JP2021030180A - Voc除去用触媒の製造方法及びvoc除去用触媒並びにvoc除去方法 - Google Patents

Voc除去用触媒の製造方法及びvoc除去用触媒並びにvoc除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な方法で製造でき、低温で処理してもVOCの除去効率に優れるVOC除去用触媒を製造する方法及びVOC除去用触媒並びにVOC除去方法を提供する。
【解決手段】本発明のVOC除去用触媒の製造方法は、銅フォームを電解酸化処理する工程1と、工程1で電解酸化処理された銅フォームを、Ce(セリウム)を含む溶液中で電着処理を行う工程2−1と、電着処理された銅フォームを焼成処理する工程3とを備える。本発明のVOC除去用触媒は、銅フォーム上に触媒が担持されたVOC除去用触媒であって、前記触媒は、銅を含むナノワイヤと、酸化セリウムとを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、VOC除去用触媒の製造方法及びVOC除去用触媒並びにVOC除去方法に関する。
VOCは、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略称であり、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、酢酸エチル、メタノール及びジクロロメタン等が知られている。このようなVOCは、溶剤、接着剤、化学品原料等に広く利用されている反面、VOCは、光化学オキシダント、あるいは、浮遊粒子状物質(SPM)の原因になると指摘されていることから、大気汚染防止法によりその排出量が厳しく規制されている。このため、VOC排出量をさらなる低減すべく、VOCをより効率良く除去する技術の確立が望まれている。これまでにも種々のVOC除去方法が提案されている。VOCの排出対策技術は、大別すると、(1)回収・再生方式;(2)密閉方式;(3)燃焼・分解方式;(4)物質代替方式の4方式に分類できる。
燃焼・分解方式は、VOCを二酸化炭素や水などに分解することによって、VOCを処理する。従来型の塗装や印刷などに代表されるように、物質や成分比の異なる複数のVOCを使用する場合は、VOCを回収・再生しても、これを再利用する利点が少ないので、燃焼・分解方式が現実的であるといえる。
燃焼・分解方式の中でも特に、燃焼によってVOCを分解する方法は、日本では1960年頃から行われている。燃焼方法としては、例えば、直接燃焼法、触媒燃焼法、蓄熱燃焼法が知られている。中でも触媒燃焼法とは、白金、パラジウム等を担持した触媒を用いてVOCを200〜350℃の低温下で酸化分解する方法である。この方法で使用するVOC除去装置の特徴は、低温で運転ができる点、小型軽量化しやすい点、爆発危険性が少ない点、サーマルNOxの副生がない点等が挙げられる。
しかし、触媒燃焼法では、触媒劣化の程度が把握しにくい等の課題もあることから、被毒されにくく寿命の長い新触媒の開発や、耐熱性の向上及び低コスト化等の観点からの触媒の開発が進められている。最近では白金などの高価な貴金属を使用しない安価な触媒も提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
Applied Catalysis B: Environmental 104 (2011) 144-150
しかしながら、近年、VOC除去用触媒の分野においては、より優れたVOC除去性能を有する触媒の開発が望まれており、また、そのような触媒を簡便な方法で製造することが望まれていた。特に低温で処理してもVOCの除去効率に優れるVOC除去用触媒が強く要望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡便な方法で製造でき、VOCの除去効率に優れるVOC除去用触媒を製造する方法及びVOC除去用触媒並びにVOC除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、電解酸化処理した銅フォームを、Ce(セリウム)を含む溶液中で電着処理を行うことにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
VOC除去用触媒の製造方法であって、
銅フォームを電解酸化処理する工程1と、
工程1で電解酸化処理された銅フォームを、Ce(セリウム)を含む溶液中で電着処理を行う工程2−1と、
電着処理された銅フォームを焼成処理する工程3と、
を備える、VOC除去用触媒の製造方法。
項2
前記工程3の前に、前記工程2−1で電着処理された銅フォームを、セリウム以外の金属M1を含む溶液中で電着処理を行う工程2−2をさらに備え、
