JP2021033701A - 作業支援システム - Google Patents

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孝治 大橋
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Abstract

【課題】支援精度を向上できる作業支援システムを提供する。
【解決手段】作業支援システム100は、移動検出センサ20と、当該移動検出センサ20とは異なる画像センサ30と、を備える。移動検出センサ20の検出結果は、制御部10が、検出領域Eに存在する移動体の移動を検出する移動検出制御を行うために用いられる。また、移動検出センサ20は、制御部10が移動体を特定する移動体特定制御を行うきっかけとして用いられる。一方、画像センサ30の検出結果は、制御部10が移動体を特定する移動体特定制御を行うために用いられる。作業支援システム100は、互いに異なる移動検出センサ20及び画像センサ30を用いることで、適切な場面で適切な支援を行うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、作業支援システムに関する。
従来、例えば特許文献1に記載されるような作業支援システムが知られている。この作業支援システムは、フォークリフトなどの産業用車両を用いて行われる倉庫内作業などの作業を支援するシステムである。作業支援システムは、移動体をセンサで検出すると共に、移動体同士が接近することを回避するように、支援を行う。作業支援システムは、倉庫内の通路の交差点に移動体を検出するセンサ、及び移動体が進入してくる方向を示す表示部と、を備えている。
特開2002―287825号公報
ここで、移動体は急に動き出すような場合もあり、様々な場面において、移動体同士の接近を回避できる支援を行うことが求められる。その反面、移動体同士の近接が生じないような場面では、過度な支援を行わないようにすることが求められる。このように、作業支援システムの支援精度を向上することによって、適切な場面で適切な支援を行えるようにすることが求められていた。
本発明の目的は、支援精度を向上できる作業支援システムを提供することである。
本発明の一態様に係る作業支援システムは、検出領域における移動体を検出する作業支援システムであって、第1のセンサと、第1のセンサとは異なる第2のセンサと、制御部と、を備え、制御部は、第1のセンサによる検出結果に基づいて、検出領域に存在する移動体の移動を検出する第1の制御を行い、第1の制御がなされたことをきっかけとし、前記第2のセンサによる検出結果に基づいて前記移動体を特定する第2の制御を行う。
作業支援システムは、第1のセンサと、第1のセンサとは異なる第2のセンサと、を備える。第1のセンサの検出結果は、制御部が、検出領域に存在する移動体の移動を検出する第1の制御を行うために用いられる。また、第1のセンサは、制御部が移動体を特定する第2の制御を行うきっかけとして用いられる。一方、第2のセンサの検出結果は、制御部が移動体を特定する第2の制御を行うために用いられる。例えば、一方のセンサのみを用いる場合は、移動体の移動を良好に検知できても、移動体を良好に特定できないことによって、支援が不要な場合にも過度な支援を行ってしまう可能性がある。または、移動体を良好に特定できても、移動を良好に特定できないことによって、支援が間に合わなくなる可能性がある。これに対し、上述の作業支援システムは、互いに異なる第1のセンサ及び第2のセンサを用いることで、適切な場面で適切な支援を行うことが可能となる。以上より、作業支援システムの支援精度を向上することができる。
第1のセンサは、人感センサによって構成されてよい。この場合、第1のセンサは、検出領域内で移動体の移動を早く且つ正確に検出できる。
移動体は人及び産業用車両とであり、産業用車両の運転者の有無を検出する第3のセンサを更に備え、制御部は、第3のセンサが運転者を検出した場合に人と産業用車両とが接近することを想定してよい。産業用車両では、運転者が存在している場合は急発進などの可能性があり、運転者が存在していない場合は急発進などの可能性は低い。従って、第3のセンサが産業用車両の運転者の有無を検出することで、制御部は、人と産業用車両とが接近することを精度良く想定することができる。
