JP2021036308A - スピーカー装置及びオーディオ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より自然の音に近い音を出すことのできるスピーカー装置及びオーディオ装置を提供する。【解決手段】マルチウエイ方式のスピーカー装置であって、相対的に口径の大きいスピーカーユニット群から出る相対的に低い周波数の音の波面WMHnと相対的に口径の小さいスピーカーユニット群から出る相対的に高い周波数の音の波面WHnとが、このスピーカー装置の正面に設定した基準面S0に接する際に、それらの波面の球面の曲率半径RMHn及びRHnの大きさの差ΔRnが小さくなり、かつ、両波面が可能な限り近づくように相対的に大きい口径のスピーカーユニット群と相対的に小さい口径のスピーカーユニット群との前後の位置関係および/又は、相対的に大きい口径のスピーカーユニット群と相対的に小さい口径のスピーカーユニット群とのスピーカーユニットの個数の関係を選定する。【選択図】図4

Description

本発明は、より自然に近い音を出すことができるスピーカー装置及びオーディオ装置に関する。
オーディオにおけるスピーカー装置には、まず、全部の周波数帯域を一個のスピーカーユニットで受け持つ、いわゆるシングルコーンスピーカー方式がある。また、再生周波数領域を複数の周波数領域に分けて、それぞれの周波数領域の再生を別々のスピーカーユニットで行うようにした、マルチウエイ方式のスピーカー装置もある。
前記マルチウエイ方式のスピーカー装置は、相対的に周波数の低い領域を相対的に口径の大きいスピーカーが受け持ち、相対的に周波数の高い領域になるにしたがって相対的に口径の小さいスピーカーが受け持つようにしたものである。例えば、歌手の声には、数百Hzの周波数の音から、数千Hzの周波数の音まで含まれている。これらの広範囲の周波数の音をマルチウエイのスピーカーで再生するときには、ある周波数の範囲ごとに異なったスピーカーから音が出てくる。それらが合成されてはじめて歌手の声になるのである。
ここで、音は、空中を次々と伝搬していく三次元曲面(概ね球面)の波面で表せる。一点に設置したマイクを、この波面が次々と横切っていくときにそのマイク地点での音圧(空気密度の変化度)の時間変化を波形として記録したのがCDなどのソースに記録されている音の波形である。この波形をアンプなどで増幅してスピーカーを駆動して再度音にするのである。このスピーカーから出た音は、やはり、空中を次々と伝搬していく球面たる波面である。
特開2014−175883号公報
ところで、例えば、生の歌手の口から出る音の波面(球面)は、周波数にかかわらず概ね口という一点を中心とする球面であると考えられる。つまり、歌手の声には、数百Hzの周波数の音から、数千Hzの周波数の音まで含まれている。
一方、この歌手の声を録音した音の波形が刻まれたCDなどを、特に、マルチウエイ方式のスピーカー装置で再生した場合を考えてみる。すると、マルチウエイ方式のスピーカー装置では、相対的に周波数の低い音は相対的に口径の大きいスピーカーユニットから出てくることになり、相対的に周波数の高い音は、口径の小さいスピーカーユニットから出てくることになる。
ここで、スピーカーユニットから出た音も、空中を次々と伝搬していく三次元曲面の波面である。この場合、スピーカーユニットから出た音の波面も概ね球面に近似できるものと考えられる。つまり、スピーカーユニットの振動板の後方に想定される仮想音源点を中心とする球面であると近似できる。いま、口径の大きいスピーカーユニットから出た音の波面と、口径の小さいスピーカーユニットから出た音の波面とを想定する。それらの音の波面がある面に接するとした場合に、そのときのそれぞれの音の波面の曲率半径を考える。すると、口径の大きいスピーカーユニットから出た音の波面(球面)の曲率半径のほうが口径の小さいスピーカーユニットから出た音の波面(球面)の曲率半径より大きいものと考えられるのである。
そうすると、上述の歌手の声をマルチウエイ方式のスピーカー装置で再生した場合、歌手の声の音の成分のうちの周波数の低い音の成分と周波数の高い音の成分とが、それらの波面がある面に接する際にその音の波面(球面)の曲率半径が互いに異なることになってしまう。言い換えれば、歌手の声の仮想発音点が、周波数成分によって異なってしまう、ということになる。
歌手の声の発音点が、周波数成分によって異なるという現象は、自然界では考えにくい不自然な現象であると考えられる。また、そもそも、本発明者の研究によれば、歌手の声は一点(ステレオでは左右それぞれ一点)で検知・記録されたものである。一点で記録された情報は、再生する際には、一点を仮想音源点とする発音体から発せられないと、その記録された元の音と違った音を再生することになってしまうと考えられる。その観点から考えても、発音点が、周波数成分によって異なるという現象は、忠実再生の観点から望ましくないと考えられる。
さらに、CDなどのソースには、音楽などの音の全てが波形として記録されている。したがって、オーディオにおける忠実再生とは、この音楽波形を忠実に再現した音をスピーカーなどから出すことであると考えられる。しかるに、現状のオーディオ装置は、CDなどのソースに記録された波形をスピーカーで再生し、これをマイクで検知して再度記録した波形と、上記元のCDなどのソースの波形と比較すると、その波形の一致度合いは、相互相関値で、0.6〜0.7(波形再現率が60〜70%)程度であることが、本発明者らの調査で判明している。これでは、到底忠実再生とは言えないのではないかと考えられる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、より自然で、かつソースに忠実な音を出すことができるスピーカー装置及びオーディオ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
