JP2021028797A - 情報処理装置、情報処理方法とプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】PQXデータの数が増えると発注者はすべてのPQXデータを確認するのが大変になり、印刷業者はPQXデータの生成が大変になる。【解決手段】画像形成装置104により画像形成された成果物を検査する検査手段から得た検査結果に基づいて品質報告データを提供する情報処理装置110であって、検査結果には所定の項目がメタデータとして含まれている。情報処理装置は、検査結果に含まれた前記メタデータを参照し、画像形成のための所定の項目が変更されているかを判定する判定手段と、所定の項目が変更されている場合、検査結果に基づく前記品質報告データを提供する。所定の項目が変更されていない場合、検査結果に基づく品質報告データを提供しない制御手段を有する。【選択図】図1
Description
本発明は情報処理装置、情報処理方法とプログラムに関する。
商業印刷分野において、発注者が印刷業者に依頼する成果物の品質に関する要求と報告に関する情報交換を電子化することが求められることが想定される。実現するための仕様の一例としてPQX/PRX(Print Quality eXchange、Print Request eXchange)やJDF(Job Definition Format)等の標準規格があげられる。これを用いた成果物品質要求/報告システムでは、たとえば発注者が印刷業者に求める成果物の品質の要求をPRXによって伝達し、印刷業者が生産した成果物の品質をPQXによって発注者に報告する。これによって、発注者と印刷業者との間の成果物の品質に関する要求と報告について標準化することができる。
成果物品質要求/報告システムには、ユーザに利便性を提供するうえで更なる課題が存在する。具体的には次に示すような課題である。
特許文献1の提案は、ユーザが要求する品質レベルに応じて生産時に画像形成装置と検査装置が記録媒体に形成された画像の元データとの色差および画像の欠陥を検査し、検査結果をサーバー装置に送付するものである。しかしながら、従来技術では、検査結果の報告の数が増えてくると、印刷業者にとっては、サーバー装置に送られてきた検査結果をすべて発注者に報告する負担が増大する。また、発注者にとっては、受信したすべての報告の内容を把握する負担が増える。
本発明は上述のような状況を鑑みてなされたものである。すなわち、印刷成果物の品質検査の結果に係る報告の量を減らして、双方の負担を軽減することを目的とする。
本発明は状目的を達成するために成されたもので、以下の構成を有する。すなわち本発明の一側面によれば、画像形成装置により画像形成された成果物を検査する検査手段から得た検査結果に基づいて品質報告データを提供する情報処理装置であって、前記検査結果には所定の項目がメタデータとして含まれており、前記情報処理装置は、
前記検査結果に含まれた前記メタデータを参照し、画像形成のための前記所定の項目が変更されているかを判定する判定手段と、
前記所定の項目が変更されている場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供し、前記所定の項目が変更されていない場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供しない制御手段と
を有することを特徴とする情報処理装置が提供される。
前記検査結果に含まれた前記メタデータを参照し、画像形成のための前記所定の項目が変更されているかを判定する判定手段と、
前記所定の項目が変更されている場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供し、前記所定の項目が変更されていない場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供しない制御手段と
を有することを特徴とする情報処理装置が提供される。
本発明によれば、印刷成果物の品質検査の結果に係る報告の量を減らして、双方の負担を軽減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る印刷システムを示すブロック図である。システムは、発注者システム109、印刷業者システム100、そして印刷業者の親会社システム111に大別され、それらはインターネット108などのネットワークによって相互に接続されている。発注者システム109には少なくとも1以上の情報処理装置110が含まれる。同様に親会社システム111にも少なくとも1以上の情報処理装置112が含まれる。
図1は、本実施形態に係る印刷システムを示すブロック図である。システムは、発注者システム109、印刷業者システム100、そして印刷業者の親会社システム111に大別され、それらはインターネット108などのネットワークによって相互に接続されている。発注者システム109には少なくとも1以上の情報処理装置110が含まれる。同様に親会社システム111にも少なくとも1以上の情報処理装置112が含まれる。
以下、印刷業者システム100の内部構成について詳細に説明する。図1に示す通り複数の装置がネットワーク101によって相互に接続されている。これら装置としては情報処理装置102、画像形成装置103、画像形成装置104、ラミネータ105、無線綴じ機106、測色機107が接続されている。画像形成装置103は連帳シート用であり、画像形成装置104はカットシート用の画像形成装置である。これら印刷機構の異なる装置を用いて印刷業者は発注者から依頼された成果物を最適な態様で生産することを可能としている。
各装置は情報処理装置102上で動作するワークフローソフトウェアの配下のもと制御され、発注者システム109より入稿されたジョブデータを処理し、成果物を生産する。また、発注者システム109から入稿されるジョブデータは、画像データ、ジョブチケット、そして品質要求データである。ジョブチケットは例えばJDF形式のデータであり、品質要求データは例えばPRX形式のデータである。さらに、印刷業者システム100内の情報処理装置102は、上述した各装置の処理結果の通知を受信するとともに、それぞれの通知を品質報告データに変換し発注者システム109に送信する機能も有する。品質報告データの形式は例えばPQX形式のフォーマットである。
なお、発注者が印刷業者に求める成果物の品質の要求をPRXによって伝達し、印刷業者が生産した成果物の品質をPQXによって発注者に報告する一連の処理を電子化することによって次のメリットが得られる。第一に、従来行われていた発注者が印刷業者に依頼する成果物の品質に関する要求事項を定量的に提示することで相互の成果物品質に関する誤認識の生ずる可能性を低減する効果を得ることが可能となる。第二に、印刷業者が生産した成果物の品質について電子的に可視化することが可能となるため、発注者は即時的に生産を依頼した成果物の品質を掌握することが可能となる。第三に、品質に関する要求と報告を電子化した効果として長期に及ぶ成果物の生産においても、時系列的な品質の揺らぎが生じうる場合であっても品質を均一化するための活動を発注者並びに印刷業者が実施することを容易化できる。第四に、発注者が複数の印刷業者に生産を依頼する場合であっても前記複数の印刷業者間の品質のばらつきを可視化すると同時に品質を均一化するための活動を発注者並びに印刷業者が実施することを容易化できる。
●画像形成装置のハードウェア
図2は、画像形成装置104のハードウェア構成について説明する図である。画像形成装置104は、シート上の画像を読み取る読取機能、シートに画像を印刷する印刷機能を有する。また、画像形成装置104は、画像が印刷された複数のシートを綴じたり、複数のシートを揃えたり、複数のシートの排出先を複数のトレイに分けたりする後処理機能を有する。なお、シートには、普通紙や厚紙などの用紙、フィルムシートなどが含まれる。
図2は、画像形成装置104のハードウェア構成について説明する図である。画像形成装置104は、シート上の画像を読み取る読取機能、シートに画像を印刷する印刷機能を有する。また、画像形成装置104は、画像が印刷された複数のシートを綴じたり、複数のシートを揃えたり、複数のシートの排出先を複数のトレイに分けたりする後処理機能を有する。なお、シートには、普通紙や厚紙などの用紙、フィルムシートなどが含まれる。
図2に示す画像形成装置104は、複数の異なる役割を持つ装置が相互に連結され、複雑なシート処理が可能なよう構成されている。画像形成装置104は、展開されたイメージ画像データを給紙部212に格納されたシート状のメディアを搬送し、該メディア上にトナーを用いて画像形成するための装置である。画像形成装置104には、スキャナ部201、および操作部204が備え付けられている。操作部204は画像形成装置104の各種設定や操作などをオペレータが行う場合の各種インタフェースを提供する。
本実施形態における画像形成装置104は、各種後処理機能を有する付随装置(後処理装置)が装着可能なよう構成されている。付随装置の一例としてシート処理装置210を本実施例においては示している。シート処理装置210は、プリンタ部203によって画像形成された後のメディアに対して各種加工を施した成果物を得るための装置である。各種加工には、例えばステープル、断裁、穿孔、折り、製本などがある。
出力トレイ213は、シート処理装置210によって処理された出力物を排出し、積載するためのトレイ部を形成する。
検査部214は、プリンタ部203によってシート上に形成された画像を検査するために設けられたモジュールである。検査する対象としては、CMYK各版の印字位置ずれの量(レジずれ量)、CMYKの版を合成して画像形成された色と印刷データで規定された色との差(色差)、形成された画像中に含まれるバーコード部の読み取り精度、そして画像上のこすれや傷等といった汎用的な画像欠陥等である。画像形成後のシートの画像を光学的に読み取り、読み取った画像情報に基づいてこれら画像の欠陥を評価し、評価結果を検査結果データに変換する機能を同モジュールは有する。画像の欠陥の評価は、形成された画像を対象としてもよいし、断裁によって成果物から切除される部分や、綴じによって隠される部分などに画像のサンプルを形成し、それを評価してもよい。たとえば各版の位置ずれの評価のためには、版ごとに予め位置を決めてサンプルを形成し、形成されるはずの位置と形成された位置とのずれを評価すればよい。色差に関しては、成果物の画像において、指定された色と読み取った色とを比較して評価すればよい。バーコードについては、形成されたバーコードを対応するコードに変換し、それが正しいか評価すればよい。
ハードディスク209(以下、HDDとも呼ぶ)は、不揮発性メモリであって、複数の処理対象となるジョブのデータや、各種管理情報などを記憶する。
スキャナ部201から受付けたジョブデータを、HDD209を介してプリンタ部203で印刷する。外部装置から通信部の一例に該当する外部I/F部202を介して受付けたジョブデータを、HDD209を介してプリンタ部203で印刷する。外部I/F部202は、ファクシミリ、ネットワーク接続機器、外部専用装置、発注者の情報処理装置110などとの間で画像データなどを送受する。
スキャナ部201から受付けたジョブデータを、HDD209を介してプリンタ部203で印刷する。外部装置から通信部の一例に該当する外部I/F部202を介して受付けたジョブデータを、HDD209を介してプリンタ部203で印刷する。外部I/F部202は、ファクシミリ、ネットワーク接続機器、外部専用装置、発注者の情報処理装置110などとの間で画像データなどを送受する。
操作部204は、ユーザインタフェース部に相当し、ここでは、表示部を有する。コントローラ部205(制御部、或いは、CPUとも呼ぶ)は、画像形成装置104が具備する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。ROM207には、後述するフローチャートの各種処理等を実行する為のプログラムを含む本形態にて要する各種の制御プログラムが記憶されている。
又、ROM207には、ユーザインタフェース画面(以下、UI画面と呼ぶ)を含む、操作部204の表示部に各種のUI画面を表示させる為の表示制御プログラムも記憶されている。
コントローラ部205は、ROM207のプログラムを読出実行することで、本形態にて説明する各種の動作を本画像形成装置104により実行させる。外部I/F202を介して図示しない外部装置から受信したPDFなどの印刷データ(ページ記述言語、画像データ)を形成するコードデータを解釈し、ラスターイメージデータ(ビットマップ画像データ)に展開する動作を実行する為のプログラム等もROM207に記憶されている。外部I/F202を介して図示しない外部装置から受信した印刷ジョブを解釈し処理するためのプログラム等もROMに記憶されている。これらは、主にソフトウェアによって処理される。
ROM207に格納される各種プログラムの詳細については後述する。
ROM207に格納される各種プログラムの詳細については後述する。
また、HDD209(ハードディスク)は、圧縮展開部206によって圧縮された画像データを記憶する大容量の記憶装置である。当該HDD209に、処理対象となるジョブのプリントデータ等複数のデータを保持可能に構成されている。コントローラ部205は、スキャナ部201や外部I/F部202等の各種入力ユニットを介して入力された処理対象となるジョブのデータを、該HDD209を介して、プリンタ部203でプリント可能に制御する。又、外部I/F202を介して外部装置へ送信できるようにも制御する。このようにHDDに格納した処理対象ジョブのデータの各種出力処理を実行可能にコントローラ部205により制御する。 さらに、HDD209内に構築されたファイルシステムを外部の装置に対してファイル共有や送受信等の機能を、コントローラ部205がROM207のプログラムを読出し、実行することによって実現可能な様、構成されている。
圧縮展開部206は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等を圧縮・伸張動作を行う。以上のような構成のもと、本印刷システムが具備する制御部の一例としてのコントローラ部205が、各シート処理装置210の動作も制御する。
メディア管理部211は、印刷媒体であるメディア種に関する情報を管理するためのモジュールである。
