JP2021028832A - サーバ装置 - Google Patents

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誠二 後藤
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篤太郎 平野
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稔樹 藤原
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Abstract

【課題】地図データの間違いを効率的に検出することが可能なサーバ装置及びナビゲーション装置を提供する。【解決手段】サーバ装置は、複数のナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を収集する。サーバ装置は、ナビゲーション装置においてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、リルートが発生した場所の地図データの間違いを判定する判定手段を備える。これにより、地図データの間違いを効率的に検出することが可能となる。【選択図】図6

Description

本発明は、複数のナビゲーション装置と、当該複数のナビゲーション装置から情報を受信するサーバ装置とから成るシステムの技術分野に関する。
この種の技術が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、ナビゲーション装置等に記憶された地図情報に対して追加する、新規道路に関する新規道路情報を生成するシステムが記載されている。具体的には、この技術では、サーバ装置は、ナビゲーション装置から走行軌跡情報(プローブデータ)を取得・収集し、収集された走行軌跡情報に基づいて、新規道路情報を生成することが記載されている。
特開2008−164821号公報
ところで、ナビゲーション装置やサーバ装置が記憶している、道路データなどを含む地図データが、実際の道路等と異なっている場合がある。つまり、地図データが間違っている場合がある。地図データの間違いは、新規道路の開通やデータ取得時のミスや何らかの工事の変化などによって生じ得る。このように地図データが間違っている場合には、地図表示や自車位置の表示やルート検索などに問題が発生し得る。そのため、地図データの間違いを効率的に検出できれば便宜である。なお、上記の特許文献1に記載された技術によれば、新規道路生成の処理により、新規道路の開通に起因する地図データの間違いを検出することができるが、当該技術では、新規道路の開通以外の理由によるものも含む種々の地図データの間違いを、効率的に検出することは困難であった。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、地図データの間違いを効率的に検出することが可能なサーバ装置及びナビゲーション装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数のナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を収集するサーバ装置であって、前記ナビゲーション装置においてリルートが発生した際の前記プローブ情報に基づいて、前記リルートが発生した場所の地図データの間違いを判定する判定手段を備えることを特徴とする。
本実施例に係るサーバ装置及びナビゲーション装置によって実現されるシステムの概略構成例を示す。 本実施例に係るサーバ装置及びナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。 傾斜判定を具体的に説明するための図を示す。 誘導データの一例を示す。 本実施例においてナビゲーション装置によって行われる処理フローを示す。 本実施例においてサーバ装置によって行われる処理フローを示す。
本発明の一つの観点では、複数のナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を収集するサーバ装置は、前記ナビゲーション装置においてリルートが発生した際の前記プローブ情報に基づいて、前記リルートが発生した場所の地図データの間違いを判定する判定手段を備える。
上記のサーバ装置は、複数のナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を収集するために好適に利用される。例えば、プローブ情報は、車両の走行軌跡を示す走行軌跡データなどである。判定手段は、ナビゲーション装置においてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、リルートが発生した場所の地図データの間違いを判定する。こうするのは、基本的にはユーザは設定されたルート通りに走行するため、リルートが発生した場合(つまりルートから外れた道を走行した場合)には、そのようなリルートが発生した場所の地図データが間違っている可能性が高いと考えられるからである。このようにリルートの発生に応じて地図データの間違いを判定することで、地図データの間違いを効率的に検出することが可能となる。
