以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用されたナビゲーション装置1の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示すナビゲーション装置1は、車両に搭載されるものであり、位置検出器11、地図データ入力器16、操作スイッチ群17、音声出力装置19、外部メモリ20、表示装置21、ナビ側送受信機22、リモコンセンサ23、リモートコントロール端末(以下リモコンと称する)24、およびこれらと接続された制御装置18を備えている。
位置検出器11は、地磁気を検出する地磁気センサ12、車両の鉛直方向周りの角速度を検出するジャイロセンサ13、車両の移動距離を検出する距離センサ14、および人工衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPSのためのGPS受信機15を有しており、車両の現在位置および進行方向の検出を行う。これらの各センサ12〜15は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器11を上述した内の一部で構成してもよく、さらに、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の回転速度から速度を検出する車速センサ等を用いてもよい。
また、GPS受信機15は、GPS受信機15に搭載されているクオーツ時計の時刻データおよび人工衛星に搭載されている原子時計の時刻データから、車両の現在位置における日時情報を得て、後述する制御装置18に送る。よって、GPS受信機15は、請求項の紫外線量関係情報取得手段として機能する。なお、日時情報は、例えば何月かを示す情報であってもよいし、春夏秋冬のいずれの季節かを示す情報であってもよいし、何月何日かを示す情報であってもよいし、何時かを示す情報であってもよいし、朝昼夜などの時間帯を示す情報であってもよい。本実施形態では、日時情報が、何月の朝昼夜のどの時間帯であるかを示す情報である場合を例に挙げて以降の説明を行う。
地図データ入力器16は、記憶媒体(図示せず)が装着され、その記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ、および目印データを含む各種データを入力するための装置である。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータとが含まれる。なお、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および制限速度等の各データから構成される。
一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。
また、上記記憶媒体には、各種施設の種類、名称、住所のデータなども記憶されており、それらのデータは経路探索の際の目的地設定などに用いられる。なお、上記記憶媒体としては、CD−ROMまたはDVD−ROM、メモリカード、HDD等が用いられる。
操作スイッチ群17は、例えば表示装置21と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置18へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音量調整等)の操作指示を行う。また、操作スイッチ群17は、出発地および目的地を設定するためのスイッチを含んでいる。そのスイッチを操作することによって、ユーザ(つまり、車両の乗員)は、予め登録しておいた地点、施設名、電話番号、住所などから、出発地および目的地を設定することができる。
リモコン24には複数の操作スイッチ(図示せず)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ23を介して各種指令信号を制御装置18に入力することにより、操作スイッチ群17と同じ機能を制御装置18に対して実行させることが可能である。
音声出力装置19は、スピーカ等から構成され、制御装置18の指示に基づいて、経路案内時の案内音声などを出力する。
外部メモリ20は、書き込み可能なHDD等の大容量記憶装置である。外部メモリ20には大量のデータや電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器16からコピーして利用したりする等の用途がある。また、外部メモリ20は、位置検出器11で検出された車両の現在位置の情報のうち、最新の検出結果を記憶している。さらに、外部メモリ20は、位置検出器11で検出された車両の向いている方角の情報のうち、最新の検出結果を記憶している。なお、外部メモリ20は、比較的記憶容量の小さいリムーバブルなメモリであってもよい。
