以下に、本発明の実施の形態にかかるスケジュール生成システムおよびスケジュール生成方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるスケジュール生成システムの構成例を示す図である。図1に示すスケジュール生成システム1は、建造物に対する作業のスケジュールである作業スケジュールを生成する。作業の対象になる建造物は、例えば、トンネル、橋梁、または建物などである。また、対象になる作業は、例えば、建造物の点検、または建造物の修繕などの作業であり、建造物の維持管理のために行われる作業である。以下、対象になる作業を対象作業と記載し、作業の対象になる建造物を対象建造物と記載する場合がある。
スケジュール生成システム1は、例えば、建造物の保守管理の責任を負う公的機関または民間企業などからの作業の委託があった場合に、委託された作業を対象作業とし、対象作業に対する作業スケジュールを生成する。作業スケジュールには、作業期間を示す情報と、作業期間における人員配置を示す情報とが含まれる。
図1に示すように、スケジュール生成システム1は、対象情報記憶部11と、属性情報記憶部12と、履歴情報記憶部13と、第1情報取得部21と、第2情報取得部22と、作業レベル判定部23と、スケジュール決定部24とを備える。
対象情報記憶部11は、対象建造物の識別情報を含む作業情報と作業の納期を示す納期情報とを含む対象情報を記憶する。属性情報記憶部12は、建造物の識別情報と建造物の属性を示す属性情報とを建造物毎に互いに関連付けて記憶する。建造物の属性は、例えば、建造物の建造工法、建造物を構成する構成部材の種類、建造物を構成する構成部材の材料、および建造物の築年数などである。建造物の築年数は、建造物が建造されてからの経過年数である。
履歴情報記憶部13は、建造物の識別情報と建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報とを建造物毎に互いに関連付けて記憶する。建造物に対する過去の作業履歴は、例えば、作業方法および作業結果などを含む。作業結果は、作業が点検作業である場合、建造物に生じている変状または建造物の健全度などである。
第1情報取得部21は、対象情報記憶部11から対象情報を取得する。第2情報取得部22は、第1情報取得部21で取得された作業情報に含まれる対象建造物の識別情報に基づいて、対象建造物の属性を示す属性情報を属性情報記憶部12から取得し、対象建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報を履歴情報記憶部13から取得する。
作業レベル判定部23は、第2情報取得部22によって取得された属性情報および作業履歴情報に基づいて、対象作業に必要な技術のレベルを示す作業レベルを判定する。作業レベルは、例えば、対象建造物の構成に対応する技術レベル、対象建造物の築年数に対応する技術レベル、または対象作業で用いられる作業方法に対応する技術レベルなどである。対象建造物の構成に対応する技術レベルは、対象建造物の建造工法および構成部材などに応じて対象作業で必要となる技術のレベルである。また、対象建造物の築年数に対応する技術レベルは、対象建造物の築年数に応じて対象作業で必要となる技術のレベルであり、対象建造物の築年数が長いほど高くなる。また、作業方法に対応する技術レベルは、対象作業で用いられる作業方法で作業するのに必要な技術レベルである。以下においては、対象建造物の築年数によって対象作業に必要となる技術のレベルが変わるものとして説明する。
作業レベル判定部23は、対象建造物の構成、対象建造物の築年数、または対象作業の作業方法などを対象項目とし、対象項目毎に作業レベルを判定する。作業レベル判定部23は、属性情報から対象建造物の構成を特定し、特定した対象建造物の構成に対応する作業レベルを判定する。また、作業レベル判定部23は、属性情報から対象建造物の築年数を特定し、特定した築年数に対応する作業レベルを判定する。また、作業レベル判定部23は、作業履歴情報から対象作業の作業方法を特定し、特定した作業方法に対する作業レベルを判定する。また、作業レベル判定部23は、複数の対象項目をグループ化し、グループ単位で作業レベルを判定することができる。例えば、作業レベル判定部23は、対象建造物の構成および対象建造物の築年数をグループ化し、グループの作業レベルを判定することができる。
スケジュール決定部24は、作業レベル判定部23によって判定された作業レベルと第1情報取得部21で取得された対象情報に含まれる納期情報とに基づいて、対象作業に作業員を割り当てた作業スケジュールを決定する。スケジュール決定部24は、作業レベル判定部23によって判定された作業レベルに対応できる作業員を作業スケジュールに割り当てる。例えば、スケジュール決定部24は、作業レベル判定部23によって判定された作業レベルと作業員のレベルを示す作業員レベルとを比較し、作業レベル以上の作業員レベルを有する作業員を作業スケジュールに割り当てる。作業スケジュールには、例えば、各作業員が作業を行う日時を示す情報と、作業期間を示す情報とが含まれる。
このように、スケジュール生成システム1は、属性情報および作業履歴情報に基づいて作業レベルを判定し、判定した作業レベルに基づいて、作業スケジュールを生成する。そのため、スケジュール生成システム1は、対象建造物に対する作業スケジュールを容易に生成することができる。なお、スケジュール生成システム1は、属性情報のみに基づいて、作業レベルを判定し、判定した作業レベルに基づいて、作業スケジュールを生成することもできる。この場合においても、対象建造物に対する作業スケジュールを容易に生成することができる。以下、スケジュール生成システム1の構成および機能を具体的に説明する。
図2は、図1に示すスケジュール生成システムをさらに詳細化したスケジュール生成システムの構成例を示す図である。対象情報記憶部11は、上述したように、作業情報と納期情報とを含む対象情報を記憶する。作業情報は、対象建造物の識別情報と、対象作業の内容を示す情報と、対象作業を行う作業員の要件を示す作業員要件情報を含む。対象作業の内容は、例えば、対象建造物に対する点検作業または修繕作業などである。作業員要件情報には、必要スキルおよび必要資格を示す情報が含まれる。必要スキルは、作業員に要求されるスキルである。必要資格は、作業員に要求される資格である。
図3は、実施の形態1にかかる対象情報記憶部に記憶される対象情報テーブルの一例を示す図である。図3に示す対象情報テーブルは、「対象ID(identifier)」、「建造物ID」、「対象作業内容」、「作業員要件」、および「納期」を対象作業毎に含む。「対象ID」は、対象作業の識別情報である。「建造物ID」は、対象建造物の識別情報である。「対象作業内容」は、対象作業の内容を示す情報である。「作業員要件」は、必要スキルおよび必要資格の情報である。「納期」は、対象作業の納期である。
図3に示す例では、例えば、「対象ID」が「T1」である対象作業は、「建造物ID」が「B02」、「対象作業内容」が「点検作業」、「作業員要件」が「スキルA1、資格C1」、「納期」が「2020/10/1」である。
属性情報記憶部12は、上述したように、建造物の識別情報と建造物の属性情報とを記憶する。図4は、実施の形態1にかかる属性情報記憶部に記憶される属性情報テーブルの一例を示す図である。図4に示す属性情報テーブルは、「建造物ID」および「属性」を建造物毎に含む。
「建造物ID」は、建造物の識別情報である。「属性」は、建造物の属性情報である。図3に示す例では、「属性」は、「種類」、「工法」、「構成部材」、「所在地」、および「築年数」である。「種類」は、建造物の種類を示す情報である。「工法」は、建造物を建造するために用いた工法である建造工法を示す情報であり、「構成部材」は、建造物を構成する部材である構成部材および構成部材の材料などを示す情報である。「所在地」は、建造物の地理的位置を示す情報である。「築年数」は、建造物の築年数を示す情報である。
図4に示す例では、例えば、「建造物ID」が「B01」の建造物は、「種類」が「トンネル」、「工法」が「工法W1」、「構成部材」が「構成部材U1、材料Q1、・・・」、「所在地」が「地理的位置P1」、「築年数」が「34年」である。
