JP6957952B2 - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池およびその製造方法に関する。
従前より充放電が繰り返し可能な二次電池が様々な用途に用いられている。例えば、二次電池は、スマートフォン、ノートパソコン等の電子機器の電源として用いられている。
近年、当該電子機器の薄型化および小型化の要求が一層高まっていることに伴い、薄型化・小型化かつ高容量の二次電池が要求されている。かかる要求に応えるため、特許文献1には、二次電池の構成要素である電極組立体が、断面視にて正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が複数積層された平面積層構造を有する旨が開示されている。当該電極組立体の正極および負極、すなわち電極組立体の電極は、断面視にて集電体および集電体の主面に活物質が塗工された電極材層を備えている。特許文献1には、積層方向に沿って設けられた複数の電極のうちの最外層の電極では、電極材層が断面視にて集電体の一方の主面にのみ供されている旨が開示されている。
特開2007−149349号公報
ここで、本願発明者は、最外層の電極において、電極材層が断面視にて集電体の一方の主面にのみ供されている場合、以下の問題が生じ得ることを見出した。
図7に示すように、平面積層構造の電極組立体100’(平面視で矩形形状の電極組立体100X’および非矩形形状の電極組立体100Y’等)は、積層方向に沿ってセパレータ50’を挟んで正極10A’と負極10B’とを交互に配置した後、層間相互の接続を行うために熱加圧(ホットプレスともいう)を行うことによって得られる。積層方向に沿って設けられる複数の電極10’の各々は、集電体11’の少なくとも一方の主面に電極材層12’を塗布および乾燥後、所望の密度を得るための加圧処理を行うことで得られる。具体的には、電極組立体100’の内側領域に位置する電極10’は、集電体11’の両主面に電極材層12’を塗布および乾燥した後、所望の密度を得るための加圧処理を行うことで得られる。一方、電極組立体100’の最外層領域に位置する電極10’は、集電体11’の一方の主面にのみ電極材層12’を塗布および乾燥した後、所望の密度を得るための加圧処理を行うことで得られる。また、集電体11’は主として金属箔、すなわち金属部材から構成される一方、電極材層12’は、主として活物質およびバインダー(高分子系化合物)を含む。つまり、集電体11’と電極材層12’とでは、その構成材料の種類が相互に異なっている。
かかる集電体11’と電極材層12’との材料の種類の違いは、所望の密度を有する各電極10’を得るための加圧処理を施す際において、集電体11’と電極材層12’の伸張度の違いにつながり得る。具体的には、その伸張度の違いに起因して、最外層に位置付ける電極10’(片面電極に相当)を得るための加圧処理時に電極材12’は集電体11’よりも相対的に大きく伸張する傾向にある。特に、最外層に位置付ける電極10’(片面電極に相当)では電極材層12’が集電体11’の主面の一方の側にのみ設けられるため、当該伸張度の違いに起因して、最外層に位置付ける電極10’(片面電極に相当)には反り応力が生じ易い。かかる反り応力の発生は、最外層に位置付ける電極10’(片面電極に相当)の反りにつながり得る(図7の左下部参照)。
最外層に位置付ける電極10’(片面電極に相当)の反りは、電極組立体100’の構成時に、内側領域の電極10’(両面電極に相当)との間に位置付けるセパレータ50’に最外層に位置付ける電極10’を全体として好適に接着できないことになり得る。そのため、最外層の電極10’が電極組立体100’の構成要素として好適に機能しない虞がある。その結果、全体として当該電極組立体100’を含む二次電池は、所望の電池特性を好適に発揮できない虞がある。
本発明は、かかる事情に鑑みて案出されたものである。具体的には、本発明は、電極材層が断面視にて集電体の一方の主面に供されている最外層電極の反り応力の発生を抑制可能な電極組立体を備えた二次電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が複数積層された平面積層構造の電極組立体を備えた二次電池であって、
最外層の正極および負極の少なくとも一方は、集電体および集電体の一方の主面に設けられた電極材層を有して成り、および
電極材層の主面に、電極材層とは異なる組成を有する異種組成層が更に設けられており、異種組成層は、少なくとも熱可塑性樹脂体を含んで成る、二次電池が提供される。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態では、
正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が複数積層された平面積層構造の電極組立体を備えた二次電池の製造方法であって、
最外層の正極および負極の少なくとも一方を形成する工程において、工程が集電体の一方の主面に電極材層を設けることを含み、および
当該工程が、電極材層の主面に電極材層とは異なる組成を有する異種組成層を設けることを更に含み、異種組成層は少なくとも熱可塑性樹脂体を含んで成る、製造方法が提供される。