前記金属M1がAg,Ni,Cu,Mo,W,Ti,Zn,Cr,Al,Mg,La,Pt,Ru,Pd及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、項2に記載の製造方法。
項3
銅フォーム上に触媒が担持されたVOC除去用触媒であって、
前記触媒は、銅を含むナノワイヤと、酸化セリウムとを含有する、VOC除去用触媒。
項4
前記触媒はさらに金属M1を含有し、
前記金属M1がAg,Ni,Cu,Mo,W,Ti,Zn,Cr,Al,Mg,La,Pt,Ru,Pd及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、項3に記載のVOC除去用触媒。
項5
項1又は2に記載の製造方法で得られたVOC除去用触媒、あるいは、項3又は4に記載のVOC除去用触媒を用いてVOCを除去する工程を備える、VOCの除去方法。
本発明のVOC除去用触媒の製造方法によれば、VOC除去用触媒を簡便な方法で製造することができ、得られたVOC除去用触媒によれば、VOCを効率よく除去することができる。
本発明のVOC除去用触媒によれば、VOCを効率よく除去することができる。
銅フォームの電気化学的酸化処理の方法を説明する概略図である。 VOC除去用触媒の評価試験方法のフローを示す概略図である。 実施例1,2、比較例1及び参考例1で得たVOC除去用触媒のSEM画像を示している。 各実施例及び参考例で得たVOC除去用触媒のXRDスペクトルを示している。 実施例及び参考例で得られたVOC除去用触媒によるVOC除去試験の結果を示している。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.VOC除去用触媒の製造方法
本発明のVOC除去用触媒の製造方法は、銅フォームを電解酸化処理する工程1と、工程1で電解酸化処理された銅フォームを、Ce(セリウム)を含む溶液中で電着処理を行う工程2−1と、電着処理された銅フォームを焼成処理する工程3とを備える。
本発明の製造方法は、工程1、工程2−1及び工程3を少なくとも含むことで、VOC除去用触媒を簡便な方法で製造することができ、得られたVOC除去用触媒を用いることで、例えば、低温でVOCを処理することができる。従って、本発明の製造方法で得られるVOC除去用触媒は、VOCの除去効率が優れる。
工程1は、銅フォームを電解酸化処理する工程である。斯かる工程1により、銅フォームの表面が酸化され、例えば、銅フォーム表面上に酸化銅が形成される。酸化銅は、例えば、ナノワイヤ状に形成される。
工程1で使用する銅フォームは、銅を主体とする基材であって、導電性を有し、かつ、多孔質に形成された基材である。銅フォームは、VOC除去用触媒作用を有する触媒を保持する役割を果たす。銅フォームの形状は特に限定されず、例えば、板状、線状、棒状、メッシュ状等の形状に形成される。なお、銅フォームには、本発明の効果が得られる範囲内で、他の成分(例えば、不可避的に混入する金属等の元素)が含まれていてもよい。
電着工程で使用する銅フォームは公知の方法で得ることができ、あるいは、市販品等から銅フォームを入手することもできる。
工程1において、銅フォームを電解酸化処理(電気化学的酸化処理)する方法は特に限定されず、例えば、公知の電気酸化の方法を適用することができる。一例として、定電流法による電気酸化を挙げることができる。
図1は、銅フォームを電解酸化処理する方法を説明する概略図であって、定電流法によって銅フォーム(2cm角)上に銅を含むナノワイヤ(酸化銅のナノワイヤ)を形成する様子を模式的に示している。
定電流法で銅フォーム上にナノワイヤを形成する場合、図1に示すように、作用電極(Working Electrode)、対電極(Counter electrode)、参照電極(Reference electrode)及び電解液を備えた電解装置を使用することができる。作用電極としては、ナノワイヤを形成させるための銅フォームを使用することができる。対電極としては、例えば、公知の不溶性電極を使用することができ、炭素、白金族金属、金などを素材とする電極が挙げられる。白金族金属としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、及びイリジウムが挙げられ、中でも白金が好ましい。対電極に含まれる白金族金属は、上記した金属種を1種単独で又は2種以上含んでいてもよい。また、白金族金属は、合金、金属酸化物等の状態で含まれていてもよい。参照電極としては、銀/塩化銀電極(Ag/AgCl電極)、水銀/塩化水銀電極(Hg/HgCl電極)、標準水素電極などを使用することができる。