履歴情報記憶部13は、上述したように、建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報と建造物の属性情報とを記憶する。図5は、実施の形態1にかかる履歴情報記憶部に記憶される作業履歴情報テーブルの一例を示す図である。図5に示す作業履歴情報テーブルは、「建造物ID」および「作業履歴」を過去の作業毎に含む。「建造物ID」は、建造物の識別情報である。「作業履歴」は、建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報である。図5に示す例では、「作業履歴」は、「作業方法」、「作業結果」、「人員要件」、および「作業スケジュール」を含む。
「作業方法」は、建造物に対して過去に行われた作業の方法を示す情報である。「作業結果」は、建造物に対して過去に行われた作業の結果を示す情報である。例えば、過去に行われた作業が点検作業の場合、「作業結果」は、点検作業で発見された変状、または点検作業で判定された建造物の健全度である。また、過去に行われた作業が修繕作業の場合、「作業結果」は、修繕作業で修繕された変状、または修繕作業によって改善された建造物の健全度である。建造物がトンネルの場合、変状は、例えば、ひび、剥離、または漏水である。また、建造物の健全度は、例えば、3段階または4段階で示される。
「人員要件」は、必要スキルおよび必要資格を示す情報である。必要スキルは、過去の作業で必要とされた作業員のスキルであり、必要資格は、過去の作業で必要とされた作業員の資格である。「作業スケジュール」は、過去に行った作業についての作業スケジュールの情報であり、作業した期間である作業期間を示す情報と、作業期間における人員配置を示す情報とを含む。人員配置は、過去の作業に割り当てられた各作業員が作業を行った日時を示す情報を含む。
図5に示す作業履歴情報テーブルでは、「建造物ID」が「B01」である建造物の作業履歴、および「建造物ID」が「B02」である建造物の作業履歴などが含まれる。図5に示す例では、「建造物ID」が「B01」である建造物に対して、「作業方法」が「トンネルの点検方法D1」、「作業結果」が「変状F1、健全度G1」、「人員要件」が「スキルX3」、「作業スケジュール」が「作業期間H1、人員配置J1」である作業履歴が含まれる。
作業員情報記憶部14は、複数の作業員の各々の実施可能な作業に関する情報を含む作業員情報を記憶する。作業員情報には、例えば、作業員の作業に対する能力および資格に関する情報である作業員保有情報、作業員の空き日時を示す情報である空き情報、および作業員が割り当てられた作業に関する情報などが含まれる。
図6は、実施の形態1にかかる作業員情報記憶部に記憶される作業員情報テーブルの一例を示す図である。図6に示す作業員情報テーブルは、「作業員ID」、「経験値」、「保有スキル」、「保有資格」、「空き日時」、および「割り当て作業」を作業員毎に含む。「作業員ID」は、作業員の識別情報である。「経験値」は、作業種類毎の作業員の経験値を示す情報である。経験値は、作業員が作業を経験した日数である。経験値は、例えば、作業員が経験した建造物の構成毎の経験値、作業員が作業した建造物の築年数毎の経験値、作業員が経験した作業方法毎の経験値、作業員が修繕した変状毎の経験値、または作業員が作業した建造物の健全度毎の経験値などを含む。
「保有スキル」は、作業員が有しているスキルの種類を示す情報である。「保有資格」は、作業員が有している資格の種類を示す情報である。「空き日時」は、作業員が対象作業に割り当てられていない日時を示す情報である空き情報である。「割り当て作業」は、作業員に割り当てた作業を示す情報である。
図6に示す例では、「作業員ID」が「K01」である作業員は、「経験値」が「トンネルの点検方法D1」では「210」であり、「橋梁の点検方法D2」では「190」である。また、「作業員ID」が「K01」である作業員は、「保有スキル」が「スキルX1」であり、「保有資格」が「資格Y1」である。なお、「資格」は、例えば、公的な機関から与えられる資格であっても、民間の機関から与えられる資格であってもよい。
図2に戻って、スケジュール生成システム1の説明を続ける。第1情報取得部21は、対象情報記憶部11に記憶された対象情報のうち作業スケジュールの生成対象として不図示の入力部への入力によって指定された対象情報を対象情報記憶部11から取得する。なお、第1情報取得部21は、対象情報記憶部11に記憶された対象情報のうち作業スケジュールが生成されていない対象情報を順次対象情報記憶部11から取得することもできる。
第2情報取得部22は、第1情報取得部21で取得された対象情報に含まれる作業情報に基づいて、対象建造物の属性情報を属性情報記憶部12から取得し、対象建造物の作業履歴情報を履歴情報記憶部13から取得する。
ここで、対象情報記憶部11に図3に示す情報が記憶され、属性情報記憶部12に図4に示す情報が記憶され、履歴情報記憶部13に図5に示す情報が記憶されているとする。また、第1情報取得部21で取得された対象情報に建造物IDとして「B01」の情報が含まれ、且つ対象情報の作業情報に対象作業として「点検作業」が含まれているとする。
この場合、第2情報取得部22は、建造物IDが「B01」である建造物が対象建造物であると判定する。そして、第2情報取得部22は、建造物ID「B01」に基づいて、「種類」が「トンネル」であり、「工法」が「工法W1」、「構成部材」が「構成部材U1、材料Q1、・・・」、「所在地」が「地理的位置P1」、「築年数」が「34年」であることを示す属性情報を属性情報記憶部12から取得する。また、第2情報取得部22は、建造物ID「B01」および対象作業「点検作業」に基づいて、「作業方法」が「トンネルの点検方法D1」、「作業結果」が「変状F1、健全度G1」、「人員要件」が「スキルX3」、「作業スケジュール」が「作業期間H1、人員配置J1」である作業履歴情報を履歴情報記憶部13から取得する。
作業レベル判定部23は、第2情報取得部22によって取得された対象建造物の属性情報と対象建造物の作業履歴情報とに基づいて、対象作業に必要な技術のレベルである作業レベルを判定する。作業レベルは、例えば、数値、パラメータを有する数式、行列などで表現される数値の組み合わせ、または数値と数式のパラメータの組み合わせなどで表される。
作業レベル判定部23は、対象建造物の構成、対象建造物の築年数、対象作業の作業方法、および対象建造物の作業結果を各々対象項目とし、各対象項目に対する作業レベルを判定する。例えば、作業レベル判定部23は、建造物の建造工法、建造物を構成する構成部材の種類、および建造物を構成する構成部材の材料などをパラメータとする計算式を建造物の種類毎に有する。作業レベル判定部23は、対象建造物の建造工法、建造物を構成する構成部材の種類、および建造物を構成する構成部材の材料などを属性情報から特定する。作業レベル判定部23は、対象建造物の種類に対応する計算式に、対象建造物の建造工法、建造物を構成する構成部材の種類、および建造物を構成する構成部材の材料の各々を示す情報を代入することで、対象建造物の構成に対する作業レベルを判定する。
また、作業レベル判定部23は、例えば、対象建造物の築年数と作業レベルとを関連付けた作業レベルテーブルを建造物の種類毎に有する。作業レベル判定部23は、対象建造物の築年数を対象建造物の属性情報に基づいて特定する。作業レベル判定部23は、特定した築年数に関連付けられた作業レベルを、対象建造物の種類に対応する作業レベルテーブルから取得し、取得した作業レベルを対象建造物の築年数に対する作業レベルとして判定する。
また、作業レベル判定部23は、例えば、建造物の作業方法と作業レベルとを関連付けた作業レベルテーブルを有する。作業レベル判定部23は、対象作業の作業方法を対象建造物の作業履歴情報から特定する。作業レベル判定部23は、特定した作業方法に関連付けられた作業レベルを作業レベルテーブルから取得し、取得した作業レベルを特定作業の作業方法に対する作業レベルとして判定する。
また、作業レベル判定部23は、例えば、対象建造物の作業結果をパラメータとする計算式を建造物の種類毎に有する。作業レベル判定部23は、対象建造物の種類を対象建造物の属性情報から特定する。作業レベル判定部23は、特定した対象建造物の種類に対応する計算式に、例えば、対象建造物の変状および健全度の各々の情報を代入することで、作業結果に対する作業レベルを判定することができる。