本発明の一実施形態によれば、電極材層が断面視にて集電体の一方の主面に供されている最外層電極の反り応力の発生を抑制可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池の最外層電極を模式的に示した断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る二次電池の電極組立体を模式的に示した断面図である。 図3は、熱可塑性樹脂体および熱可塑性樹脂体内にて互いに離隔するように設けられた無機体を含んで成る異種組成層を模式的に示した断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る二次電池の最外層電極に加圧処理を施す態様を模式的に示した断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る二次電池の電極組立体に熱加圧を施す態様を模式的に示した断面図である。 図6は、電極構成層の基本的構成を模式的に示した断面図である。 図7は、本願発明者が見出した技術的課題を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法について説明する前に、二次電池の基本的構成について説明しておく。なお、本明細書でいう「二次電池」という用語は充電・放電の繰り返しが可能な電池のことを指す。「二次電池」は、その名称に過度に拘泥されるものではなく、例えば、「蓄電デバイス」なども包含し得る。本明細書でいう「平面視」とは、二次電池を構成する電極材の積層方向に基づく厚み方向に沿って対象物を上側または下側からみたときの状態のことである。又、本明細書でいう「断面視」とは、二次電池を構成する電極材の積層方向に基づく厚み方向に対して略垂直な方向からみたときの状態のことである。
[二次電池の基本的構成]
本発明では二次電池が提供される。本明細書でいう「二次電池」とは、充電・放電の繰り返しが可能な電池のことを指している。従って、本発明の二次電池は、その名称に過度
に拘泥されるものでなく、例えば“蓄電デバイス”なども本発明の対象に含まれ得る。二次電池は、外装体の内部に電極組立体と電解質とが収容および封入された構造を有して成る。本発明では、電極組立体は、正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が複数積層された平面積層構造を有することを前提とする。また、外装体は、導電性ハードケース又はフレキシブルケース(パウチ等)の形態を採ってよい。外装体の形態がフレキシブルケース(パウチ等)である場合、複数の正極の各々は、正極用集電リードを介して、正極用外部端子に連結されている。正極用外部端子はシール部により外装体に固定され、当該シール部は電解質の液漏れを防止する。同様に、複数の負極の各々は、負極用集電リードを介して負極用外部端子に連結されている。負極用外部端子はシール部により外装体に固定され、シール部が電解質の液漏れを防止する。なお、これに限定されず、複数の正極の各々と接続される正極用集電リードは正極用外部端子の機能を備えていてよく、また、複数の負極の各々と接続される負極用集電リードは負極用外部端子の機能を備えていてよい。外装体の形態が導電性ハードケースの場合、複数の正極の各々は、正極用集電リードを介して、正極用外部端子に連結されている。正極用外部端子はシール部により外装体に固定され、当該シール部は電解質の液漏れを防止する。
正極10Aは、少なくとも正極集電体11Aおよび正極材層12Aから構成されており(図6参照)、正極集電体11Aの少なくとも片面に正極材層12Aが設けられている。当該正極集電体11Aのうち正極材層12Aが設けられていない箇所、すなわち正極集電体11Aの端部には正極側引出しタブが位置付けられている。正極材層12Aには電極活物質として正極活物質が含まれている。負極10Bは少なくとも負極集電体11Bおよび負極材層12Bから構成されており(図6参照)、負極集電体11Bの少なくとも片面に負極材層12Bが設けられている。当該負極集電体11Bのうち負極材層12Bが設けられていない箇所、すなわち負極集電体11Bの端部には負極側引出しタブが位置付けられている。負極材層12Bには電極活物質として負極活物質が含まれている。
正極材層12Aに含まれる正極活物質および負極材層12Bに含まれる負極活物質は、二次電池において電子の受け渡しに直接関与する物質であり、充放電、すなわち電池反応を担う正負極の主物質である。より具体的には、「正極材層12Aに含まれる正極活物質」および「負極材層12Bに含まれる負極活物質」に起因して電解質にイオンがもたらされ、かかるイオンが正極10Aと負極10Bとの間で移動して電子の受け渡しが行われて充放電がなされる。正極材層12Aおよび負極材層12Bは特にリチウムイオンを吸蔵放出可能な層であることが好ましい。つまり、電解質を介してリチウムイオンが正極10Aと負極10Bとの間で移動して電池の充放電が行われる二次電池が好ましい。充放電にリチウムイオンが関与する場合、二次電池は、いわゆる“リチウムイオン電池”に相当する。