上記のサーバ装置の一態様では、前記判定手段は、一つのリンク毎または前記リンクを含む複数のリンクからなる所定のリンク郡毎に「リルート回数/ルート走行回数」の値を求め、前記値が所定値以上である前記一つのリンクまたは前記所定のリンク郡についてのみ、前記地図データの間違いを判定する。
この態様では、判定手段は、地図データが間違っている可能性がかなり高いと言えるリンクに対してのみ、地図データの間違いを判定することができる。これにより、当該判定に要する処理負荷の増大を抑制することが可能となる。
上記のサーバ装置において好適には、前記判定手段は、前記地図データが有する、道路の傾斜角度を示す傾斜データの間違いを判定することができる。
好適な例では、前記プローブ情報は、移動体が走行した道路の傾斜角度のデータを有しており、前記判定手段は、前記地図データが有する前記傾斜データと、前記プローブ情報が有する前記傾斜角度のデータとを比較することで、前記傾斜データの間違いを判定する。これにより、傾斜データの間違いを適切に判定することができる。
他の好適な例では、前記プローブ情報は、前記ナビゲーション装置において、移動体が走行した道路の傾斜についての判定が行われたか否かを示す傾斜判定情報を有しており、前記判定手段は、前記プローブ情報における前記傾斜判定情報が前記判定が行われたことを示している場合に、前記傾斜データが間違っていると判定する。これにより、傾斜データの間違いを容易に判定することができる。
また、上記のサーバ装置において好適には、前記プローブ情報は、移動体の走行軌跡データを有しており、前記判定手段は、前記地図データが有する水平方向の道路データと、前記プローブ情報が有する前記走行軌跡データとを比較することで、前記水平方向の道路データの間違いを判定する。これにより、水平方向の道路データの間違いを適切に判定することができる。
また、上記のサーバ装置において好適には、前記判定手段は、前記地図データが有する、交通規制を示す規制データの間違いを判定することができる。
また、上記のサーバ装置において好適には、前記判定手段は、前記地図データが有する、前記ナビゲーション装置のユーザを誘導するために用いられる誘導データの間違いを判定することができる。
また、上記のサーバ装置において好適には、前記判定手段は、前記地図データが有する渋滞データの間違いを判定することができる。
上記のサーバ装置の他の一態様では、前記判定手段によって前記地図データが間違っていると判定された場合に、当該地図データを、前記プローブ情報に基づいて修正する修正手段を更に備える。これにより、間違っている地図データを適切に修正することが可能となる。
本発明の他の観点では、サーバ装置と通信可能なナビゲーション装置は、前記サーバ装置にプローブ情報を送信する第1送信手段と、リルートを行った場合に、前記サーバ装置において前記リルートを行った場所の地図データの間違いを判定させるべく、前記リルートを行ったことを示すリルート情報を前記サーバ装置に送信する第2送信手段と、を備える。
上記のナビゲーション装置によれば、リルート情報をサーバ装置に送信することで、サーバ装置において、リルートが発生した場所の地図データの間違いを判定させることができる。よって、サーバ装置において、地図データの間違いを効率的に検出させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[システム構成]
図1は、本実施例に係るサーバ装置1及びナビゲーション装置2によって実現されるシステムの概略構成例を示している。図1に示すように、ナビゲーション装置2a〜2cは、それぞれ異なる車両3a〜3cに搭載され、サーバ装置1との間で情報の送受信を行う。サーバ装置1は、ナビゲーション装置2a〜2cから受信された情報を記憶する。例えば、ナビゲーション装置2は、車両3に設置される据え置き型のナビゲーション装置、PND(Portable Navigation Device)、又はスマートフォンなどの携帯電話とすることができる。
なお、図1では、説明の便宜上、3つのナビゲーション装置2a〜2cしか図示していないが、実際にはナビゲーション装置2は4つ以上存在する。
図2は、サーバ装置1及びナビゲーション装置2の概略構成を示すブロック図である。サーバ装置1とナビゲーション装置2とは無線ネットワークなどにより通信可能に構成されている。
ナビゲーション装置2は、主に、制御部21と、記憶部22と、GPS受信機23と、自立測位装置24と、表示部25と、通信部26とを備える。
GPS受信機23は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両3の絶対的な位置(現在位置)を検出するために用いられる。
自立測位装置24は、図示しない加速度センサや、角速度センサや距離センサなどを備える。加速度センサは、例えば圧電素子からなり、車両3の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサは、例えば振動ジャイロからなり、車両3の方向変換時における車両3の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサは、車両3の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