作業レベル判定部23は、複数の対象項目をグループ化し、グループ単位で作業レベルを判定することもできる。例えば、作業レベル判定部23は、対象建造物の構成、対象建造物の築年数、対象作業の作業方法、および対象建造物の作業結果のうち2以上をグループ化することができる。例えば、作業レベル判定部23は、対象建造物の構成、対象建造物の築年数、および対象作業の作業方法を一つのグループとすることができる。
例えば、作業レベル判定部23は、建造物の建造工法、建造物を構成する構成部材の種類、建造物を構成する構成部材の材料、建造物の築年数、および作業方法などをパラメータとする計算式を建造物の種類毎に有する。作業レベル判定部23は、対象建造物の属性情報および作業履歴情報から、対象建造物の建造工法、対象建造物を構成する構成部材の種類、対象建造物を構成する構成部材の材料、対象建造物の築年数、および対象作業の作業方法の各々を示す情報を取得する。作業レベル判定部23は、取得した情報を、対象建造物の種類に対応する計算式に代入することで、グループに対する作業レベルを判定することができる。
また、作業レベル判定部23による作業レベルの判定方法は上述した例に限定されない。例えば、作業レベル判定部23は、テーブルに代えて計算式を用いて、対象建造物の築年数および作業方法の各々に対応する作業レベルを判定することもできる。また、作業レベル判定部23は、計算式に代えてテーブルを用いて、対象作業の作業方法および対象建造物の作業結果の各々に対応する作業レベルを判定することもできる。
このように、作業レベル判定部23は、各対象項目またはグループに対する作業レベルを、対象建造物の属性情報および作業履歴情報に基づいて判定する。なお、作業レベルの判定に用いられる属性情報および作業履歴情報は、上述した属性情報および作業履歴情報に限定されない。
スケジュール決定部24は、作業レベル判定部23によって判定された作業レベルと、第1情報取得部21で取得された対象情報に含まれる納期情報と、作業員情報記憶部14に記憶された作業員情報とに基づいて、作業スケジュールを決定する。スケジュール決定部24は、決定した作業スケジュールを示す作業スケジュール情報を不図示の出力部を介して出力する。
スケジュール決定部24は、複数の作業員の中から作業員候補を抽出する作業員候補抽出部30と、作業員候補の中から対象作業を行う作業員を決定し、決定した作業員を対象作業に割り当てた作業スケジュールを決定する決定処理部40とを備える。
作業員候補抽出部30は、作業員毎の作業員レベルを判定する作業員レベル判定部31と、作業員レベル判定部31によって判定された作業員レベルに基づいて、作業員候補の抽出を行う抽出処理部32とを備える。
作業員レベル判定部31は、作業員情報記憶部14に記憶された各作業員の作業員情報を取得し、取得した作業員情報に基づいて、各作業員の作業員レベルを判定する。作業員レベルは、作業レベルと同様に、数値、パラメータを有する数式、行列などで表現される数値の組み合わせ、または数値と数式のパラメータの組み合わせなどで表される。
作業員レベル判定部31は、建造物の構成、建造物の築年数、作業方法、建造物の変状、および建造物の健全度を各々対象項目とし、各対象項目に対する作業員レベルを判定する。各対象項目に対する作業員レベルは、例えば、建造物の種類毎に判定される。
また、作業員レベル判定部31は、建造物の建造工法、建造物を構成する構成部材の種類、および建造物を構成する構成部材の材料に対する経験値、保有スキル、および保有資格などをパラメータとするテーブルを対象建造物の種類毎に有する。作業レベル判定部23は、作業員情報から建造物の構成に対する経験値、保有スキル、および保有資格などを抽出し、建造物の種類毎の計算式に抽出した経験値などを代入することで、建造物の構造に対する作業員レベルを判定する。
また、作業員レベル判定部31は、築年数に対する経験値などをパラメータとする計算式を建造物の種類毎に有する。ここでの築年数は、例えば、5年以内、6年から10年、11年から15年といった5年単位であるが、6年以上の単位であってもよく、5年未満の単位であってもよい。作業員レベル判定部31は、作業員情報から築年数に対する経験値などを抽出し、建造物の種類毎の計算式に抽出した経験値などを代入することで、建造物の築年数に対する作業員レベルを判定する。
作業員レベル判定部31は、作業方法に対する経験値、保有スキル、および保有資格などをパラメータとする計算式を作業方法毎に有する。作業員レベル判定部31は、作業員情報から作業方法に対する経験値、保有スキル、および保有資格などを抽出し、作業方法毎の計算式に抽出した経験値、保有スキル、および保有資格などを代入することで、作業方法に対する作業員レベルを判定する。
また、作業員レベル判定部31は、建造物の変状または健全度に対する経験値、保有スキル、および保有資格などをパラメータとする計算式を建造物の種類毎に有する。作業員レベル判定部31は、作業員情報から建造物の変状または健全度に対する経験値、保有スキル、および保有資格などを抽出する。作業員レベル判定部31は、建造物の種類毎の計算式に抽出した経験値、保有スキル、および保有資格などを代入することで、建造物の変状または健全度に対する作業員レベルを判定する。
また、作業員レベル判定部31は、複数の対象項目をグループ化し、グループ単位で作業員レベルを判定することもできる。例えば、作業員レベル判定部31は、対象作業の作業方法および対象建造物の築年数をグループ化し、グループの作業員レベルを判定する。この場合、作業員レベル判定部31は、例えば、対象作業の作業方法に対する経験値、保有スキル、および保有資格および対象建造物の築年数に対する経験値などをパラメータとする計算式を用いてグループの作業員レベルを判定する。
作業員レベル判定部31は、建造物の構成、建造物の築年数、作業方法、建造物の変状、建造物の健全度などの各対象項目に対する作業員レベルまたは各グループに対する作業員レベルを建造物の種類毎に事前に判定する。抽出処理部32は、作業情報に基づいて、作業員レベル判定部31によって判定された作業員毎の複数の作業員レベルの中から、対象作業に対応する作業員レベルを取得する。対象作業に対応する作業員レベルは、対象建造物に対する対象作業に必要な技術のレベルである。なお、作業員レベル判定部31は、第1情報取得部21によって取得される作業情報に基づいて、対象作業に対応する作業員レベルのみを作業員毎に判定することもできる。
抽出処理部32は、作業員レベル判定部31から作業員毎の対象作業に対応する作業員レベルを取得する。抽出処理部32は、対象作業に対応する作業員レベル、作業員保有情報、作業レベル、および作業員要件情報に基づいて、複数の作業員の中から対象作業に割り当てる作業員の候補である作業員候補を抽出する。具体的には、抽出処理部32は、各作業員の作業員レベル、保有スキル、および保有資格を各々示す情報を含む比較用作業員情報と、作業レベル、必要スキル、および必要資格を各々示す情報を含む比較用作業情報を比較する。抽出処理部32は、比較用作業員情報と比較用作業情報との比較結果に基づいて、作業員候補を抽出する。
例えば、必要スキルおよび必要資格が作業員要件情報に含まれていないとする。この場合、抽出処理部32は、作業員レベルと作業レベルとを対象項目毎またはグループ毎に比較する比較処理を作業員毎に行う。そして、抽出処理部32は、全対象項目または全グループについて作業員レベルが作業レベル以上の作業員レベルを有する作業員を作業員候補として決定する。また、抽出処理部32は、複数の対象項目の一部または複数のグループの一部について作業員レベルが作業レベル以上の作業員レベルを有する作業員を作業員候補として決定することもできる。
また、必要スキルを示す情報が作業員要件情報に含まれているとする。この場合、抽出処理部32は、作業員保有情報から必要スキルと一致する保有スキルを有する複数の作業員を抽出する。抽出処理部32は、抽出した複数の作業員について上述した比較処理を行い、同様の処理によって、作業員候補を決定する。
また、必要資格を示す情報が作業員要件情報に含まれているとする。この場合、抽出処理部32は、作業員保有情報から必要資格と一致する保有資格を有する複数の作業員を抽出する。抽出処理部32は、抽出した複数の作業員について上述した比較処理を行い、同様の処理によって、作業員候補を決定する。
