JP2021035304A - ステータ、及び、モータ - Google Patents

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Yusuke Watanabe
裕介 渡邊
榮 岸
Sakae Kishi
榮 岸
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Abstract

【課題】ステータをより小型化且つより軽量化する。【解決手段】ステータ2は、上下方向に延びる中心軸CAを囲むステータコア21と、インシュレータ22と、複数の巻線部23と、を備える。ステータコアは、周方向に並ぶ複数のアンブレラ部211と、一対のヨーク部212と、をそれぞれ複数有する。各々のアンブレラ部は、周方向に並ぶ。一対のヨーク部は、軸方向から見て各々のアンブレラ部から、少なくとも周方向一方を含む第1方向と少なくとも周方向他方を含む第2方向とにそれぞれ延びる。インシュレータは、各々のヨーク部の少なくとも一部を覆う。巻線部は、各々のヨーク部にインシュレータを介して導線230が巻き付けられることで形成されている一対のコイル231を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ステータ、及び、モータに関する。
従来のインナーロータ型のモータでは、環状のコアバック部から径方向内方にティース部が延びる構造のステータコアを有するステータが知られている。このステータでは、コイル部が、ティース部に形成される。(たとえば特開2019−30166号公報参照)
特開2019−30166号公報
ところで、小型のモータでは、ステータをより小型化且つより軽量化することが望まれている。しかしながら、上述のような構造のモータでは、コアバック部よりも径方向内方にティース部とコイル部とが配置されるため、ステータコアの径方向サイズをより小さくすることが難かった。
本発明は、ステータをより小型化且つより軽量化することを目的とする。
本発明の例示的なステータは、ステータコアと、インシュレータと、複数の巻線部と、を備える。前記ステータコアは、上下方向に延びる中心軸を囲む。前記ステータコアは、アンブレラ部と、一対のヨーク部と、をそれぞれ複数有する。各々の前記アンブレラ部は、周方向に並ぶ。一対の前記ヨーク部は、軸方向から見て各々の前記アンブレラ部から、少なくとも周方向一方を含む第1方向と少なくとも周方向他方を含む第2方向とにそれぞれ延びる。前記インシュレータは、各々の前記ヨーク部の少なくとも一部を覆う。前記巻線部は、各々の前記ヨーク部に前記インシュレータを介して導線が巻き付けられることで形成されている一対のコイルを有する。
本発明の例示的なモータは、上記のステータと、ロータと、を備える。前記ロータは、前記ステータと径方向に対向して配置される。
本発明の例示的なステータ、及び、モータによれば、ステータをより小型化且つより軽量化することができる。
図1は、モータの構成例を示す断面図である。 図2は、ステータの斜視図である。 図3は、アンブレラ部の変形例を示す断面図である。
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。なお、本明細書では、モータ100において、中心軸CAと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。軸方向のうち、一方の軸方向の向きを「軸方向一方」と呼び、他方の軸方向の向きを「軸方向他方」と呼ぶ。各々の構成要素において、軸方向一方における端部を「軸方向一方端部」と呼び、軸方向他方における端部を「軸方向他方端部」と呼ぶ。
また、中心軸CAに直交する方向を「径方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸CAへと近づく向きを「径方向内方」と呼び、中心軸CAから離れる向きを「径方向外方」と呼ぶ。各々の構成要素において、径方向内方における端部を「径方向内端部」と呼び径方向外方における端部を「径方向外端部」と呼ぶ。また、各々の構成要素の側面において、径方向内方を向く側面を「径方向内側面」と呼び、径方向外方を向く側面を「径方向外側面」と呼ぶ。
中心軸CAを中心とする回転方向を「周方向Dr」と呼ぶ。さらに、周方向Drのうち、周方向Drにおける一方の向きを「周方向一方Dr1」と呼び、周方向Drにおける他方の向きを「周方向他方Dr2」と呼ぶ。各々の構成要素において、周方向Drにおける端部を「周方向端部」と呼ぶ。周方向一方Dr1における端部を「周方向一方端部」と呼び、周方向他方Dr2における端部を「周方向他方端部」と呼ぶ。また、各々の構成要素の側面において、周方向Drを向く側面を「周方向側面」と呼ぶ。さらに、周方向一方Dr1を向く側面を「周方向一方側面」と呼び、周方向他方Dr2を向く側面を「周方向他方側面」と呼ぶ。
