JP2020170351A - 情報処理装置、その制御方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、その制御方法、及びプログラム Download PDF

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孝介 辻田
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Masaki Maeda
優樹 前田
孝明 矢野
Takaaki Yano
孝明 矢野
純 阿武
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純 阿武
大智 田中
Hirotomo Tanaka
大智 田中
諒 藤田
Ryo Fujita
諒 藤田
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翔 菊池
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洋之 鳥谷部
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智史 吉田
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Abstract

【課題】受注した印刷ジョブの品質要件を満足すべく、当該品質要件と、印刷成果物の結果を好適に比較し、必要に応じてリカバリ処理を実行可能な仕組みを提供する。【解決手段】印刷サービスのための情報処理装置において、受注した印刷ジョブの第1のデータフォーマットに従った品質要件を解析し、当該解析結果と、当該印刷ジョブの商品種別とから、印刷に関わる工程を作成する。作成した印刷に関わる工程を印刷システムで行わせ、当該印刷システムの印刷結果を取得し、取得した印刷システムの印刷結果から、第2のデータフォーマットに従った品質レポートを作成する。第1のデータフォーマットに従った品質要件と、第2のデータフォーマットに従った品質レポートとを比較し、当該比較の結果、品質レポートの何れかの項目が品質要件の対応する項目の要求を満たさない場合に、所定のリカバリ処理を印刷システムに行わせる。【選択図】図9

Description

本発明は、情報処理装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
プリントオンデマンド(POD)やプロダクションプリンティング、商業印刷と呼ばれる印刷サービス形態がある。このようなサービス形態には、印刷を注文・依頼する顧客(エンドユーザとも称する。)と、印刷成果物を提供する印刷会社とが存在する。顧客は印刷会社に対して依頼する印刷成果物の仕様と、必要に応じて印刷に用いる画像データの提供を行い印刷物の注文を行う。印刷成果物の仕様とは、例えば使用する用紙種類、製本やステイプルといった仕上げ設定、印刷枚数、及び部数などを含む、印刷成果物の内容を決定する要素である。印刷会社は依頼された内容と画像データを用いて印刷成果物を作成して顧客に対して納品する。
このような商業印刷サービスにおいて、印刷会社は印刷成果物の受注から納品までを行うために多様な機器やソフトウェアを用いる。例えば、用紙への印刷を行うための印刷装置や、製本・ステイプルを行うためのフィニッシャ、印刷物の検査・検品を行うための検品装置が用いられる。その他に、顧客から印刷成果物の受注を受け付けるためのWebサーバや、印刷成果物の生産を管理するための端末やソフトウェアも用いられる。また、これらの機器やソフトウェアの使用者も複数存在する。例えば、受注案件の管理や顧客との連絡を行う受注担当者、印刷成果物を完成させるまでの作業工程を設計する工程設計者、印刷装置や検品装置の操作を行うオペレータ、最終印刷成果物の品質確認を行う確認者である。複数の生産拠点を備える印刷会社も存在し、このような場合、印刷会社は受注内容をもとに、どの生産拠点で印刷成果物の生産を行うか決定する。
商業印刷サービスにおいては、印刷会社は顧客から印刷成果物に対して品質条件を指定されることが多い。品質条件とは、印刷成果物の仕様とは異なり、用紙の表裏における画像の位置ずれ量や、複数部数或いは複数ページ間での画像の色値の変動量といった、印刷成果物の品質に関する条件を指す。印刷成果物はチラシやパンフレットのような配布物、写真集や書籍、名刺、展示パネルなど多岐にわたり、それらの用途や価格も様々であるため、品質条件もまた、求められる条件や水準は多種多様である。後述するように品質条件に対して、印刷会社ではそれらを満たすための作業工程と、印刷成果物の品質確認工程が必要となるため、品質条件の水準が高いほど印刷成果物のコストも増加することが一般的である。印刷会社は、これらの品質条件を満たすような各種調整作業を行いながら、印刷成果物の作成を行う。例えば、顧客と合意を得たサンプル印刷の結果に基づいて、印刷装置の特定の用紙における特定の色に合わせるための各種調整や、印刷後の検品により品質条件を満たさない印刷成果物を不良品として除外することが行われる。印刷会社はこれらの作業により達成された印刷成果物の品質が顧客の求める品質条件に達しているかを確認し、必要に応じて顧客に対して品質レポートを提出する。