また、抽出処理部32は、例えば、全対象項目または全グループについて作業員レベルの平均値が作業レベル以上になる複数の作業員を含む作業員のグループを作業員候補として抽出することもできる。
決定処理部40は、抽出された複数の作業員候補と、納期情報と、複数の作業員候補の空き情報と、過去の作業スケジュールとに基づいて、複数の作業員候補の中から対象作業を行う1以上の作業員候補を決定する。決定処理部40は、決定した1以上の作業員候補を対象作業の作業員として割り当てた作業スケジュールを決定する。作業スケジュールには、例えば、対象作業の作業期間を示す情報と、対象作業の作業員として割り当てられた各作業員の作業日時を示す情報とが含まれる。
決定処理部40は、過去の作業スケジュールに基づいて、対象建造物に対する作業に必要な人員配置および作業期間を判定する。また、決定処理部40は、例えば、各作業員の空き情報に基づいて、過去の作業スケジュールによって判定した作業期間内になるように、各作業員の作業日時を決定する。決定処理部40は、作業をどの時期に行うかを各作業員の空き情報に基づいて決定する。
図7は、実施の形態1にかかるスケジュール生成システムによる処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理は、スケジュール生成システム1によって繰り返し実行される。
図7に示すように、スケジュール生成システム1の第1情報取得部21は、スケジュール生成タイミングになったか否かを判定する(ステップS10)。例えば、第1情報取得部21は、不図示の入力部への入力によって対象情報の指定があった場合に、スケジュール生成タイミングになったと判定する。
第1情報取得部21は、スケジュール生成タイミングになったと判定した場合(ステップS10:Yes)、スケジュール生成対象になる対象情報を対象情報記憶部11から取得する(ステップS11)。次に、スケジュール生成システム1の第2情報取得部22は、対象情報で特定される建造物である対象建造物の属性情報を属性情報記憶部12から取得し、対象建造物の作業履歴情報を履歴情報記憶部13から取得する(ステップS12)。スケジュール生成システム1の作業レベル判定部23は、ステップS12で取得された属性情報と作業履歴情報とに基づいて、作業レベルを判定する(ステップS13)。
スケジュール生成システム1のスケジュール決定部24は、ステップS13で判定された作業レベルに基づいて作業スケジュールを決定する作業スケジュール決定処理を行う(ステップS14)。ステップS14における作業スケジュール決定処理は、図8に示すステップS20からS24の処理である。スケジュール生成システム1は、ステップS14の処理を終了した場合、またはスケジュール生成タイミングになっていないと判定した場合(ステップS10:No)、図7に示す処理を終了する。
図8は、実施の形態1にかかる作業スケジュール決定処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、スケジュール決定部24は、作業員情報記憶部14から作業員情報を取得し、各作業員の作業員レベルを判定する(ステップS20)。スケジュール決定部24は、作業員の作業員レベル、保有スキル、および保有資格を含む情報を比較用作業員情報として作業員情報記憶部14から取得し(ステップS21)、作業レベル、必要スキル、および必要資格を含む情報を比較用作業情報として第2情報取得部22から取得する(ステップS22)。
次に、スケジュール決定部24は、比較用作業員情報と比較用作業情報とを比較し、比較した結果に基づいて、作業員候補を抽出する(ステップS23)。スケジュール決定部24は、作業員候補の情報、納期情報、作業員の空き情報、および過去の作業スケジュールなどに基づいて、作業スケジュールを決定し(ステップS24)、図8に示す処理を終了する。
図9は、実施の形態1にかかるスケジュール生成システムのハードウェア構成の一例を示す図である。図9に示すように、スケジュール生成システム1は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信装置103と、入出力回路104とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ101、メモリ102、通信装置103、および入出力回路104は、例えば、バス105によって互いにデータの送受信が可能である。対象情報記憶部11、属性情報記憶部12、履歴情報記憶部13、および作業員情報記憶部14は、メモリ102によって実現される。上述した不図示の出力部は、例えば、通信装置103によって実現される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、第1情報取得部21、第2情報取得部22、作業レベル判定部23、およびスケジュール決定部24の機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processer)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、スケジュール生成システム1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
スケジュール生成システム1は、クライアント装置で構成されてもよく、サーバ装置で構成されてもよく、クライアント装置とサーバ装置とで構成されてもよい。スケジュール生成システム1が2以上の装置で構成される場合、2以上の装置の各々は、例えば、図9に示すハードウェア構成を有する。なお、2以上の装置間の通信は、通信装置103を介して行われる。また、スケジュール生成システム1は、2以上のサーバ装置で構成されてもよい。例えば、スケジュール生成システム1は、処理サーバと、データサーバとで構成されてもよい。この場合、処理サーバは、例えば、第1情報取得部21、第2情報取得部22、作業レベル判定部23、およびスケジュール決定部24を有する。また、データサーバは、対象情報記憶部11、属性情報記憶部12、履歴情報記憶部13、および作業員情報記憶部14を有する。
以上のように、実施の形態1にかかるスケジュール生成システム1は、対象情報記憶部11と、属性情報記憶部12と、第1情報取得部21と、第2情報取得部22と、作業レベル判定部23と、スケジュール決定部24とを備える。対象情報記憶部11は、作業の対象である建造物の識別情報を含む作業情報と対象作業の納期を示す納期情報とを含む対象情報とを記憶する。属性情報記憶部12は、建造物の識別情報と建造物の属性を示す属性情報とを建造物毎に互いに関連付けて記憶する。第1情報取得部21は、対象情報記憶部11から対象情報を取得する。第2情報取得部22は、第1情報取得部21によって取得された対象情報に含まれる作業情報に基づいて、対象建造物の属性を示す属性情報を属性情報記憶部12から取得する。作業レベル判定部23は、第2情報取得部22によって取得された属性情報に基づいて、対象作業に必要な技術のレベルである作業レベルを判定する。スケジュール決定部24は、作業レベル判定部23によって判定された作業レベルと第1情報取得部21で取得された対象情報に含まれる納期情報とに基づいて、対象作業に作業員を割り当てた作業スケジュールを決定する。このように、スケジュール生成システム1は、属性情報に基づいて作業レベルを判定し、判定した作業レベルに基づいて、作業スケジュールを生成することから、対象建造物に対する作業スケジュールを容易に生成することができる。
また、スケジュール生成システム1は、建造物の識別情報と建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報とを建造物毎に互いに関連付けて記憶する履歴情報記憶部13を備える。第2情報取得部22は、第1情報取得部21によって取得された対象情報に含まれる作業情報に基づいて、対象建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報を履歴情報記憶部13から取得する。作業レベル判定部23は、第2情報取得部22によって取得された属性情報および作業履歴情報とに基づいて、作業レベルを判定する。このように、スケジュール生成システム1は、属性情報および作業履歴情報に基づいて作業レベルを判定し、判定した作業レベルに基づいて、作業スケジュールを生成することから、対象建造物に対する作業スケジュールを容易に生成することができる。
