JP2021029171A - ブレビバチルス菌を用いた表層提示法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレビバチルス菌を用いた細胞表層提示方法の提供。【解決手段】少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを5'末端側から連結したコンストラクトを構築する工程、該コンストラクトを挿入した発現ベクターを作製する工程、該発現ベクターによりブレビバチルス菌を形質転換する工程、及び該形質転換したブレビバチルス菌を培養して、目的タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示する工程を含む、細胞表層提示法により、タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、進化工学的手法を用いた選択手法に利用可能なブレビバチルス菌を用いた表層提示法に関する。
特異的な結合活性を有する抗体に代表される分子認識素子は、in vitroあるいはin vivoにおける疾病や病態の検出、及び診断、時にはそのまま治療薬としても利用されている。このような機能性分子の取得には、進化工学的手法が用いられてきた。ファージ提示法は最も汎用されており、2018年度のノーベル賞の対象となるなど、その実用性は極めて高い(非特許文献1参照)。対して、細胞表層提示法を用いた選択は提示効率も加味されるため、細胞外への高い生産性との相関が期待される。そこで、近年では大腸菌提示法(非特許文献2参照)、酵母提示法(非特許文献3参照)、さらには動物細胞提示法(非特許文献4参照)などの、生産宿主を直接用いた手法も用いられてきたが、次段に記載の通り、種々の利点を有するブレビバチルス菌を用いた提示法はこれまでに報告がなかった。
グラム陽性菌であるブレビバチルス菌は、宿主微生物として最も汎用されている大腸菌に比べ、タンパク質分泌能の高さに加えて、菌体外プロテアーゼ活性が低く、また培養が容易であること、さらには安全性(優良工業製造規範掲載宿主)の観点から次世代宿主微生物として期待されている。何より、大腸菌発現に於いてしばしば問題となるエンドトキシンの除去工程を必要としないため、治療薬を指向した分子に関しては、その製造コストの低減も見込まれる。
Parmley S. et al., Adv Exp Med Biol. 1989;251:215-8 Salema V. et al., Microb Biotechnol. 2017 Nov;10(6):1468-1484 Sadio F. et al., Methods Mol Biol. 2019;1923:287-308 Wagner EK. et al., J Biol Chem. 2019 Apr 12;294(15):5790-5804.
国内外で汎用されているファージ提示法は、得られたタンパク質分子の生産を別途検討する必要があり、生産量が実用性に見合わない場合もある。このため、大腸菌提示法、酵母提示法、さらには動物細胞提示法などの、生産宿主を直接用いた提示法も用いられているが、グラム陰性菌である大腸菌は、培地中へ確実に分泌させる手法は未だなく、また菌体内での目的タンパク質の不溶性の沈殿の形成がしばしばみられる。一方、酵母は、高等微生物であるが故に目的タンパク質との相性が問題となることがあり、生育・生存に不要と判断された場合、分解が著しく進み、その解消は容易ではない。動物細胞は、生育が遅いためスループットが悪く、また培養液が高価であるため、抗体医薬品をはじめとするバイオ医薬品のコスト高をもたらし社会的な問題となっている。mRNA提示法に代表される生物を介さない無細胞翻訳系を活用した手法も用いられているが(Methods Enzymol. 2017;597:83-141)、小スケールでの検討においては、時に威力を発揮するが、そのまま実製造に用いるには極めて高価であり、やはり別途宿主細胞を用いた生産検討が必要となる。対して、ブレビバチルス菌は、培地中への高いタンパク質の分泌能を有し、また菌体外プロテアーゼ活性が低く、さらに簡便性と安全性の観点からも次世代宿主微生物としての期待が大きいが、提示手法は未確立であった。
本発明は、ブレビバチルス菌を用いた細胞表層提示方法の提供を目的とする。
上記のように、ブレビバチルス菌は、培地中への高いタンパク質の分泌能を有し、また菌体外プロテアーゼ活性が低く、さらに培養の簡便性と安全性の観点からも次世代宿主微生物としての期待が大きいが、細胞表層への外来有用タンパク質の提示手法は未確立であった。
本発明者らは、ブレビバチルス菌を用いた細胞表層提示法の確立について鋭意検討を行い、該方法を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 細胞表層提示法により、タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示する方法。
[2] ブレビバチルス菌が、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31である、[1]の方法。
[3] 少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを5'末端側から連結したコンストラクトを構築する工程、該コンストラクトを挿入した発現ベクターを作製する工程、該発現ベクターによりブレビバチルス菌を形質転換する工程、及び該形質転換したブレビバチルス菌を培養して、目的タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示する工程を含む、[1]又は[2]の方法。
[4] 目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインを含む融合ペプチドが、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド部分で、ブレビバチルス菌内のSortase Aにより、ブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに転移され、目的タンパク質、スペーサーペプチド及びLPXTからなる融合タンパク質がブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに提示される[1]〜[3]のいずれかの方法。
[5] スペーサーペプチドが10〜20個のアミノ酸配列として存在する、[1]〜[4]のいずれかの方法。
[6] 目的タンパク質が抗体又はその機能的断片である、[1]〜[5]のいずれかの方法。
[7] [1]〜[6]のいずれかの方法により、タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示させ、フローサイトメトリーにより有用なタンパク質を提示したブレビバチルス菌を選択する方法。