正極材層12Aの正極活物質は例えば粒状体から成るところ、粒子同士の十分な接触と形状保持のためにバインダー(“結着材”とも称される)が正極材層12Aに含まれていることが好ましい。更には、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が正極材層12Aに含まれていてよい。同様に、負極材層12Bの負極活物質は例えば粒状体から成るところ、粒子同士の十分な接触と形状保持のためにバインダーが含まれることが好ましく、電池反応を推進する電子の伝達を円滑にするために導電助剤が負極材層12Bに含まれていてよい。このように、複数の成分が含有されて成る形態ゆえ、正極材層12Aおよび負極材層12Bはそれぞれ“正極合材層”および“負極合材層”などと称すこともできる。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、正極活物質は例えばリチウム含有複合酸化物であることが好ましい。より具体的には、正極活物質は、リチウムと、コバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄から成る群から選択される少なくとも1種の遷移金属とを含むリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい。つまり、二次電池の正極材層12Aにおいては、そのようなリチウム遷移金属複合酸化物が正極活物質として好ましくは含まれている。例えば、正極活物質はコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、または、それらの遷移金属の一部を別の金属で置き換えたものであってよい。このような正極活物質は、単独種として含まれてよいものの、二種以上が組み合わされて含まれていてもよい。より好適な態様では正極材層12Aに含まれる正極活物質がコバルト酸リチウムとなっている。
正極材層12Aに含まれる得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、ポリフッ化ビリニデン、ビリニデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビリニデンフルオライド−テトラフルオロチレン共重合体およびポリテトラフルオロチレンなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。正極材層12Aに含まれ得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。より好適な態様では正極材層12Aのバインダーはポリフッ化ビニリデンであり、また、別のより好適な態様では正極材層12Aの導電助剤はカーボンブラックである。さらに好適な態様では、正極材層12Aのバインダーおよび導電助剤が、ポリフッ化ビニリデンとカーボンブラックとの組合せとなっている。
負極活物質は、リチウムイオンの吸蔵放出に資する物質であることが好ましい。かかる観点でいえば、負極活物質は例えば各種の炭素材料、酸化物、または、リチウム合金などであることが好ましい。
負極活物質の各種の炭素材料としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン、ダイヤモンド状炭素などを挙げることができる。特に、黒鉛は電子伝導性が高く、負極集電体11Bとの接着性が優れる点などで好ましい。負極活物質の酸化物としては、酸化シリコン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛および酸化リチウムなどから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。負極活物質のリチウム合金は、リチウムと合金形成され得る金属であればよく、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、Laなどの金属とリチウムとの2元、3元またはそれ以上の合金であってよい。このような酸化物は、その構造形態としてアモルファスとなっていることが好ましい。結晶粒界または欠陥といった不均一性に起因する劣化が引き起こされにくくなるからである。より好適な態様では負極材層12Bの負極活物質が人造黒鉛となっている。
負極材層12Bに含まれ得るバインダーとしては、特に制限されるわけではないが、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド系樹脂およびポリアミドイミド系樹脂から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。より好適な実施態様では負極材層12Bに含まれるバインダーはスチレンブタジエンゴムとなっている。負極材層12Bに含まれる得る導電助剤としては、特に制限されるわけではないが、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブおよび気相成長炭素繊維等の炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウムおよび銀等の金属粉末、ならびに、ポリフェニレン誘導体などから選択される少なくとも1種を挙げることができる。なお、負極材層12Bには、電池製造時に使用された増粘剤成分(例えばカルボキシルメチルセルロース)に起因する成分が含まれていてもよい。
さらに好適な態様では、負極材層12Bにおける負極活物質およびバインダーが人造黒鉛とスチレンブタジエンゴムとの組合せとなっている。
正極10Aおよび負極10Bに用いられる正極集電体11Aおよび負極集電体11Bは電池反応に起因して活物質で発生した電子を集めたり供給したりするのに資する部材である。このような集電体は、シート状の金属部材であってよく、多孔または穿孔の形態を有していてよい。例えば、集電体は金属箔、パンチングメタル、網またはエキスパンドメタル等であってよい。正極10Aに用いられる正極集電体11Aは、アルミニウム、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えばアルミニウム箔であってよい。一方、負極10Bに用いられる負極集電体11Bは、銅、ステンレスおよびニッケル等から成る群から選択される少なくとも1種を含んだ金属箔から成るものが好ましく、例えば銅箔であってよい。
