JP6382766B2 - 生産計画作成方法及び生産計画作成プログラム、並びに生産計画作成装置 - Google Patents
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Description
尚、超過負荷工程は、設備の生産能力を無視して、同一設備に他の工程と重複して割り付けているため、この割付結果の通り、作業を実施することはできない。しかしながら、この割付結果を利用すれば、超過負荷工程を、その超過負荷工程の前の工程の終了時刻から、その超過負荷工程の後の工程の開始時刻までの間において、残業対応や外注先で作業するなどして、設備の生産能力を向上させるような能力向上対策を実施することで、納期達成できることが分かる。従って、本発明に基づいて生産計画を作成した際に、能力向上対策を実施すべき時期を容易に把握できる。
その一方で、遅い時期に割り付けられる工程納期が遅い工程が、超過負荷工程になる可能性が高くなる。従って、能力向上対策が必要な期間が、遅い時期になりやすい。ここで、残業や外注の調整を行うには、一定の時間が必要である。従って、能力向上対策が必要な期間が遅い時期であることにより、残業や外注の調整を、余裕をもって行うことができる。
ここで、本発明においては、各工程の処理時間が各工程の負荷に相当する。
尚、工程情報登録部12において、外部から登録される工程情報は、予め、図示しない入力部(キーボード等)から入力したり、リムーバブルな記憶媒体に記録されて与えたり、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して与えたりして、記憶装置や補助記憶装置等に記憶する。
割付優先順は、例えば、各工程について、その工程の次の工程から最終の工程までの処理時間の和を納期から差し引いた時刻である工程納期が早い順として算出する。割付優先順は、設備毎に、当該設備で処理することできる全工程について算出する。即ち、工程納期の早い順を割付優先順と決定すると、納期に余裕がある工程納期が遅い工程が、早い時期に割り付けられることを防ぐことができる。そのため、超過負荷工程として算出される工程数を、少なくことができる。そして、能力向上対策が必要となる時間帯が少なくてもすむため、残業や外注の抑制に繋がる。その一方で、遅い時期に割り付けられる工程納期が遅い工程が、超過負荷工程になる可能性が高くなる。従って、能力向上対策が必要な期間が、遅い時期になりやすい。ここで、残業や外注の調整を行うには、一定の時間が必要である。従って、能力向上対策が必要な期間が遅い時期であることにより、残業や外注の調整を、余裕をもって行うことができる。
例えば、工程割付部14で各工程の処理時間を設備の時間軸上に割り付けるには、まず、割り付けられる時刻(割付可能時刻)が最も早い設備を1つ選択する。尚、割付可能時刻は、生産計画の作成開始時においては、生産計画の開始時刻となる。但し、生産計画の作成開始時において、生産計画の開始時刻に、生産計画を作成する対象とするオーダの工程以外の工程の処理が終了していない場合においては、処理が終了していない工程が割り付けられている設備においては、処理が終了していない工程の終了時刻が、割付可能時刻となる。
そして、選択した設備で処理することができる工程の中から、未割付の工程であり、その工程の前の工程が既に割り付けられており、且つ、割付優先順が最も早い工程を、割り付ける工程として選択する。尚、第1工程の場合は、その工程の前の工程が既に割り付けられているものとして考える。そして、選択された工程の処理時間を、選択した設備の時間軸上で、選択した設備の割付可能時刻から未来方向に向かって割り付ける。
即ち、超過負荷工程割付部15では、まず、工程割付部14で設備に割り付けた工程の終了時刻が、その工程の工程納期より遅いかを判定する。そして、工程割付部14で設備に割り付けた工程の終了時刻が、その工程の工程納期より遅いと判定された場合に、その工程を超過負荷工程として登録する。そして、超過負荷工程を処理することができる設備における時間軸上で、工程割付部14で割り付けた超過負荷工程の処理時間を、超過負荷工程の前の工程の終了時刻直後から既に割り付けられている他の工程と重複して割り付け直して、割付結果21を更新する。