[8] [7]の方法で選択したブレビバチルス菌より、目的タンパク質をコードするDNAを回収し、該DNA又はその一部を発現ベクターに挿入し、該発現ベクターでブレビバチルス菌を形質転換し、形質転換ブレビバチルス菌を培養し、目的タンパク質を製造する方法。
[9] 少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを5'末端側から連結したDNAコンストラクトを挿入した発現ベクターにより形質転換された、形質転換ブレビバチルス菌。
[10] 細胞表層提示法により、外来タンパク質を細胞表層に提示している、[9]の形質転換ブレビバチルス菌。
[11] 目的タンパク質、スペーサーペプチド及びLPXTからなる融合タンパク質がブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに提示されている、[10]の形質転換プレビバチルス菌。
[12] スペーサーペプチドが10〜20個のアミノ酸配列として存在する、[9]〜[11]のいずれかのブレビバチルス菌。
[13] 少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを3'末端側からこの順番で融合したタンパク質をコードするDNAコンストラクトを挿入したベクターにより形質転換したブレビバチルス菌。
[14] 目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインを含む融合ペプチドが、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド部分で、ブレビバチルス菌内のSortase Aにより、ブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに転移され、目的タンパク質、スペーサーペプチド及びLPXTからなる融合タンパク質がブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに提示される[13]記載のブレビバチルス菌。
[15] スペーサーペプチドが10〜20個のアミノ酸配列として存在する、[13]または[14]のブレビバチルス菌。
[16] 目的タンパク質が抗体又はその機能的断片である、[13]〜[15]のいずれかのブレビバチルス菌。
ブレビバチルス菌は大腸菌とは異なり、エンドトキシンを含まないため、タンパク質製剤の発現宿主として、好適であり、分泌量の高さから医用目的に限らず種々の組換えタンパク質の製造宿主としても有用である。
そのようなブレビバチルス菌による細胞表層提示方法は、有用な目的タンパク質のスクリーニングと該タンパク質の高発現ブレビバチルス菌株の選択を可能とする。
細胞表層提示方法の原理を示す図である。 S4 scFv提示用発現ベクターの構造を示す図である。 S4 scFv提示型形質転換体のフローサイトメトリーによる測定の結果を示す図である。 S4-display(S4 scFv提示タンパク質)のブレビバチルス菌への細胞表層提示評価の結果を示す図である。 S4-display(S4 scFv提示タンパク質)のEGFRへの結合能評価の結果を示す図である。 FITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体及びPE標識EGFRを用いた二重染色による機能評価の結果を示す図である(その1)。 FITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体及びPE標識EGFRを用いた二重染色による機能評価の結果を示す図である(その2)。 細胞表層に提示されたS4 scFvの特異性評価の結果を示す図である。 His-tagをコードするDNAを有しないOKT3提示用ベクターの構造を示す図である。 OKT3 scFv提示用ベクターを用いてブレビバチルス菌の形質転換を行ったときの細胞表層における発現確認の結果を示す図である。 OKT3 scFv提示用ベクターを用いてブレビバチルス菌の形質転換を行ったときの細胞表層に発現されたOKT3 scFvの機能評価の結果を示す図である。 His-tagをコードするDNAを有するOKT3 scFv提示用ベクターver.2の構造を示す図である。 OKT3 scFv提示用ベクターver.2を用いてブレビバチルス菌の形質転換を行ったときの細胞表層における発現確認の結果を示す図である。 OKT3 scFv提示用ベクターver.2を用いてブレビバチルス菌の形質転換を行ったときの細胞表層に発現されたOKT3 scFvの機能評価の結果を示す図である。 S4を提示している菌体(S4-display)と提示していない菌体(Empty)の混合状態を示す図である。 S4-displayとEmptyの混合比率を変えた場合のフローサイトメトリーの結果を示す図である。 S4-displayとEmptyの混合比率を変えた場合のフローサイトメトリーの結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ブレビバチルス菌を用いた細胞表層提示法であり、目的タンパク質をアンカータンパク質等を介してブレビバチルス菌の細胞表層に提示する方法である。本方法を用いることで、DNAライブラリーから、多様な外来タンパク質を表層提示した形質転換ブレビバチルス菌を調製し、標識分子との親和性選択等でスクリーニングする過程を繰り返すことで高機能性タンパク質の塩基配列(またはアミノ酸配列)を得ることができる。
細胞表層提示法により、目的タンパク質分子を多く提示しているクローンを選択することができる。また、スクリーニングのときに用いる宿主を、目的タンパク質分子を製造するための宿主として用いるので、細胞表層提示法により選択したタンパク質分子は実際の製造においては、高生産性が期待できる。
ブレビバチルス菌は、タンパク質を菌体外に分泌生産することができる細菌であり、Brevibacillus choshinensis(ブレビバチルス・チョウシネンシス)、Brevibacillus brevis(ブレビバチルス・ブレビス)が挙げられ、Brevibacillus choshinensis HPD31(FERM BP-1087、Takagi H et al., Int J Syst Bacteriol. 1993 Apr;43(2):221-31)が好ましい。
ブレビバチルス菌を用いた細胞表層提示法においては、少なくともシグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び細胞膜結合領域である膜貫通ドメインをコードするDNAを5'末端側からこの順番で連結したコンストラクトを発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを用いてブレビバチルス菌を形質転換する。前記コンストラクトは、好ましくはシグナル配列の上流にプロモーター配列を有している。上記のコンストラクトは、少なくともシグナル配列、目的タンパク質、アンカーペプチド及び細胞膜結合領域である膜貫通ドメインをコードするDNAを含んでいてもよい。好ましくは、目的タンパク質をコードするDNAとアンカーペプチドをコードするDNAの間には、スペーサーペプチドをコードするDNAが存在する。すなわち、該ポリヌクレオチドは、アンカーペプチドをコードするDNA及び膜貫通ドメインをコードするDNAをシグナル配列と共に、目的タンパク質をコードするDNAと連結し、連結したDNAの上流にプロモーターを含ませる。これらの構築物が発現した場合、目的タンパク質は、アンカーペプチドのN側に連結され、シグナル配列のC側に連結される。