制御部は、第2のセンサを用いて特定された移動体である特定移動体について、複数の特定移動体の位置、速度、及び移動方向の少なくとも一つを用いて、互いの接近が想定されるか否かを判定してよい。これにより、制御部は、複数の特定移動体の位置関係や、移動態様などを判断事項として用いることで、互いの近接が想定されるか否かを精度良く判定することができる。
制御部は、第2のセンサを用いて特定された移動体である特定移動体について、複数の特定移動体の互いの接近を回避するように、作業支援を行ってよい。これにより、複数の特定移動体が接近することを回避することができる。
制御部は、作業支援を行う条件を段階的に有してよい。これにより、制御部は、複数の特定移動体の互いの接近の可能性に応じて、支援強度を段階的に調整することで、適切な支援を行うことができる。
本発明によれば、支援精度を向上できる作業支援システムが提供される。
本発明の実施形態に係る作業支援システムが適用された作業現場の様子を示す図である。 本発明の実施形態に係る作業支援システムの構成を示すブロック構成図である。 作業支援システムの処理内容を示すフローチャートである。 作業者と産業用車両の様子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る作業支援システム100が適用された作業現場の様子を示す図である。図2は、本発明の実施形態に係る作業支援システム100の構成を示すブロック構成図である。作業支援システム100は、例えば、倉庫など、産業用車両が作業を行う作業現場に適用される。作業支援システム100は、検出領域Eにおける移動体を検出し、移動体同士の接触を回避するように作業支援を行うシステムである。なお、本実施形態においては、移動体は作業者60などの人、及び産業用車両50である。産業用車両50として、フォークリフト、タガー(牽引車)などが挙げられる。図1では、産業用車両50としてフォークリフトが例示されている。本明細書において、単に「移動体」と称した場合は、作業者60と産業用車両50とを区別することなく指すものとする。また、作業者60とは、産業用車両50に乗ることなく、倉庫などで荷物を運ぶなどの作業を行う人のことであり、産業用車両50の運転者65と区別される。図1では、床面の検出領域Eだけが破線で囲まれているが、当該検出領域Eは三次元の範囲として設定されている。
図2に示すように、作業支援システム100は、制御部10と、移動検出センサ20(第1のセンサ)と、画像センサ30(第2のセンサ)と、出力部40と、を備える。
移動検出センサ20は、検出領域E内に存在する移動体が移動したことを検出するセンサである。移動検出センサ20は、例えば、人感センサ、動体センサ、超音波センサなどで構成される。なお、移動検出センサ20は、検出領域E内で作業者60が移動した場合は当該移動を検出し、産業用車両50が移動した場合は当該移動を検出する。ただし、移動検出センサ20は、移動を検出した移動体が作業者60であるか産業用車両50であるかは特定しない。移動検出センサ20は、検出結果、すなわち検出領域E内で何かしらの移動体の移動を検出したことによる検出信号を制御部10へ送信する。
画像センサ30は、移動検出センサ20とは異なるセンサである。ここで、異なるセンサとは、センサ種類が異なることを意味し、検出対象の種類が異なり、且つ、検出結果が異なるものであることを意味する。画像センサ30は、検出領域E内の画像を取得するセンサであり、カメラ等によって構成される。画像センサ30は、取得した検出結果、すなわち画像データを制御部10へ送信する。なお、ここでの画像データとは、静止画のデータのみならず動画データも含まれる。
移動検出センサ20及び画像センサ30は、作業現場のうち、作業者60及び産業用車両50の挙動を監視し易い位置に設置される。具体的には、移動検出センサ20及び画像センサ30は、作業現場内の棚の上部などに設置される(図1参照)。また、移動検出センサ20及び画像センサ30の組は、作業現場内に複数組、設置される。例えば、作業現場を複数の検出領域に区画し、各検出領域に対して、移動検出センサ20及び画像センサ30の組を設置すればよい。これにより、作業現場内を広範囲にわたって監視することが可能となる。
移動検出センサ20及び画像センサ30は、ケーブルを介して有線で制御部10と接続されてもよいが、通信を介して無線で制御部10との間での情報の送受信を行ってもよい。また、移動検出センサ20及び画像センサ30は、電池によって動作するものであってもよく、電源からの電力供給によって動作するものであってもよい。ただし、作業現場における配線構造を簡易にするために、移動検出センサ20及び画像センサ30は、電池によって動作することが好ましい。ただし、画像センサ30は、移動検出センサ20に比して、動作時における電力消費量が多い。従って、画像センサ30の電力消費量を抑制するために、画像センサ30は、移動体の移動が検出されたことをトリガとして、起動して撮影を行い、移動体が移動していない状態ではスリープモードとしてもよい。このような起動タイミングの詳細については後述する。