また、本明細書において、「環状」は、中心軸CAを中心とする周方向Drの全域に渡って切れ目の無く連続的に一繋がりとなる形状である。また、中心軸CAを中心として、中心軸CAと交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
なお、以上に説明した事項は、実際の機器に組み込まれた場合において厳密に適用されるものではない。
<1.実施形態>
図1は、モータ100の構成例を示す断面図である。なお、図1は、上下方向に延びる中心軸CAと垂直な仮想の平面でモータ100を切断した場合のモータ100の断面構造を示している。
<1−1.モータ>
図1に示すように、モータ100は、ロータ1と、ステータ2と、を備える。本実施形態では後述するように、モータ100は、ステータ2の径方向サイズをより小さくでき、さらに、ステータ2をより軽量化できる。
ロータ1は、上下方向に延びる中心軸CAを中心にして、ステータ2に対して回転可能である。ロータ1は、ステータ2よりも径方向内方に配置される。ロータ1は、ステータ2と径方向に対向して配置される。ロータ1は、シャフト11と、マグネット12と、を有する。シャフト11は、ロータ1の回転軸であり、中心軸CAに沿って上下方向に延びる。シャフト11は、中心軸CAを中心にしてマグネット12とともに回転可能である。シャフト11の径方向外側面には、マグネット12が固定される。マグネット12は、たとえばネオジム焼結磁石などの希土類焼結磁石であり、互いに異なる複数の磁極、つまりN極とS極とを有する。N極とS極とは、周方向Drにおいて交互に配列される。マグネット12は、中心軸を囲む筒状であり、軸方向に延びる。マグネット12は、ステータ2よりも径方向内方に配置され、ステータ2と径方向に対向する。なお、ロータ1は、シャフト11に固定されるロータコアをさらに有し、該ロータコアにマグネット12が固定される構成であってもよい。
ステータ2は、モータ100の駆動時に、ロータ1を駆動して回転させる。なお、ステータ2の構成は、後に説明する。
また、モータ100は、ハウジング3と、基板(図示省略)と、をさらに備える。ハウジング3は、本実施形態では樹脂製であり、少なくともロータ1及びステータ2を収容する。ハウジング3は、筒部31と、保持アーム部32と、を有する。筒部31は、中心軸を囲む筒状であり、軸方向に延びる。筒部31の径方向内方には、ロータ1及びステータ2が配置される。保持アーム部32は、本実施形態では複数であり、筒部31の径方向内側面から径方向内方に延びる。保持アーム部32の径方向内端部には、ステータ2が接する。ステータ2は、保持アーム部32によりハウジング3に保持される。保持アーム部32がステータ2を保持することで、ステータ2の径方向外側面とハウジング3の筒部31の径方向内側面との間に、ステータ2を空冷できる隙間が形成される。なお、保持アーム部32がステータ2を保持する手法は特に限定されない。たとえば、各々の保持アーム部32よりも径方向内方に、ステータ2が嵌め込まれてもよい。或いは、接着剤などを用いて、各々の保持アーム部32の径方向内端部にステータ2が接着されてもよい。
<1−2.ステータ>
次に、図1及び図2を参照して、ステータ2の構成を説明する。図2は、ステータ2の斜視図である。
ステータ2は、ステータコア21と、インシュレータ22と、複数の巻線部23と、を有する。
ステータコア21は、上下方向に延びる中心軸CAを囲む。ステータコア21は、磁性体であり、本実施形態では電磁鋼板が軸方向に積層された積層体である。ステータコア21は、アンブレラ部211と、一対のヨーク部212と、をそれぞれ複数有する。図1に示すように、各々のアンブレラ部211は、周方向Drに並ぶ。一対のヨーク部212は、軸方向から見て各々のアンブレラ部211から、少なくとも周方向一方Dr1を含む第1方向D1と少なくとも周方向他方Dr2を含む第2方向D2とにそれぞれ延びる。以下では、第1方向D1に延びるヨーク部212を第1ヨーク部2121と呼び、第2方向D2に延びるヨーク部212を第2ヨーク部2122と呼ぶ。
インシュレータ22は、ステータコア21の一部を覆う。特に、インシュレータ22は、各々のヨーク部212の少なくとも一部を覆う。インシュレータ22は、たとえば合成樹脂、エナメル、ゴムなどの電気絶縁性を有する材料を用いて形成される。