検査部214は、同図に示す画像形成装置104を構成する各モジュールをコントローラ部205の制御のもと、シート状に形成された画像情報を検査するために設けられたモジュールである。同モジュールで検査結果データに変換された検査結果情報は外部I/F202を介して情報処理装置102に送信される。
●情報処理装置102、110、112の構成
図3は、情報処理装置102、110、112の構成を示すブロック図である。図3のコントローラ部308において、CPU301は、ROM303のプログラム用ROMに記憶された、或いはHDD311からRAM302にロードされたOSや一般アプリケーションのプログラムを実行する。ROM303はまたフォントROMやデータROMを有している。RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBC)305は、キーボード309やポインティングデバイス(不図示)からの入力を制御する。表示コントローラCRTC306は、表示部CRT310への表示を制御する。もちろん表示部は液晶表示器などであってもよい。ディスクコントローラ(DKC)307は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ等を記憶するHDD311等とのアクセスを制御する。ネットワークコントローラ(NIC)312は、ネットワークに接続されて、そのネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。バス304は、CPU301とRAM302、ROM303及び各種コントローラ等を接続して、データ信号や制御信号を搬送している。
図3は、情報処理装置102、110、112の構成を示すブロック図である。図3のコントローラ部308において、CPU301は、ROM303のプログラム用ROMに記憶された、或いはHDD311からRAM302にロードされたOSや一般アプリケーションのプログラムを実行する。ROM303はまたフォントROMやデータROMを有している。RAM302は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBC)305は、キーボード309やポインティングデバイス(不図示)からの入力を制御する。表示コントローラCRTC306は、表示部CRT310への表示を制御する。もちろん表示部は液晶表示器などであってもよい。ディスクコントローラ(DKC)307は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ等を記憶するHDD311等とのアクセスを制御する。ネットワークコントローラ(NIC)312は、ネットワークに接続されて、そのネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。バス304は、CPU301とRAM302、ROM303及び各種コントローラ等を接続して、データ信号や制御信号を搬送している。
なお、携帯端末の場合にはキーボードコントローラ(KBC)305の代わりにタッチパネルコントローラ等を構成に含む場合がある。また、HDD311の代わりとなる大容量記憶装置を備える場合もある。さらに、ネットワークコントローラ(NIC)312は、備える装置が有線LAN、無線LAN其々の場合、あるいは双方を備える場合とで、内部構成が異なる。ただし、これらの内部構成による差異は、ネットワークコントローラ(NIC)312内部に隠蔽され、同図に示す他のモジュールには等価なものとしてシステムを制御可能な様、構成される。
●画像形成装置104のプログラム
図4は、画像形成装置104のプログラムを説明する図である。これらプログラムはROM207に格納され、画像形成装置104のコントローラ部205により読み出されて実行される。
図4は、画像形成装置104のプログラムを説明する図である。これらプログラムはROM207に格納され、画像形成装置104のコントローラ部205により読み出されて実行される。
ブートローダ401は、画像形成装置104の電源投入直後に実行されるプログラムである。このブートローダ401には、システムの起動に必要となる各種起動シーケンスを実行するためのプログラムが含まれる。
オペレーティングシステム402は、画像形成装置104の機能を実現する各種プログラムの実行環境を提供することを目的としたプログラムである。これは、主に画像形成装置104のメモリ、即ちROM207やRAM208,HDD209等の資源管理、及び図2に示すその他各部の基本的な入出力制御等の機能を提供する。
ネットワーク制御プログラム403は、ネットワークを介して接続される機器に対してデータを送受信する際に実行されるプログラムである。このネットワーク制御プログラム403は、印刷するファイルの受信処理や、外部装置からのデータ送信、コマンドの送受信、検査部214によって検査された結果生成されるデジタルデータの送信等の各種処理実行時に利用される。ネットワーク制御プログラムには外部I/F202を制御するためのドライバプログラムも含まれる。
第一の受信プログラム404は、情報処理装置102からの各種指示(ジョブチケットなどを含む)や情報を受け付けるためのプログラムである。当該プログラムが受信対象とする情報や指示のうちに、検査部214において検査される対象となる画像情報の指定(たとえば品質要求データなど)が含まれる。
第一の送信プログラム405は、情報処理装置102へ情報を送信するためのプログラムである。当該プログラムが送信対象とする情報のうちに、検査部214において検査された結果生成される検査結果データ(あるいは品質報告データ)が含まれる。
JDF機能プログラム406は、JDFジョブデータが外部I/F202経由で画像形成装置104に受信された場合に、外部I/F202の指示でコントローラ部205によって実行されるJDFプリント機能を実行するプログラムである。このJDFプリント機能では、JDF機能プログラム406を実行するコントローラ部205が、ジョブチケット(JDFジョブデータ)に記述された処理順序、処理条件に基づいて、適切な順序で図2記載の各デバイスの動作を順次指示する。その結果として最終的にジョブチケットに定義されたJDFプリント処理が実行される。各デバイスには、シート処理装置210、プリンタ部203、HDD209、圧縮伸張部206、RAM208等が含まれる。また、外部I/F202経由で受信されたJDFジョブデータの解析処理及び、解析処理の結果、JDFジョブデータに正しくない設定が含まれるか否かの判別処理、及び正しくない設定を解消するための設定変更等を行うプログラム処理も含まれる。
PDF機能プログラム407は、PDF(ポータブルドキュメントフォーマット)データ(印刷対象画像データ)が外部I/F202経由で画像形成装置104によって受信された場合に、コントローラ部205によって実行されるPDFデータの展開処理、並びに印刷機能を実行する。コントローラ部205によって行われるPDF機能では、このプログラムに記述された、または別途指定された、またはPDFデータ或いはJDFデータに含まれた処理順序、処理条件に基づいてコントローラ部205によって適切な順序で図2記載の各デバイスの動作を順次指示する。その結果として最終的にPDLプリント処理が実行されるように制御される。これら各デバイスには、シート処理装置210、プリンタ部203、HDD209、圧縮伸張部206、RAM208等が含まれる。また、印刷処理実行時の各種指定としてJDF機能プログラム406と共に動作するよう本実施形態におけるPDF機能プログラムは構成される。PDFデータには印刷されるデータが含まれ、JDFデータには印刷のシートの種類やカセットの指定の印刷関連のデータのほか、後処理に関するデータが含まれていてよい。
メディア管理プログラム408は、画像形成装置104が利用可能なシート(すなわち印刷媒体またはシート媒体)に関連する管理機能を実行するためのプログラムである。このプログラムによって管理されるシート関連情報は、HDD209に格納される。
シートカウントプログラム409は画像形成装置104が備える給紙部212に格納されるシートをプリンタ部203によって画像形成した際の、印刷に使用したシート枚数をシートのサイズ情報と紐づけて積算し管理格納するためのプログラムである。
検査プログラム410は、検査部214を制御し、出力結果の画像を検査し検査結果データを生成するためのプログラムである。同プログラムで生成された検査結果データが第一の送信プログラム406により情報処理装置102に送信される。検査プログラム410による処理の一部が図13に示された手順である。これについては図13を参照して後で説明する。
●情報処理装置102が有するプログラムの構成
図5は、印刷業者システム100における情報処理装置102が有するプログラムの構成を例示した図である。
図5は、印刷業者システム100における情報処理装置102が有するプログラムの構成を例示した図である。
ブートローダ501は、情報処理装置102の電源投入直後に実行されるプログラムである。これらプログラムには、システムの起動に必要となる各種起動シーケンスを実行するためのプログラムが含まれる。
オペレーティングシステム502は、情報処理装置102の機能を実現する各種プログラムの実行環境を提供することを目的としたプログラムである。これは、情報処理装置のメモリ、即ちROM303やRAM302,HDD311等の資源管理等の機能を提供する。
ネットワーク制御プログラム503は、ネットワークを介して接続される機器に対してデータを送受信する際に実行されるプログラムである。すなわち、印刷ジョブデータを画像形成装置(103、104)に送信し、印刷処理を指示する際に用いられる。また印刷後の成果物に加飾処理を施すためラミネータ105に指示する際にも用いられる。さらに、成果物を後加工するために無線綴じ機106に対し指示する際にも用いられる。また画像形成装置(103,104)に対し第一の受信プログラムに対し検査部214に対する検査指示をする際にも用いられる。また、検査部214から第一の送信プログラム405を経由し、品質報告データを受信する際にも用いられる。
ウェブサーバ504は、ネットワーク経由で接続された外部機器に対しウェブサービスを利用させるためのサーバプログラムである。ウェブサーバ504が提供するサービスは様々なものが考えられる。本実施形態においては発注者システム109から印刷業者システム100に対し注文対象であるデータを入稿する際の手段として、ウェブサーバ504とクライアントの持つウェブブラウザとで提供されるウェブサービスが利用される。また、入稿時に発注者が印刷業者に対して設定した品質要求を達成しているか否かを確認するための印刷品質レポートであるPQX情報を発注者が取得する場合も、ウェブサーバ504によりPQX情報が提供され、例えばそれがウェブブラウザにより可視化される。
ワークフロー制御プログラム505は、印刷業者システム100内部のネットワーク101を介して接続された機器間の処理や制御、ジョブ実行等を集中的に管理するためのプログラムであり、印刷業者システム100の中核をなすものである。ワークフロー制御プログラム505は、複数の工程、すなわち複数の装置を用いて成果物を製造する際に、その実行順序やジョブの実行制御等を行う。また、使用する装置の選択、切り替え、リカバリ生産等の制御もワークフロー制御プログラム505が実行する。また、印刷業者システム100内部で働くオペレータに対して、各種の指示を出す処理もワークフロー制御プログラム505が実行する。さらに画像形成装置104の検査部214から印刷画像の品質に関する測定データを受信しPQX形式のフォーマットに変換するPQX作成処理も本実施形態のワークフロー制御プログラム505が実行する。
入稿システムプログラム506は主に発注者システム109から生産の依頼を受けたデータを印刷業者システム100内で保持および管理するための役割を担うソフトウェアである。また入稿システムプログラム506は、ウェブサーバ504と協調し受発注関連業務に必要な各種機能、例えばデータの送信、請求書の発行等の一連の処理を、発注者システム109と印刷業者システム100との間で電子的に実行するために用いられるシステムである。発注者システム109と印刷業者システム100との間の通信仕様は任意であるが、標準仕様としてPrintTalkをサポートしたシステムが広く知られている。
第二の受信プログラム507は発注者システム109から入稿されたデータのうち、品質要求データであるPRXを受信することを目的として設けられたプログラムである。同プログラムがPRXを受信したらその内容を解析し、発注者が要求した品質の成果物を作成するための指示・条件等を、ワークフロー制御プログラム506を経由し印刷業者システム100内の装置に対し適宜必要な設定を行い、もしくはオペレータに必要な情報の提示を行う。なお、本実施形態においては、発注者システム109から印刷業者システム100が品質要求データを受信する際にはウェブサーバ504を介して受信し、該受信したデータを第二の受信プログラムが受信する場合の例を示しているが、本形態にとどまる必要はない。すなわち、別の形態として第二の受信プログラム自体が直接発注者システム109から品質要求データを受信してもかまわない。もしくは、第二の受信プログラム507がウェブコンテンツとしてウェブサーバ504上で動作する形態をとってもかまわない。
第二の送信プログラム508は、発注者システム109に対して、品質要求データであるPRXによって指定された品質条件を、印刷業者が生産した成果物が満たしているか否かを判別するために品質報告データであるPQXを送信もしくは取得するためのプログラムである。画像形成装置103,104もしくはその他印刷業者内の装置から検査結果データを受信および蓄積し、適宜のタイミングにおいてPQX形式のデータに変換し、通信手段を介して発注者システム109がPQXを受信可能なよう構成される。
本実施形態においては、発注者システム109が印刷業者システム100から品質報告データを受信する際にはウェブサーバ504を介してリクエストを受信する。そして、該受信したリクエストのレスポンスとして品質報告データを第二の送信プログラムを経由して送信する。しかし、別の形態として第二の送信プログラム自体が直接発注者システム109に品質報告データを送信してもよい。もしくは、第二の送信プログラム507がウェブコンテンツとしてウェブサーバ504上で動作する形態をとってもよい。
●情報処理装置110が有するプログラムの構成
図6は、発注者システム109における情報処理装置110が有するプログラムの構成を例示した図である。
