号付順位和検定で評価した。その結果、1週間ごとの変化量では、4,5,7,8週目に群間における優位な差が認められた(図2)。また4週ごとの変化量では、8週目に群間における有意な差が認められた(図3)。
(3)便のにおい
前観察期間および摂取期間の採便時のにおいについて、下記表1に基づき5段階評価を行って1点〜5点とスコア化し、実測値および摂取期間と前観察期間の差を用いて被験食品群とプラセボ群との群間比較を行った。検定方法はMann−WhitneyのU検定とした。各群内の変動については、Wilcoxonの符号付順位和検定で評価した。その結果図4に示すとおり、1週間ごとの測定スコアで1週目、5週目に群間における有意な差が認められた。
(4)腸内フローラパターン
腸内フローラは、PCR法にて、Bifidobacterium、Lactobacillales、Bacteroides、Prevotella、Clostridium cluster IV、Clostridium subcluster XIVa、Clostridium cluster IX、Clostridium cluster XI、Clostridium cluster XVIII、othersのそれぞれの類型に分類し、それらの占有率を測定した。摂取後8週目の前観察期間からの実測値および変化量について、被験食品群とプラセボ群とを、2標本t検定を用いて評価した。各群内の変動については、対応のあるt検定で評価した。その結果、Clostridium cluster XIについては、8週目の測定値に有意な差が認められ、その変化量は群間のp値が0.088であり、有意な傾向が認められた。
[保湿作用]
(5)皮膚表面水分量測定
摂取後各時点の検査の値の実測値および摂取前値からの変化量について、被験食品摂取群とプラセボ摂取群とを2標本t検定を用いて比較した。各群内の変動については、対応のあるt検定を用いて評価した。図5に示すとおり、摂取4週後の変化量について群間のp値が0.053であり、有意な傾向が認められた。
試 験 例 2
アルコール代謝促進試験:
美らbio(株式会社石川酒造場社製)を被験食品とし、1日に1回、100mLを飲酒前に被験者に摂取させた(被験食品群)。アルコール負荷は、実質エタノール量で0.5g/体重kgとなるように各被験者ごとに調製した泡盛の水割り150mLを使い、全量を15分かけて摂取させた。プラセボ食品群には、同様にアルコールを負荷し、泡盛蒸留粕乳酸菌発酵物を含有しない果汁飲料を同様に摂取させた。アルコール負荷の15分前、30分後、60分後、120分後、180分後に採血し、血中エタノール濃度及びアセトアルデヒド濃度を測定した。またその際、自覚症状についてアンケートを実施した。アンケートでは、質問項目に対し、下記6段階基準に従って回答してもらいスコア化した。アルコール負荷の翌朝には、自覚症状をVAS(Visual Analogue Scale)により10段階で回答してもらいスコア化した(0点:最も良い状態、10点:最も悪い状態)。試験の対象者は健常な成人男性でアルコール摂取可能な者全16名とし(各群8名)、無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を実施した。統計処理は各時点の群間を対応のあるt検定により行った。
(自覚症状アンケート回答基準)
1点 全く当てはまらない
2点 殆ど当てはまらない
3点 余り当てはまらない
4点 少し当てはまる
5点 かなり当てはまる
6点 非常に当てはまる
自覚症状アンケートでは、「酔いの覚めが早いと感じた」の質問項目について、120分後及び180分後において、被験食品群がプラセボ食品群に対し有意に改善した。また「脈が速くなる」の質問項目について、60分後、180分後において、被験食品群がプラセボ食品群と比較して有意に改善した。翌朝の自覚症状については、図6に示すとおり、「目覚めのよさ」、「スッキリ感」、「体のだるさ」のいずれの項目についても、被験食品群がプラセボ食品群と比較して有意に改善されることが示された。
図7及び図8に示すとおり、血中エタノール及び血中アセトアルデヒド濃度は、被験食品群がプラセボ食品群と比べ有意に低い値を示し、被験食品群の摂取により血中においてエタノールの吸収が妨げられていることが示唆された。
本発明の経口組成物は、優れた整腸作用、アルコール代謝促進効果及び保湿効果を有するものであり、また泡盛蒸留粕に特有のもろみ臭が低減されたものであるため、日常的に摂取することでこれらの効能が得られる飲食品等として有用なものである。

Claims (14)

