JP2021034351A - 電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の厚さが変化しても二次電池の性能を維持でき、且つ二次電池を効率的に冷却できる電池モジュールを提供する。
【解決手段】電池モジュール11は、正極板と負極板とがセパレータを介して交互に複数積層されてなる電極積層体及び電解液が可撓性を有した外装部材によって包み込まれてなり、一方向Xに積層するように並んで配置された複数の二次電池12と、隣り合う二次電池12同士の間に配置された放熱部材13とを備える。放熱部材13は、隣り合う二次電池12同士のうちの一方に接触するように配置された第1放熱板20と、隣り合う二次電池12同士のうちの他方に接触するように配置された第2放熱板21と、第1放熱板20と第2放熱板21との間に第1放熱板20及び第2放熱板21のそれぞれと接触するように配置された弾性部材22とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の二次電池を積層した電池モジュールに関する。
従来、この種の電池モジュールとして、例えば特許文献1に示す組電池が知られている。こうした組電池は、複数の平板状の電池セル(二次電池)と複数の平板状の冷却板とを面接触するように交互に積層した構成になっている。電池セルは、可撓性のラミネートフィルムによって構成された外装ケースに電極積層体を収容した構成とされている。電極積層体は、正極層と、負極層と、正極層と負極層との間に介在する電解質層と、正極層と負極層とを短絡しないように別々に仕切るセパレータとを備えている。
特開2014−212032号公報
ところで、上述のような組電池では、一つの冷却板が隣り合う二つの電池セルに面接触している。このため、各電池セルが充放電によって発熱した場合、一つの冷却板により、当該冷却板と面接触する二つの電池セルのうちの一方の熱の一部が他方に伝達されてしまう。この結果、冷却板による電池セルに対する冷却効率が低下するという問題がある。
また、通常、上述のような組電池における各電池セルは、その性能を維持するべくセパレータを正極層及び負極層に対して密着させる必要があるため、各電池セルに適切な圧力が付与されるように各冷却板を配置してセパレータと正極層及び負極層とのそれぞれの密着状態を維持する必要がある。しかしながら、各電池セルは充電状態や温度によって厚さが変化するが、各冷却板は厚さが変化しない。このため、各電池セルに適切な圧力が付与されず、電池セルの性能が低下するという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされた。その目的は、二次電池の厚さが変化しても二次電池の性能を維持でき、且つ二次電池を効率的に冷却できる電池モジュールを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する電池モジュールは、正極板と負極板とがセパレータを介して交互に複数積層されてなる電極積層体及び電解液が可撓性を有した外装部材によって包み込まれてなり、一方向に積層するように並んで配置された複数の二次電池と、隣り合う前記二次電池同士の間に配置された放熱部材と、を備えた電池モジュールであって、前記放熱部材は、隣り合う前記二次電池同士のうちの一方に接触するように配置された第1放熱板と、隣り合う前記二次電池同士のうちの他方に接触するように配置された第2放熱板と、前記第1放熱板と前記第2放熱板との間に前記第1放熱板及び前記第2放熱板のそれぞれと接触するように配置された弾性部材と、を備えることを要旨とする。
この構成によれば、第1放熱板と第2放熱板との間には弾性部材が介在しているため、第1放熱板と第2放熱板とが直接接触しない。このため、第1放熱板と第2放熱板との間では熱が伝わりにくくなる。したがって、第1放熱板及び第2放熱板がそれぞれ接触する
二次電池から奪った熱が速やかに放散されるので、二次電池を効率的に冷却できる。
また、通常、二次電池はその性能を維持するべくセパレータを正極板及び負極板に対して密着させる必要があるため、各二次電池に付与される圧力を適切な所定の圧力範囲に維持する必要がある。しかしながら、各二次電池は充電状態や温度によって厚さが変化するため、各二次電池に付与される圧力を適切な所定の圧力範囲に維持することが困難である。この点、この構成によれば、放熱部材の弾性部材の弾性力により、各二次電池の厚さの変化に追従して放熱部材の厚さが変化する。このため、各二次電池の厚さが変化しても、放熱部材の弾性部材の弾性変形により各二次電池に付与される圧力が適切な所定の圧力範囲に維持される。
よって、二次電池の厚さが変化しても二次電池の性能を維持でき、且つ二次電池を効率的に冷却できる。
