JP2021036557A - 抵抗器及び抵抗器の製造方法 - Google Patents

抵抗器及び抵抗器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】端子板の位置決めを精度良くすることができる抵抗器及び抵抗器の製造方法を提供する。【解決手段】抵抗器1は、柱状の絶縁体211と、絶縁体211の両端にそれぞれ一対のキャップ213を通じて設けられる一対の端子板22と、を有する抵抗体本体2と、端子板22の両側面に対向する一対の側面壁31と、側面壁31の上端に形成される開口32と、側面壁31の下端に設けられる底面壁33と、一対の側面壁31及び底面壁33によって取り囲まれることで形成され絶縁体211を収容する収容空間35と、を有するボックス型のケース3と、を備える。端子板22には、一対の側面壁31にそれぞれ当接する一対の位置決め係止部23が設けられ、側面壁31の内壁面311は、一対の側面壁31間の距離が側面壁31の上端側から側面壁31の下端側に向かうに従って小さくなるように形成される傾斜面からなる。【選択図】図4

Description

本発明は、抵抗器及び抵抗器の製造方法に関する。
特許文献1には、柱状の絶縁体と、絶縁体の両端に設けられる一対の端子板付きキャップと、一面に開口を有し端子板を開口から外部に突出した状態で絶縁体を収容するケースと、端子板付きキャップに設けられケースの側面壁に当接することで端子板の位置決めをする位置決め係止部と、を備える抵抗器が開示されている。
特開平11−195503号公報
特許文献1に記載の抵抗器に用いられるケースによっては、ケースの開口(先端)にバリが発生するものがある。これにより、開口が設計値よりも狭くなり、開口において位置決め係止部が大きく変形しすぎてしまう。そして、大きく変形しすぎて復元できなくなった位置決め係止部が上手くケースの側面壁に当接できず、端子板の位置決めを精度よくすることができないという問題点を発明者らは発見した。
本発明は、この問題点に着目してなされたものであり、端子板の位置決めを精度良くすることができる抵抗器及び抵抗器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様によれば、柱状の絶縁体と、前記絶縁体の両端を覆うように設けられる一対のキャップと、前記絶縁体の両端にそれぞれ一対の前記キャップを通じて設けられる一対の端子板と、を有する抵抗体本体と、前記端子板の両側面に対向する二つの側面壁と、前記側面壁の一端に形成される開口と、前記側面壁の他端に設けられる底面壁と、二つの前記側面壁及び前記底面壁によって取り囲まれることで形成され前記絶縁体を収容する収容空間と、を有するボックス型のケースと、を備え、前記端子板には、塑性を有するとともに二つの前記側面壁のうちの少なくとも一方に当接する位置決め係止部が設けられ、前記側面壁の内壁面は、前記位置決め係止部に当接する当接領域を有し、前記当接領域は、二つの前記側面壁間の距離が前記側面壁の一端側から前記側面壁の他端側に向かうに従って小さくなるように形成される、抵抗器が提供される。
本発明の態様によれば、抵抗器における端子板の位置決めを精度良くすることができる。
図1は、本実施形態に係る抵抗器の斜視図である。 図2は、抵抗器を構成する抵抗体本体の斜視図である。 図3は、抵抗器を構成するケースの斜視図である。 図4は、図1におけるIV−IV線に沿う概略断面図である。 図5は、抵抗器を製造する抵抗器の製造方法のフローチャートである。 図6は、抵抗体本体の変形例の斜視図である。 図7は、位置決め係止部の第1変形例の正面図である。 図8は、位置決め係止部の第2変形例の正面図である。 図9は、ケースの側面壁の第1変形例の概略断面図である。 図10Aは、ケースの側面壁の第2変形例の概略断面図である。 図10Bは、ケースの側面壁の第3変形例の概略断面図である。 図10Cは、ケースの側面壁の第4変形例の概略断面図である。 図10Dは、ケースの側面壁の第5変形例の概略断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。なお、図中において、抵抗器1の長手方向、幅方向及び高さ方向を、それぞれX軸に沿う方向、Y軸に沿う方向及びZ軸に沿う方向とする。以下、説明の便宜上、抵抗器1の長手方向、幅方向及び高さ方向を単に長手方向、幅方向及び高さ方向と称する。