図6は、発注者システム109における情報処理装置110が有するプログラムの構成を例示した図である。
ブートローダ601は、情報処理装置110の電源投入直後に実行されるプログラムである。これらプログラムには、システムの起動に必要となる各種起動シーケンスを実行するためのプログラムが含まれる。
オペレーティングシステム602は、情報処理装置110の機能を実現する各種プログラムの実行環境を提供することを目的としたプログラムである。これは、情報処理装置のメモリ、即ちROM303やRAM302,HDD311等の資源管理等の機能を提供する。
ネットワーク制御プログラム603は、ネットワークを介して接続される装置に対してデータを送受信する際に実行されるプログラムである。すなわちインターネット108を介して印刷業者システム100との間のデータの送受信の実行等を実行する際に用いられる。後述するウェブブラウザを使用した描画表示処理、データ送受信処理時にも用いられる。
ウェブブラウザ604は、ネットワーク経由で接続された外部システムが提供するウェブサービスを利用する為のクライアントプログラムである。ウェブブラウザ604が利用するサービスは様々なものが考えられる。本実施形態においては印刷業者システム100に対し発注対象であるデータ入稿依頼する際の手段として用いる。また、入稿時に発注者が印刷業者に対して設定した品質要求を達成しているか否かを確認するための品質レポートであるPQX情報を取得する手段としても用いる。
PDF作成プログラム605は、発注者システム109から印刷業者システム100に生産を依頼する対象である、画像データをPDF形式にて作成するプログラムである。なお、本実施形態においては画像データのフォーマットとしてPDF形式を用いた例を示しているが他のフォーマットの形態を用いてもよい。なお、PDFデータの作成にはすでに存在するPDF形式の画像データに対し、画像の追加等の処理も含まれる。
PRX作成プログラム606は、発注者システム109から印刷業者システム100に生産を依頼する際に、生成される成果物の品質要求事項をPRX形式のフォーマットによって伝達するための情報を作成するためのプログラムである。同プログラムによって指定する品質要求の具体的な内容、その設定方法、作成されたデータフォーマットについては後述する。
JDF作成プログラム607は、発注者システム109から印刷業者システム100に生産を依頼する際に、生産される成果物の形態や生産時のジョブ実行条件、ジョブ設定等をJDFフォーマットによって伝達するための情報を作成するためのプログラムである。同プログラムによって指定する設定情報等の具体的な内容、その設定方法、作成されたデータフォーマットについては後述する。
第三の送信プログラム608は、発注者システム109からPRX作成プログラム606によって作成されたPRX形式のフォーマットによる品質要求データを印刷業者システム100に送信するために用いられるプログラムである。
第三の受信プログラム608は、発注者システム109が印刷業者システム100における第二の送信プログラム508によって作成されたPQX形式のフォーマットによる品質報告データを印刷業者システム100から受信するために用いられるプログラムである。
●システム構成
図7は、発注者システム109ならびに印刷業者システム100、およびこれら操作者である発注者すなわちユーザが、システムが提供する機能を利用する際のシステムフロー図である。ユーザ701とは発注者システム109における情報処理装置110の利用者を示している。なお図7は図7Aと図7Bとに分図されているが、両図で一つのシステムフローであることから、図7として参照する。
図7は、発注者システム109ならびに印刷業者システム100、およびこれら操作者である発注者すなわちユーザが、システムが提供する機能を利用する際のシステムフロー図である。ユーザ701とは発注者システム109における情報処理装置110の利用者を示している。なお図7は図7Aと図7Bとに分図されているが、両図で一つのシステムフローであることから、図7として参照する。
以下、ユーザ701、情報処理装置110、102、画像形成装置104の各々のシステム内で、操作702に応じて、それぞれのシステムがユーザ701に機能を提供する際に実行する際にシステム間で送受信されるメッセージや制御のフローを示す。ただし、各システム内において複数のサブシステムが相互に作用しながら処理する必要がある場合には、それらのサブシステムのレベルでフローを説明する。なおユーザ701は人であってよいが、ここではシステムと称して説明する。
ユーザ701のサブシステムはユーザ操作702である。操作702は、ユーザが同図において示す一連のフローを実現するために、操作部203であるウェブブラウザ604やPDF作成プログラム605、PRX作成プログラム606、JDF作成プログラム607が供する画面に対してユーザが指示した操作の内容を示す。さらに、その操作の結果、発生するフローとの関連を示す。
発注者システム109の情報処理装置110は2つのサブシステムに分解される。すなわちすなわち、操作部703とウェブブラウザ部704に示す2つのサブシステムである。
操作部703は、PDF作成プログラム605、PRX作成プログラム606、JDF作成プログラム607をCPU301が実行することで実現されるユーザインタフェースにより提供される。ウェブブラウザ部704はウェブブラウザ604をCPU301が実行することで実現される。
印刷業者システム110の情報処理装置102は3つのサブシステムに分解される。すなわちすなわち、ウェブサーバ部705と入稿システム部706、ワークフロー制御部707に示す3つのサブシステムである。
ウェブサーバ部705は、ウェブサーバ504をCPU301が実行することで実現される。入稿システム部706は、入稿システムプログラム506をCPU301が実行することで実現される。ワークフロー制御部707は、ワークフロー制御プログラム505をCPU301が実行することで実現される。
●印刷発注から印刷品質報告までのシステムフロー
ユーザはステップS709において、印刷業者100に対して発注する対象となるデータの作成を指示する。具体的にはPDF作成プログラム605が同ステップの指示による操作を受け、所望のPDF画像データを作成するための各種処理が実行される。
ユーザはステップS709において、印刷業者100に対して発注する対象となるデータの作成を指示する。具体的にはPDF作成プログラム605が同ステップの指示による操作を受け、所望のPDF画像データを作成するための各種処理が実行される。
ステップS710において所望のPDF画像データの作成が完了した後に、ユーザはさらにステップS711によって印刷業者100に対して発注する成果物に対する品質要求データの作成を指示する。具体的にはPRX作成プログラム606が同ステップの指示による操作を受け、所望のPRXデータを作成するための各種処理が実行される。
ステップS712において所望のPRXデータ作成作業が完了した後に、ユーザはさらにステップS713によって印刷業者100に対して発注する成果物に対するジョブチケットの作成を指示する。具体的にはJDF作成プログラム607が同ステップの指示による操作を受け、所望のJDFデータを作成するための各種処理が実行される。
ステップS714において所望のJDFデータの作成が完了した段階で、印刷業者に入稿する全てのデータの作成が完了するため、次ステップ以降は印刷業者に対するデータの入稿処理に移行する。
ステップS715において、ユーザはウェブブラウザ部704を操作し、印刷業者に対してデータを入稿するための操作画面の表示に必要な操作を行う。すなわちウェブブラウザ部704が、ステップS715において入力されたURL情報をもとに、印刷業者側の情報処理装置102にて稼働するウェブサーバ部705に対し、描画処理に必要なhttpリクエストをステップS716において出力する。ウェブサーバ部705はリクエストを受けてページ情報をレスポンスとしてステップS717にて返信する。
ユーザはステップS718にて、表示された入稿用画面を操作しウェブブラウザ部704上で発注処理の実行を指示する。
ステップS718の操作を受けてウェブブラウザ部704はウェブサーバ部705に対して、PDF、PRX、JDFの各データ、すなわち入稿データをステップS719において送信する。ウェブサーバ部705は、入稿データを受信したら入稿システム部706に入稿データの各々をステップS720において格納する処理を実行する。
(印刷物の生成と検査)
ステップS721以降は入稿されたデータを印刷業者システム100において実行される生産処理のステップとなる。すなわちワークフロー制御部707に入稿データに基づきジョブデータを登録し、印刷業者システム100にて印刷ジョブを生成する。また、本実施形態におけるシステムにおいては、指定されたPRXに相応する品質報告であるPQXを作成および送信する必要がある。そのためにステップS722でジョブの登録処理が終了した後にPQX作成指示を入稿システム部706がワークフロー制御部707に対して指示する。
ステップS721以降は入稿されたデータを印刷業者システム100において実行される生産処理のステップとなる。すなわちワークフロー制御部707に入稿データに基づきジョブデータを登録し、印刷業者システム100にて印刷ジョブを生成する。また、本実施形態におけるシステムにおいては、指定されたPRXに相応する品質報告であるPQXを作成および送信する必要がある。そのためにステップS722でジョブの登録処理が終了した後にPQX作成指示を入稿システム部706がワークフロー制御部707に対して指示する。
上記ステップが終了した段階で生産開始の準備が全て整ったことになる(ステップS724)。従ってステップS725によって入稿システム706はワークフロー制御部707に対して生産開始、すなわちジョブの実行処理を指示する。ワークフロー制御部707は画像形成装置104の構成要素を為すプリント制御部708に対して印刷ジョブを生成する(ステップS726)。
ステップS726の指示を受け、プリント制御部708は印刷処理を開始する(S726−1)。そしてステップS727において、生産された成果物を対象とする検査に移行すると、画像形成装置104が有する検査部214によって検査を実行し(S727−1)、その検査結果をステップS728においてワークフロー制御部に送信する。ワークフロー制御部707は応答された検査結果をPQX形式に変換して印刷品質レポートを作成し(S728−1)、ウェブサーバ部705に格納する。
以上が印刷業者システム100によって発注者システム109から入稿されたデータの生産並びに要求された品質報告情報であるPQXの作成処理に関する一連の動作フローである。
ステップS730において、ユーザは入稿したデータの生産時における品質状況を確認するために、PQXデータの取得処理を実行する。すなわち、ウェブブラウザ部704にアクセスし、PQXの情報を取得するために必要なURL等の情報を入力する。ステップS731においてhttpリクエストがウェブブラウザ部704からウェブサーバ部705に送信され、ステップS732にて、対応するレスポンス情報をステップS732において応答する。ステップS732で応答されるウェブ画面はウェブブラウザ部704により表示され、その画面をユーザはステップS733において操作し、品質報告情報すなわちPQXを取得するためにウェブブラウザ部704に指示する。指示に応じたhttpリクエストがウェブサーバ部705に対し送信され(ステップS734)、ステップのレスポンスとしてPQX情報がユーザに送信される(S734−1)。送信されたPQX情報すなわち印刷品質レポートはウェブブラウザ部704により表示される(S734−2)。
●印刷システムの機能モジュール
図8は、システムを構成する発注者システム109および印刷業者システム100ならびにその操作者であるユーザから構成する、機能モジュールの担当処理並びに機能間の関連を図示した、システム構成図である。以下、各部の詳細を説明する。なお図8は図8Aと図8Bとに分図されているが、両図で一つのブロック図であることから、これらをまとめて図8として参照する。
図8は、システムを構成する発注者システム109および印刷業者システム100ならびにその操作者であるユーザから構成する、機能モジュールの担当処理並びに機能間の関連を図示した、システム構成図である。以下、各部の詳細を説明する。なお図8は図8Aと図8Bとに分図されているが、両図で一つのブロック図であることから、これらをまとめて図8として参照する。
UI部816は、画像情報の表示ならびにデータの入出力指示、操作指示を受け付ける手段を提供するために設けられた機能部である。UI部816からはデータ作成アプリ部703およびウェブブラウザ部704に対して指示を行う。
データ作成アプリ部703はJDF、PDF、PRXの各データを作成する機能をユーザに提供するためのものである。
ウェブブラウザ部704は、UI部816上に表示される、ウィンドウ画面にウェブコンテンツを表示することによって画面情報を提示する処理を司る機能部である。ウェブブラウザ部704は、後述するウェブサーバ部705と情報の送受信処理をすることで、各種画面情報の提示並びに印刷対象データ転送含む、各種データ処理を実行することで、発注者システム109と印刷業者システム100との間の入稿並びに品質要求・報告の一連の機能をユーザに提供することを可能としている。
ウェブサーバ部705は印刷業者システム100における情報処理装置102が有する、ウェブサービスを外部装置に対して提供する機能部である。ウェブサーバ部705は、外部装置からの各種要求、すなわちリクエストを受信かつその内容に応じた処理を実行した結果をページ情報という形で外部に応答する一連の処理を実行する。ページ生成部801がページ情報をリクエストの内容に応じて生成する役割を担う。また、入稿システム部706の制御部807に対し入稿処理の実行指示を出すことも可能としている。
PDF転送部802、印刷設定転送部803、PRX転送部804はウェブブラウザ部から送信されてきた入稿データであるPDF,JDF、PRXそれぞれを、入稿システム部706が備える格納手段(808、809、810)に転送する処理を実行する。また、PQX受信部805は後述する品質レポート作成部508によって作成されたPQXデータ(811)を受信する処理を実行する。
