JP7459645B2 - 金属積層造形物の製造方法および金属積層造形物、並びにこれを用いた部材 - Google Patents

金属積層造形物の製造方法および金属積層造形物、並びにこれを用いた部材 Download PDF

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Description

本発明は、付加製造法の中でも金属材料を用いた金属積層造形法による金属積層造形物の製造方法、この製造方法により得られた金属積層造形物、並びにこれを用いた部材に関するものである。
金属積層造形法は、基板上の原料粉末にレーザビームや電子ビーム等の熱源を供給して原料粉末を溶融し凝固させて凝固層を形成し、これを繰り返して三次元形状の金属積層造形物を得る。この金属積層造形法によれば、ネットシェイプまたはニアネットシェイプで三次元形状の金属積層造形物を得ることができる。
しかし、従来、基板と凝固層との間の熱収縮差により基板上に造形した金属積層造形物に反りが生じることがあった。また、造形物の全体を高エネルギー密度の条件で造形すると、造形時間が長くかかり、造形コストも高くなる。
そこで、特許文献1によれば、反り変形防止と製造時間、製造コストの低減のために、基板と接する部位や使用時に力のかかる部位を高密度領域に形成し、その他の領域を低密度領域に形成することが提案されている。
国際公開2010/098479号公報
しかしながら、特許文献1では高密度領域と低密度領域とを一体的に造形したときの機械的強度について何ら言及されていない。低密度領域自体の機械的強度は低いと考えられるので、力のかかる部位に高密度領域を用いたとしても、高密度領域と低密度領域との間で最小限の機械的強度が確保されていることが必要であった。このようなことから高密度領域と低密度領域を有する金属積層造形物についても十分な機械的強度が求められている。
以上のことより、本発明は、高密度領域と低密度領域を有する金属積層造形物であっても、十分な機械的強度を有し、製造時間や製造コストの低減が図られる金属積層造形物の製造方法および金属積層造形物、並びにこれを用いた部材を提供することを目的とする。
本発明の金属積層造形物の製造方法は、金属粉末の供給と、レーザビーム又は電子ビームを熱源とする前記金属粉末の溶融凝固とを繰り返すことにより、三次元形状の積層造形物を得る積層造形物の製造方法であって、空孔率が0.5%以下(0を含む)の高密度積層造形領域を形成する第1のステップと、空孔率が前記高密度積層造形領域よりも大きく、且つ35%以下の低密度積層造形領域を形成する第2のステップとを有し、下記(1)式で規定される、前記第1のステップで適用される熱源エネルギー密度よりも、前記第2のステップで適用される熱源エネルギー密度の方が小さく、前記高密度積層造形領域と前記低密度積層造形領域が隣接する境界部に、前記第1のステップで適用される熱源エネルギー密度による凝固層と、前記第2のステップで適用される熱源エネルギー密度による凝固層とを重畳させた中間積層造形領域を形成する第3のステップを有する金属積層造形物の製造方法である。
J=P/(v×a×t) ・・・(1)
J:熱源エネルギ―密度(J/mm3)、P:レーザビーム又は電子ビームの出力(W)、v:走査速度(mm/s)、a:走査ピッチ(mm)、t:層厚さ(mm)
上記金属積層造形物の製造方法において、前記高密度積層造形領域を形成する第1のステップまたは前記低密度積層造形領域を形成する第2のステップの何れかのステップを実行した後、前記第1のステップと第2のステップの間に前記中間積層造形領域を形成する第3のステップを実行することができる。
また、上記金属積層造形物の製造方法において、前記高密度積層造形領域を形成する第1のステップと、前記低密度積層造形領域を形成する第2のステップと、前記第1のステップと第2のステップの間に前記中間積層造形領域を形成する第3のステップとを連続して実行することができる。なお、前記第3のステップは前記第2のステップと同時に行うようにしても良い。
本発明の金属積層造形物は、空孔率が0.5%以下(0を含む)の高密度積層造形領域と、空孔率が前記高密度積層造形領域よりも大きく、且つ35%以下の低密度積層造形領域を有し、前記高密度積層造形領域と前記低密度積層造形領域とが隣接する境界部において、前記高密度積層造形領域の凝固層と前記低密度積層造形領域の凝固層とが重畳した凝固層からなる中間積層造形領域を備える金属積層造形物である。
本発明の部材は、上記金属積層造形物を用いた部材である。例えば、前記高密度積層造形領域を部材の内側である流路側に配置し、前記低密度積層造形領域を前記高密度積層造形領域よりも外側に配置した配管用の部材である。
本発明によれば、高密度積層造形領域と低密度積層造形領域との間に、高いエネルギー密度を照射した溶融凝固と、低いエネルギー密度を照射した溶融凝固とが重ね合わさってできた中間積層造形領域を有しているので、高密度積層造形領域と低密度積層造形領域との間において十分な機械的強度を有し、且つ製造時間や製造コストの低減が図られる金属積層造形物の製造方法および金属積層造形物、並びに部材を提供することができる。