(抵抗器の構成)
まず、図1から図3を参照しながら本実施形態に係る抵抗器1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る抵抗器1の斜視図である。図2は、抵抗器1を構成する抵抗体本体2の斜視図である。図3は、抵抗器1を構成するケース3の斜視図である。
図1から図3に示す抵抗器1は、抵抗体本体2と、抵抗体本体2の一部を収容するボックス型のケース3と、抵抗体本体2の一部がケース3に収容された状態でケース3を封止する封止材としてのセメント材(図示しない)と、を備える。
図2に示すように、抵抗体本体2は、抵抗体21と、一対のキャップ213と、一対の端子板22と、を有する。一対のなお、一対の端子は、それぞれ一対の端子板22及び一対のキャップ213によって構成される。
抵抗体21は、円柱状の絶縁体211と、絶縁体211の外周面に巻き付けられる螺旋状の線材212と、を有する。
絶縁体211は、芯材であり、円柱状をなしているが、これに限定されるものではなく、例えば、三角柱状又は四角柱状をなしてもよい。すなわち、絶縁体211は、柱状さえなしていれば足りる。また、絶縁体211は、アルミナ焼結体又はガラス繊維束からなる。線材212は、いわゆる抵抗線であり、導電性を有する金属線材からなる。具体的には、線材212は、例えばニッケル・鉄合金(Ni−Fe)、銅・ニッケル合金(Cu−Ni)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)又はニッケル・クロム合金(Ni−Cr)等からなる。
本実施形態では、抵抗体21は、絶縁体211と、絶縁体211の外周面に巻き付けられる線材212と、を有しているが、これに限定されるものではなく、例えば、線材212の代わりに絶縁体211の外周面に着膜される抵抗皮膜を有してもよい。この場合、抵抗皮膜は、金属皮膜、炭素皮膜、メタルグレーズ皮膜又は酸化金属皮膜等からなる。
一対のキャップ213は、絶縁体211の両端を覆うように設けられる。また、一対のキャップ213は、金属製キャップである。具体的には、一対のキャップ213は、例えば鉄又は銅等からなる。
一対の端子板22は、それぞれ一対のキャップ213を通じて絶縁体211の両端に設けられる。具体的には、一対の端子板22は、それぞれ一対のキャップ213の対向する一端に設けられる。一対の端子板22は、導電性を有する金属板からなる。具体的には、一対の端子板22は、例えば鉄、銅又は銀等からなる。また、本実施形態では、一対の端子板22は、それぞれ一対のキャップ213と一体成形されているが、これに限定されるものではなく、例えば、溶接等によりそれぞれ一対のキャップ213に接合されてもよい。
また、各端子板22は、ケース3から突出して回路基板等に実装する先端部221(図4参照/二点鎖線で区切られた上方部分)と、セメント材によりケース3内に封止される基端部222(図4参照/二点鎖線で区切られた下方部分)と、を有する。端子板22の基端部222には、ケース3の後述する側面壁31(図3参照)に当接する一対の位置決め係止部23が設けられる。なお、一対の位置決め係止部23の詳細については後述する。
図3に示すように、ケース3は、セラミックスからなるトップオープンボックス型のケースである。具体的には、ケース3は、酸化物粉末等からなる原料(例えば、セラミックパウダー)を金型でプレスすることにより成形体を形成し、成形体を焼結することにより形成される。そして、形成されたケース3の開口32(先端)には、ケース3の開口32にバリが発生するものがある。
本実施形態では、ケース3は、乾式法により酸化物粉末等からなる原料をプレスして成形体を形成し、成形体を焼結することにより形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、湿式法により練られたセラミック原料を型に嵌めて形成されてもよい。
また、本実施形態では、ケース3は、セラミックスからなっているが、これに限定されるものではなく、例えば樹脂材、アルミナ又は金属材からなってもよい。
ケース3は、長手方向に延在するように設けられ端子板22の両側面に対向する一対の側面壁31と、側面壁31の一端としての上端に形成される開口32と、側面壁31の他端としての下端に形成される底面壁33と、一対の側面壁31を繋ぐ一対の端面壁34と、一対の側面壁31、底面壁33及び一対の端面壁34によって取り囲まれることで形成され抵抗体21を収容する収容空間35と、を有する。なお、一対の側面壁31の詳細については後述する。