第1実施形態の電池モジュールの一部を示す側面図。 同電池モジュールの一部を示す一部破断斜視図。 二次電池の断面模式図。 図1において弾性部材が弾性変形する前の状態を示す要部拡大図。 図1において弾性部材が弾性変形したときの状態を示す要部拡大図。 第2実施形態の電池モジュールの一部を示す側面図。 同電池モジュールの一部を示す一部破断斜視図。 図6において弾性部材が弾性変形する前の状態を示す要部拡大図。 図6において弾性部材が弾性変形したときの状態を示す要部拡大図。 変更例の放熱部材の一部を示す分解斜視図。 別の変更例の放熱部材の一部を示す分解斜視図。
(第1実施形態)
以下、電池モジュールの第1実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、電池モジュール11は、一方向Xに積層するように並んで配置された複数の矩形板状の二次電池12と、一方向Xで隣り合う二次電池12同士の間にそれぞれ配置された複数の矩形板状の放熱部材13とを備えている。複数の二次電池12と複数の放熱部材13とは、互いに最大限面接触するように一方向Xにおいて交互に積層されて並んで配置されている。
この場合、一方向Xの両端にはいずれも二次電池12が配置されるため、放熱部材13の数は二次電池12の数よりも一つ少なくなる。一方向Xの両端に配置された二次電池12の外側には、一対のエンドプレート(図示略)が配置されている。この一対のエンドプレート(図示略)は、一方向Xにおいて交互に並ぶ複数の二次電池12と複数の放熱部材13とを纏めて挟持する。なお、複数の二次電池12は、バスバー14によって電気的に直列に接続されている。
図3に示すように、二次電池12は、例えばリチウムイオン電池などによって構成される。二次電池12は、矩形板状をなす金属製の正極板15と矩形板状をなす金属製の負極板16とが矩形板状のセパレータ17を介して交互に複数積層されてなる電極積層体18及び電解液が可撓性を有した外装部材19によって包み込まれた構成になっている。セパレータ17は、例えばリチウムイオンなどの陽イオンの透過性を高めるべく空隙率が60パーセント以上となるように構成することが好ましく、例えば不織布によって構成される。外装部材19は、例えばアルミラミネートフィルムによって構成される。
図2及び図4に示すように、放熱部材13は、一方向Xで隣り合う二次電池12同士のうちの一方に接触するように配置された矩形状の第1放熱板20と、一方向Xで隣り合う二次電池12同士のうちの他方に接触するように配置された矩形状の第2放熱板21と、第1放熱板20と第2放熱板21との間に第1放熱板20及び第2放熱板21のそれぞれと接触するように配置された矩形平板状の弾性部材22とを備えている。すなわち、放熱部材13は、第1放熱板20と第2放熱板21とで弾性部材22が挟まれるように、第1放熱板20、第2放熱板21、及び弾性部材22が積層された構成になっている。
第1放熱板20における弾性部材22側の面には、弾性部材22側に向かって突出する複数の第1凸部23が設けられている。複数の第1凸部23は、第1放熱板20の短手方向の一端から他端わたって真っ直ぐに連続して延びる四角棒状をなしており、第1放熱板20の長手方向の一端から他端わたって互いに平行且つ等間隔で並ぶように設けられている。
第2放熱板21における弾性部材22側の面には、弾性部材22側に向かって突出する複数の第2凸部24が設けられている。複数の第2凸部24は、第2放熱板21の短手方向の一端から他端わたって真っ直ぐに連続して延びる四角棒状をなしており、第2放熱板21の長手方向の一端から他端わたって互いに平行且つ等間隔で並ぶように設けられている。
本実施形態では、第1放熱板20と第2放熱板21とが同一形状になっている。すなわち、第1放熱板20と第2放熱板21とは、大きさも形状も材質も全て同じであり、放熱部材13を構成する共通の部品として用いられる。第1放熱板20及び第2放熱板21は、共に銅やアルミニウムなどの比較的熱伝導性の高い金属材料によって構成される。
第1放熱板20と第2放熱板21とは、放熱部材13の長手方向における位置が複数の第1凸部23(第2凸部24)の半ピッチ分だけずれるように配置されている。したがって、複数の第1凸部23の位置と複数の第2凸部24の位置とは、放熱部材13の長手方向において複数の第1凸部23(第2凸部24)の半ピッチ分だけずれている。なお、第1放熱板20と第2放熱板21とは、放熱部材13の短手方向における位置が互いに一致している。