パウダーベット方式(SLM法)の積層造形装置の構成および積層造形方法の例を示す断面模式図である。 本発明に係る金属積層造形物Aの製造方法のフローチャート図である。 本発明に係る金属積層造形物Aの高密度積層造形領域と低密度積層造形領域および中間積層造形領域の形態を示す図である。 本発明に係る金属積層造形物Bの製造方法のフローチャート図である。 本発明に係る金属積層造形物Bの高密度積層造形領域と低密度積層造形領域および中間積層造形領域の形態を示す図である。 積層造形の製造条件の一例を示すプロセスマップ図である。 本発明に係る高密度積層造形領域と低密度積層造形領域および中間積層造形領域を示す、(a)断面の光学顕微鏡像と、(b)腐食後の断面の光学顕微鏡像である。 本発明に係る高密度積層造形領域と低密度積層造形領域および中間積層造形領域の溶け込みのビード深さを示す模式図である。 本発明に係る金属積層造形物の空孔率と引張強度、耐力の関係を示す図である。 高密度積層造形領域と低密度積層造形領域の用途を使った配管用の部材の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。まず、金属積層造形法について説明し、この積層造形法により得た金属積層造形物について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含むことを意味する。また「~」の前後に記載される上限値と下限値は、任意に組み合わせることができる。
[金属積層造形法]
まず、金属積層造形法(以下、積層造形法と言うことがある。)は、上述したように原料粉末に熱エネルギーを供給して原料粉末を溶融し凝固させること(以下、溶融・凝固と言う。)を繰り返すことにより、ネットシェイプまたはニアネットシェイプの三次元形状の金属積層造形物(以下、単に造形物と言うことがある。)を得ることができる。金属材料を対象とする積層造形法は、粉末床方式と粉末堆積方式とに大別することができる。粉末床方式(パウダーベット方式)とは、金属粉末を敷き詰めて粉末床を準備し、熱エネルギーとなるレーザビームや電子ビームを照射して造形する部分のみを溶融・凝固または焼結する方法である。レーザビームを熱源とし粉末床の造形する部分を溶融・凝固する方法は、選択的レーザ溶融法(Selective Laser Melting:SLM法)と称され、粉末床の造形する部分を溶融まではせずに焼結させる方法は、選択的レーザ焼結法(Selective Laser Sintering:SLS法)と称される。レーザビームを熱源とする方法では、通常、窒素などの不活性雰囲気が利用される。粉末床方式で電子ビームを熱源とする方法は、選択的電子ビーム溶融法(Selective Electron Beam Melting:SEBM法)や電子ビーム溶融法(EBM)と称される。電子ビームを熱源とする方法では、高真空環境が利用される。
本発明の金属積層造形物の製造方法は、粉末床方式(パウダーベット方式)による製造方法に関するものである。
以下、パウダーベット方式による積層造形工程を説明する。図1は、SLM法の粉末積層造形装置100の構成を示す模式図である。積層造形しようとする造形物101の1層厚さ分だけ(例えば、約20~50μm)ステージ102を下降させる。ステージ102の上面の基板103に対し、パウダー供給用コンテナ104から金属粉末105を供給し、リコータ160により原料粉末105を平坦化して粉末床107(粉末層)を形成する。
次に、造形しようとする造形物101の3D-CADデータから変換された2Dスライスデータに基づいて、レーザ発振器108から出力されるレーザビーム109を、ガルバノメーターミラー110を通して基板103上に敷き詰められた未溶融の粉末層へ照射し、微小な溶融池を形成すると共に、溶融池を移動させながら逐次溶融・凝固させることにより、2Dスライス形状の凝固層112を形成する(凝固層形成工程)。なお、未溶融の粉末は回収用コンテナ111に回収される。
次に、上記したステージ102を降下させ、新たな金属粉末を凝固層112の上に供給して新たな粉末床107を形成する(粉末供給工程)。この新たな粉末床107に対し、レーザビーム109を照射して溶融・凝固させることにより新たな凝固層を形成する(積層造形工程)。以後、上記粉末供給工程と積層造形工程の操作を繰り返して凝固層112を積層することにより、造形物101を製作する。尚、ここでは造形物101は基板103と一体となって製作され、未溶融の粉末に覆われた状態となっているので、取出し時には、粉末と造形物が十分に冷却された後に未溶融の粉末を回収し、造形物101と基板103を粉末積層造形装置100から取り出す。その後に造形物101を基板103から切断することで造形物を得ることができる。
[第1の実施形態(金属積層造形物Aの製造方法)]