入稿システム部706は、印刷業者システム100における情報処理装置102が有する、入稿処理に関するサービスを外部装置に対して提供する機能部である。制御部807は入稿された各データ(PDF808、JDF809、PRX810)をワークフロー制御部707が有するジョブ登録依頼部806に依頼し、画像形成装置104に対して印刷ジョブの実行を指示する。
ワークフロー制御部707は、印刷業者システム100における情報処理装置102が有する、ワークフロー機能を提供するための機能部である。ワークフロー制御部707の配下には図1において示した各種装置がネットワーク101を介して接続され、ワークフロー制御部707により、各装置の動作やジョブの実行指示等が行われ、印刷業者システム100が総体として稼働する。ワークフロー制御部707は、印刷業者システム100内の各装置で動作するジョブを管理するジョブ登録依頼部806と品質レポート作成部508とからなる。品質レポート作成部508は、印刷業者システム内の各装置で動作したジョブの実行結果のうち、生産した成果物の品質に関する情報から、品質レポート情報であるPQXデータを生成する。
画像形成装置104は、プリント制御部708、シート管理部409、印刷部815、検査部214に大別される。
プリント制御部708はさらにジョブ実行部812およびPDFインタプリンタ部407を備える。ジョブ実行部812は画像生成部813、印刷設定部814からなる。印刷設定部814はジョブ登録依頼部806から送信されるジョブデータ、すなわちJDF809、PDF808、PRXを受信し、画像生成部813に対し画像生成処理を指示する。それと同時に、印刷設定部814は、PDFインタプリタ407に対し、受信したPDF808の解析処理を指示する。また、印刷設定部814は検査部214に対し、生成される成果物に対して要求されたPRX810の品質要求項目に対する検査を実施するよう、指示する。PDFインタプリタ407は解析後生成される中間データ(不図示)を画像生成部813に送信し以後の画像形成処理を実行する。すなわち、シート管理部409にて印刷処理に用いるシートのサイズ、種別のカウントを指示し、印刷部815に対し解析後に生成される中間データ(不図示)の画像をシート上に画像形成する処理を実施し、さらに検査部214において印刷部815が生成したシート状の画像の検査処理を実施し、その結果を品質レポート作成部508に対して登録する。
●画像形成装置104の検査装置
図9は、画像形成装置104の構成のうち、検査装置の構成、検査装置によってなされる検査の方法、仕組みについて説明をするための図である。
図9は、画像形成装置104の構成のうち、検査装置の構成、検査装置によってなされる検査の方法、仕組みについて説明をするための図である。
図9(A)は、画像形成装置104を為す各モジュールの配置並びにその接続状態、およびシートの搬送経路の順序関係を説明するための構成図である。画像形成部902に隣接する形態で給紙部901が装着される。また、給紙部901と反対の側に隣接する形で中間処理部903が接続される。中間処理部903は、例えば挿入紙を生産中の成果物の特定箇所に挿入するために用いるインサータや、画像形成部にて定着処理が行われた際に発生したシート上の熱を冷却するための冷却装置等が相当する。中間処理部903の後段に検査部904が装着される。検査部904の構成の詳細については後述する。
検査部904の後端にはさらに後加工部905が装着される。後加工部905において、ステープルなどの綴じ処理やパンチ等の穿孔処理等、印刷後のシートに対する加工処理が行われる。
なお、図9(A)に示す画像形成装置104を為す各構成装置の種類、数ならびに接続順序は一例を示したものであり、同図に示した例に限定されるわけではない。
図9(B)は検査部904の内部構成を示すための構成図である。検査部904の前段に相当する装置から印刷済のシートが搬送路906に対して搬送される。搬送されたシート上に形成された画像情報を検査するための第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908がそれぞれシートの上方および下方に配置される。これはシートの表面、および裏面の形成画像を同時に検査するための構成である。本実施形態における第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908は、搬送路906に搬送されるシートに対し、主走査方向に対して並行に配置されるコンタクトイメージセンサによって構成される。すなわちコンタクトイメージセンサによる第一の検査ユニット907、第二の検査ユニット908が搬送路906に搬送されるシート上の画像をシートの搬送速度に合わせて主走査方向に連続的に読み取りシート状に形成された平面の画像情報を高精度に取得することが可能である。すなわち、シート上に形成された画像情報の、画像の位置ずれやシミ等の画像の欠陥の検出、バーコードの読み取り制度等の画像の検査を第一の検査ユニット907、第二の検査ユニット908は可能としている。
また、搬送路906には、さらに第一の検査ユニット907、第二の検査ユニット908の後段に第三の検査ユニット912、第四の検査ユニット913が配置される。第三の検査ユニット912および第四の検査ユニット913は分光測色装置である。第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908と同様、シートの表面、裏面を同時に検査可能とするよう、搬送路906の上下にそれぞれ配置されている。第三の検査ユニット912および第四の検査ユニット913は搬送路906に搬送されたシート状の特定箇所の画像の色情報を正確に検査することを目的としている。
第一から第四の検査ユニット(907、908、912、913)を通過したシートはフラッパ909の配置状態によって次に示す二通りの方向にさらに搬送される。すなわちシートは搬送路910を経由し、検査部904のさらに後端に相当する後加工部905に搬送される。もしくは、搬送されたシートが成果物の一部ではなく、色味や画像状態を確認することを目的とした付随的なテスト印刷のシートである場合には、そのテスト印刷シートを成果物に混在させることは得策ではない。故にフラッパ909の配置状態をシートが搬送路911に搬送し、排出トレイ914に導くよう制御することも検査部904は可能としている。
図9(C)は、検査部906が備える第一から第四の検査(907、908、912、913)によって行われる検査に用いられるシート上の画像情報の一例を説明するためのものであえる。シート914上に構成される各画像要素の用途並びに目的について以下、説明する。
レジマーク917は、シート上の指定された位置に画像が正しく形成されているかを検査するためのマーカである。第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908によってこの画像情報は読み取られる。レジマーク917はPRXによって画像形成装置104が入稿されたPDFデータの画像情報915として含まれていない場合であっても、画像形成装置104がPDFデータに重畳して画像形成を行うことが可能である。もしくは第二のレジマーク918のように、入稿されたPDFデータにあらかじめ画像情報として含まれる場合もあり、その場合にはPDFデータに含まれるレジマーク918を第一の検査ユニット907、第二の検査ユニット908が読み取ることも可能である。
カラーパッチ916は、シート上の指定された位置の画像に対して、その箇所の色情報を第三の検査ユニット912、第三の検査ユニット913によって高精度に読み取るためのパッチ画像部である。レジマーク907同様、PRXによって画像形成装置104が入稿されたPDFデータの画像情報915としてカラーパッチ916が含まれていない場合であっても、画像形成装置104がPDFデータに重畳して画像形成を行うことが可能である。もしくは第二のカラーパッチ919のように、入稿されたPDFデータにあらかじめ画像情報として含まれる場合もあり、その場合にはPDFデータに含まれるカラーパッチ919を第三の検査ユニット912、第四の検査ユニット913が読み取ることも可能である。
バーコード920は成果物の画像の一部を為すバーコード画像が印刷された領域を示す。図示の通り、シートの原点座標921から指定された相対的な座標(X2(925)、Y2(926))、および画像のサイズ927によってバーコードの位置が指定されるため、第一の検査ユニット907もしくは第二の検査ユニット908がバーコード920の画像情報をコンタクトイメージセンサによって読み取り検査することが可能である。
画像欠陥922は、入稿されたPDFデータの画像情報915には含まれておらず、画像形成装置104もしくはシートの欠陥によって生成される欠陥画像部を示す。画像欠陥922も、第一の検査ユニット907、第二の検査ユニット908によって検出可能であり、検出された欠陥の位置を原点921からの相対的な座標(X1(923)、Y1(924))として取得可能である。
●入稿システムのユーザインタフェース
図10A〜図10Cは発注者システム109における情報処理装置110で、発注者が使用する入稿データを作成するための画面の構成を説明するための図である。
図10A〜図10Cは発注者システム109における情報処理装置110で、発注者が使用する入稿データを作成するための画面の構成を説明するための図である。
図10Aは、発注者システム109における情報処理装置110において入稿対象の画像データであるPDFを作成もしくは編集するためのアプリケーション画面の一例を示す。なお、本実施形態のアプリケーションは同一のアプリケーションが複数の目的のアプリケーションの機能を並列に提供し機能タブによって選択的に使用する形態のアプリケーションの一例を示している。従って、汎用機能設定部1001、PDF編集部1002、PRX設定部1003、JDF設定部1004、ヘルプ機能提供部1005を切り替えて利用する。これら各手段は対応するタブを選択することによって操作可能なよう構成される。
図10AはPDF編集設定部1002が選択された状態の画面の一例を示したものである。ページ選択部1006は、印刷対象成果物が複数ページによって構成される場合であって、ページ毎に異なる品質要求を設定する際に、設定対象とするページを選択する領域である。同図においては1ページ目(1007)が選択された状態を示している。すなわち、印刷対象画像データの1ページ目に対する品質要求を設定する場合の一例を示している。
サムネイル表示領域1008はページ選択部1006で選択したページの画像情報を同図に示すアプリケーションのユーザが視覚的に確認しながら各種設定を実施するための参照用画像表示領域である。図9(C)において示したレジマーク917、カラーパッチ916、バーコード920等、後述するPRXで要求する品質条件を印刷業者システム100において検査し、その結果としてPQXを生成するために必要となる付加的画像情報に相当する。
レジマーク917はレジマーク設定部1013によって設定する。レジマーク設定部1013でレジマークを画像に負荷する旨指示した場合にレジマーク917がPDFファイルの設定対象ページに対して付加される。カラーパッチ設定部1012によってカラーパッチ916をPDFファイルの設定対象ページに対して付加することが可能である。
レジマーク詳細設定部1015、カラーパッチ詳細設定部1014は、カラーパッチ916やレジマーク917を画像に付加する際の位置等の詳細情報を設定する設定部である。例えば、レジマーク917やカラーパッチ916はPDFの画像情報915の領域に重畳されると本来の画像が得られることが無いため、検証に不都合が生じる。従ってカラーパッチ916やレジマーク917の位置がPDFの画像情報915の領域と重ならないよう、その画像位置の座標をこれら手段によって調整可能なよう、本実施形態におけるアプリケーションは可能としている。
バーコード情報指定部1016はPDF画像情報915に含まれる、バーコード画像相当部の位置を指定する指定部である。すなわちバーコードが配置される原点921からの位置を示すX座標入力部1017、Y座標入力部1018、並びにバーコード画像部のサイズ情報入力部1019から構成される。
出力インテント設定部1009はPDF編集機能によって実現する、出力インテント情報の設定部である。生産時に適用する画像形成手段が使用する画像形成プロセス情報設定部1010、ならびに生産する画像に対し適用するカラーインテント設定部1011から構成される。これら出力インテント情報はページ選択部1006と組み合わせることにより、ページ毎に個別の設定を可能なよう構成される。出力インテント情報(あるいは単に出力インテント)とは、標準の色空間からなるカラープロファイルを用いて印刷データの色変換をするために、PDFなどの印刷データにカラープロファイルを組み込んだことを示す情報をいう。たとえばPDFデータで用いられる標準色空間は、出力インテントで指定されたカラープロファイルにより画像形成装置のデバイス色空間に変換されて出力される。
図10Bは、発注者システム109における情報処理装置110において入稿対象の品質要求データであるPRXを作成もしくは編集するためのアプリケーション画面の一例を示したものである。PRX設定部1003を選択することによって同図に示す画面の表示制御が行われる。図10Aにおいて示したPDF作成部1002と同様、印刷対象であるページの各々についてPRXを設定可能とするために、ページ選択部1006が設けられ、同図に示す例においては1ページ目(1007)が選択された状態の画面の一例を示したものである。
マスタ情報設定部1020はPRXを作成する際に必要となる各種マスタ情報を入力する設定部である。マスタ情報とは、PRXの仕様が要求する日付、会社情報、PRXが規定する要求仕様に対し付与される名称等の各種情報が相応する。これら情報はマスタ情報編集部1021を押下することによって編集可能である。
総合品質目標設定部1022は、PRXによって指定する少なくとも1以上の異なる種類の品質要求事項を統合し、総合的な品質レベルを定義するための設定部である。総合品質とは次に示すような規定により決定される。すなわち、品質レベルに対し付与される可読的情報であるラベル1023、ラベル1023に対応する定量的な数値情報であるランク1024、ランク1024を決定するためのパラメータ並びに数式を規定するバリュー1025、これらの組み合わせから定義される。