表示装置21は、車両の走行を案内するための地図および目的地選択画面等を表示するものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。
ナビ側送受信機22は、車載用の小型通信機であり、図示しない情報センタから送信される車両の現在位置周辺の天候(晴天・曇天・雨天等)を示す天候情報を、例えば携帯電話網などを経由して受信する。また、ナビ側送受信機22は、情報センタから送信される渋滞情報を受信する。そして、ナビ側送受信機22は、受信したこの天候情報および渋滞情報を制御装置18に送る。なお、前述の天候情報や渋滞情報に関しては、ラジオ放送等から受信することとしても良い。また、車両の現在位置周辺の天候に関しては、日照センサや降雨センサからのセンサ信号に基づいて、晴天・曇天・雨天のいずれであるかを判断することとしてもよい。
制御装置18は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAMなどのメモリ、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)が備えられている。制御装置18は、位置検出器11、地図データ入力器16、操作スイッチ群17、外部メモリ20、リモコンセンサ23から入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。例えば、経路探索実行処理においては、制御装置18は、操作スイッチ群17、リモコン24から目的地が入力されると、距離優先、時間優先等の予め設定された条件を満たす複数の移動経路(以下、案内候補経路と呼ぶ)を、公知のダイクストラ法を用いて探索する。
また、制御装置18は、車両が所定の距離を走行するごと(例えば500m間隔ごと)に、車両の現在位置の情報を位置検出器11から取得するとともに、この現在位置において紫外線センサ2で測定した紫外線量の情報とこの現在位置においてこの紫外線量を測定したときの天候情報および日時情報(以下、紫外線量関係情報と呼ぶ)とを、この現在位置情報に対応付けて制御装置18のメモリに格納する処理(以下、実測値収集処理と呼ぶ)を行う。よって、制御装置18は、請求項の現在位置情報取得手段として機能し、制御装置18のメモリは、請求項の対応関係格納部として機能する。なお、紫外線量の情報については、紫外線センサ2から送られてくるものを用い、天候情報についてはナビ側送受信機22から送られてくるものを用い、日時情報については、GPS受信機15から送られてくるものを用いる。よって、ナビ側送受信機22は、請求項の紫外線量情報取得手段および紫外線量関係情報取得手段としても機能する。また、これらの現在位置の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報は、対応付けられて例えばテーブルの形式で格納されるものとする。なお、実測値収集処理の詳細については後述する。
さらに、制御装置18は、ユーザが操作スイッチ群17やリモコン24から目的地を入力した場合(つまり、経路探索実行処理が開始された場合)には、対応付けられてテーブルの形式でメモリに格納されている現在位置の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報(以下、これらをまとめてテーブル格納情報と呼ぶ)、ならびにナビ側送受信機22から送られてきた渋滞情報をもとに、前述の複数の案内候補経路の各々を車両が走行すると想定した場合において車両の車室内の紫外線量が最も少なくなる案内候補経路を推定し、推定した案内候補経路を案内すべき移動経路として選択する処理(以下、低紫外線経路選択処理と呼ぶ)を行う。よって、制御装置18は、請求項の渋滞情報取得手段および車両側選択手段としても機能する。なお、低紫外線経路選択処理の詳細については後述する。また、制御装置18は、低紫外線経路選択処理によって選択した移動経路による経路案内表示を表示装置21に行わせ、案内を行う。
紫外線センサ2は、公知の紫外線センサであって、車両に設置されて車室内の紫外線量を測定する。紫外線センサ2の設置場所としては、例えば図2に示すように、車両前面のルームミラーAの下とする。この場合には、紫外線センサ2によって、車両前方から車室内に差し込む紫外線量を測定することになる。また、紫外線センサ2は、測定した紫外線量の情報を、制御装置18に送る。