出力部40は、作業者60と産業用車両50との接触を回避するための作業支援に関する情報を出力する。出力部40の具体的な出力内容については後述する。
制御部10は、作業支援システム100による作業支援のための各種処理を行う機器である。制御部10は、プロセッサ、メモリ、及びストレージを備えて構成されている。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)などの演算器である。メモリは、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。ストレージは、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体である。プロセッサは、メモリ、ストレージ、通信インターフェース及びユーザインターフェースを統括し、後述する制御部10の機能を実現する。制御部10では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。
制御部10は、一組または複数組の移動検出センサ20及び画像センサ30に対して一台の機器が設けられてよい。この場合、移動検出センサ20及び画像センサ30と同様に、制御部10の機器は、棚の上部に設置されてよい。また、作業現場の中央処理装置として、作業現場全体の移動検出センサ20及び画像センサ30に対して一つの制御部10が設けられてもよい。
次に、制御部10の構成について詳細に説明する。制御部10は、移動検出部11と、移動体特定部12と、運転者検出部13と、判定部14と、作業支援部16と、情報受信部17と、を備える。
移動検出部11は、移動検出センサ20による検出結果に基づいて、検出領域Eに存在する移動体の移動を検出する移動検出制御(第1の制御)を行う。移動検出部11は、移動検出センサ20が検出領域E内で何かしらの移動体の移動を検出したことによって送信した電気信号を受信することにより、移動体の移動を検出してよい。
移動体特定部12は、移動検出制御がなされたことをきっかけとし、画像センサ30による検出結果に基づいて移動体を特定する移動体特定制御(第2の制御)を行う。移動体特定部12は、移動検出部11によって移動検出制御が行われた場合、画像センサ30を起動させて、当該画像センサ30での撮影を開始させる。そして、移動体特定部12は、画像センサ30から送信された画像データを取得し、当該画像データを解析することで、検出領域E中に存在する移動体を特定する。すなわち、移動体特定部12は、画像中に存在している対象物が、作業者60であるのか産業用車両50であるのか、あるいは他の物体であるのかを特定する。
以降の説明では、画像センサ30を用いて特定された移動体を特定移動体と称する場合がある。移動体特定部12は、各特定移動体の位置を演算して取得することができる。このように各特定移動体の位置を取得できるため、移動体特定部12は、特定移動体同士の間の距離を演算して取得することができる。また、移動体特定部12は、各特定移動体が止まっているか、移動しているかを演算して取得することができる。また、移動体特定部12は、移動している特定移動体については、速度及び移動方向を演算して取得することができる。
運転者検出部13は、産業用車両50の運転者65の有無を検出する。運転者検出部13は、画像センサ30で取得された画像データを解析することで、運転者65を検出してもよい。この場合、画像センサ30が請求項における「第3のセンサ」として機能する。また、作業支援システム100は、産業用車両50に設けられて、当該産業用車両50の運転者65の有無を検出する運転者検出センサ51を備えてよい。運転者検出センサ51は、例えば、運転者65がシートに着座したことを検出する着座センサなどで構成される。この場合、運転者検出センサ51が請求項における「第3のセンサ」として機能する。運転者検出部13は、運転者65が存在している場合、運転者65が何かしらの動作(しぐさ)を行っているかを検出してよい。すなわち、運転者65が産業用車両50に乗っている状態で、何かしらの動作をしているときは、急発進を行う可能性があると考えられる。一方、運転者65が産業用車両50に存在していても、(例えば休憩時の昼寝など)何らの動作もしていない場合は、産業用車両を急発進する可能性が低いと考えられる。