具体的に、最上位品質1031を例に用い以下、詳細を説明する。最上位品質1031のラベルは"Excellent"と規定される。これらラベル1023に適用する文字列は発注者システム109における、情報処理装置110上で稼働する同図に示すアプリケーションを使用するユーザ、すなわち発注者が任意に設定可能である。換言すれば、定義する品質レベルの意味を操作者が容易に判別可能とするために設けられた情報であり、制御等に用いられる情報とは異なる性質を有する。
一方で、最上位品質1031のランク1024の値は10と規定されている。これら発注者が印刷業者に依頼した成果物の品質を定量敵に判別並びに管理するために発注者が規定する数値であり、制御等に用いられることを目的とした情報である。ただし、ランク1024の数値自体は発注者が自らの成果物の品質の定量的数値として任意に規定することが可能である。
最上位品質1031のランク1024を規定するためのバリュー1025は"GT 8"である例を同図は示している。すなわち、後述する数式設定部1035によって計算される定量的品質指標の数値が8より上であれば、最上位品質1031のランク1025は10であると計算され、かつ該成果物の品質が最上位品質であると判別される。
その他の品質レベルについても、同様の数値並びに数式で計算されるバリューによって、ランクおよびラベル"Good"1032、"Acceptable"1033、"Poor"1034が一位に決まるように規定されている。なお、各品質レベルは品質レベル編集部1026によって規定された情報の編集が可能な構成を本実施形態においては採用している。
品質レベルの数は任意に設定可能である。すなわち、必要に応じて細かいレベルを指定する際にはレベル追加部1028を押下し、新規の品質レベルを総合品質目標設定部1022に追加することが可能であり、またレベル削除部1027によって、チェックマーク1046を付けたレベルを削除することも可能な構成となっている。
発注者が印刷業者に対して品質要求をする際に、生産された成果物の品質について品質レベルで規定されるランク1024の数値によって、受け入れ条件を規定する。最低受け入れ品質設定部1029、要望品質設定部1030で、受け入れ条件が規定される。
最低受け入れ品質設定部1029は、発注者が印刷業者に対し、成果物の納品に際し、受け入れ可能な品質、すなわちランク1024の最低値を規定するためのものである。換言すれば最低受け入れ品質設定部1029に規定された数値、同図の例においては8を下回るランク1024の数値の成果物は受け入れ品質を満たしていない旨、品質要求事項を印刷業者に伝達することができる。
要望品質設定部1030によって、発注者が印刷業者に対し成果物の納品に際し、要望する品質条件、すなわちランク1024の最低値を規定するためのものである。換言すれば要望品質設定部1030に規定された数値、同図の例においては9を上回るランク1024の数値の成果物を品質要求事項として印刷業者に伝達することができる。
色品質設定部1036は、PRXを作成する際に、成果物の色に関する品質要求情報を入力する設定部である。総合品質目標設定手段1022と同様、ラベル1023、ランク1024を設定する手段によって色に関する品質要求のレベルを指定可能なよう構成される。
色品質バリュー1037は要求する色に対する成果物の測色結果である色値の色差(ΔE、デルタEとも呼称)を基準に規定する。すなわち色品質における最上位品質1041は色差が1.0以下である例を示している。すなわち、最上位品質1041の場合のラベル1023は"Excellent"、ランクが10である場合の例を同図は示している。同様、に色品質における"良品"1042、"受け入れ可能"1043、"不合格品質"1044についても同様に定義された例を同図は示している。ランクの追加並びに削除機能については総合品質目標設定部1022と同様の仕組みによって実現されているため説明は割愛する。
総合品質目標設定部1022と同様に、色品質設定部1036においても、発注者が印刷業者に対して色に関する品質要求をする際に、生産された成果物の色品質について上述した品質レベルで規定されるランク1024の数値によって、受け入れ条件を規定する。色品質に関する最低受け入れ色品質設定部1038、要望色品質設定部1039で、受け入れ条件が規定される。
最低受け入れ色品質設定部1038は、発注者が印刷業者に対し、成果物の納品に際し、受け入れ可能な色品質、すなわちランク1024の最低値を規定するためのものである。換言すれば最低受け入れ色品質設定部1038に規定された数値、同図の例においては8を下回るランク1024の数値の成果物は受け入れ色品質を満たしていない旨、色品質要求事項として印刷業者に伝達することができる。
要望色品質設定部1039によって、発注者が印刷業者に対し成果物の納品に際し、要望する色品質条件、すなわちランク1024の最低値を規定するためのものである。換言すれば要望色品質設定部1039に規定された数値、同図の例においては10を上回るランク1024の数値の成果物を、色品質要求事項を印刷業者に伝達することができる。
色品質変数設定部1040は上述した色品質に関するランク1024の値を総合品質目標設定部1022におけるバリュー1026を計算するための数式設定部1035から引用するための変数を規定するために設けられた手段である。数式設定手段については後述する。本実施形態においては、色品質変数設定部1040によって、色品質に関するランク1024の値を変数"cs"により参照可能とする一例を示している。
画像位置ずれ品質設定部1047は、PRXを作成する際に、成果物の画像位置ずれに関する品質要求情報を入力する設定部である。総合品質目標設定部1022と同様、ラベル1023、ランク1024を設定する手段によって画像位置ずれに関する品質要求のレベルを指定可能なよう構成される。
画像位置ずれ品質バリュー1048は要求する画像位置ずれに対する成果物の測定結果である基準位置からのずれ量(長さもしくは参照画像と成果物の画像の距離)を基準に規定する。すなわち画像位置ずれ品質における最上位品質1053はずれ量0.002mm以下である例を示している。すなわち、最上位品質1053の場合のラベル1023は"Excellent"、ランクが10である場合の例を同図は示している。同様、画像位置ずれ品質における"良品"1054、"、"不合格品質"1055についても同様に定義された例を同図は示している。ランクの追加並びに削除機能については総合品質目標設定部1022と同様の仕組みによって実現されているため説明は割愛する。
総合品質目標設定部1022と同様に、画像位置ずれ品質設定部1047においても、発注者が印刷業者に対して画像位置ずれに関する品質要求をする際に、生産された成果物の画像位置ずれ品質について上述した品質レベルで規定されるランク1024の数値によって、受け入れ条件を規定する。画像位置ずれ品質に関する最低受け入れ画像位置ずれ品質設定部1050、要望画像位置ずれ品質設定部1051で、受け入れ条件が規定される。
最低受け入れ画像位置ずれ品質設定部1050は、発注者が印刷業者に対し、成果物の納品に際し、受け入れ可能な画像位置ずれ品質、すなわちランク1024の最低値を規定する設定部である。最低受け入れ画像位置ずれ品質設定部1050に規定された数値、同図の例においては5を下回るランク1024の数値の成果物は受け入れ画像位置ずれ品質を満たしていない旨、画像位置ずれ品質要求事項を印刷業者に伝達することができる。
要望画像位置ずれ品質設定部1051によって、発注者が印刷業者に対し成果物の納品に際し、要望する画像位置ずれ品質条件、すなわちランク1024の最低値を規定する設定部である。要望画像位置ずれ品質設定部1051に規定された数値、同図の例においては10を上回るランク1024の数値の成果物を画像位置ずれ品質要求事項を印刷業者に伝達することができる。
画像位置ずれ品質変数設定部1052は画像位置ずれ品質に関するランク1024の値を総合品質目標設定部1022におけるバリュー1026を計算するための数式設定部1035から引用するための変数を規定するために設けられた設定部である。数式設定部1035については後述する。本実施形態においては、画像位置ずれ品質変数設定部1052によって、画像位置ずれ品質に関するランク1024の値を変数"rg"により参照可能とする一例を示している。
バーコード読み取り品質設定部1056は、PRXを作成する際に、印刷対象画像中に含まれるバーコード画像の読み取り精度に関する品質要求情報を入力する設定部である。ここでは、総合品質目標設定部1022とは異なる情報を設定する。バーコードの読み取り品質については、色品質や画像位置ずれ品質とは異なり、品質を表現する指標となる情報が物理量ではなく、バーコード情報の読み取り可能、もしくは不可能であるかに由来する。ランク1024による指定ではなく、バーコード品質読み取り指示設定部1057により、バーコード品質の検査の実行可否を制御する。バーコード位置情報設定部1059は、検査対象となるバーコードの、画像中の位置を座標により指定する設定部である。
バーコード読み取り品質設変数定部1056はバーコード読み取り品質に関する評価値を総合品質目標設定部1022におけるバリュー1026を計算するための数式設定部1035から引用するための変数を規定する設定部である。バーコード読み取り品質設定部1056によって、バーコード読み取り品質に関する評価値を変数"bc"により参照可能とする。ここでは、バーコード読み取り品質の評価値はバーコードの読み取りが可能な場合は1、読み取りができなかった場合の評価値を0として計算する。
数式設定部1035は、以上述べた色品質設定部1036は、画像位置ずれ品質設定部1047、バーコード読み取り品質設定部1056の検査結果を統合し、総合品質目標設定部1022を導くための数式を規定する設定部である。具体的には、色品質変数設定部1040、画像位置ずれ品質変数設定部1052、バーコード読み取り品質設変数定部1056、これらの変数に格納された値から、総合品質目標設定部1022のバリュー1025を導くための数式を格納する。
数式を表現する方法としては様々な手段が適用される。ここではラムダ式によって計算式を表現する。別の形態としては無名関数を任意のプログラミング言語もしくはスクリプト言語のフォーマットによって表現する。もしくは関数に限定する必要性もなく、プログラミング言語もしくはスクリプト言語を直接記載し、当該アプリケーションプログラムが該プログラミング言語もしくはスクリプト言語を実行した結果の値を得る形態をとってもよい。更に、数式は別手段によって規定し、数式に名称を与え該名称を数式設定部1035に設定する方法もある。
以下、数式設定部1035によって総合品質目標設定部1022におけるバリュー1025を導く場合の処理内容について、具体的な例を用いて説明する。
例えば、色品質設定部1036、画像位置ずれ品質設定部1047、バーコード読み取り品質設定部1056の検査結果によってPRXに設定した基準に基づき、画像形成装置104、ワークフロー制御プログラム505が作成したPQXに含まれる品質データが以下の通りであった場合を想定する。ただしPQXの作成処理については後述する。
例
色品質測定値(デルタE):1.5(cs=9)
画像位置ずれ品質測定値(mm):0.002(rg=10)
バーコード読み取り品質測定値(読み取り成功・失敗):成功(bc==1)
上記を本発明における本実施形態に示す数式設定部1035に設定された数式に適用すると評価値は以下のように算出される。
bc*(cs+rg*4)/5
=1*(9+10*4)/5
=9.8
すなわち、総合品質目標設定部1022におけるバリュー1025は9.8となり、ランク1024は10、すなわちラベルが"Excellent"である最上位品質のランク1031が導出される。
色品質測定値(デルタE):1.5(cs=9)
画像位置ずれ品質測定値(mm):0.002(rg=10)
バーコード読み取り品質測定値(読み取り成功・失敗):成功(bc==1)
上記を本発明における本実施形態に示す数式設定部1035に設定された数式に適用すると評価値は以下のように算出される。
bc*(cs+rg*4)/5
=1*(9+10*4)/5
=9.8
すなわち、総合品質目標設定部1022におけるバリュー1025は9.8となり、ランク1024は10、すなわちラベルが"Excellent"である最上位品質のランク1031が導出される。
図10Cは、発注者システム109における情報処理装置110において入稿対象の印刷設定情報であるジョブチケット、すなわちJDFデータを作成もしくは編集するためのアプリケーション画面の一例を示したものである。JDF設定部1004を選択することによって同図に示す画面の表示制御が行われる。JDF設定部1004は同図に示す如くさらに詳細な設定項目を選択可能な様、本実施形態におけるシステムは構成される。すなわち設定対象の機能ごとに、一般設定部1060、メディア設定部1061、面付け設定部1062、挿入紙設定部1063、画像処理設定部1064、後加工処理設定部1065等である。同図に示した画面例はメディア設定部1061を選択した場合の画面の表示状態の一例を示したものである。
同図に示す通り、ジョブ全体メディア設定部1066と、ジョブ部分メディア設定部1068から構成される。ジョブ全体メディア設定部1066はジョブで使用するメディアを選択する為に供されたものである。すなわち同図に示した例においては、ジョブ全体メディア種選択部1066において"Media1"が選択された状態を示している。換言すれば、本JDFによる印刷処理の実行において、印刷時に使用されるメディアは"Media1"であることを設定していることを意味する。一方で、ジョブ部分メディア設定部1068においては、ジョブ全体メディア設定部1066で設定したメディアとは異なるメディアを特定のページもしくはページ範囲に対して設定する場合に使用する設定手段である。同図に示して例においては、設定対象とするページ範囲追加部1069および、チェックボックス1046およびページ範囲消去部1070により、ジョブ部分メディア設定部1068が設定対象とするページ範囲の作成、消去手段を提供する。
同図においては2つのページ範囲が作成された状態を示している。すなわち第一ページ範囲設定1071においては第一のページ範囲1073に対し、5ページ、200ページから210ページ、および250ページを設定対象とし、設定対象のページに使用するメディアを第一の部分メディア選択部1074にて"Media2(coated)"を使用する場合の例を示している。