開口32は、ケース3のオープンな部分であり、外部とケース3の収容空間35との境界にあたる。一対の端子板22の基端部222は、開口32を介して収容空間35に収容される(図4参照)。底面壁33は、一対の端子板22の基端部222が収容空間35に収容された状態において一対の端子板22の延在方向と直交するように設けられ、一対の端子板22の基端部222に当接していない。
一対の端面壁34は、それぞれ一対の端子板22よりも外側に位置する一対のキャップ213に対向する。また、端面壁34とキャップ213との間には、クリアランスが形成される。これにより、端面壁34とキャップ213との当接によるキャップ3の損傷を防止することができる。
また、ケース3の強度を維持しつつケース3の外形を大きくせずに収容空間35を大きくするために、図3に示すように収容空間35の各隅部を、丸みを帯びた形状とする。これにより、ケース3の強度を維持することができるので、熱膨張の影響を緩和して収容空間35の各隅部にクラックが発生しにくくなる。
次に、図4を参照しながら位置決め係止部23及び側面壁31について説明する。
図4は、図1におけるIV−IV線に沿う概略断面図である。
図4に示すように、一対の位置決め係止部23は、一対の端子板22の基端部222がケース3の収容空間35に収容された状態においてケース3の側面壁31(具体的には、側面壁31の内壁面311)に当接するように端子板22の基端部222の両側面に設けられる。抵抗体21、一対のキャップ213及び一対の端子板22の基端部222がケース3の収容空間35に収容されていない際に、一対の位置決め係止部23間の距離(具体的には、後述する屈曲部232の先端間の距離)は、幅方向のケース3の開口32における距離よりも大きい。位置決め係止部23は、塑性を有するので、抵抗体本体2をケース3に収容するときに一対の位置決め係止部23が内壁面311に押し付けられる力(外力)により変形することができる。
また、位置決め係止部23は、端子板22の側面から突出した突出部231(図4の破線で区切られた下方部分)と、突出部231から屈曲した屈曲部232(図4の破線で区切られた上方部分)と、を有する。
突出部231は、側面壁31の内壁面311に当接しないように基端部222の側面から傾斜して突出する。屈曲部232は、その先端が側面壁31の内壁面311に当接するように基端部222の側面に対し傾斜して形成される。そして、基端部222の側面に対する突出部231の傾斜度は、基端部222の側面に対する屈曲部232の傾斜度よりも大きい。すなわち、位置決め係止部23は、二段階に傾斜して形成される。
位置決め係止部23が二段階に傾斜することにより、抵抗体本体2をケース3に収容するときに位置決め係止部23の先端(屈曲部232)が変形しやすく、位置決め係止部23の端子板22の側面から突出した突出部231は変形しにくいため、位置決め係止部23の変形による応力が抵抗体本体2に加わりにくい。
さらに、位置決め係止部23の先端(屈曲部232)を、丸みを帯びた形状にすると、側面壁31の内壁面311を傷つけにくい。この結果、外力に対する抵抗が少なくなり変形しやすく、加えて一対の位置決め係止部23をそれぞれ同程度曲げることができるため、端子板22のねじれが起こりにくくなる。ここで、「端子板22のねじれ」とは、端子板22の位置ずれによって、一対の端子板22の突出高さ、向きがばらついた状態を指す。
このように、位置決め係止部23は、突出部231に加え、突出部231から屈曲した屈曲部232を有するので、単に端子板22の基端部222の側面から傾斜して形成される位置決め係止部に比べ、位置決め係止部23が変形しやすく、側面壁31の内壁面311に確実に当接させることができる。
本実施形態では、屈曲部232は、突出部231の先端から開口32側に向かって延在する。また、屈曲部232は、端子板22の基端部222の側面に対向する対向面232aと、対向面232aとは反対の面であって側面壁31に当接する当接面232bと、を有する。
