JP2021036484A - 二次電池および二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】湾曲部分を有するセパレータ付電極にて、局所的な電極材層の割れや剥離を好適に抑制可能な二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態では、一方の電極およびセパレータが一体構造を成す単一のセパレータ付電極と、一方の電極とは極性の異なる少なくとも2つの他方の電極と、を備える二次電池であって、セパレータ付電極が非湾曲部分および非湾曲部分に連続する湾曲部分を交互に有し、非湾曲部分と前記他方の電極とが積層方向に沿って交互に配置され、および湾曲部分が、各々湾曲した一方の電極の集電体およびセパレータのみを有する、二次電池が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池および二次電池の製造方法に関する。
従前より充放電が繰り返し可能な二次電池が様々な用途に用いられている。例えば、二次電池は、スマートフォン、ノートパソコン等の電子機器の電源として用いられている。
近年、当該電子機器の薄型化および小型化の要求が一層高まっていることに伴い、薄型化・小型化かつ高容量の二次電池が要求されている。かかる要求に応えるため、特許文献1および特許文献2には、一方の電極およびセパレータが一体構造を成す単一のセパレータ付電極と、当該一方の電極とは極性の異なる少なくとも2つの他方の電極とを組み合わせた二次電池が示されている。一態様では、当該セパレータ付電極は、全体として連続した蛇行構造(すなわち、つづら折り構造)を有する(特許文献1参照)。又、別態様では、当該セパレータ付電極は、全体として少なくとも2つの他方の電極に対して連続した巻付け構造を有する(特許文献2参照)。
特開2014−103082号公報 特開2013−524431号公報
ここで、本願発明者らは、セパレータ付電極が、全体として連続した蛇行構造(すなわち、つづら折り構造)を有する場合、および/または全体として少なくとも2つの他方の電極に対して連続した巻付け構造を有する場合に以下の問題が生じ得ることを見出した(図10参照)。
以下、セパレータ付電極100’が全体として連続した蛇行構造を有する場合を例に採る。この場合、セパレータ付電極100’が蛇行構造を有することに起因して、セパレータ付電極100’は局所的に湾曲部分101’を有し得る。当該湾曲部分101’は湾曲形態をなしているため、それに起因して、湾曲部分101’に位置するセパレータ付電極100’の構成要素であるセパレータ50’および電極(例えば負極10B’)が湾曲形態を有することとなる。より具体的には、湾曲部分101’に位置するセパレータ50’、並びに電極(例えば負極10B’)の構成要素である集電体(例えば負極集電体11B’)および電極材層(例えば負極材層12B’)が湾曲形態を有することとなる。
湾曲部分101’に位置する電極材層(例えば負極材層12B’)が湾曲形態を有すると、当該形態に起因して湾曲部分101’に位置する電極材層に引張応力が生じ得る。かかる応力の発生は、発生箇所を起点として電極材層に割れが生じたり、および/または電極材層の局所的な剥離が生じたりすることにつながり得る。そのため、電極材層の割れ部分α’および/または電極材層の剥離部分を起点として、電圧印加時に短絡が生じる虞がある。そのため、割れ部分α’および/または剥離部分を有する電極材層を備えた電極は、二次電池の構成要素として好適に機能しない虞がある。その結果、全体として当該電極を含む二次電池は、所望の電池特性を好適に発揮できない虞がある。
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、湾曲部分を有するセパレータ付電極にて、局所的な電極材層の割れや剥離を好適に抑制可能な二次電池およびその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
一方の電極およびセパレータが一体構造を成す単一のセパレータ付電極と、該一方の電極とは極性の異なる少なくとも2つの他方の電極と、を備える二次電池であって、
前記セパレータ付電極が非湾曲部分および該非湾曲部分に連続する湾曲部分を交互に有し、該非湾曲部分と前記他方の電極とが積層方向に沿って交互に配置され、および
前記湾曲部分が、各々湾曲した前記一方の電極の集電体および前記セパレータのみを有する、二次電池が提供される。
又、上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
一方の電極およびセパレータが一体構造を成す単一のセパレータ付電極と、該一方の電極とは極性の異なる少なくとも2つの他方の電極と、を備える二次電池の製造方法であって、
前記長尺状の前記セパレータ付電極を局所的に湾曲させること
を含み、
前記長尺状の前記セパレータ付電極を局所的に湾曲させる部分に、前記一方の電極の集電体および前記セパレータのみを位置付ける、製造方法が提供される。
本発明の一実施形態によれば、湾曲部分を有するセパレータ付電極にて、局所的な電極材層の割れや剥離を好適に抑制可能である。
図1は、湾曲部分を有するセパレータ付電極を備えた電極組立体の模式図である。 図2は、蛇行形態をなすセパレータ付電極を備えた電極組立体の模式図である。 図3は、一方向に巻回された形態をなすセパレータ付電極を備えた電極組立体の模式図である。 図4は、一方向に巻回された形態および蛇行形態の組み合わせから成るセパレータ付電極を備えた電極組立体の模式図である。 図5は、長尺状のセパレータ付電極を局所的に湾曲させる態様の模式図である。 図6Aは、長尺状のセパレータ付電極を形成する一態様の模式図である。 図6Bは、長尺状のセパレータ付電極を形成する別態様の模式図である。 図6Cは、長尺状のセパレータ付電極を形成する更に別態様の模式図である。 図6Dは、長尺状のセパレータ付電極を形成する更に別態様の模式図である。 図7は、蛇行形態をなすセパレータ付電極を備えた電極組立体の形成開始時の態様の模式図である。 図8は、蛇行形態をなすセパレータ付電極を備えた電極組立体の形成途中の態様の模式図である。 図9は、電極構成層の基本的構成を模式的に示した断面図である。 図10は、本願発明者が見出した技術的課題を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法について説明する前に、二次電池の基本的構成について説明しておく。なお、本明細書でいう「平面視」とは、二次電池を構成する電極材の積層方向に基づく厚み方向に沿って対象物を上側または下側からみたときの状態のことである。又、本明細書でいう「断面視」とは、二次電池を構成する電極材の積層方向に基づく厚み方向に対して略垂直な方向からみたときの状態のことである。
[二次電池の基本的構成]
本発明では二次電池が提供される。本明細書でいう「二次電池」とは、充電・放電の繰り返しが可能な電池のことを指している。従って、本発明の二次電池は、その名称に過度
に拘泥されるものでなく、例えば“蓄電デバイス”なども本発明の対象に含まれ得る。二次電池は、外装体の内部に電極組立体と電解質とが収容および封入された構造を有して成る。本発明では、電極組立体は、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層を備えた構造であり得る。また、外装体は、導電性ハードケース又はフレキシブルケース(パウチ等)の形態を採ってよい。外装体の形態がフレキシブルケース(パウチ等)である場合、正極は、正極用集電リードを介して、正極用外部端子に連結されている。正極用外部端子はシール部により外装体に固定され、当該シール部は電解質の液漏れを防止する。同様に、負極は、負極用集電リードを介して負極用外部端子に連結されている。負極用外部端子はシール部により外装体に固定され、シール部が電解質の液漏れを防止する。なお、これに限定されず、正極と接続される正極用集電リードは正極用外部端子の機能を備えていてよく、また、負極と接続される負極用集電リードは負極用外部端子の機能を備えていてよい。外装体の形態が導電性ハードケースの場合、正極は、正極用集電リードを介して、正極用外部端子に連結されている。正極用外部端子はシール部により外装体に固定され、当該シール部は電解質の液漏れを防止する。