(1)
再生周波数領域を複数の周波数領域に分けて、それぞれの周波数領域の再生を、それぞれ一又は二以上のスピーカーユニットからなるスピーカーユニット群で受け持つようにし、
相対的に低い周波数領域を受け持つスピーカーユニット群を、相対的に口径の大きいスピーカーユニットで構成し、
相対的に高い周波数領域を受け持つユニット群を、相対的に口径の小さいスピーカーユニットで構成するようにし、
前記スピーカーユニット群は、一又は二以上のスピーカーユニットが一体として仮想的に一個のスピーカーがその受け持つ周波数領域の音を出すものとみなせるようにしたマルチウエイ方式のスピーカー装置であって、
前記スピーカーユニット群から発する音の波面を前記各ユニット群の仮想音源点を中心とする球面であると近似し、
前記各ユニット群の仮想音源点が重なり、前記各スピーカーユニット群から発する音の波面の球面が一つの球面に重なる状態のときが理想的な状態であるとの認識のもとに、
前記各ユニット群から発する音の波面が一つの球面に近づくように、
前記各ユニット同士の構造の許す配置関係において、前記各ユニット群の仮想音源点同士が互いに可能な限り近くなるような位置関係に、前記各ユニットを配置することを特徴とするスピーカー装置。
(2)
前記各ユニット群の仮想音源点が共通の平面上に乗るように、前記各ユニット群を配置したことを特徴とする(1)に記載のスピーカー装置。
(3)
前記各ユニット同士の構造の許す配置関係において、前記各ユニット群の仮想音源点同士が互いに可能な限り近くなるような位置関係に、前記各ユニットを配置することを特徴とする(2)に記載のスピーカー装置。
(4)
前記各スピーカーユニットまたはスピーカーユニット群の仮想音源点は、
前記スピーカーユニットまたはスピーカーユニット群の振動板を一つの円形に近似し、
その円の直径である口径を2Lとし、
前記ユニットから発した音の波面の半径をDとし、
そして、前記仮想音源点の位置を、前記振動板の中心軸線上で、振動板からその後方に距離Aの位置にあるとしたとき、
Aの値を、A=L+(L2/2D)の式で求めることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のスピーカー装置。
(5)
前記相対的に高い周波数の音を出す相対的に小さい口径のスピーカーユニット群の配置位置は、
前記相対的に低い周波数の音を出す相対的に大きい口径のスピーカーユニット群の配置位置に対して、AL−AHの距離だけ、試聴位置からみて前記基準面S0に対してより離れた位置に設定するようにしたことを特徴とする(4)に記載のスピーカー装置。
ただし、ALは、前記相対的に低い周波数の音を出す相対的に大きい口径のスピーカーユニット群の振動板を一つの円形振動板に近似したときに前記振動板からその仮想音源点までの距離である。
また、AHは、前記相対的に高い周波数の音を出す相対的に小さい口径のスピーカーユニット群の振動板を一つの円形振動板に近似したときに前記振動板からその仮想音源点までの距離である。
(6)
再生周波数領域を複数の周波数領域に分けて、それぞれの周波数領域の再生を、それぞれ一又は二以上のスピーカーユニットからなるスピーカーユニット群で受け持つようにし、
相対的に低い周波数領域を受け持つスピーカーユニット群を、相対的に口径の大きいスピーカーユニットで構成し、
相対的に高い周波数領域を受け持つユニット群を、相対的に口径の小さいスピーカーユニットで構成するようにし、
前記スピーカーユニット群は、一又は二以上のスピーカーユニットが一体として仮想的に一個のスピーカーがその受け持つ周波数領域の音を出すものとみなせるようにしたマルチウエイ方式のスピーカー装置であって、
前記スピーカー装置は、前記相対的に大きい口径のスピーカーユニット群から出る相対的に低い周波数の音の波面WLnの球面の曲率半径RLnと、前記相対的に小さい口径のスピーカーユニット群から出る相対的に高い周波数の音の波面WHnの球面の曲率半径RHnを、ともに各スピーカーユニット群の仮想音源点を中心とする球面の曲率半径であると近似し、それらの波面が、このスピーカー装置の正面に設定した基準面S0に接する際に、それらの波面の曲率半径RLn及びRHnの大きさの差ΔRnがゼロであるときの状態が理想的な状態であるとの認識のもとに、前記ΔRnが可能な限り、ゼロに近づくように、
前記相対的に高い周波数の音を出す相対的に小さい口径のスピーカーユニット群を構成するスピーカーユニットの数を、
前記相対的に低い周波数の音を出す相対的に大きい口径のスピーカーユニット群を構成するスピーカーユニット群の数より多く用いることを特徴とするスピーカー装置。
(7)
前記各周波数領域を受け持つスピーカーユニット群を構成するスピーカーユニットは、単体でもその周波数領域の音を受け持つことができるものであり、
かつ、各単体のスピーカーユニットは、その受け持つ周波数領域では、コーン紙が分割振動を起こすことなく、ピストン運動でその受け持つ周波数領域の音を発生させるものであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のスピーカー装置。
(8)
前記スピーカーユニット同士を可能な限り近接して配置したことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のスピーカー装置。
(9)
