JP2021031683A - 金属造形物の製造方法 - Google Patents

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Takehisa Hino
武久 日野
春樹 大西
Haruki Onishi
春樹 大西
智史 只野
Satoshi Tadano
智史 只野
中谷 祐二郎
Yujiro Nakatani
祐二郎 中谷
威夫 須賀
Takeo Suga
威夫 須賀
大輔 辻
Daisuke Tsuji
大輔 辻
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Abstract

【課題】仮焼結体を形成することなく、金属粉同士が反発して爆発的に飛散するというスモーク現象を防止し、造形困難であった内部流路等の造形も可能な、三次元の金属造形物の製造法を提供する。【解決手段】(イ)電気抵抗が0.001Ωm以下の金属粉3を層状に敷き詰める工程、(ロ)工程(イ)で敷き詰められた金属粉の層に電子ビーム7を照射し、電子ビームが照射された領域の金属粉を溶融させる工程、(ハ)工程(ロ)で溶融された金属を凝固させ、金属凝固層8を形成する工程、(ニ)工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域6を、選択的に、当該領域を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱する工程、(ホ)工程(イ)〜(ニ)を複数回繰り返し行い、各回で形成された各金属凝固層を積層する工程、及び(へ)工程(ホ)の後、前記金属粉の溶融及び凝固が行われていない金属粉を除去する工程、を含む三次元積層造形手法。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、金属造形物の製造方法に関する。
三次元積層造形手法は、3D−CAD図面を使用して直接金属造形物を製作する手法の一つであって、近年、注目を浴びている技術である。
この三次元積層造形手法は、パウダーベッド方式とデポジション方式とに分類することができる。このうち、パウダーベッド方式は、パウダーを1層ずつ敷き詰める工程と、造形したい部分にレーザーや電子ビームなどの高エネルギービームを照射する工程とを繰り返し造形する方式であるが、電子ビームを用いたパウダーベッド積層造形の際に、原料粉末が飛散する現象が生じることがある。この原料粉末が飛散する現象はスモーク現象と呼ばれることもあるが、この現象の発生によって造形に不具合が生じることがある。
パウダーベッド方式では、上記のように金属粉を敷き詰めることが行われる。金属粉に良好な導電性がある場合、電荷は金属粉を収容した金属製容器等に逃げることから、スモーク現象は発生しない。しかしながら、金属粉表面に酸化皮膜が存在する場合、この酸化皮膜が抵抗となって電荷が逃げないことから、金属粉に電荷が蓄積し、その結果、金属粉同士が反発して金属粉が爆発的に飛散する。これがスモーク現象の原因であると考えられている。
スモーク現象の抑制には、金属粉の電気抵抗を低下させることが有効である。そこで、酸化物の電気抵抗は温度上昇により低下することを利用して、金属粉を予熱して抵抗が下がった状態とし、さらに加熱し、金属粉同士を軽く焼結(以下、本明細書において、「仮焼結」と言うことがある)させることによって、金属粉の導電性向上と各金属粉同士を電気的に接続し、電荷を金属製容器に逃がすことによって、スモーク現象を防止することが従来からなされている。
図5は、仮焼結によってスモーク現象を防止する従来の金属造形物の製造方法の概要を示す図である。この従来の方法では、昇降可能な平板20が内部に配置された金属容器21のその平板20の上に、金属粉供給機構22によって供給された金属粉が層状に敷き詰められる(図5A)。次いで、形成された金属粉層23に電子ビーム24を照射することによって、金属粉を仮焼結させる(図5B)。それにより、金属粉が固定化された緻密な仮焼結層25が形成される。この仮焼結層25が金属容器21と電気的に接続されていることによって、金属粉の帯電が防止されている。その後、仮焼結層25の所定の領域に、電子ビーム26を照射することによって、仮焼結した金属粉を溶融させ、次いで凝固させることにより造形を行う(図5C)。次いで、前述の図5A〜図5Cに示されたような、金属粉層23の形成、仮焼結層25の形成および造形を繰り返し行なって、各回で形成された各金属凝固層を積層する(図5D)。その後、溶融および凝固が行われていない金属粉をブラスト等によって除去して、三次元の金属造形物27を取得する(図5E)。