なお、本実施形態では、例として車両前方から車室内に差し込む紫外線量を測定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、紫外線センサ2の設置場所を車両の側方や後方などとすることにより、車両側方や車両後方から車室内に差し込む紫外線量を測定する構成としてもよい。
次に、図3を用いて、制御装置18での実測値収集処理のフローについての説明を行う。図3は、制御装置18での実測値収集処理のフローを示すフローチャートである。なお、本フローは、車両のイグニッションスイッチがオンされたときに開始される。
まず、ステップS1では、車両が走行を開始してから所定の距離に達したか否かを制御装置18が判定する。なお、ここで言うところの所定の距離とは、任意に設定可能な距離であって、例えば500mとする。そして、所定の距離に達したと判定した場合(ステップS1でYes)には、ステップS2に移る。また、所定の距離に達したと判定しなかった場合(ステップS1でNo)には、ステップS1を繰り返す。
ステップS2では、車両の現在位置の情報を位置検出器11から取得し、ステップS3に移る。ステップS3では、この現在位置において紫外線センサ2で測定した紫外線量の情報を紫外線センサ2から得て、ステップS4に移る。ステップS4では、この現在位置においてこの紫外線量を測定したときの紫外線量関係情報をナビ側送受信機22およびGPS受信機15から得て、ステップS5に移る。
なお、本実施形態では、ステップS2の処理、ステップS3の処理、ステップS4の処理の順に処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。ステップS2〜ステップS4の処理は順不同であって、お互いに順序が入れ替わった構成であってもよい。
ステップS5では、ステップS2〜ステップS4で得られた現在位置の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報を対応付けてメモリにテーブルの形式で格納し、ステップS6に移る。
ステップS6では、車両のイグニッションスイッチがオフになっていた場合(ステップS6でYes)には、フローを終了し、車両のイグニッションスイッチがオフになっていなかった場合(ステップS6でNo)には、ステップS7に移る。
ステップS7では、前回現在位置の情報を位置検出器11から取得してから車両の走行距離が所定の距離に達したか否かを制御装置18が判定する。なお、ここで言うところの所定の距離とは、任意に設定可能な距離であって、例えば500mとする。そして、所定の距離に達したと判定した場合(ステップS7でYes)には、ステップS2に移ってフローを繰り返す。また、所定の距離に達したと判定しなかった場合(ステップS7でNo)には、ステップS6に戻ってフローを繰り返す。
つまり、図3のフローでは、イグニッションスイッチがオフされるまでは、車両が500m進むごとに、その地点の現在位置の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報を対応付けてメモリに格納し続ける。
また、新たにメモリに格納しようとする現在位置の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報のうちの、現在位置の情報および紫外線量関係情報が、既にメモリに格納されているテーブル格納情報と同一であった場合には、新たにメモリに格納しようとする紫外線量と既にメモリに格納されているテーブル格納情報のうちの紫外線量との平均値を求め、求めた平均値をこのテーブル格納情報の紫外線量の情報として改めて対応付ける構成とすればよい。
なお、図3のフローは、車両のイグニッションスイッチがオフされたときには、フローの途中であってもフローを終了する。
次に、図4を用いて、制御装置18での低紫外線経路選択処理のフローについての説明を行う。図4は、制御装置18での低紫外線経路選択処理のフローを示すフローチャートである。なお、本フローは、ユーザが操作スイッチ群17やリモコン24から目的地を入力したときに開始される。
まず、ステップS21では、操作スイッチ群17またはリモコン24から入力された目的地へ到達する移動経路であって、距離優先、時間優先等の予め設定された条件を満たす複数の案内候補経路を公知のダイクストラ法を用いて探索し、ステップS22に移る。
ステップS22では、GPS受信機15から日時情報を取得するとともに、ナビ側送受信機22から天候情報を取得して、ステップS23に移る。
ステップS23では、ステップS21で探索された複数の案内候補経路のうち、未だ選択されていない案内候補経路を一つ選択し、ステップS24に移る。ステップS24では、ステップS23で選択した案内候補経路の各交差点間を結ぶ個々の道路(以下、各道路と呼ぶ)のうち、未だ選択されていない道路を一つ選択し、ステップS25に移る。