前記スピーカー装置は、前記スピーカーユニットを取り付けるスピーカーボックスの表面から発生する雑音を吸収する吸音部材を前記スピーカーボックス主要な表面に設けたことを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のスピーカー装置。
(10)
入力された音信号を複数の周波数領域毎に分割して出力するチャンネルデバイダー装置と、
前記チャンネルデバイダー装置から出力される音信号をそれぞれ入力し、それぞれ増幅して出力する複数の増幅装置と、
前記複数の増幅装置の出力を、それぞれの周波数領域の再生を受け持つ別々のスピーカーユニットに入力して再生するマルチウエイ方式のスピーカー装置とを有するオーディオ装置であって、
前記オーディオ装置が有する群遅延特性及び周波数特性を補正するデジタル補正装置を有するとともに、
前記スピーカー装置が(1)〜(9)のいずれかに記載のスピーカー装置であることを特徴とするオーディオ装置。
(11)
前記補正装置は、前記スピーカー装置から10cm〜100cmの範囲に設置した測定位置に測定用マイクを配置して求めたインパルス応答特性に基づいて作成した補正アルゴリズムを有し、この補正アルゴリズムは、このオーディオ装置が予定する再生周波数領域においてその周波数特性及び群遅延特性がほぼ理想的特性になるように補正するアルゴリズムであり、したがって、このオーディオ装置でCDなどのソースに収録され音楽を再生し、その再生音を前記測定位置に設置したマイクで検知・記録し、その記録した音楽波形と、元のCDなどのソースに収録されている音楽波形とを比較した場合、両波形がほぼ一致することになることを特徴とする(10)に記載のオーディオ装置。
上述の(1)〜(8)の手段によれば、各スピーカーユニット群から発せられる音の波面が、一つの球面により近づくようにできる。また、(9)の手段によれば、スピーカーのコーン紙以外からの音(雑音)を大幅に減らすことができる。(1)〜(9)のスピーカー装置に、(11)の手段の補正を施すと、波形が再現されていると同時に、波面も一致(一致により近づくという意味)している音をスピーカー装置から発することができるようになる。すなわち、試聴位置からのスピーカーユニット同士の距離の違いも、補正によって自動的に補正される。このように、波形再現と波面一致がなされた音は、そのようなことが全く考えられていなかった従来のスピーカーから発せられる音とは全く異質な音で、メッキやヴェールを全部剥ぎ取ったような、実に生々しく生き生きとした魅力的な音になることが確認できている。
本願発明の実施形態にかかるオーディオ装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態にかかるスピーカー装置10の外観構成図である。 図2に示される本発明の実施形態にかかるスピーカー装置10のA-A’線部分断面図である。 スピーカー装置10の高音スピーカーユニット群14で再生された音の波面WHnと、中高音スピーカーユニット群13で再生された音の波面WMHnとのイメージ図である。 中高音スピーカーユニットMH1による波面WMH1及び高音スピーカーユニットH1による波面WH1のイメージ図である。 波面WMHnと波面WHnとの曲率半径の差ΔRnがわかりやすくなるように図示したものである。 波面WMH1及び波面WH1との曲率半径の差ΔR1がわかりやすくなるように図示したものである。 本発明の他の実施形態にかかるスピーカー装置の説明図である。 中高音スピーカーユニットMH1などの仮想音源点を求める方法の説明図である。 中高音スピーカーユニットMH1の仮想音源点OMH1及び高音スピーカーユニットH1の仮想音源点OH1とが求まった場合における互いのスピーカーユニットの配置関係の説明図である。
(実施形態に係るオーディオ装置)
図1は本発明の実施の形態にかかるオーディオ装置の構成を示す図であり、図2はスピーカー装置10の外観図であり、図3はスピーカー装置10のA-A’部分断面図である。これらの図に示されるように、実施形態に係るオーディオ装置は、スピーカー装置10と、スピーカー装置10に設けられたスピーカーユニットを駆動する低音用アンプ21と、中低音用アンプ22と、中高音用アンプ23と、高音用アンプ24と、これらのアンプに低音用信号、中低音用信号、中高音用信号、及び高音用信号を送るチャンネルデバイダー3と、このチャンネルデバイダー3に音信号を送る音場補正機能付きプリアンプ4と、プリアンプ4に音信号を送る音源装置5とで構成される。
スピーカー装置10には、低音領域を受け持つ低音スピーカーユニット群11、中低音領域を受け持つ中低音スピーカーユニット群12、中高音領域を受け持つ中高音スピーカーユニット群13、高音領域を受け持つ高音スピーカーユニット群14が設けられている。
低音領域を受け持つ低音スピーカーユニット群11は、1個の大口径低音用スピーカーL1によって構成されている。この低音用スピーカーユニットL1は、口径が40cm程度で、25Hz〜70Hzの範囲の周波数領域を受け持つ。また、中低音領域を受け持つ中低音スピーカーユニット群12は、2個の中低音用スピーカーユニットML1及びML2によって構成されている。この中低音用スピーカーユニットML1及びML2は、口径が13cm程度で、70Hz〜650Hzの範囲の周波数領域を受け持つ。これら2つのスピーカーユニットML1及びML2は、ボイスコイルの抵抗に応じて適宜直列に接続したり並列に接続される。
中高音領域を受け持つ中高音スピーカーユニット群13は、4個の中高音用スピーカーユニットMH1〜MH4によって構成されている。この中高音用スピーカーユニットMH1〜MH4は、口径が5cm程度で、650Hz〜1700Hzの範囲の周波数領域を受け持つ。これら4つのスピーカーユニットMH1〜MH4は、2個直列に接続したものを並列に接続されている。