該コンストラクトは、さらに、ポリA付加配列、エンハンサー配列、ターミネーター配列等を含んでいてもよい。ポリA付加配列は例えば、目的タンパク質をコードするDNAの下流に含み、エンハンサー配列はポリA付加配列の下流に含んでいてもよい。ターミネーター配列は、少なくともシグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び細胞膜結合領域である膜貫通ドメインをコードするDNAを3'末端側からこの順番で融合したタンパク質をコードするコンストラクトの下流に含んでいればよい。
プロモーターは、ブレビバチルス属細菌で機能するものならば、限定されないが、例えば、ブレビバチルス菌の細胞壁タンパク質由来のP5プロモーター、P2プロモーター、P22プロモーター、ブレビバチルス・ブレビス47由来のMWPプロモーター、Brevibacillus choshinensis HPD31細胞壁蛋白質HWP(Ebisu S et al., J.Bacteriol.1990 172:1312-1320)をコードする遺伝子のプロモーター等が挙げられる。
シグナル配列は、細胞外に分泌される分泌性タンパク質のN末端に結合しているペプチドであり、目的タンパク質を細胞表層まで移行させる配列である。そのようなシグナル配列として、R2L6等の改変HWPシグナル配列が挙げられるが、ブレビバチルス菌で機能するシグナル配列であれば、特に限定されない。シグナル配列は、分泌性タンパク質が細胞内から細胞膜を通過して細胞外へ分泌される際にシグナルペプチダーゼにより分解されることにより除去される。
細胞表層提示法により提示するタンパク質は外来の有用タンパク質であり、種類は限定されない。例えば、分泌性タンパク質、酵素、抗体、抗原、蛍光タンパク質、リガンド、ワクチン、プロテインA、プロテインC、サイトカインなどの生理活性物質等が挙げられる。また、これらの変異体や誘導体でもよい。変異体として、これらのタンパク質をコードするDNAに塩基の欠失、置換、付加により変異を加えたタンパク質が挙げられる。
抗体は、抗体の機能的断片も含む。「抗体の機能的断片」は、全長抗体の一部、一般には抗原結合領域又は抗体可変領域を含む断片であり、抗原に対する結合活性を有する断片である。その例として、Fab、Fab’、F(ab’)2 及びFv断片、ダイアボディ、単鎖抗体分子及び抗体断片から形成される多重特異性抗体等が挙げられる。また、これら抗体断片の多量体も、本発明の抗体の機能的断片に含まれる。Fv断片の1つであるscFvは、1個の重鎖可変領域(VH)と1個の軽鎖可変領域(VL)とをペプチドリンカーを介して連結した抗体の機能的断片である。ダイアボディは、scFvを2量体化させた抗体の機能的断片であって、2価の抗原結合活性を有する抗体の機能的断片である。
酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等あらゆる酵素を含む。
目的タンパク質をコードするDNAは、タンパク質の全長をコードするDNAであってもよいし、目的タンパク質の活性を有する部分領域のみをコードするDNAであってもよい。
また、目的タンパク質をコードするDNAは、目的タンパク質がその活性を有する限り変異を有していてもよい。すなわち、目的タンパク質をコードするDNA配列からなる塩基配列とBLAST(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information(米国国立生物学情報センターの基本ローカルアラインメント検索ツール))等(例えば、デフォルトすなわち初期設定のパラメータ)を用いて計算したときに、少なくとも85%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上の配列同一性を有している塩基配列からなるDNAであって、目的タンパク質の活性を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。また、目的タンパク質のアミノ酸配列において、1若しくは数個、例えば、1〜9個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1若しくは2個、さらに好ましくは1個のアミノ酸が欠失、置換、付加されたアミノ酸配列からなり、目的タンパク質の活性を有するタンパク質をコードするDNAが含まれる。
アンカーペプチドは、プレビバチルス菌体内に存在するSortase A(SrtA)により認識されて、細胞壁に存在するペプチドグリカンに転移され得るペプチドを用いる。このようなペプチドとして、LPXTG(配列番号1)が挙げられ、例えば、LPETG(配列番号2)が挙げられる。
スペーサーペプチドは、存在していてもいなくてもよいが、好ましくは5〜50個、さらに好ましくは10〜30個、さらに好ましくは10〜20個のアミノ酸配列として存在する。スペーサーペプチドが上記のアミノ酸長を有する場合、目的タンパク質を含む融合タンパク質が活性を有した状態でブレビバチルス菌の細胞表層に提示される。スペーサー配列は、Hisタグ(HHHHHH)やc-mycタグ(EQKLISEEDLNLGGGMRGS(配列番号3))等のタグ配列として含まれていてもよい。
膜貫通ドメインは、目的タンパク質を細胞表層へ固定する役割を果たすが、本発明においては、膜貫通ドメインにより細胞表層に固定された目的タンパク質をアンカーペプチド及びSrtAによりプロテオグリカンに転移させ、目的タンパク質をプロテオグリカンにより細胞表層に固定し、提示させる。
アンカーペプチド及び膜貫通ペプチドを提示用配列と呼ぶことがある。
シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び細胞膜結合領域である膜貫通ドメインをコードするDNA等は、プロモーター等のエレメントとインフレームで機能的に連結させる。ここで機能的に連結とは、エレメントがその機能を果たすように連結することをいう。
発現ベクターとしては、ブレビバチルス菌中で複製可能なものであれば特に限定されない。例えば、pROXb3(株式会社プロテイン・エクスプレス)、pBIC、pNY326、pNCMO2(タカラバイオ株式会社)等が挙げられる。これらの市販の発現ベクターを用いればよく、市販の発現ベクターには、ブレビバチルス属細菌で機能するプロモーターが挿入されている。
発現ベクターは公知の方法で宿主細胞に導入し、宿主細胞を形質転換することができる。例えば、エレクトロポレーション法、PEG法等がある。
