JP2021036364A - プラント監視制御システム - Google Patents
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Abstract
Description
以下に、実施の形態1に係るプラント監視制御システムについて図を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係るプラント監視制御システムを示す概略構成図である。図において、プラント監視制御システムは、エンジニアリングツール1、複数のプラント制御装置2a、2b、監視操作装置3を備え、これら装置1、2a、2b、3がネットワーク4を介して接続され、データの送受信が行われる。
プラント制御装置2aは第一の機種Aであり、制御プログラム中の一部の演算要素のみを停止して、停止した演算要素の出力を固定する機能を有している。
一方、プラント制御装置2bは機種Aと異なる第二の機種Bであり、制御プログラム中の一部の演算要素のみを停止して、停止した演算要素の出力を固定する機能を持たない。
エンジニアリングツール1は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)等であり、コンパイラ11、制御プログラム12、アドレス管理テーブル、通信部14を備える。
各プラント制御装置2a、2bは、エンジニアリングツール1からダウンロードされた実行コード22a、22bをそれぞれ保持する。プログラム実行部21a、21bによりそれぞれの実行コード22a、22bが実行され、制御プログラム12の演算ロジックによりデータメモリ23a、23bが読み書きされる。なお、データメモリ23a、23bに読み書きされるデータは、プラント機器から収集し取得した監視データ、プラント機器に出力する制御データ、各プラント制御装置2a、2bで動作する制御演算プログラムの演算結果等である。
監視操作装置3は、モニタ装置31、エンジニアリングツール1のアドレス管理テーブル13と同一のアドレス管理テーブル32、ネットワーク4を介してデータ等の送受信を行う通信部33を備えている。
モニタ装置31は、キーボードまたはマウス等の入力操作部(図示せず)、各プラント制御装置2a、2bで収集されたプラントの監視データを表示する、あるいは各プラント制御装置2a、2bの制御プログラムの実行状態をモニタするための表示部(図示せず)を備えている。このプラント制御装置2a、2bでの制御プログラムの実行状態は、ネットワーク4を介して通信部33で受信、収集され、ディスプレイ等の表示部で表示する等してモニタ装置31でモニタできるようになっている。
図2は、プラント制御装置2aで実行される制御プログラムの一例を説明するための図で、周知のPOL言語(Problem Oriented Language)を使用した例を示す。なお、言語はPOL言語に限らず、プラント制御に適した他の言語を使用することも可能である。
図2において、ADD0001は入力データ1.0と2.0を加算し、ADD0002はADD0001の結果と入力データ3.0を加算して、「X」に出力する制御プログラムを表している。この図2で示された制御プログラムを基にエンジニアリングツール1のコンパイラ11はプラント制御装置2aで動作する実行コードを生成する。生成した実行コード22aはエンジニアリングツール1の通信部14からネットワーク4を介して、プラント制御装置2a内へダウンロードされ、プラント制御装置2aで動作する。
その動作について、図3を用いて説明する。まず図中(a)では図2と同様に、ADD0001は入力データ1.0と2.0を加算した3.0を出力する。(b)は、監視操作装置3から演算要素ADD0001の出力を固定する指令が出された場合を示すが、ADD0001の出力は前回の演算値3.0で固定されるので、ADD0001は入力データが2.0と3.0に変化しても、出力は3.0で固定されたままで更新されない。ADD0002ではADD0001の結果と入力データ3.0を加算して6.0を出力する。
なお、プラント制御装置2aの実行コードは、例えばPOL言語からコンパイルされたバイナリーコードで記述されているので、上述したようにアーキテクチャで演算の出力を固定することができる。
まず、比較例として、アドレス管理テーブル13を持たない、エンジニアリングツールを用い、実行コードをコンパイルする例から説明する。このエンジニアリングツールで図2の制御プログラムをプラント制御装置2bで動作する実行コードにコンパイルすると図4のようになる。図4はプラント制御装置2bで動作するラダー言語の実行コードを表した図である。図4の1行目において、演算要素「E+」は加算を示し、入力データ1.0と2.0を加算した結果を「tmp1」に代入することを表している。2行目は、1行目の加算結果「tmp1」と入力データ3.0を加算した結果を「tmp2」に代入することを表している。3行目は、「tmp2」の内容を「X」に出力することを表している。
さらに、演算要素ADD0002の出力を固定する場合は、図5の演算要素ADD0002の行のようにADD0002に対し、出力固定する場合は出力固定フラグ「tmp2_F」がオンであり、前回ADD0002で演算した演算値「Z」を出力し、オフの場合は今回ADD0002で演算した「tmp2」を出力する。
図6において、ラダーの2行目と4行目が追加されているが、2行目は出力固定フラグ「tmp1_F」がオンの場合は、前回の演算値「tmpY」を「tmp1」に出力し固定することを示している。すなわち、1行目で加算する入力データ1.0及び入力データ2.0が図3のように入力データ2.0と入力データ3.0に変化した場合でも、前回の演算値3.0は「tmpY」として維持されており、出力固定フラグのオフあるいはオンの状態により出力が更新されるか否か決まる。監視操作装置3から出力固定フラグをオンにする指令を出すことにより、プラント制御装置2bに対して、制御プログラム中の一部の演算要素のみを停止して、当該演算の出力を固定する指令を与えることに相当するロジックを追加できる。
図3と同様の動作であれば、図6の3行目で「tmp1(=tmpY)」に入力データ3.0が加算され、「tmpZ」が出力され、「tmp2_F」はオフであるので、最終出力として「tmp2」が「X」に出力される。