特に、多くの顧客から様々な仕様・品質条件の印刷成果物を受注する場合、各印刷成果物に対して顧客の品質条件を満たすための作業もまた複数種類となり、要する時間も長時間となる。例えば、印刷成果物Aでは表裏の印刷ずれが、印刷成果物Bでは顧客から提示された色見本との整合性が、それぞれ品質条件として求められているとする。この場合、受注担当者は工程設計者にそれぞれの印刷成果物の品質条件を、印刷会社で用いるデータフォーマットを用いて伝送する必要がある。工程設計者は印刷会社で用いることができる印刷装置及びソフトウェアの種類、状態をもとに、それぞれの印刷成果物の生産において、品質条件を満足するための作業工程を決定する。例えば、印刷成果物Aでは後処理装置の機器調整、印刷成果物Bでは印刷装置の色較正、のように作業を決定し、さらに色較正後の測色作業など、各作業における結果確認作業を決定する。また、例えば表裏の印刷ずれの確認箇所と許容されるずれ量の最大値のように、生産された印刷成果物が品質条件を満足していることをどのように確認すればよいかを示す品質確認手法を決定する。印刷会社では複数の印刷装置が用いられていることが一般的であり、工程設計者は、それら複数の印刷装置から受注した印刷成果物の品質条件を満足するために最適な装置を選ぶ必要がある。このように、品質条件を満たす印刷成果物の生産と、生産された印刷成果物の品質確認をそれぞれ行うためのワークフローの定義が印刷会社においては必要である。オペレータはこのようにして決定された作業工程を受け取り、印刷装置及びソフトウェアの操作を行う。確認者は生産された印刷成果物と、品質確認手法とをもとに印刷成果物が品質条件を満足していることを確認する。このように、印刷会社は品質条件とそれを満足するための作業工程、また確認された印刷成果物の品質を示す品質レポートを伝送するために多くの作業工数を費やしている。
従来、顧客と印刷会社とがこれらの品質条件、品質レポートの受け渡しを行う際に、統一された情報フォーマットは定義されておらず、用いられてこなかった。そのため、印刷会社は複数の顧客から異なる情報フォーマットで品質条件を受領することになり、品質条件から、それらを満たすための作業工程を設計する際に不便が生じていた。顧客側から見ても、複数の印刷会社に対して印刷成果物の発注を行う際に、品質条件と品質レポートの受け渡しを異なる情報フォーマットで行う煩雑さが存在していた。
そこで、品質条件と品質レポートを伝送するための情報フォーマットを統一する手法として、標準化技術として非特許文献1、2にそれぞれ記載のPRX、PQXが検討されている。PRXとは、Print Requirement eXchange formatの略であり、印刷に要求する品質条件の標準データフォーマットを指す。PRXを用いることで、異なる顧客又は異なる受注に対する品質条件を統一的な標準データフォーマットで記述できるようになる。PQXとは、Print Quality eXchange formatの略であり、印刷品質レポートの標準データフォーマットを指す。PQXは印刷成果物の品質データを標準データフォーマットで伝送することを可能にする。このようにPRX、PQXを用いて従来統一されていなかった品質条件と品質レポートとを統一された情報フォーマットで伝送できるようになる。
また、特許文献1には、印刷成果物の受注に関するワークフロー構築に関する技術が提案されている。当該技術では、印刷成果物の仕様を満たすためのワークフローを構成する個々の工程の工程定義が登録されたデータベースから工程を検索して、それらを組み合わせることで、印刷成果物の受注条件を生産できるワークフローを構築する。このとき、当該技術では、受注条件を若干異ならせたワークフローを必要コストとともに顧客に提示することで、顧客に対してディスカウント情報を提示することを可能にしている。これにより、顧客はコストが異なる複数のワークフローから、仕様とコストの比較を行ったうえで所望のワークフローを選択することができる。
特許第4940787号公報
ISO/AWI 20616-1, Graphic technology -- File format for quality control and metadata -- Part 1: Print requirements exchange (PRX), [online], [平成31年2月25日検索], インターネット<URL:https://www.iso.org/standard/68565.html> ISO/CD 20616-2, Graphic technology -- File format for quality control and metadata -- Part 2: Print quality exchange (PQX), [online], [平成31年2月25日検索], インターネット<URL:https://www.iso.org/standard/69572.html>
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する課題がある。前述したような印刷成果物の品質条件は顧客又は印刷成果物によって様々であり、それらを達成するための手法も多数ありうる。例えば、品質条件として、企業のロゴマークに用いるコーポレートカラーについて、顧客から色の再現性と安定性を高い水準で求められたとする。色の再現性とは、顧客が提供した印刷データにおいてRGBやCMYKといった定義で表現される色が、印刷成果物において同じ色で印刷されているかを示す尺度である。安定性とは、複数ページ又は複数部の印刷において、同じ色の印刷データが印刷成果物においても変わらない色で印刷されているかを示す尺度である。コーポレートカラーは企業・団体を象徴する色であるから、顧客は高い色再現性と安定性、即ち顧客が提供した印刷データと同じ色で印刷され、かつどのページでも結果が変わらないことを品質条件として求めることが多い。