また、スケジュール生成システム1は、複数の作業員の各々の実施可能な作業に関する情報を含む作業員情報を記憶する作業員情報記憶部14を備える。スケジュール決定部24は、作業員レベル判定部31と、抽出処理部32とを備える。作業員レベル判定部31は、作業員情報記憶部14に記憶された作業員情報に基づいて、複数の作業員の各々の対象作業に対するレベルを示す作業員レベルを判定する。抽出処理部32は、作業レベル判定部23によって判定された作業レベルと作業員レベル判定部31によって判定された作業員レベルとに基づいて、複数の作業員の中から対象作業に割り当てる作業員の候補である作業員候補を抽出する。これにより、スケジュール生成システム1は、対象作業に対する作業員候補をより適切に抽出することができる。
また、作業員情報は、作業員の作業に対する経験値を示す情報を含む。作業員レベル判定部31は、作業員の作業に対する経験値に基づいて、作業員レベルを判定する。これにより、スケジュール生成システム1は、対象作業に対する作業員候補をより適切に抽出することができる。
また、作業情報は、作業に必要なスキルおよび資格の情報を含む。作業員情報は、複数の作業員の各々の保有スキルおよび保有資格の情報を含む。作業員候補抽出部30は、作業に必要なスキルおよび資格と、複数の作業員の各々の保有スキルおよび保有資格とを比較した結果に基づいて、作業員候補を抽出する。これにより、スケジュール生成システム1は、対象作業に必要なスキルおよび資格がある場合においても、対象作業に対する作業員候補を適切に抽出することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかるスケジュール生成システムは、複数の作業員の各々の作業レベルの組み合わせパターンを示すパターン情報を用いて、対象作業に割り当てる作業員を決定することができる点で、実施の形態1にかかるスケジュール生成システム1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1のスケジュール生成システム1と異なる点を中心に説明する。
図10は、本発明の実施の形態2にかかるスケジュール生成システムの構成例を示す図である。図10に示すように、実施の形態2にかかるスケジュール生成システム1Aは、対象情報記憶部11、第1情報取得部21、およびスケジュール決定部24に代えて、対象情報記憶部11A、第1情報取得部21A、およびスケジュール決定部24Aを備える点で、スケジュール生成システム1と異なる。
対象情報記憶部11Aは、対象情報記憶部11に記憶される対象情報に含まれる情報に加え、対象作業を行う複数の作業員の各々の作業員レベルの組み合わせパターンを示すパターン情報を記憶する点で、対象情報記憶部11と異なる。組み合わせパターンは、作業員のスケジュールを管理するスケジュール管理者によって設定される。
組み合わせパターンは、例えば、作業員レベルが相対的に高いベテランの作業員と作業員レベルが相対的に低い若手の作業員との割合で規定される。また、組み合わせパターンは、作業員レベルが相対的に高いベテランの作業員と作業員レベルが平均的な作業員と作業員レベルが相対的に低い若手の作業員との割合で規定される。
スケジュール決定部24Aは、抽出処理部32を有する作業員候補抽出部30に代えて、抽出処理部32Aを有する作業員候補抽出部30Aを有する点で、スケジュール決定部24と異なる。第1情報取得部21Aは、対象情報記憶部11Aからパターン情報を取得する。作業員候補抽出部30Aは、第1情報取得部21Aによって取得されたパターン情報と、比較用作業員情報と、比較用作業情報とに基づいて、複数の作業員候補を抽出する。
例えば、作業員候補抽出部30Aは、作業員レベルの組み合わせがパターン情報で示される組み合わせパターンに合致する複数の作業員を各々作業員候補として抽出する。具体的には、作業員候補抽出部30Aは、比較用作業員情報と比較用作業情報とに基づき、作業員毎に作業レベルと作業員レベルとを比較する。作業員候補抽出部30Aは、パターン情報で示される組み合わせパターンの作業員レベルの組み合わせになり且つ平均した作業員レベルが作業レベル以上になる複数の作業員を作業員候補に決定する。
例えば、作業レベルが「7」であり、対象作業に要する作業員が4名であるとする。また、組み合わせパターンにおいて、作業員レベルが相対的に高いベテランの作業員と作業員レベルが相対的に低い若手の作業員との割合が1対1であるとする。この場合、4名の作業員レベルの平均値が「7」よりも高く、2名の作業員レベルが「7」より低く、2名の作業員レベルが「7」より高い4名の作業員を作業員候補に決定する。
決定処理部40は、作業員候補抽出部30Aによって抽出された作業員候補を対象作業に割り当てた作業スケジュールを決定する。なお、決定処理部40は、作業員候補抽出部30Aによる上述した処理を作業員候補抽出部30Aに代わって行うこともできる。この場合、決定処理部40は、作業員候補抽出部30Aによって抽出された複数の作業員候補から作業員レベルの組み合わせがパターン情報で示される組み合わせパターンに合致する複数の作業員候補を抽出し、抽出した作業員候補を対象作業に割り当てた作業スケジュールを決定する。
図11は、実施の形態2にかかるスケジュール生成システムによる作業スケジュール決定の一例を示すフローチャートである。図11に示すステップS30からS32,S35の処理は、図8に示すステップS20からS22,S24の処理と同じであるため、説明を省略する。
スケジュール生成システム1Aの第1情報取得部21Aは、対象情報記憶部11Aからパターン情報を取得する(ステップS33)。そして、抽出処理部32Aは、比較用作業員情報と比較用作業情報とを比較し、比較した結果と第1情報取得部21Aによって取得されたパターン情報とに基づいて、作業員候補を抽出する(ステップS34)。ステップS34において、抽出処理部32Aは、例えば、パターン情報で示される組み合わせパターンの作業員レベルの組み合わせになり且つ平均した作業員レベルが作業レベル以上になる複数の作業員を作業員候補に決定する。
図10に示すスケジュール生成システム1Aのハードウェア構成は、図9に示すスケジュール生成システム1のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、第1情報取得部21Aおよびスケジュール決定部24Aの機能を実行することができる。また、対象情報記憶部11Aは、メモリ102によって実現される。
以上のように、実施の形態2にかかるスケジュール生成システム1Aは、対象作業に対して複数の作業員を割り当てる場合におけるこれら複数の作業員の各々の作業員レベルの組み合わせパターンを示すパターン情報を記憶する対象情報記憶部11Aを備える。対象情報記憶部11Aは、パターン情報記憶部の一例である。スケジュール決定部24Aは、作業員レベルの組み合わせがパターン情報で示される組み合わせパターンに合致する複数の作業員を対象作業に割り当てる。これにより、スケジュール生成システム1Aは、例えば、ベテラン作業員と若手作業員とを組み合わせた作業スケジュールを生成することができ、作業スケジュールに割り当てられる作業員が高い作業員レベルを有する作業員に偏ってしまうことを抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかるスケジュール生成システムは、履歴情報記憶部に対象建造物の作業履歴情報がない場合に、対象建造物に類似する建造物の作業履歴情報を用いる点で、実施の形態2にかかるスケジュール生成システム1Aと異なる。以下においては、実施の形態2と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2にかかるスケジュール生成システム1Aと異なる点を中心に説明する。
図12は、本発明の実施の形態3にかかるスケジュール生成システムの構成例を示す図である。図12に示すように、実施の形態3にかかるスケジュール生成システム1Bは、第2情報取得部22および作業レベル判定部23に代えて、第2情報取得部22Bおよび作業レベル判定部23Bを備える点で、スケジュール生成システム1Aと異なる。