また、高音領域を受け持つ高音スピーカーユニット群14は、12個の高音用スピーカーユニットH1〜H12によって構成されている。この高音用スピーカーユニットH1〜H12は、口径が1cm程度で、1700Hz〜20000Hzの範囲の周波数領域を受け持つ。これら12個のスピーカーユニットH1〜H12は、3個直列に接続したものを4組並列に接続されている。
低音スピーカーユニット群14を構成する低音スピーカーユニットL1、中低音スピーカーユニット群13を構成する2個の中低音スピーカーユニットML1及びML2、中高音スピーカーユニット群12を構成する4個の中高音スピーカーユニットMH1〜MH4並びに高音スピーカーユニット群を構成する12個の高音スピーカーユニットの各々は、それぞれ1個でもその担当する周波数領域を再生することが可能なものである。そして、その担当する周波数領域のほぼ全部をいわゆる分割振動を起こさずにピストン運動で再生することが可能なものを用いることが望ましい。さらに、これらのスピーカーユニット群を構成するスピーカーユニット同士は、可能な限り近接して設置される。これにより、複数のスピーカーユニットが一体となって仮想的に一個のスピーカーユニットから音が出ているものとみなせるようにしている。加えて、全てのスピーカーユニット群同士も可能な限り近接して設置される。これにより、複数のスピーカーユニット群が一体となって仮想的に一個のスピーカーユニットから音が出ているものとみなせるようにしている。これによって、後述する補正が理想的に施すことが可能になり、後述する波形再現を可能としているものである。
図2に示されるように、スピーカー装置10は、直方体形状の箱体をなしたボックス本体101と、このボックス本体101の内側表面に取り付けられた制振シート102と、ボックス本体101の内部に充填された吸音部材103と、ボックス本体101の外側表面を覆うようにして取り付けられた吸音パネル104とで構成されている。ボックス本体101は金属アルミニューム板や硬い木材等の振動しにくい材料で構成する。制振シート102は、鉛板その他の制振部材で構成する。吸音部材103は吸音性能の高い綿やロックウールや発泡ウレタン、その他で構成する。吸音パネル104は、吸音性のウレタンやロックウール等の材料をパネル状にした吸音性のパネルで構成する。これにより、各スピーカーユニットのコーン紙が振動することに起因してボックス本体101の表面から出る音(雑音)や、ボックス本体101の内部で反射した音がコーン紙を突きぬけて出る音(雑音)などが外部に放出されるのを防止できる。
低音用アンプ21、中低音用アンプ22、中高音用アンプ23及び高音用アンプ24は、それぞれ電力増幅用のアンプであり、チャンネルデバイダー3からの音信号を電力増幅して、それぞれ低音スピーカーユニット群11、中低音スピーカーユニット群12、中高音スピーカーユニット群13及び高音スピーカーユニット群を駆動するものである。
チャンネルデバイダー3は、プリアンプ4から送られた音信号を低音、中低音、中高音及び高音の周波数領域の音信号に分割してそれぞれ低音用アンプ21、中低音用アンプ22、中高音用アンプ23及び高音用アンプ24に送るものである。チャンネルデバイダー3は、FIRフィルター又はIIRフィルターなどのデジタルフィルターを多数用いたもので構成する。抵抗やコンデンサーなどを用いたアナログ式のチャンネルデバイダーでは、このチャンネルデバイダーによって波形再現に有害な群遅延を生じさせるので好ましくないからである。FIRフィルター又はIIRフィルターなどのデジタルフィルターを多数用いたチャンネルデバイダーは、FIRフィルター又はIIRフィルターなどのデジタルフィルターが多数動作してチャンネルデバイダーとして動作するようにプログラムされたコンピューター装置を用いることで構成できる。なお、可能であれば位相特性のよいFIRフィルターを用いたもので構成するのが望ましい。フィルターのタップ数は、数千以上とし、可能であれば十万内外とする。
音場補正機能付きプリアンプ4は、音源5から送られた音信号を増幅するアンプを備えるとともに音場補正処理を実行するコンピューター装置などを備えたものである。ここで、音場補正とは、少なくとも、群遅延特性の補正及び周波数特性の補正行う補正である。群遅延補正及び周波数補正は、周知のFIRフィルターなどのデジタルフィルターを用いたもので行う。これによれば、位相の乱れなどをきたすことがなく比較的容易に補正を行うことができる。
ここでもフィルターのタップ数は、数千以上とし、可能であれば十万内外とする。これらの補正は、周知のAVアンプなどで一般的に用いられているように、群遅延特性、周波数特性を測定するためのインパルス応答測定用信号をオーディオ装置で再生し、それをマイクで受けて分析し、得られた群遅延特性や波数特性等からその逆補正をする音響伝達関数を作成し、それを用いて補正を行うものであり、それらの処理を行うようにプログラムされたコンピューター装置をプリアンプ4に内蔵させることで実現できる。
前記補正は、例えば、前記スピーカー装置10の正面から25cm程度の近距離で、どちらかと言えば高音領域を再生するスピーカーユニット群に近い位置、つまりは、このスピーカー装置10の仮想軸上に設定した測定位置に測定用マイクを配置して求めたインパルス応答特性に基づいて補正アルゴリズムを作成する。この補正アルゴリズムは、このオーディオ装置が予定する再生周波数領域においてその周波数特性及び群遅延特性がほぼ理想的特性になるように補正するアルゴリズムであり、したがって、このオーディオ装置でCDなどのソースに収録され音楽を再生し、その再生音を前記測定位置に設置したマイクで検知・記録し、その記録した音楽波形と、元のCDなどのソースに収録さている音楽波形とを比較した場合、両波形がほぼ一致することになるものである。つまり、ソースに刻まれた音楽波形がスピーカーで再現されるという「波形再現」が可能になるものである。