正極10Aは、少なくとも正極集電体11Aおよび正極材層12Aから構成されており(図9参照)、正極集電体11Aの少なくとも片面に正極材層12Aが設けられている。当該正極集電体11Aのうち正極材層12Aが設けられていない箇所、すなわち正極集電体11Aの端部には正極側引出しタブが位置付けられている。正極材層12Aには電極活物質として正極活物質が含まれている。負極10Bは少なくとも負極集電体11Bおよび負極材層12Bから構成されており(図9参照)、負極集電体11Bの少なくとも片面に負極材層12Bが設けられている。当該負極集電体11Bのうち負極材層12Bが設けられていない箇所、すなわち負極集電体11Bの端部には負極側引出しタブが位置付けられている。負極材層12Bには電極活物質として負極活物質が含まれている。
正極材層12Aに含まれる正極活物質および負極材層12Bに含まれる負極活物質は、二次電池において電子の受け渡しに直接関与する物質であり、充放電、すなわち電池反応を担う正負極の主物質である。より具体的には、「正極材層12Aに含まれる正極活物質」および「負極材層12Bに含まれる負極活物質」に起因して電解質にイオンがもたらされ、かかるイオンが正極10Aと負極10Bとの間で移動して電子の受け渡しが行われて充放電がなされる。正極材層12Aおよび負極材層12Bは特にリチウムイオンを吸蔵放出可能な層であることが好ましい。つまり、電解質を介してリチウムイオンが正極10Aと負極10Bとの間で移動して電池の充放電が行われる二次電池が好ましい。充放電にリチウムイオンが関与する場合、二次電池は、いわゆる“リチウムイオン電池”に相当する。
正極材層12Aの正極活物質は例えば粒状体から成るところ、粒子同士の十分な接触と形状保持のためにバインダー(“結着材”とも称される)が正極材層12Aに含まれていることが好ましい。更には、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が正極材層12Aに含まれていてよい。同様に、負極材層12Bの負極活物質は例えば粒状体から成るところ、粒子同士の十分な接触と形状保持のためにバインダーが含まれることが好ましく、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が負極材層12Bに含まれていてよい。このように、複数の成分が含有されて成る形態ゆえ、正極材層12Aおよび負極材層12Bはそれぞれ“正極合材層”および“負極合材層”などと称すこともできる。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、正極活物質は例えばリチウム含有複合酸化物であることが好ましい。より具体的には、正極活物質は、リチウムと、コバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄から成る群から選択される少なくとも1種の遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。つまり、二次電池の正極材層12Aにおいては、そのようなリチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として好ましくは含まれている。例えば、正極活物質はコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、または、それらの遷移金属の一部を別の金属で置き換えたものであってよい。このような正極活物質は、単独種として含まれてよいものの、二種以上が組み合わされて含まれていてもよい。より好適な態様では正極材層12Aに含まれる正極活物質がコバルト酸リチウムとなっている。
正極材層12Aに含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、ポリフッ化ビリニデン、ビリニデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビリニデンフルオライド−テトラフルオロチレン共重合体およびポリテトラフルオロチレンなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。正極材層12Aに含まれ得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。より好適な態様では正極材層12Aのバインダーはポリフッ化ビニリデンであり、また、別のより好適な態様では正極材層12Aの導電助剤はカーボンブラックである。さらに好適な態様では、正極材層12Aのバインダーおよび導電助剤が、ポリフッ化ビニリデンとカーボンブラックとの組合せとなっている。
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、負極活物質は例えば各種の炭素材料、酸化物、または、リチウム合金などであることが好ましい。
負極活物質の各種の炭素材料としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン、ダイヤモンド状炭素などを挙げることができる。特に、黒鉛は電子伝導性が高く、負極集電体11Bとの接着性が優れる点などで好ましい。負極活物質の酸化物としては、酸化シリコン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛および酸化リチウムなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。負極活物質のリチウム合金は、リチウムと合金形成され得る金属であればよく、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、Laなどの金属とリチウムとの2元、3元またはそれ以上の合金であってよい。このような酸化物は、その構造形態としてアモルファスとなっていることが好ましい。結晶粒界または欠陥といった不均一性に起因する劣化が引き起こされにくくなるからである。より好適な態様では負極材層12Bの負極活物質が人造黒鉛となっている。
負極材層12Bに含まれ得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド系樹脂およびポリアミドイミド系樹脂から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。より好適な実施態様では負極材層12Bに含まれるバインダーはスチレンブタジエンゴムとなっている。負極材層12Bに含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。なお、負極材層12Bには、電池製造時に使用された増粘剤成分(例えばカルボキシルメチルセルロース)に起因する成分が含まれていてもよい。
さらに好適な態様では、負極材層12Bにおける負極活物質およびバインダーが人造黒鉛とスチレンブタジエンゴムとの組合せとなっている。
正極10Aおよび負極10Bに用いられる正極集電体11Aおよび負極集電体11Bは電池反応に起因して活物質で発生した電子を集めたり供給したりするのに資する部材である。このような集電体は、シート状の金属部材であってよく、多孔または穿孔の形態を有していてよい。例えば、集電体は金属箔、パンチングメタル、網またはエキスパンドメタル等であってよい。正極10Aに用いられる正極集電体11Aは、アルミニウム、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えばアルミニウム箔であってよい。一方、負極10Bに用いられる負極集電体11Bは、銅、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えば銅箔であってよい。