パウダーベッド方式による三次元積層造形手法では、造形の後、造形物周囲の未造形部分の金属粉をブラスト等によって取り除くことが行なわれるが、上記のような仮焼結によってスモーク現象を防止する方法の場合、仮焼結物の存在が、未造形部分の金属粉の取り除きに支障を及ぼすことが避けがたかった。例えば、造形物の形状によっては、仮焼結した部分がブラストの際の金属粉や気流の流通を妨げる場合があり、また、仮焼結した金属粉を完全に除去することが出来ない場合があった。
このことにより、電子ビームを熱源として使用するパウダーベッド方式の三次元積層造形手法では、例えば、精緻な造形物を再現性よく造形することが難しかったり、これが設計上の制約になって意図する造形物を得にくい等の問題点が見られた。
特表2015−507092号公報
本発明の実施形態では、電子ビームを用いた積層造形手法において、仮焼結体の生成がなくとも金属粉の飛散現象が生じず、かつ残留応力が少なくなる金属造形物の製造方法を提供することである。
本発明の実施形態による金属造形物の製造方法は、
(イ)電気抵抗が0.001Ωm以下の金属粉を層状に敷き詰める工程、
(ロ)前記工程(イ)で敷き詰められた金属粉の層に電子ビームを照射して、電子ビームが照射された領域の前記金属粉を溶融させる工程、
(ハ)前記工程(ロ)で溶融された金属を凝固させて、金属凝固層を形成する工程、
(ニ)前記工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域を、選択的に、当該領域を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱する工程、
(ホ)前記の工程(イ)〜工程(ニ)を複数回繰り返し行って、各回で形成された各金属凝固層を積層する工程、および
(へ)前記工程(ホ)の後、前記金属粉の溶融および凝固が行われていない前記金属粉を除去する工程、
を含んでなること、を特徴とする。
ここで、「造形」とは、「形あるものを造ること」を意味する。特に、「容易に移動可能であった金属粉を溶融させ、その後に凝固させることによって、形態が固定化された物を造ること」を意味する。そして、「造形物」とは、「上記の造形によって造られた物」を意味する。
本発明による金属造形物の製造方法によれば、金属粉に電荷が蓄積しにくいことから、粉同士が反発して爆発的に飛散するというスモーク現象の発生が防止される。
本発明によれば、仮焼結体の生成がないことから、仮焼結体の存在によって生じていた造形上の制約がない。このことから、従来はブラストなどによる粉除去が困難で、製作不能であった、例えば内部流路などの造形も可能となる。
電気抵抗の少ない金属粉と電荷を中和する機構を併用することによって、仮焼結のための予熱が不要となる。
そして、最上層の造形の前に、予めその最上層の下層となる造形層を膨張させておき、予熱した最上層の下層となる造形層の上に金属粉末を均等に敷き詰め、電子ビームを照射して金属粉を溶融および凝固させることによって、既に形成された下層の凝固物層と今回新たに形成した凝固物層との間の在留応力の抑制ないし残留応力の発生を実質的に無くすことも可能になる。これによって、より精密ないし正確に、所望の造形体を得ることができるようになる。
実施例1の造形方法の概要を示す図。 実施例2の造形方法の概要を示す図。 金属粉表面の酸化皮膜厚さを示す図。 クロミア皮膜の抵抗の温度依存性を示す図。 従来の造形方法の概要を示す図。
発明の実施の形態
<金属造形物の製造方法>
本発明の実施形態による金属造形物の製造方法は、
(イ)電気抵抗が0.001Ωm以下の金属粉を層状に敷き詰める工程、
(ロ)前記工程(イ)で敷き詰められた金属粉の層に電子ビームを照射して、電子ビームが照射された領域の前記金属粉を溶融させる工程、
(ハ)前記工程(ロ)で溶融された金属を凝固させて、金属凝固層を形成する工程、
(ニ)前記工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域を、選択的に、当該領域を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱する工程、
(ホ)前記の工程(イ)〜工程(ニ)を複数回繰り返し行って、各回で形成された各金属凝固層を積層する工程、および
(へ)前記工程(ホ)の後、前記金属粉の溶融および凝固が行われていない前記金属粉を除去する工程、
を含んでなること、を特徴とする。
<工程(イ)>