屈曲部232の対向面232aは、当接面232bが側面壁31に当接して位置決め係止部23が変形した場合であっても、端子板22の基端部222の側面に干渉しないように形成される。すなわち、当接面232bが側面壁31に当接して位置決め係止部23が変形した場合であっても、対向面232aと端子板22の基端部222の側面との間に存するクリアランスが小さくなるものの、無くなることはない。
これにより、位置決め係止部23の変形による端子板22の基端部222と位置決め係止部23との干渉が抑制される。当接面232bは、側面壁31の内壁面311に面当接してもよい。この場合、端子板22のねじれが抑制されるので、端子板22の位置決めをより精度良くすることができる。
図4に示すように、一対の側面壁31の内壁面311は、底面壁33に直交する側面壁31の外壁面312に対し傾斜した一対の傾斜面である。具体的には、一対の側面壁31の内壁面311は、側面壁31の幅方向(Y軸方向)における厚み(以下、単に側面壁31の厚みと称する。)が側面壁31の下端側である底面壁33側から側面壁31の上端側である開口32側に向かうに従って小さくなるように、底面壁33に直交する側面壁31の外壁面312に対し傾斜した一対の傾斜面である。
つまり、一対の側面壁31の内壁面311は、一対の端子板22の基端部222がケース3の収容空間35に収容された状態においてそれぞれ一対の位置決め係止部23に当接する当接領域Aを有する。当接領域Aは、一対の側面壁31間の幅方向における距離(以下、単に一対の側面壁31間の距離と称する。)が側面壁31の上端側から側面壁31の下端側に向かうに従って小さくなるように形成される。
ここで、「当接領域A」とは、抵抗体本体2がケース3の開口32から端子板22の基端部222が底面壁33に当接するまでケース3の収容空間35に挿入される過程において、位置決め係止部23が当接することができる側面壁31の内壁面311の領域である。
また、一対の側面壁31の内壁面311は、当接領域Aに加えて、当接領域Aよりも底面壁33側に位置し、それぞれ一対の位置決め係止部23に当接することができない非当接領域Bを有する。すなわち、内壁面311の当接領域Aは、内壁面311の非当接領域Bよりも開口32側に位置する。
以上により、一対の側面壁31間の距離が一定であるものに比べ、一対の位置決め係止部23が一対の側面壁31に当接して係止された位置における一対の側面壁31間の距離を大きくすることなく、開口32における一対の側面壁31間の距離を大きくすることができる。このため、一対の位置決め係止部23がケース3の開口32のバリによって大きく変形しすぎてしまうことが抑制される。この結果、一対の位置決め係止部23がそれぞれ確実に一対の側面壁31に当接することができ、一対の端子板22の位置決めを精度よくすることができる。
端子板22の基端部222を開口32を介してケース3の収容空間35に挿入させる際に、一対の側面壁31の内壁面311としての一対の傾斜面は、それぞれ一対の位置決め係止部23を当接により変形させながら開口32から収容空間35の係止位置に向かってスムーズにガイドすることができる。
そして、開口32における一対の側面壁31間の距離確保及び側面壁31の強度維持の両立を図る観点かつ、位置決め係止部23の屈曲部232を側面壁31の内壁面311に追従して変形させることができる観点から、傾斜面の傾斜角(外壁面312に対する内壁面311の傾斜角)は、0.5°以上3.0°以下であることが好ましい。傾斜面の傾斜角が0.5°を下回ると、開口32における一対の側面壁31間の距離は、十分に大きく確保できず、やはり一対の位置決め係止部23が開口32のバリによって大きく変形しすぎてしまう。一方、傾斜面の傾斜角が3.0°を上回ると、側面壁31の上端側である開口32側の厚みが薄くなりすぎて側面壁31全体の強度を維持することが困難である。さらに、傾斜面の傾斜角が3.0°を上回ると、位置決め係止部23の屈曲部232を側面壁31の内壁面311に当接させるための屈曲部232の変形量が大きくなりすぎ追従して変形せず、側面壁31の内壁面311を傷付けるおそれがあり、また、一対の位置決め係止部23の屈曲部232の変形量を同程度にすることが難しくなり、端子板22がねじれてケース3に収容される可能性がある。
また、傾斜面の傾斜角は、1.0°以上2.0°以下であることがより好ましい。本実施形態では、傾斜面の傾斜角は、1.0°である。