尚、超過負荷工程割付部15では、工程割付部14において、割付優先順算出部13で算出した割付優先順で選択された工程の処理時間を、工程を処理することができる設備に割り付ける毎に、処理を行う。
生産計画の開始時刻から全ての工程を順番に割り付けて、最短の終了時刻で全工程の処理を終わらせるように割り付けても、納期に遅れる場合、つまり、生産計画の開始時刻+オーダの全工程の処理時間の合計>納期となる場合が想定されるからである。
割付結果21は、各設備の時間軸上に、各工程の処理時間を棒状に表したガントチャートで表示することが好ましい。
尚、結果出力部16では、全ての工程について割り付けが行われた後の割付結果21を、出力してもよいし、工程割付部14または超過負荷工程割付部15において各工程の処理時間が設備の時間軸上に割り付けられる毎に、割付結果21を、出力してもよい。
尚、生産能力超過期間は、ガントチャート上に、矢印やハイライト等の識別可能な形式で示すことにより、表示することが好ましい。
尚、以下で説明する本実施形態に係る生産計画作成方法の処理は、計算機においても同様に、生産計画作成プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、この生産計画作成プログラムは、リムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々な計算機の記憶装置にインストールすることが可能である。
本実施例において、登録されるオーダ情報を表1に示す。本実施例において、生産計画の対象とするオーダは、オーダ番号1〜5の5種類あるものとする。
本実施例における、登録される工程情報を表2に示す。本実施例において、生産計画の対象とするオーダの工程を処理することができる設備は、M1,M2,M3の3種類あるものとする。また、各設備M1〜M3の生産能力である生産することが可能な時間は、24時間(24Hr.)とする。
本実施例では、最終工程から順に、各工程の処理時間を納期から差し引いた工程納期の早い順を割付優先度とする。
・第4工程の工程納期:オーダ納期「2014/1/6 13:00」
・第3工程の工程納期:第4工程の工程納期「2014/1/6 13:00」−第4工程の処理時間「24Hr」=「2014/1/5 13:00」
・第2工程の工程納期:第3工程の工程納期「2014/1/5 13:00」−第3工程の処理時間「24Hr」=「2014/1/4 13:00」
・第1工程の工程納期:第2工程の工程納期「2014/1/4 13:00」−第2工程の処理時間「36Hr」=「2014/1/3 01:00」
本実施例では、割り付けられる時刻である割付可能時刻が最も早い設備を1つ選択し、選択した設備に割り付ける工程の内、未割付の工程でかつ、前工程が既に割付済みで、最も割付優先順が早い工程を割り付ける。具体的には、下記の手順に従って、割り付ける。
設備M1,M2,M3のうち、各設備とも生産計画の開始時刻である「2014/1/1 00:00」から割り付けることができる。そのため、初めは、割付可能時刻は全設備とも同じである。本実施例では、割付可能時刻が同一の場合は、設備名のアルファベット及び数字の早い順とする。ここでは、設備M1が選択される。
表3に示す通り、設備M1において、割付優先順が最も早い工程番号1−1の工程を選択する。尚、工程番号1−1の工程は、第1工程であるため、その前工程は割付済みと考える。
工程番号1−1の工程の処理時間を、設備M1の時間軸上において、割付可能時刻から未来方向に向かって割り付ける。その結果を、図3のガントチャートに示す。
本実施例において、工程番号1−1の終了時刻は、「2014/1/2 16:00」であり、工程納期「2014/1/3 01:00」よりも遅いと判断されないため(S6:NO)、ステップS4に戻る。
・設備M1:2014/1/2 16:00(工程番号1−1の終了時刻)
・設備M2:2014/1/1 00:00
・設備M3:2014/1/1 00:00
ここでは、設備M2とM3の割付可能時刻が同じであるため、設備名のアルファベット及び数字順で小さいM2を選択する。
本実施例において、工程番号2−1の終了時刻は、「2014/1/1 20:00」であり、工程納期「2014/1/2 16:00」よりも遅いと判断されないため(S6:NO)、ステップS4に戻る。