この実施形態にかかるオーディオ装置では、CDなどのソースに記録された音楽波形をスピーカーで再生し、これをマイクで検知して再度記録した波形と、上記元のCDなどのソースの波形と比較すると、その波形の一致度合いは、相互相関値で、0.99以上(波形再現率が99%以上)という、驚異的値が得られている。なお、ここで用いる音楽波形は、なるべく、広範囲の周波数の音が含まれ、弦楽器や打楽器など多くの種類の楽器や声などが記録されているオーケストラ曲やオペラ曲などがよい。ここでは、ローズマリークルーニーがヴォーカルを担当しているマンボイタリアーノという曲(2分余りの曲)の全部の波形を比較している。また、前記測定位置は、スピーカー装置10の正面から10cm 〜100cmの範囲であればよい。この程度の距離であれば、通常の部屋であっても反射音などの影響が少なく、ほぼ正しいインパルス応答特性を測定できるからである。ただし、この測定を無響室で行う場合には、前記測定位置はもっとスピーカー装置から離れた位置であってもよい。
このように、前記補正は、従来の音場補正の考え方とは決定的に異なるものである。すなわち、従来の音場補正は、試聴位置にマイクを配置して試聴位置での音響伝達関数を最適なものにしようとするものである。これに対し、本発明の補正は、複数のスピーカーユニットを一体として仮想的に一個のスピーカーにみなせる範囲で、スピーカーに可能な限り近い位置であって、このスピーカーの仮想軸上で、周波数特性と群遅延特性とを理想的なものにするものである。
また、本実施形態のスピーカー装置は、従来のスピーカー装置とは決定的に異なる。すなわち、従来のスピーカー装置は、スピーカーユニットの音を箱や筒やホーンなどで響かせることで、所望の音を得ている。これに対して、本実施形態のスピーカー装置は、箱や筒やホーンなどで響かせることは一切しない点で決定的に異なる。これにより、信号に依存して振動するコーン紙だけから音が出るようにし、それ以外の音は全て雑音として除去するようにしたものである。そして、スピーカーの間近で補正を施すようにした。その結果、補正のもとになるインパルス応答測定を雑音のない正確な測定とすることができ、これにより、理想的な補正ができるようになって、上述の波形再現が可能になったものである。
これに対して、従来のスピーカー装置では、スピーカー装置の箱などからの雑音によって、仮にスピーカーの間近で測定しても正しいインパルス応答特性の測定は不可能であり、加えて、試聴位置で測定するので、部屋の反射音の影響などでさらに不正確な測定となっていた。そのような不正確なインパルス応答測定に基づいた補正を行っていた結果、理想的な特性とは程遠い結果しか得られなかったものである。その結果、従来のオーディオ装置でCDなどのソースに収録された音楽を再生し、その再生音を前記測定位置に設置したマイクで検知・記録し、その記録した音楽波形と、元のCDなどのソースに収録されている音楽波形とを比較した場合、両波形には相当の違い生ずることになっていた(波形再現率が60〜70%)ものである。
音信号を送る音源装置5は、周知のCDプレーヤーやレコードプレーヤーなどのデジタルもしくはアナログの音信号が記録された記録媒体の音信号を読みだして所定の信号に変換してプリアンプ4に送る装置である。
図4は、スピーカー装置10の高音スピーカーユニット群14で再生された音の波面WHnと、中高音スピーカーユニット群13で再生された音の波面WMHnとのイメージ図である。図4においては、高音スピーカーユニット群14を、4個の高音スピーカーユニットで示してあるが、実際は12個の高音スピーカーH1〜H12で構成されているのを省略して示してある。また、中高音スピーカーユニット群13を、1個の中高音スピーカーユニットで示してあるが、実際は4個の中高音スピーカーMH1〜MH4で構成されているのを省略して示してある。なお、波面WHn及び波面WMHnともに、球面に近似できるものとする。
図4に示されるように、スピーカー装置10のスピーカーユニット取り付け面をS1とし、この面S1からこのスピーカー装置の正面方向に25cm離れた位置に設定されたS1に平行な面を基準面S0とする。そのとき、波面WMHn及び波面WHnがともに基準面S0に接するときの曲率半径をそれぞれRMHn及びRHnとする。そして、それらの波面の曲率半径RMHn及びRHnの差がΔRnであるとする。
一方、中高音スピーカーユニット群13を、中高音スピーカーユニットMH1の1個だけで構成し、また、高音スピーカーユニット14を、高音スピーカーユニットH1の1個だけで構成したとする。 図5はその場合において中高音スピーカーユニットMH1による波面WMH1及び高音スピーカーユニットH1による波面WH1のイメージ図である。図5においても図4の場合と同様に、スピーカー装置10のスピーカーユニット取り付け面をS1とし、この面S1からこのスピーカー装置の正面方向に25cm離れた位置に設定された、S1に平行な面を基準面S0とする。そのとき、波面WMH1及び波面WH1がともに基準面S0に接するときの曲率半径をそれぞれRMH1及びRH1とする。そして、それらの波面の曲率半径RMH1及びRH1の差がΔR1であるとする。