通信部26は、サーバ装置1と無線通信を行うことが可能に構成されている。また、通信部26は、VICS(Vehicle Information Communication System)センタなどから配信される情報も受信可能に構成されている(「VICS」は登録商標である)。通信部26は、本発明における「第1送信手段」及び「第2送信手段」の一例に相当する。
表示部25は、例えば液晶ディスプレイなどにより構成され、ユーザに対して文字、画像などを表示する。表示部25を、タッチパネルなどにて構成しても良い。
記憶部22は、例えばHDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。
制御部21は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などを有しており、ナビゲーション装置2全体の制御を行う。例えば、制御部21は、記憶部22に記憶された地図データを参照して、出発地から目的地までのルート案内を行うための処理を行う。
本実施例では、ナビゲーション装置2は、サーバ装置1に対してプローブ情報を送信する。例えば、プローブ情報は、車両3の位置に対応する緯度経度座標のデータや、車両3の走行速度のデータや、車両3の走行方向のデータを有する。これらプローブ情報のうち、車両3の位置に対応する緯度経度座標のデータは、言い換えると車両3の走行軌跡データに相当する。緯度経度座標は、GPS受信機23及び自立測位装置24が求めた値と、記憶部22の地図データとをマップマッチング処理して得られる値などが用いられる。なお、緯度経度座標としては、自立測位装置24が求めた値や、GPS受信機23が受信した値を用いても良いし、GPS受信機23が受信した値を、自立測位装置24が求めた値によって補正した値を用いたりしても良い。
また、走行速度や走行方向は、自立測位装置24が求めた値が用いられる。なお、この走行速度や走行方向は、マップマッチング処理した後の方位を用いたり、GPS受信機23の受信データから算出されるGPS速度、GPS方位を用いたりしても良い。
また、プローブ情報は、車両3が走行した道路におけるピッチ方向の傾斜角度のデータも有する。このような傾斜角度は、自立測位装置24内の加速度センサによって求められる。この他にも、プローブ情報に、車両3が走行した道路の種別(幹線道路や細街路など)を示すデータや、ナビゲーション装置2において設定された目的地のデータや、ナビゲーション装置2において設定されたルートのデータなども含めても良い。
他方で、サーバ装置1は、主に、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
通信部13は、ナビゲーション装置2と無線通信を行うことが可能に構成されている。具体的には、通信部13は、複数のナビゲーション装置2から送信されたプローブ情報を受信する。
記憶部12は、複数のナビゲーション装置2から送信されたプローブ情報を記憶している。また、記憶部12は、ナビゲーション装置2に記憶された地図データと同様の地図データを記憶している。
制御部11は、図示しないCPUやROMやRAMなどを有しており、サーバ装置1全体の制御を行う。本実施例では、制御部11は、プローブ情報に基づいて、地図データの間違いを判定する処理などを行う(詳細は後述する)。制御部11は、本発明における「判定手段」及び「修正手段」の一例に相当する。
[制御方法]
次に、本実施例においてサーバ装置1内の制御部11が行う制御方法の概要について説明する。
本実施例では、サーバ装置1内の制御部11は、複数のナビゲーション装置2から送信されたプローブ情報に基づいて、記憶部12に記憶された地図データの間違いを判定する。具体的には、制御部11は、ナビゲーション装置2においてリルートが発生した場所についての地図データの間違いを判定する。こうするのは、基本的にはユーザは設定されたルート通りに走行するため、リルートが発生した場合(つまりルートから外れた道を走行した場合)には、そのようなリルートが発生した場所の地図データが間違っている可能性が高いと考えられるからである。
より具体的には、ナビゲーション装置2は、リルートを行ったことを示すリルート情報をサーバ装置1に送信し(リルート情報をプローブ情報に含めても構わない)、サーバ装置は、このようなリルート情報に基づいて、地図データの間違いを判定する。この場合、サーバ装置は、リルート情報に基づいて、任意のリンク毎(一つのリンク又は当該リンクを含む複数のリンクからなる所定のリンク郡を意味する。以下同様とする。)に「リルート回数/ルート走行回数」の値を求め、「リルート回数/ルート走行回数」の値が所定値以上であるリンクについてのみ、地図データの間違いを判定する。こうしているのは、「リルート回数/ルート走行回数」の値が大きいリンクは、地図データが間違っている可能性がかなり高いと言えるため、処理負荷の増大を防ぐ観点から、そのようなリンクに対してのみ判定を行うこととしたものである。なお、「リルート回数」は、任意のリンクにおいてリルートが発生した回数に相当し、「ルート走行回数」は、任意のリンクがルート走行された回数に相当する。
また、制御部11は、リルートが発生した場所についてのプローブ情報に基づいて、地図データの間違いとして、水平方向の道路データや、道路の傾斜角度を示す傾斜データや、交通規制を示す規制データや、ユーザを誘導するために用いられる誘導データや、渋滞データについての間違いを判定する。そして、制御部11は、地図データの間違いが検出された場合に、その間違いをプローブ情報に基づいて修正する。地図データの間違いの判定方法や、地図データの修正方法については、詳細は後述する。