第二ページ範囲設定部1072においては第二のページ範囲1075に対し、1ページを設定対象とし、設定対象のページに使用するメディアを第二の部分メディア選択部1076にて"Media3(cardboard)"を使用する場合の例を示している。
●データ入力画面例
図11は発注者システム109における情報処理装置110において入稿対象の品質要求データであるPRX,JDF、PDFを印刷業者システム100に対し入稿する処理を実行する際のアプリケーション画面の一例を示したものである。
図11は発注者システム109における情報処理装置110において入稿対象の品質要求データであるPRX,JDF、PDFを印刷業者システム100に対し入稿する処理を実行する際のアプリケーション画面の一例を示したものである。
図11(A)は図10において示したアプリケーションの機能の一部として入稿データの印刷業者システム100への送信機能を供する形態の場合の画面1000の一例を示したものである。すなわち、汎用機能設定部1001を選択した際に同図に示す画面の表示がなされるよう本実施形態のシステムは構成される。
送信先情報設定部1101は印刷業者システム100における情報処理装置102上で稼働するウェブサーバ504が入稿手段として提供しているウェブサービスのアドレスを指定する指定部である。
第一のPDFファイル選択部1102、第一のPDFファイル選択指示部1103は共に入稿対象の画像データであるPDFファイルを発注者システム109における情報処理装置110が備えるファイルシステムから選択する選択部である。
第一のJDFファイル選択部1104、第一のJDFファイル選択指示部1105は入稿対象のジョブ設定データであるJDFファイルを発注者システム109における情報処理装置110が備えるファイルシステムから選択する選択部である。
第一のPRXファイル選択部1106、第一のPRXファイル選択指示部1107は入稿対象の品質要求データであるPRXファイルを発注者システム109における情報処理装置110が備えるファイルシステムから選択する選択部である。
上述した各手段によって入稿に必要なデータセットを選択し適切な送信先情報を設定した状態で第一の送信指示部1108を選択すると入稿データセットが印刷業者システム100に対して送信される。第一の処理中止指示部1109は入稿処理自体を中止するための指示部である。
図11(B)は図11(A)において示したアプリケーションによる入稿指示手段と等価な機能をウェブブラウザによる操作手段で提供する場合の画面の表示状態を説明するためのものである。
すなわち、ウェブブラウザのアドレス入力部1111に送信先情報を入力し印刷業者システム100における情報処理装置102上で稼働するウェブサーバ504が入稿手段として提供するウェブサービスのアドレスにアクセスした結果として同図に示すような入稿用ウェブ画面の状態に遷移する(1110、1112)。
同図に示す通り、図11(A)に示した各ファイル選択手段と等価な機能を有する選択手段がウェブブラウザの画面として提供されている。すなわち、第二のPDFファイル選択部1113、第二のPDFファイル選択指示部1114が第一のPDFファイル選択部1102、第一のPDFファイル選択指示部1103の機能に相応する。第二のJDFファイル選択部1115、第二のJDFファイル選択指示部1116が第一のJDFファイル選択部1104、第一のJDFファイル選択指示部1105の機能に相応する。第二のPRXファイル選択部1117、第二のPRXファイル選択指示部1118が第一のPRXファイル選択部1106、第一のPRXファイル選択指示部1107の機能に相応する。第二の送信指示部1119が第一の送信指示部1108に、第二の処理中止指示部1120が第一の処理中止指示部1109の機能に相応する。図11(B)に示した各手段と等価な機能の説明は図11(A)においてなされているため、機能の説明は割愛する。
●ジョブチケットの例
図12A〜図12Eは、発注者が図10A〜図10Cに示す各操作画面を用い、ユーザが操作した結果生成される各種入稿対象データの例を示すためのものである。以下、データ種別ごとに詳細を説明する。
図12A〜図12Eは、発注者が図10A〜図10Cに示す各操作画面を用い、ユーザが操作した結果生成される各種入稿対象データの例を示すためのものである。以下、データ種別ごとに詳細を説明する。
図12Aは、図10Cすなわち、発注者システム109における情報処理装置110のJDF作成プログラム607によって生成されたJDF形式のジョブチケットの一例である。
ジョブチケットには以下に示すような情報が含まれる。すなわち、1部に含まれるページ数1201、ジョブ全体印刷パラメータ1202、およびジョブ部分印刷パラメータ1206、1208である。
ジョブ全体印刷パラメータ1202には、トータル印刷部数1203や、ジョブ全体で使用するメディア設定1204が含まれる。ジョブ部分印刷パラメータ1206、1208には、部分として指定するページ範囲情報1205、1209や、部分で使用するメディア設定1207、1210が含まれる。
前記ジョブ全体で使用するメディア設定1204や、ジョブの部分で使用するメディア設定1207、1210の実際の設定内容はメディアタグ1211、1214、1217内で規定される。メディアタグ1211、1214、1217は、メディアの種別1213、1216、1219やメディアサイズ1212、1215、1218等の設定情報をさらに含む。
●PRXデータの例
図12B、図12Cは、図10B、すなわち発注者システム109における情報処理装置110において入稿対象の品質要求データであるPRXを作成もしくは編集する手段によって生成されたPRXデータの一例である。PRXデータには以下に示すような情報が含まれる。すなわちマスタ情報1220、総合品質目標設定情報1221である。
図12B、図12Cは、図10B、すなわち発注者システム109における情報処理装置110において入稿対象の品質要求データであるPRXを作成もしくは編集する手段によって生成されたPRXデータの一例である。PRXデータには以下に示すような情報が含まれる。すなわちマスタ情報1220、総合品質目標設定情報1221である。
総合品質目標設定情報1221はさらに品質レベルごとの規定部1222、1223、1224、1225、1226、数式規定部1225、最低受け入れ品質設定情報1227、要望品質設定情報1228等を含む。これらと等価な情報の意味に関しては図10Bの説明においてなされているため割愛する。
色品質情報規定部1229は、成果物の色品質に関する各種設定情報を格納する情報から成る。すなわち、色品質である色差を規定するための単位情報規定部1231、リファレンスとなる色情報である参照色情報規定部1232、そして色品質レベルごとの規定部1233、1234、1235、1236等を含む。また、最低受け入れ色品質設定情報1237、要望色品質設定情報1238、色品質変数設定情報1239、色品質測定座標情報1240等も含まれる。これらと等価な情報の意味に関しては図10Bの説明においてなされているため割愛する。
バーコード読み取り品質規定部1250は、成果物に含まれるバーコード画像の読み取り制度に関する品質要求情報格納するために設けられたものである。具体的にはバーコード読み取り品質情報規定部1251、1252、バーコード読み取り品質設変数規定部1255、バーコード読み取り最低品質規定部1253、バーコード読み取り要望品質規定部1254、そしてバーコード読み取り対象座標規定部1256等が含まれる。これらと等価な情報の意味に関しては図10Bの説明においてなされているため割愛する。
参照色詳細情報規定部1257は、色品質として要望する参照データ(正解値、リファレンス値)を規定するために設けられたものである。本実施形態における具体例として、CXF情報規定部1258、ならびにそれが含む色情報の表現手段の一つである分光スペクトル情報格納部1259を含む。
拡張情報格納部1260にはPRXに付加的な情報を格納する領域として任意に用いることが可能である。本実施形態においては、発注者が印刷業者に生産を依頼する際、その成果物の納品形態を指定および指示している。同図に示す例においては納品形態指定部1261に、カットシートとして納品する旨の情報が格納されている。換言すれば該PRXを受理した印刷業者は入稿されたデータを用いて生産、さらに納品する際に最終的にカットシートの形態で成果物を納品することを指示されている。
●印刷品質評価情報
図12Dは、画像形成装置103、104が備える検査部214によって、成果物であるシート上に形成される画像情報の検査を実施した際の、検査結果すなわち品質評価の一例を説明するための図である。同図に示す情報は画像形成装置103、104が備える検査プログラム410をコントローラ部205が実行することで作成され、情報処理装置102上で動作するワークフロー制御プログラム505に送信される。以下、検査結果データに含まれる情報について説明する。
図12Dは、画像形成装置103、104が備える検査部214によって、成果物であるシート上に形成される画像情報の検査を実施した際の、検査結果すなわち品質評価の一例を説明するための図である。同図に示す情報は画像形成装置103、104が備える検査プログラム410をコントローラ部205が実行することで作成され、情報処理装置102上で動作するワークフロー制御プログラム505に送信される。以下、検査結果データに含まれる情報について説明する。
検査実施シート情報1262はカットシート用画像形成装置104の検査部214が検査を実施した際のジョブの先頭からのシート枚数に関する情報を格納することを目的に設けられたものである。納品形態指定部1261にカットシート仕上がりの納品指示をされた場合であって、かつカットシート用画像形成装置104を用いて生産が行われた際に指定されることを目的として情報である。
一方でシート検査位置指定部1263は、連帳シート用画像形成装置103の検査部214が検査を実施した際のロール紙の先頭からのシートの位置を長さによって格納することを目的に設けられたものである。納品形態指定部1261にロールシート仕上がりの納品指示をされた場合であって、かつ連帳シート用画像形成装置103を用いて生産が行われた際に指定されることを目的として情報である。
なお、同図における例では説明の都合上、検査実施シート情報1262とシート検査位置指定部1263とが同時に含まれる状態を示しているが、実際には指定された納品形態に応じて両者は排他的に利用されることを前提としている。
また、納品形態が生産時に用いられる画像形成装置の種別と合致するとは必ずしも限らず、そうでない場合をも本実施形態は想定している。すなわち、連帳シート用画像形成装置103で印刷処理を実行し、後加工工程でカットシート仕上がりに加工した上で納品する場合である。この場合には査実施シート情報1262と検査実施シート情報1262のいずれかもしくは双方を格納することも想定しうる。その場合にはステップS728およびS729でPQXを作成する段階で納品形態に応じた適宜の態様により検査位置を示す情報がPQXに格納されるよう、ワークフロー制御部707が制御することによって為される。
分光スペクトルデータ1264は検査部214における、図9(B)にて示した第三の検査ユニット912、および第四の検査ユニット913によってシート上の画像の色情報である分光スペクトルの数値データである。後述するPQXデータに格納され、色品質に関する検査結果を発注者に提供するために用いられる。
画像位置ずれ検査結果データ1265は、検査部214における、図9(B)において示した第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908によってシート上の画像の位置ずれに関するずれ量の数値データである。後述するPQXデータに格納され、画像位置ずれ品質に関する検査結果を発注者に提供するために用いられる。
バーコード読み取り検査結果データ1266は、検査部214における、図9(B)において示した第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908によってシート上のバーコード画像の読み取り検査の結果に関するデータである。後述するPQXデータに格納され、バーコードの読み取り品質に関する検査結果を発注者に提供するために用いられる。
図12Dのメタデータ1287は、発注者にとって、検査対象の成果物がどういう印刷設定、印刷条件で生産されたのかといった情報を発注者に伝える情報である。メタデータ1287に記載された情報を基に、品質レポート作成部508はPQXのPress Run Infoのタグを作成する。図12Dのメタデータ1287はメタデータの一例である。この例では、発注者がPDF(Portable Document Format)データ内に指定した出力インテントが切り替わったときに通知される。PDFの出力インテントは、色分解印刷デバイスなど、PDFのカラー再現に使用する最終的な出力デバイスを記述するものである。つまり、出力インテントが切り替わることで、PDFのカラー再現が変わる。そのため、発注者への品質レポートにおいて、変更された出力インテントの指定に従って形成した画像が、画像形成装置104がPRXによって指定された品質許容値内で生産されているか否かを発注者に報告できる。なお、PDFに含まれた出力インテントを、そのままメタデータとして検査結果データに含めてもよい。その場合にはメタデータの内容の変化を比較することで、出力インテントが変更されたことを知ることができる。
なお、本実施形態に記載されている出力インテント以外の設定項目をメタデータにすることも可能である。例えば、ジョブ内で印刷時に使用する用紙が変わったときに用紙の情報をメタデータにすることができる。すなわち用紙の種類をメタデータの項目として選択できる。あるいは、生産条件をメタデータとするよう選択しておき、画像形成装置104の生産条件が変わったときに、変わった生産条件をメタデータにすることができる。あるいは、上記例の組み合わせでもよく、たとえば、発注者が指定した用紙の切り替わりが発生し、尚且つ画像形成装置104の生産条件が変化したときに、用紙の情報および生産条件をメタデータにすることもできる。メタデータはたとえばPRXなどで指定されてもよいし、あるいは予め決定されていてもよい。検査部214は、検査結果情報に、メタデータとして、指定された或いは予め決定された項目の値を含めてよい。上述のように、選択された項目の値が変化したときに検査結果にメタデータとして含めてよいが、変化の有無にかかわらず選択された河野区の値をメタデータとして検査結果に含めてもよい。メタデータは、例えばメタデータとして選択されている項目を示す文字列と、その項目の値を示す文字列とを含んでよい。