ステップS25では、ステップS24で選択した道路上の地点が、メモリに格納されているテーブル格納情報に対応付けられているか否かを判定する。つまり、ステップS24で選択した道路上に、紫外線量を紫外線センサ2で実測した地点(以下、実測地点と呼ぶ)が存在するか否かを判定する。そして、実測地点が存在すると判定した場合(ステップS25でYes)には、ステップS28に移る。また、実測地点が存在すると判定しなかった場合(ステップS25でNo)には、ステップS26に移る。
ステップS26では、未だ選択されていない道路が存在するか否かを判定する。そして、未だ選択されていない道路が存在すると判定した場合(ステップS26でYes)には、ステップS24に戻って、フローを繰り返す。また、未だ選択されていない道路が存在すると判定しなかった場合(ステップS26でNo)には、ステップS27に移る。
ステップS27では、未だ選択されていない案内候補経路が存在するか否かを判定する。そして、未だ選択されていない案内候補経路が存在すると判定した場合(ステップS27でYes)には、ステップS23に戻って、フローを繰り返す。また、未だ選択されていない案内候補経路が存在すると判定しなかった場合(ステップS27でNo)には、ステップS32に移る。
ステップS28では、コスト算出処理を行い、ステップS29に移る。以下に、コスト設定処理の詳細について述べる。
コスト算出処理では、位置検出器11が検出した車両の現在位置と地図データ入力器16の記憶媒体に記憶されている地図データとから算出される、ステップS24で選択した道路までの距離とステップS22で取得した日時情報および天候情報とに基づいて、当該道路上の実測地点を通過時の日時(本実施形態の例では、何月の朝昼夜のどの時間帯か)および当該道路上の実測地点を通過時の天候を予想する。
そして、この実測地点の情報と予想した日時および天候の情報とをもとに、テーブル格納情報を参照し、現在位置の情報および日時および天候の情報(つまり、紫外線量関係情報)が一致するデータ列が存在した場合には、そのデータ列に対応付けられている紫外線量の情報を得る。
また、当該道路の渋滞情報をナビ側送受信機22で受信していた場合には、ナビ側送受信機22から実測地点の渋滞情報を取得し、取得した渋滞情報が示す交通量の度合いに応じて、得られた紫外線量の情報(具体的には、紫外線量の値)を補正する。例えば、この補正は、紫外線量の値に渋滞情報が示す交通量の度合いに応じた係数を乗算することによって行う。例えば、交通量の度合いに応じた係数は、交通量の度合いが「渋滞」の場合には係数「10」、「混雑」の場合は係数「5」、「通常」の場合は係数「1」、「疎ら」の場合は係数「0.5」とすればよい。なお、この係数は任意に設定可能なものとする。
続いて、得られた紫外線量の値が所定の閾値以上(例えば41W/m2以上)であるか否かの判定を行い、所定の閾値以上であった場合には、当該道路にコスト「1」を加算する。また、所定の閾値以上でなかった場合には、当該道路からコスト「1」を減算する。そして、当該道路上のすべての実測地点についてこれら一連の処理を行うことによって、当該道路のコストを算出する。
ステップS29では、ステップS23で選択した案内候補経路に含まれる各道路を全て選択したか否かを判定する。そして、全ての道路を選択したと判定した場合(ステップS29でYes)には、ステップS30に移る。また、全ての道路を選択したと判定しなかった場合(ステップS29でNo)には、ステップS24に戻ってフローを繰り返す。
ステップS30では、ステップS23で選択した案内候補経路に含まれる各道路について算出されたコストを総和して案内候補経路の総コストを算出し、ステップS31に移る。
ステップS31では、ステップS21で探索された複数の案内候補経路を全て選択したか否かを判定する。そして、複数の案内候補経路を全て選択したと判定した場合(ステップS31でYes)には、ステップS32に移る。また、複数の案内候補経路を全て選択したと判定しなかった場合(ステップS31でNo)には、ステップS23へ戻ってフローを繰り返す。
ステップS32では、複数の案内候補経路の各総コストを比較し、総コストが最も少ない案内候補経路を、案内すべき移動経路として選択し、フローを終了する。