本発明では上記積層造形工程において、高密度積層造形領域(以下、高密度領域と言うことがある。)と、低密度積層造形領域(以下、低密度領域と言うことがある。)を造形物の中で、適宜の箇所に隣り合わせで形成するものである。本発明の積層造形工程に係わる第1の実施形態は、高密度領域と低密度領域をZ方向(積層方向)に組み合わせて金属積層造形物Aを製造する形態である。
図2は、金属積層造形物Aの製造方法のフローチャートを示している。図2の例では、高密度領域の造形からスタートしているが、低密度領域からスタートしても良い。本実施形態の製造方法は、高密度領域を形成する第1のステップまたは低密度領域を形成する第2のステップの何れかの工程を実行した後、前記第1のステップと第2のステップの間に中間積層造形領域(以下、中間領域と言うことがある。)を形成する第3のステップを実行するものである。以下、ステップ毎に説明する。
先ず、金属粉末をベット上に敷き詰める粉末供給工程を行い、この粉末層に対し、高密度領域のレーザ照射条件であるエネルギー密度J1により溶融・凝固を行い凝固層を形成する。この積層造形工程を繰り返し行い、高密度領域を造形する第1のステップを行う。その後、金属粉末を供給する粉末供給工程を行った後、低密度領域のレーザ照射条件であるエネルギー密度J2により溶融・凝固を行い凝固層を形成する。この積層造形工程を繰り返し行い、低密度領域を造形する第2のステップを行う。ここで本実施形態では、前記高密度領域と低密度領域の境界部に中間領域を形成する為の第3のステップを有することを特徴としている。即ち、金属積層造形物Aは、高密度領域の凝固層と低密度領域の凝固層との間に中間領域の凝固層を有する造形物である。
図3は、金属積層造形物Aについて、高密度領域の第1のステップと低密度領域の第2のステップおよび中間領域の第3のステップの形態を示す模式図である。この例では、Z方向(積層方向)に向かって4層の凝固層からなる高密度領域11と、3層の凝固層からなる中間領域13と、4層の凝固層からなる低密度領域12を順次積層造形している。ここで、中間領域13の造形について説明する。高密度領域11を造形した後、凝固層114の上に金属粉末を敷き、高密度領域で適用される熱源エネルギー密度、即ち、エネルギー密度J1を照射して金属粉末を溶融・凝固させて凝固層を形成する。この凝固層には金属粉末は供給せずに、続けて低密度領域で適用される熱源エネルギー密度J2を照射して、再度、溶融・凝固を行うものである。つまり、エネルギー密度J1とエネルギー密度J2とエネルギー密度を変えて溶融・凝固を繰り返すことにより凝固層131を形成している。その後、凝固層131の上に新たな金属粉末を敷き、同様にエネルギー密度J1とエネルギー密度J2の異なるエネルギーを2回照射した凝固層132を形成する。この操作をもう1度繰り返して凝固層133を形成し、3層の凝固層からなる中間領域13としたものである。
このように、中間領域の凝固層13は、高密度領域を形成するエネルギー密度J1による溶融凝固と低密度領域を形成するエネルギー密度J2による溶融凝固とが重畳された凝固層を形成したものである。言い換えれば、1層あたり異なるエネルギー密度で2回照射を受けて形成された凝固層からなっている。以後、この操作を繰り返し行い、所望の積層数(厚み)の中間領域を形成する。中間領域の層厚さは、少なくとも1層分あれば良く上限はないが、好ましくは3層以上、より好ましくは5層程度である。10層を超えても強度の向上効果は見られなくなる。逆に製造時間とコストのロスが大きくなるので必要最小限にすると良い。このように、本実施形態の製造方法は、高密度領域を形成する第1のステップと低密度領域を形成する第2のステップとの間に中間領域を形成する第3のステップを介在して有するものである。なお、エネルギー密度J1とエネルギー密度J2については後述する。
[第2の実施形態(金属積層造形物Bの製造方法)]
本発明の積層造形工程に係わる第2の実施形態は、高密度領域と低密度領域をXY方向(平面方向、積層方向に垂直な方向)に組み合わせて金属積層造形物Bを製造する形態である。
図4は、金属積層造形物Bの製造方法のフローチャートを示している。また、図5は金属積層造形物Bの高密度領域と低密度領域および中間領域の形態を示す模式図である。図4の例では、高密度領域からXY方向に造形がスタートし、途中から低密度領域の造形に移行している。但し、これは低密度領域からスタートして高密度領域に移行するようにしても良い。本実施形態の製造方法は、高密度領域を形成する第1のステップと、低密度領域を形成する第2のステップと、前記第1のステップと第2のステップの間に中間領域を形成する第3のステップと、を連続して実行するものである。以下、ステップ毎に説明する。
先ず、金属粉末をベット上に敷き詰める粉末供給工程を行い、この粉末層に対し、第1の実施形態と同様にエネルギー密度J1の照射により溶融・凝固を行い高密度領域を造形する第1のステップを行う、引き続き同じ粉末層に対しエネルギー密度J2の照射に変更して低密度領域を造形する第2のステップに移行する。ここで本実施形態では、同じ凝固層41において、高密度領域を造形する第1のステップと、低密度領域を造形する第2のステップとの間に中間領域を形成する為の第3のステップを有することを特徴としている。即ち、金属積層造形物Bは、1層分の凝固層の中に、高密度領域と低密度領域を有し、これらの境界部に中間領域を有する造形物である。