なお、本明細書では、「地図データ」は、水平方向の道路データや、傾斜データや、規制データや、誘導データや、渋滞データなどを含むデータとして扱っている。「水平方向の道路データ」は、道路(リンク)を規定する、水平面上の位置座標(緯度経度)を少なくとも有するデータである。また、「渋滞データ」は、渋滞統計情報(過去の情報から統計的に求められた渋滞予測情報)やVICS等で送信された渋滞情報などのデータであり、リンクに対応付けられている。例えば、「渋滞データ」は、時間帯ごとに、渋滞状況(渋滞、混雑、順調)が対応付けられている。
ここで、参考のために、上記した傾斜データの利用方法について説明する。傾斜データは、道路(リンク)におけるピッチ方向の傾斜角度を示すデータである。また、傾斜データは、地図データの一つであり、リンクに対応付けられている。このような傾斜データは、ナビゲーション装置2において、地図データが有する道路上に自車位置をマッチングさせる処理(所謂マップマッチング)を行う場合などに利用される。具体的には、ナビゲーション装置2は、自立測位装置24内の加速度センサによって検出された道路の傾斜角度と、地図データが有する傾斜データにおける傾斜角度とを比較することで、車両3が走行している道路を判定し(以下では、当該判定を「傾斜判定」と呼ぶ。)、その判定結果に基づいてマップマッチングを行う。なお、基本的には、傾斜判定は、傾斜データが存在する道路についてのみ行われる。
図3は、傾斜判定を具体的に説明するための図を示す。図3(a)は、上に、道路A及び道路Bの模式図(ナビゲーション装置2によって表示される画像を模式的に表したもの)を示しており、下に、道路A及び道路Bの道路データを示している。具体的には、図3(a)では、「○」は道路Aの道路データを示しており、「■」は道路Aの道路データを示している。これらの道路データは、前述した水平方向の道路データとは異なるデータであり、垂直方向の道路データに相当する。詳しくは、当該道路データは、位置座標に対して、道路の傾斜角度が対応付けられたデータ(傾斜データ)に相当する。図3(a)に示すように、道路Aはフラットな道路であり、道路Bは傾斜を有する道路であることがわかる。一つの例では、道路Aは高速道路の本線に相当する道路であり、道路Bは高速道路の出口から延びる道路である。
図3(b)は、傾斜判定の一例を示している。図3(b)において「▲」は、自立測位装置24内の加速度センサによって検出された傾斜角度、つまり車両3が走行する道路の傾斜角度を示している。ナビゲーション装置2は、このように検出された傾斜角度と、道路A、Bの道路データ(傾斜データ)とを比較することで、傾斜判定を行う。この場合には、検出された傾斜角度が道路Bの道路データに概ね一致するため、ナビゲーション装置2は、傾斜を有する道路Bを車両3が走行しているものと判断し、地図上において自車位置を道路B上に表示させる(マップマッチング)。
このような傾斜判定によれば、本線と出口から延びる道路とが近接しているような場所や、GPS受信機23が測位しないような場所においても、車両3が走行する道路を適切に特定することができる。また、GPS測位誤差に起因する、車両3が走行する道路の誤判断を適切に抑制することができる。
次に、参考のために、上記した誘導データについて説明する。誘導データは、ユーザを誘導するために用いられるデータである。誘導データは、例えばユーザを誘導する方向(案内方向)や案内地点の名称や案内地点までの距離などを示すデータであり、これらを表すための文字やイラストなどの画像データも含まれる。また、誘導データは、地図データの一つであり、リンクに対応付けられている。
図4は、誘導データの一例を示している。図4では、高速道路の入口に誘導(案内)するための誘導データを示している。
[処理フロー]
次に、図5及び図6を参照して、本実施例における処理フローについて具体的に説明する。
図5は、本実施例においてナビゲーション装置2によって行われる処理フローを示している。当該処理フローでは、主に、リルートを行うか否かを判定するための処理や、リルートを行った場合にリルート情報を送信する処理が行われる。また、当該処理フローは、ナビゲーション装置2内の制御部21によって繰り返し実行される。
まず、ステップS101では、制御部21は、ルートが設定されているか否かを判定する。ルートが設定されている場合(ステップS101:Yes)、処理はステップS102に進む。
ステップS102では、制御部21は、車両3がルート上の道路を走行していないか否かを判定する。例えば、制御部21は、車両3の現在位置(前述した緯度経度座標)と、ルート設定された道路における水平方向の道路データとを比較することで、このような判定を行う。車両3がルート上の道路を走行していない場合(ステップS102:Yes)、処理はステップS103に進む。