巻線部23は、一対のコイル231を有する。各々のコイル231は、各々のヨーク部212にインシュレータ22を介して導線230が巻き付けられることで形成されている。導線230は、たとえばエナメル被覆銅線等、絶縁部材で被覆された金属線などである。導線230は、モータ100の基板(図示省略)と電気的に接続される。該基板は、ステータ2より軸方向一方に配置され、駆動回路などを搭載する。巻線部23に駆動電流が供給されると、ステータ2は励磁されてロータ1を駆動する。
上述のように、ステータ2では、アンブレラ部211から第1方向D1と第2方向D2とに延びる一対のヨーク部212の両方にコイル231がそれぞれ形成される。そのため、たとえば環状のコアバック部から径方向内方に延びるティース部にコイルが形成される構造のステータコアを有するステータの構成と比べて、ステータコア21の径方向サイズをより小さくできる。従って、ステータ2をより小型化且つより軽量化することができる。
さらに、本実施形態のステータ2では、上述の他のステータの構成におけるコイルの1個分の導線230を一対のヨーク部212に分けて巻き付けることができる。そのため、各々のコイル231において、導線230を重ねる数をより少なくすることができる。さらに、各々のコイル231において、より密に導線230を重ねて巻き易くすることができる。従って、一対のコイル231の形成に要する導線230の長さをより短くすることができる。よって、ステータ2をさらに軽量化することもできる。
このほか、ステータ2は、導線230の端部が固定されるホルダ24をさらに備える。該ホルダ24は、アンブレラ部211よりも径方向外方に配置される。ホルダ24で導線230の端部を固定することにより、導線230が弛み難くなる。そのため、シンプルな構成によって、導線230と基板とをより安定して電気的に接続できる。また、ホルダ24をコイル231により近い位置に配置すれば、導線230をさらに弛み難くすることができる。
本実施形態では、導線230の端部は、固定部材Jを用いてホルダ24に固定される。たとえば図2に示すように、ホルダ24には、ホルダ凹部241が形成される。ホルダ24は、ステータ2の軸方向一方寄りの位置に配置される。ホルダ凹部241は、ホルダ24の軸方向一方端部から軸方向他方端部に延びるとともに、ホルダ24を径方向に貫通する。導線230は、ホルダ凹部241を通じて、ホルダ24よりも径方向内方から径方向外方に引き出される。ホルダ凹部241には、固定部材Jを軸方向に挿通して嵌めることができる。導線230は、ホルダ凹部241の軸方向他方端部と、ホルダ凹部241に挿通された固定部材Jの軸方向他方端部との間に狭持される。
本実施形態では、ホルダ24とインシュレータ22とが一体成型品である。つまり、ホルダ24は、インシュレータ22と同じ部材の異なる一部である。こうすれば、ステータ2の部品点数をより少なくできるので、ステータ2の生産性を向上できる。さらに、インシュレータ22の取り付けとは別にホルダ24を取り付ける必要がない。そのため、ホルダ24の配置精度が向上する。なお、本実施形態の例示に限定されず、ホルダ24は、インシュレータ22と一体成型品でなくてもよく、つまり、インシュレータ22とは異なる構成要素であってもよい。
<1−2−1.ステータコア>
次に、図1及び図2を参照して、ステータコア21のより詳細な構成を説明する。ステータコア21は、周方向Drに配置される複数のコア片210を有する。各々のコア片210は、本実施形態では電磁鋼板が軸方向に積層された積層体である。各々のコア片210は、アンブレラ部211と、一対のヨーク部212と、を含む。ステータコア21が複数のコア片210を有するため、たとえば、各々のコア片210のヨーク部212に導線230を巻き付けた後に、各々のコア片210を組み立ててステータコア21とすることができる。従って、コイル231が形成され易くなる。さらに、コイル231を形成する際、固定したコア片210に導線230を巻き付ける手法のほか、ヨーク部212を中心にコア片210を回転させながら導線230を巻き付ける手法を採用することもできる。より適した手法で正確且つ整然に導線230を巻き付けることができるので、コイル231を形成する作業を効率的に実施できる。従って、ステータ2の生産性が向上する。なお、コア片210の数は、本実施形態では3個であるが、この例示に限定されず、3以外の複数個であってもよい。