一方、品質条件を満たすための印刷装置の有無や作業工程は顧客から提供された印刷データと、印刷成果物の仕様とに依存する。コーポレートカラーの例では、顧客が指定した色値が使用する印刷装置やインクの選定に影響する。また、色の安定性についても仕様として指定された用紙や、使用する印刷装置やインクによって、作業工程として印刷装置の色較正やサンプル印刷の確認頻度が変わってくる。
このように、顧客が求める品質条件を満足するための作業工程は印刷成果物の仕様と顧客が求める品質条件によって様々である。前述したPRXのフォーマットを用いて、顧客から受注した印刷成果物に対する品質要求を、デジタルフォーマットで受注した印刷ジョブごとに入力することが可能となる。またPQXを用いて、品質レポートをデジタルフォーマットで印刷ジョブごとに記載できる。したがって、PRXを解釈して、品質要求を満たすために必要な印刷装置の調整や、品質要求を満たせているかを確認するために必要なサンプル印刷ジョブの生成を行うための品質管理を行うことがジョブごとに可能な印刷システムが必要となる。さらに、印刷システムの印刷品質が顧客の要望を満たしているかの判断と、品質が顧客の要望を満たしていないときのいわゆるリカバリ処理は、印刷システムを管理するオペレータ自身が行っており手間が掛かるという問題があった。
本発明は、上述の問題の少なくとも一つに鑑みて成されたものであり、受注した印刷ジョブの品質要件を満足すべく、当該品質要件と、印刷成果物の結果を好適に比較し、必要に応じてリカバリ処理を実行可能な仕組みを提供する。
本発明は、例えば、情報処理装置であって、受注した印刷ジョブの品質要件であって、第1のデータフォーマットに従った品質要件を解析する解析手段と、前記解析手段による解析結果と、該印刷ジョブの商品種別とから、印刷に関わる工程を作成する管理手段と、前記管理手段によって作成した前記印刷に関わる工程を印刷システムで行わせ、該印刷システムの印刷結果を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した前記印刷システムの印刷結果から、第2のデータフォーマットに従った品質レポートを作成する作成手段と、前記第1のデータフォーマットに従った品質要件と、前記第2のデータフォーマットに従った品質レポートとを比較し、比較の結果、品質レポートの何れかの項目が前記品質要件の対応する項目の要求を満たさない場合に、所定のリカバリ処理を前記印刷システムに行わせるリカバリ処理手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、受注した印刷ジョブの品質要件を満足すべく、当該品質要件と、印刷成果物の結果を好適に比較し、必要に応じてリカバリ処理を実行することができる。
一実施形態に係る全体概要図。 一実施形態に係るシステムの全体構成を説明する概念図。 一実施形態に係るワークフロー管理システムのハードウェア構成を説明するブロック図。 一実施形態に係る生産システムのハードウェア構成を説明するブロック図。 一実施形態に係るソフトウェア構成を説明するブロック図。 一実施形態に係る制御処理を説明するシーケンス図。 一実施形態に係るPRXを説明する図。 一実施形態に係るPQXを説明する図。 一実施形態に係るリカバリ処理に関するフローチャート。 一実施形態に係るデータベース。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第1の実施形態>
<システムの概要>
以下では、本発明の第1の実施形態について説明する。図1を参照して、本実施形態におけるシステムの概要について説明する。図1において、菱形の項目はデータを示す。
110は受注システムサーバを示す。受注システムサーバ110は、受注部501、PQX制御部502、及びPRX生成部503を備える。100は、情報処理装置であるワークフロー管理サーバを示す。ワークフロー管理サーバ100は、PRX解析部521、工程管理部522、PQX生成部523、及びプリプレス制御部524を備える。120は生産システムを示す。本実施形態によれば、受注システムサーバ110が生成するPRXデータを、ワークフロー管理サーバ100のPRX解析部521が解析する。その後、解析結果に基づく印刷データ、ジョブチケット、動作設定情報、及び制御指示は、生産システム120に対して送信される。なお、各装置の役割やブロックの詳細や、本システムの動作の詳細は以降で詳述する。
<システムのハードウェア構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る本システムのハードウェア構成を説明する。ワークフロー管理サーバ100は、商業印刷の商品に関して、ワークフロー全体を管理する装置である。
ワークフロー管理サーバ100は、受注システムサーバ110から、印刷データや品質条件情報であるPRXデータを受信する。そして、ワークフロー管理サーバ100は、受注システムサーバ110から受信したPRXデータを解釈して、受注ジョブ毎に、生産システム120やデバイスの決定、印刷データのプリプレス処理などを実行する。プリプレス処理とは、例えば、画像データの余白部に、色品位確認処理で測色対象となる、色パッチ画像を追加する、などの処理である。