電解液の種類も特に限定されず、定電流法で使用され得る公知の電解液を広く使用することができ、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を使用することができる。電解液がアルカリ水溶液である場合、その濃度は特に限定されず、例えば、2〜6Mとすることができる。
定電流法による電気酸化の条件(電流、電圧、電解時間等)も特に限定されず、公知の定電流法の条件を広く適用することができる。例えば、電流は50〜100mA、処理時間は500〜1500秒とすることができる。
定電流法により、図1に示すように、銅フォーム上に酸化銅のナノワイヤが形成される。ナノワイヤの大きさは特に限定されず、例えば、直径は1〜150nm程度とすることができる。
銅フォーム上に酸化銅のナノワイヤが形成されることで、後記するCeの酸化物がより均一に銅フォーム上に形成されやすくなり、これにより、得られるVOC除去用触媒の触媒活性が高まる。この結果、得られるVOC除去用触媒はVOC除去効率に優れる。
工程2−1は、工程1で電解酸化処理された銅フォームを、Ce(セリウム)を含む溶液中で電着処理を行うための工程である。斯かる工程2−1により、銅フォーム上にセリウムの酸化物が形成される。
工程2−1の電着処理で使用するCeを含む溶液は、種々の方法により調製することができる。例えば、セリウムを含む化合物と、溶媒とを混合することで、Ceを含む溶液を調製することができる。セリウムを含む化合物は、例えば、セリウムの塩化物、セリウムのハロゲン化物、セリウムの無機酸塩、セリウムの有機酸塩等を広く使用することができる。セリウムを含む化合物は水和物であってもよい。
セリウムの無機酸塩としては、セリウムの硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩及びリン酸水素塩等からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができる。セリウムの無機酸塩は、異なる2種以上のアニオンを含むこともできる(例えば、硫酸アンモニウムセリウム等)。
セリウムの有機酸塩としては、セリウムの酢酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、コハク酸塩等からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができる。
セリウムを含む化合物としては、水等の溶媒に溶解しやすく、電着処理が容易であるという点で、セリウムの硝酸塩、セリウムの硫酸塩、セリウムの塩化物等であることが好ましく、セリウムの硝酸塩であることがより好ましい。セリウムの硝酸塩としては、硝酸セリウム(III)(Ce(NO・6HO)が例示され、セリウムの硫酸塩としては、硫酸セリウム(III)五水和物、硫酸セリウム(IV)、硫酸セリウム(IV)アンモニウム等を例示でき、セリウムの塩化物としては塩化セリウム(III)等を例示できる。
セリウムを含む化合物は、1種単独で使用してもよく、あるいは異なる2種以上を併用することが可能である
セリウムを含む化合物は、公知の製造方法で得ることができるし、あるいは、市販品等から金属化合物を入手することもできる。
Ceを含む溶液において、溶媒は、例えば、水、あるいは、水と低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール等の炭素数1〜4のアルコール)との混合物を使用することができ、特に好ましくは、水である。水は、蒸留水、水道水、工業用水、イオン交換水、脱イオン水、純水、電解水などの各種の水を用いることができる。溶媒には、本発明の効果が阻害されない限り、pH調整剤、粘度調整剤、防かび剤等を含有していてもよい。
Ceを含む溶液の濃度は特に限定されず、例えば、Ceを含む溶液の全量中、Ceを含む化合物の濃度を0.005〜5Mの範囲とすることができ、好ましくは0.01〜0.1Mとすることができる。
工程2−1において、電着処理の方法は特に限定されず、公知の電着処理の方法を広く採用することができる。例えば、Ceを含む溶液に前記工程1で得た銅フォームを浸漬し、電着処理を実施することができる。工程2−1では、銅フォームをアノードとして使用して、電着処理を行うことができる。
工程2−1の電着処理では、各種の電着法を採用することができる。電着法としては、定電流法(GM)、定電圧法(PM)、サイクリックボルタンメトリー法(CV)、パルス電着処理法などの電着処理方法などが挙げられる。パルス電着処理法は、金属イオンの電着速度を制御できる電着処理法であり、例えば、高端電圧と低端電圧とを一定周期で印加するパルス電圧法(PPM)、高端電流と低端電流とを一定周期で印加するパルス電流法(PGM)、高端電圧の印加と開回路状態とを一定周期で繰り返し行う単極性パルス電圧法(UPED)などが挙げられる。