図6は波面WMHnと波面WHnとの曲率半径の差ΔRnがわかりやすくなるように図示したものであり、図7は波面WMH1及び波面WH1との曲率半径の差ΔR1がわかりやすくなるように図示したものである。これらの図から明らかなように、相対的に口径の大きい中高音スピーカーユニットを4個用いたMHn(MH1+・・・+MH4)による波面WMHnの曲率半径RMHnと、相対的に口径の小さい高音スピーカーユニットを12個用いたHn(H1+・・・+H12)による波面WHnの曲率半径RHnとの差ΔRn(図6)は、ほぼゼロに等しくなっている。これに対し、相対的に口径の大きい中高音スピーカーユニット1個用いたMH1による波面WMH1の曲率半径RMH1と、相対的に口径の小さい高音スピーカーユニットを1個用いたH1による波面WH1の曲率半径RH1との差ΔR1は、明らかに、ゼロよりかなり大きいことがわかる。
以上説明したことは、中高音スピーカーユニット群13と、中低音スピーカーユニット群12との関係、並びに、中低音スピーカーユニット群12と低音スピーカーユニット群11との関係にも当てはまる。つまり、口径の大きいスピーカーユニットによる波面の曲率半径と、口径の小さいスピーカーユニットによる波面の曲率半径との差を小さくするためには、口径の大きいスピーカーユニットの個数より、口径の小さいスピーカーユニットの個数を多くすればよい。
なお、口径の大きいユニットの個数と口径の小さいユニットの個数との関係は、例えば、口径の大きさの比率の値、もしくは、コーン紙の面積の比率の値などを参考にして仮に個数の関係を決め、その個数の関係で実際に試聴し、その個数を増減してさらに試聴し、聴感上で最適な個数の関係を決めていくようにする。例えば、口径5cmのユニットと口径1cmのユニットでは、まずは、口径5cmのユニット1個に対して口径1cmのユニットを5個用いて試聴してみる。次に、口径1cmのユニットの数を4個にしたり6個にしたりするなどして試聴して、最も聴感上好ましいと思われる個数を求めていくようにする。
なお、複数のユニットを一体として一個のスピーカーとみなし、その仮想音源点を求めることでより、正確な個数を求めることができる。これは例えば、複数のユニットで一個のユニットとみなしたユニット群にパルス信号を加え、出てきた音をある点で計測し、その計測点で観測した時間と、同じ時間にそのパルス音を観測できる点を次々に求めていくと、その波面が特定できるので、その波面の中心を求める手法などで、求めることができると考えられる。こうして、仮想音源点を求めることができたら、各スピーカーユニット群の仮想音源点が同一の平面に乗るように配置し、かつ、その平面上で互いの仮想音源点ができるだけ近づくようにユニット群を配置する。理想的には、仮想音源点が一致するようにする。そうすることで、各ユニット群から発した音の波面が完全に一致することになり、画期的な音質向上効果が得られる。
上述の実施形態によるオーディオ装置によれば、スピーカー装置10から出る音の波面の曲率半径が周波数によって大幅に異なって、かつ、互いの波面も離れ離れになってしまう虞のあった従来のオーディオ装置に比較して、その波面の曲率半径が周波数にかかわらずほぼ一定にし、かつ、互いの波面を可能な限り、一致させること、つまりは、「理想波面創成」により近づくことが可能となり、より自然な音を再生できるようになった。加えて、この実施形態にかかるオーディオ装置では、理想的な補正を施せるので、ソースに刻まれた音楽波形について「波形再現」が可能になった。本実施形態にかかるオーディオ装置は、これら2つの点、つまり、「理想波面創成」と「波形再現」という点で従来のオーディオ装置とは画期的に異なる。したがって、その再生音は、従来のオーディオ装置での再生音とは次元の異なる革命的再生音となる。
図8は本発明の他の実施形態にかかるスピーカー装置の説明図である。図8に示されるように、この実施形態にかかるスピーカー装置は、相対的に大きい口径のスピーカーユニット群と、相対的に小さい口径のスピーカーユニット群との前後の位置関係を変えることによって、両ユニット群による波面の曲率半径の違いを小さくするものである。すなわち、中高音スピーカーユニットMH1を、基準面S0から距離d1にある面S1上に配置し、高音スピーカーユニットH1を、基準面S0から距離d1より遠い距離d2にある面S2上に配置するようにしたものである。このような構成にするスピーカーボックス等の説明は省略するが、この点の構成の違いを除けば先の実施形態とほぼ同様の構成を有する。
なお、d1とd2との関係は、例えば、両スピーカーユニットの口径の差の値などを参考にして仮にその候補値を決め、その候補値で実際に試聴し、その値を増減してさらに試聴し、聴感上で最適な値を決めていくようにする。例えば、口径5cmのユニットと口径1cmのユニットでは、まずは、d1=25cm、d2=29cmに設定して試聴してみる。次に、d2のみを28cmにしたり30cmにしたりするなどして試聴して、最も聴感上好ましいと思われる値を求めていくようにする。
さらに、中高音スピーカーユニットMH1の仮想音源点と、高音スピーカーユニットH1の仮想音源点とがわかれば、より正確に両者の位置関係を求めることができる。図9は、中高音スピーカーユニットMH1などの仮想音源点を求める方法の説明図である。いま、このスピーカーユニットの振動板であるコーン紙Cを、直径が2Lの円形状をなしたものとする。また、このコーン紙Cの中心点をCo、一方の端をC1とする。そして中心点Coを通る中心線Lc上で、Coから後方にAの距離にある位置に仮想音源点Oがあるものとする。
そうすると、コーン紙Cから発した音の波面WMHnは、仮想音源点Oから発した音の波面であるということになる。つまり、WMHnは仮想音源点Oを中心とする半径Rの球面ということになる。ここで、コーン紙Cの中心線Lcが波面WMHnに交わる点をPoとし、コーン紙Cの中心点Coを通り、コーン紙Cと平行な直線Lc1が波面WMHnに交わる点をP1とする。すると、同一の波面上にあるP0とP1までに進む距離はそれぞれ同じであるから、CoP0とC1P1とは同一の距離Dであることになる。