形質転換したブレビバチルス菌の培養は通常の細菌の培養方法に従って行えばよい。用いる培地は限定されないが、TM培地、TMN培地、2SY培地、2SYN培地、2SLN培地、LB培地等を用いることができる。培養は、25〜40℃で行い、好ましくは通気下での振とう培養により行う。
ブレビバチルス菌体内で、少なくともシグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び膜貫通ドメインをN末端からこの順番で融合したタンパク質が産生され、シグナルペプチドにより細胞膜を通って細胞外に分泌される。膜のシグナルペプチダーゼによりシグナルペプチドが切断され、膜貫通ドメイン部分が細胞膜に貫通した時点で、融合タンパク質がアンカーペプチド部分で切断され、細胞壁に存在するペプチドグリカンに転移される。この結果、目的タンパク質、スペーサーペプチド及びアンカーペプチドを含む融合タンパク質がブレビバチルス菌の細胞表層に提示される。
アンカーペプチドの転移は、ブレビバチルス菌体内に存在するSrtAの作用により行われる。SrtAは、ペプチド転移酵素であり、多くのグラム陽性菌の表層に存在し、特定の認識アミノ酸配列を持つタンパク質をペプチドグリカンに共有結合する反応を触媒することで細胞表層に提示させる。その反応機構として、C末端側に特異的な認識アミノ酸配列LPXTGモチーフ(Xは任意のアミノ酸)、次いで膜貫通ドメインを持つタンパク質が、シグナルペプチドにより細胞膜に輸送され、膜貫通ドメインにより細胞膜上に留まると、SrtAがLPXTGモチーフを認識し、スレオニン(T)とグリシン(G)間を切断する。切断されたスレオニンがSrtAのシステインとの間でアシル中間体を形成した後に、ペプチドグリカン前駆体であるLipidIIのペンタグリシン架橋N末端アミノ基と共有結合し、細胞壁のペプチドグリカンに組み込まれ、連結していたタンパク質が細胞表層に表出する。すなわち、細胞表層に目的タンパク質、スペーサーペプチド及びLPXTからなる融合タンパク質が提示される。LPXTGモチーフとして、例えば、LPETGを用いることができる。
本発明は、少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを5'末端側から連結したコンストラクトを挿入した発現ベクターにより形質転換された、形質転換ブレビバチルス菌を包含する。該形質転換ブレビバチルス菌は、細胞表層提示法により、外来タンパク質を細胞表層に提示している、形質転換ブレビバチルス菌である。
プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び膜貫通ドメインを5'末端から連結したDNAの構造を図2に示す。図2においては、目的タンパク質S4は抗EGF受容体抗体の1本鎖抗体(scFv)であり、スペーサーペプチドとして、Hisタグ及びc-mycタグを連結した配列を用いている。
図1に細胞表層提示法の原理を示す。図1左は、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び膜貫通ドメインをN末端から連結したタンパク質が細胞膜を通って分泌される状態を示し、図1中はシグナルペプチドが切断された融合タンパク質が膜貫通タンパク質を介して細胞膜を貫通している状態を示し、図1右はアンカーペプチドLPXTGがSortase A(SrtA)により、TとGとの間で切断される状態を示し、図1DはアンカーペプチドのLPXT部分がペプチドグリカンに転移され、融合タンパク質が細胞表層に提示されている状態を示す。
本発明は、目的タンパク質をブレビバチルス菌の菌体表層に提示させる方法も包含する。該方法は少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを3'末端側から連結したコンストラクトを構築する工程、該コンストラクトによりブレビバチルス菌を形質転換する工程、及び該形質転換したブレビバチルス菌を培養して、目的タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示する工程を含む。形質転換は、DNAコンストラクトを含む発現ベクターを用いて行えばよい。
本発明のブレビバチルス菌を用いた細胞表層提示法を用いて、高機能で有用な目的タンパク質をスクリーニングすることができる。
細胞表層に提示されている目的タンパク質は、細胞から分泌されるタンパク質と同じタンパク質であり、本発明の方法により、有用な目的タンパク質のスクリーニングと該タンパク質の高発現ブレビバチルス菌株の選択が同時に可能になる。
高機能で有用な目的タンパク質として、抗原との結合親和性及び/又は特異性が向上した抗体、酵素活性が向上した酵素等が挙げられる。
本発明の方法により、タンパク質を細胞表層に提示したブレビバチルス菌の表層タンパク質の機能は、例えば、フローサイトメトリーにより評価することができる。フローサイトメトリーを用いることにより、標的分子に対する相対的親和性、ならびに個々のタンパク質変異体の表層発現レベルのリアルタイムでの測定が可能となる。細胞表層提示法とファージ提示法を組み合わせることにより多数のタンパク質の機能を評価することができる。すわなち、例えば、ファージ提示法により、ある抗原に結合する1本鎖抗体(scFv)の巨大なライブラリーを構築し、該ライブラリーの中から、抗原に対する親和性の高いscFVの遺伝子をスクリーニングし、選択されたライブラリーを用いて表層提示用ベクターを構築し、ブレビバチルス菌の形質転換体ライブラリーを作製する。該表層提示用ベクターは、シグナル配列、選択されたscFv、スペーサーペプチド、アンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを3'末端側から連結したコンストラクトを含み、フローサイトメトリーを用いて高親和性scFvを表層に提示したブレビバチルス菌を選択すればよい。該選択したブレビバチルス菌を用いて選択した高機能なscFvを製造することができる。また、選択したブレビバチルス菌から表層に提示された目的タンパク質をコードするDNAを回収し、生産系に移して、タンパク質を製造することもできる。この場合、該目的タンパク質をコードするDNAまたはその一部を発現ベクターに挿入し、該発現ベクターでブレビバチルス菌を形質転換し、形質転換ブレビバチルス菌を培養して、目的タンパク質を生産・分泌させればよい。産生された目的タンパク質は、通常のタンパク質で使用されている分離、精製方法を使用して精製すればよい。例えば、アフィニティークロマトグラフィー、その他のクロマトグラフィー、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせることにより、目的タンパク質を分離、精製することができる。
このように、ブレビバチルス菌提示法により、抗体ライブラリーからの高親和性抗体の単離が可能になる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1. S4(抗EGFR抗体)scFv提示用ベクター構築