中間領域を造形する第3のステップを、図5を用いて説明する。上述のようにエネルギー密度J1により高密度領域の凝固層111’を形成し、引き続きエネルギー密度J2により低密度領域の凝固層121’の造形に移る。このとき、前記凝固層111’の端部にエネルギー密度J2による溶融・凝固を重ねて行い、そのまま低密度領域の凝固層121’の形成に移行している。よって、境界部分には、エネルギー密度J1による溶融・凝固と、エネルギー密度J2による溶融・凝固が重畳した中間領域の凝固層131’を形成している。その後、この凝固層41の上に新たな金属粉末を敷き、同様にしてエネルギー密度J1による溶融・凝固からエネルギー密度J2による溶融・凝固に移行する際に、エネルギー密度J1とエネルギー密度J2による溶融・凝固を繰り返した中間領域に凝固層132’を形成し2層目の凝固層42を積層する。この操作を繰り返して凝固層43、44を形成し、4層の凝固層を積層した造形物としたものである。このように、本実施形態においても中間領域の凝固層は、高密度領域を形成するエネルギー密度J1による凝固と低密度領域を形成するエネルギー密度J2による凝固とが繰り返し行われて、高密度領域と中間領域と低密度領域がXY方向に連なった凝固層を形成したものである。以後、この操作を繰り返し行い、所望の積層数(厚み)の金属積層造形物Bを造形する。
中間領域の幅は、上記金属積層造形物Aの場合と同様で、本実施形態では中間領域のXY方向の重複長さが1層分の厚さ、例えば0.04mm程度あれば良い。上限はないが、好ましくは0.1~0.15mm(3層分相当)、より好ましくは0.15~0.25mm(5層分相当)である。0.4mm(10層分相当)を超えても強度の向上効果は見られなくなり、逆に製造時間とコストのロスが大きくなる。このように、本実施形態でも、高密度領域を形成する第1のステップと低密度領域を形成する第2のステップとの間に中間領域を形成する第3のステップを介在して有するものである。なお、中間領域の凝固層は第3のステップを第2のステップと同時に行うようにしても良い。即ち、図5の一点鎖線で示すようにエネルギー密度J1による凝固層に対し、反対方向からエネルギー密度J2による溶融・凝固を進めて2回照射を重ねて中間領域を形成するようにしても良い。
[空孔率とレーザ照射条件]
上記した実施形態では、高密度領域の空孔率は0.5%以下(0を含む)、低密度領域の空孔率は高密度領域よりも大きく、且つ35%以下となるようにそれぞれ造形する。一般にレーザビームや電子ビームの熱源エネルギー密度を高くすれば造形密度は高くなり空孔率は低くなる、逆に熱源エネルギー密度を低くすると造形密度は低くなり、空孔率が高くなる。この空孔率を制御して高密度領域と低密度領域を造形する。ここで熱源エネルギー密度Jは、以下の式で表される。
J=P/(v×a×t) ・・・(1)
J:熱源エネルギ―密度(J/mm)、P:レーザビーム又は電子ビームの出力 (W)、v:走査速度(mm/s)、a:走査ピッチ(mm)、t:層厚さ(mm)
熱源エネルギー密度J(単にエネルギー密度と言う。)は、レーザや電子ビームの出力P、走査速度v、走査ピッチa、層厚さtを変えることで操作可能である。エネルギー密度を操作することで空孔率も操作できる。空孔率を操作する造形パラメータとしては、レーザや電子ビームの出力、走査速度、走査ピッチとの関係が大きく、前記三つのパラメータを調整することで制御することが好ましい。
そこで、本実施形態ではレーザ出力と走査速度とを変えたときの空孔率の関係を検討した。
図6は、SLM法による造形条件を示すプロセスマップである。走査ピッチを0.11mm、層厚さを0.04mmに固定し、レーザ出力が200~350Wに対し、走査速度を600~4000mm/sに変えたときの空孔率を示している。マップより走査速度を速くするほど空孔率が高くなることが分かる。また、走査速度を速く、且つレーザ出力を低くするほど空孔率は高くなり低密度領域の造形条件となることが分かる。以上のことを参照すると、低密度領域を形成するときは、高密度領域を形成するときよりも、レーザ出力を低くする、また走査速度を速くすることが有効であることが分かる。また、溶融地の間隙が広くなると空隙に繋がるので走査ピッチを広くすることも有効である。
以上のことより、これらの条件のうち少なくとも一種の操作をとることが好ましいことが分かる。むろん組み合わせて条件を出しても良い。具体的には、低密度領域を形成するときの走査速度を、高密度領域を形成するときの走査速度よりも1倍超え4倍未満で速くすることが良い。1倍超えだと造形時間が短くなる効果があり、4倍未満とすることで空孔率を35%以下に抑えることできる。より好ましくは、2倍以上3倍以下である。また。レーザ出力は50~1000W程度が良く、造形の安定性を考えると200~300Wが好ましい。走査ピッチは0.02~0.5mmの範囲で操作することが好ましく、より好ましくは0.02~0.1mmである。なお、低密度領域が形成される理由は、走査速度を上げて、相対的に小さい照射エネルギーのレーザ条件が粉末に照射されることで形成されるため、粉末の未溶融に起因した空孔が存在し易くなるためである。