・設備M1:2014/1/5 00:00(工程番号3−2の終了時刻)
・設備M2:2014/1/5 12:00(工程番号5−1の終了時刻)
・設備M3:2014/1/4 12:00(工程番号2−2の終了時刻)
ここでは、設備M3の割付可能時刻が早いため、設備M3を選択する。
本実施例において、工程番号4−2の終了時刻は、「2014/1/5 08:00」であり、工程納期「2014/1/5 07:00」よりも遅いため(S6:YES)、工程番号4−2の工程を超過負荷工程として登録する。
具体的には、工程番号4−2の工程の前の工程である工程番号4−1の終了時刻直後に割り付ける。本実施例では、設備M3において、工程番号4−2の工程の前の工程である工程番号4−1の終了時刻「2014/1/3 00:00」に割り付ける。この際、既に設備M3の時間軸上には、工程番号2−2の工程の処理時間が割り付けられているため、設備M3の時間軸上に工程番号4−2の工程の処理時間を重複して割り付ける。その結果を、図7のガントチャートに示す。
・設備M1:2014/1/6 00:00(工程番号1−4の終了時刻)
・設備M2:2014/1/6 04:00(工程番号4−3の終了時刻)
・設備M3:2014/1/6 04:00(工程番号5−2の終了時刻)
ここでは、設備M1の割付可能時刻が早い。しかしながら、設備M1で処理することが可能な工程のうち、未割付の工程で、且つ、その前の工程が既に割り付けられている工程がないため、設備M1の次に割付可能時間が早い設備M2を選択する。
本実施例において、工程番号2−3の終了時刻は、「2014/1/6 24:00」であり、工程納期「2014/1/6 00:00」よりも遅いため(S6:YES)、工程番号2−3の工程を超過負荷工程として登録する。
具体的には、工程番号2−3の工程の前の工程である工程番号2−2の終了時刻直後に割り付ける。本実施例では、設備M2において、工程番号2−3の工程の前の工程である工程番号2−2の終了時刻「2014/1/4 12:00」に割り付ける。この際、既に設備M2の時間軸上において、工程番号5−1の工程の処理時間が割り付けられているため、設備M2の時間軸上に工程番号2−3の工程の処理時間を重複して割り付ける。その結果を、図10のガントチャートに示す。
本実施例では、図11に示すように、生産能力超過期間をガントチャート上に矢印で示している。図11に示す通り、本実施例では、納期を遵守するためには、下記設備の2つの時期で能力向上対策をすれば良いことが分かる。
・設備M2:「2015/1/4 12:00」から「2015/1/6 00:00」
・設備M3:「2015/1/3 00:00」から「2015/1/5 12:00」
11 オーダ情報登録部
12 工程情報登録部
13 割付優先順算出部
14 工程割付部
15 超過負荷工程割付部
17 生産能力超過期間表示部
21 割付結果
S1 オーダ情報登録ステップ
S2 工程情報登録ステップ
S3 割付優先順算出ステップ
S5 工程割付ステップ
S6 超過負荷工程割付ステップ
S7 超過負荷工程割付ステップ
S8 生産能力超過期間表示ステップ
Claims (5)
- 種々の納期の複数のオーダを複数の工程により生産する工場において、前記各オーダの前記各工程を、前記各工程を処理することができる設備に割り付けて生産計画を作成する生産計画作成方法であって、
計算機の演算部により実行される処理が、
前記各オーダの納期を、オーダ情報として登録するオーダ情報登録ステップと、
前記各オーダを生産するための複数の工程と、前記各工程を処理することができる設備と、前記各工程の処理時間とを、工程情報として登録する工程情報登録ステップと、
前記オーダ情報と前記工程情報とに基づき、前記各工程について、前記設備に割り付ける順番である割付優先順を算出する割付優先順算出ステップと、
前記割付優先順に、前記各工程の処理時間を、前記各工程を処理することができる設備における生産計画の開始から終了までの間の生産することが可能な時間軸上に、前記生産計画の過去から未来に向かって割り付けて、割付結果として記憶する工程割付ステップと、