判定部14は、各種判定を行う。判定部14は、複数の特定移動体の互いの接近が想定されるか否かを判定する。本実施形態では、判定部14は、作業者60と産業用車両50との接近が想定されるか否かを判定する。判定部14は、検出領域E内に移動している移動体が存在しているか否かを判定する。判定部14は、特定移動体が作業者60及び産業用車両50であるか否かを判定する。すなわち、検出領域Eに作業者60しか存在していない場合は、作業者60と産業用車両50との接近は想定されない。判定部14は、複数の特定移動体(作業者60及び産業用車両50)の位置、速度、及び移動方向の少なくとも一つを用いて、互いの接近が想定されるか否かを判定する。また、判定部14は、産業用車両50の運転者65の有無、及び運転者65の動作の有無によって、作業者60と産業用車両50との接近が想定されるか否かを判定する。
作業支援部16は、複数の特定移動体(作業者60及び産業用車両50)の互いの接近を回避するように、作業支援を行う。作業支援部16は、作業現場の作業者60や産業用車両50の運転者65に対して注意喚起を行うことで、互いの接近を回避するように作業支援を行ってよい。作業支援部16は、出力部40で視覚情報や聴覚情報を出力することで、注意喚起を行う。この場合、出力部40は、モニタや、警告灯や、ブザーや、スピーカなどによって構成される。このような出力部40は、棚や天井など、産業用車両50以外の箇所に設けられてよい。このように、出力部40を作業者60が保持したり、産業用車両50に設けない構成とすると、作業者60に対する作業規定を変更したり、産業用車両50を改造することなく、既存の倉庫に対して、そのまま作業支援システム100を組み込むことが可能となる。
あるいは、出力部40は、産業用車両50に組み込まれていてもよい。この場合、産業用車両50の運転システムが停止している場合は、出力部40も停止した状態となる。この場合は、作業支援部16が注意喚起の出力を行わせるために出力部40の指令信号を送信しても、出力部40は注意喚起を行わない。すなわち、産業用車両50の運転システムが停止している状態は、産業用車両50が急発進し得ない状態であるため、当該状態において、不要な注意喚起がなされることを防止できる。あるいは、作業支援部16が指令信号を出力した後、産業用車両50のエンジンを起動させると、当該起動の瞬間にブザーなどで注意喚起をすることができる。これにより、注意が散漫になりやすいエンジン起動直後に、作業者60と産業用車両50が接近することを回避できる。また、産業用車両50自体に出力部40を設けると、周囲に複数の産業用車両50が存在しているときに、どの産業用車両50に対して注意喚起が行われているかを即時に判断できる。
また、作業支援部16は、産業用車両50の動作を規制することで、作業者60と産業用車両50の互いの接近を回避するように作業支援してよい。この場合、産業用車両50が急発進できなくなるため、両者の接触を確実に回避できる。
また、作業支援部16は、作業支援を行う条件を段階的に有してよい。例えば、作業支援部16は、作業者60と産業用車両50とが接触する可能性を判断する条件を段階的に有し、それらの可能性に応じて、支援強度を段階的に調整してよい。例えば、作業者60と産業用車両50との間の距離が短く、且つ、両者が互いに近づくような移動方向である場合は、作業支援部16は支援強度を高めた注意喚起の出力を行う。一方、作業者60と産業用車両50との間の距離が遠い場合は、作業支援部16は支援強度を低めた注意喚起の出力を行う。
情報受信部17は、各種機器からの情報の受信を行う。情報受信部17は、移動検出センサ20、画像センサ30、及び運転者検出センサ51からの情報を受信する。
次に、図3を参照して、作業支援システム100の処理内容について説明する。図3は、作業支援システム100の処理内容を示すフローチャートである。図3に示す処理内容は、制御部10にて実行される。なお、図3の処理が開始された段階では、移動検出センサ20は起動して検出領域E内の監視を行っており、画像センサ30はスリープ状態となっており検出領域E内の撮影を行っていないものとする。