工程2−1での電着法は、パルス電着処理法が好ましく、中でも単極性パルス電圧法(UPED)がより好ましい。
工程2−1での電着処理における電着法として、単極性パルス電圧法(UPED)を採用する場合、単極性パルス電圧法の条件としては特に制限されない。例えば、印加電圧として−0.6〜1.8V、定電流は、例えば、0〜15mA、パルスのオン/オフ時間は0.5〜1秒、サイクル回数は100〜1000の条件を採用することができ、より具体的な例としては、印加電圧が−1V、定電流は10mA、オン/オフ時間が1s、パルス印加回数1000回の条件にて単極性パルス電圧法を行うことができる。銅フォームは、例えば、2cm角であることが好ましい。
工程2−1での電着処理を行う際の水溶液の温度は特に制限されず、例えば0〜50℃程度、好ましくは20〜30℃とすることができる。
工程2−1において、電着処理は、アノードの他、カソード、参照電極、電解装置、電源、制御ソフトウェア等を使用することができる。これらの種類は、特に制限されず、目的に応じて公知のものを使用することができる。例えば、参照電極としては、銀/塩化銀電極(Ag/AgCl電極)、水銀/塩化水銀電極(Hg/HgCl電極)、標準水素電極などを使用することができる。
電着処理で使用するカソードとしては、例えば、公知の不溶性電極を使用することができる。カソードとしては、例えば、炭素、白金族金属、金などを素材とする電極を用いることができる。白金族金属としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、及びイリジウムが挙げられ、中でも白金が好ましい。カソードに含まれる白金族金属は、上記した金属種を1種単独で又は2種以上含んでいてもよい。また、白金族金属は、合金、金属酸化物等の状態で含まれていてもよい。
カソードの形状は特に制限されず、使用目的や要求される性能により適宜選択することができる。形状としては、例えば、金属線、シート状、板状、棒状、メッシュ状などが挙げられる。具体的には、螺旋状白金線、白金板などを例示することができる。
電着処理において、溶液のpHは特に制限されず、例えば6未満、好ましくは2〜5程度、より好ましくは3〜4程度である。
工程2−1における電着処理によって、銅フォーム上にセリウムの水酸化物が形成される。具体的には、銅フォームに形成されているナノワイヤ状の酸化銅の表面にセリウムの水酸化物が形成される。この水酸化物は、後の工程3での焼成処理により、酸化物へと変化する。
本発明の製造方法は、工程2−1の後、工程3の前に、前記工程2−1で電着処理された銅フォームを、セリウム以外の金属M1を含む溶液中で電着処理を行う工程2−2をさらに備えることができる。この場合、前記金属M1は、セリウム以外であって、Ag,Ni,Cu,Mo,W,Ti,Zn,Cr,Al,Mg,La,Pt,Ru,Pd及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である。
金属M1は、Agの他、Pt,Au,Ru,Pd,Ir等の貴金属、Mn,Fe,Co,V等の遷移金属のいずれか1種以上であることが好ましく、Agであることが特に好ましい。例えば、AgがCe(OH)表面にドーピングされると、Ag+Ce3+=Ag+Ce4+の反応が起こることで触媒性能が高められる。つまり、AgがCe(OH)表面にドーピングされることで、金属イオン間の電子移動により金属Agが生成し、結果として、触媒性能が高められる。念のための注記に過ぎないが、Ag以外の他の上記各金属であっても、銀の場合と同じ現象が生じ得ることは容易に理解できる。
工程2−2の電着処理で使用する金属M1を含む溶液は、種々の方法により調製することができる。例えば、金属M1を含む化合物と、溶媒とを混合することで、金属M1を含む溶液を調製することができる。金属M1を含む化合物は、例えば、金属M1の塩化物、金属M1のハロゲン化物、金属M1の無機酸塩、金属M1の有機酸塩等を広く使用することができる。金属M1を含む化合物は水和物であってもよい。
金属M1の無機酸塩としては、金属M1の硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩及びリン酸水素塩等からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができる。金属M1の無機酸塩は、異なる2種以上のアニオンを含むこともできる(例えば、硫酸アンモニウムセリウム等)。
金属M1の有機酸塩としては、金属M1の酢酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、コハク酸塩等からなる群より選ばれる1種以上を挙げることができる。