図4に示すように、一対の位置決め係止部23がそれぞれ変形して一対の側面壁31に当接した状態において、一対の端子板22は、一対の側面壁31に当接しておらず、一対の側面壁31から離間する。具体的には、一対の端子板22の先端部221及び基端部222のいずれも、一対の側面壁31に当接しておらず、一対の側面壁31から離間する。
ケース3の封止材としてのセメント材は、フィラー、バインダー樹脂、溶剤又は添加剤(特に沈降抑制剤)等からなる。セメント材は、抵抗体21及び一対の端子板22の基端部222がケース3の収容空間35に収容された状態において、ケース3の収容空間35を封止する。これにより、位置決めが精度よくされた一対の端子板22をケース3に容易に固定することができる。また、封止材が抵抗体本体2の下方に確実に入り込むため、抵抗体1の耐熱性が向上する。
(抵抗器の製造方法)
次に、図5を参照しながら抵抗器1の製造方法について説明する。
図5は、抵抗器1を製造する抵抗器1の製造方法のフローチャートである。
図5に示すように、まず、工程S1において、一対の端子板22と一対のキャップ213とを円柱状の絶縁体211の両端に設けることにより、抵抗体本体2を形成する。具体的には、工程S1において、端子板22と一体成形したキャップ213をそれぞれ、例えば圧入工程等により円柱状の絶縁体211の両端に装着する。そして、一方のキャップ213の外周側面に線材212の先端を溶接等により溶着し、円柱状の絶縁体211の外周面に線材212を螺旋状に巻き付け、他方のキャップ213の外周側面に線材212の終端を先端と同様に溶着することにより、抵抗体本体2を形成する。
次に、工程S2において、ケース3を形成する。具体的には、工程S2において、酸化物粉末等からなる原料を金型でプレスすることにより、成形体を形成し、成形体を乾燥させ、焼結炉等で焼結することにより、トップオープンボックス型のケース3を形成する。
次に、工程S3において、工程S2で形成されたケース3の収容空間35にセメント材を充填する。
次に、工程S4において、工程S1で形成された抵抗体本体2を、ケース3の開口32からケース3の収容空間35に挿入し、収容空間35に対する抵抗体本体2の位置決めをする。そして、工程S4を行う際に、終始一対の端子板22がケース3における一対の側面壁31に当接していない。
具体的には、工程S4において、一対の端子板22を治具等により高さ方向の下方に押下することにより、抵抗体本体2を開口32から収容空間35に挿入し、収容空間35に対する抵抗体本体2の位置決めをする。また、工程S4を行う際に、端子板22の基端部222に設けられた一対の位置決め係止部23がそれぞれ一対の側面壁31に当接しながら変形する。
最後に、工程S5において、工程S3で収容空間35に充填されたセメント材を乾燥・焼付けてから、抵抗器1が完成する。
本実施形態では、工程S2は、工程S1の実行後に実行されているが、これに限定されるものではなく、例えば、工程S1の実行前に実行されてもよいし、工程S1と同時に実行されてもよい。また、本実施形態では、工程S4は、工程S3の実行後に実行されているが、これに限定されるものではなく、工程S3の実行前に実行されてもよい。さらに、本実施形態の工程S1では、円柱状の絶縁体211の両端に端子板22と一体成形したキャップ213をそれぞれ装着した後に、線材212を螺旋状に巻き付けているが、これに限定されるものではなく、例えば、円柱状の絶縁体211の外周側面に線材212を巻き付けた後に、端子板22と一体成形したキャップ213をそれぞれ装着してもよい。
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
以上述べたように、本実施形態に係る抵抗器1は、柱状の絶縁体211と、絶縁体211の両端を覆うように設けられる一対のキャップ213と、絶縁体211の両端にそれぞれ一対のキャップ213を通じて設けられる一対の端子板22と、を有する抵抗体本体2と、端子板22の両側面に対向する一対の側面壁31と、側面壁31の上端に形成される開口32と、側面壁31の下端に設けられる底面壁33と、一対の側面壁31及び底面壁33によって取り囲まれることで形成され絶縁体211を収容する収容空間35と、を有するボックス型のケース3と、を備える。端子板22には、塑性を有するとともに一対の側面壁31のそれぞれに当接する一対の位置決め係止部23が設けられ、側面壁31の内壁面311は、位置決め係止部23に当接する当接領域Aを有し、当接領域Aは、一対の側面壁31間の距離が側面壁31の上端側から側面壁31の下端側に向かうに従って小さくなるように形成される。