セパレータ50は、正負極の接触による短絡防止および電解質保持などの観点から設けられる部材である。換言すれば、セパレータ50は、正極10Aと負極10Bとの間の電子的接触を防止しつつイオンを通過させる部材であるといえる。好ましくは、セパレータ50は多孔性または微多孔性の絶縁性部材であり、その小さい厚みに起因して膜形態を有している。あくまでも例示にすぎないが、ポリオレフィン製の微多孔膜がセパレータとして用いられてよい。この点、セパレータ50として用いられる微多孔膜は、例えば、ポリオレフィンとしてポリエチレン(PE)のみ又はポリエチレン(PP)のみを含んだものであってよい。更にいえば、セパレータ50は、“PE製の微多孔膜”と“PP製の微多孔膜”とから構成される積層体であってもよい。セパレータの表面は無機粒子コート層および/または接着層等により覆われていてもよい。セパレータの表面は接着性を有していてもよい。
なお、電極の取扱いの更なる向上の観点から、セパレータ50と電極(正極10A/負極10B)は接着されていることが好ましい。セパレータ50と電極との接着は、セパレータ50として接着性セパレータを用いること、電極材層(正極材層12A/負極材層12B)の上に接着性バインダーを塗布および/または熱圧着すること等によって為され得る。セパレータ50または電極材層に接着性を供する接着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、アクリル系接着剤等が挙げられる。
電解質は電極(正極10A・負極10B)から放出された金属イオンの移動を助力する。電解質は有機電解質および有機溶媒などの“非水系”の溶媒と、溶質とを含む電解質であっても、または水を含む“水系”の電解質であってもよい。二次電池は、電解質として“非水系”の電解質が用いられた非水電解質二次電池が好ましい。電解質は液体状またはゲル状などの形態を有し得る(なお、本明細書において“液体状”の非水電解質は「非水電解質液」とも称される)。
具体的な非水電解質の溶媒としては、少なくともカーボネートを含んで成るものが好ましい。かかるカーボネートは、環状カーボネート類および/または鎖状カーボネート類であってもよい。特に制限されるわけではないが、環状カーボネート類としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)およびビニレンカーボネート(VC)から成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。鎖状カーボネート類としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジプロピルカーボネート(DPC)から成る群から選択される少なくも1種を挙げることができる。好適な態様では、非水電解質として環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組合せが用いられ、例えばエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物が用いられる。また、具体的な非水電解質の溶質としては、好ましくは例えばLiPF、LiBF等のLi塩が用いられる。また、具体的な非水電解質の溶質としては、好ましくは例えばLiPF、LiBF等のLi塩が用いられる。
正極用集電リードおよび負極用集電リードとしては、二次電池の分野で使用されているあらゆる集電リードが使用可能である。そのような集電リードは、電子の移動が達成され得る材料から構成されればよく、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、銅、ステンレスなどの導電性材料から構成される。正極用集電リードはアルミニウムから構成されることが好ましく、負極用集電リードはニッケルから構成されることが好ましい。正極用集電リードおよび負極用集電リードの形態は特に限定されず、例えば、線又はプレート状であってよい。
外部端子としては、二次電池の分野で使用されているあらゆる外部端子が使用可能である。そのような外部端子は、電子の移動が達成され得る材料から構成されればよく、通常はアルミニウム、ニッケル、鉄、銅、ステンレスなどの導電性材料から構成される。外部端子5は、基板と電気的かつ直接的に接続されてもよいし、または他のデバイスを介して基板と電気的かつ間接的に接続されてもよい。なお、これに限定されず、複数の正極の各々と接続される正極用集電リードが正極用外部端子の機能を備えていてよく、また、複数の負極の各々と接続される負極用集電リードは負極用外部端子の機能を備えていてよい。
外装体は、上述のように導電性ハードケース又はフレキシブルケース(パウチ等)の形態を有していてよい。
導電性ハードケースは、本体部および蓋部からなっている。本体部は当該外装体の底面を構成する底部および側面部から成る。本体部と蓋部とは、電極組立体、電解質、集電リードおよび外部端子の収容後に密封される。密封方法としては、特に限定されるものではなく、例えばレーザー照射法等が挙げられる。本体部および蓋部を構成する材料としては、二次電池の分野でハードケース型外装体を構成し得るあらゆる材料が使用可能である。そのような材料は電子の移動が達成され得る材料であればよく、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、銅、ステンレスなどの導電性材料が挙げられる。本体部および蓋部の寸法は、主として電極組立体の寸法に応じて決定され、例えば電極組立体を収容したとき、外装体内での電極組立体の移動(ズレ)が防止される程度の寸法を有することが好ましい。電極組立体の移動を防止することにより、電極組立体の破壊が防止され、二次電池の安全性が向上する。