図12E,図12Fは、画像形成装置103、104が備える検査部214によって作成された図12Dに示した検査情報を、ワークフロー制御プログラム505が受信し、作成する印刷品質報告データ、すなわちPQXデータの一例を示したものである。以下、PQXに含まれる情報のうち、主要なものについて説明する。
PQXヘッダ情報1267はPQXデータが保持すべき主となる情報の格納領域である。
作業報告格納部1268は、画像形成装置103、104が処理を実行した際になされる品質検査結果および品質検査結果に対応付ける汎用的な情報を格納するために用いられるものである。本実施形態においては、品質検査を実施する際の生産条件を格納する場合の例を示している。より具体的には納品形態がロール仕上げの際には、ロール納品用トータルシート情報1269、もしくは納品形態がカットシート仕上げの際には、カットシート納品用トータルシート情報1270が作業報告格納部1268に格納される。
タグ1288は、検査結果に記述されたメタデータ1287を格納し、品質報告を区別するための付加情報を保持する役割を持つ。
検査結果格納領域1272は、検査部214によって実施された成果物作成品質に関する各種検査結果を検査の種別毎に識別し、格納することを目的に供される格納部である。以下、同領域に格納される品質検査結果の内容について説明する。
検査部位特定情報1272には、画像形成装置103、104が備える検査部214により実施された、品質検査結果の位置情報が格納される。より具体的には納品形態がロール仕上げの際には、ロール納品用シート情報1273、もしくは納品形態がカットシート仕上げの際には、カットシート納品用シート情報1274が格納される。
ロール納品用シート情報1273およびカットシート納品用シート情報1274は、後述する、各種品質検査を実施した際のシート上の座標を特定するための、基準となる位置情報を提供することを目的としている。具体的には、ロール仕上げで納品する場合には、品質検査を実施した箇所を指定する際に、ロール紙の先頭からの長さによる位置情報およびロール番号をロール納品用シート情報1273に格納する。また、カットシート仕上げで納品する場合には、品質検査を実施した箇所を指定するための、ジョブ中の画像形成が行われたジョブ先頭からのシート枚数情報、および納品時のロット番号に関する情報を格納する。
色品質報告格納部1275は、PQXに含めて発注者に印刷業者が行う品質報告情報のうち、色情報に関する報告情報を格納するための領域である。図12Dにて示した、分光スペクトルデータ1264に基づき当該領域の情報は作成される。すなわち、分光スペクトルデータ1264の参照リンク1276、前記参照リンク1276が参照する実施の分光スペクトルデータ格納部1285、および分光スペクトルデータ1286、測定位置指定部1277がこれに相当する。
発注者における情報処理装置110で動作する第三の受信プログラム609が受信したPQXの分光スペクトルデータ格納部1285に格納されたデータと、第三の送信プログラム608でPRXとして送信した色品質情報規定部1229とを比較し、色差(デルタE)を計算する。そのうえで、図10Bにおける色品質設定部1036で規定したバリュー1037からランク1024を導く処理を実施し、色品質に関する判別情報を導出するために用いられる。
測定位置指定部1277は、ロール納品用シート情報1273もしくはカットシート納品用シート情報1274と組み合わせて使用される。具体的には、測定位置指定部1277は、PRXで指定された納品形態がロール仕上がりの場合には、ロール紙の原点に対するカラーパッチ916、919の相対位置座標を示している。原点は、ロール先頭からの積算の長さ情報を示すロール納品用シート情報1273の数値で示される、シートの先頭からの位置情報である。カラーパッチ916、919の位置は、測定位置指定部1277に格納された主副座標方向に画像形成され、第三の検査ユニット912および第四の検査ユニット913で実施した読み取り検査により特定される。
一方、PRXで指定された納品形態がカット仕上がりの場合には、測定位置指定部1277は、カットシート納品用シート情報1274の数値で示されるジョブの先頭からのシート枚数と、該枚数目のシートにおける、カラーパッチ916、919の原点からの相対座標位置とを示している。原点はシート上における、画像形成のために決められている所定の位置(たとえばシートの所定の角部など)である。カラーパッチ916、919は、測定位置指定部1277に格納された主副座標方向に画像形成され、第三の検査ユニット912および第四の検査ユニット913で実施された読み取り検査により特定される。
画像位置ずれ品質報告格納部1278は、PQXに含めて発注者に印刷業者が行う品質報告情報のうち、画像位置ずれ情報に関する報告情報を格納するための領域である。図12Dにて示した、画像位置ずれ検査結果データ1265に基づき当該領域の情報は作成される。
発注者における情報処理装置110で動作する第三の受信プログラム609が受信したPQXの画像位置ずれ品質報告格納部1278に格納されたデータと、第三の送信プログラム608でPRXとして送信した画像位置ずれ品質情報規定部1241とを比較し、ずれ量を計算する。そのうえで、図10Bにおける画像位置ずれ品質設定部1047で規定したバリュー1048からランク1024を導く処理を実施し、画像位置ずれ品質に関する判別情報を導出するために用いられる。
測定位置指定部1281は、ロール納品用シート情報1273もしくはカットシート納品用シート情報1274と組み合わせて使用される。具体的には、測定位置指定部1281は、PRXで指定された納品形態がロール仕上がりの場合には、レジマーク917、918の原点からの相対座標位置を示している。原点は測定位置指定部1277について説明したものと同じでよい。レジマーク917、918は、測定位置指定部1281に格納された主副座標方向に画像形成され、第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908で実施される読み取り検査により位置が特定される。
一方、PRXで指定された納品形態がカット仕上がりの場合には、測定位置指定部1281は、カットシート納品用シート情報1274の数値で示されるジョブの先頭からのシート枚数と、該枚数目のシートにおける、レジマーク916、919の原点からの相対座標位置を示している。原点は測定位置指定部1277について説明したものと同じでよい。レジマーク916、919は、測定位置指定部1281に格納された主副座標方向に画像形成され、第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908で実施される読み取り検査により位置が特定される。
バーコード読み取り品質格納部1282は、PQXに含めて発注者に印刷業者が行う品質報告情報のうち、バーコード読み取り品質情報に関する報告情報を格納するための領域である。図12Dにて示した、バーコード読み取り検査結果データ1266に基づき当該領域の情報は作成される。
発注者における情報処理装置110で動作する第三の受信プログラム609が受信したPQXのバーコード読み取り品質格納部1282に格納されたデータと、第三の送信プログラム608でPRXとして送信したバーコード読み取り品質規定部1250とを比較し、検査結果を計算する。そのうえで、図10Bにおける前記バーコード読み取り品質設定部1056で規定したバーコード読み取り品質に関する検査結果の判別情報を導出するために用いられる。
測定位置指定部1284は、ロール納品用シート情報1273もしくはカットシート納品用シート情報1274と組み合わせて使用される。具体的には、測定位置指定部1284は、PRXで指定された納品形態がロール仕上がりの場合には、バーコード920の原点からの相対座標位置を示している。原点は測定位置指定部1277について説明したものと同じでよい。バーコード920は、測定位置指定部1284に格納された主副座標方向に画像形成され、第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908で実施される読み取り検査により位置が特定される。
一方、PRXで指定された納品形態がカット仕上がりの場合には、測定位置指定部1284は、バーコード920の原点からの相対座標位置を示している。原点は測定位置指定部1277について説明したものと同じでよい。バーコード920は、カットシート納品用シート情報1274の数値で示されるジョブの先頭からのシート枚数と、該枚数目のシートにおける、バーコード920の原点からの相対座標位置を示している。バーコード920は、測定位置指定部1284に格納された主副座標方向に画像形成され、第一の検査ユニット907および第二の検査ユニット908で実施される読み取り検査により位置が特定される。
発注者が印刷業者に対して生産を依頼する際、その納品形態によって品質報告データによって示される、報告対象位置の指定方法を如何様に指定することが適切であるかが異なる。従って、本実施形態においては、図12B、図12Cにて示したPRXに含まれる納品形態指定部1261に格納される納品形態の設定情報に基づき、ロール納品用シート情報1273もしくはカットシート納品用シート情報1274を選択的にPQXに格納する。換言すれば、生産時に用いられる画像形成装置が連帳シート用画像形成装置103であっても、カットシート用画像形成装置104であっても、あるいは連帳シート用画像形成装置103で生産し後加工でカットシート仕上がりにした場合等、生産形態や納品時形態が如何様の場合であっても、発注者は納品される成果物において、品質検査が実施された部位をPQXから容易に特定するために十分な情報を容易な術によって入手することが可能な構成を実現している。
●データ選別処理手順
図13は本実施形態におけるデータ選別処理のフローチャート図である。本実施形態においては、図13は、図7のステップS728−1の詳細を示している。図13の手順を実現するためのプログラムは情報処理装置102のROM303に格納されており、RAM302に読み出され、CPU301によって実行される。
図13は本実施形態におけるデータ選別処理のフローチャート図である。本実施形態においては、図13は、図7のステップS728−1の詳細を示している。図13の手順を実現するためのプログラムは情報処理装置102のROM303に格納されており、RAM302に読み出され、CPU301によって実行される。
ステップS728において、プリント制御部708は検査結果をワークフロー制御部707に応答する。そして、ワークフロー制御部707は以下のようなステップ728−1を実行して検査結果の取捨選択を行った後に、選択された検査結果のみをPQX形式に変換する。
ステップS1301において、ワークフロー制御部707はプリント制御部708から送信された検査結果のメタデータ1287を確認(あるいは参照)する。
ステップS1302において、ワークフロー制御部707は、参照したメタデータ1287に、最後に受信したメタデータからの変更があるかを判定する。変更があると判定した場合は、発注者に品質レポートを送信する必要があると判断し、ステップS1303に進む。変更がない場合は、重複した品質レポート送信は不要であるので、フローを終了する。なおこの場合、処理の終了の前に、不要であるとして選択されなかった検査結果は廃棄してもよい。あるいは選択されなかったデータとしてマークしておいてもよい。
ステップS1303において、ワークフロー制御部707は変更のあったメタデータを含む検査結果を選択する。またステップS1301で参照したメタデータ1287を、最後に受信したメタデータとして保存しておく。ここで保存したメタデータが、ステップS1302において、最後に受信したメタデータとして比較の対象となる。
以上のようにして報告すべき検査結果を選択あるいは決定し、ステップS729において、ワークフロー制御部707はステップS1303で選択された前記検査結果をPQX形式に変換する。
以上に示したステップにより、本実施形態のワークフローシステムは、発注者が発注時に決めた要望に従って、作成すべき前記報告の数すなわちPQXデータの量を減らすことが可能となる。前記要望は検査結果内のメタデータとして表現される。これにより、印刷業者は、書籍のように検査結果が膨大になるような場合においても、発注者に役立つ報告のみを行えばよく、作業効率を向上させることができる。
なおメタデータが、メタデータとして選択された項目の値が変化したときに限って検査結果に含まれる場合には、ステップS1302において変化の有無を判定することに代えて、メタデータが検査結果に含まれているが判定してよい。その場合、含まれていれば変化があったものとしてステップS1303に分岐する。
[施形態2]
実施形態2では、発注者が入稿したデータの生産時における品質状況を確認するために、PQXデータの取得処理を実行する形態を詳しく説明する。実施形態1では印刷業者側のシステムが発行するPQXデータの量を抑制した。しかし、発注者が取得したPQXデータの量が多くなると、重複したPQXデータが多くなり、発注者が重要なPQXデータを見逃す恐れがあるため、PQXデータ取得時に必要なPQXデータをだけ取得する必要がある。
実施形態2では、発注者が入稿したデータの生産時における品質状況を確認するために、PQXデータの取得処理を実行する形態を詳しく説明する。実施形態1では印刷業者側のシステムが発行するPQXデータの量を抑制した。しかし、発注者が取得したPQXデータの量が多くなると、重複したPQXデータが多くなり、発注者が重要なPQXデータを見逃す恐れがあるため、PQXデータ取得時に必要なPQXデータをだけ取得する必要がある。
このようなPQXデータ取得処理を説明するために、本実施形態において、図12Eと図7BのステップS733〜S735を詳しく説明する。
ステップS734において、ウェブブラウザ部704からのhttpリクエストをウェブサーバ部705が受信した後、ウェブサーバ部705は以下のステップを実行してPQXデータの取捨選択を行った後に、httpリクエストのレスポンスとしてPQX情報が発注者に送信される(ステップS734−1)。なお手順は図13と同様であるので図13を参照するが、実行主体はウェブサーバ部705となる。また参照されるデータも検査結果データのメタデータ1287ではなく、PQXデータ内でメタデータを示すタグ1288となる。