以上の構成によれば、紫外線センサ2で車室内の紫外線量を実測した地点ごとに、その紫外線量の情報およびその紫外線量を実測したときの紫外線量関係情報が対応付けられることになる。よって、案内候補経路上に存在する地点のうちに、実測地点が存在し、且つ、この実測地点を車両が通過すると予想されるときの紫外線量関係情報が、この実測地点に対応付けられている紫外線量関係情報と同一であった場合には、案内候補経路上に存在する地点における車室内の紫外線量を高確率に予測することができる。よって、複数の案内候補経路のうち、車室内の紫外線量が最も少なくなる経路を選択することが可能になる。従って、以上の構成によれば、車両の乗員にあたる紫外線量をより確実に低減させることを可能にすることができる。
また、渋滞によって車両が一地点にとどまっている場合には、紫外線を遮ることができずに長時間浴び続けなければならない可能性があるため、より紫外線の影響を受けるものと考えられる。また、渋滞がなく、車両が一地点にほとんどとどまっていない場合には、その地点での車室内の紫外線量が強い場合であっても、紫外線の影響を受けにくいものと考えられる。よって、以上の構成によれば、複数の案内候補経路のうち、より紫外線の影響を受けると考えられる経路を避ける(つまり、選択しない)とともに、紫外線の影響を受けにくいものと考えられる経路を選択することを、さらに精度良く行うことが可能になる。
なお、本実施形態では、渋滞情報に基づいて、渋滞の度合いが高い実測地点ほど紫外線量を高くする補正を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、制御装置18が渋滞情報を取得せず、上述の補正を行わない構成であってもよい。
また、本実施形態では、経路探索実行処理が開始された場合に、低紫外線経路選択処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、低紫外線経路選択処理を行うか否かのユーザからの設定入力を操作スイッチ群17やリモコン24で受け付ける構成とし、経路探索実行処理が開始された場合であっても、低紫外線経路選択処理を行う旨の設定入力を受け付けていない場合には、低紫外線経路選択処理を行わずに経路探索実行処理を行って移動経路を決定する構成としてもよい。
なお、本実施形態では、制御装置18が車両の現在位置の情報を位置検出器11から取得する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、制御装置18が車両の現在位置の情報とともに、この現在位置における車両の進行方向の情報を位置検出器11から取得する構成であってもよい。この場合には、ステップS3では、この現在位置およびこの進行方向において紫外線センサ2で測定した紫外線量の情報を紫外線センサ2から得る構成とすればよく、ステップS4では、この現在位置およびこの進行方向においてこの紫外線量を測定したときの紫外線量関係情報をナビ側送受信機22およびGPS受信機15から得る構成とすればよい。また、ステップS5では、ステップS2〜ステップS4で得られた現在位置の情報、車両の進行方向の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報を対応付けてメモリに格納する構成とすればよい。そして、対応付けられてメモリに格納されている現在位置の情報、車両の進行方向の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報、ならびにナビ側送受信機22から送られてきた渋滞情報をもとに、低紫外線経路選択処理を行う構成とすればよい。
以上の構成のようにすれば、紫外線センサ2で車室内の紫外線量を実測した地点ごとに、その紫外線量情報、車両の進行方向の情報、およびその紫外線量を実測したときの紫外線量関係情報が対応付けられることになる。よって、案内候補経路上に存在する地点のうちに、実測地点が存在し、且つ、この実測地点を車両が通過すると予想されるときの車両の進行方向の情報および紫外線量関係情報が、この実測地点に対応付けられている車両の進行方向の情報および紫外線量関係情報と同一であった場合には、案内候補経路上に存在する地点における車室内の紫外線量をさらに高確率に予測することができる。よって、複数の案内候補経路のうち、車室内の紫外線量が最も少なくなる経路をより精度良く選択することが可能になる。