そうすると、三角形CoP1Oにおいて、
(L+D)(L+D)+A×A=R×R
の関係が成り立つ。ここで、
R=D+A
である。よって、
(L+D)(L+D)+A×A=(D+A)(D+A)
である。故に、
A=L+L×L÷2D
となる。
図10は、中高音スピーカーユニットMH1の仮想音源点OMH1及び高音スピーカーユニットH1の仮想音源点OH1とが求まった場合における互いのスピーカーユニットの配置関係の説明図である。この場合には、中高音スピーカーユニットMH1の仮想音源点OMH1を、前記基準面S0からd2より遠い距離d3にある面S3上に仮想音源点OMH1が乗るように中高音スピーカーユニットMH1を配置する。次に、スピーカーユニットH1の仮想音源点OH1も、面S0上に乗るように、スピーカーユニットH1を配置する。これによって、中高音スピーカーユニットMH1から発した音の波面WMH1の曲率半径RMH1と、スピーカーユニットH1から発した音の波面WH1の曲率半径RH1とが等しくなることになる。
本発明者の実験によれば、曲率半径RMH1と、曲率半径RH1とが等しくなると、聴感上の音が画期的に向上することが確認できている。そして、さらに、中高音スピーカーユニットMH1の仮想音源点OMH1と、スピーカーユニットH1の仮想音源点OH1とを、面S3上で移動させて、図10で点線で示されるように互いに近づけていくと、聴感上の音がさらに画期的に向上していくことが確認されている。ここで、スピーカーユニットMH1とH1との仮想音源点が近づくということは、結局のところ、波面同士が互いに近づくということである。つまり、波面同士が互いにより近づけば近づくほど聴感上の音が向上するものと考えられる。二つのスピーカーの仮想音源点が完全に重なると、互いの波面も完全に重なることになる。したがって、この状態が理想的な状態であると考えられる。よって、スピーカーの配置が許す限り、その理想の状態に近づけることが望ましい。
この実施形態でも先の実施形態の場合とほぼ同じ効果が得られる。ただし、この実施形態の場合には、先の実施形態の場合に比較して、用いるスピーカーユニットの個数を少なくできるメリットがある。一方で、補正の際の測定用マイク位置に対して、スピーカーユニットごとにその距離が違ってくるので、チャンネルデバイダーの設定や補正のアルゴリズムなどに一定の工夫が必要になる。なお、先の実施形態ではその点でこの実施形態に比較すると有利である。
以上述べた実施形態では、口径の大きいスピーカーユニットと口径の小さいスピーカーユニットとの間で、両者の個数の関係を選定するか、又は設置距離の関係を選定するか、の例を掲げたが、その二つの方法を組み合わせてもよいことは勿論である。そうすることによって、違える距離を少なくすると同時に、用いるスピーカーの個数を減らすことも可能となる。
以上、詳述したように、本発明にかかるオーディオ装置によれば、「理想波面創成」が可能となり、より自然な音を再生できるようになった。また、本発明にかかるオーディオ装置では、理想的な補正を施せるので、ソースに刻まれた音楽波形について「波形再現」が可能である。さらに、本発明にかかるオーディオ装置は、「理想波面創成」と「波形再現」とを同時に実現できるので、従来のオーディオ装置での再生音とは次元の異なる革命的再生音が得られる。
3 デジタルチャンネルデバイダー
4 音場補正機能付きプリアンプ
5 音源
10 スピーカー装置
11 低音スピーカーユニット群
12 中低音スピーカーユニット群
13 中高音スピーカーユニット群
14 高音スピーカーユニット群
21 低音用アンプ
22 中低音用アンプ
23 中高音用アンプ
24 高音用アンプ
101 ボックス部材
102 制振シート
103 吸音部材
104 吸音パネル

Claims (11)

  1. 再生周波数領域を複数の周波数領域に分けて、それぞれの周波数領域の再生を、それぞれ一又は二以上のスピーカーユニットからなるスピーカーユニット群で受け持つようにし、
    相対的に低い周波数領域を受け持つスピーカーユニット群を、相対的に口径の大きいスピーカーユニットで構成し、
    相対的に高い周波数領域を受け持つユニット群を、相対的に口径の小さいスピーカーユニットで構成するようにし、
    前記スピーカーユニット群は、一又は二以上のスピーカーユニットが一体として仮想的に一個のスピーカーがその受け持つ周波数領域の音を出すものとみなせるようにしたマルチウエイ方式のスピーカー装置であって、
    前記スピーカーユニット群から発する音の波面を前記各ユニット群の仮想音源点を中心とする球面であると近似し、
    前記各ユニット群の仮想音源点が重なり、前記各スピーカーユニット群から発する音の波面の球面が一つの球面に重なる状態のときが理想的な状態であるとの認識のもとに、
    前記各ユニット群から発する音の波面が一つの球面に近づくように、
    前記各ユニット同士の構造の許す配置関係において、前記各ユニット群の仮想音源点同士が互いに可能な限り近くなるような位置関係に、前記各ユニットを配置することを特徴とするスピーカー装置。
  2. 前記各ユニット群の仮想音源点が共通の平面上に乗るように、前記各ユニット群を配置したことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置。
  3. 前記各ユニット同士の構造の許す配置関係において、前記各ユニット群の仮想音源点同士が互いに可能な限り近くなるような位置関係に、前記各ユニットを配置することを特徴とする請求項2に記載のスピーカー装置。
  4. 前記各スピーカーユニットまたはスピーカーユニット群の仮想音源点は、