図3に示すように、判定部14は、検出領域E内で何かしらの移動する移動体が検出されたか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10では、判定部14は、移動検出部11によって移動検出制御がなされたかどうかを参照することによって、判定を行う。例えば、図4(b)に示す作業者60及び産業用車両50のうち、少なくとも一方が移動した場合、移動検出センサ20が移動を検出して信号を発生する。そして、移動検出部11が移動検出制御を行う。一方、検出領域E内の作業者60及び産業用車両50が何れも移動していない場合や、そもそも検出領域E内に作業者60及び産業用車両50が存在していない場合、移動検出センサ20は反応しない。この場合、移動検出部11は移動検出制御を行わない。検出領域EにステップS10において、検出領域E内で移動する移動体が検出されないと判定された場合、図3に示す処理が終了し、再びステップS10から処理が繰り返される。
一方、ステップS10において、検出領域E内で移動する移動体が検出されたと判定された場合、移動体特定部12は、画像センサ30を起動させるとともに、画像データを取得して、画像に基づいて移動体特定処理を実行する(ステップS20)。次に、判定部14は、検出領域Eに作業者60及び産業用車両50が存在しているか否かを判定する(ステップS30)。例えば、検出領域Eに作業者60しか存在していない場合、産業用車両50しか存在していない場合、または作業者60も産業用車両50も存在していない場合、判定部14は、検出領域E内に作業者60及び産業用車両50が存在していないと判定する。ステップS20において、検出領域Eに作業者60及び産業用車両50が存在していないと判定された場合、図3に示す処理が終了し、再びステップS10から処理が繰り返される。
一方、ステップS20において、検出領域E内に作業者60及び産業用車両50が存在すると判定された場合、移動体特定部12は、作業者60と産業用車両50との間の距離を演算する(ステップS40)。例えば、図4(a)(b)に示すように、移動体特定部12は、作業者60と産業用車両50との間の距離L1を画像データのピクセルなどに基づいて演算する。また、図4(c)に示すように、検出領域E中に複数の作業者60が存在する場合は、産業用車両50に最も近い作業者60と産業用車両50との間の距離L2を演算する。なお、作業者60又は産業用車両50が移動しているときは、移動体特定部12は、移動の速度及び移動方向も演算する。
運転者検出部13は、産業用車両50の運転者65の有無を検出する(ステップS50)。図4(a)に示すように、産業用車両50に運転者65が乗っていない場合は、運転者検出部13は運転者65を検出しない。一方、図4(b)(c)に示すように、産業用車両50に運転者65が乗っている場合は、運転者検出部13は運転者65を検出する。なお、運転者検出部13は、運転者65が存在している場合、運転者65が何かしらの動作(しぐさ)を行っているかを検出する。
次に、判定部14は、作業者60と産業用車両50との接近が想定されるか否かを判定する(ステップS60)。ステップS60では、判定部14は、作業者60と産業用車両50との距離、運転者65の有無、運転者65の動作などを総合的に判断して判定を行う。例えば、判定部14は、作業者60と産業用車両50との距離が所定の閾値以下であり、運転者65が存在しており、且つ、当該運転者65が何かしらの動作を行っている場合、作業者60と産業用車両50との接近が想定されると判定する。ステップS60において、作業者60と産業用車両50との接近が想定されないと判定された場合、図3に示す処理が終了し、再びステップS10から処理が繰り返される。
ステップS60において、作業者60と産業用車両50との接近が想定されると判定された場合、作業支援部16は、作業者60と産業用車両50との接近を回避するための作業支援を行う(ステップS70)。このとき、作業支援部16は、ステップS60での判定結果に基づいて、複数段階のレベルに応じた作業支援を行ってもよい。例えば、産業用車両50に運転者65が乗っている場合は、作業支援部16は、運転者65の動作の有無に関わらず警告を行い、運転者65が動作を行っている場合は、警告の強度を上げてよい。ステップS60が終了したら、図3に示す処理が終了し、再びステップS10から処理が繰り返される。
次に、本実施形態に係る作業支援システム100の作用・効果について説明する。