工程(イ)は、金属粉を層状に敷き詰める工程である。
この工程(イ)は、例えば、水平が保たれた平面上に、金属粉を敷き詰めることにより行うことができる。具体的には、例えば、収納容器内部に設置された水平が保たれた平面上に、金属粉を外部から供給することによって、金属粉を層状に敷き詰めることができる。
敷き詰められた金属粉層の厚さは、電子ビームの照射によって、層下部の金属も溶融できる程度の厚さであることが好ましい。金属粉層の厚さは、たとえばJIS Z8825:粒子解析−レーザ回折・散乱法記載の方法にて測定した金属粉の平均直径の1.0倍〜1.5倍が好ましく、特に1.0倍〜1.2倍が好ましい。そして、この金属粉層の厚さは、金属粉層の全体にわたって均一であることが好ましい。特に、緻密かつ均一に、金属粉の平均直径相当分の厚さの金属粉層が形成されるように、金属粉を敷き詰めることが好ましい。
<工程(ロ)>
工程(ロ)は、前記工程(イ)で敷き詰められた金属粉層に電子ビームを照射して、電子ビームが照射された領域の前記金属粉を溶融させる工程である。
電子ビームが照射された金属粉は溶融し、その後の工程(ハ)において凝固する。一方、電子ビームに照射されなかった金属粉は、融解することなく、金属粉状態が維持されているので、その後の工程(へ)において、凝固物(造形物)から容易に分離除去可能な状態のままに維持されている。
この工程(ロ)では、金属粉層に対する電子ビームの照射領域を制御することによって、目的とする造形物が得られるように、金属粉層に溶融および凝固される領域を作成することができる。ここで、金属粉層に対する電子ビームの照射領域は、例えば、目的とする造形物が得られるように例えばCAD等によって作成したデータに基づいて、制御することができる。
<工程(ハ)>
工程(ハ)は、前記工程(ロ)で溶融された金属を凝固させて、金属凝固層を形成する工程である。
前記の工程(ロ)において、電子ビーム照射された領域の金属粉は、電子ビーム照射によって加熱されて溶融するが、電子ビームの照射が終了すると、通常の場合、周囲環境によって冷却されて凝固物となる。その結果、工程(ロ)の終了時点では、同一平面上、に、電子ビームの照射領域に対応した凝固物の領域と、電子ビームの未照射領域に対応した金属粉の領域とが、存在することになる。
<工程(ニ)>
本発明の金属造形物の製造方法における工程(ニ)は、前記工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域を、選択的に、当該領域を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱する工程である。
この工程(ニ)において金属粉の予熱がなされる領域は、工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域である。すなわち、この工程(ニ)では、金属粉層の全領域の中から、工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域(金属粉の溶融がなされることが予定されている領域)が選択され、その領域について、予熱がなされる。
この工程(ニ)によれば、造形層の温度上昇によって、造形層を膨張させることができる。例えば、工程(ロ)で金属粉を溶融させる前に、この工程(ニ)で予め造形層を膨張させておき、それによって熱膨張した造形層に対し、工程(ロ)を実施することによって、既に形成された下層の凝固物層と今回新たに形成した凝固物層との間で、応力が発生するのを防止ないし抑制することができる。これによって、より精密ないし正確に、所望とする造形体を得ることができるようになる。
この工程(ニ)で予熱がなされる領域は、工程(ロ)において金属粉の溶融がなされる領域をもれなく含むことが好ましい。しかし、この工程(ニ)で予熱がなされる領域は、工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域の全ての領域である必要はなく、また、工程(ロ)において金属粉の溶融がなされない領域をも含むことができる。よって、工程(ニ)において金属粉の予熱がなされる領域の面積は、工程(ロ)において金属粉の溶融がなされる領域の面積の、好ましくは0.70倍以上、1.10倍以下、特に好ましくは0.98倍以上、1.02倍以下、である。
低合金鋼の造形の際の予熱温度は、再結晶温度以上、溶融温度未満である。合金粉で粉表面に形成すると考えられるクロミア酸化物の900℃における電気抵抗は、図3に示すように室温の約1/10以下である。