金属M1を含む化合物としては、水等の溶媒に溶解しやすく、電着処理が容易であるという点で、金属M1の硝酸塩、金属M1の硫酸塩、金属M1の塩化物等であることが好ましく、金属M1の硝酸塩であることがより好ましい。金属M1の硝酸塩としては、硝酸銀が例示される。金属M1の有機酸塩としては、酢酸銀(I)が例示される。金属M1の硫酸塩としては硫酸銀(I)が例示される。
金属M1を含む化合物は、1種単独で使用してもよく、あるいは異なる2種以上を併用することが可能である。
金属M1を含む化合物は、公知の製造方法で得ることができるし、あるいは、市販品等から金属化合物を入手することもできる。
金属M1を含む溶液において、溶媒は、例えば、水、あるいは、水と低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール等の炭素数1〜4のアルコール)との混合物を使用することができ、特に好ましくは、水である。
金属M1を含む溶液の濃度は特に限定されず、例えば、金属M1を含む溶液の全量中、金属M1を含む化合物の濃度を0.0005〜0.1Mの範囲とすることができ、好ましくは0.005〜0.05Mとすることができる。
工程2−2において、電着処理の方法は特に限定されず、公知の電着処理の方法を広く採用することができる。例えば、金属M1を含む溶液に前記工程2−1で得た銅フォームを浸漬し、電着処理を実施することができる。工程2−2の電着処理では、工程2−1の電着処理同様、銅フォームをアノードとして使用して、電着処理を行うことができる。
工程2−2の電着処理では、各種の電着法を採用することができる。電着法としては、定電流法(GM)、定電圧法(PM)、サイクリックボルタンメトリー法(CV)、パルス電着処理法などの電着処理方法などが挙げられる。工程2−2の電着処理は、定電圧法(PM)がより好ましい。
工程2−2での電着処理における電着法として、定電圧法(PM)を採用する場合、その条件としては特に制限されず、公知の定電圧法(PM)を広く採用することができる。例えば、定電圧法(PM)において、電位は−2.0〜−0.1Vとすることができ、電着時間は10〜500秒とすることができる。
工程2−2において、電着処理を行う際の水溶液の温度は特に制限されず、例えば0〜50℃程度、好ましくは20〜30℃とすることができる。
工程2−2において、電着処理は、アノードの他、カソード、参照電極、電解装置、電源、制御ソフトウェア等を使用することができ、これらは工程2−1における電着処理と同様とすることができる。
工程2−2での電着処理において、溶液のpHは特に制限されず、例えば6未満、好ましくは2〜5程度、より好ましくは3〜4程度である。
工程2−2における電着処理によって、銅フォーム上に金属M1が形成される。具体的には、前工程である工程2−1において銅フォーム上に形成されたセリウムの水酸化物の表面に金属M1が形成される。金属M1は、例えば、ナノ粒子の状態でセリウムの水酸化物表面をさらに被覆するように形成され得る。
工程3は、電着処理された銅フォームを焼成処理するための工程である。工程3では、工程2−1で電着処理された銅フォーム、又は、工程2−2で電着処理された銅フォームの焼成処理を行う。
工程3において、焼成処理の方法は特に限定的ではなく、公知の焼成方法を広く採用することができる。例えば、焼成処理の温度は、100℃以上とすることができ、150〜450℃とすることが好ましく、200〜400℃とすることがより好ましい。焼成時間は、焼成温度によって適宜選択すればよく、例えば、1.5〜5時間とすることができる。工程3において、焼成を行う際の昇温速度も特に限定されず、適宜設定することができる。
工程3の焼成処理を行う前に必要に応じて、工程2−1又は2−2で電着処理された銅フォームを、空気中又は真空中で50℃〜150℃で乾燥処理を行うこともできる。
焼成処理は、空気中及び不活性ガス雰囲気中のいずれで行ってもよい。好ましくは、空気中で焼成処理を行うことである。焼成処理は、例えば、市販の加熱炉等の公知の加熱装置を使用することができる。
工程3での焼成処理によって、銅フォーム上のセリウムの水酸化物が焼成され、セリウムの酸化物に変化し、目的のVOC除去用触媒として得ることができる。
本発明の製造方法では、酸化銅のナノワイヤに酸化セリウムを均一に担持することができるので、VOCを効率よく分解・除去することが可能となる。また、工程2−2のように電着処理を利用することから、金属M1も均一に分布しやすく、加えて、含浸法を使用して製造した場合に比べて粗大粒子の発生も抑制することができる。