セパレータ50は、正負極の接触による短絡防止および電解質保持などの観点から設けられる部材である。換言すれば、セパレータ50は、正極10Aと負極10Bとの間の電子的接触を防止しつつイオンを通過させる部材であるといえる。好ましくは、セパレータ50は多孔性または微多孔性の絶縁性部材であり、その小さい厚みに起因して膜形態を有している。あくまでも例示にすぎないが、ポリオレフィン製の微多孔膜がセパレータとして用いられてよい。この点、セパレータ50として用いられる微多孔膜は、例えば、ポリオレフィンとしてポリエチレン(PE)のみ又はポリプロピレン(PP)のみを含んだものであってよい。更にいえば、セパレータ50は、“PE製の微多孔膜”と“PP製の微多孔膜”とから構成される積層体であってもよい。セパレータの表面は無機粒子コート層および/または接着層等により覆われていてもよい。セパレータの表面は接着性を有していてもよい。
なお、電極の取扱いの更なる向上の観点から、セパレータ50と電極(正極10A/負極10B)は接着されていることが好ましい。セパレータ50と電極との接着は、セパレータ50として接着性セパレータを用いること、電極材層(正極材層12A/負極材層12B)の上に接着性バインダーを塗布および/または熱圧着すること等によって為され得る。セパレータ50または電極材層に接着性を供する接着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、アクリル系接着剤等が挙げられる。
電解質は電極(正極10A・負極10B)から放出された金属イオンの移動を助力する。電解質は有機電解質および有機溶媒などの“非水系”の溶媒と、溶質とを含む電解質であっても、または水を含む“水系”の電解質であってもよい。二次電池は、電解質として“非水系”の電解質が用いられた非水電解質二次電池が好ましい。電解質は液体状またはゲル状などの形態を有し得る(なお、本明細書において“液体状”の非水電解質は「非水電解質液」とも称される)。
具体的な非水電解質の溶媒としては、少なくともカーボネートを含んで成るものが好ましい。かかるカーボネートは、環状カーボネート類および/または鎖状カーボネート類であってもよい。特に制限されるわけではないが、環状カーボネート類としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)およびビニレンカーボネート(VC)から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジプロピルカーボネート(DPC)から成る群から選択される少なくも1種を挙げることができる。好適な態様では、非水電解質として環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組合せが用いられ、例えばエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物が用いられる。また、具体的な非水電解質の溶質としては、好ましくは例えばLiPF、LiBF等のLi塩が用いられる。また、具体的な非水電解質の溶質としては、好ましくは例えばLiPF、LiBF等のLi塩が用いられる。
正極用集電リードおよび負極用集電リードとしては、二次電池の分野で使用されているあらゆる集電リードが使用可能である。そのような集電リードは、電子の移動が達成され得る材料から構成されればよく、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、銅、ステンレスなどの導電性材料から構成される。正極用集電リードはアルミニウムから構成されることが好ましく、負極用集電リードはニッケルから構成されることが好ましい。正極用集電リードおよび負極用集電リードの形態は特に限定されず、例えば、線又はプレート状であってよい。
外部端子としては、二次電池の分野で使用されているあらゆる外部端子が使用可能である。そのような外部端子は、電子の移動が達成され得る材料から構成されればよく、通常はアルミニウム、ニッケル、鉄、銅、ステンレスなどの導電性材料から構成される。外部端子5は、基板と電気的かつ直接的に接続されてもよいし、または他のデバイスを介して基板と電気的かつ間接的に接続されてもよい。なお、これに限定されず、複数の正極の各々と接続される正極用集電リードが正極用外部端子の機能を備えていてよく、また、複数の負極の各々と接続される負極用集電リードは負極用外部端子の機能を備えていてよい。
外装体は、上述のように導電性ハードケース又はフレキシブルケース(パウチ等)の形態を有していてよい。
導電性ハードケースは、本体部および蓋部からなっている。本体部は当該外装体の底面を構成する底部および側面部から成る。本体部と蓋部とは、電極組立体、電解質、集電リードおよび外部端子の収容後に密封される。密封方法としては、特に限定されるものではなく、例えばレーザー照射法等が挙げられる。本体部および蓋部を構成する材料としては、二次電池の分野でハードケース型外装体を構成し得るあらゆる材料が使用可能である。そのような材料は電子の移動が達成され得る材料であればよく、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、銅、ステンレスなどの導電性材料が挙げられる。本体部および蓋部の寸法は、主として電極組立体の寸法に応じて決定され、例えば電極組立体を収容したとき、外装体内での電極組立体の移動(ズレ)が防止される程度の寸法を有することが好ましい。電極組立体の移動を防止することにより、電極組立体の破壊が防止され、二次電池の安全性が向上する。
フレキシブルケースは、軟質シートから構成される。軟質シートは、シール部の折り曲げを達成できる程度の軟質性を有していればよく、好ましくは可塑性シートである。可塑性シートは、外力を付与した後、除去したとき、外力による変形が維持される特性を有するシートのことであり、例えば、いわゆるラミネートフィルムが使用できる。ラミネートフィルムからなるフレキシブルパウチは例えば、2枚のラミネートフィルムを重ね合わせ、その周縁部をヒートシールすることにより製造できる。ラミネートフィルムとしては、金属箔とポリマーフィルムを積層したフィルムが一般的であり、具体的には、外層ポリマーフィルム/金属箔/内層ポリマーフィルムから成る3層構成のものが例示される。外層ポリマーフィルムは水分等の透過および接触等による金属箔の損傷を防止するためのものであり、ポリアミドおよびポリエステル等のポリマーが好適に使用できる。金属箔は水分およびガスの透過を防止するためのものであり、銅、アルミニウム、ステンレス等の箔が好適に使用できる。内層ポリマーフィルムは、内部に収納する電解質から金属箔を保護するとともに、ヒートシール時に溶融封口させるためのものであり、ポリオレフィンまたは酸変性ポリオレフィンが好適に使用できる。
[本発明の二次電池]
二次電池の基本的構成を考慮した上で、以下、本発明の一実施形態に係る二次電池について説明する。
本願発明者は、湾曲部分を有するセパレータ付電極にて、局所的な電極材層の割れや剥離を好適に抑制するための対応策について鋭意検討した。その結果、本発明の二次電池を案出するに至った。
以下、本発明の特徴部分を説明するに先立って、本明細書で用いる用語の定義付けを行う。以下、本発明の特徴部分を説明するに先立って、本明細書で用いる用語の定義付けを行う。本明細書でいう「セパレータ付電極」とは、電極の主面にセパレータが接着されて、電極とセパレータとが一体構造となっているものを指す。本明細書でいう「非湾曲部分および湾曲部分を交互に有するセパレータ付電極」とは、所定間隔を置いて湾曲部分が形成されたセパレータ付電極であって、完成物である電極組立体の構成要素となるものを指す。本明細書でいう「一方向に延在する長尺状のセパレータ付電極」とは、電極組立体の製造途中で用いられるセパレータ付電極であって、長手軸に沿って一方向に延在する相対的に長さ寸法の大きいものを指す。