弾性部材22は、第1放熱板20及び第2放熱板21よりも一回り小さい大きさになっており、板状のばね鋼によって構成される。本実施形態では、弾性部材22を構成するばね鋼として弾性を有するステンレス鋼の薄板が採用されている。弾性部材22と複数の第1凸部23との間、及び弾性部材22と複数の第2凸部24との間には、放熱部材13の短手方向に延びるとともに冷却用の流体の一例としての空気が流れる複数の流路25が形成されている。複数の流路25は、互いに平行となるように延びている。
次に、電池モジュール11の作用について説明する。
さて、電池モジュール11が使用されると、各二次電池12が発熱する。すると、各二次電池12の熱は、放熱部材13の第1放熱板20及び第2放熱板21に伝わる。このとき、第1放熱板20及び第2放熱板21は、それぞれ複数の第1凸部23及び複数の第2凸部24によって表面積が拡大されているので、第1放熱板20及び第2放熱板21の熱が効率的に放散される。
さらにこのとき、第1放熱板20及び第2放熱板21はそれぞれ弾性部材22と接触しているため、第1放熱板20及び第2放熱板21のそれぞれの熱は弾性部材22にも伝わる。この場合、弾性部材22の温度は第1放熱板20及び第2放熱板21の温度よりも低
くなり易く、第1放熱板20及び第2放熱板21間で弾性部材22を介した熱の授受は生じ難い。すなわち、弾性部材22から第1放熱板20及び第2放熱板21には、熱が移動し難い。
そして、各放熱部材13の流路25に送風機(図示略)から風(空気)を送ると、第1放熱板20、第2放熱板21、及び弾性部材22の熱が各流路25を流れる空気によって持ち去られる。このため、第1放熱板20、第2放熱板21、及び弾性部材22の放熱効果が高められる。したがって、各放熱部材13が接触する二次電池12から各放熱部材13によって奪われた熱が速やかに放散されるので、各二次電池12が効率的に冷却される。
また、通常、各二次電池12は、その性能を維持するべくセパレータ17を正極板15及び負極板16に対して密着させる必要があるため、各二次電池12に付与される一方向Xの圧力を適切な所定の圧力範囲に維持する必要がある。しかしながら、各二次電池12は、充電状態や温度によって厚さが変化するため、各二次電池12に付与される圧力を適切な所定の圧力範囲に維持することが困難である。
この点、本実施形態の電池モジュール11では、各放熱部材13の弾性部材22の弾性力により、各二次電池12の厚さの変化に追従して各放熱部材13の厚さが変化する。例えば、各二次電池12が充電や温度上昇などによって膨張して厚さが厚くなった場合には、図5に示すように、各放熱部材13の弾性部材22が第1放熱板20の複数の第1凸部23及び第2放熱板21の複数の第2凸部24によって挟圧されて波形状に湾曲するように弾性変形する。
この各放熱部材13の弾性部材22の弾性変形により、各二次電池12の厚さが厚くなっても、各二次電池12に付与される一方向Xの圧力が適切な所定の圧力範囲に維持される。この場合、図5に示すように、各放熱部材13の弾性部材22が弾性変形しても冷却用の空気が流れる各流路25は確保されるため、各放熱部材13による各二次電池12に対する冷却効率はほとんど変わらない。
なお、各二次電池12に付与される圧力が高すぎると、特に空隙率の高い不織布製のセパレータ17が潰れて目詰まりする。このため、本実施形態の電池モジュール11において各二次電池12に付与される一方向Xの所定の圧力範囲は、セパレータ17が正極板15及び負極板16に対して密着しつつセパレータ17が潰れて目詰まりしない程度となるように適切に設定されている。
すなわち、本実施形態の電池モジュール11における各放熱部材13の弾性部材22の弾性力は、各二次電池12に付与される一方向Xの所定の圧力範囲が、セパレータ17が正極板15及び負極板16に対して密着しつつセパレータ17が潰れて目詰まりしない程度となるように適切に設定されている。したがって、各二次電池12の厚さが変化しても各二次電池12の性能が維持される。
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1−1)電池モジュール11において、各放熱部材13は、隣り合う二次電池12同士のうちの一方に接触するように配置された第1放熱板20と、隣り合う二次電池12同士のうちの他方に接触するように配置された第2放熱板21と、第1放熱板20と第2放熱板21との間に配置された弾性部材22とを備えている。
この構成によれば、各放熱部材13における第1放熱板20と第2放熱板21との間には弾性部材22が介在しているため、第1放熱板20と第2放熱板21とが直接接触しな
い。このため、第1放熱板20と第2放熱板21との間では熱が伝わりにくくなる。したがって、各放熱部材13が接触する二次電池12から各放熱部材13によって奪われた熱が速やかに放散されるので、各二次電池12を効率的に冷却できる。