フレキシブルケースは、軟質シートから構成される。軟質シートは、シール部の折り曲げを達成できる程度の軟質性を有していればよく、好ましくは可塑性シートである。可塑性シートは、外力を付与した後、除去したとき、外力による変形が維持される特性を有するシートのことであり、例えば、いわゆるラミネートフィルムが使用できる。ラミネートフィルムからなるフレキシブルパウチは例えば、2枚のラミネートフィルムを重ね合わせ、その周縁部をヒートシールすることにより製造できる。ラミネートフィルムとしては、金属箔とポリマーフィルムを積層したフィルムが一般的であり、具体的には、外層ポリマーフィルム/金属箔/内層ポリマーフィルムから成る3層構成のものが例示される。外層ポリマーフィルムは水分等の透過および接触等による金属箔の損傷を防止するためのものであり、ポリアミドおよびポリエステル等のポリマーが好適に使用できる。金属箔は水分およびガスの透過を防止するためのものであり、銅、アルミニウム、ステンレス等の箔が好適に使用できる。内層ポリマーフィルムは、内部に収納する電解質から金属箔を保護するとともに、ヒートシール時に溶融封口させるためのものであり、ポリオレフィンまたは酸変性ポリオレフィンが好適に使用できる。
[本発明の二次電池]
本発明の一実施形態に係る二次電池の基本的構成を考慮した上で、以下、本発明の一実施形態に係る二次電池の特徴部分について説明する。
本願発明者は、電極材層が断面視にて集電体の一方の主面に供されている最外層の電極の反り応力を抑制するための対応策について鋭意検討した。その結果、本発明を案出するに至った。
以下、本発明の特徴部分を説明するに先立って、本明細書で用いる用語の定義付けを行う。本明細書でいう「異種組成層(又は異組成層とも称し得る)」とは、広義には電極材層とは異なる組成を有する層を指し、狭義には電極材層の構成材料と比べて異なる組成を有する層を指す。ここでいう「組成」とは、化合物等を構成する元素の量の割合を指す。なお、ここでいう「電極材層の構成材料」の一例としては、バインダーとして用いるポリフッ化ビニリデンが挙げられる。又、本明細書でいう「熱可塑性樹脂体」とは、熱可塑性樹脂からなるものを指し、具体的には電極の加圧時には当該加圧による熱エネルギーに起因して溶融し、乾燥冷却時には収縮硬化する熱可塑性樹脂の性質を有するものを指す。本明細書でいう「無機体」とは、無機物からなるものを指し、具体的には電極の加圧時および乾燥冷却時にも相対的に変形しにくいものを指す。
図1に示すように、集電体11’(正極集電体11A’、負極集電体11B’)および当該集電体の一方の主面11α(のみ)に供された電極材層12’(正極材層12A’、負極材層12B’)を有する従来の最外層電極10’(最外層正極10A’、最外層負極10B’)と比べて、本発明は下記特徴を有する(図1および図2参照)。
具体的には、本発明は、集電体11(正極集電体11A、負極集電体11B)および当該集電体の一方の主面(のみ)に供された電極材層12(正極材層12A、負極材層12B)を有して成る最外層電極10(最外層正極10A、最外層負極10B)において、断面視にて当該最外層電極10の電極材層12の主面12αに、電極材層12とは異なる組成を有する異種組成層13(正極側:13A、負極側:13B)が更に設けられていることを特徴とする。又、本発明は、当該異種組成層13が少なくとも熱可塑性樹脂体14(正極側:14A、負極側:14B)を含んで成ることを特徴とする。
上述のように、最外層に位置付ける電極10’は電極材層12’が集電体11’の主面の一方の側にのみ設けられる構造を成しており、かつ、最外層に位置付ける電極10’を得るための加圧処理時に、電極材層12’が集電体11’よりも相対的に大きく伸張することに起因して、最外層に位置付ける電極10’には反り応力が生じ易い。かかる反り応力の発生は、最外層に位置付ける電極10’の反りにつながり得る(図7の左下部参照)。この点につき、本発明は、断面視にて最外層電極10の電極材層12の主面12αに、電極材層12とは組成の異なる異種組成層13が設けられ、当該異種組成層13が少なくとも熱可塑性樹脂体14を含んで成るという特徴を有するため、加圧後に乾燥冷却されることで最終的に得られる最外層電極では、以下の現象が生じている。
具体的には、最外層電極の加圧時には、集電体11よりも伸張度が相対的に大きいことに起因して電極材層12には外側方向に向かう伸張応力が作用する。これに対して、電極材層12の主面12αに設けられる異種組成層13は少なくとも熱可塑性樹脂体14を含んで成るため、熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13は、断面視で最外層電極10の加圧時に生じ得る熱エネルギーにより外側方向に向かって一旦伸張する。そして、後刻の最外層電極10の乾燥冷却時には熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13は内側方向に向かって収縮する。つまり、最外層電極10の乾燥冷却時には、異種組成層13には内側方向に向かう収縮応力が作用する。つまり、当該収縮応力の作用に起因して、異種組成層13は収縮層を成している。