さらに、本発明の製造方法では、電着工程を備えることで、従来の化学合成法に比べて合成時間を短縮することができる。従来の化学合成法では、反応時間が長い上に反応温度も高くする必要があり、また、反応後は洗浄が必要であったのに対して、電着工程を備える本発明の製造方法では、反応時間が短く、反応後の洗浄等も必ずしも必要でない。また、本発明の製造方法では、従来の化学合成法で必要であった合成後の造粒工程も不要になるので、これによっても全体の製造時間が従来よりも短縮され、得られた生成物をそのままVOC除去用触媒として使用することができる。
2.VOC除去用触媒
本発明のVOC除去用触媒は、銅フォーム上に触媒が担持されており、前記触媒は、銅を含むナノワイヤと、酸化セリウムとを含有する。斯かるVOC除去用触媒は、例えば、前述の工程1、工程2−1及び工程3を備える製造方法によって製造することができる。VOC除去用触媒において、銅フォームの種類は、本発明の製造方法で使用する銅フォームの種類と同様である。
銅フォーム上に形成される銅を含むナノワイヤは、前述の通り、酸化銅のナノワイヤである。本発明のVOC除去用触媒において、酸化セリウムは、例えば、前記ナノワイヤの表面を被覆するように形成される。
銅フォーム上に形成されている触媒は、さらに金属M1を含有することができる。ここで、金属M1は、前述の本発明のVOC除去用触媒の製造方法における金属M1と同様である。従って、本発明のVOC除去用触媒において、前記金属M1は、セリウム以外であって、Ag,Ni,Cu,Mo,W,Ti,Zn,Cr,Al,Mg,La,Pt,Ru,Pd及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である。金属M1は、Agであることが特に好ましい。
金属M1は、例えば、セリウムの酸化物表面をさらに被覆するように形成され得る。具体的には、金属M1はナノ粒子を形成しており、この状態で金属M1はセリウムの酸化物表面に存在する。
触媒に金属M1を含有させるには、前述の工程2−2を工程2−1の後であって工程3の前に行えばよい。
銅フォーム上に担持される触媒において、Ceと金属M1の含有比率は特に限定されず、例えば、Ce:金属M1のモル比で15:1〜60:1とすることができる。
本発明のVOC除去用触媒は、酸化銅のナノワイヤに酸化セリウムが均一に担持されている。また、ナノワイヤに酸化セリウムが担持されることで、触媒反応時の流通ガスとの接触表面積を増大させることもでき、VOCを効率よく分解・除去することが可能となる。また、本発明のVOC除去用触媒は、酸化セリウム及び金属M1が均一に分布しやすく、加えて粗大粒子も存在しにくい。
3.VOC除去方法
本発明のVOC除去方法は、前記本発明の製造方法で得られたVOC除去用触媒を用いてVOCを除去する工程を備える。あるいは、本発明のVOC除去方法は、前記本発明のVOC除去用触媒を用いてVOCを除去する工程を備える。
例えば、本発明のVOC除去用触媒を容器内に収容し、該容器にトルエン等のVOCを導入し、所定の温度で処理することで、VOCを燃焼する。これにより、VOCを除去することができる。必要に応じて、容器内には窒素及び酸素の一方又は両方を流入させることができ、窒素及び酸素の一方又は両方の存在下でVOCを燃焼させることができる。容器の種類は特に限定されず、例えば、VOCの触媒燃焼で使用される公知の容器を広く使用することができる。
容器内でのVOCの処理温度は特に限定されず、公知のVOCの除去のために設定される処理温度と同様とすることができる。特に本発明では、上記VOC除去用触媒を使用することで、低温であってもVOC除去効率に優れることから、例えば、350℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは290℃以下、さらに好ましくは280℃以下でVOCを処理することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
銅フォーム(2.0cm×2.0cm)を40mLの3MKOH水溶液に浸漬し、80mAの定電流を1200秒間印加し、銅フォーム表面を電解酸化した(工程1)。電解酸化後の銅フォームは蒸留水で洗浄した。次いで、電解酸化した銅フォームを0.05MのCe(NO・6HO水溶液100mLに浸漬し、ユニポーラーパルス電着(UPED)法により、電着処理を行った。電着処理は、印加電圧−1V、オン−オフ周期1秒、パルス印加回数1000回の条件とした(工程2−1)。このように電着処理した銅フォームを蒸留水で洗浄して80℃で終夜乾燥した。その後、この銅フォームを、電気炉中、空気雰囲気下にて昇温速度5℃/minで350℃まで昇温し、この温度にて2時間保持して焼成した(工程3)。これによりVOC除去用触媒を得た。得られたVOC除去用触媒を「Ce/Cu foam」と表記した。
(実施例2)