また、通常、二次電池12はその性能を維持するべくセパレータ17を正極板15及び負極板16に対して密着させる必要があるため、各二次電池12に付与される圧力を適切な所定の圧力範囲に維持する必要がある。しかしながら、各二次電池12は充電状態や温度によって厚さが変化するため、各二次電池12に付与される一方向Xの圧力を適切な所定の圧力範囲に維持することが困難である。
この点、この構成によれば、各放熱部材13の弾性部材22の弾性力により、各二次電池12の厚さの変化に追従して各放熱部材13の厚さが変化する。このため、各二次電池12の厚さが変化しても、各放熱部材13の弾性部材22の弾性変形により各二次電池12に付与される一方向Xの圧力を適切な所定の圧力範囲に維持できる。したがって、各二次電池12の厚さが変化しても各二次電池12の性能を維持できる。
よって、各二次電池12の厚さが変化しても各二次電池12の性能を維持でき、且つ各二次電池12を効率的に冷却できる。
(1−2)電池モジュール11において、各放熱部材13の第1放熱板20と第2放熱板21との間には、冷却用の空気が流れる流路25が形成されている。この構成によれば、各流路25に冷却用の空気を流すことで、放熱部材13の熱が各流路25を流れる空気によって持ち去られるので、放熱部材13の放熱効果を高めることができる。このため、二次電池12に対する放熱部材13の冷却効果を高めることができる。
(1−3)電池モジュール11において、各二次電池12のセパレータ17の空隙率は、60パーセント以上である。通常、不織布製のセパレータ17などの空隙率が60パーセント以上となるセパレータ17を用いた場合、二次電池12に圧力がかかりすぎると、セパレータ17が潰れて目詰まりしてしまう。この点、この構成によれば、放熱部材13の弾性部材22の弾性力を調整することで、二次電池12にかかる圧力を調整できる。このため、電池モジュール11に不織布製のセパレータ17を用いた二次電池12を採用しても、二次電池12に対する圧力の付与によってセパレータ17が潰れて目詰まりすることを抑制できる。
(1−4)電池モジュール11において、第1放熱板20における弾性部材22側の面には複数の第1凸部23が設けられ、第2放熱板21における弾性部材22側の面には複数の第2凸部24が設けられ、弾性部材22は平板状をなしており、複数の第1凸部23の位置と複数の第2凸部24の位置とは放熱部材13の長手方向にずれている。この構成によれば、弾性部材22が平板状であるため、放熱部材13を容易に製造できる。加えて、第1放熱板20に複数の第1凸部23を設け、第2放熱板21に複数の第2凸部24を設けることで、第1放熱板20及び第2放熱板21の表面積が拡大されるので、第1放熱板20及び第2放熱板21の放熱効果を高めることができる。
(1−5)電池モジュール11において、第1放熱板20と第2放熱板21とは同一形状である。この構成によれば、放熱部材13の構成部品の種類数を低減でき、ひいては電池モジュール11の構成部品の種類数を低減できる。
(1−6)電池モジュール11において、剛性のある第1放熱板20及び第2放熱板21が二次電池12に対して面接触しているため、弾性部材22の弾性力が可撓性の二次電池12に対して局所的に加わることを抑制できる。
(第2実施形態)
次に、電池モジュールの第2実施形態を図面に従って説明する。
図6及び図7に示すように、この第2実施形態の電池モジュール29は、上記第1実施形態の電池モジュール11において放熱部材13を放熱部材30に変更したこと以外は、上記第1実施形態の電池モジュール11と同じである。したがって、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点のみを説明し、第1実施形態と重複する説明を省略する。また、この第2実施形態では、第1実施形態と同一の部材については同一の符号を付すものとする。
図7及び図8に示すように、電池モジュール29の放熱部材30は、一方向Xで隣り合う二次電池12同士のうちの一方に接触するように配置された矩形平板状の第1放熱板31と、一方向Xで隣り合う二次電池12同士のうちの他方に接触するように配置された矩形平板状の第2放熱板32と、第1放熱板31と第2放熱板32との間に第1放熱板31及び第2放熱板32のそれぞれと接触するように配置された一方向Xから見て矩形板状をなす弾性部材33とを備えている。すなわち、放熱部材30は、第1放熱板31と第2放熱板32とで弾性部材33が挟まれるように、第1放熱板31、第2放熱板32、及び弾性部材33が積層された構成になっている。