周方向Drにおいて互いに隣り合うコア片210のうち、周方向一方Dr1側のコア片210の周方向他方端部は、周方向他方Dr2側のコア片210の周方向一方端部と連結される。本実施形態では、第1ヨーク部2121の周方向一方端部には、第1連結部2131が形成される。第2ヨーク部2122の周方向他方端部には、第2連結部2132が形成される。周方向Drにおいて互いに隣り合うコア片210にて、周方向他方Dr2側のコア片210の第1連結部2131は、周方向一方Dr1側のコア片210の第2連結部2132と連結される。両者を連結することで、第1ヨーク部2121内と第2ヨーク部2122内とを通る磁気回路をより短くできる。従って、ステータコア21での鉄損を抑制して、ステータ2の磁気特性を向上することができる。
なお、周方向他方Dr2側のコア片210の第1連結部2131と周方向一方Dr1側のコア片210の第2連結部2132との連結手法は特に限定されない。たとえば、両者の連結部分213において、第1連結部2131及び第2連結部2132のうちの一方が他方に引っ掛けられることにより、両者が連結されてもよい。及び/又は、接着剤を用いて両者が接着されてもよいし、両者の連結部分213が溶接されてもよい。
<1−2−1−1.アンブレラ部>
アンブレラ部211は、貫通孔2111を有する。貫通孔2111は、アンブレラ部211を軸方向に貫通する穴部である。本実施形態では、全てのアンブレラ部211に貫通孔2111が1個ずつ形成される。但し、この例示に限定されず、貫通孔2111は、一部のアンブレラ部に形成されてもよい。また、図3に示すように、貫通孔2111に代えて、凹部2112がアンブレラ部211に形成されてもよい。なお、図3は、アンブレラ部211の変形例を示す断面図である。図3は、図1の破線で囲まれた部分Aに対応する。凹部2112は、アンブレラ部211の径方向外端部において径方向内方に凹む穴部である。
つまり、好ましくは、少なくとも1つのアンブレラ部211は、穴部を有する。該穴部は、アンブレラ部211を軸方向に貫通する貫通孔2111と、アンブレラ部211の径方向外端部において径方向内方に凹む凹部2112とのうちの一方である。少なくとも1つのアンブレラ部211に貫通孔2111又は凹部2112を形成することにより、ステータコア21をより軽量化できる。なお、1個のアンブレラ部211に形成される上述の穴部は、複数であってもよい。
さらに好ましくは、軸方向から見て、上述の穴部とアンブレラ部211の周方向側面との間の最小の間隔da、dbは、ヨーク部212の幅dc以上である。幅dcは、ヨーク部212が延びる方向及び軸方向の両方に垂直な方向における該ヨーク部212の最小の幅である。ヨーク部212が延びる方向は、前述のごとく、第1方向D1及び第2方向D2のうちの一方を含む。なお、第1ヨーク部2121が延びる方向及び軸方向の両方に垂直な方向における該第1ヨーク部2121の幅は、本実施形態では第1ヨーク部2121が延びる方向に渡って一定であるが、この例示に限定されず、第1ヨーク部2121が延びる方向に渡って一定でなくてもよい。また、第2ヨーク部2122が延びる方向及び軸方向の両方に垂直な方向における該第2ヨーク部2122の幅は、本実施形態では第2ヨーク部2122が延びる方向に渡って一定であるが、この例示に限定されず、第2ヨーク部2122が延びる方向に渡って一定でなくてもよい。
たとえば、図2において、貫通孔2111とアンブレラ部211の周方向側面との間の最小の間隔daは、好ましくは、ヨーク部212の幅dc以上である。また、図3において、凹部2112とアンブレラ部211の周方向側面との間の最小の間隔dbは、好ましくは、ヨーク部212の幅dc以上である。上記の最小の間隔da、dbを上記の幅dc以上とすることにより、貫通孔2111又は凹部2112である穴部と、アンブレラ部211の周方向側面との間を通る磁束密度がヨーク部212内を通る磁束密度よりも高くなることを防止できる。従って、磁気効率の低下を抑制しつつ、ステータコア21をより軽量化できる。
但し、上述の例示に限定されず、図2においてda<dcであってもよいし、図3においてdb<dcであってもよい。また、上述の例示に限定されず、全てのアンブレラ部211に、上述の穴部が形成されなくてもよい。
<1−2−1−2.ヨーク部>