抗EGFR(上皮増殖因子受容体:Epidermal Growth Factor Receptor)抗体のscFvであるS4を提示させるためのコンストラクトNcoI-S4 scFv-his tag-c-myc-LPETG-transmembrane domain-HindIII(配列番号4)は各ドメインをオーバーラップPCRで連結して構築したが、人工遺伝子合成メーカーに合成を依頼しても良い。末端に付与したNcoI/HindIIIを用いて、pROXb3のNcoI/HindIIIサイトに導入することでS4 scFv提示用発現ベクターを構築した。pROXb3ベクターは分泌用シグナル配列R2L6を持ち、ブレビバチルス菌の細胞壁タンパク質由来のP5プロモーター、黄色ブドウ球菌pUB110ベクター由来のoriを有している。また、ネオマイシン耐性を持つベクターである。
図1に、細胞表層提示方法の原理を示す。
図2にS4 scFv提示用発現ベクターの構造を示す。
2. フローサイトメトリーの測定条件の決定
(1)BacLight(商標) Green Bacterial Stain溶液の調製
BacLight(商標) Green Bacterial StainをDMSOに溶解し、100μMの染色溶液(Stain溶液)を調製した。
(2) フローサイトメトリー
空ベクターを用いた形質転換体を1.5 mLの培地A (LBブイヨン 2.5%、3MM stock (FeSO4・H2O 1%, MnSO4・H2O 1%, ZnSO4・H2O 0.1%) 1/1000量、グルコース 2%、50μg/mL ネオマイシン)に植菌、30℃、120 rpmで24時間培養した。大腸菌では、OD600=1を8×108 cell/mLで換算するため、これに準拠し、OD600値から菌体数が約1.2×109 cellとなるようマイクロチューブに分取し、Stain溶液を1μL添加、室温で15分静置した後、遠心分離(4℃、3,000 g、5 min)した。上清を除去した後、PBSを1 mL添加、遠心分離(4℃、3,000 g、5 min)して上清を除去した。沈殿にPBSを200μL添加して混合し、ナイロンメッシュシート(テックジャム, N270)を通した後にフローサイトメトリー(BD Accuri(商標) C6 Flow Cytometer)で蛍光強度を測定した。また、Stain溶液を加えずにPBSを加えて調製した空ベクターを導入した菌体に対しても同様に測定を行った。
図3に測定結果を示す。図3Aはサイトグラム解析の結果を示し、図3Bはヒストグラム解析の結果を示す。図に示すように、プレビバチルス菌を直接標識して測定ゲートなしで測定可能であることがわかった。
3. 機能評価(菌体表層提示と標的抗原、別々に測定)
(1)S4 scFv提示タンパク質のブレビバチルス菌への提示評価
S4 scFv提示用発現ベクター、及び空ベクター(pROXb3)を用いた形質転換体を終濃度0,1Mアルギニンを含んだ培地A(培地B) 200μLに植菌、懸濁した後に、15μLを培地1.5 mLに植菌し、30 ℃、120 rpmで44 時間培養し、OD600値を測定した。OD600値から、菌体数が約1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)して上清除去した後、1×PBS 500μL添加し、再度遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)した。上清を除去した後、FITC(Fluorescein isothiocyanate)標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体(20μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加、遠心分離(4℃, 3,000 g, 5 min)して上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL添加して混合し、ナイロンメッシュシートに通した後にフローサイトメトリーで蛍光強度を測定した。また、抗体を加えずにPBSを加えて調製した空ベクターを導入した菌体に対しても同様に測定を行った。
図4に結果を示す。図4Aに、菌体表層に提示した抗原と検出用抗体(FITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体)の結合様式を示す。フローサイトメトリーによる測定結果を図4Bに示す。図4Bには、空ベクターを導入した形質転換体の測定結果及び表層提示用ベクターを導入した形質転換体の測定結果を示す。この結果は、一本鎖抗体(scFv)が菌体表層に提示されていることを示す。
(2)PE(Phycoerythrin)標識EGFRの調製
標識にはR-Phycoerythrin Labeling Kit - NH2(DOJINDO)を用いた。精製度の高いEGFR(374μg/mL)を100μL使用し、マニュアルに準じて、標識反応を行った。
(3)S4 scFv提示ブレビバチルス菌のEGFRへの結合能評価
S4 scFv提示用発現ベクター、及び空ベクターを用いた形質転換体を培地B 200μLに植菌、懸濁した後に、15μLを培地B 1.5 mLに植菌し、30℃、120 rpmで44時間培養し、OD600値を測定した。OD600から、菌体数が約1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)して上清除去した後、1×PBS 500μL添加し、再度遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)した。上清を除去した後、PE標識EGFR(20μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加、遠心分離(4℃, 3,000 g, 5 min)して上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL添加して混合し、ナイロンメッシュシートに通した後にフローサイトメトリーで蛍光強度を測定した。また、EGFRを加えずにPBSを加えて調製した空ベクターを導入した菌体に対しても同様に測定を行った。
図5に結果を示す。図5Aに、菌体表層に提示したscFvと検出用抗原(PE標識EGFR)の結合様式を示す。フローサイトメトリーによる測定結果を図5Bに示す。図5Bには、空ベクターを導入した形質転換体の測定結果及び表層提示用ベクターを導入した形質転換体の測定結果を示す。この結果は、菌体表層に提示されている一本鎖抗体(scFv)が標的抗原との結合能を有していることを示す。
4. 二重染色した場合の機能評価