まず、倉庫内での作業などにおける従来の問題点について説明する。倉庫などでは荷物を出し入れする作業者、及び荷物を搬入するフォークリフトなどの産業用車両が混在しており、両者が接近する事態が起きやすい。このような両者の接近による接触などを回避するために、運用規定を設けても作業者の疲れや注意が散漫になった時に、上記接触が起こる可能性がある。例えば、産業用車両の前後左右にライトを付けて産業用車両の動きを可視化出来るようにするシステムがある。しかし、当該システムでも、作業者の視界に入らない場合は接触は防げない。また、産業用車両に画像センサを付けて作業者を検出し、自動的にブレーキをかけるシステムがある。しかし、当該システムでも、敏速に前後左右に動く産業用車両では接触が避けられない場合がある。また、棚や荷物が画像センサの視界を妨げ、作業者に気づかず回避が間に合わない場合がある。その他、産業用車両に超音波センサなど障害物を検出するセンサを設けたようなシステムの場合、障害物が多い倉庫では、接触の可能性が低く、支援が不要な状態でも反応してしまい、過度な支援を行ってしまうという問題がある。上述のように、荷物や障害物が多い倉庫内においては、作業者と産業用車両との接触を回避するためには、産業用車両にセンサを設けるシステムよりも、倉庫全体を俯瞰できる状態で接触を予測して支援を行うシステムの方が有効である。しかし、画像センサのみで倉庫全体を監視し、作業者と産業用車両とが接近したことを検出するようなシステムの場合、運転者が不在で停止中の産業用車両の近くに作業者が存在しているだけでも、接触を回避するための支援がなされてしまい、不要なタイミングにて支援がなされるという問題がある。あるいは、画像処理のみでは、作業者や産業用車両の急な移動に対応できない可能性もある。
本実施形態に係る作業支援システム100は、移動検出センサ20と、当該移動検出センサ20とは異なる画像センサ30と、を備える。移動検出センサ20の検出結果は、制御部10が、検出領域Eに存在する移動体の移動を検出する移動検出制御を行うために用いられる。また、移動検出センサ20は、制御部10が移動体を特定する移動体特定制御を行うきっかけとして用いられる。一方、画像センサ30の検出結果は、制御部10が移動体を特定する移動体特定制御を行うために用いられる。例えば、一方のセンサのみを用いる場合は、移動体の移動を良好に検知できても、移動体を良好に特定できないことによって、支援が不要な場合にも過度な支援を行ってしまう可能性がある。または、移動体を良好に特定できても、移動を良好に特定できないことによって、支援が間に合わなくなる可能性がある。これに対し、上述の作業支援システム100は、互いに異なる移動検出センサ20及び画像センサ30を用いることで、適切な場面で適切な支援を行うことが可能となる。以上より、作業支援システム100の支援精度を向上することができる。
移動検出センサ20は、人感センサによって構成されている。この場合、移動検出センサ20は、検出領域E内で移動体の移動を早く且つ正確に検出できる。また、一般的に人感センサは画像センサ30と比較して、安定して移動体を検出できたり、移動体の検出範囲を広く確保できる。そのため、制御部10が画像センサ30を用いて移動体を検出する処理を準備することができる。
移動体は人である作業者60及び産業用車両50であり、産業用車両50の運転者65の有無を検出する運転者検出センサ51を更に備え、制御部10は、運転者検出センサ51が運転者65を検出した場合に作業者60と産業用車両50とが接近することを想定してよい。産業用車両50では、運転者65が存在している場合は急発進などの可能性があり、運転者65が存在していない場合は急発進などの可能性は低い。従って、運転者検出センサ51が産業用車両50の運転者65の有無を検出することで、制御部10は、作業者60と産業用車両50とが接近することを精度良く想定することができる。
制御部10は、画像センサ30を用いて特定された移動体である特定移動体について、複数の特定移動体の位置、速度、及び移動方向の少なくとも一つを用いて、互いの接近が想定されるか否かを判定する。これにより、制御部10は、複数の特定移動体の位置関係や、移動態様などを判断事項として用いることで、互いの近接が想定されるか否かを精度良く判定することができる。
制御部10は、画像センサ30を用いて特定された移動体である特定移動体について、複数の特定移動体の互いの接近を回避するように、作業支援を行う。これにより、複数の特定移動体が接近することを回避することができる。
制御部10は、作業支援を行う条件を段階的に有する。これにより、制御部10は、複数の特定移動体の互いの接近の可能性に応じて、支援強度を段階的に調整することで、適切な支援を行うことができる。