ステップS103では、制御部21は、リルートを行う。具体的には、車両3が当初設定されたルート上の道路を走行していないため、制御部21は、車両3の現在位置に基づいて、目的地までの新たなルートを再計算(再検索)する。例えば、制御部21は、車両3が当初設定されたルートから50m以上離れた際にリルートを行う。そして、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、制御部21は、リルートを行ったことを示すリルート情報をサーバ装置1に送信する。例えば、制御部21は、プローブ情報と共にリルート情報をサーバ装置1に送信する、若しくはリルート情報を含めたプローブ情報をサーバ装置1に送信する。そして、処理は終了する。
他方で、ルートが設定されていない場合(ステップS101:No)、及び、車両3がルート上の道路を走行している場合(ステップS102:No)、処理はステップS105に進む。この場合には、制御部21は、リルートを行わない(ステップS105)。そして、処理は終了する。
次に、図6は、本実施例においてサーバ装置1によって行われる処理フローを示している。この処理フローでは、主に、地図データが間違っているか否かを判定するための処理や、間違っている地図データを修正するための処理が行われる。
図6に示す処理フローは、リンク毎(一つのリンク毎又は当該リンクを含む複数のリンクからなる所定のリンク郡毎)に行われる。また、当該処理フローは、例えば所定の期間(一つの例では最近3ヶ月)において収集された複数のプローブ情報を用いて行われる。なお、当該処理フローは、サーバ装置1内の制御部11によって繰り返し実行される。
まず、ステップS201では、制御部11は、処理対象となっているリンクについて、ナビゲーション装置2からのリルート情報に基づいて「リルート回数/ルート走行回数」の値を求め、求められた値が所定値以上であるか否かを判定する。「リルート回数/ルート走行回数」の値が所定値以上である場合(ステップS201:Yes)には、ステップS202に進む。この場合には、記憶部12に記憶された地図データが間違っている可能性が高いため、ステップS202以降において、地図データの間違いを特定する処理や、間違っている地図データを修正する処理が行われる。これに対して、「リルート回数/ルート走行回数」の値が所定値未満である場合(ステップS201:No)には、処理は終了する。この場合には、記憶部12に記憶された地図データが間違っている可能性はそれほど高くないため、地図データの間違いを特定する処理などを行わない。
ステップS202では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、地図データが有する水平方向の道路データに問題があるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データと、地図データが有する水平方向の道路データとを比較することで、水平方向の道路データに問題があるか否かを判定する。例えば、制御部11は、走行軌跡データと水平方向の道路データとで、それぞれのデータが示す道路の位置(緯度、経度)や形状などが異なる場合に、水平方向の道路データが間違っていると判定する。
水平方向の道路データに問題がある場合(ステップS202:Yes)、処理はステップS203に進み、水平方向の道路データに問題がない場合(ステップS202:No)、処理はステップS204に進む。ステップS203では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、当該リンクにおける水平方向の道路データを修正する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データに基づいて、地図データが有する水平方向の道路データを修正する。そして、処理はステップS204に進む。
ステップS204では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、地図データが有する傾斜データに問題があるか否かを判定する。一つの例では、制御部11は、プローブ情報が有する傾斜角度のデータ(自立測位装置24内の加速度センサによって検出された傾斜角度のデータ)と、地図データが有する傾斜データとを比較することで、傾斜データに問題があるか否かを判定する。この例では、制御部11は、プローブ情報が有する傾斜角度のデータが、地図データが有する傾斜データと異なる場合に、傾斜データが間違っていると判定する。
他の例では、制御部11は、プローブ情報が有する傾斜角度のデータを用いずに、ナビゲーション装置2において前述したような傾斜判定が行われたか否かによって、傾斜データに問題があるか否かを判定する。この例では、ナビゲーション装置2は、傾斜判定を行った場合に、傾斜判定を行ったことを示す情報(傾斜判定情報)をサーバ装置1に送信し、サーバ装置1の制御部11は、傾斜判定が行われたことを当該情報が示している場合に、傾斜データが間違っていると判定する。なお、傾斜判定情報をプローブ情報に含めても構わない。
傾斜データに問題がある場合(ステップS204:Yes)、処理はステップS205に進み、傾斜データに問題がない場合(ステップS204:No)、処理はステップS206に進む。ステップS205では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、当該リンクにおける傾斜データを修正する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する傾斜角度のデータによって、地図データが有する傾斜データを修正する。そして、処理はステップS206に進む。