また、前述した、低紫外線経路選択処理を行う旨の設定入力を受け付けていない場合に、低紫外線経路選択処理を行わずに経路探索実行処理を行って移動経路を決定する構成において、経路探索実行処理を行って決定した移動経路のうちに、車室内の紫外線量が異常閾値以上(例えば51W/m2以上)になると推測される地点が存在した場合には、車両の乗員に警告を行う構成であってもよい。詳しくは、まず、前述のコスト算出処理中のテーブル格納情報のデータ列に対応付けられている紫外線量の情報を得る処理と同様にして、経路探索実行処理を行って決定した移動経路を走行時に車室内に実際に差し込むと推測される紫外線量の値を得る。続いて、得られた紫外線量の値のうちに、異常閾値以上のものがあるか否かを制御装置18が判定する。そして、異常閾値以上のものがあると判定した場合には、異常閾値以上の紫外線量が車室内に差し込むと推測された地点(つまり、テーブル格納情報において、異常閾値以上の紫外線量の情報と対応付けられていた現在位置の情報が示す地点)を、表示装置21に表示させる経路案内表示中で例えば強調表示させたりなどすることによって、車両の乗員に紫外線量の多い地点を知らせる警告を行う。なお、警告は、表示装置21によって行う構成に限らず、音声出力装置19によって行う構成であってもよい。
以上の構成によれば、移動経路上に存在する地点における車室内の紫外線量が異常閾値以上であった場合には、車両の乗員に警告を行うことができるので、紫外線量の多い経路を避けて走行するように促すことが可能になる。従って、以上の構成によっても、車両の乗員にあたる紫外線量をより確実に低減させることを可能にすることができる。
次に、図5を用いて、本発明が適用された車両用経路案内システム100についての説明を行う。図5は、車両用経路案内システム100の概略的な構成を示すブロック図である。図5に示す車両用経路案内システム100は、ナビゲーション装置1および紫外線センサ2を搭載した車両4a・4bと管理サーバ3とを含んでいる。
車両用経路案内システム100におけるナビゲーション装置1は、ナビ側送受信機22によって管理サーバ3との情報のやり取りを行うこと以外は、前述したのと同様の機能を果たすものとする。具体的には、ナビゲーション装置1は、ナビ側送受信機22によって管理サーバ3へ、実測値収集処理において対応付けた現在位置の情報、紫外線量の情報、および紫外線量関係情報(以下、対応関係情報と呼ぶ)を送信する。つまり、車両が所定の距離を走行するごと(例えば500m間隔ごと)に、対応関係情報がナビ側送受信機22によって管理サーバ3へ向けて送信されることになる。よって、ナビ側送受信機22は、請求項の車両側通信装置として機能する。また、ナビゲーション装置1は、経路探索実行処理が開始された場合には、ナビ側送受信機22によって管理サーバ3へ、現在位置の情報、紫外線量関係情報、渋滞情報、および操作スイッチ群17またはリモコン24から入力された目的地の情報などを送信する。
管理サーバ3は、ネットワーク上のサーバであって、サーバ側送受信機31、サーバ側演算装置32、およびサーバメモリ33を備えている。
サーバ側送受信機31は、例えば携帯電話網などを経由した間接的な通信によって、ナビ側送受信機22との間で情報のやり取りを行う。具体的には、サーバ側送受信機31は、車両4a・4bのナビ側送受信機22から管理サーバ3へ送信される前述した情報を受信する。また、サーバ側送受信機31は、後述するサーバ側演算装置32で得られる移動経路の情報などをナビ側送受信機22へ送信する。
サーバ側演算装置32は、サーバ側送受信機31で受信した対応関係情報を、例えばテーブルの形式でサーバメモリ33へ格納する。よって、サーバメモリ33は、請求項のメモリとして機能する。なお、新たにサーバメモリ33に格納しようとする対応関係情報のうちの、現在位置の情報および紫外線量関係情報が、既にサーバメモリ33に格納されている対応関係情報と同一であった場合には、新たにサーバメモリ33に格納しようとする紫外線量と既にサーバメモリ33に格納されている対応関係情報のうちの紫外線量との平均値を求め、求めた平均値をこの対応関係情報の紫外線量の情報として改めて対応付ける構成とすればよい。
また、サーバ側演算装置32は、サーバ側送受信機31で目的地の情報を受信した場合には、目的地の情報を送信した車両(ここでは、例として車両4aとする)の現在位置の情報、紫外線量関係情報、および渋滞情報をもとに、前述した制御装置18の低紫外線経路選択処理と同様の処理を行って、車両4aの移動経路を選択する。そして、サーバ側送受信機31によって、選択した移動経路の情報を車両4aのナビ側送受信機22に向けて送信させる。
サーバ側演算装置32によって選択された移動経路の情報をナビ側送受信機22で受信した場合には、ナビゲーション装置1はこの移動経路を、案内すべき移動経路として決定する。なお、ナビゲーション装置1では、制御装置18で選択した移動経路よりも、サーバ側演算装置32で選択した移動経路を、案内すべき移動経路として優先して決定するものとする。
以上の構成によれば、対応関係情報を、複数の車両(本実施形態の例では車両4aおよび車両4b)から得ることができるので、案内候補経路上に存在する地点のうちに、実測地点が存在するケースが、1台の車両から対応関係情報を得る場合よりも増える。よって、複数の案内候補経路のうち、車室内の紫外線量が最も少なくなる経路をより精度良く選択することが可能になる。