次に、好ましくは、各々のアンブレラ部211において、一対のヨーク部212は、軸方向から見て、アンブレラ部211の各々の周方向側面から第3方向D3と垂直な方向にそれぞれ延びる。なお、第3方向D3は、該アンブレラ部211の周方向Drにおける中央を通って径方向外方に向かう方向である。たとえば図1では、軸方向から見て、第1ヨーク部2121が延びる第1方向D1、及び第2ヨーク部2122が延びる第2方向D2は、第3方向D3と垂直である。こうすれば、各々のアンブレラ部211において、軸方向から見て一対のヨーク部212が該アンブレラ部211の各々の周方向側面から第3方向と斜めに交わる方向に延びる構成と比べて、ステータ2の径方向サイズをより小さくできる。但し、この例示に限定されず、各々のアンブレラ部211において、一対のヨーク部212のうちの少なくとも一方は、軸方向から見て、該アンブレラ部211の各々の周方向側面から第3方向D3と斜めに交わる方向に延びてもよい。
<1−2−2.巻線部>
次に、図1及び図2を参照して、巻線部23のより詳細な構成を説明する。巻線部23は、各々のコア片210に形成される一対のコイル231を有する。各々のコア片210において、一対のコイル231のうち、一方のコイル231は、導線230が第1ヨーク部2121に巻き付けられることで形成される。他方のコイル231は、導線230が第2ヨーク部2122に巻き付けられることで形成される。以下では、第1ヨーク部2121に形成されるコイル231を第1コイル2311と呼び、第2ヨーク部2122に形成されるコイル231を第2コイル2312と呼ぶ。本実施形態では、図1及び図2に示すように、第1コイル2311及び第2コイル2312は、ぞれぞれ、周方向Drにおいて、互いに交互に配置される。
ステータ2が有するコイル231の総数は、アンブレラ部211の総数の2倍である。本実施形態では、コイル231の総数は6個であり、アンブレラ部211の総数は3個である。こうすれば、各々のコア片210において、一対のコイル231によって磁場をそれぞれ形成できるため、ステータ2の径方向サイズを増大させることなく、モータ100の出力を向上、又は、該出力の低下を抑制できる。
好ましくは、軸方向から見て、各々のコイル231のアンブレラ部211に近い側における端部の外径Waは、該コイル231のアンブレラ部211から遠い側における端部の外径Wbよりも大きい。なお、外径Wa及び外径Wbはどちらも、図1に示すように、ヨーク部212が延びる方向及び軸方向の両方に垂直な方向におけるコイル231の幅である。ヨーク部212が延びる方向は、前述の如く、第1方向D1及び第2方向D2のうちの一方を含む。軸方向から見てWa>Wbとすることで、周方向Drにおいて互いに隣り合うヨーク部212間のスペースを有効に活用できる。たとえば、周方向Drにおいて互いに隣り合うヨーク部212間の間隔は、アンブレラ部211に近いほど広く、アンブレラ部211から遠くなるほど狭くなる。従って、コイル231のアンブレラ部211に近い側の端部における導線230の巻き数をアンブレラ部211から遠い側の端部における導線230の巻き数よりも多くすることにより、周方向Drにおいて互いに隣り合うコイル231同士の距離を適切に保ちつつ、各々のヨーク部212により多くの導線230を密に巻き付けることができる。よって、ステータ2の小型化に貢献できる。なお、この例示に限定されず、Wa≦Wbとしてもよい。
周方向Drに隣り合うコア片210のうち、周方向一方Dr1側のコア片210の第2ヨーク部2122に形成される第2コイル2312と、周方向他方Dr2側のコア片210の第1ヨーク部2121に形成される第1コイル2311とは、周方向Drに隣り合う。好ましくは図1に示すように、周方向Drにおいて互いに隣り合うコイル231間の間隔Wcは、径方向に渡って一定である。たとえば本実施形態では、周方向Drにおいて互いに隣り合う2つのコイル231のアンブレラ部211に近い側の端部間の間隔は、該2つのコイル231のアンブレラ部211から遠い側の端部間の間隔、及び、該2つのコイル231の第1方向D1又は第2方向D2における中央部分間の間隔と同じである。間隔Wcを径方向に渡って一定にすることにより、周方向Drにおいて互いに隣り合うコイル231同士の距離を適切に保ちつつ、各々のヨーク部212に導線230を最大限に密に巻き付けることができる。従って、ステータ2の小型化にさらに貢献できる。
但し、本実施形態の例示に限定されず、周方向Drにおいて互いに隣り合うコイル231同士の距離を適切に保つことが可能であれば、周方向Drにおいて互いに隣り合うコイル231間の間隔Wcは、径方向において変化してもよい。たとえば、周方向Drにおいて互いに隣り合う2つのコイル231のアンブレラ部211に近い側の端部間の間隔は、該2つのコイル231のアンブレラ部211から遠い側の端部間の間隔よりも広くてもよい。或いは、周方向Drにおいて互いに隣り合う2つのコイル231のアンブレラ部211に近い側の端部間の間隔は、該2つのコイル231のアンブレラ部211から遠い側の端部間の間隔よりも狭くてもよい。