以上の事から、最終的に得られる最外層電極は、断面視で外側方向に向かう伸張応力が作用する電極材層12と、断面視で内側方向に向かう収縮応力が作用する異種組成層13とを有して成る。具体的には、最終的に得られる最外層電極では、(1)電極材層12に生じる引張応力の作用方向(外側方向)と(2)異種組成層13に生じる収縮応力の作用方向(内側方向)とが互いに反対方向となっている。これにより、2つの応力の作用方向が互いに反対方向であることに起因して2つの応力を実質的に相殺することが可能となる。かかる2つの応力の相殺により、最外層電極10の加圧時に電極材層12が集電体11よりも相対的に大きく伸張することに起因する最外層電極10の反り応力の発生を抑制することが可能となる。
かかる反り応力の抑制は、それに起因して電極組立体の構成時に内側領域の電極10(両面電極に相当)との間に位置付けるセパレータ50に最外層の電極10を好適に接着可能となることにつながる(図2参照)。そのため、最外層の電極10を電極組立体100の構成要素として好適に機能させることができる。その結果、全体として当該電極組立体100を含む二次電池は、所望の電池特性を好適に発揮することが可能である。
(熱可塑性樹脂体(異種組成層の構成要素)の材質)
本発明の一実施形態にて、異種組成層13に少なくとも含まれる熱可塑性樹脂体14としては、最外層電極として最外層正極が用いられる場合、ポリフッ化ビリニデン、ビリニデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビリニデンフルオライド−テトラフルオロチレン共重合体およびポリテトラフルオロチレンから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。上述のように、異種組成層13は電極材層12(具体的には正極材層)とは組成の異なるものであるが、具体的に言うと、異種組成層13に含まれる熱可塑性樹脂体14の容積割合は、異種組成層13が収縮層として好適に機能するために正極材層に含まれるバインダーの容積割合と比べて相対的に多いことが好ましい。
又、本発明の一実施形態にて、異種組成層13に少なくとも含まれる熱可塑性樹脂体14としては、最外層電極として最外層負極が用いられる場合、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、およびカルボキシメチルセルロースから成る群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。上述のように、異種組成層13は電極材層12(具体的には負極材層)とは組成の異なるものであるが、具体的に言うと、異種組成層13に熱可塑性樹脂体14の容積割合は、異種組成層13が収縮層として機能するために負極材層に含まれるバインダーの容積割合と比べて相対的に多いことが好ましい。
なお、最外層電極として最外層正極および/または最外層負極が用いられる場合のいずれにおいても、異種組成層13に少なくとも含まれる熱可塑性樹脂体14はポリフッ化ビリニデンであることが好ましい。
なお、本発明は、以下態様を採ることが好ましい。
一態様では、異種組成層13が、集電体11と接する電極材層12の主面12αとは反対側の主面12αと接していることが好ましい(図1および図2参照)。
上述のように、最外層電極10の加圧時にて電極材層12’が集電体11’よりも相対的に大きく伸張することに起因して、最外層に位置付ける電極10’には反り応力が生じ易い。より具体的には、電極材層12’の主面が外側湾曲面となりかつ集電体11’の主面が内側湾曲面となるような反り応力が生じ得る(図7の左下部参照)。そこで、当該反り応力を抑制する観点から、具体的には電極材層12が外側湾曲面となり集電体11が内側湾曲面となることを好適に防止する観点から、異種組成層13は、集電体11と接する電極材層12の主面12αとは反対側の主面12αと接するように供されることが好ましい。つまり、最外層電極10が電極組立体100の最外層領域に位置付けられている場合、異種組成層13は、最外層電極10の電極材層12とセパレータ50との間に位置付けられることが好ましい。
本発明は、以下態様を採ってよい。
一態様では、異種組成層13が少なくとも2つの無機体15を更に含んで成り、少なくとも2つの無機体15は、熱可塑性樹脂体14内にて互いに離隔するように設けられていてよい(図3参照)。
本態様では、異種組成層13が、熱可塑性樹脂体14および当該熱可塑性樹脂体14内にて互いに離隔するように設けられた少なくとも2つの無機体15を有して成る。熱可塑性樹脂体14内での少なくとも2つの無機体15の相互離隔は、各無機体15間に空隙が存在することを意味する。かかる空隙の存在は、異種組成層13内にて熱可塑性樹脂体14が無機体よりも相対的に多く含まれることを実質的に意味する。
(無機体(異種組成層の構成要素)の材質)
なお、本態様において、異種組成層13に更に含まれる無機体15としては、Al又はSiO、TiO又はZrOから選択されてよい。なお、本態様において無機体15としてはAlであることが好ましい。