なお、電子ビーム積層造形装置には、電子ビームによる照射を受けた際にイオンを供給し、電荷を中和する機構を具備するものがある。
電子ビーム積層造形では、予熱は上述のように金属粉の飛散を抑制するために実施されるが、残留応力を低減する効果もある。そこで、実施形態による本発明では、造形時の金属粉の溶融を行う電子ビームの照射前に造形予定部分のみを加熱している。造形時、造形下面と造形面の間に発生する応力σは、
σ=εE
で表すことができ。ここで、Eは造形物のヤング率であり、εは造形下面と造形面の間の線膨張差に起因するひずみである。このひずみは造形物下面と造形面の温度差があるほど大きくなるため、造形物下面のみをあらかじめ加熱すれば、残留応力の低減をはかることができる。
<工程(ホ)>
工程(ホ)は、前記の工程(イ)〜工程(ニ)を複数回繰り返し行って、各回で形成された各金属凝固層を積層する工程である。
すなわち、前述の工程(イ)〜工程(ニ)を含んでなる一連の工程群を、複数回繰り返し行って、各回で形成された凝固層を積層する工程である。第1回目の一連の工程群(即ち、工程(イ)〜工程(ニ)を含んでなる第1回目の一連の工程)で一層目の凝固物層を形成し、次いで、第2回目の一連の工程群(即ち、工程(イ)〜工程(ニ)を含んでなる第2回目の一連の工程)で二層目の凝固物層を形成し、更に、第3回目以降の工程群により三層目以降の凝固物層を形成するような操作を繰り返して行い、各回で形成された平面的(二次元的)な凝固物層を積層することによって、立体的(三次元的)な凝固物を形成することによって、目的とする三次元の金属造形物を製造することができる。ここで、「凝固物層を積層する」とは、工程(イ)〜工程(ニ)を含んでなる一連の工程群を繰り返し行ない、各回で形成された各凝固物層を積み重ねることを言う。各回で形成された各凝固物層からなる積層物は、平面的(二次元的)あるいは立体的(三次元的)に連続している場合のみに限定されない。すなわち、同一回で形成された凝固物層は、平面的(二次元的)に連続していても離間していてもよく、また、下層の凝固物層と上層の凝固物層とは、その平面的(二次元的)な形状および面積が異なっていて、下層の凝固物層と上層の凝固物層とが立体的(三次元的)に連続しない場合であってもよい。
各回の工程(イ)〜工程(ニ)を含んでなる一連の工程群の内容は、同一であっても異なっていてもよい。例えば、第1回目の工程(イ)において、敷き詰められた金属粉からなる層の厚さと、その後の第2回目以降の工程群における工程(イ)で敷き詰められた金属粉層の厚さは、同一であっても異なっていてもよい。同様に、第2回目の工程(イ)〜工程(ニ)と、第2回目以降における一連の工程群における工程(イ)〜工程(ニ)の内容は、同一であっても異なっていてもよい。特に、工程(ロ)において、金属粉層に電子ビームを照射する際の、照射領域の形状および面積は、同一であっても異なっていてもよい。各回の工程(ロ)における電子ビームの照射領域の形状および面積を任意に制御することによって、所望形状の三次元の金属造形物を製造することができる。
工程(イ)〜工程(ニ)を含んでなる一連の工程群の繰り返し回数は、例えば、目的とする造形物の大きさ等に応じて適宜定めることができる。造形物の高さが高い場合(即ち、造形時の鉛直方向への長さが長い場合)には、それに応じて繰り返し回数は多くなる。また、用いられる金属粉の直径が小さく、一回あたりに形成される凝固物層が薄い場合も繰り返し回数が多くなる。
<工程(へ)>
工程(へ)は、前記工程(ホ)の後、前記金属粉の溶融および凝固が行われていない前記金属粉を除去する工程である。
前述の工程(イ)〜工程(ホ)を含んでなる一連の工程群の繰り返しによって、各回で形成された各凝固物層の立体的(三次元的)な積層物として造形物が形成されている。最後の工程(ホ)の終了時点では、この造形物は、通常、各回の工程(イ)において層状に敷き詰められた金属粉層の積み重ねに基づく金属粉の集合物の内部に、取り込まれている。造形物周囲の存在する金属粉を取り除くことによって、金属造形物を金属粉の集合物から取り出すことができる。
金属粉の除去は、任意の方法によって行うことができる。例えば、空気、不活性ガス等の流体の吹きつけや、ブラシなどによる除去等によって行うことができる。
<金属粉>
金属粉としては、電子ビームの照射によって溶融可能なものを用いることができ、例えば、目的とする造形物の用途等に応じて、適宜、金属材料の種類を選定することができる。