なお、本実施形態では、サーバ側演算装置32で移動経路を選択する処理を行う場合に、ナビ側送受信機22から送信された天候情報および渋滞情報を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、サーバ側演算装置32で移動経路を選択する処理を行う場合に、情報センタからサーバ側送受信機31で受信した天候情報および渋滞情報を用いる構成であってもよい。
また、本実施形態では、サーバ側演算装置32で移動経路を選択する処理を行う場合に、渋滞情報を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らず、サーバ側演算装置32で移動経路を選択する処理を行う場合に、渋滞情報を用いない構成であってもよい。
なお、車両用経路案内システム100におけるナビゲーション装置1で低紫外線経路選択処理を行わない構成としてもよい。
また、車両用経路案内システム100では、サーバ側演算装置32が、複数の車両(本実施形態の例では車両4aおよび車両4b)からサーバ側送受信機31で受信した各対応関係情報を、サーバ側送受信機31からこの複数の車両のうちの少なくともいずれかの車両(本実施形態の例では車両4aおよび車両4bのうちの少なくとも一方)に配信する構成であってもよい。この場合、サーバ側送受信機31から配信される上述の各対応関係情報をナビ側送受信機22で受信し、受信したこの各対応関係情報をもとにして、制御装置18が、公知の「渋滞情報」と同様にして「紫外線情報」を案内する構成であってもよい。具体例としては、車両の走行を案内するための地図上の、この各対応関係情報に対応付けられている現在位置情報が示す地点に、この現在位置情報に対応付けられている紫外線量を表示させるなどの「紫外線情報」を案内する。なお、この構成においては、車両用経路案内システム100のサーバ側演算装置32で移動経路を選択する処理を行わない構成としてもよい。
これによれば、自車両(ここでは、例として車両4aとする)以外の車両(ここでは、例として車両4bとする)の紫外線センサ2で実測された、ある地点における車室内の紫外線量を示す情報について、車両4aの乗員が案内を受けることが可能になるので、車両4bが実際に通行したことはあるが、車両Bが実際に通行したことのない地点の現時点での実際の紫外線量を車両4aの乗員が知ることも可能になる。よって、車両4aの乗員がこの実際の紫外線量の情報をもとに、紫外線量の多い経路を避けて走行することも可能になる。従って、以上の構成によっても、車両の乗員にあたる紫外線量をより確実に低減させることを可能にすることができる。
なお、前述の実施形態では、紫外線量関係情報として日時情報と天候情報との両方を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らず、紫外線量関係情報として日時情報と天候情報とのうちのいずれか一方のみを用いる構成であってもよい。
また、前述の実施形態では、距離優先や時間優先等の予め設定された条件を満たす複数の案内候補経路を、ダイクストラ法を用いて探索した後に、車室内の紫外線量が最も少なくなる経路を選択する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、紫外線優先の条件を満たす経路を、ダイクストラ法を用いて探索することによって、車室内の紫外線量が最も少なくなる経路を選択する構成であってもよい。この場合、距離や時間のコストに加え、前述したコスト算出処理と同様にして紫外線コストを算出し、このコストの重みを他のコスト(つまり、距離や時間のコスト)よりも大きくしたうえで総コストを算出することによって、車室内の紫外線量が最も少なくなる経路を選択する構成とすればよい。また、この場合に、距離や時間のコストを用いず、紫外線コストのみを用いて車室内の紫外線量が最も少なくなる経路を選択する構成としてもよい。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 ナビゲーション装置(車両用経路案内装置)、2 紫外線センサ、3 管理サーバ、11 位置検出器、15 GPS受信機(紫外線量関係情報取得手段)、18 制御装置(現在位置情報取得手段、紫外線量情報取得手段、渋滞情報取得手段、対応関係格納部、車両側選択手段)、21 表示装置(警告手段)、22 ナビ側送受信機(紫外線量関係情報取得手段、車両側通信装置)、31 サーバ側送受信機(サーバ側通信装置)、32 サーバ側演算装置(サーバ側選択手段)、33 サーバメモリ(メモリ)、100 車両用経路案内システム