本態様では、異種組成層13内にて熱可塑性樹脂体14が無機体よりも相対的に多く含まれるので、最終的に得られる最外層電極10において、熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13に対して内側方向に向かう収縮応力を生じさせることが可能である。一方、集電体11よりも伸張度が相対的に大きいことに起因して電極材層12には外側方向に向かう伸張応力が生じる。これにより、本態様では、最終的に得られる最外層電極にて、電極材層12に生じる引張応力の作用方向(外側方向)と異種組成層13に生じる収縮応力の作用方向(内側方向)とを互いに反対方向にすることができる。従って、2つの応力の作用方向が互いに反対方向であることに起因して2つの応力を実質的に相殺することが可能となる。かかる2つの応力の相殺により、最外層電極10の加圧時に電極材層12が集電体11よりも相対的に大きく伸張することに起因する最外層電極10の反り応力の発生を抑制することが可能となる。
[本発明の二次電池の製造方法]
以下、本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法について説明する。
本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法は、最外層の電極を形成する工程に特徴を有する。
かかる工程は、主として集電体11の一方の主面11αにのみ電極材層12を設けることを含む。特に、本発明の製造方法では、集電体11の一方の主面11αにのみ電極材層12を設けた後に、当該電極材層12の主面12αに電極材層12とは異なる組成を有する異種組成層13を更に設ける(図4参照)。当該異種組成層13としては、少なくとも熱可塑性樹脂体を含んで成るものが用いられる。つまり、本発明の製造方法は、最外層電極の形成工程において、集電体11と接する電極材層12の主面12αとは反対側の主面12αに異種組成層13を設けることを特徴とする。
かかる特徴を有することにより、後刻の最外層電極の加圧時にて、集電体11よりも伸張度が相対的に大きいことに起因して電極材層12には外側方向に向かう伸張応力が作用する。一方、電極材層12の主面12αに設けられる異種組成層13は少なくとも熱可塑性樹脂体14を含んで成るため、熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13は、断面視で最外層電極10の加圧時に生じ得る熱エネルギーにより外側方向に向かって一旦伸張する。そして、後刻の最外層電極10の乾燥冷却時には熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13は内側方向に向かって収縮する。つまり、最外層電極10の乾燥冷却時には、異種組成層13には内側方向に向かう収縮応力が作用する。
以上の事から、最終的に得られる最外層電極10は、断面視で外側方向に向かう伸張応力が作用する電極材層12と、断面視で内側方向に向かう収縮応力が作用する異種組成層13とを有して成る。具体的には、最終的に得られる最外層電極では、(1)電極材層12に生じる引張応力の作用方向(外側方向)と(2)異種組成層13に生じる収縮応力の作用方向(内側方向)とが互いに反対方向となっている。これにより、2つの応力の作用方向が互いに反対方向であることに起因して2つの応力を実質的に相殺することが可能となる。かかる2つの応力の相殺により、最外層電極10の加圧時に電極材層12が集電体11よりも相対的に大きく伸張することに起因する最外層電極10の反り応力の発生を抑制することが可能となる。
なお、最外層の電極10(片面電極)を形成した後、当該最外層の電極10と、集電体11の両主面に電極材層12が供される電極(両面電極)とを積層方向に沿ってセパレータ50を介して積層して電極組立体100の前駆体を形成する。次いで、当該前駆体に熱加圧を施すことで最終的に電極組立体100を得ることができる(図5参照)。かかる電極組立体100を外装体内に電解液と共に供することで、最終的に本発明の一実施形態に係る二次電池を得ることができる。
なお、本発明の一実施形態に係る二次電池の製造方法は、下記態様をとることが好ましい。
一態様では、最外層の電極10に加圧処理を施すことを含み、加圧処理を施した最外層の電極10の乾燥冷却時に異種組成層13を収縮させることが好ましい(図4参照)。
本発明の製造方法では、最外層の電極を形成する工程は、集電体11と電極材層12とを有して成る積層体(最外層の電極に相当)を加圧することを更に含む。当該加圧は、最外層の電極に所望の密度を供するために実施する。上述のように、加圧処理を施すと、異種組成層13は少なくとも熱可塑性樹脂体14を含んで成るため、熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13は断面視で最外層電極10の加圧時に生じ得る熱エネルギーにより外側方向に向かって一旦伸張する。そして、後刻の最外層電極10の乾燥冷却時に熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13を内側方向に向かって収縮させることが可能となる。
一態様では、異種組成層13を、集電体11と接する電極材層12の主面12αとは反対側の主面12αに設けることが好ましい(図4参照)。
上述のように、最外層電極10の加圧時にて電極材層12’が集電体11’よりも相対的に大きく伸張することに起因して、電極材層12’の主面が外側湾曲面となりかつ集電体11’の主面が内側湾曲面となるような反り応力が生じ得る(図7の左下部参照)。そこで、電極材層12が外側湾曲面となり集電体11が内側湾曲面となることを好適に防止する観点から、異種組成層13は、集電体11と接する電極材層12の主面12αとは反対側の主面12αと接するように供されることが好ましい。つまり、電極組立体100の構成時にて最外層電極10を電極組立体100の最外層領域に位置付ける場合、異種組成層13を、最外層電極10の電極材層12とセパレータ50との間に位置付けることが好ましい。
