JP2021030869A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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誠斗 池ケ谷
Makoto Ikegaya
誠斗 池ケ谷
侑利 野口
Fumitoshi Noguchi
侑利 野口
英征 五十嵐
Hidemasa Igarashi
英征 五十嵐
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Abstract

【課題】耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を有する重荷重用空気入りタイヤを提供する。【解決手段】重荷重用空気入りタイヤは、ベルトコートゴムが、NRを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積が、50〜120m2/gであるカーボンブラックを40質量部以上、硫黄を4〜8質量部および有機酸コバルト塩をコバルトとして0.1〜0.3質量部含有し、かつキャップトレッドゴム15の20℃における硬度(cap硬度)と、ベルトコートゴムの20℃における100%モジュラス(ベルトコートゴムM100)とが、下記式を満たす。8≦(cap硬度)/(ベルトコートゴムM100)≦14【選択図】図1

Description

本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を有する重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるとともにキャップトレッドとアンダートレッドとからなるトレッド部から主に構成されている。タイヤの内側にはベルト層およびカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。
一方、トラックまたはバス用タイヤのような重荷重用空気入りタイヤとしては、安全かつ快適な運行が重視されている。そのため重荷重用空気入りタイヤは、雨天時等のウェット路面での発進性(ウェットトラクション性)が求められる。ウェットトラクション性を高めるには、キャップトレッドゴムの硬度を下げる手法があるが、背反性能として操縦安定性が低下する。また、キャップトレッドゴムの歪が増えるため発熱が増加し、キャップトレッドの径方向内側に位置するベルト層の耐久性も悪化するという問題点がある。
なお、重荷重用空気入りタイヤのウェットトラクション性の向上を図る技術としては、例えば特許文献1〜2に開示がある。
特開平6−48122号公報 特開平1−306304号公報
したがって本発明の目的は、耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を有する重荷重用空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、ベルトプライをコートするベルトコートゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトコートゴムの100%モジュラスの比を特定化することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.タイヤ補強層として配置される複数枚のベルトプライと、前記ベルトプライをコートするベルトコートゴムと、前記ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置されるキャップトレッドゴムと、を備える重荷重用空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトコートゴムは、天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、充填剤として窒素吸着比表面積(NSA)が、50〜120m/gであるカーボンブラックを40質量部以上、硫黄を4〜8質量部および有機酸コバルト塩をコバルトとして0.1〜0.3質量部含有し、かつ
前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(cap硬度)と、前記ベルトコートゴムの20℃における100%モジュラス(ベルトコートゴム M100)とが、下記式を満たす
ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
8≦(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)≦14
2.タイヤ径方向内側から外側に向かって2番目に位置するベルトプライのタイヤ幅方向の長さ(2Bベルト長)と、前記キャップトレッドのタイヤ幅方向の長さ(cap長)とが、下記式を満たすことを特徴とする前記1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
(2Bベルト長)/(cap長)>0.55
本発明の重荷重用空気入りタイヤ(以下、単に空気入りタイヤと言うことがある)は、タイヤ補強層として配置される複数枚のベルトプライと、前記ベルトプライをコートするベルトコートゴムと、前記ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置されるキャップトレッドゴムと、を備え、前記ベルトコートゴムは、天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、充填剤として窒素吸着比表面積(NSA)が、50〜120m/gであるカーボンブラックを40質量部以上、硫黄を4〜8質量部および有機酸コバルト塩をコバルトとして0.1〜0.3質量部含有し、かつ前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(cap硬度)と、前記ベルトコートゴムの20℃における100%モジュラス(ベルトコートゴム M100)とが、8≦(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)≦14を満たすことを特徴とするしているので、耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を有する。