また、ワークフロー管理サーバ100は、生産システム120での処理対象となるデータを生成し、生産システム120を構成する各デバイスに送信する。生産システム120を構成するデバイスについては、後述する。さらに、ワークフロー管理サーバ100は、各デバイスから取得した情報をもとに、PQXデータを生成し、受注システムサーバ110に送信する。
なお、本実施形態によれば、ワークフロー管理サーバ100は、ワークフロー管理を行う拠点に設置されるオンプレミスサーバであるものとして説明するが、その限りではない。別の実施形態として、ワークフロー管理サーバ100をクラウドサーバとして構築し、後述のワークフロー管理端末101からは、インターネットを介して接続する構成としてもよい。後述の、受注システムサーバ110についても同様に変形可能である。
ワークフロー管理端末101は、ワークフロー管理者が操作する端末であって、ワークフロー管理サーバ100にネットワークを介して接続し、各種機能を実行する。具体的には、各種機能とは、ワークフロー管理機能の設定変更や、生産システム120のデバイスの状態確認などである。
受注システムサーバ110は、商業印刷の商品に関して、エンドユーザから注文を受けるためのシステムを管理する装置である。受注した商品や、エンドユーザからの注文内容に応じて、印刷用データ及びPRXデータを生成し、ワークフロー管理サーバ100へと送信する。受注システム管理端末111は、受注システム管理者が操作する端末であって、ネットワークを介して受注システムサーバ110に接続し、各種機能を実行する。具体的には、商品別の要求品質設定、受注ジョブごとのステータス確認、受注ジョブごとの成果物の品位情報の閲覧などの機能である。エンドユーザ端末112は、エンドユーザが操作する端末であって、ネットワークを介して受注システムサーバ110に接続する。そして、ウェブブラウザなどのUIから商品の選択、原稿データの送信、発注などの指示をエンドユーザから受け付け、受注システムサーバ110に送信する。
生産システム120は、エンドユーザから受注した商業印刷における商品(成果物)を、生産するためのシステムである。詳細には、生産システム120は、印刷装置121、印刷装置121を制御するプリントサーバ122、後処理加工装置123、検品装置124などの装置を含んで構成される。印刷装置121とプリントサーバ122は、ネットワーク又は専用のインターフェースにより接続される。本実施形態では、後処理加工装置123及び検品装置124は、他のデバイスとネットワークで接続されるニアライン構成であるものとして説明する。ただし、その限りではなく、単独で稼働するオフライン構成でもよい。オフライン構成の場合は、ネットワークと接続可能な不図示の操作端末と接続し、操作端末を介してネットワークと接続する。いずれの場合も、ネットワーク経由で、ワークフロー管理サーバ100と接続し、各種情報の送受信を行う。なお、生産システム120は、プリントサーバ122、後処理加工装置123、及び検品装置124のいずれか、又は全てを含まない構成の場合もありうる。
印刷装置121は、ワークフロー管理サーバ100からのデータと指示に基づき、印刷処理を実行する装置である。印刷方式は特に限定されることはなく、電子写真方式、インクへジェット方式、その他の方式のいずれでもよい。生産システム120の管理者又はオペレータは、印刷装置121のUIを介して、印刷に関する制御を指示することが可能である。
プリントサーバ122は、印刷装置121を制御するサーバである。一般的な印刷システムと同様に、生産システム120の管理者やオペレータは、プリントサーバ122のUIを介して、印刷に関する制御を指示することが可能である。なお、本実施形態では、後述する色管理部545は、プリントサーバ122が有するものとして説明するが、その限りではない。例えば、プリントサーバ122及び印刷装置121とネットワークを介して接続可能な、色管理サーバ(不図示)を別途設置し、色管理に関する処理を色管理サーバが実施する形態でもよい。
後処理加工装置123は、印刷済みの用紙、用紙束に対して、後処理加工を施すための装置である。例えば、用紙への筋付け(クリース)や折り、あるいは、用紙束に対する断裁、製本処理などである。検品装置124は、最終成果物、又は、中間成果物に対して、不具合を検知し、ユーザへの通知や、生産ラインからの除外などの処理を実行する装置である。生産オペレータ端末125は、上述の生産システム120の各種デバイスを操作するオペレータが使用する装置である。デバイスの稼働状況の確認、異常発生時のエラー情報の確認などの機能を有する。別の形態として、外部の端末ではなく、各デバイスが具備するUI操作部が、これらの機能を担う構成でもよい。
<ワークフロー管理システム>
以下では、本実施形態に関わる各種装置のハードウェア構成を説明する。まず、図3を参照して、本実施形態に係るワークフロー管理サーバ100とワークフロー管理端末101とを含む、ワークフロー管理システムのハードウェア構成を説明する。