本明細書でいう「セパレータ付電極の非湾曲部分」とは、セパレータ付電極の構成要素であって湾曲していない部分を指し、例えば一方向に直線状に延在する部分を指す。又、本明細書でいう「セパレータ付電極の非湾曲部分」とは、セパレータ付電極の一方の湾曲部分と他方の湾曲部分との間に位置し、各湾曲部分の端部と連続するよう構成されているものを指す。本明細書でいう「セパレータ付電極の湾曲部分」とは、セパレータ付電極の構成要素であって湾曲形態を成す部分を指し、例えば半円状、半楕円状の形態を成す部分を指す。本明細書でいう「一方の電極」とは、セパレータ付電極の構成要素である電極を指す。本明細書でいう「他方の電極」とは、セパレータ付電極に含まれる電極とは極性が異なり、かつセパレータ付電極と比べて相対的に短尺で一方向にのみ延在する電極を指す。本明細書でいう「他方の電極の側部」とは、積層方向に沿って正極の主面および負極の主面がセパレータを挟んで相互に対向するよう積層されている場合における、電極の露出端面を指す。
本明細書でいう「電極材層の非形成部分」とは、電極材層が形成されていない部分を指す。本明細書でいう「セパレータ/集電体が蛇行形態をなす」とは、断面視又は平面視でセパレータ/集電体が蛇のように左に右に曲がりくねっている形態、ジグザグ形態、又はつづら折りの形態をなすことを意味する。本明細書でいう「一方の電極の集電体およびセパレータのみが全体として一方向に巻回された形態をなす」とは、広義には他方の電極に巻き付けられるようにセパレータ付電極の構成要素である一方の電極の集電体とセパレータのみが同じ方向に向かって巻き回しされている形態を指す。本明細書でいう「一方の電極の集電体およびセパレータのみが全体として一方向に巻回された形態をなす」とは、狭義には湾曲部分と非湾曲部分とを有するように一方の電極の集電体およびセパレータのみが全体として一方向に巻回された形態をなす状態を指す。本明細書でいう「一方向に延在する長尺状のセパレータ付電極を局所的に湾曲させること」とは、電極組立体の製造途中で、一方向に延在する長尺状のセパレータ付電極全体の中のある限られた部分を選択的に又は部分的に湾曲させることを指す。本明細書でいう「電極材層の非塗工部分」とは、集電体となるプレート状の金属箔の主面に電極材層が塗工されていない部分を指す。本明細書でいう「一方の電極の集電体およびセパレータのみが全体として連続する」とは、湾曲部分を含むセパレータ付電極を全体視した際において、一方の電極の集電体およびセパレータの各々の一端から他端までが途切れなくつながっていることを指す。
(本発明の基本的な技術的思想)
本願発明者は、かかる対応策として、当該セパレータ付電極の湾曲部分から、局所的な割れや剥離が生じ得る電極材層を除くことを案出した。つまり、本発明は、当該セパレータ付電極の湾曲部分に電極材層を非存在状態にするという技術的思想を有する。かかる技術的思想によれば、電極材層がセパレータ付電極の湾曲部分に存在しないため、これに起因して当該湾曲部分にて電極材層の局所的な割れや剥離の発生を好適に抑制することが可能となる。これにより、本発明者が見出した当初の技術的課題は解決され得る。その他の技術的効果を含めた詳細な事項については下述する。
以下、図面を用いて本発明について具体的に説明する。
図1は、湾曲部分101を有するセパレータ付電極100を備えた電極組立体200の模式図である。本発明の一実施形態に係る二次電池は、外装体内に電極組立体200を有して成る。当該電極組立体200は、複数の一方の電極(例えば負極10B)およびセパレータ50が一体構造を成す単一のセパレータ付電極100と、一方の電極とは極性の異なる少なくとも2つの他方の電極(例えば正極10A)と、を備える。セパレータ付電極100は、一方の電極(例えば負極10B)と、当該電極を挟み込むように配置された相互に対向する2つのセパレータ50とを備えている。他方の電極は、電極組立体200の最外層領域を除き、集電体(例えば正極集電体11A)および当該集電体の両側に形成された電極材層(例えば正極材層12A)を含む。他方の電極は、電極組立体200の最外層領域では、集電体(例えば正極集電体11A)および当該集電体の一方の側に形成された電極材層(例えば正極材層12A)を有する。
セパレータ付電極100は、非湾曲部分102および非湾曲部分102に連続する湾曲部分101を交互に有する構成となっている。当該非湾曲部分102は、一方の電極(例えば負極10B)の電極材層形成部分となっている。具体的には、非湾曲部分102は、一方の電極の集電体(例えば負極集電体11B)および当該集電体の両側に形成された電極材層(例えば負極材層12B)を含む。一方、セパレータ付電極100の湾曲部分101は、湾曲形態を成す一方、対向する他方の電極(例えば正極10A)には直接的に接しないように成っていてよい。
又、電極組立体200では、図1に示すように、セパレータ付電極100の非湾曲部分102と他方の電極(例えば正極10A)とが積層方向に沿って交互に配置されている。具体的には、当該非湾曲部分102の主面領域と他方の電極の主面領域とが相互に対向接触するように、非湾曲部分102と他方の電極とが積層方向に沿って交互に配置されている。
本発明の二次電池の特徴部分
ここで、本発明では、従来の態様と異なり、セパレータ付電極100の湾曲部分101が、湾曲した一方の電極の集電体および湾曲したセパレータのみを有する構造を採っている。当該構造が本発明の特徴部分である。この事は、当該湾曲部分101が、一方の電極の電極材層(例えば負極材層12B)が形成されていない“電極材層非形成部分”となる構造を採ることを意味する。別の視点から言えば、この事は、湾曲部分101では、セパレータ付電極の構成要素である2つのセパレータ50間に負極集電体11Bのみが位置付けられていることを意味する。又、当該湾曲部分101は、他方の電極(例えば正極10A)の側部10Aと当該湾曲部分101とが相互に対向する部分に位置付けられる。
かかる点をふまえ、セパレータ付電極100を全体的に見た場合、セパレータ付電極100に含まれる一方の電極(例えば負極10B)の集電体およびセパレータ50のみが全体として連続した形態をなすこととなる。一方、セパレータ付電極100を全体的に見た場合、電極材層(例えば負極材層12B)は、セパレータ付電極100内の交互に形成される非湾曲部分102に位置付けられているため、全体として断続した形態をなすこととなる。
当該湾曲部分101はその形態に起因して引張応力が生じ得る部分であると言えるところ、本発明では、当該湾曲部分101に電極材層が形成されていないため、電極材層に引張応力が生じることを抑制することが可能である。そのため、電極材層に対する引張応力の発生抑制により、当該湾曲部分101にて電極材層の局所的な割れや剥離の発生を好適に抑制することが可能となる。そのため、電極材層の割れ部分および/または電極材層の剥離部分を起点として、電圧印加時に短絡の発生を好適に抑制することが可能となる。これにより、かかる短絡発生の抑制に起因して、セパレータ付電極100に含まれる電極(例えば負極10B)は全体として二次電池の構成要素として好適に機能し得る。その結果、本発明の二次電池は、所望の電池特性を好適に発揮することが可能となる。
又、上述のように、電極組立体200において、セパレータ付電極100の非湾曲部分102と他方の電極(例えば正極10A)とは積層方向に沿って交互に配置されている。非湾曲部分102は、一方の電極(例えば負極10B)および当該電極の両主面に位置付けられたセパレータ50を備える構造となっている。セパレータ付電極100の非湾曲部分102においては、一方の電極(例えば負極10B)は、集電体(例えば負極集電体11B)および当該集電体の両側に形成された電極材層(例えば負極材層12B)を備える構造となっている。以上の事からも、セパレータ50を介して正極10Aと負極10Bとが相互に対向する構成となっている。そのため、電解液を通じてリチウムイオンが正極10Aと負極10Bとの間で移動して電子の受け渡しを好適に行うことが可能である。つまり、電子の受け渡しを好適に行うためには、セパレータ50を介して正極10Aと負極10Bとが相互に対向する構成で足りる。この事は、セパレータ付電極100の湾曲部分101に電極材層(例えば負極材層)がなくとも電子の受け渡しを好適に行うことができることを意味する。つまり、セパレータ付電極100の湾曲部分101に電極材層(例えば負極材層)がなくとも、所定の電池容量を供することが可能である。
セパレータ付電極100の湾曲部分101に電極材層(例えば負極材層)がないと、電極、具体的には電極材層の容積は、全体として、電極材層が湾曲部分101にも供される場合と比べて減じられる。別の観点から言えば、図面上は詳細に示していないが、セパレータ50はその材料特性に起因して非剛性材であると言えるため、電極材層が存在しない分、当該湾曲部分101の厚みを相対的に減じることが可能である。