第2情報取得部22Bは、履歴情報記憶部13に対象建造物の作業履歴情報がない場合、属性情報記憶部12に記憶された属性情報に基づいて、履歴情報記憶部13に対象建造物に類似する建造物の作業履歴情報があるか否かを判定する。
例えば、第2情報取得部22Bは、対象建造物における建造工法、構成部材の種類、および構成部材の材料と、他の建造物における建造工法、構成部材の種類、および構成部材の材料とを比較することによって対象建造物の属性情報と他の建造物の属性情報との類似度を算出する。第2情報取得部22Bは、建造工法の類似度、構成部材の種類の類似度、および構成部材の材料の類似度を各々算出するための計算式またはテーブルを有している。第2情報取得部22Bは、計算式またはテーブルを用いて、建造工法の類似度、構成部材の種類の類似度、および構成部材の材料の類似度の各々を算出する。そして、第2情報取得部22Bは、建造工法の類似度、構成部材の種類の類似度、および構成部材の材料の類似度の各々係数を乗算して得られる値の合計値を、対象建造物の属性情報と他の建造物の属性情報との類似度とすることができる。
そして、第2情報取得部22Bは、対象建造物の属性情報との類似度が最も高い他の建造物の作業履歴情報を対象建造物に類似する建造物の作業履歴情報として履歴情報記憶部13から取得する。
作業レベル判定部23Bは、第2情報取得部22Bによって取得された建造物の属性情報と対象建造物に類似する建造物の作業履歴情報とに基づいて、対象作業に要する作業レベルを判定する。作業レベル判定部23Bによる作業レベルの判定方法は、作業レベル判定部23による作業レベルの判定方法と同じである。
図13は、実施の形態3にかかるスケジュール生成システムによる処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すステップS40からS42,S46の処理は、図7に示すステップS10からS12,S14の処理と同じであるため、説明を省略する。
図13に示すように、スケジュール生成システム1Bの第2情報取得部22Bは、対象建造物の作業履歴情報がないか否かを判定する(ステップS43)。第2情報取得部22Bは、対象建造物の作業履歴情報がないと判定した場合(ステップS43:Yes)、対象建造物に類似する建造物の作業履歴情報を履歴情報記憶部13から取得する(ステップS44)。スケジュール生成システム1Bの作業レベル判定部23Bは、ステップS44の処理が終了した場合、対象建造物の属性情報および対象建造物に類似する建造物の作業履歴情報に基づいて作業レベルを判定する(ステップS45)。
また、第2情報取得部22Bは、ステップS42において対象建造物の作業履歴情報を取得した場合、対象建造物の作業履歴情報があると判定する(ステップS43:No)。この場合、ステップS45において、作業レベル判定部23Bは、ステップS42において取得した対象建造物の作業履歴情報と対象建造物の属性情報とに基づいて作業レベルを判定する。
図12に示すスケジュール生成システム1Bのハードウェア構成は、図9に示すスケジュール生成システム1のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、第1情報取得部21Aおよび第2情報取得部22Bの機能を実行することができる。
なお、スケジュール生成システム1Bは、スケジュール生成システム1において第2情報取得部22および作業レベル判定部23を第2情報取得部22Bおよび作業レベル判定部23Bへ変更した構成であってもよい。
以上のように、実施の形態3にかかるスケジュール生成システム1Bの第2情報取得部22Bは、対象建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報が履歴情報記憶部13にない場合、対象建造物に類似する建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報を履歴情報記憶部13から取得する。作業レベル判定部23Bは、第2情報取得部22Bによって取得された属性情報と対象建造物に類似する建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報とに基づいて、作業レベルを判定する。これにより、スケジュール生成システム1Bは、対象建造物に対する過去の作業履歴を示す作業履歴情報が履歴情報記憶部13にない場合であっても、作業レベルを判定することができる。
実施の形態4.
実施の形態4にかかるスケジュール生成システムは、特定の要素を優先要素とし、優先要素を保有しない作業員を優先して作業スケジュールに割り当て且つ優先要素を保有しない作業員の資格取得計画を策定する点で、実施の形態3にかかるスケジュール生成システム1Bと異なる。以下においては、実施の形態3と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態3にかかるスケジュール生成システム1Bと異なる点を中心に説明する。
図14は、本発明の実施の形態4にかかるスケジュール生成システムの構成例を示す図である。図14に示すように、実施の形態4にかかるスケジュール生成システム1Cは、スケジュール決定部24Aに代えて、スケジュール決定部24Cを備える点で、スケジュール生成システム1Bと異なる。
スケジュール決定部24Cは、作業員候補抽出部30Aに代えて作業員候補抽出部30Cを備える点でスケジュール決定部24Aと異なる。作業員候補抽出部30Cは、作業員レベル判定部31と、抽出処理部32Cと、優先要素抽出部33と、資格取得計画決定部34とを備える。
優先要素抽出部33は、履歴情報記憶部13に記憶された作業履歴情報に基づいて、例えば、必要頻度が相対的に高い作業員の要素を優先要素として判定する。作業員の要素は、例えば、作業員の経験値、スキル、または資格などである。例えば、図6に示すトンネルの点検方法D1を用いた作業の発生頻度が相対的に高い場合、優先要素抽出部33は、点検方法D1の経験値、点検方法D1に対するスキル、または点検方法D1で必要な資格を優先要素として判定する。
資格取得計画決定部34は、優先要素抽出部33によって抽出された優先要素と作業員情報記憶部14に記憶されている各作業員の作業員情報とに基づいて、優先要素の資格を保有していない作業員を資格取得計画の対象になる作業員として抽出する。資格取得計画決定部34は、資格取得計画の対象になる作業員の空き情報に基づいて、資格取得計画の対象になる作業員に対する資格取得計画を決定する。資格取得計画は、例えば、資格を得るために必要な講座または試験などへの参加計画であり、作業員が講座または試験などへ参加する日時の情報を含む。
抽出処理部32Cは、優先要素抽出部33によって抽出された優先要素と、作業員情報記憶部14に記憶されている各作業員の作業員情報とに基づいて、優先要素の経験値または優先要素のスキルがない作業員を抽出する。抽出処理部32Cは、優先要素の経験値または優先要素のスキルがない作業員を優先的に作業員候補として抽出する。また、抽出処理部32Cは、資格取得計画決定部34によって決定された資格取得計画に基づいて、資格取得計画の対象になる作業員候補を作業スケジュールへの割り当て対象から除外する。
図15は、実施の形態4にかかるスケジュール生成システムによる処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すステップS50からS55の処理は、図13に示すステップS40からS45の処理と同じであるため、説明を省略する。
図15に示すように、スケジュール生成システム1Cのスケジュール決定部24Cは、優先要素の抽出処理および資格取得計画の決定処理を行う(ステップS56)。ステップS56の処理は、図16に示すステップS60からS63の処理であり、後で詳述する。
次に、スケジュール決定部24Cは、作業スケジュール決定処理を行う(ステップS57)。ステップS57の処理は、図17に示すステップS70からS75の処理であり、後で詳述する。スケジュール生成システム1Cは、ステップS57の処理が終了した場合、またはスケジュール生成タイミングではないと判定した場合(ステップS50:No)、図15に示す処理を終了する。