造形方式毎に予めプロセスマップを用意することによって、適切なエネルギー密度J1、J2を選定し、レーザ出力、走査速度、走査ピッチ、層厚さ等の条件を変えて空孔率を制御することができる。このような造形条件のプロセスマップから、上述した高密度領域を造形するエネルギー密度J1と、低密度領域を造形するためのエネルギー密度J2を適宜選定する。例えば、エネルギー密度J1は40~170J/mmとし、好ましくは50~100J/mmである。また、エネルギー密度J2は、5~40J/mmとし、好ましくは、20~40J/mmである。そして、エネルギー密度J2はエネルギー密度J1よりも小さいエネルギーとし、J2はJ1の0.03倍以上1倍以下、より好ましくは0.2倍以上0.8倍以下で選択すると良い。
以上により製造時間とコストを低減して金属積層造形物Aや金属積層造形物Bを造形することができる。
尚、本発明において空孔率は、造形物の断面写真を画像処理することによって求めた空孔の面積比率を意味し、画像の全面積(100%)から空孔の面積率を引いたものを造形密度(%)とする。空孔率の測定方法は、Keyence製マイクロスコープ(VHX6000)を用いて、マイクロスコープの面積比率の導出機能で閾値を定めて二値化し、黒く現れる空孔部の面積比率を求め、5箇所の面積比率の平均値をとるものである。
[金属積層造形物AまたはBの造形手段]
金属積層造形物Aと金属積層造形物Bの具体的な造形手段は、以下の通りである。
基本的には、3次元CADデータについて、高密度領域の三次元CADモデルと、低密度領域の三次元CADモデルの二つモデルを準備し、それぞれの領域について、上述した照射条件と中間領域の厚み(造形物Bでは幅)を割り振って指定する。即ち、三次元造形物の空孔率(強度)を変化させる場合、三次元CADモデルを予め該当する部分に分割しておき、それぞれの領域の照射条件を設定することによって、空孔率(強度)の変化を制御するものである。
具体的には金属積層造形物Aの場合は、高密度領域と中間層領域、低密度領域と中間層領域に相当する2つの三次元CADモデルを作成する。それぞれの照射条件を割り振って2つの三次元CADモデルの座標系は統一しておく。上部のモデル(低密度領域の三次元CADモデル)のz方向座標をマイナス方向に移動することで、中間領域の重畳(2回照射)する厚みを設定する。この厚みを設定した後の三次元CADモデルから生成したSTL形式のデータを、等積層ピッチ(例えば0.04mm)でスライスした各断面の輪郭形状データを用いて、高密度領域となる部分と低密度領域となる部分のそれぞれのスライス断面輪郭形状データを作成する。図3に示すように3次元データを所定の方向(本実施形態ではz方向)で複数の層に分割し、各層の形状データに基づいて造形物を最下層から順に積層して行き、中間層領域は高密度領域の照射条件と低密度領域の照射条件の2回照射を受け、その後も3次元データに合わせた金属積層造形物Aを造形することができる。
金属積層造形物Bの場合には、金属積層造形物Aと同じように高密度領域と中間層領域、低密度領域と中間層領域に相当する2つの三次元CADモデルを作成する。それぞれの照射条件を割り振って2つの三次元CADモデルの座標系は統一しておく。高密度領域の三次元CADモデルまたは低密度領域の三次元CADモデルのいずれかをX方向座標を移動することで中間領域の重畳(2回照射)する幅を設定する。この幅を設定した後の三次元CADモデルから生成したSTL形式のデータを用いて、高密度領域となる部分と低密度領域となる部分のそれぞれのスライス断面輪郭形状データを作成する。図5に示すように各層の形状データに基づいて造形物を最下層からから順に造形して行き、中間層領域は高密度領域の照射条件と低密度領域の照射条件の2回照射を受け、その後も順に積層していくことで3次元データに合わせた金属積層造形物Bを造形することができる。
[高密度領域と低密度領域および中間領域]
図7は、本発明の製造方法で得られた高密度領域と低密度領域および中間領域を示す断面の光学顕微鏡像画像の一例である。図7(a)は100倍の写真であり、(b)は腐食後の拡大写真である。