ステップS1301において、ウェブサーバ部705は登録されているPQXデータを参照し、Press Run Info1268内に記述された、TagCollection内のタグ1288を参照する。
ステップS1302において、ウェブサーバ部705は参照したタグ1288が、最後に受信したタグ1288から変更があるかを確認する。変更がある場合は発注者に品質レポートを送信する必要があると判断し、ステップS1303に進む。変更がない場合は発注者にとって重複した品質レポート送信は不要とみなし、フローを終了する。
ステップS1303において、ウェブサーバ部705は変更のあったタグを含むPQXデータを送信対象として選択する。またこのとき、受信したタグ1288の内容を最後に受信したタグ1288として保存しておく。
以上に示したステップにより、本実施形態のワークフローシステムは、発注者が発注時に決めた要望に従って、発注者が確認すべき前記報告の量を減らすことが可能となる。これにより、発注者は重複した報告を受信せずにすみ、報告の確認作業の効率化をすることができる。
[実施形態3]
実施形態3では、実施形態1あるいは実施形態2のように発注者の要望がない場合において、画像形成装置104内で生産条件が変わった場合のデータ選別処理を説明する。
実施形態3では、実施形態1あるいは実施形態2のように発注者の要望がない場合において、画像形成装置104内で生産条件が変わった場合のデータ選別処理を説明する。
画像形成装置104は、色管理・表裏見当調整、検品を自動化することが可能となっており、成果物の生産中に色差や表裏レジがターゲットからずれていた場合、画像形成装置104はズレを補正するために、色差や表裏レジの調整を自動化する。これにより調整時間を大幅に短縮し、生産時間を拡大できる。印刷中の常時監視/調整で安定した高品質の印刷物を提供できる。さらにスキルレス調整で、オペレータの負荷を軽減することができる。
この場合、実施形態1や実施形態2に記載したように発注者による指示ではなく、画像形成装置104の生産条件の変化に応じて、発注者に品質報告をする。すなわち、色差や表裏レジの自動調整の実行前と実行後の検査結果に変化があれば、実行前と実行後それぞれの検査結果を発注者に品質報告をすることにより、画像形成装置104が発注者の品質許容値の中で生産を行っているか否かを、発注者は確認可能である。なおこの場合、色版の相対位置(レジ)や色が変更され、メタデータとしては、自動調整により変更されえる項目が選択される。そして、検査結果のメタデータ欄には、選択された項目、例えばレジ位置や色が記録される。前述のようにメタデータは変更された場合に記録されてもよいし、変更の有無にかかわらず記録されてもよい。
なお、本実施形態におけるデータ選別処理はワークフロー制御部707で行ってもよいし、ウェブサーバ部705であってもよい。ここでは、ワークフロー制御部707での処理を説明する。
プリント制御部708によって生産された成果物をステップS727において、画像形成装置104が有する検査部214によって検査を実行する。この検査の結果次第で、画像形成装置104は色差や表裏レジのズレを補正するため、色管理・表裏見当の自動調整を実行する。
ステップS728において、プリント制御部708は検査結果をワークフロー制御部707に応答する。そして、ワークフロー制御部707はステップS728−1において以下のステップを実行して検査結果の取捨選択を行った後に、選択された検査結果のみをPQX形式に変換する。なおこの手順は図13と同様であるので図13を参照して説明する。
ステップS1301において、ワークフロー制御部707はプリント制御部708から送信された検査結果のメタデータ1287を参照する。
ステップS1302において、ワークフロー制御部707は、参照したメタデータ1287に、最後に受信したメタデータからの変更があるかを判定する。具体的には自動調整が実施されたか否かを判定する。変更があると判定した場合は、発注者に品質レポートを送信する必要があると判断し、ステップS1303に進む。変更がない場合は重複した品質レポート送信は不要なのでフローを終了する。
ステップS1303において、ワークフロー制御部707は変更のあったメタデータを含む検査結果および直前の検査結果を選択する。また参照したメタデータ1287を保存しておく。
ステップS729において、ワークフロー制御部707はステップS1303で選択された検査結果をPQX形式に変換する。
以上に示したステップにより、本実施形態のワークフローシステムは、画像形成装置104による色管理・表裏見当の自動化が実行された場合において、自動調整の実行前と実行後の検査の報告を行うことになる。またそれぞれの検査結果に対して、選択された項目の変更があった場合に、PQXを生成して送信する。これにより、発注者が受信する前記報告の量を減らすことが可能となる。これにより、発注者は大量の報告を受信せずにすみ、報告の確認作業の効率化をすることができる。
[実施形態]
実施形態4では、発注者による要望がある場合において、画像形成装置104内で生産条件が変わった場合の、PQXデータに含めるデータ選別処理を説明する。事例としては、例えば、発注者がPDF(Portable Document Format)内に指定した出力インテントに従って印刷物の生産を行っている最中に、画像形成装置104内で生産条件が変わった場合である。同一の出力インテントで印刷が長時間連続して行われる場合、画像形成装置104内で色差・表裏レジの自動調整が実行される。この場合、出力インテントが切り替わっていなくても、画像形成装置104内で生産条件が変わったので、発注者に品質報告をする。
実施形態4では、発注者による要望がある場合において、画像形成装置104内で生産条件が変わった場合の、PQXデータに含めるデータ選別処理を説明する。事例としては、例えば、発注者がPDF(Portable Document Format)内に指定した出力インテントに従って印刷物の生産を行っている最中に、画像形成装置104内で生産条件が変わった場合である。同一の出力インテントで印刷が長時間連続して行われる場合、画像形成装置104内で色差・表裏レジの自動調整が実行される。この場合、出力インテントが切り替わっていなくても、画像形成装置104内で生産条件が変わったので、発注者に品質報告をする。
プリント制御部708によって生産された成果物を、ステップS727−1において、画像形成装置104が有する検査部214によって検査を実行する。この検査の結果次第で、画像形成装置104は色差や表裏レジのズレを補正するため、色管理・表裏見当の自動調整を実行する。まず出力インテントの切り替え時にデータ選別処理を実行する。ただし、この処理は実施形態1に記載済みなので、ここでは割愛する。次に同一の出力インテントで印刷を行っている最中に、画像形成装置104内で生産条件が変わった場合のデータ選別処理を以下のステップで実行する。
ステップS728において、プリント制御部708は検査結果をワークフロー制御部707に応答する。そして、ワークフロー制御部707はステップS728−1で図13の手順を実行して検査結果の取捨選択を行った後に、選択された検査結果のみをPQX形式に変換する。図13の手順は他の実施形態と同様であるのでそれを流用して説明する。本実施形態における実行主体はワークフロー制御部707である。
ステップS1301において、ワークフロー制御部707はプリント制御部708から送信された前記検査結果のメタデータ1287を参照する。
ステップS1302において、ワークフロー制御部707は参照したメタデータ1287に、最後に受信したメタデータからの変更があるかを判定する。具体的には、メタデータで示されている出力インテントが切り替わったかを判定する。ここで、出力インテントが切り替わっていると判定すれば、変更がある場合は発注者に品質レポートを送信する必要があるため、ステップS1303に進む。一方、出力インテントが切り替わっていない場合、自動調整が実施されたか否かを判定する。自動調整の実施もメタデータに含めておくことで、メタデータを参照して自動調整が行われたことを判定できる。自動調整が実施された場合は発注者に品質レポートを送信する必要があるため、ステップS1303に進む。それ以外は重複した品質レポート送信は不要なので、フローを終了する。
ステップS1303において、ワークフロー制御部707は変更のあったメタデータを含む検査結果および直前の検査結果を選択する。検査結果はワークフロー制御部707が蓄積しており、その中から直前の検査結果を選択すればよい。ワークフロー制御部707は、検査結果の蓄積の際に時系列に保存しておくことで、直前の検査結果を簡単に選択できる。
ステップS729において、ワークフロー制御部707はステップS1303で選択された前記検査結果をPQX形式に変換する。
以上に示したステップにより、本実施形態のワークフローシステムは、発注者からの出力インテントの切り替え指示があった場合において、同一の出力インテントの印刷実行中に画像形成装置104による色管理・表裏見当の自動化が実行された場合に、自動調整の実行前と実行後の検査の報告を行うことになる。そして、自動調整の実行後にいったん検査の報告を行うと、出力インテントが変更されるか、自動調整が再度行われるまで報告を省略できる。これにより、発注者が受信する前記報告の量を減らすことが可能となる。これにより、発注者は大量の報告を受信せずにすみ、報告の確認作業の効率化をすることができる。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
102、110 情報処理装置、103、104 画像形成装置、703 データ作成アプリ、704 ウェブラウザ、705 ウェブサーバ、706 入稿システム部、707 ワークフロー制御部、708 プリント制御部
Claims (9)
- 画像形成装置により画像形成された成果物を検査する検査手段から得た検査結果に基づいて品質報告データを提供する情報処理装置であって、前記検査結果には所定の項目がメタデータとして含まれており、前記情報処理装置は、
前記検査結果に含まれた前記メタデータを参照し、画像形成のための前記所定の項目が変更されているかを判定する判定手段と、
前記所定の項目が変更されている場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供し、前記所定の項目が変更されていない場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供しない制御手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記所定の項目が変更されていない場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを作成しない
ことを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記所定の項目が変更されていない場合、作成した前記検査結果に基づく前記品質報告データを送信しない
ことを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記所定の項目は、画像形成のカラープロファイルを指定する出力インテントを含む
ことを特徴とする情報処理装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記所定の項目は、前記成果物の生産条件を含む
ことを特徴とする情報処理装置。 - 請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記生産条件は、前記画像形成装置による色または色版の位置の自動調整の有無を含む
ことを特徴とする情報処理装置。 - 請求項5または6に記載の情報処理装置であって、
前記制御手段は、前記生産条件の変更があったと判定した場合に、前記生産条件の変更の前および後の前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供する
ことを特徴とする情報処理装置。 - 画像形成装置により画像形成された成果物を検査する検査手段から得た検査結果に基づいて品質報告データを提供する情報処理方法であって、前記検査結果には所定の項目がメタデータとして含まれており、前記情報処理方法は、
前記検査結果に含まれた前記メタデータを参照し、画像形成のための前記所定の項目が変更されているかを判定し、
前記所定の項目が変更されている場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供し、前記所定の項目が変更されていない場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供しない
ことを特徴とする情報処理方法。 - 情報処理装置により、画像形成装置により画像形成された成果物を検査する検査手段から得た検査結果に基づいて品質報告データを提供するためのプログラムであって、前記検査結果には所定の項目がメタデータとして含まれており、前記プログラムは、
前記検査結果に含まれた前記メタデータを参照し、画像形成のための前記所定の項目が変更されているかを判定する判定手段と、
前記所定の項目が変更されている場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供し、前記所定の項目が変更されていない場合、前記検査結果に基づく前記品質報告データを提供しない制御手段と
して前記情報処理装置を機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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WO2022181554A1 (ja) | 2021-02-25 | 2022-09-01 | キヤノン株式会社 | マイクロ流路デバイスおよびその製造方法 |
-
2019
- 2019-08-09 JP JP2019147962A patent/JP2021028797A/ja active Pending
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