一方、本実施形態に係る抵抗器1を製造する抵抗器1の製造方法は、一対の端子板22を一対のキャップ213を介して絶縁体211の両端に設けることにより、抵抗体本体2を形成する工程と、封止材を収容空間35に充填する工程と、形成された抵抗体本体2を、一対の端子板22が一対の側面壁31に当接することなく、開口32から収容空間35に挿入して、収容空間35に対する抵抗体本体2の位置決めをする工程と、を含む。
これらの構成によれば、一対の側面壁31間の距離が一定であるものに比べ、一対の位置決め係止部23が一対の側面壁31に当接して係止された位置における一対の側面壁31間の距離を大きくすることなく、開口32における一対の側面壁31間の距離を大きくすることができる。このため、一対の位置決め係止部23がケース3の開口32のバリの影響を受けにくく、位置決め係止部23が大きく変形しすぎてしまうことが抑制される。この結果、一対の位置決め係止部23がそれぞれ確実に一対の側面壁31に当接することができ、一対の端子板22の位置決めを精度よくすることができる。
また、本実施形態では、側面壁31の内壁面311は、傾斜した傾斜面からなる。この構成によれば、側面壁31の内壁面311における当接領域Aが傾斜した傾斜面により容易に実現される。
また、本実施形態では、位置決め係止部23は、端子板22の側面から突出した突出部231と、突出部231から屈曲して側面壁31に当接する屈曲部232と、を有する。この構成によれば、単に端子板22の基端部222の側面から傾斜して形成される位置決め係止部に比べ、位置決め係止部23が変形しやすくなる。
また、本実施形態では、位置決め係止部23は、端子板22に対し傾斜するとともに側面壁31に面当接するように設けられる。この構成によれば、端子板22のねじれが抑制されるので、端子板22の位置決めをより精度良くすることができる。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
(変形例)
次に、図6を参照しながら抵抗体本体2の変形例について説明する。なお、本変形例では、上記実施形態と同様の点については、説明を省略し、上記実施形態と主に異なる点について説明する。
図6は、抵抗体本体2の変形例の斜視図である。
上記実施形態では、一対のキャップ213は、それぞれ一対の端子板22よりも外側に位置しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように一対の端子板22aは、それぞれ一対のキャップ213よりも外側に位置してもよい。この場合、一対の端子板22aは、それぞれ一対のキャップ213の対向しない端部(底部)に設けられる。また、一対の端面壁34は、それぞれ一対の端子板22aに対向する。これにより、絶縁体211の外周面に巻き付けられた線材212の両端を容易に一対のキャップ213の外周側面に溶着することができる。
次に、図7を参照しながら位置決め係止部23の第1変形例について説明する。なお、本変形例では、上記実施形態と同様の点については、説明を省略し、上記実施形態と主に異なる点について説明する。
図7は、位置決め係止部23の第1変形例の正面図である。
上記実施形態では、位置決め係止部23は、端子板22の基端部222の側面から突出した突出部231と、突出部231から開口32側に向かって屈曲して側面壁31に当接する屈曲部232と、を有しているが、これに限定されるものではない。例えば屈曲部232の代わりに、図7に示すように突出部231から底面壁33(図4参照)側に向かって屈曲して側面壁31(図4参照)に当接する屈曲部232aを有してもよい。この場合、一対の端子板22の基端部222がケース3の収容空間35(図4参照)に収容された状態では、屈曲部232aは、ストッパとして機能することができる。
次に、図8を参照しながら位置決め係止部23の第2変形例について説明する。なお、本変形例では、上記実施形態と同様の点については、説明を省略し、上記実施形態と主に異なる点について説明する。
図8は、位置決め係止部23の第2変形例の正面図である。