以上の事から、本発明では、湾曲部分101に電極材層(例えば負極材層)がなくとも、所定の電池容量を供することが可能である一方、全体としてセパレータ付電極100の容積または厚みを減じることが可能である。この事は、単位容積当たりの電池容量が増大することを意味する。これにより、かかる単位容積当たりの電池容量増大に起因して、電池のエネルギー密度をより向上させることが可能である。又、湾曲部分101の厚みを減じることが可能であるため、電極組立体200の寸法低減、ひいては外装体つまり二次電池の寸法低減も可能である。
なお、本発明の一態様では、連続する一方の電極(例えば負極10B)の集電体(例えば負極集電体11B)およびセパレータ50は、以下の形態をなしてよい。
上述のように、本発明では、セパレータ付電極100の湾曲部分101が、湾曲した一方の電極の集電体および湾曲したセパレータのみを有する構造を採っている。かかる構造を採るのであれば、連続する一方の電極(例えば負極10B)の集電体(例えば負極集電体11B)およびセパレータ50の形態は、特に限定されない。一例を挙げると、負極10Bの負極集電体11Bおよびセパレータ50のみが、全体として蛇行形態をなしてよい(図2参照)。つまり、負極集電体11Bおよびセパレータ50のみが、全体としてつづら折り構造を採り得る。より具体的には、「上述のセパレータ付電極100は湾曲部分101と非湾曲部分102とが連続して交互に形成される構造を採っている」点と、「セパレータ付電極100の構成要素である負極集電体11Bおよびセパレータ50のみが全体として蛇行形態をなしている」点とを総合考慮すると、以下の形態を採ることとなる。すなわち、負極集電体11Bおよびセパレータ50が、湾曲部分と非湾曲部分とを交互に連続して形成しながら全体として蛇行形態をなしている。この事は、負極集電体11Bおよびセパレータ50が、湾曲部分のみを交互に連続して形成しながら全体として蛇行形態をなしているわけではないことを意味する。別例を挙げると、負極10Bの負極集電体11Bおよびセパレータ50のみが、全体として一方向に巻回された形態をなしてよい(図3参照)。より具体的には、「上述のセパレータ付電極100は湾曲部分101と非湾曲部分102とが連続して交互に形成される構造を採っている」点と、「セパレータ付電極100の構成要素である負極集電体11Bおよびセパレータ50のみが全体として全体として一方向に巻回された形態をなしている」点とを総合考慮すると、以下の形態を採ることとなる。すなわち、負極集電体11Bおよびセパレータ50が、湾曲部分と非湾曲部分とを交互に連続して形成しながら全体として一方向に巻回された形態をなしている。この事は、負極集電体11Bおよびセパレータ50が、湾曲部分のみを交互に連続して形成しながら全体として一方向に巻回された形態をなしているわけではないことを意味する。
又、本発明の一態様では、連続する一方の電極(例えば負極10B)の集電体(例えば負極集電体11B)およびセパレータ50は、以下の形態を採ることが好ましい(図4参照)。
具体的には、第1に、セパレータ付電極100の構成要素である一方の電極の集電体(例えば負極集電体11B)およびセパレータ50のみが、一方向に巻回された形態をなす部分Xと、当該部分Xに連続する蛇行形態をなす部分Yとを有して成り、かつ当該部分Xが、電極組立体の最外側領域に位置付けられる。この事は、電極組立体の最外側領域には、セパレータ付電極100と比べて相対的に短尺で一方向にのみ延在する他方の電極(例えば正極10A)が位置付けられていない事を意味する。
第2に、当該部分Xを全体視した場合に、セパレータ付電極100の最末端側に位置する非湾曲部分102αが他方の電極(例えば正極10A)同士間に挟まれて位置付けられている。本態様では、当該非湾曲部分102αは、集電体11Bと当該集電体11Bの両側主面に形成された電極材層12Bを備えている。すなわち、セパレータ付電極100の最末端側に位置する非湾曲部分102αでは、両面電極構造が採られている。その一方で、セパレータ付電極100の最末端側に位置する非湾曲部分102αの少なくとも1つ手前の非湾曲部分102βが、電極組立体200の最外側領域に位置付けられている。本態様では、当該非湾曲部分102βは、集電体11Bと当該集電体11Bの片側主面にのみ形成された電極材層12Bを備えている。すなわち、セパレータ付電極100の非湾曲部分102βでは、“片面電極構造”が採られている。
ここで、電極組立体200の最外層領域における電極は、一方向に延在する片面電極構造(集電体および当該集電体の一方の主面にのみ形成された電極材層を備える構造)を採ることが一般的に多い。しかしながら、かかる構造では、以下の問題が生じ得る。
具体的には、電極組立体の最外層領域に位置する電極は、一方向に延在する集電体の一方の主面にのみ電極材層を塗布および乾燥した後、所望の密度を得るための加圧処理を行うことで得られる。集電体は主として金属箔、すなわち金属部材から構成される一方、電極材層は、主として活物質およびバインダー(高分子系化合物)を含む。つまり、集電体と電極材層とでは、その構成材料の種類が相互に異なる。かかる集電体と電極材層との材料の種類の違いは、所望の密度を有する最外層電極を得るための加圧処理を施す際において、集電体と電極材層の伸張度の違いにつながり得る。そのため、その伸張度の違いに起因して、最外層に位置付ける電極(片面電極に相当)を得るための加圧処理時に電極材は集電体よりも相対的に大きく伸張し、その結果として最外層に位置付ける電極には反り応力が生じ易くなる。かかる反り応力の発生は、最外層に位置付ける電極の反りにつながり得る。最外層に位置付ける電極の反りは、電極組立体200の構成時に、内側領域の電極(両面電極に相当)との間に位置付けるセパレータに最外層に位置付ける電極を全体として好適に接着できないことになり得る。そのため、最外層の電極が電極組立体200の構成要素として好適に機能しない虞がある。その結果、全体として当該電極組立体200を含む二次電池は、所望の電池特性を好適に発揮できない虞がある。
この点につき、上述のように、本態様では、(1)最外層電極として、一方向にのみ延在する片面電極構造の他方の電極(例えば正極10A)が位置付けられていない。この事は、上記の反りが生じ易い電極が電極組立体200の最外層領域に存在していないことを意味する。
又、本態様では、(2)非湾曲部分102αとなる部分(セパレータ付電極100の最末端側に位置する部分)では、両面電極構造が採られている一方で、電極組立体200の最外側領域に位置付けられる非湾曲部分102β(セパレータ付電極100の最末端側に位置する非湾曲部分102αの少なくとも1つ手前の部分)では、“片面電極構造”が採られている。すなわち、単一のセパレータ付電極100が、その構成要素として相互に離隔して配置された電極を複数有し、当該複数の電極のうち、セパレータ付電極100の最末端部分には両面電極が配置される一方、セパレータ付電極100の最末端部分に最近接する部分には片面電極が配置される。より具体的には、単一のセパレータ付電極100の構成要素である片面電極は、両面電極と他方の両面電極との間に位置付けられる。そのため、単一のセパレータ付電極100の製造時の加熱処理の際に、片面電極となる部分の両側に、反り応力が生じにくい両面電極が少なくとも位置しているため、両面電極間に位置する片面電極に生じ得る反り応力を抑制することが可能となる。そのため、長尺状のセパレータ付電極100のうち片面電極となる部分が、電極組立体200の最外側領域に位置付ける場合においても、電極組立体200の内側領域の両面電極との間のセパレータに当該片面電極を全体として好適に接着可能となる。そのため、最外層電極としての片面電極が電極組立体200の構成要素として好適に機能し得る。その結果、全体として当該電極組立体200を含む二次電池は、所望の電池特性を好適に発揮可能となる。