S4 scFv提示用発現ベクターを用いてブレビバチルス菌の形質転換を行った。得られた形質転換体を200μLの培地Bに植菌し、懸濁した後に、培養液15μLを培地1.5 mLに植菌した。30℃、120 rpmで44時間培養し、菌体数が1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離して上清除去した後にPE標識EGFR(40 μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。続いて、FITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体(20μg/mL)を50μL加えた。同様に氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL混合し、ナイロンメッシュシートに通した後にフローサイトメトリーを行った。コントロールとして、空ベクターを導入した菌体に対しても同様の実験を行った。
フローサイトメトリーによる測定結果を図6に示す。図6AはFITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体を用いた場合の結合様式及び測定結果を示し、図6BはPE標識EGFRを用いた場合の結合様式及び測定結果を示す。空ベクターを導入した形質転換体の測定結果及び表層提示用ベクターを導入した形質転換体の測定結果を示す。この結果は、一本鎖抗体(scFv)がブレビバチルス菌体表層に提示され、かつ抗原との結合能を有することを示す。
5. 二重染色した場合の機能評価(漏れ込み補正後)
S4 scFv提示用発現ベクターを用いてブレビバチルス菌の形質転換を行った。得られた形質転換体を培地B 200μLに植菌し、懸濁した後に、培養液15μLを培地1.5 mLに植菌した。30℃、120 rpmで44時間培養し、菌体数が1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離して上清除去した後にPE標識EGFR(20μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。続いて、FITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体(20μg/mL)を50μL加えた。同様に氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL混合し、ナイロンメッシュシートに通した後にフローサイトメトリーを行った。また、FITC標識抗c-myc抗体のみ、あるいはPE標識EGFRのみを添加して同様に調製した提示用ベクター、そして抗体を加えずにPBSを加えて調製した提示用ベクターを導入した菌体に対してもフローサイトメトリーを行った。コントロールとして、空ベクターを導入した菌体に対しても同様の実験を行った。測定後、FL-1(FITC)のFL-2(PE)側への漏れ込みを補正した。
結果を図7に示す。(a)は抗体なしの結果を示し、(b)はFITC染色抗c-myc抗体及びPE標識EGFRを用いた二重染色の結果を示し、(c)はFITC染色抗c-myc抗体のみを検出に用いた場合の結果を示し、(d)はPE標識EGFRのみを検出に用いた結果を示す。ヒストグラム解析の結果の上には、それぞれの結合様式を示す。
図7に示すように、抗c-myc抗体が結合したことからscFvが提示されている可能性が示され、またPE標識EGFRへの結合活性が認められたことから提示させたscFvが結合活性を有している可能性が示された。また、抗c-myc抗体とPE標識EGFRの両者を添加した際に、二重染色された細胞集団が現れたことから、一本鎖抗体(scFv)がブレビバチルス菌体表層に提示され、かつ抗原との結合能を有することを示す。
6. 特異性の評価
S4 scFv提示用発現ベクターを用いてブレビバチルス菌の形質転換を行った。得られた形質転換体を100μLの培地Bに植菌、懸濁後に、培養液15μLを培地1.5 mLに植菌した。30℃、120 rpmで64時間培養し、菌体数が1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離して上清除去した後にPE標識EGFR(20μg/mL)、あるいはPE標識抗EGFR抗体(クローン528)(20μg/mL)を50μL加えた。この際、標識キット(DOJINDO) を用いてPE標識したEGFR及び抗EGFR抗体(クローン528)を使用した。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL混合し、ナイロンメッシュシートに通した後にフローサイトメトリーを行った。また、コントロールとして、空ベクターを導入した菌体に対しても同様の実験を行った。
図8に結果を示す。図8Aに、検出にPE標識EGFRを用いた場合の結合様式及びヒストグラム解析の結果を示し、図8Bに、検出にPE標識抗EGFR抗体(クローン528)を用いた場合の結合様式及びヒストグラム解析の結果を示す。図8BはPE標識抗EGFR抗体(クローン528)がscFvに結合しないことを示す。
この結果は、菌体表層に提示されたscFvはEGFRに対して特異性に結合していることを示す。
7. OKT3(抗CD3抗体)scFv提示用発現ベクターの構築及び評価
(1)ベクター構築
抗CD3抗体のscFvであるOKT3を提示させるためのコンストラクトNcoI-OKT3 scFv-c-myc-LPETG-transmembrane domain-HindIII(配列番号5)は各ドメインをオーバーラップPCRで連結して構築したが、人工遺伝子合成メーカーに合成を依頼しても良い。末端に付与したNcoI/HindIIIを用いて、pROXb3のNcoI/HindIIIサイトに導入することでCD3 scFv提示用発現ベクターを構築した。
図9にCD3 scFv提示用発現ベクターの構造を示す。該ベクターはHis-tagをコードするDNAを有していない。
(2)発現確認
OKT3 scFv提示用発現ベクターを用いてブレビバチルス菌の形質転換を行った。得られた形質転換体を100μLの培地Bに植菌し、懸濁した後に、15μLを3種類の培地(培地A、2SL培地(Phytonepeptone 4%、酵母エキスBSP-B 0.5%、3MM stock 1/1000量、pH 7.0、グルコース 2%、50μg/mL ネオマイシン)、TM培地 (ハイポリペプトン 1%、酵母エキスBSP-B 0.2%、カツオ肉エキス 0.5%、3MM stock 1/1000量、pH 7.0、グルコース 1%、50μg/mL ネオマイシン))1.5 mLに植菌した。30℃、120 rpmで48.5時間培養した後に、培養液を1 mL分取し、遠心分離(8000 rpm, 5 min)し、培養上清と湿菌体に分けた。湿菌体にPBS 300μLを添加し溶解させた後に、SDS-PAGE用sample bufferと1:1の比率で混合し、懸濁した後、95℃で10分間熱処理を行った。また、コントロールとして空ベクターを用いた形質転換体についても同様の操作を行った。