上記実施形態では、位置決め係止部23は、端子板22の基端部222の両側に一対設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、端子板22の基端部222の一方側に一つ設けられてもよい。この場合、図8に示すように端子板22の基端部222の他方側には、側面壁31の内壁面311(図4参照)に当接する当接部24が設けられる。なお、当接部24は、ガイドとしての機能を有し、外力により変形することができない。
さらに、位置決め係止部23の第1変形例と位置決め係止部23の第2変形例とを組み合わせることも可能である。すなわち、端子板22の基端部222の一方側には、図7に示す位置決め係止部23が設けられ、端子板22の基端部222の他方側には、図8に示す当接部24が設けられる。
次に、図9を参照しながらケース3の側面壁31の第1変形例について説明する。なお、本変形例では、上記実施形態と同様の点については、説明を省略し、上記実施形態と主に異なる点について説明する。
図9は、ケース3の側面壁31の第1変形例の概略断面図である。
上記実施形態では、ケース3の側面壁31は、その内壁面311が傾斜した傾斜面からなるように形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図9に示すようにその内壁面311aが湾曲した曲面からなるように形成されてもよい。この場合、側面壁31の内壁面311aにおける当接領域A1が湾曲した曲面により容易に実現される。
具体的には、側面壁31の内壁面311aは、傾斜した傾斜面に対し収容空間35側に隆起した曲面からなる。これにより、内壁面311が傾斜面からなる側面壁31に比べ、側面壁31の厚みを小さくすることなく、開口32における一対の側面壁31間の距離を大きくすることができるため、側面壁31の強度を向上させることができる。
次に、図10Aから図10Dを参照しながらケース3の側面壁31の第2変形例から第5変形例について説明する。なお、本変形例では、上記実施形態と同様の点については、説明を省略し、上記実施形態と主に異なる点について説明する。
図10Aは、ケース3の側面壁31の第2変形例の概略断面図である。図10Bは、ケース3の側面壁31の第3変形例の概略断面図である。図10Cは、ケース3の側面壁31の第4変形例の概略断面図である。図10Dは、ケース3の側面壁31の第5変形例の概略断面図である。
上記実施形態では、二つの側面壁31は、そのいずれかの内壁面311が傾斜した傾斜面からなるように形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、図10Aに示すように、その一方の内壁面311が傾斜した傾斜面からなるとともにその他方の内壁面311bが外壁面312に平行となった垂直面からなるように形成されてもよい。又は、図10Bに示すように、その一方の内壁面311aが湾曲した曲面からなるとともにその他方の内壁面311bが外壁面312に平行となった垂直面からなるように形成されてもよい。
これらの場合、図8に示す位置決め係止部23の第2変形例が特に適している。端子板22の基端部222の一方側に設けられた位置決め係止部23(図8参照)は、傾斜した傾斜面からなる内壁面311又は湾曲した曲面からなる一方の内壁面311aに当接するとともに、端子板22の基端部222の他方側に設けられた当接部24(図8参照)は、外壁面312に平行となった垂直面からなる他方の内壁面311bに当接する。
また、上記実施形態では、一対の側面壁31は、その内壁面311が全体に亘って傾斜した傾斜面からなるように形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、図10Cに示すように、その内壁面311cの当接領域A2のみが傾斜した傾斜面からなるように形成されてもよいし、図10Dに示すように、その内壁面311dの当接領域A3のみが湾曲した曲面からなるように形成されてもよい。
また、側面壁31の第4変形例(図10C)では、二つの側面壁31は、そのいずれかの内壁面311cの当接領域A2のみが傾斜した傾斜面からなるように形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、その一方の内壁面311cの当接領域A2のみが傾斜した傾斜面からなるとともにその他方の内壁面311bが外壁面312に平行となった垂直面からなるように形成されてもよい。