なお、本態様は以下の点でより好ましい。具体的には、既述のセパレータ付電極100が全体として蛇行形態をなす場合、又は一方向に巻回する形態をなす場合においても、セパレータ付電極100の最外側領域の非湾曲部分に片面電極を形成することが可能である。この場合、反り応力発生の直接の発生原因となる一方向に延在する短尺の他方の電極が位置付けられない点では効果的である。しかしながら、この場合、セパレータ付電極100の最末端側の非湾曲部分に片面電極が位置付けられることとなるため、単一のセパレータ付電極100の製造時の加熱処理の際に、片面電極となる部分の両側に、反り応力が生じにくい両面電極が位置するわけではない。これに対して、本態様では、上述のように、片面電極が、長尺状のセパレータ付電極100の最末端の一方の両面電極と他方の両面電極との間に位置付けられるため、当該片面電極にて生じ易い反り応力を、当該片面電極の両側に位置する反り応力が生じにくい両面電極によって効果的に抑えることが可能となる。以上の事から、本態様は、片面電極に生じ得る反り応力をより好適に抑制し得る点で有利である。なお、セパレータ付電極100において、片面電極が、長尺状のセパレータ付電極100の最末端の一方の両面電極と“複数”の他方の両面電極との間に位置付けられる場合、反り応力が生じにくい他方の両面電極が“複数”存在することに起因して、片面電極に生じ得る反り応力を更により好適に抑制し得る。この点において、他方の両面電極が“複数”存在することは、片面電極に生じ得る反り応力を更に抑止し得るため特に有利である。
[本発明の二次電池の製造方法]
以下、本発明の二次電池の製造方法について説明する。具体的には、上記の特徴を有する単一のセパレータ付電極(一方の電極およびセパレータが一体構造を成すもの)と、少なくとも2つの他方の電極と、を備える二次電池の製造方法について説明する。
下記で詳述するが、本発明の製造方法は、一方向に延在する長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させることを含む。特に、本発明の製造方法は、長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させる部分101に、一方の電極(例えば負極10B)の集電体(例えば負極集電体11B)およびセパレータ50のみを位置付けることを特徴とする(図5参照)。換言すれば、長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させる部分101には、電極材層(例えば負極材層12B)が存在しないこととなる。セパレータ付電極100を全体的に見た場合、セパレータ付電極100に含まれる負極集電体11Bおよびセパレータ50のみが全体として連続形態を成すこととなる。
本発明の製造方法では、電極材層(例えば負極材層12B)がセパレータ付電極100の湾曲部分101に存在しないため、これに起因して当該湾曲部分101にて電極材層の局所的な割れや剥離の発生を好適に抑制することが可能となる。これにより、本発明者が見出した当初の技術的課題は解決され得る。その他の技術的効果を含めた詳細な事項については下述する。
より具体的には、本発明の製造方法では、「(i)セパレータ付電極100が非湾曲部分102および非湾曲部分102に連続する湾曲部分101を交互に有し、かつ(ii)非湾曲部分102と他方の電極(例えば正極10A)とが積層方向に沿って交互に配置されるように」長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させる(図5参照)。又、他方の電極(例えば正極10A)の側部10Aと当該湾曲させる部分101とが相互に対向するように、長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させる(図5参照)。かかる局所的な湾曲により形成される、当該セパレータ付電極100の非湾曲部分102は、一方の電極(例えば負極10B)の電極材層形成部分となり、一方の電極の集電体および集電体の両側に形成された電極材層を含むこととなる。一方、長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させる部分101(湾曲部分に相当)には、電極材層(例えば負極材層12B)が存在しないこととなる。
なお、上記の長尺状のセパレータ付電極100は、下記の基本的工程を経て形成することができる(図6A(a)〜図6C(a)および図6A(b)〜図6C(b)参照)。
具体的には、長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させることに先立ち、(i)集電体11Bとなる金属箔の少なくとも一方の主面に電極材層12Bの原料を間欠的に塗工し、長尺状の一方の電極(例えば負極10B)を形成すること、および(ii)電極材層12Bを挟み込むようにセパレータ50を熱圧着することを経る。これにより、長尺状のセパレータ付電極100を形成することができる。なお、上記(i)の工程では、より具体的には、電極材層12Bの原料を金属箔に間欠的に塗工した後、集電体11Bおよびリードと接続し得る部分(例えば電極タブ)を形成するように金属箔を切断して、長尺状の一方の電極(セパレータ無し)を形成してよい(図6Aおよび図6C参照)。
図6Aに示す態様では、リードと接続し得る部分である電極タブ20Bは、以下の箇所に設置される。長尺状のセパレータ付電極100を形成した後、局所的に湾曲させてつづら折り状のセパレータ付電極100を形成する場合を例に採る。この場合、つづら折り状のセパレータ付電極100の複数の非湾曲部分の各々に電極タブ20Bが位置付けられかつ各電極タブ20Bが相互に重なり合うように、湾曲前の長尺状の一方の電極となる部分に当該電極タブ20Bが位置付けられる。
電極タブが設置される箇所は、図6Aに示す態様に限定されない。例えば、図6Bおよび図6Cに示す態様を採り得る。具体的には、図6Bに示すように、集電体11Bの長手側部の全てに実質的に連続し、かつ平面視でセパレータ50の長手側部よりも外側に位置するようなタブ20Bが供されてよい。又、つづら折り状のセパレータ付電極100を最終的に形成する場合を例に採ると、図6Cに示すように、つづら折り状のセパレータ付電極100の複数の非湾曲部分のうちの1つのみに電極タブ20Bが位置付けられるように、湾曲前の長尺状の一方の電極となる部分に当該電極タブ20Bが位置付けられる。
なお、図6A〜Cのいずれの態様においても、湾曲後の例えばつづら折り状のセパレータ付電極のタブと、一方向にのみ延在する短尺状の他方の電極のタブとは、短絡防止の観点から相互に重なり合わないように位置付けられることが好ましい。
当該湾曲させる部分101はその湾曲形態に起因して引張応力が生じ得る部分であると言えるところ、本発明の製造方法では、当該湾曲させる部分101に電極材層を形成しない。そのため、当該湾曲させる部分101にて、電極材層に引張応力が生じることを抑制することが可能である。かかる電極材層に対する引張応力の発生抑制により、湾曲させる部分101にて電極材層の局所的な割れや剥離の発生を好適に抑制することが可能となる。これにより、電極材層の割れ部分および/または電極材層の剥離部分を起点として、電圧印加時に短絡の発生を好適に抑制することが可能となる。
又、セパレータ付電極100の湾曲させる部分101に電極材層(例えば負極材層)がないと、電極の容積は、全体として電極材層が湾曲部分101にも供される場合と比べて減じられる。別の観点から言えば、セパレータ50はその材料特性に起因して非剛性材であると言えるため、電極材層が存在しない分当該湾曲させる部分101の厚みを相対的に減じることが可能である。本発明の二次電池の特徴部分の欄にて既に述べたように、本発明では湾曲部分101に電極材層(例えば負極材層)がなくとも、所定の電池容量を供することが可能である。そのため、全体としてセパレータ付電極100の容積または厚みを減じることが可能であると、これに起因して単位容積当たりの電池容量を増大させることが可能である。つまり、かかる単位容積当たりの電池容量増大に起因して、電池のエネルギー密度をより向上させることが可能である。
本発明の製造方法は、下記態様を採ってよい。