前記設備に割り付けた工程の終了時刻が、その工程の次の工程から最終の工程までの前記処理時間の和を前記納期から差し引いた時刻である工程納期より遅い場合は、その工程を超過負荷工程として登録すると共に、前記超過負荷工程の処理時間を、前記超過負荷工程を処理することができる設備における前記時間軸上に、前記超過負荷工程の前の工程の終了時刻直後から既に割り付けられている他の工程と重複して割り付けて、前記割付結果を更新する超過負荷工程割付ステップと、
を備えることを特徴とする生産計画作成方法。 - 前記割付優先順算出ステップは、
前記各工程について、その工程の次の工程から最終の工程までの前記処理時間の和を前記納期から差し引いた時刻である工程納期を算出し、
前記工程納期の時刻が早いものの順番が早くなるように割付優先順を決定することを特徴とする請求項1に記載の生産計画作成方法。 - 前記割付結果をガントチャートに表示すると共に、前記ガントチャート上に、前記超過負荷工程の前の工程の終了時刻から前記超過負荷工程の次の工程の開始時刻までを生産能力超過期間として識別できるように表示する生産能力超過期間表示ステップ、を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の生産計画作成方法。
- 種々の納期の複数のオーダを複数の工程により生産する工場において、前記各オーダの前記各工程を、前記各工程を処理することができる設備に割り付けて生産計画を作成する生産計画作成プログラムであって、
前記各オーダの納期を、オーダ情報として登録するオーダ情報登録ステップと、
前記各オーダを生産するための複数の工程と、前記各工程を処理することができる設備と、前記各工程の処理時間とを、工程情報として登録する工程情報登録ステップと、
前記オーダ情報と前記工程情報とに基づき、前記各工程について、前記設備に割り付ける順番である割付優先順を算出する割付優先順算出ステップと、
前記割付優先順に、前記各工程の処理時間を、前記各工程を処理することができる設備における生産計画の開始から終了までの間の生産することが可能な時間軸上に、前記生産計画の過去から未来に向かって割り付けて、割付結果として記憶する工程割付ステップと、
前記設備に割り付けた工程の終了時刻が、その工程の次の工程から最終の工程までの前記処理時間の和を前記納期から差し引いた時刻である工程納期より遅い場合は、その工程を超過負荷工程として登録すると共に、前記超過負荷工程の処理時間を、前記超過負荷工程を処理することができる設備における前記時間軸上に、前記超過負荷工程の前の工程の終了時刻直後から既に割り付けられている他の工程と重複して割り付けて、前記割付結果を更新する超過負荷工程割付ステップと、
を有し、計算機において演算部により読み出して各ステップの処理を実行させることを特徴とする生産計画作成プログラム。 - 計算機の演算部を用いて、種々の納期の複数のオーダを複数の工程により生産する工場において、前記各オーダの前記各工程を、前記各工程を処理することができる設備に割り付けて生産計画を作成する生産計画作成装置であって、
前記各オーダの納期を、オーダ情報として登録するオーダ情報登録部と、
前記各オーダを生産するための複数の工程と、前記各工程を処理することができる設備と、前記各工程の処理時間とを、工程情報として登録する工程情報登録部と、
前記オーダ情報と前記工程情報とに基づき、前記各工程について、前記設備に割り付ける順番である割付優先順を算出する割付優先順算出部と、
前記割付優先順に、前記各工程の処理時間を、前記各工程を処理することができる設備における生産計画の開始から終了までの間の生産することが可能な時間軸上に、前記生産計画の過去から未来に向かって割り付けて、割付結果として記憶する工程割付部と、
前記設備に割り付けた工程の終了時刻が、その工程の次の工程から最終の工程までの前記処理時間の和を前記納期から差し引いた時刻である工程納期より遅い場合は、その工程を超過負荷工程として登録すると共に、前記超過負荷工程の処理時間を、前記超過負荷工程を処理することができる設備における前記時間軸上に、前記超過負荷工程の前の工程の終了時刻直後から既に割り付けられている他の工程と重複して割り付けて、前記割付結果を更新する超過負荷工程割付部と、
を備えることを特徴とする生産計画作成装置。
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