この場合、図8に示す位置決め係止部23の第2変形例が特に適している。端子板22の基端部222の一方側に設けられた位置決め係止部23(図8参照)は、内壁面311cの傾斜した傾斜面からなる当接領域A2に当接するとともに、端子板22の基端部222の他方側に設けられた当接部24(図8参照)は、外壁面312に平行となった垂直面からなる他方の内壁面311bに当接する。
また、側面壁31の第5変形例(図10D)では、二つの側面壁31は、そのいずれもの内壁面311dの当接領域A3のみが湾曲した曲面からなるように形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、その一方の内壁面311dの当接領域A3のみが湾曲した曲面からなるとともにその他方の内壁面311bが外壁面312に平行となった垂直面からなるように形成されてもよい。
この場合、図8に示す位置決め係止部23の第2変形例が特に適している。端子板22の基端部222の一方側に設けられた位置決め係止部23(図8参照)は、内壁面311cの湾曲した曲面からなる当接領域A3に当接するとともに、端子板22の基端部222の他方側に設けられた当接部24(図8参照)は、外壁面312に平行となった垂直面からなる他方の内壁面311bに当接する。
1 抵抗器
2 抵抗体本体
3 ケース
21 抵抗体
22 端子板
211 絶縁体
213 キャップ
31 側面壁
32 開口
33 底面壁
35 収容空間
311 内壁面

Claims (7)

  1. 柱状の絶縁体と、前記絶縁体の両端を覆うように設けられる一対のキャップと、前記絶縁体の両端にそれぞれ一対の前記キャップを通じて設けられる一対の端子板と、を有する抵抗体本体と、
    前記端子板の両側面に対向する二つの側面壁と、前記側面壁の一端に形成される開口と、前記側面壁の他端に設けられる底面壁と、二つの前記側面壁及び前記底面壁によって取り囲まれることで形成され前記絶縁体を収容する収容空間と、を有するボックス型のケースと、を備え、
    前記端子板には、塑性を有するとともに二つの前記側面壁のうちの少なくとも一方に当接する位置決め係止部が設けられ、
    前記側面壁の内壁面は、前記位置決め係止部に当接する当接領域を有し、
    前記当接領域は、二つの前記側面壁間の距離が前記側面壁の一端側から前記側面壁の他端側に向かうに従って小さくなるように形成される、
    抵抗器。
  2. 請求項1に記載の抵抗器であって、
    前記当接領域は、傾斜した傾斜面からなる、
    抵抗器。
  3. 請求項1に記載の抵抗器であって、
    前記当接領域は、湾曲した曲面からなる、
    抵抗器。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の抵抗器であって、
    前記位置決め係止部は、前記端子板の側面から突出した突出部と、前記突出部から屈曲して前記側面壁に当接する屈曲部と、を有する、
    抵抗器。
  5. 請求項4に記載の抵抗器であって、
    前記屈曲部は、前記端子板に対し傾斜するとともに前記側面壁に面当接するように設けられる、
    抵抗器。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の抵抗器であって、
    前記ケースは、二つの前記側面壁を繋ぐ一対の端面壁を更に有し、
    一対の前記端子板は、それぞれ一対の前記キャップよりも外側に位置するように設けられ、
    一対の前記端面壁は、それぞれ一対の前記端子板に対向する、
    抵抗器。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の抵抗器を製造する抵抗器の製造方法であって、
    一対の前記端子板を一対の前記キャップを介して前記絶縁体の両端に設けることにより、抵抗体本体を形成する工程と、
    封止材を前記収容空間に充填する工程と、
    形成された前記抵抗体本体を、一対の前記端子板が二つの前記側面壁に当接することなく、前記開口から前記収容空間に挿入して、前記収容空間に対する前記抵抗体本体の位置決めをする工程と、を含む、
    抵抗器の製造方法。
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