ステップS206では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、地図データが有する規制データに問題があるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データと、地図データが有する規制データにおける交通規制の内容とに基づいて、規制データに問題があるか否かを判定する。例えば、規制データにおける交通規制が右折禁止であることを示しているにも関わらずに(この場合には直進や右折を行わせるようなルートが設定されている)、走行軌跡データが、車両3が右折していることを示している場合には、制御部11は、規制データが間違っていると判定する(左折禁止や直進禁止などについても同様である)。また、例えば、規制データが、一方通行や通行止めなどの交通規制が特に付されていない道路であることを示しているにも関わらず(この場合には当該道路を走行させるようなルートが設定されている)、走行軌跡データが、車両3が当該道路を迂回するように走行していることを示している場合には、制御部11は、規制データが間違っていると判定する。
規制データに問題がある場合(ステップS206:Yes)、処理はステップS207に進み、規制データに問題がない場合(ステップS206:No)、処理はステップS208に進む。
ステップS207では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、当該リンク(ノードを含めても良い)における規制データを修正する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データに基づいて、地図データが有する規制データを修正する。例えば、規制データにおける交通規制が右折禁止であることを示しているにも関わらずに、走行軌跡データが、車両3が右折していることを示している場合には、制御部11は、右折禁止といった交通規制を無くすように規制データを修正する(左折禁止や直進禁止などについても同様である)。また、例えば、規制データが、一方通行や通行止めなどの交通規制が特に付されていない道路であることを示しているにも関わらず、走行軌跡データが、車両3が当該道路を迂回するように走行していることを示している場合には、制御部11は、一方通行や通行止めなどの交通規制を付加するように規制データを修正する。以上のステップS207の後、処理はステップS208に進む。
ステップS208では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、地図データが有する誘導データに問題があるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データと、地図データが有する誘導データの内容とに基づいて、誘導データに問題があるか否かを判定する。例えば、走行軌跡データが、誘導データが示す案内方向と異なる方向に車両3が進行したことを示している場合(この場合には、誘導データが示す案内方向に進行させるようなルートが設定されているものとする)、制御部11は、誘導データが間違っていると判定する。
誘導データに問題がある場合(ステップS208:Yes)、処理はステップS209に進み、誘導データに問題がない場合(ステップS208:No)、処理はステップS210に進む。
ステップS209では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、当該リンク(ノードを含めても良い)における誘導データを修正する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データに基づいて、地図データが有する誘導データを修正する。例えば、走行軌跡データが、誘導データが示す案内方向と異なる方向に車両3が進行したことを示している場合、制御部11は、誘導データが示す案内方向を、車両3が進行した方向に修正する。この場合、制御部11は、文字やイラストなどの画像データも修正する。そして、処理はステップS210に進む。
ステップS210では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、地図データが有する渋滞データに問題があるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データと、地図データが有する渋滞データの内容とに基づいて、渋滞データに問題があるか否かを判定する。例えば、渋滞データが、渋滞が発生している道路であることを示しているにも関わらず、走行軌跡データが、車両3が当該道路を走行していることを示している場合(つまり、基本的には、渋滞データに基づいて、渋滞が発生している道路を用いないようなルートが設定されるが、車両3がルート上の道路を走行せずに渋滞が発生しているとされた道路を走行している場合)、制御部11は、渋滞データが間違っていると判定する。
渋滞データに問題がある場合(ステップS210:Yes)、処理はステップS211に進み、渋滞データに問題がない場合(ステップS210:No)、処理は終了する。