この金属積層造形物10は、積層造形による造形密度が99.5%超え100%以下、即ち、空孔率は0.5%以下(0を含む)の高密度領域11と、造形密度が65%超え、即ち、空孔率は35%以下の低密度領域12とを有し、高密度領域11と低密度領域12とが隣接する境界部に高密度領域を形成したときのエネルギー密度J1を照射した溶融凝固と、低密度領域を形成したときのエネルギー密度J2を照射した溶融凝固とが行われた中間領域13を有している。中間領域13を有することで機械的強度が高くなる。中間領域13の空孔率は、エネルギー密度J1とエネルギー密度J2による溶融・凝固の程度に依存していると言えるが、エネルギー密度が重なることにより、低密度領域の空孔率よりも小さく、且つ高密度領域の空孔率以下となっている。具体的には中間領域の空孔率は0.5%以下(0を含む)となっている。中間領域の空孔率を高密度領域より低く設定しても中間領域が介在していることにより造形物全体としての強度は変わらない。中間領域の空孔率が低密度領域のそれ以上となると中間領域の強度が低密度領域よりも低くなるために造形物全体としての強度が低下する懸念が生じる。
従来、中間領域を設けず、高密度領域と低密度領域を直接繋げて造形することが行われている。低密度の造形領域が直接境界部にあると引張強度が低下する。低密度であるほど機械的強度を得ることが難しいが、空孔率が35%超えると急激に低下する。中間領域が形成されていない場合、境界部分の強度が弱く所望の機械的強度を得ることは難しい。本実施形態では、1層分以上の厚さの中間領域を設けることで少なくとも200MPa以上の引張強さと、170MPa以上の耐力を保持できることが分かっている。従って、最低限の機械的強度を備えることができる。このような中間領域を構成要素としている点は従来技術には無い特徴である。また、高い機械的強度を保持するためには、高密度領域の空孔率は0.5%以下であり、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.1%以下で、0%が最も良い。さらに、低密度領域の空孔率は、高密度領域の空孔率よりも大きくするが、最低限の機械的強度を保持するためには35%以下が必要であり、一方で軽量化や低コストあるいは断熱効果など空孔による効果を得るためには10%超えの空孔率とすることが好ましい。
[中間領域の形態]
金属積層造形物Aおよび金属積層造形物Bの中間領域にはエネルギー密度J1によるビードの溶け込みと、エネルギー密度J2によるビードの溶け込みが形成される。この溶け込みの深さが深いと機械的強度が高くなる。図7(b)でもビードの溶け込み跡が少し分かるが、図8に中間領域のビードの溶け込み形態を模式図で示す。
図8(a)は高いエネルギー密度J1を照射した後に、低いエネルギー密度J2を照射した場合の溶け込みの形態を示している。即ち、上述した図3の造形物Aのように高密度領域から低密度領域を造形する場合は(a)の形態となる。まず高いエネルギー密度J1を照射すると、下の凝固層の一部を共に溶融・凝固して相対的に深い溶融地が形成されるので、ビードの溶け込み深さは深くなる。その後に、低いエネルギー密度J2を照射すると2回照射により溶融・凝固が完全となる。この場合(a)のように、エネルギー密度J1によるビード跡と共に、エネルギー密度J2によるビード跡は残ったままとなる。
一方、図8(b)は、逆に低いエネルギー密度J2を照射した後に、高いエネルギー密度J1を照射した場合の溶け込みの形態を示している。低密度領域から高密度領域を造形する場合の形態である。まず、低いエネルギー密度J2を照射すると、粉末はある程度溶融・凝固し熱伝導性が向上する。その後に、高いエネルギー密度J1を照射するのでより深く溶け込み、2回照射により溶融・凝固が完全となる。この場合(b)のように、エネルギー密度J1によるビード跡のみが残ったままとなる。
以上のことより、金属積層造形物から本発明の中間領域の存在を確認するには、上述のビード跡の形態を確認することが考えられる。
また、後述する実施例において、図8(a)(b)の形態共に中間領域の溶け込み深さの平均深さを調べたところ、低密度領域の溶け込み深さの平均深さよりも深く溶け込んでおり、また、高密度領域の溶け込み深さの平均深さよりも深く溶け込んでいることが分かった。即ち、中間領域の溶け込み深さは、低密度領域の溶け込み深さよりも深く、且つ高密度領域の溶け込み深さよりも深くなっていた。このようにビードの溶け込み深さが深いことによっても機械的強度が高くなると考える。
[部材]
本実施形態に係る金属積層造形体の用途は任意であるが、機械的強度が必要な部位に高密度領域を配置し、比較的低強度でも良い部位に低密度領域を配置した構造物に用いるのが良い。また、空孔率の高い部材の用途の一例として、化学プラントや半導体製造装置などで複雑な管路を形成し、且つ流体の保温や保冷を必要とする配管ユニットがある。このような配管ユニットでは耐食性を必要とする部分と断熱性を必要とする部分が混在している場合があり、ここで空孔率の高い低密度領域は断熱性を発揮することができるので好ましい。よって、強度や耐食性を必要とする部位は高密度領域で形成し、断熱性を必要とする部位は低密度領域で形成した配管用の部材を提供することができる。例えば、図10の模式図で示す部材のように複雑な管路を形成するとき、管路部分については高密度領域で造形し、周囲は低密度領域に造形している。この部材は断熱性を組み合わせることで熱伝導を制御することが可能である。この特性は特に高温ガスや流体配管の流路部に適している。
[実施例1]