上述のように、本発明の製造方法は、長尺状のセパレータ付電極100を局所的に湾曲させる部分101に、一方の電極(例えば負極10B)の集電体(例えば負極集電体11B)およびセパレータ50のみを位置付けることを特徴とする(図5参照)。かかる特徴を前提として、例えば図7および図8に示す態様が採られてよい。
具体的には、長尺状のセパレータ付電極100を蛇行させること、およびセパレータ付電極100の非湾曲部分102に他方の電極(例えば正極10A)を配置することを交互に繰り返す(図7および図8参照)。図7および図8では、非湾曲部分102を簡略化して示しているが、詳細には、非湾曲部分102は、一方の電極(例えば負極10B)および当該電極の両主面に位置付けられたセパレータ50を備える構造となっている。当該一方の電極(例えば負極10B)は、集電体(例えば負極集電体)および集電体の少なくとも一方の主面に形成された電極材層(例えば負極材層)を備える。かかる点を考慮すれば、より具体的には、長尺状のセパレータ付電極100を蛇行させた後、蛇行により形成され得る当該電極の非湾曲部分102の構成要素である負極材層の略直上領域に他方の電極を配置する。
上記工程の繰り返しにより、セパレータ付電極100の非湾曲部分102および他方の電極(例えば正極10A)を積層方向に沿って交互に配置することができる。これにより、最終的に、正極10A、負極10B、正極10Aと負極10Bとの間のセパレータ50を備えた電極構成層が複数積層された電極組立体を得ることが可能である。当該電極組立体を電解液と共に外装体内に封入すれば、最終的に本発明の二次電池を得ることができる。
なお、上述のように、セパレータ50は多孔性部材である。そのため、長尺状のセパレータ付電極100を蛇行させた後に形成され得る当該電極の非湾曲部分102の構成要素であるセパレータ50の孔を通じて、当該セパレータ50の下方に位置する負極材層の位置を好適に確認することが可能である。以上の事からも、当該非湾曲部分102に他方の電極(例えば正極10A)を配置する際に、非湾曲部分102の負極材層の略直上領域に当該他方の電極を好適に位置付けることが可能である。つまり、当該他方の電極の位置ずれを好適に抑制することが可能である。
又、図7および図8に示す態様に限定されることなく、以下態様が採られてもよい。
具体的には、長尺状のセパレータ付電極を一方向に巻回させること、およびセパレータ付電極の非湾曲部分に他方の電極を配置することを行う。これにより、セパレータ付電極の非湾曲部分および他方の電極を積層方向に沿って交互に配置する一方、一方の電極(例えば負極10B)の集電体(例えば負極集電体)およびセパレータのみを全体として一方向に巻回する構造を形成してよい(図3参照)。以上により、最終的に、正極10A、負極10B、正極10Aと負極10Bとの間のセパレータ50を備えた電極構成層が複数積層された電極組立体を得ることが可能である。当該電極組立体を電解液と共に外装体内に封入すれば、最終的に本発明の二次電池を得ることができる。
本発明の製造方法は、下記態様を採ることが好ましい。
具体的には、本態様では、以下特徴を有する電極組立体200を形成することが好ましい(図4参照)。
・得られる電極組立体200の構成要素である最外層電極として、一方向にのみ延在する片面電極構造の他方の電極10Aを位置付けない。
・その一方で、得られる電極組立体200の構成要素である最外層電極として、セパレータ付電極100の構成要素である片面電極構造の電極10Bを位置付ける。具体的には、下記(1)および(2)の工程を経て得られるセパレータ付電極100の非湾曲部分102αとなる部分(セパレータ付電極100の最末端側に位置する部分)を両面電極構造とする。その一方で、電極組立体200の最外側領域に位置付けるセパレータ付電極100の非湾曲部分102β(セパレータ付電極100の最末端側に位置する非湾曲部分102αの少なくとも1つ手前の部分)を“片面電極構造”とする。
上記特徴を有する電極組立体を形成するために、以下工程を経ることが好ましい。
(1)集電体となるシート状の金属箔の両主面に電極材層の原料を間欠的に塗工して両面電極構造の一方の電極を形成するのみならず、集電体となるシート状の金属箔の一方の主面にのみ電極材層の原料を局所的に塗工して片面電極構造の一方の電極を形成する(図6D参照)。特に、本態様では、シート状の金属箔の少なくとも一方の端部領域の両主面に電極材層の原料を塗工して両面電極構造の一方の電極を形成する箇所に隣接して、片面電極構造の一方の電極の形成を行う。以上により、長尺状(又はシート状)のセパレータ付電極100が得られる。なお、ここでいう「両面電極構造の一方の電極を形成する箇所に隣接して片面電極構造の一方の電極の形成を行う」とは、得られる長尺状のセパレータ付電極100の構成要素である複数の電極のうち、当該長尺状のセパレータ付電極100の最末端側に位置する両面電極構造の電極10Bに最近接して離隔配置される片面電極構造の電極10Bを形成することを意味する。
特に限定されるものではないが、図6Dに示す態様では、例えば図6Cに示す態様と同じように、下記(2)の工程を経て得られる湾曲後のセパレータ付電極100の複数の非湾曲部分のうちの1つのみに電極タブ20Bが位置付けられるように、湾曲前の長尺状の一方の電極となる部分に当該電極タブ20Bが位置付けられてよい。
(2)(1)の工程実施後、長尺状のセパレータ付電極100を一方向に巻回させ、次いで、一方向に巻回させたセパレータ付電極100を蛇行させる(図4参照)。特に、本態様では、セパレータ付電極100および他方の電極から構成される電極組立体200の最外側領域に片面電極構造の一方の電極が位置付けられるように、長尺状のセパレータ付電極100を一方向に巻回する。次いで、長尺状セパレータ付電極100の巻回/蛇行することと、巻回/蛇行時に形成されるセパレータ付電極100の非湾曲部分102に他方の電極を配置することとを交互に繰り返す。これにより、セパレータ付電極100の非湾曲部分102および他方の電極が積層方向に沿って交互に配置された電極組立体200を形成し得る。
本態様では、単一のセパレータ付電極100が、その構成要素として相互に離隔して配置される電極を複数有し、当該複数の電極のうち、セパレータ付電極100の最末端部分には両面電極が配置される一方、セパレータ付電極100の最末端部分に最近接する部分には片面電極が離隔配置される。より具体的には、単一のセパレータ付電極100の構成要素である片面電極は、少なくとも一方の両面電極と他方の両面電極との間に位置付けられる。そのため、単一のセパレータ付電極100の製造時の加熱処理の際に、片面電極となる部分の両側に、反り応力が生じにくい両面電極が少なくとも位置するため、両面電極間に位置する片面電極に生じ得る反り応力を抑制することが可能となる。そのため、長尺状のセパレータ付電極100のうち片面電極となる部分が、電極組立体200の最外側領域に位置付ける場合においても、電極組立体200の内側領域の両面電極との間のセパレータに当該片面電極を全体として好適に接着可能となる。そのため、最外層電極としての片面電極が電極組立体200の構成要素として好適に機能し得る。
なお、一方の最外層電極のみならず他方の最外層電極も電極組立体200の構成要素として好適に機能させる観点から、上記(1)の工程にて、シート状の金属箔の“両方”の端部領域の両主面に電極材層の原料を塗工して両面電極構造の一方の電極を形成する箇所に隣接して、片面電極構造の一方の電極を形成することが好ましい。
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明の適用範囲のうちの典型例を例示したに過ぎない。従って、本発明はこれに限定されず、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