上述のように、ウェットトラクション性を高めるには、キャップトレッドゴムの硬度を下げる手法があるが、背反性能として操縦安定性が低下する。また、キャップトレッドゴムの歪が増えるため発熱が増加し、キャップトレッドの径方向内側に位置するベルト層の耐久性も悪化するという問題点があった。本発明では、ベルトプライをコートするベルトコートゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトコートゴムの100%モジュラスの比を特定化することにより、耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を有する重荷重用空気入りタイヤを提供することができる。
ベルトコートゴムが硬すぎると、該ゴムが伸びず破壊の起点となりやすい。逆にベルトコートゴムが軟らかすぎると、該ゴムが動きすぎて操縦安定性が低下し、また歪が大きくなりベルト層の耐久性が悪化する。一方、キャップトレッドゴムが硬すぎると、キャップトレッドがウェット路面に追従できず所望のウェットトラクション性が得られない。逆にキャップトレッドゴムが軟らかすぎると、該ゴムが動きすぎて操縦安定性が低下し、また歪が大きくなり発熱が増加し、ベルト層の耐久性が悪化する。本発明者らは、このような知見を基に検討を重ねた結果、ベルトプライをコートするベルトコートゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトコートゴムの100%モジュラスの比を最適の範囲に設定し、上記課題を解決するに至った。
本発明の重荷重用空気入りタイヤの一例の子午線断面図である。 図1の重荷重用空気入りタイヤの一部拡大図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の空気入りタイヤに用いられるベルトプライは、トレッド部のアンダートレッドのタイヤ径方向内側に、例えばアンダートレッドとカーカス層との間に、複数枚、例えば3〜5枚設けられる。なお、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向を指す。本発明において、1枚のベルトプライの厚みは、例えば1mm〜3mmである。
ベルトプライを構成するコードの種類はとくに制限されず公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維等が挙げられる。
本発明では、ベルトプライをコートするベルトコートゴムの組成が特定される。すなわち、ベルトコートゴムは、天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、充填剤として窒素吸着比表面積(NSA)が、50〜120m/gであるカーボンブラックを40質量部以上、硫黄を4〜8質量部および有機酸コバルト塩をコバルトとして0.1〜0.3質量部含有する。
前記天然ゴムが使用されない場合、前記カーボンブラックの配合割合が40質量部未満の場合、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が、50〜120m/gの範囲外である場合、前記硫黄の配合割合が4〜8質量部の範囲外である場合、および/または、前記有機酸コバルト塩の配合割合がコバルトとして0.1〜0.3質量部の範囲外である場合は、耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を提供するという本発明の効果を奏することができない。
ここで、本発明の効果向上の観点から、下記の形態が好ましい。
(1)前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴム(NR)の割合は60〜100質量部であるのが好ましい。
(2)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記カーボンブラックの配合割合は40〜75質量部が好ましく、45〜65質量部がさらに好ましい。
(3)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は70〜99m/gが好ましい。
(4)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記硫黄の配合割合は4〜8質量部が好ましい。
(5)前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記有機酸コバルト塩はコバルトとして0.15〜0.3質量部が好ましい。
なお本発明でいうNRは、合成イソプレンゴム(IR)を含むものとする。また窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、NR以外にも、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等を併用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明で使用される有機酸コバルト塩は、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ネオデカン酸ホウ酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。また、ホウ素を含む有機酸コバルト塩、例えばオルトホウ酸コバルト等も使用できる。
また、前記ベルトコートゴムには、前記した成分に加えて、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのベルトコートゴムに一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
加硫後の前記ベルトコートゴムの平均厚み(ベルトコートゴムのタイヤ径方向における厚みの平均値)はとくに制限されないが、例えば1mm〜2mmである。
本発明の空気入りタイヤにおけるキャップトレッドゴムは、ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置される。なおタイヤ径方向外側とはタイヤ径方向(空気入りタイヤの回転軸と直交する方向)において回転軸から離れる側をいう。
本発明において、キャップトレッドゴムの組成は、下記で説明する(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)の関係を満たすことができれば、とくに制限されず、適宜選択することができる。
例えば、ジエン系ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種充填剤、カップリング剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛などのキャップトレッドゴムに一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また、本発明の空気入りタイヤにおけるその他の部材、例えばカーカス、ビード部やサイドウォール部等を構成する部材についても、各成分の配合割合はとくに制限されず、適宜選択することができる。