一態様では、異種組成層13として、熱可塑性樹脂体14内にて互いに離隔する少なくとも2つの無機体15を更に含んで成るものを用いてよい(図3参照)。
本態様では、異種組成層13として、熱可塑性樹脂体14および当該熱可塑性樹脂体14内にて互いに離隔する少なくとも2つの無機体15を有して成るものを用いる。熱可塑性樹脂体14内での少なくとも2つの無機体15が相互離隔していると、各無機体15間に空隙が存在する。かかる空隙の存在は、異種組成層13内にて熱可塑性樹脂体14が無機体よりも相対的に多く含まれることを実質的に意味する。
つまり、本態様では、異種組成層13内にて熱可塑性樹脂体14が無機体よりも相対的に多く含まれるので、最終的に得られる最外層の電極において、熱可塑性樹脂体14を構成する熱可塑性樹脂の材質に起因して、異種組成層13に対して内側方向に向かう収縮応力を生じさせることが可能となり得る。
本発明の一実施形態に係る二次電池は、蓄電が想定される様々な分野に利用することができる。あくまでも例示にすぎないが、本発明の一実施形態に係る二次電池、特に非水電解質二次電池は、モバイル機器などが使用される電気・情報・通信分野(例えば、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコンおよびデジタルカメラなどのモバイル機器分野)、家庭・小型産業用途(例えば、電動工具、ゴルフカート、家庭用・介護用・産業用ロボットの分野)、大型産業用途(例えば、フォークリフト、エレベーター、湾港クレーンの分野)、交通システム分野(例えば、ハイブリッド車、電気自動車、バス、電車、電動アシスト自転車、電動二輪車などの分野)、電力系統用途(例えば、各種発電、ロードコンディショナー、スマートグリッド、一般家庭設置型蓄電システムなどの分野)、ならびに、宇宙・深海用途(例えば、宇宙探査機、潜水調査船などの分野)に利用することができる。
100、100’ 電極組立体
50、50’ セパレータ
10、10’ 電極
10A、10A’ 正極
10B、10B’ 負極
11、11’ 集電体
11α 集電体の主面
11A、11A’ 正極集電体
11B、11B’ 負極集電体
12、12’ 電極材層
12α 電極材層の主面
12A、12A’ 正極材層
12B、12B’ 負極材層
13、13A、13B 異種組成層
14、14A、14B 熱可塑性樹脂体
15 無機体

Claims (8)

  1. 正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が複数積層された平面積層構造の電極組立体を備えた二次電池であって、
    最外層の前記正極および前記負極の少なくとも一方は、集電体および該集電体の一方の主面に設けられた電極材層を有して成り、および
    前記電極材層の前記集電体が形成されている面と反対側の主面に、該電極材層とは異なる組成を有する異種組成層が更に設けられており、該異種組成層は、少なくとも熱可塑性樹脂体を含んで成り、
    前記異種組成層が無機体を更に含んで成り、
    前記異種組成層は、前記無機体よりも相対的に容積割合として多くの前記熱可塑性樹脂体を含んで成り、
    前記無機体が無機粒子である、二次電池。
  2. 前記異種組成層が収縮層を成している、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記異種組成層が少なくとも2つの無機体を更に含んで成り、
    前記少なくとも2つの無機体は、前記熱可塑性樹脂体内にて互いに離隔するように設けられている、請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 前記異種組成層が、前記集電体と接する前記電極材層の主面とは反対側の主面と接している、請求項1〜のいずれかに記載の二次電池。
  5. 正極、負極およびセパレータを含む電極構成層が複数積層された平面積層構造の電極組立体を備えた二次電池の製造方法であって、
    最外層の前記正極および前記負極の少なくとも一方を形成する工程において、該工程が集電体の一方の主面に電極材層を設けることを含み、および
    前記工程が、前記電極材層の前記集電体が形成されている面と反対側の主面に該電極材層とは異なる組成を有する異種組成層を設けることを更に含み、該異種組成層は少なくとも熱可塑性樹脂体を含んで成り、
    前記異種組成層として、無機体を更に含んで成るものを用いており、
    前記異種組成層として、前記無機体よりも相対的に容積割合として多くの前記熱可塑性樹脂体を含んで成るものを用い、
    前記無機体として無機粒子を用いる、製造方法。
  6. 前記最外層の前記正極および前記負極の少なくとも一方に加圧処理を施すことを含み、該加圧処理を施した該最外層の該正極および該負極の少なくとも一方の乾燥冷却時に、前記電極材層の前記主面に設けた前記異種組成層を収縮させる、請求項に記載の製造方法。
  7. 前記異種組成層を、前記集電体と接する前記電極材層の主面とは反対側の主面に設ける、請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 前記正極および前記負極がリチウムイオンを吸蔵放出可能な層を有する、請求項1〜のいずれかに記載の二次電池。
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