    前記スピーカーユニットまたはスピーカーユニット群の振動板を一つの円形に近似し、
    その円の直径である口径を2Lとし、
    前記ユニットから発した音の波面の半径をDとし、
    そして、前記仮想音源点の位置を、前記振動板の中心軸線上で、振動板からその後方に距離Aの位置にあるとしたとき、
    Aの値を、A=L+(L×L÷2D)の式で求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカー装置。
  5. 前記相対的に高い周波数の音を出す相対的に小さい口径のスピーカーユニット群の配置位置は、
    前記相対的に低い周波数の音を出す相対的に大きい口径のスピーカーユニット群の配置位置に対して、AL−AHの距離だけ、試聴位置からみて前記基準面S0に対してより離れた位置に設定するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のスピーカー装置。
    ただし、ALは、前記相対的に低い周波数の音を出す相対的に大きい口径のスピーカーユニット群の振動板を一つの円形振動板に近似したときに前記振動板からその仮想音源点までの距離である。
    また、AHは、前記相対的に高い周波数の音を出す相対的に小さい口径のスピーカーユニット群の振動板を一つの円形振動板に近似したときに前記振動板からその仮想音源点までの距離である。
  6. 再生周波数領域を複数の周波数領域に分けて、それぞれの周波数領域の再生を、それぞれ一又は二以上のスピーカーユニットからなるスピーカーユニット群で受け持つようにし、
    相対的に低い周波数領域を受け持つスピーカーユニット群を、相対的に口径の大きいスピーカーユニットで構成し、
    相対的に高い周波数領域を受け持つユニット群を、相対的に口径の小さいスピーカーユニットで構成するようにし、
    前記スピーカーユニット群は、一又は二以上のスピーカーユニットが一体として仮想的に一個のスピーカーがその受け持つ周波数領域の音を出すものとみなせるようにしたマルチウエイ方式のスピーカー装置であって、
    前記スピーカー装置は、前記相対的に大きい口径のスピーカーユニット群から出る相対的に低い周波数の音の波面WLnの球面の曲率半径RLnと、前記相対的に小さい口径のスピーカーユニット群から出る相対的に高い周波数の音の波面WHnの球面の曲率半径RHnを、ともに各スピーカーユニット群の仮想音源点を中心とする球面の曲率半径であると近似し、それらの波面が、このスピーカー装置の正面に設定した基準面S0に接する際に、それらの波面の曲率半径RLn及びRHnの大きさの差ΔRnがゼロであるときの状態が理想的な状態であるとの認識のもとに、前記ΔRnが可能な限り、ゼロに近づくように、
    前記相対的に高い周波数の音を出す相対的に小さい口径のスピーカーユニット群を構成するスピーカーユニットの数を、
    前記相対的に低い周波数の音を出す相対的に大きい口径のスピーカーユニット群を構成するスピーカーユニット群の数より多く用いることを特徴とするスピーカー装置。
  7. 前記各周波数領域を受け持つスピーカーユニット群を構成するスピーカーユニットは、単体でもその周波数領域の音を受け持つことができるものであり、
    かつ、各単体のスピーカーユニットは、その受け持つ周波数領域では、コーン紙が分割振動を起こすことなく、ピストン運動でその受け持つ周波数領域の音を発生させるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスピーカー装置。
  8. 前記スピーカーユニット同士を可能な限り近接して配置したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスピーカー装置。
  9. 前記スピーカー装置は、前記スピーカーユニットを取り付けるスピーカーボックスの表面から発生する雑音を吸収する吸音部材を前記スピーカーボックス主要な表面に設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のスピーカー装置。
  10. 入力された音信号を複数の周波数領域毎に分割して出力するチャンネルデバイダー装置と、
    前記チャンネルデバイダー装置から出力される音信号をそれぞれ入力し、それぞれ増幅して出力する複数の増幅装置と、
    前記複数の増幅装置の出力を、それぞれの周波数領域の再生を受け持つ別々のスピーカーユニットに入力して再生するマルチウエイ方式のスピーカー装置とを有するオーディオ装置であって、
    前記オーディオ装置が有する群遅延特性及び周波数特性を補正するデジタル補正装置を有するとともに、
    前記スピーカー装置が請求項1〜9のいずれかに記載のスピーカー装置であることを特徴とするオーディオ装置。
  11. 前記補正装置は、前記スピーカー装置から10cm〜100cmの範囲に設置した測定位置に測定用マイクを配置して求めたインパルス応答特性に基づいて作成した補正アルゴリズムを有し、この補正アルゴリズムは、このオーディオ装置が予定する再生周波数領域においてその周波数特性及び群遅延特性がほぼ理想的特性になるように補正するアルゴリズムであり、したがって、このオーディオ装置でCDなどのソースに収録され音楽を再生し、その再生音を前記測定位置に設置したマイクで検知・記録し、その記録した音楽波形と、元のCDなどのソースに収録されている音楽波形とを比較した場合、両波形がほぼ一致することになることを特徴とする請求項10に記載のオーディオ装置。
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