続いて常法に従い、ウェスタンブロットを行った。検出抗体としてHRP conjugate 抗c-mycマウスモノクローナル抗体1μLを溶解したPBS-Tを加え、30分間インキュベートした。再度PBS-Tでウォッシュした後、ルミノールと過酸化水素水を含む検出試薬で化学発光を検出した。
図10に発現確認の結果を示す。図10は、ブレビバチルス菌体表層でOKT3 scFvが発現していることを示している。
(3)機能評価
OKT3 scFv提示用発現ベクター(pROXb3-OKT3-display)を用いてブレビバチルス菌の形質転換を行った。得られた形質転換体1個を100μLの終濃度0.1Mアルギニンを含んだ2SL培地に植菌し、懸濁した後に、15μLを培地1.5 mLに植菌した。30℃、120 rpmで47時間培養した後に、OD600値をもとに菌体数が1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)して上清除去した後にFITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体(20 μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離(4℃, 3,000 g, 5 min)をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL混合し、ナイロンメッシュシートに通した後にフローサイトメトリーを行った。コントロールとして、空ベクターを導入した菌体に対しても同様の実験を行った。
図11に結果を示す。図11Aは結合様式を示し、図11BはFITC標識抗c-myc抗体による測定結果を示す。図11Bは、His-tagをコードするDNAを有しないベクターを用いた場合、OKT3 scFvはブレビバチルス菌表層に提示されていないことを示す。
8. OKT3scFv提示用発現ベクターver.2の構築及び評価
7.では、OKT3はブレビバチルス菌表層に提示されていなかったため、ベクターの構造をHis-tagをコードするDNAを含むように変更し再検討を行った。
(1)ベクター構築
OKT3を提示させるためのコンストラクトNcoI-OKT3 scFv-his tag-c-myc-LPETG-transmembrane domain-HindIII(配列番号6)は各ドメインをオーバーラップPCRで連結して構築したが、人工遺伝子合成メーカーに合成を依頼しても良い。末端に付与したNcoI/HindIIIを用いて、pROXb3のNcoI/HindIIIサイトに導入することでCD3 scFv提示用発現ベクターを構築した。
図12にOKT3scFv提示用発現ベクターver.2の構造を示す。該ベクターはHis-tagをコードするDNAを有している。
(2)発現確認
構築したOKT3scFv提示用発現ベクターver.2を用いてブレビバチルス菌の形質転換を行った。得られた形質転換体のうち7個を、2SL培地100μLに植菌し、懸濁した後に、15μLを培地1.5 mLに植菌した。30℃、120 rpmで45時間培養し、培養液を1 mL あたりにOD600=6程度の菌体量が含まれるよう希釈し、マイクロチューブに分取した。遠心分離(8,000 rpm, 5 min)し、培地上清と湿菌体に分けた。湿菌体にPBS 300μLを添加し溶解させた後、SDS-PAGE用sample bufferと1:1の比率で混合し、懸濁した後、95℃で10分間熱処理を行った。また、コントロールとして空ベクターを用いた形質転換体についても同様の操作を行った。
続いて常法に従い、ウェスタンブロットを行った。検出抗体としてHRP conjugate 抗c-mycマウスモノクローナル抗体1μLを溶解したPBS-Tを加え、30分間インキュベートした。再度PBS-Tでウォッシュした後、ルミノールと過酸化水素水を含む検出試薬で化学発光を検出した。
図13に発現確認の結果を示す。図13は、OKT3 scFvが発現していることを示している。
(3)機能評価
OKT3scFv提示用発現ベクターver.2 (pROXb3-OKT3-display2)を用いてブレビバチルス菌の形質転換を行った。得られた形質転換体1個を100μLの2SL培地に植菌し、懸濁した後に、15μLを培地1.5 mLに植菌した。30℃、120 rpmで72時間培養した後に、OD600値をもとに菌体数が1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)して上清除去した後にFITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体(20μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離(4℃, 3,000 g, 5 min)をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL混合し、ナイロンメッシュシートに通した後にフローサイトメトリーを行った。コントロールとして、空ベクターを導入した菌体に対しても同様の実験を行った。
図14に結果を示す。図14Aは結合様式を示し、図14Bは測定結果を示す。図14Bは、His-tagをコードするDNAを有するベクターを用いた場合、OKT3 scFvはブレビバチルス菌表層に提示されていることを示す。
9. スクリーニングのための混合条件下での機能評価1(調製したサンプル量200μL)
S4 scFv提示用発現ベクター(pROXb3-S4-display)を用いて形質転換したブレビバチルス菌のグリセロールストックをネオマイシン含有寒天培地に播いた。シングルコロニーを100μLの2SL培地に植菌し、懸濁した後に、20μLを培地2.0 mLに植菌した。30℃、120 rpmで48時間培養した後に、OD600値をもとに菌体数が1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)して上清除去した後にFITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体(20μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離(4℃, 3,000 g, 5 min)をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを200μL混合し、ナイロンメッシュシートに通した。コントロールとして、空ベクターを導入した菌体に対しても同様の実験を行った。調製したサンプルを比率を変えて混合し (空ベクターを導入した細胞:S4-displayベクターを導入した細胞数の比=1:0, 1:1, 3:1, 9:1, 0:1)、フローサイトメトリーを行った。
図15に提示型S4タンパク質(S4-display)を提示している菌体と提示していない菌体(Empty)の混合状態を示す。図16に提示型S4タンパク質(S4-display)を提示している菌体と提示していない菌体(Empty)の混合比率を変えた場合(サンプル量200μL)のフローサイトメトリーの結果を示す。図16に示すように、蛍光強度のピークシフトが観察されたが、1つのピークしか観察されなかった。