すなわち、POL言語で記述された同一の制御プログラムから、プラント制御装置2aでは、実行コード(バイナリーコード)のアーキテクチャで演算の出力を固定し、プラント制御装置2bでは、実行コード(ラダー言語)に演算の出力を固定するロジックを追加するようにしたので、同一の制御プログラムからプラント制御装置2a、2bとも同じ出力固定機能を実現できるようになる。
上記実施の形態1では、エンジニアリングツール1のコンパイラ11は、アドレス管理テーブル13により、制御プログラムに記述された演算要素のうち一部の演算要素のみを停止して、当該演算要素の出力を固定する機能を持たないプラント制御装置2bに対し、演算要素の出力を固定するロジックを追加した実行コードを生成することができること、すなわち監視操作装置3から出力固定フラグをオンすることにより、演算要素の出力を固定することが可能であることを説明した。
監視操作装置3は、エンジニアリングツール1のアドレス管理テーブル13と同一のアドレス管理テーブル32を有するので、モニタ装置31でプラント制御装置2bの制御プログラムの実行状態を容易に監視することが可能である。すなわち、監視操作装置3でプラント制御装置2bの制御プログラムの実行状態を監視する場合、アドレス管理テーブル32の出力値を表示するようにしたので、演算要素の出力を固定したのか否か及び演算要素の出力を固定場合、固定した値でのプラント制御装置2bの実行状態を表示することができる。
上記実施の形態1及び2では、監視操作装置3から出力固定フラグをオンする指令を出すことにより演算の出力を固定する場合について述べた。本実施の形態3では出力値を予め定められた所定の値に変更する例について説明する。
図7は、本実施の形態3に係るプラント監視制御システムに具備される監視操作装置3を示した構成図である。図7において、監視操作装置3はさらに出力値管理テーブル34を有する。監視操作装置3からの指令によりプラント制御装置2bの演算の出力を固定するフラグをオンにした後に、出力値を予め定められた値に変更することにより、所定の値で演算の出力を固定することができる。
図8は、図2の制御プログラムの演算要素ADD0001の出力値が7.0に固定されることを示す図である。この指令はエンジニアリングツール1のアドレス管理テーブル13と同一のアドレス管理テーブル32により監視操作装置3から、プラント制御装置2bにADD0001の出力値を所定値に固定する指令が出される。指令が出されると上述した実施の形態1及び2と同様にADD0001の出力固定フラグがオンされる。すると図6で説明したように、ADD0001の出力値「tmp1」はその時点(前回の演算値である)3.0に固定される。その後、「tmp1」を所定の値7.0に変更することにより、ADD0001の出力値を7.0に固定することが可能となる。
上記実施の形態3では、出力値管理テーブル34により演算の出力を予め定められた所定値に固定する場合について述べた。
この出力値管理テーブル34は、プラント制御装置に対し演算の出力を固定している演算要素を全て管理するようにしているので、全ての出力を固定している演算要素に対して、一括して出力固定フラグをオフにすることにより、演算の出力の固定を一括で解除することができる。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
Claims (5)
- プラントの各種機器を制御する複数台のプラント制御装置、
前記各プラント制御装置からプラントデータを収集して前記プラントの状態を監視するともに、前記各プラント制御装置を操作する監視操作装置、
及び制御プログラムから前記各プラント制御装置で実行する実行コードを生成するコンパイラを有するエンジニアリングツールを備え、前記複数台のプラント制御装置、前記監視操作装置及び前記エンジニアリングツールがネットワークで接続されて構成されるプラント監視制御システムにおいて、
前記エンジニアリングツールは、前記制御プログラムの各演算要素の演算値及び出力値を保持するアドレス管理テーブルを備え、前記コンパイラは前記プラント制御装置のうち、前記制御プログラム中の一部の前記演算要素を停止して当該演算要素の出力を固定する機能を持たないプラント制御装置の実行コードに対して、前記アドレス管理テーブルを基に停止する前記演算要素の出力を固定するロジックを付加した前記実行コードを生成することを特徴とするプラント監視制御システム。 - 前記監視操作装置は、前記エンジニアリングツールの保有する前記アドレス管理テーブルと同一のアドレス管理テーブル、及び前記各プラント制御装置における前記制御プログラムの実行状態を監視するモニタ装置を備え、前記制御プログラム中の一部の前記演算要素を停止して、当該演算要素の出力を固定する指令を出すとともに、前記アドレス管理テーブル中の停止する前記演算要素の出力固定フラグをオンにし、
前記コンパイラは、前記アドレス管理テーブル中の前記演算要素の出力固定フラグがオンである情報を基に、前記制御プログラム中の一部の前記演算要素を停止して当該演算要素の出力を固定する機能を持たないプラント制御装置の実行コードに対して、停止する前記演算要素の出力を固定するロジックを付加した実行コードを生成することを特徴とする請求項1に記載のプラント監視制御システム。 - 前記監視操作装置の前記モニタ装置は、出力の固定された前記演算要素と出力値を表示し、前記各プラント制御装置の制御プログラムの実行状態を監視することを特徴とする請求項2に記載のプラント監視制御システム。
- 前記監視操作装置は、前記制御プログラムの前記演算要素に対し出力値を予め定められた固定値に保持する出力値管理テーブルを備え、前記制御プログラム中の一部の前記演算要素を停止して、当該演算要素の出力を固定する指令を出すとともに、停止する前記演算要素の出力を前記固定値とすることを特徴とする請求項2または3に記載のプラント監視制御システム。
- 前記監視操作装置は、前記出力値管理テーブルに基づき出力値の固定された前記演算要素に対して、固定の解除を一括解除可能であることを特徴とする請求項4に記載のプラント監視制御システム。
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