本発明の一実施形態に係る二次電池は、蓄電が想定される様々な分野に利用することができる。あくまでも例示にすぎないが、本発明の一実施形態に係る二次電池、特に非水電解質二次電池は、モバイル機器などが使用される電気・情報・通信分野(例えば、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコンおよびデジタルカメラなどのモバイル機器分野)、家庭・小型産業用途(例えば、電動工具、ゴルフカート、家庭用・介護用・産業用ロボットの分野)、大型産業用途(例えば、フォークリフト、エレベーター、湾港クレーンの分野)、交通システム分野(例えば、ハイブリッド車、電気自動車、バス、電車、電動アシスト自転車、電動二輪車などの分野)、電力系統用途(例えば、各種発電、ロードコンディショナー、スマートグリッド、一般家庭設置型蓄電システムなどの分野)、ならびに、宇宙・深海用途(例えば、宇宙探査機、潜水調査船などの分野)に利用することができる。
200 電極組立体
100、100’ セパレータ付電極
101、101’ セパレータ付電極の湾曲部分
102、102α、102β セパレータ付電極の非湾曲部分
50、50’ セパレータ
10A、10A’ 正極(他方の電極)
10A 正極の側部(他方の電極の側部)
10B、10B’ 負極(一方の電極)
11A、11A’ 正極集電体
11B、11B’ 負極集電体
12A、12A’ 正極材層
12B、12B’ 負極材層
20B 電極タブ
20B 電極タブに相当する部分
α’ セパレータ付電極の湾曲部分における電極材層の割れ部分
X 巻回領域
Y 蛇行領域

Claims (20)

  1. 一方の電極およびセパレータが一体構造を成す単一のセパレータ付電極と、該一方の電極とは極性の異なる少なくとも2つの他方の電極と、を備える二次電池であって、
    前記セパレータ付電極が非湾曲部分および該非湾曲部分に連続する湾曲部分を交互に有し、該非湾曲部分と前記他方の電極とが積層方向に沿って交互に配置され、および
    前記湾曲部分が、各々湾曲した前記一方の電極の集電体および前記セパレータのみを有する、二次電池。
  2. 前記セパレータ付電極に含まれる前記一方の電極の前記集電体および前記セパレータのみが、全体として連続している、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記セパレータ付電極の前記湾曲部分が、前記一方の電極の電極材層非形成部分となっている、請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 前記一方の電極の前記集電体および前記セパレータのみが、全体として蛇行形態をなす、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池。
  5. 前記一方の電極の前記集電体および前記セパレータのみが、全体として一方向に巻回された形態をなす、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池。
  6. 前記セパレータ付電極は、該セパレータ付電極の前記湾曲部分と前記非湾曲部分とにより、一方向に巻回された形態をなす巻回領域と該巻回領域に連続する蛇行形態をなす蛇行領域とを構成し、
    前記巻回領域が、前記セパレータ付電極と前記他方の電極とから構成される電極組立体の最外側領域に位置付けられており、
    片面電極構造を有する最外層電極が、前記セパレータ付電極の前記巻回領域の前記非湾曲部分に位置付けられる、請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池。
  7. 前記他方の前記電極の少なくとも一方の側部と、前記セパレータ付電極の前記湾曲部分とが、相互に対向している、請求項1〜6のいずれかに記載の二次電池。
  8. 前記セパレータ付電極が相互に対向する2つの前記セパレータを有して成り、前記湾曲部分において、該2つの該セパレータ間に前記一方の電極の前記集電体のみが位置付けられている、請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池。
  9. 前記セパレータ付電極の前記非湾曲部分が、前記一方の電極の電極材層形成部分となっており、該一方の電極の前記集電体および該集電体の少なくとも一方の側に形成された電極材層を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の二次電池。
  10. 前記一方の電極および前記他方の電極がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の二次電池。
  11. 一方の電極およびセパレータが一体構造を成すセパレータ付電極と、該一方の電極とは極性の異なる少なくとも2つの他方の電極と、を備える二次電池の製造方法であって、
    一方向に延在する長尺状の前記セパレータ付電極を局所的に湾曲させること
    を含み、
    前記長尺状の前記セパレータ付電極を局所的に湾曲させる部分に、前記一方の電極の集電体および前記セパレータのみを位置付ける、製造方法。
  12. 前記セパレータ付電極に含まれる前記一方の電極の前記集電体および前記セパレータのみが、全体として連続する、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記セパレータ付電極が非湾曲部分および該非湾曲部分に連続する湾曲部分を交互に有し、かつ該非湾曲部分と前記他方の電極とが積層方向に沿って交互に配置されるように、前記長尺状の前記セパレータ付電極を局所的に湾曲させる、請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記長尺状の前記セパレータ付電極を局所的に湾曲させることに先立ち、
    集電体となる金属箔の少なくとも一方の主面に電極材層の原料を間欠的に塗工して長尺状の一方の電極を形成すること、および
    前記電極材層を挟み込むように前記セパレータを熱圧着して、前記長尺状のセパレータ付電極を形成すること
    を含む、請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 前記長尺状の前記セパレータ付電極を局所的に湾曲させる部分が、前記電極材層の原料の非塗工部分である、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記セパレータ付電極の前記非湾曲部分が、前記一方の電極の電極材層形成部分であり、該一方の電極の前記集電体および該集電体の少なくとも一方の側に形成された電極材層を含む、請求項13に記載の製造方法。
  17. 前記長尺状の前記セパレータ付電極を蛇行させること、および該蛇行時に形成される該セパレータ付電極の前記非湾曲部分に前記他方の電極を配置することを交互に繰り返して、該セパレータ付電極の該非湾曲部分および該他方の電極を積層方向に沿って交互に配置する、請求項11〜16のいずれかに記載の製造方法。
  18. 前記長尺状の前記セパレータ付電極を一方向に巻回させること、および該巻回時に形成される該セパレータ付電極の前記非湾曲部分に前記他方の電極を配置することにより、該セパレータ付電極の該非湾曲部分および該他方の電極を積層方向に沿って交互に配置する、請求項11〜16のいずれかに記載の製造方法。
  19. 前記長尺状の前記セパレータ付電極を一方向に巻回させ、次いで該セパレータ付電極を蛇行させること、および前記巻回および前記蛇行時に形成される前記セパレータ付電極の前記非湾曲部分に前記他方の電極を配置することを交互に繰り返すことにより、該セパレータ付電極の該非湾曲部分および該他方の電極を積層方向に沿って交互に配置することを含み、
    前記セパレータ付電極および前記他方の電極から構成される電極組立体の最外側領域に片面電極構造の前記一方の電極が位置付けられるように、前記長尺状の前記セパレータ付電極を一方向に巻回する、請求項11〜16のいずれかに記載の製造方法。
  20. 前記長尺状の前記セパレータ付電極の形成に際して、集電体となる金属箔の一方の主面にのみ電極材層の原料を局所的に塗工して前記片面電極構造の前記一方の電極を形成する箇所を、該金属箔の少なくとも一方の端部領域の両主面に該電極材層の該原料を局所的に塗工して両面電極構造の前記一方の電極を形成する箇所に隣接して位置付ける、請求項19に記載の製造方法。
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