例えばその他の部材のゴム組成物として、ジエン系ゴム、各種充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛等の一般的に配合されている各種成分を配合することができる。また加硫の際は、公知の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤を制限なく使用できる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
加硫後のキャップトレッドゴムの最大厚み(アンダートレッドとの接触面からタイヤ径方向におけるタイヤ表面までの最大長さ)はとくに制限されないが、例えば10mm〜30mmである。
本発明の空気入りタイヤは、前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(cap硬度)と、前記ベルトコートゴムの20℃における貯蔵弾性率(ベルトコートゴム M100)とが、下記式を満たすことが必要である。
8≦(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)≦14
すなわち、(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)が8〜14の範囲であることにより、耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を有する空気入りタイヤを提供できる。
本発明で言う前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(cap硬度)は、JIS K6253に準拠し、デュロメータのタイプAにより温度20℃で測定されたゴム硬度である。
また本発明で言う前記ベルトコートゴムの20℃における100%モジュラス(ベルトコートゴム M100)は、JIS K6251に準拠し、20℃、500mm/分にて引張り試験を行い100%伸長時の応力を測定した値(MPa)とする。
前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(cap硬度)の調整は、例えば可塑剤、充填剤、加硫剤または架橋剤の増減により可能である。
また、前記ベルトコートゴムの20℃における100%モジュラス(ベルトコートゴム M100)の調整は、例えば可塑剤、充填剤、加硫剤または架橋剤の増減により可能である。
なお本発明の効果が一層向上するという観点から、前記(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)は、9〜12であることが好ましい。
また、前記(cap硬度)は60〜70であることが好ましく、前記(ベルトコートゴム M100)は、5〜7であることが好ましい。
また本発明の効果向上の観点から、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ径方向内側から外側に向かって2番目に位置するベルトプライのタイヤ幅方向の長さ(2Bベルト長)と、前記キャップトレッドのタイヤ幅方向の長さ(cap長)とが、下記式を満たすことが好ましい。
(2Bベルト長)/(cap長)>0.55
図1は、本発明の空気入りタイヤの一例の子午線断面図である。なお、符号CLは、タイヤ赤道面である。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。
この空気入りタイヤ1は、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、キャップトレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16とを備える。
一対のビードコア11、11は、環状構造を有し、左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、下ビードフィラー121および上ビードフィラー122からなる。
カーカス層13は、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13は、スチールあるいは有機繊維材(例えば、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)からなる複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。
ベルト層14は、ベルトプライとこれをコートするベルトコートゴムからなり、図1の形態では複数のベルト層が積層され、タイヤ径方向内側から外側に向かって、1番ベルト141、2番ベルト142、3番ベルト143、4番ベルト144および5番ベルト145が存在している。
キャップトレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外側に配置され、一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。
本発明において、(2Bベルト長)は、図1に示すように2番ベルト142のタイヤ幅方向の長さに相当し、(cap長)は、点P間のタイヤ幅方向の長さに相当する。
図2は、図1の空気入りタイヤの一部拡大図であり、(2Bベルト長)および(cap長)の具体的な測定方法を説明している。図1の形態では、幾つかのベルト層の端部がタイヤ径内側に湾曲しているが、本発明で言う(2Bベルト長)は、図2に示すように、2番ベルト142の湾曲を水平方向に修正し、破線で示される仮想2番ベルト142’の端部から、タイヤ幅方向のもう一方の端部までの長さを、(2Bベルト長)と定義する。また、点Pは、仮想2番ベルト142’の上面、すなわちキャップトレッドゴム15に向いた水平面を、タイヤ幅方向に平行に延ばした仮想線Lとキャップトレッドゴム15との接点を点Pと定義する。
前記(2Bベルト長)/(cap長)は、0.6〜0.8がさらに好ましい。
また本発明の空気入りタイヤは、従来の空気入りタイヤの製造方法に従って製造が可能である。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜3および比較例1〜5
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を16リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、各種ベルトコートゴム組成物を得た。