銅フォーム(2.0cm×2.0cm)を40mLの3MKOH水溶液に浸漬し、80mAの定電流を1200秒間印加し、銅フォーム表面を電解酸化した(工程1)。電解酸化後の銅フォームは蒸留水で洗浄した。次いで、電解酸化した銅フォームを0.05MのCe(NO・6HO水溶液100mLに浸漬し、ユニポーラーパルス電着(UPED)法により、電着処理を行った。電着処理は、印加電圧−1V、オン−オフ周期1秒、パルス印加回数1000回の条件とした(工程2−1)。この電着処理した銅フォームを蒸留水で洗浄して80℃で終夜乾燥した後、0.01MのAgNO水溶液中にて定電圧法(PM)により、Agの電着処理を行った(工程2−2)。この電着処理は、印加電圧−0.6V、印加時間を20秒間とした。このように電着処理した銅フォームを蒸留水で洗浄して80℃で終夜乾燥した。その後、この銅フォームを、電気炉中、空気雰囲気下にて昇温速度5℃/minで350℃まで昇温し、この温度にて2時間保持して焼成した(工程3)。これによりVOC除去用触媒を得た。得られたVOC除去用触媒を「20Ag−Ce/Cu foam」と表記した。
(実施例3)
Agの電着処理において、印加時間を40秒間に変更したこと以外は実施例2と同様の方法でVOC除去用触媒を得た。得られたVOC除去用触媒を「40Ag−Ce/Cu foam」と表記した。
(実施例4)
Agの電着処理において、印加時間を60秒間に変更したこと以外は実施例2と同様の方法でVOC除去用触媒を得た。得られたVOC除去用触媒を「60Ag−Ce/Cu foam」と表記した。
(実施例5)
Agの電着処理において、印加時間を80秒間に変更したこと以外は実施例2と同様の方法でVOC除去用触媒を得た。得られたVOC除去用触媒を「80Ag−Ce/Cu foam」と表記した。
(比較例1)
酸化銅のナノワイヤが形成されていない銅フォーム(2.0cm×2.0cm)を0.05MのCe(NO・6HO水溶液100mLに浸漬し、ユニポーラーパルス電着(UPED)法により、電着処理を行った。電着処理は、印加電圧−1V、オン−オフ周期1秒、パルス印加回数1000回の条件とした(工程2−1)。このように電着処理した銅フォームを蒸留水で洗浄して80℃で終夜乾燥した。その後、この銅フォームを、電気炉中、空気雰囲気下にて昇温速度5℃/minで350℃まで昇温し、この温度にて2時間保持して焼成した(工程3)。これによりVOC除去用触媒を得た。得られたVOC除去用触媒を「Ce/Cu foam without oxidation」」と表記した。
(参考例1)
銅フォーム(2.0cm×2.0cm)を40mLの3MKOH水溶液に浸漬し、80mAの定電流を1200秒間印加し、銅フォーム表面を電解酸化した(工程1)。電解酸化後の銅フォームは蒸留水で洗浄した。次いで、電解酸化した銅フォームを0.05MのCe(NO・6HO水溶液100mLに浸漬し、ユニポーラーパルス電着(UPED)法により、電着処理を行った。電着処理は、印加電圧−1V、オン−オフ周期1秒、パルス印加回数1000回の条件とした(工程2−1)。この電着処理した銅フォームを蒸留水で洗浄して80℃で終夜乾燥した後、1wt%のAgNO水溶液中に浸漬させた。このように含浸処理した銅フォームを蒸留水で洗浄して80℃で終夜乾燥した。その後、この銅フォームを、電気炉中、空気雰囲気下にて昇温速度5℃/minで350℃まで昇温し、この温度にて2時間保持して焼成した(工程3)。これによりVOC除去用触媒を得た。得られたVOC除去用触媒を「1wt%Ag−Ce/Cu foam(Impregnation)」と表記した。
<評価方法>
(VOC除去試験)
図2に示す概略フローにより、各実施例で得たVOC除去用触媒のトルエン除去試験を行った。この試験では、容器(管状炉)内にVOC除去用触媒を石英ウールで挟み込むように充填し、そこへトルエンを所定の流速で流入させて反応させることで、トルエンを除去するようにした。図2に示すように、容器は、酸素ボンベ及び窒素ボンベと連結しており、容器内に酸素及び窒素を流入できるようにしている。トルエン除去試験の条件として、内径8mmのガラス反応器を使用し、そこへVOC除去用触媒の充填量を100mgとし、容器内のトルエン濃度を893〜1051体積ppmとなるようにした。また、容器内へのキャリアー用窒素ガス流量を40cm/min、トルエン導入用窒素ガス流量を40mL/min、酸素ガス流量を10mL/minとした。容器内での反応温度を150〜350℃の範囲の種々の温度に調節して、トルエン除去特性を評価した。VOC濃度の測定は、島津製作所社製「GC−2014ガスクロマトグラフ」を使用した。また、容器出口から排出される二酸化炭素濃度をHORIBA社製FT−IRガス分析装置「FG−120」を使用して計測した。
図3は、実施例1,2及び比較例1で得たVOC除去用触媒のSEM画像を示している(図3(a)は比較例1で得たVOC除去用触媒、(b)は実施例1で得たVOC除去用触媒、(c)は実施例2で得たVOC除去用触媒、(d)は参考例1で得たVOC除去用触媒)。