  1. 泡盛蒸留粕含有組成物のラクトバチルス・プランタラム属乳酸菌発酵物を有効成分として含有する整腸用、アルコール代謝促進用又は保湿用経口組成物。
  2. ラクトバチルス・プランタラム属乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムL3323株、L106716株、L1337株及びL1390株よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の経口組成物。
  3. 泡盛蒸留粕含有組成物が乳成分を含有するものである請求項1または2に記載の経口組成物。
  4. 泡盛蒸留粕含有組成物がさらに糖類を含有するものである請求項1〜3のいずれかの項記載の経口組成物。
  5. 整腸用である請求項1〜4のいずれかの項記載の経口組成物。
  6. 腸内細菌叢改善用である請求項5記載の経口組成物。
  7. 便通改善用である請求項5記載の経口組成物。
  8. アルコール代謝促進用である請求項1〜4のいずれかの項記載の経口組成物。
  9. 血中エタノール濃度上昇抑制用である請求項8記載の経口組成物。
  10. 血中アセトアルデヒド濃度上昇抑制用である請求項8記載の経口組成物。
  11. 悪酔い又は二日酔い防止用である請求項8記載の経口組成物。
  12. 保湿用である請求項1〜4のいずれかの項記載の経口組成物。
  13. 飲食品である請求項1〜12のいずれかの項記載の経口組成物。
  14. 医薬品又は医薬部外品である請求項1〜12のいずれかの項記載の経口組成物。
JP2019158407A 2019-08-30 2019-08-30 経口組成物 Pending JP2021036776A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019158407A JP2021036776A (ja) 2019-08-30 2019-08-30 経口組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019158407A JP2021036776A (ja) 2019-08-30 2019-08-30 経口組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021036776A true JP2021036776A (ja) 2021-03-11

Family

ID=74846698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019158407A Pending JP2021036776A (ja) 2019-08-30 2019-08-30 経口組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021036776A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007259742A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Satsuma Shuzo Kk 焼酎粕発酵食品及びその製造方法
KR20130092183A (ko) * 2012-02-10 2013-08-20 매일유업주식회사 아세트알데하이드 분해능이 우수한 락토바실러스 플란타룸 및 그를 함유하는 조성물
JP2016116511A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 株式会社石川酒造場 泡盛もろみ酢発酵飲料の製造方法
JP2018191638A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 セル バイオテック カンパニー リミテッド アルコールまたはアセトアルデヒド分解用プロバイオティクスを含む組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007259742A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Satsuma Shuzo Kk 焼酎粕発酵食品及びその製造方法
KR20130092183A (ko) * 2012-02-10 2013-08-20 매일유업주식회사 아세트알데하이드 분해능이 우수한 락토바실러스 플란타룸 및 그를 함유하는 조성물
JP2016116511A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 株式会社石川酒造場 泡盛もろみ酢発酵飲料の製造方法
JP2018191638A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 セル バイオテック カンパニー リミテッド アルコールまたはアセトアルデヒド分解用プロバイオティクスを含む組成物

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"琉球泡盛蔵元がつくった乳酸菌飲料「美らBio」", WAYBACK MACHINE ARCHIVE, JPN6023011598, 22 May 2019 (2019-05-22), ISSN: 0005023956 *
"肌のくすみや乾燥…腸内のビフィズス菌不足が原因", NIKKEI STYLE, JPN6023011597, 8 January 2014 (2014-01-08), ISSN: 0005023957 *
"腸内細菌が皮膚生理に及ぼす影響", 第15回腸内細菌学会, JPN6023011599, 2011, pages 2 - 4, ISSN: 0005023958 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4163631B2 (ja) 無辛味品種トウガラシの発酵組成物及びその利用
JP4874532B2 (ja) 睡眠改善剤
JP6991092B2 (ja) 睡眠の質改善剤
KR101490786B1 (ko) 아까시재목버섯의 물 추출물을 포함하는 비만 치료 또는 예방용 조성물
JP2014237715A (ja) アルコール性疲労改善剤
JP2011132174A (ja) 持久力向上剤
JP2002238494A (ja) 乳酸菌発酵液の製造方法及び該発酵液を原料とする食品
KR20180042936A (ko) 치마버섯 분리 균사체 배양액을 유효성분으로 함유하는 숙취해소 및 간질환의 예방 및 치료용 약학조성물
TWI784621B (zh) 中藥發酵液及其提神、改善疲勞、護肝、提升免疫力、降血脂之用途
JP2010209015A (ja) 抗アレルギー用組成物及びそれを含有する抗アレルギー剤および抗アレルギー食品
JP2021036776A (ja) 経口組成物
JP2009114111A (ja) カルシウム吸収促進剤
JP7011347B2 (ja) ベータグルカンを有効成分とする二日酔い解消用組成物またはアルコール性肝疾患の予防、改善または治療用組成物
JP6418456B2 (ja) 尿酸排泄促進組成物
JP2002193823A (ja) 悪酔い・二日酔い予防剤
US11260066B2 (en) Inhibiting reduction of lean body mass and inhibiting accumulation of liver fat by administering allulose
CN115702001A (zh) 用于抑制或改善抑郁的组合物
JP2009102276A (ja) 抗糖尿病剤
KR20110051545A (ko) 오디 발효 추출물을 유효성분으로 함유하는 통풍의 예방 또는 치료용 조성물
JP2019149978A (ja) アルコール代謝促進作用を有する組成物およびそれを含有する食品
CN110862900A (zh) 一种果蔬发酵液的制备方法及其应用
JP2009155291A (ja) ストレス性脱毛予防改善育毛剤
JP6829487B2 (ja) 抗疲労剤
JP2000139451A (ja) 腸内酪酸菌生育促進剤
JP7090267B2 (ja) 血糖値上昇抑制剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230927