次に、キャップトレッドゴムを常法にしたがい調製し、可塑剤の量を増減することにより、表1に示す各種硬度を有するキャップトレッドゴムを得た。
(cap硬度)および(ベルトコートゴム M100)は、上記のようにして測定した。また、(2Bベルト長)および(cap長)を測定した。結果を表1に示す。
前記ベルトコートゴムと、前記キャップトレッドゴムとを組み込み、タイヤサイズ275/80R22.5 151/148Jの各種試験タイヤを製造した。またベルトコートゴムおよびキャップトレッドゴム以外の各部材の条件は、各種試験タイヤ間で同一とした。
得られた各種試験タイヤについて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
ウェットトラクション性:試験タイヤを12770ccの排気量の試験車両(トラクタヘッド)に装着し、空気圧をフロント900kPa、リヤ900kPaに調整し、水深1mmの舗装路面上を走行させ、時速6〜21km/hの加速時における後輪のスリップ率を計測した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、ウェットトラクション性に優れることを意味する。
操縦安定性:上記試験車両を用い、舗装路からなるテストコースにおいてテストドライバーによる官能評価を実施した。評価は5段階評価とし、「3」点を基準とし、相対評価した。
5:「3」点に対し、操縦安定性に顕著な向上が見られる。
4:「3」点に対し、操縦安定性に向上が見られる。
3:基準
2:「3」点に対し、操縦安定性に劣っていた。
1:「3」点に対し、操縦安定性に顕著に劣っていた。
タイヤ耐久性(耐ベルトエッジセパ性):下記に示す方法により測定した。
各試験タイヤを標準リム(リムサイズ19.5−4.0)に組み付けて、空気圧を700kPaとして、室内ドラム試験機に取り付け、初期速度5km/h、初期荷重をJATMA規定の最大荷重の60%とし、36時間毎に速度を2km/hずつ増加し、12時間毎に荷重を最大荷重の120%に達するまで最大荷重の10%ずつ増加し、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど、タイヤが破壊するまでの走行距離が長く、タイヤ耐久性に優れることを意味する。
Figure 2021030869
*1:NR(RSS#3)
*2:SBR(日本ゼオン(株)製NIPOL 1502)
*3:カーボンブラックHAF(キャボットジャパン社製ショウブラックN330、NSA=73m/g)
*4:カーボンブラックSAF(東海カーボン(株)製シースト9M、NSA=140m/g)
*5:酸化亜鉛(正同化学社製 酸化亜鉛3種)
*6:有機酸コバルト塩(ローディア社製マノボンドC22.5(ホウ酸を含有する有機酸コバルト塩))
*7:老化防止剤(フレキシス社製サントフレックス 6PPD)
*8:加硫促進剤(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーNS−P)
*9:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT−20)
上記の表1から明らかなように、実施例1〜3で調製された空気入りタイヤは、ベルトプライをコートするベルトコートゴムの組成、およびキャップトレッドゴムの硬度とベルトコートゴムの100%モジュラスの比を特定化したので、比較例に比べ、耐久性および操縦安定性を維持しながら優れたウェットトラクション性を有する。
比較例2は、カーボンブラックの配合量および(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)が本発明で規定する範囲外であるので、操縦安定性およびタイヤ耐久性が悪化した。
比較例3は、(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)が本発明で規定する上限を超えているので、ウェットトラクション性およびタイヤ耐久性が悪化した。
比較例4は、(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)が本発明で規定する下限未満であるので、操縦安定性およびタイヤ耐久性が悪化した。
比較例5は、有機酸コバルト塩の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、タイヤ耐久性が悪化した。
1 重荷重用空気入りタイヤ
11 ビードコア
12 ビードフィラー
121 下ビードフィラー
122 上ビードフィラー
13 カーカス層
14 ベルト層
141 1番ベルト
142 2番ベルト
143 3番ベルト
144 4番ベルト
145 5番ベルト
15 キャップトレッドゴム
16 サイドウォールゴム

Claims (2)

  1. タイヤ補強層として配置される複数枚のベルトプライと、前記ベルトプライをコートするベルトコートゴムと、前記ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置されるキャップトレッドゴムと、を備える重荷重用空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルトコートゴムは、天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、充填剤として窒素吸着比表面積(NSA)が、50〜120m/gであるカーボンブラックを40質量部以上、硫黄を4〜8質量部および有機酸コバルト塩をコバルトとして0.1〜0.3質量部含有し、かつ
    前記キャップトレッドゴムの20℃における硬度(cap硬度)と、前記ベルトコートゴムの20℃における100%モジュラス(ベルトコートゴム M100)とが、下記式を満たす
    ことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
    8≦(cap硬度)/(ベルトコートゴム M100)≦14
  2. タイヤ径方向内側から外側に向かって2番目に位置するベルトプライのタイヤ幅方向の長さ(2Bベルト長)と、前記キャップトレッドのタイヤ幅方向の長さ(cap長)とが、下記式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
    (2Bベルト長)/(cap長)>0.55
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