図3(a)及び(b)の比較から、銅フォームの電気化学的酸化処理により、銅酸化物のナノワイヤが形成されることがわかった(図3(b))。また、図3(c)から、ナノワイヤ表面上にセリウムの酸化物が均一に固定化されていることが判断でき、これにより、触媒反応時の流通ガスとの接触表面積が増大されることがわかった。
図3(c)及び(d)の比較から、銀の固定化において電着法を用いた場合(図3(c))は触媒表面への均質な析出が起こるため、粒子状物の析出が見られないのに対し、含浸法では粗大な銀粒子が観測された(図3(d))。
表1には、各実施例及び参考例で得られたVOC除去用触媒のEDSによる元素分析結果を示している。なお、このEDSによる元素分析では、HORIBA社製の「エネルギー分散型X線分析装置」を使用した。
表1から、実施例で得られたVOC除去用触媒は、工程2−2の電着処理時間の長さと共にAgの担持量が増大することがわかった。
図4は、各実施例及び参考例で得たVOC除去用触媒のXRDスペクトルを示している。Agに由来する回折ピークの強度は、Agの電着時間の延長と共に増加することが認められた。一方、含浸法(参考例1)によりAgを固定化した触媒の方が電着法(実施例2〜5)よりもAgに対応するピークが鋭いことから、含浸法でAgを固定化した場合は、凝集が起こりやすいことがわかる。
図5は、実施例、比較例及び参考例で得られたVOC除去用触媒によるVOC除去試験の結果を、具体的には、温度(X軸)とトルエン除去率(Y軸)との関係を示すプロットを示している。図5(a)は実施例1及び比較例1、(b)は実施例2〜5及び参考例1の結果である。
表2には、実施例及び参考例で得られたVOC除去用触媒による、トルエンの90%分解温度(T90%)、CO生成量及び検出濃度を示している。
図5(a)から、Ce/銅フォーム触媒の性能は、銅フォームの電気化学的処理により大幅に向上することがわかる。また、図5(b)及び表2から、電着処理で調製した各種VOC除去用触媒の中では、実施例5が最も優れた性能を示し、トルエンの50%分解温度、90%分解温度共にAgを担持していない触媒よりも20℃低温化することがわかった。また、含浸法で調製した参考例1の銀量が実施例1〜5よりも多いことに鑑みれば(表1)、電着処理で調製した各種VOC除去用触媒は、VOC(トルエン)の除去効率に優れるといえる。また、表2から、VOCのモデル物質であるトルエンの酸化分解において、無害な二酸化炭素と水のみを与えることも示された。
各実施例で得られたVOC除去触媒は、従来のAg系触媒に比べると高活性であり、また、より高価なPtを使用した触媒に比べても同等以上の性能を有することがわかった。
各実施例で得られたVOC除去用触媒は、VOC酸化分解に有効な活性酸素種が金属M1(Ag)表面上に形成されること、及び、セリウムの酸化物が金属M1(Ag)近傍に存在することで、Ce3+−Ce4+の酸化還元によりAg上の活性酸素種の形成が促進されると推察され、これにより、優れたVOC除去性能が発揮されると考えられる。

Claims (5)

  1. VOC除去用触媒の製造方法であって、
    銅フォームを電解酸化処理する工程1と、
    工程1で電解酸化処理された銅フォームを、Ce(セリウム)を含む溶液中で電着処理を行う工程2−1と、
    電着処理された銅フォームを焼成処理する工程3と、
    を備える、VOC除去用触媒の製造方法。
  2. 前記工程3の前に、前記工程2−1で電着処理された銅フォームを、セリウム以外の金属M1を含む溶液中で電着処理を行う工程2−2をさらに備え、
    前記金属M1がAg,Ni,Cu,Mo,W,Ti,Zn,Cr,Al,Mg,La,Pt,Ru,Pd及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、請求項2に記載の製造方法。
  3. 銅フォーム上に触媒が担持されたVOC除去用触媒であって、
    前記触媒は、銅を含むナノワイヤと、酸化セリウムとを含有する、VOC除去用触媒。
  4. 前記触媒はさらに金属M1を含有し、
    前記金属M1がAg,Ni,Cu,Mo,W,Ti,Zn,Cr,Al,Mg,La,Pt,Ru,Pd及びAuからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、請求項3に記載のVOC除去用触媒。
  5. 請求項1又は2に記載の製造方法で得られたVOC除去用触媒、あるいは、請求項3又は4に記載のVOC除去用触媒を用いてVOCを除去する工程を備える、VOCの除去方法。
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