本実施形態では、第1放熱板31と第2放熱板32とが同一形状になっている。すなわち、第1放熱板31と第2放熱板32とは、大きさも形状も材質も全て同じであり、放熱部材30を構成する共通の部品として用いられる。第1放熱板31及び第2放熱板32は、共に銅やアルミニウムなどの比較的熱伝導性の高い金属材料によって構成される。
弾性部材33は、矩形板状のばね鋼を波形に湾曲させることによって形成され、第1放熱板31及び第2放熱板32よりも一回り小さい大きさになっている。本実施形態では、弾性部材33を構成するばね鋼としてステンレス鋼が採用されている。弾性部材33における波形に湾曲した全ての山側部分は、第1放熱板31または第2放熱板32に接触している。
弾性部材33における波形に湾曲した全ての谷側部分と第1放熱板31との間、及び弾性部材33における波形に湾曲した全ての谷側部分と第2放熱板32との間には、放熱部材30の短手方向に延びるとともに冷却用の流体の一例としての空気が流れる複数の流路34が形成されている。複数の流路34は、互いに平行となるように延びている。
次に、電池モジュール29の作用について説明する。
さて、電池モジュール29が使用されると、各二次電池12が発熱する。すると、各二次電池12の熱は、放熱部材30の第1放熱板31及び第2放熱板32に伝わり、第1放熱板31及び第2放熱板32から放散される。このとき、第1放熱板31及び第2放熱板32はそれぞれ弾性部材33と接触しているため、第1放熱板31及び第2放熱板32のそれぞれの熱は弾性部材33にも伝わる。この場合、弾性部材33の温度は第1放熱板31及び第2放熱板32の温度よりも低くなり易く、第1放熱板31及び第2放熱板32間で弾性部材33を介した熱の授受は生じ難い。すなわち、弾性部材33から第1放熱板31及び第2放熱板32には、熱が移動し難い。
そして、各放熱部材30の流路34に送風機(図示略)から風(空気)を送ると、第1放熱板31、第2放熱板32、及び弾性部材33の熱が各流路34を流れる空気によって持ち去られる。このため、第1放熱板31、第2放熱板32、及び弾性部材33の放熱効果が高められる。したがって、各放熱部材30が接触する二次電池12から各放熱部材30によって奪われた熱が速やかに放散されるので、各二次電池12が効率的に冷却される。
また、通常、各二次電池12は、その性能を維持するべくセパレータ17を正極板15及び負極板16に対して密着させる必要があるため、各二次電池12に付与される一方向Xの圧力を適切な所定の圧力範囲に維持する必要がある。しかしながら、各二次電池12は、充電状態や温度によって厚さが変化するため、各二次電池12に付与される圧力を適切な所定の圧力範囲に維持することが困難である。
この点、本実施形態の電池モジュール29では、各放熱部材30の弾性部材33の弾性力により、各二次電池12の厚さの変化に追従して各放熱部材30の厚さが変化する。例えば、各二次電池12が充電や温度上昇などによって膨張して厚さが厚くなった場合には、図9に示すように、各放熱部材30の弾性部材33が第1放熱板31と第2放熱板32とによって挟圧されて弾性変形する。
この各放熱部材30の弾性部材33の弾性変形により、各二次電池12の厚さが厚くなっても、各二次電池12に付与される一方向Xの圧力が適切な所定の圧力範囲に維持される。この場合、図9に示すように、各放熱部材30の弾性部材33が弾性変形しても冷却用の空気が流れる各流路34は確保されるため、各放熱部材30による各二次電池12に対する冷却効率はほとんど変わらない。
なお、各二次電池12に付与される圧力が高すぎると、特に空隙率の高い不織布製のセパレータ17が潰れて目詰まりする。このため、本実施形態の電池モジュール29において各二次電池12に付与される一方向Xの所定の圧力範囲は、セパレータ17が正極板15及び負極板16に対して密着しつつセパレータ17が潰れて目詰まりしない程度となるように適切に設定されている。
すなわち、本実施形態の電池モジュール29における各放熱部材30の弾性部材33の弾性力は、各二次電池12に付与される一方向Xの所定の圧力範囲が、セパレータ17が正極板15及び負極板16に対して密着しつつセパレータ17が潰れて目詰まりしない程度となるように適切に設定されている。したがって、各二次電池12の厚さが変化しても各二次電池12の性能が維持される。
以上詳述した第2実施形態によれば、上記(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−5)、及び(1−6)に記載の効果に加えて次のような効果が発揮される。
(2−1)電池モジュール29において、各放熱部材30の弾性部材33は、矩形板状のばね鋼を波形に湾曲させることによって形成されている。このため、各放熱部材30の弾性部材33の第1放熱板31及び第2放熱板32に対するそれぞれの接触面積を上記第1実施形態の場合よりも多く稼ぐことができるので、放熱部材30の放熱効果を、上記第1実施形態の放熱部材13の放熱効果よりも高めることができる。また、各放熱部材30の弾性部材33は、湾曲度合いを変更することで、弾性力を容易に変化させることができる。