粉の帯電の原因となるのは、主として粉表面の酸化皮膜の電気抵抗と考えられている。酸化皮膜が厚いと電気抵抗は大きくなりスモークが生じやすくなる。図4は、従来積層造形に使用されているガスアトマイズ粉(a)の酸化皮膜の膜厚と、ディスクアトマイズ粉(b)、プラズマ回転電極法により得られた金属粉(c)およびニッケル基合金粉を水素中で加熱した時の酸化皮膜(d)の膜厚を示している。
ディスクアトマイズ、プラズマ回転電極法によって得られた金属粉の酸化皮膜は、薄く、ガスアトマイズ粉に対して1/4程度の膜厚に調整することが可能である。酸化被膜の膜厚が薄くなると電気抵抗は減少する傾向にある。
<好ましい具体例>
図1および図2は、本発明の実施形態による金属造形物の製造方法の好ましい具体例を示すものである。このうち、図1は、工程(イ)、工程(ニ)、工程(ロ)、工程(ハ)、工程(ホ)、工程(へ)の順序で実施する態様について示すものであり、図2は、工程(ニ)、工程(イ)、工程(ロ)、工程(ハ)、工程(ホ)、工程(へ)の順序で実施する態様について示すものである。
実施形態による金属造形物の製造方法の工程(イ)は、例えば、図1Aおよび図2Bに示されるように、平板1上に、金属粉供給機構2によって供給された金属粉3を層状に敷き詰めることによって行うことができる。
実施形態による金属造形物の製造方法の工程(ロ)は、例えば、図1Cおよび図2Cに示されるように、前記工程(イ)で形成された金属粉層4に電子ビーム7を照射して、電子ビーム7が照射された領域の金属粉3を溶融させることによって行うことができる。
実施形態による金属造形物の製造方法の工程(ハ)は、例えば、図1Dおよび図2Dに示されるように、前記工程(ロ)で溶融された金属を凝固させて、金属凝固層8を形成することによって行うことができる。
実施形態による金属造形物の製造方法の工程(ニ)は、工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域の金属粉を、例えば電子ビームの照射によって、当該金属粉を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱することによって行うことができる。例えば、図1Bに示されるように、前記の工程(イ)と工程(ロ)との間で、工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域6の金属粉を、例えば電子ビーム5の照射によって、当該金属粉を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱することによって行うことができる。あるいは、例えば、図2Aに示されるように、工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域6の金属粉を、例えば電子ビーム5の照射によって、当該金属粉を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱することによって行うことができる。
実施形態による金属造形物の製造方法の工程(ホ)は、例えば、図1Eおよび図2Eに示されるように、前記の工程(イ)〜工程(ハ)を複数回繰り返し行って、各回で形成された金属凝固層8を積層することによって行うことができる。
実施形態による金属造形物の製造方法の工程(へ)は、例えば、図1Fおよび図2Fに示されるように、前記工程(ホ)の後、前記金属粉の溶融および凝固が行われていない金属粉を、例えば気体を吹き付けることからなるブラスト処理によって除去することによって行うことができる。これにより、実施形態による金属造形物9を得ることが出来る。
上記の工程(イ)〜(へ)によって製造された金属造形物は、必要に応じて、更なる処理(例えば、熱処理、切削、研磨、塗装、洗浄等)に付したり、品質確認(例えば、形状検査、組織検査、強度検査等)を行うことができる。
また、図2に示されるような、工程(ニ)、工程(イ)、工程(ロ)、工程(ハ)、工程(ホ)、工程(へ)の順序で実施する態様の場合には、工程(ニ)の実施の前に、必要に応じて、金属粉を層状に敷き詰める工程を行ない、この形成された金属粉層に対して電子ビームを照射して工程(ニ)を行うことができる。
本発明による金属造形物の製造方法によれば、金属粉に電荷が蓄積しにくいので、粉同士が反発して爆発的に飛散するというスモーク現象の発生が防止されている。
そして、金属粉の造形の前に、予め造形下層を膨張させておき、それによって熱膨張した造形層に対し、電子ビームを照射して金属粉を溶融および凝固させることによって、既に形成された下層の凝固物層と今回新たに形成した凝固物層との間の在留応力を実質的に無くすことも可能になる。これによって、より精密かつ正確に、所望とする造形体を得ることができるようになる。