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用した金属粉末は、表1に示すNi-Cr-Mo系合金である。まず、以下の4種類の原料粉末を準備し、表1の合金組成(単位:質量%)になるように秤量した。この混合粉末の溶湯から、真空ガスアトマイズ法により金属粉末を製造した。次に、得られた金属粉末に対して、ふるいによる分級を行って粒径を10μm以上53μm以下、平均粒径(d50)を約35μmとなるよう選別した。
粉末積層造形装置(EOS社製EOS M290)を用い、図4の積層造形フローチャートの順番に沿ってSLM法による積層造形物B(積層造形体:10mm×40mm×高さ10mmの角柱材、高さ方向が積層方向)を積層造形した。尚、積層造形時のレーザ出力は、図6に示すプロセスマップ図から狙いの空孔率の造形条件を選定した。本実施例では、発明者による事前検討を基にレーザ出力300Wに設定し、レーザ走査速度は960mm/秒、走査ピッチは0.11mmの条件からエネルギー密度J1を71.0J/mmに設定し、高密度領域の照射条件とした。一方、エネルギー密度J2は、走査速度を1500mm/秒~3500mm/秒の範囲から、また走査ピッチは0.11mmに設定し、10条件のエネルギー密度J2を低密度領域の照射条件とした。また、一層毎の積層厚みは0.04mmに固定し、中間領域の幅は2層分の0.08mmに設定した。表2に照射条件を示す。
(引張強さ、耐力、破断伸びの測定)
上記設定した造形条件にて製造した造形物の高密度領域と中間領域および低密度領域を基に規格試験(ASTM E8)に準拠する引張試験片(平行部直径:3mm、標点間長さ:7mm)を3個作製した。この引張試験片を室温(22℃)で引張試験を実施し、引張強さと0.2%耐力の平均値を求めた。結果を表3に示し、グラフを図9に示す。
[比較例1]
実施例1と同様に、高密度領域をレーザ出力300W、レーザ走査速度は960mm/秒、走査ピッチは0.11mmからエネルギー密度J1を71.0J/mmに設定した。一方、エネルギー密度J2は、レーザ出力300W、レーザ走査速度は4500mm/秒、走査ピッチを0.11mmからエネルギー密度J2を15.2J/mmに設定した。また、実施例1と同様に一層毎の積層厚みは0.04mmに固定し、中間領域の幅は2層分の0.08mmに設定した。照射条件を表2に併記して示す。
次に、実施例1と同様に引張試験を行い、引張強さ、耐力、破断伸びを測定した。測定結果を表3に併記して示す。
[実施例2]
実施例1と同じ金属粉末を用いて、図2の積層造形フローチャートの順番に沿ってSLM法による積層造形物A(積層造形体:10mm×10mm×高さ40mmの角柱材、高さ方向が積層方向)を積層造形した。本実施例では、レーザ出力300W、レーザ走査速度は960mm/秒、走査ピッチを0.11mm、層厚さ0.04mmの条件でエネルギー密度J1を71.0J/mmに設定した。一方、エネルギー密度J2は、レーザ出力300W、レーザ走査速度は2000mm/秒、走査ピッチを0.11mm、層厚さ0.04mmとして、エネルギー密度J2を34.1J/mmに設定した。また、中間領域の厚みは4層相当の0.16mm(実施例2-1)と12層相当の0.48mm(実施例2-2)とした。実施例2-1と実施例2-2のそれぞれの空孔率を調べたところ、高密度領域の空孔率は、0.02%と0.03%、低密度領域の空孔率は1.9%と2.0%、そして中間領域有である。
次に、実施例1と同様に引張試験を行い、引張強さ、耐力、破断伸びを測定した。結果を表3に併記して示す。
[比較例2]
一方、実施例1と同様に、高密度領域をレーザ出力300W、レーザ走査速度は960mm/秒、走査ピッチは0.11mm、層厚み0.04mmからエネルギー密度J1を71.0J/mmに設定した。一方、エネルギー密度J2は、レーザ出力300W、レーザ走査速度は4000mm/秒、走査ピッチを0.11mm、層厚さ0.04mmとして、エネルギー密度J2を17.0J/mmに設定し、高密度領域の上に低密度領域を直接積層し、中間領域を設けない(厚み0mm)造形物を作製した。実施例1と同様に引張試験を行い、引張強さ、耐力、破断伸びを測定した。結果を表3に併記して示す。
表3および図9より、実施例1はいずれも370MPa以上の引張強さと300MPa以上の耐力、および3%以上の破断伸びが得られることを確認した。また、空孔率が35%以上の比較例1では、引張強度と耐力および破断伸びと、いずれも低い値しか得られなかった。なお、引張強度は部材の具体的な使用環境に依存するため、基準の判断は仕様を満足すれば良い。但し、200MPaの引張強度は、金属材料の一般強度確保に必要な値であり、200MPa未満の強度を不合格と判断した。
実施例2-1では、732MPaの引張強さ、600MPaの耐力および7.9%の破断伸びが得られた。また、実施例2-2では、737MPaの引張強さ、590MPaの耐力および10.9%の破断伸びが得られた。実施例2-1および実施例2-2共に良好な機械的強度を保持していることが確認された。なお、積層造形物Aと積層造形物Bとでは、引張方向によって引張強さ等は多少変化するが、中間層領域の厚みは増やしても機械的特性にあまり変化は見られないことが分かった。