図16は、実施の形態4にかかる優先要素の抽出処理および資格取得計画の決定処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、スケジュール決定部24Cは、履歴情報記憶部13から作業履歴情報を取得し(ステップS60)、取得した作業履歴情報に基づいて、作業員の要素のうち必要頻度が相対的に高い作業員の要素を優先要素として判定する(ステップS61)。
スケジュール決定部24Cは、優先要素の資格を保有していない作業員の空き情報に基づいて、優先要素の資格を保有していない作業員を資格取得計画の対象として抽出する(ステップS62)。そして、スケジュール決定部24Cは、優先要素の資格を保有していない作業員の空き情報に基づいて、優先要素の資格を保有していない作業員の資格取得計画を決定し(ステップS63)、図16に示す処理を終了する。
図17は、実施の形態4にかかる作業スケジュール決定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すステップS70からS73,S75の処理は、図11に示すステップS30からS33,S35の処理と同じであるため、説明を省略する。
図17に示すように、スケジュール決定部24Cは、比較用作業員情報と比較用作業情報とを比較し、比較した結果とパターン情報と優先要素と資格取得計画に基づいて、作業員候補を抽出する(ステップS74)。ステップS74において、スケジュール決定部24Cは、優先要素の経験値または優先要素がない作業員を優先的に作業員候補として抽出する。また、ステップS74において、スケジュール決定部24Cは、資格取得計画に基づいて、資格取得計画の対象になる作業員候補であって講座または試験などへ参加する日時が作業期間に含まれる作業員候補を作業スケジュールへの割り当て対象から除外する。
図14に示すスケジュール生成システム1Cのハードウェア構成は、図9に示すスケジュール生成システム1のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、スケジュール決定部24Cの機能を実行することができる。なお、スケジュール生成システム1Cは、スケジュール生成システム1においてスケジュール決定部24をスケジュール決定部24Cへ変更した構成であってもよい。
以上のように、実施の形態4にかかるスケジュール生成システム1Cのスケジュール決定部24Cは、優先要素抽出部33を備える。優先要素抽出部33は、履歴情報記憶部13に記憶された作業履歴情報と作業員情報記憶部14に記憶された作業員情報とに基づいて、複数種類のスキルのうち1以上のスキルおよび複数種類の経験値のうち1以上の経験値のうち少なくとも一方を優先要素として抽出する。作業員候補抽出部30Cは、対象作業が優先要素として抽出された1以上のスキルおよび1以上の経験値のうち少なくとも一つが得られる作業である場合、複数の作業員のうち優先要素を保有しない作業員を優先して作業員候補として抽出する。これにより、スケジュール生成システム1Cは、対象作業に対するスキルおよび経験値の少なくとも一つを保有していない作業員を積極的に対象作業に割り当てることができる。
また、優先要素として、複数種類の資格のうち1以上の資格をさらに含む。スケジュール決定部24Cは、作業員情報記憶部14に記憶された作業員情報に基づいて、優先要素である資格を保有しない作業員に対する資格取得計画を決定する資格取得計画決定部34を備える。これにより、スケジュール生成システム1Cは、例えば、優先要素の資格を保有しない作業員に対して優先要素の資格を取得するためのスケジュールを設定することができる。なお、スケジュール生成システム1Cにおいて、優先要素は、例えば、スケジュール管理者による不図示の入力部への操作によって設定されることもできる。
実施の形態5.
実施の形態5にかかるスケジュール生成システムは、対象建造物への移動距離が短い作業員ほど優先的に対象作業に割り当てる点で、実施の形態4にかかるスケジュール生成システム1Cと異なる。以下においては、実施の形態4と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態4にかかるスケジュール生成システム1Cと異なる点を中心に説明する。
図18は、本発明の実施の形態5にかかるスケジュール生成システムの構成例を示す図である。図18に示すように、実施の形態5にかかるスケジュール生成システム1Dは、作業員情報記憶部14およびスケジュール決定部24Cに代えて、作業員情報記憶部14Dおよびスケジュール決定部24Dを備える点で、スケジュール生成システム1Cと異なる。
作業員情報記憶部14Dに記憶される作業員情報は、作業員情報記憶部14に記憶される情報に加え、各作業員の位置を示す情報を含む。各作業員の位置は、例えば、作業員が通勤する会社または事業所の所在地である。また、建造物に対する作業を行っている作業員の位置は、作業員が通勤する会社または事業所の所在地から作業員が作業を行っている建造物の所在地が予め設定された範囲外である場合には、建造物の所在地として作業員情報に設定される。作業員情報は、作業スケジュールに割り当てられた場合にスケジュール決定部24Dによって更新される。
スケジュール決定部24Dは、抽出処理部32Cを有する作業員候補抽出部30Cに代えて、抽出処理部32Dを有する作業員候補抽出部30Dを備える点でスケジュール決定部24Cと異なる。抽出処理部32Dは、第2情報取得部22Bから対象建造物の所在地を示す情報である所在地情報を取得し、作業員情報記憶部14から作業員情報を取得する。抽出処理部32Dは、作業員情報によって特定される作業員の位置と対象建造物の所在地に基づいて、作業員の対象建造物への移動距離を算出する。抽出処理部32Dは、対象建造物への移動距離が近いほど優先して作業員候補として抽出する。
また、抽出処理部32Dは、対象建造物が複数ある場合、これら複数の対象建造物を対象とした場合における移動距離が短い作業員ほど優先的に作業員候補として抽出する。例えば、場所が離れた2つの対象建造物があり、一方を第1の対象建造物とし他方を第2の対象建造物としたとする。また、第1の対象建造物に対する作業中は、作業員が第1の対象建造物の近くに宿泊するものとする。この場合、抽出処理部32Dは、作業員情報によって特定される作業員の位置から第1の対象建造物への作業員の移動距離と、第1の対象建造物から第2の対象建造物への移動距離との合計距離を算出する。抽出処理部32Dは、合計距離が短い作業員ほど優先して第1の対象建造物と第2の対象建造物とに対する作業に割り当て可能な作業員候補として抽出することができる。
図19は、実施の形態5にかかるスケジュール生成システムによる処理の一例を示すフローチャートである。図19に示すステップS80からS83,S86の処理は、図17に示すステップS70からS73,S75の処理と同じであるため、説明を省略する。
図19に示すように、スケジュール生成システム1Dのスケジュール決定部24Dは、作業員の位置を示す情報と対象建造物の所在地を示す情報とを取得し、作業員の移動距離を算出する(ステップS84)。そして、スケジュール決定部24Dは、比較用作業員情報と比較用作業情報とを比較し、比較した結果とパターン情報と優先要素と資格取得計画と作業員の移動距離とに基づいて、作業員候補を抽出する(ステップS85)。ステップS85において、スケジュール決定部24Dは、対象建造物への移動距離が短い作業員ほど優先して作業員候補として抽出する。
図18に示すスケジュール生成システム1Dのハードウェア構成は、図9に示すスケジュール生成システム1のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、スケジュール決定部24Dの機能を実行することができる。なお、スケジュール生成システム1Dは、スケジュール生成システム1においてスケジュール決定部24をスケジュール決定部24Dへ変更した構成であってもよい。
以上のように実施の形態5にかかるスケジュール生成システム1Dにおいて、属性情報には、建造物の所在地を示す情報が含まれる。スケジュール決定部24Dは、建造物の所在地を示す情報に基づいて、建造物への移動距離が短い作業員ほど優先的に対象作業に割り当てる。これにより、スケジュール生成システム1Dは、作業員を効率的に対象作業に割り当てることができる。
実施の形態6.