<2.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
本発明は、ステータコアが小型化且つ軽量化されたステータ、及び該ステータを搭載する装置に有用である。たとえば、本発明は、ステータ、及び、モータに利用できる。但し、この例示に限定されず、本発明は、発電機などにも利用可能である。
100・・・モータ、1・・・ロータ、11・・・シャフト、12・・・マグネット、2・・・ステータ、21・・・ステータコア、210・・・コア片、211・・・アンブレラ部、2111・・・貫通孔、2112・・・凹部、212・・・ヨーク部、2121・・・第1ヨーク部、2122・・・第2ヨーク部、213・・・連結部分、2131・・・第1連結部、2132・・・第2連結部、22・・・インシュレータ、23・・・巻線部、230・・・導線、231・・・コイル、2311・・・第1コイル、2312・・・第2コイル、24・・・ホルダ、241・・・ホルダ凹部、3・・・ハウジング、31・・・筒部、32・・・保持アーム部、CA・・・中心軸、J・・・固定部材

Claims (11)

  1. 上下方向に延びる中心軸を囲むステータコアと、インシュレータと、複数の巻線部と、を備え、
    前記ステータコアは、アンブレラ部と、一対のヨーク部と、をそれぞれ複数有し、
    各々の前記アンブレラ部は周方向に並び、
    一対の前記ヨーク部は、軸方向から見て各々の前記アンブレラ部から、少なくとも周方向一方を含む第1方向と少なくとも周方向他方を含む第2方向とにそれぞれ延び、
    前記インシュレータは、各々の前記ヨーク部の少なくとも一部を覆い、
    前記巻線部は、各々の前記ヨーク部に前記インシュレータを介して導線が巻き付けられることで形成されている一対のコイルを有する、ステータ。
  2. 前記ステータコアは、周方向に配置される複数のコア片を有し、
    各々の前記コア片は、前記アンブレラ部と、一対の前記ヨーク部と、を含む、請求項1に記載のステータ。
  3. 前記コイルの総数は、前記アンブレラ部の総数の2倍である、請求項1又は請求項2に記載のステータ。
  4. 軸方向から見て、前記コイルの前記アンブレラ部に近い側における端部の外径は、前記コイルの前記アンブレラ部から遠い側における端部の外径よりも大きい、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のステータ。
  5. 周方向において互いに隣り合う前記コイル間の間隔は、径方向に渡って一定である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のステータ。
  6. 少なくとも1つの前記アンブレラ部は、穴部を有し、
    前記穴部は、前記アンブレラ部を軸方向に貫通する貫通孔と、前記アンブレラ部の径方向外端部において径方向内方に凹む凹部と、のうちの一方である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のステータ。
  7. 軸方向から見て、前記穴部と前記アンブレラ部の周方向側面との間の最小の間隔は、前記ヨーク部の幅以上である、請求項6に記載のステータ。
  8. 前記アンブレラ部の周方向における中央を通って径方向外方に向かう方向を第3方向とした際に、
    各々の前記アンブレラ部において、
    一対の前記ヨーク部は、軸方向から見て、前記アンブレラ部の各々の周方向側面から前記第3方向と垂直な方向にそれぞれ延びる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のステータ。
  9. 前記導線の端部が固定されるホルダをさらに備え、
    前記ホルダは、前記アンブレラ部よりも径方向外方に配置される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のステータ。
  10. 前記ホルダと前記インシュレータとが一体成型品である、請求項9に記載のステータ。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のステータと、
    前記ステータと径方向に対向して配置されるロータと、
    を備える、モータ。
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