一方、中間領域が無い比較例2の場合は、引張強度と耐力と共に100MPa以下、破断伸びは1%以下と、共に低い値しか得られなかった。
上述した実施形態や実施例は、本発明の理解を助けるために説明したものであり、本発明は、記載した具体的な構成のみに限定されるものではない。
100…SLM粉末積層造形装置、101…造形部材、102…ステージ、103…ベースプレート、104…パウダー供給用コンテナ、105…合金粉末、160…リコータ、107…粉末床(層状粉末)、108…レーザ発振器、109…レーザビーム、110…ガルバノメーターミラー、111…未溶融粉末回収用コンテナ、112…2Dスライス形状の凝固層、11…高密度領域、12…低密度領域、13…中間領域

Claims (10)

  1. 金属粉末の供給と、レーザビーム又は電子ビームを熱源とする前記金属粉末の溶融凝固とを繰り返すことにより、三次元形状の積層造形物を得る積層造形物の製造方法であって、
    空孔率が0.5%以下(0を含む)の高密度積層造形領域を形成する第1のステップと、
    空孔率が前記高密度積層造形領域よりも大きく、且つ35%以下の低密度積層造形領域を形成する第2のステップとを有し、
    下記(1)式で規定される、前記第1のステップで適用される熱源エネルギー密度よりも、前記第2のステップで適用される熱源エネルギー密度の方が小さく、
    前記高密度積層造形領域と前記低密度積層造形領域が隣接する境界部に、前記第1のステップで適用される熱源エネルギー密度による凝固層と、前記第2のステップで適用される熱源エネルギー密度による凝固層とを重畳させた中間積層造形領域を形成する第3のステップを有する金属積層造形物の製造方法。
    J=P/(v×a×t) ・・・(1)
    J:熱源エネルギ―密度(J/mm3)、P:レーザビーム又は電子ビームの出力(W)、v:走査速度(mm/s)、a:走査ピッチ(mm)、t:層厚さ(mm)
  2. 前記低密度積層造形領域を形成するときは、前記高密度積層造形領域を形成するときよりも、レーザビーム又は電子ビームの出力を低くする操作、走査速度を速くする操作、走査ピッチを広くする操作、層厚さを厚くする操作、のうち少なくとも一種の操作をとることを特徴とする請求項1に記載の金属積層造形物の製造方法。
  3. 前記低密度積層造形領域を形成するときの走査速度は、前記高密度積層造形領域を形成するときの走査速度の1倍超え4倍未満の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の金属積層造形物の製造方法。
  4. 前記高密度積層造形領域を形成する第1のステップまたは前記低密度積層造形領域を形成する第2のステップの何れかのステップを実行した後、前記第1のステップと第2のステップの間に前記中間積層造形領域を形成する第3のステップを実行することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属積層造形物の製造方法。
  5. 前記高密度積層造形領域を形成する第1のステップと、前記低密度積層造形領域を形成する第2のステップと、前記第1のステップと第2のステップの間に前記中間積層造形領域を形成する第3のステップとを連続して実行することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属積層造形物の製造方法。
  6. 空孔率が0.5%以下(0を含む)の高密度積層造形領域と、空孔率が前記高密度積層造形領域よりも大きく、且つ35%以下の低密度積層造形領域を有し、前記高密度積層造形領域と前記低密度積層造形領域とが隣接する境界部において、前記高密度積層造形領域の凝固層と前記低密度積層造形領域の凝固層とが重畳した凝固層からなる中間積層造形領域を備えることを特徴とする金属積層造形物。
  7. 前記中間積層造形領域の空孔率は、低密度積層造形領域の空孔率よりも小さく、且つ高密度積層造形領域の空孔率以下である、ことを特徴とする請求項6に記載の金属積層造形物。
  8. 前記中間積層造形領域の溶け込み深さは、低密度領域の溶け込み深さよりも深く、且つ高密度積層造形領域の溶け込み深さよりも深い、ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の金属積層造形物。
  9. 請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の金属積層造形物を用いたことを特徴とする部材。
  10. 請求項9に記載の部材を用いた配管用の部材であって、
    前記高密度積層造形領域を部材の内側である流路側に配置し、前記低密度積層造形領域を前記高密度積層造形領域よりも外側に配置した配管用の部材。
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