(変更例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図10に示すように、第1実施形態において、各放熱部材13の弾性部材22に複数の矩形状の開口部40を形成してもよい。このようにすれば、流路25を流れる空気が一方向Xに振れながら流れるので、各放熱部材13の放熱効率を向上できる。また、弾性部材22に形成する開口部40の大きさや数を適宜変更することで、弾性部材22の弾性力
を調整することができる。
・図11に示すように、第1実施形態において、各放熱部材13の第1放熱板20の複数の第1凸部23及び第2放熱板21の複数の第2凸部24を例えば円柱状にしてもよい。この場合、複数の第1凸部23及び複数の第2凸部24は、互いの位置が一方向Xで対応しないように、第1放熱板20及び第2放熱板21に対してそれぞれ配置されている。
・第1実施形態において、第1放熱板20と第2放熱板21とは必ずしも同一形状である必要はない。
・第2実施形態において、第1放熱板31と第2放熱板32とは必ずしも同一形状である必要はない。
・第1実施形態において、各放熱部材13の第1放熱板20と第2放熱板21との間には、必ずしも流路25を形成する必要はない。
・第2実施形態において、各放熱部材30の第1放熱板31と第2放熱板32との間には、必ずしも流路34を形成する必要はない。
・第1実施形態において、第1凸部23及び第2凸部24は、放熱部材13の短手方向に断続的に延びていてもよい。
・各二次電池12のセパレータ17の空隙率は、必ずしも60パーセント以上である必要はない。また、セパレータ17は、必ずしも不織布製である必要はない。
・放熱部材13,30は、複数並ぶ二次電池12に対して2つ置き、あるいは3つ置きに配置してもよい。
・冷却用の流体は、空気以外の気体であってもよいし、水などの液体であってもよいし、気体と液体の混合物であってもよい。冷却用の流体として液体を用いる場合には、例えばフッ素系不活性液体であるフロリナート(登録商標)などの電気絶縁性を有する液体を採用することが好ましい。
11,29…電池モジュール、12…二次電池、13,30…放熱部材、15…正極板、16…負極板、17…セパレータ、18…電極積層体、19…外装部材、20,31…第1放熱板、21,32…第2放熱板、22,33…弾性部材、23…第1凸部、24…第2凸部、25,34…流路。

Claims (5)

  1. 正極板と負極板とがセパレータを介して交互に複数積層されてなる電極積層体及び電解液が可撓性を有した外装部材によって包み込まれてなり、一方向に積層するように並んで配置された複数の二次電池と、
    隣り合う前記二次電池同士の間に配置された放熱部材と、
    を備えた電池モジュールであって、
    前記放熱部材は、
    隣り合う前記二次電池同士のうちの一方に接触するように配置された第1放熱板と、
    隣り合う前記二次電池同士のうちの他方に接触するように配置された第2放熱板と、
    前記第1放熱板と前記第2放熱板との間に前記第1放熱板及び前記第2放熱板のそれぞれと接触するように配置された弾性部材と、
    を備えることを特徴とする電池モジュール。
  2. 前記第1放熱板と前記第2放熱板との間には、冷却用の流体が流れる流路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
  3. 前記セパレータの空隙率は、60パーセント以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
  4. 前記第1放熱板における前記弾性部材側の面には、前記弾性部材側に向かって突出する複数の第1凸部が設けられ、
    前記第2放熱板における前記弾性部材側の面には、前記弾性部材側に向かって突出する複数の第2凸部が設けられ、
    前記弾性部材は、平板状をなしており、
    複数の前記第1凸部の位置と複数の前記第2凸部の位置とは、ずれていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の電池モジュール。
  5. 前記第1放熱板と前記第2放熱板とは、同一形状であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電池モジュール。
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