実施の形態6にかかるスケジュール生成システムは、天候予測に基づいて天候による作業スケジュールへの影響があると判定した場合に、作業スケジュールを変更する点で、実施の形態5にかかるスケジュール生成システム1Dと異なる。以下においては、実施の形態5と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態5にかかるスケジュール生成システム1Dと異なる点を中心に説明する。
図20は、本発明の実施の形態6にかかるスケジュール生成システムの構成例を示す図である。図20に示すように、実施の形態6にかかるスケジュール生成システム1Eは、天候予測情報記憶部15およびスケジュール情報記憶部16を備える点で、実施の形態5にかかるスケジュール生成システム1Dと異なる。また、スケジュール生成システム1Eは、履歴情報記憶部13およびスケジュール決定部24Dに代えて、履歴情報記憶部13Eおよびスケジュール決定部24Eを備える点で、スケジュール生成システム1Dと異なる。
履歴情報記憶部13Eの作業履歴情報は、履歴情報記憶部13に記憶される情報に加え、過去の作業期間における天候情報と、過去の作業期間における作業の進捗状況を示す情報とを含む。天候予測情報記憶部15は、不図示の天候サーバから取得された天候予測の情報である天候予測情報を記憶する。スケジュール情報記憶部16は、スケジュール決定部24Eによる決定済の過去の作業スケジュールの情報が記憶される。
スケジュール決定部24Eは、作業員候補抽出部30Dと、決定処理部40Eと、影響判定部50とを備える。決定処理部40Eは、天候予測情報記憶部15に記憶された天候予測情報と作業履歴情報とに基づいて、作業スケジュールを決定する。例えば、決定処理部40Eは、対象建造物に対する将来の作業期間において予測される天候が同一または類似する過去の作業の進捗状況と同じ進捗状況で作業が進むと仮定して作業スケジュールを決定する。
また、決定処理部40Eは、対象建造物に対する将来の作業期間において予測される天候が同一または類似する過去の作業の進捗状況を示す情報が作業履歴情報に含まれていない場合、過去の作業の進捗状況を示す情報から平均的な進捗状況を判定する。決定処理部40Eは、平均的な進捗状況で作業が進むと仮定して作業スケジュールを決定する。
影響判定部50は、天候予測情報記憶部15に記憶された天候予測情報と作業履歴情報とに基づいて、スケジュール決定部24Eによる決定済の作業スケジュールであって作業期間が到来していない作業スケジュールへの影響を判定する。影響判定部50は、作業スケジュールに影響すると判定し、決定処理部40Eに対して作業スケジュールの更新を要求する。決定処理部40Eは、作業スケジュールの更新の要求があった場合、予測された天候で行われた過去の作業の進捗状況に基づいて、予測された天候で行われた過去の作業の進捗状況で進むと仮定して作業スケジュールを更新する。
例えば、スケジュール決定部24Eによる決定済の作業スケジュールが、作業期間が晴れであった過去の作業の進捗状況で作業が進むと仮定して作業スケジュールが決定されたとする。また、作業スケジュールで設定された作業期間が天候予測では雨であると予測されたとする。この場合、影響判定部50は、作業履歴情報に基づいて、作業スケジュールで設定された作業期間において天候が雨である場合の対象建造物に対する作業の進捗状況で作業が進むとした場合に、作業スケジュールで設定された作業期間内に作業が終わるか否かを判定する。
スケジュール決定部24Eは、影響判定部50によって作業スケジュールで設定された作業期間内に作業が終わらないと判定した場合、作業スケジュールを変更する。作業スケジュールの変更は、例えば、作業期間をずらしたり、作業員を増員したりすることによって行う。例えば、スケジュール決定部24Eは、作業履歴情報に基づいて、作業スケジュールで設定された作業期間において天候が雨である場合の対象建造物に対する作業の進捗状況で作業が進むと仮定して、変更前の作業スケジュールに含まれる作業期間内に作業が完了するように、作業員を増員した作業スケジュールを決定する。また、スケジュール決定部24Eは、天候が雨である場合の対象建造物に対する作業の進捗状況で作業が進むと仮定して、作業期間を変更した作業スケジュールを決定することもできる。
図21は、実施の形態6にかかるスケジュール生成システムによる処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すステップS90からS95,S99の処理は、図19に示すステップS80からS86の処理と同じであるため、説明を省略する。
図21に示すように、スケジュール決定部24Eは、天候を加味する設定が行われているか否かを判定する(ステップS96)。天候を加味する設定は、例えば、スケジュール生成システム1Eにおける不図示の入力部への操作によって行われる。スケジュール決定部24Eは、天候を加味する設定が行われていると判定した場合(ステップS96:Yes)、天候予測情報記憶部15から天候予測情報を取得する(ステップS97)。
次に、スケジュール決定部24Eは、ステップS97で取得した天候予測情報で特定される天候で作業が行われた過去の作業スケジュールを取得する(ステップS98)。スケジュール決定部24Eは、ステップS98の処理を実行した場合、作業員候補の情報、納期情報、作業員の空き情報、およびステップS98で取得した過去の作業スケジュールなどに基づいて、作業スケジュールを決定する(ステップS99)。
図22は、実施の形態6にかかる作業スケジュールの変更処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すように、スケジュール決定部24Eは、天候予測情報記憶部15の天候予測情報が更新されたか否かを判定する(ステップS100)。スケジュール決定部24Eは、天候予測情報が更新されたと判定した場合(ステップS100:Yes)、天候予測情報で特定される天候で作業が行われた過去の作業スケジュールを取得する(ステップS101)。
次に、スケジュール決定部24Eの影響判定部50は、天候予測情報で特定される天候で作業が行われた過去の作業スケジュールに基づき、決定済の作業スケジュールに影響があるか否かを判定する(ステップS102)。スケジュール決定部24Eの決定処理部40Eは、影響判定部50によって決定済の作業スケジュールに影響があると判定された場合(ステップS102:Yes)、作業員候補の情報、納期情報、作業員の空き情報、および天候予測情報で特定される天候で作業が行われた過去の作業スケジュールなどに基づいて、作業員を増員または作業期間を変更した作業スケジュールを決定し、作業スケジュールを更新する(ステップS103)。
スケジュール決定部24Eは、ステップS103の処理が終了した場合、天候予測情報が更新されていないと判定した場合(ステップS100:No)、または決定済の作業スケジュールに影響がないと判定した場合(ステップS102:No)、図22に示す処理を終了する。
図20に示すスケジュール生成システム1Eのハードウェア構成は、図9に示すスケジュール生成システム1のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、スケジュール決定部24Eの機能を実行することができる。なお、スケジュール生成システム1Eは、スケジュール生成システム1,1Cにおいてスケジュール決定部24,24Cをスケジュール決定部24Eへ変更した構成であってもよい。
以上のように、実施の形態6にかかるスケジュール生成システム1Eは、天候予測の情報を記憶する天候予測情報記憶部15を備える。作業履歴情報は、過去の作業期間における天候情報と、過去の作業スケジュールの情報とを含む。スケジュール決定部24Eは、作業履歴情報と天候予測情報記憶部15に記憶された天候予測の情報とに基づいて、天候による作業スケジュールへの影響を判定する影響判定部50を備える。スケジュール決定部24Eは、影響判定部50によって作業スケジュールへの影響があると判定した場合、作業履歴情報に基づいて、作業スケジュールを変更する。これにより、スケジュール生成システム1Eは、例えば、天候の影響によって作業期間内に作業が終わらないような場合において、作業スケジュールを変更することができる。例えば、スケジュール生成システム1Eは、作業員を増員することで作業の遅延を防止したり、作業期間を変更した作業スケジュールへ変更したりすることで作業スケジュールへの影響を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。