ステップS211では、制御部11は、処理対象となっているリンクにおいてリルートが発生した際のプローブ情報に基づいて、当該リンクにおける渋滞データを修正する。具体的には、制御部11は、プローブ情報が有する走行軌跡データに基づいて、地図データが有する渋滞データを修正する。例えば、渋滞データが、渋滞が発生している道路であることを示しているにも関わらず、走行軌跡データが、車両3が当該道路を走行していることを示している場合、制御部11は、当該道路が渋滞していないことを示すように渋滞データを修正する。そして、処理は終了する。
上記の図6に示した処理フローによれば、地図データの間違いを効率的且つ適切に判定することができると共に、間違っている地図データを適切に修正することができる。
なお、上記では、任意のリンク毎(一つのリンク又は当該リンクを含む複数のリンクからなる所定のリンク郡)に「リルート回数/ルート走行回数」の値を求め、「リルート回数/ルート走行回数」の値が所定値以上であるリンクについてのみ、地図データの間違いを判定しているが、さらに、「リンクを含む複数のリンクからなる所定のリンク郡」についてより詳しく説明する。
例えば、上述のように制御部21が、車両3が当初設定されたルートから50m以上離れた際にリルートを行うように設定されている場合など、車両3がルートを外れてからリルートが起こるまで時間がかかった場合には、リルートが起こる原因がその時点で車両3が位置するリンクではなく、周辺のリンクにある場合でも適切に対応することが求められることがある。より具体的な例としては、地図データに間違いがあるリンクの長さが50m以下の時など、リルートが起こった時点に車両が走行しているリンクと地図データに間違いのあるリンクとが異なっている場合である。このような場合は、車両3が位置するリンクに繋がった複数のリンクを含めたリンク郡を検出することによって、地図データに間違いのあるリンクをもれなく検出することができる。
さらには、車両3が位置するリンクに繋がっていないリンクであっても、その周辺にあるリンクをリンク郡に含めることもできる。これによれば、工事等によって新しい地形や道路データが変更された場合などには、周辺のリンクに関する地図データも同時にデータ修正すべきリンクとして検出することができる。
[変形例]
上記では、サーバ装置1側において、ナビゲーション装置1からのリルート情報に基づいてリルートを判断する実施例を示したが、これに限定はされない。つまり、サーバ装置1側において、リルート情報を用いずに、リルートを判断することも可能である。他の例では、サーバ装置1は、プローブ情報としてナビゲーション装置1において設定されたルートのデータを取得して、車両3が当該ルート上の道路を走行しているか否かの判定を行うことで、ナビゲーション装置1においてリルートが発生したか否かを判断することができる。この例では、サーバ装置1は、プローブ情報が有する走行軌跡データと、設定されたルートについての水平方向の道路データとを比較することで、車両3が当該ルート上の道路を走行しているか否かを判定し、車両3が当該ルート上の道路を走行していない場合に、リルートが発生したと判断することができる。そして、サーバ装置1は、このように判断されたリルートに基づいて、前述した「リルート回数/ルート走行回数」の値を求めることができる。
また、上記では、傾斜データとして、道路におけるピッチ方向の傾斜角度のデータを用いる例を示したが、これに限定はされない。他の例では、道路の高度のデータや、道路が上り勾配であるか又は下り勾配であるかを示すデータを、傾斜データとして用いることができる。高度のデータを傾斜データとして用いる場合には、GPS受信機23によって検出された高度と、傾斜データとしての高度とを比較することで、傾斜データに問題があるか否かを判定することができる。他方で、道路が上り勾配であるか又は下り勾配であるかを示すデータを傾斜データとして用いる場合には、自立測位装置24内の加速度センサによって車両3が上っているか又は下っているかといった状態を検出し、検出された車両3の状態と、傾斜データが示す道路の勾配(上り勾配又は下り勾配)とを比較することで、傾斜データに問題があるか否かを判定することができる。また、このような他の例に係る傾斜データを用いる場合にも、前述した傾斜判定を同様に行うことができ(例えば図3参照)、傾斜判定が行われたか否かによって、傾斜データに問題があるか否かを判定することもできる。
本発明は、一般的なナビゲーション装置2への適用に限定はされず、PND(Portable Navigation Device)にも適用することができる。更に、本発明は、ナビゲーション機能を有するスマートフォンなどの携帯型端末装置にも適用することができる。
以上に述べたように、実施例は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
1 サーバ装置
2 ナビゲーション装置
3 車両
11、21 制御部
12、22 記憶部
13、26 通信部
23 GPS受信機
24 自立測位装置

Claims (1)

  1. 複数のナビゲーション装置から送信されたプローブ情報を収集するサーバ装置であって、
    前記ナビゲーション装置においてリルートが発生した際の前記プローブ情報に基づいて、前記リルートが発生した場所の地図データの間違いを判定する判定手段を備えることを特徴とするサーバ装置。
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