本実施形態に係る作業支援システム100は、倉庫の上部から1つもしくは複数の移動検出センサ20及び画像センサ30で倉庫全体もしくは産業用車両50が通るエリアすべてを俯瞰して監視できるため、死角が無くなり安全な作業環境を構築できる。また、作業支援システム100は、作業者60や産業用車両50の動きを精度良く予測できるので、両者の接触を未然に防ぐことが可能になる。また、作業支援システム100は、産業用車両50が動く状態にあるかどうかを、運転者65の有無により予測できるので、不要な支援を行うことを抑制できる。また、作業支援システム100は、移動検出センサ20及び画像センサ30を複数持ち、最適な配置に配置することで、形状、レイアウトの異なる倉庫に依存すること無く動作が可能である。
また、作業支援システム100は、移動検出センサ20や画像センサ30で倉庫内全体を監視しているので、不審者や異常な動きを検知する防犯にも役立てることができる。また、作業支援システム100は、作業者60の異常な行動を検出することも可能である。また、作業支援システム100は、進入禁止領域に作業者60や産業用車両50が進入した場合の行動把握にも用いることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、産業用車両として、運転者が運転を行うタイプのものを例示した。しかし、産業用車両として、自動運転がなされるようなタイプのものが採用されてよい。この場合、作業支援部16は、自動運転に係る産業用車両の動作を規制することで、作業者60と産業用車両50の互いの接近を回避するように作業支援してよい。
上述の実施形態では、第2のセンサとして画像センサを用いていたが、移動体を特定できるセンサであれば特に限定されない。例えば、第2のセンサとして、レーザーレンジファインダー(レーザー測距器)などのように、レーザーで点の集まりを検知することで移動体を特定できるものであってもよい。また、上述の実施形態では、倉庫内に複数の画像センサを配置しているが、広角レンズを持った1つまたは少数の画像センサを用いてもよい。このような場合、必ずしも移動検出センサ20と画像センサ30の数は一致していなくともよい。また、第1のセンサとして、画像センサが画像処理によって移動体の移動を検知してもよい。
10…制御部、20…移動検出センサ(第1のセンサ)、30…画像センサ(第2のセンサ、第3のセンサ)、50…産業用車両(移動体)、51…運転者検出センサ(第3のセンサ)、60…作業者(人)、100…作業支援システム。

Claims (6)

  1. 検出領域における移動体を検出する作業支援システムであって、
    第1のセンサと、
    前記第1のセンサとは異なる第2のセンサと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1のセンサによる検出結果に基づいて、前記検出領域に存在する移動体の移動を検出する第1の制御を行い、
    前記第1の制御がなされたことをきっかけとし、前記第2のセンサによる検出結果に基づいて前記移動体を特定する第2の制御を行う、作業支援システム。
  2. 前記第1のセンサは、人感センサによって構成される、請求項1に記載の作業支援システム。
  3. 前記移動体は人及び産業用車両であり、
    前記産業用車両の運転者の有無を検出する第3のセンサを更に備え、
    前記制御部は、前記第3のセンサが前記運転者を検出した場合に前記人と前記産業用車両とが接近することを想定する、請求項1又は2に記載の作業支援システム。
  4. 前記制御部は、
    前記第2のセンサを用いて特定された前記移動体である特定移動体について、
    複数の前記特定移動体の位置、速度、及び移動方向の少なくとも一つを用いて、互いの接近が想定されるか否かを判定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の作業支援システム。
  5. 前記制御部は、
    前記第2のセンサを用いて特定された前記移動体である特定移動体について、
    複数の前記特定移動体の互いの接近を回避するように、作業支援を行う、請求項1〜4の何れか一項に記載の作業支援システム。
  6. 前記制御部は、前記作業支援を行う条件を段階的に有している、請求項5に記載の作業支援システム。
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