10. スクリーニングのための混合条件下での機能評価2 (調製したサンプル量 1 mL) pROXb3-S4-displayを用いて形質転換したブレビバチルス菌のグリセロールストックをネオマイシン含有寒天培地に播いた。シングルコロニーを100μLの2SL培地に植菌し、懸濁した後に、20μLを培地2.0 mLに植菌した。30℃、120 rpmで49.5時間培養した後に、OD600値をもとに菌体数が1.2×109個となるよう集菌し、PBSで洗浄した。遠心分離(4℃, 8,000 g, 10 min)して上清除去した後にFITC標識抗c-mycマウスモノクローナル抗体(20μg/mL)を50μL加えた。氷上で30分静置した後、PBSを1 mL添加し、遠心分離 (4℃, 3,000 g, 5 min)をして上清を除去し、同様にPBS 1 mLの添加、遠心分離、上清除去を行った。沈殿にPBSを1 mL混合し、ナイロンメッシュシートに通した。コントロールとして、空ベクターを導入した菌体に対しても同様の実験を行った。調製したサンプルを比率を変えて混合し (空ベクターを導入した細胞:S4-displayベクターを導入した細胞数の比=1:0, 1:1, 3:1, 9:1, 0:1)、フローサイトメトリーを行った。
図17に提示型S4タンパク質(S4-display)を提示している菌体と提示していない菌体(Empty)の混合比率を変えた場合(サンプル量1mL)のフローサイトメトリーの結果を示す。図17に示すように、蛍光強度のピークシフトが観察され、僅かに2つのピークが観察された。この結果は、フローサイトメトリーにより、細胞表層に目的タンパク質が提示された菌体と提示されていない菌体を区別することができ、細胞表層に目的タンパク質が提示された菌体を選別することが可能であることを示している。
本発明の方法は、ブレビバチルス属菌を用いた有用タンパク質のスクリーニング及び製造に用いることができる。
配列番号1〜6 合成

Claims (16)

  1. 細胞表層提示法により、タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示する方法。
  2. ブレビバチルス菌が、ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31である、請求項1記載の方法。
  3. 少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを5'末端側から連結したコンストラクトを構築する工程、該コンストラクトを挿入した発現ベクターを作製する工程、該発現ベクターによりブレビバチルス菌を形質転換する工程、及び該形質転換したブレビバチルス菌を培養して、目的タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示する工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインを含む融合ペプチドが、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド部分で、ブレビバチルス菌内のSortase Aにより、ブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに転移され、目的タンパク質、スペーサーペプチド及びLPXTからなる融合タンパク質がブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに提示される請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. スペーサーペプチドが10〜20個のアミノ酸配列として存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 目的タンパク質が抗体又はその機能的断片である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により、タンパク質をブレビバチルス菌の細胞表層に提示させ、フローサイトメトリーにより有用なタンパク質を提示したブレビバチルス菌を選択する方法。
  8. 請求項7記載の方法で選択したブレビバチルス菌より、目的タンパク質をコードするDNAを回収し、該DNA又はその一部を発現ベクターに挿入し、該発現ベクターでブレビバチルス菌を形質転換し、形質転換ブレビバチルス菌を培養し、目的タンパク質を製造する方法。
  9. 少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを5'末端側から連結したコンストラクトを挿入した発現ベクターにより形質転換された、形質転換ブレビバチルス菌。
  10. 細胞表層提示法により、外来タンパク質を細胞表層に提示している、請求項9記載の形質転換ブレビバチルス菌。
  11. 目的タンパク質、スペーサーペプチド及びLPXTからなる融合タンパク質がブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに提示されている、請求項10記載の形質転換プレビバチルス菌。
  12. スペーサーペプチドが10〜20個のアミノ酸配列として存在する、請求項9〜11のいずれか1項に記載のブレビバチルス菌。
  13. 少なくとも、プロモーター、シグナル配列、目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインをコードするDNAを3'末端側からこの順番で融合したタンパク質をコードするDNAコンストラクトを挿入したベクターにより形質転換したブレビバチルス菌。
  14. 目的タンパク質、スペーサーペプチド、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド及び膜貫通ドメインを含む融合ペプチドが、LPXTG(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるアンカーペプチド部分で、ブレビバチルス菌内のSortase Aにより、ブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに転移され、目的タンパク質、スペーサーペプチド及びLPXTからなる融合タンパク質がブレビバチルス菌の細胞壁のペプチドグリカンに提示される請求項13記載のブレビバチルス菌。
  15. スペーサーペプチドが10〜20個のアミノ酸配列として存在する、請求項13又は14に記載のブレビバチルス菌。
  16. 目的タンパク質が抗体又はその機能的断片である、請求項13〜15のいずれか1項に記載のブレビバチルス菌。
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