そして、仮焼結体の生成がないことから、仮焼結体の存在によって生じていた造形上の制約がない。このことから、従来はブラストなどによる粉除去が困難で、製作不能であった、例えば内部流路などの造形も可能となる。
以上、本発明の実施形態による金属造形物の製造方法を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更あるいは付加等を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
<実施例1>
図1に示されるように、工程(イ)〜工程(ヘ)を実施して、実施形態による金属造形物を製造した。
ガスアトマイズ法で作製した金属粉あるいは真空中でディスクアトマイズ法により作製した金属粉、減圧雰囲気にて回転電極法により作製した金属粉のいずれかを用いる。金属粉を敷き詰めたのち、造形のための溶融ビーム照射予定位置のみを再結晶温度以上の温度になるように加熱し、その後、溶融ビームを照射し、造形物を得る。
<実施例2>
図2に示されるように、工程(イ)〜工程(ヘ)を実施して、実施形態による金属造形物を製造した。
ガスアトマイズ法で作製した金属粉あるいは真空中でディスクアトマイズ法により作製した金属粉、減圧雰囲気にて回転電極法により作製した金属粉のいずれかを用いる。溶融ビーム照射予定位置のみを再結晶温度以上の温度になるように加熱し、その後、金属粉を造形部位に供給、溶融ビームを照射し、造形物を得る。
<比較例1>
図3に示されるよう手順によって、金属像造形物を製造した。
金属粉は、ガスアトマイズ法で作製したものであり、金属粉供給後、造形面全体が均一温度となるように予熱を行う。その後、溶融のためのビームを照射し、金属粉を溶かすことで造形物を得る。
1:平板、2:金属粉供給機構、3:金属粉、4:金属粉層、5:電子ビーム、6:金属粉の溶融がなされる領域、7:電子ビーム、8:金属凝固層、9:金属造形物、20:平板、21:金属容器、22:金属粉供給機構、23:金属粉層、24:電子ビーム、25:仮焼結層、26:電子ビーム

Claims (7)

  1. (イ)電気抵抗が0.001Ωm以下の金属粉を層状に敷き詰める工程、
    (ロ)前記工程(イ)で敷き詰められた金属粉の層に電子ビームを照射して、電子ビームが照射された領域の前記金属粉を溶融させる工程、
    (ハ)前記工程(ロ)で溶融された金属を凝固させて、金属凝固層を形成する工程、
    (ニ)前記工程(ロ)で金属粉の溶融がなされる領域を、選択的に、当該領域を構成している金属の再結晶温度以上、溶融温度未満の温度に予熱する工程、
    (ホ)前記の工程(イ)〜工程(ニ)を複数回繰り返し行って、各回で形成された各金属凝固層を積層する工程、および
    (へ)前記工程(ホ)の後、前記金属粉の溶融および凝固が行われていない前記金属粉を除去する工程、
    を含んでなることを特徴とする、三次元の金属造形物の製造方法。
  2. 前記各工程を、工程(イ)、工程(ニ)、工程(ロ)、工程(ハ)、工程(ホ)、工程(ヘ)の順序で実施する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記各工程を、工程(ニ)、工程(イ)、工程(ロ)、工程(ハ)、工程(ホ)、工程(へ)の順序で実施する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記の金属粉が、還元性雰囲気中または真空中において熱処理に付されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記工程(ニ)において予熱がなされる領域の面積が、前記工程(ロ)において前記金属粉の溶融がなされる領域の面積の0.70倍以上、1.10倍以下である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記工程(ニ)において予熱がなされる領域の面積が、前記工程(ロ)において前記金属粉の溶融がなされる領域の面積の0.98倍以上、1.02倍以下である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記工程(ニ)における予熱を電子ビームの照射によって行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
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