まず、ワークフロー管理サーバ100のハードウェア構成を説明する。ワークフロー管理サーバ100は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、及びネットワークI/F205を備える。CPU201は、ROM202又はハードディスクドライブ(HDD)204に記憶された制御プログラムをRAM203に展開し、その展開したプログラムを実行してシステムバス206に接続される各種のデバイスとのアクセスを統括的に制御する。ROM202は、CPU201が実行可能な制御プログラム等を記憶している。RAM203は、主としてCPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能し、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAM203によりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。ハードディスクドライブ(HDD)204は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル等を記憶する。なお、本実施形態ではHDD204を用いたが、HDDの他にSDカードや、フラッシュメモリなどを外部記憶装置として利用してもよい。これは、以降に説明するHDDを有する装置も同様である。ネットワークI/F205は、ネットワークを経由して、各種装置とデータ通信を行う。なお、受注システムサーバ110の場合も、そのハードウェア構成はワークフロー管理サーバ100と同様であるため、詳細な説明は省略する。
次に、ワークフロー管理端末101のハードウェア構成を説明する。ワークフロー管理端末101は、CPU221、ROM222、RAM223、HDD224、及びネットワークI/F225を備える。CPU221は、ROM222又はハードディスクドライブ(HDD)224に記憶された制御プログラムをRAM223に展開し、その展開したプログラムを実行してシステムバス226に接続される各種のデバイスとのアクセスを統括的に制御する。ROM222は、CPU221が実行可能な制御プログラム等を記憶している。RAM223は、主としてCPU221の主メモリ、ワークエリア等として機能し、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAM223によりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。ハードディスクドライブ(HDD)224は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、及び編集ファイル等を記憶する。ネットワークI/F225は、ネットワークを経由して、その他の装置とデータ通信を行う。なお、受注システム管理端末111、エンドユーザ端末112、及び生産オペレータ端末125などの、その他の端末装置も、そのハードウェア構成はワークフロー管理端末101と同様であるため、詳細な説明は省略する。
<生産システムのハードウェア構成>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る生産システム120のハードウェア構成を説明する。上述したように、生産システム120は、印刷装置121、プリントサーバ122、後処理加工装置123、及び検品装置124を含んで構成される。
まず、プリントサーバ122のハードウェア構成を説明する。プリントサーバ122は、CPU301、ROM302、RAM303、HDD304、ネットワークI/F305、及びプリンタI/F307を備える。CPU301は、ROM302又はハードディスクドライブ(HDD)304に記憶された制御プログラムをRAM303に展開し、その展開したプログラムを実行してシステムバス306に接続される各種のデバイスとのアクセスを統括的に制御する。ROM302は、CPU301が実行可能な制御プログラム等を記憶している。RAM303は、主としてCPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能し、不図示の増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。ハードディスクドライブ(HDD)304は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、及び編集ファイル等を記憶する。ネットワークI/F305は、ネットワークを経由して、その他の装置とデータ通信を行う。プリンタI/F307は、印刷装置121の画像形成部321への画像出力を制御する。またプリンタI/F307は、印刷装置121内部に備わる測定部322を制御し、測定結果を受信する。ここで、測定結果とは、印刷システム(印刷装置)による印刷物の品質に関わる測定値であり、印刷システムの調整状態を示す情報を含む。
印刷装置121は、少なくとも印刷動作を担う画像形成部321と、測定部322とを備える。他にも、印刷装置121は、不図示の給紙装置や、インラインの後処理装置が接続された構成でも構わない。画像形成部321は、印刷用データを用紙に出力する。そのハードウェア構成は、一般的な画像形成装置と同じである。測定部322は、プリントサーバ122又は印刷装置121自体の指示に従い、画像形成部321が生成する印刷物を測定する。測定形式は、分光測色、濃度測定、CCSスキャン、及びCISスキャンなどの既知の測定形式であってもよい。なお、本実施形態では、測定部322は、印刷装置121内に設けられるものとして説明するが、その限りではない。例えば、印刷装置121とは独立して、測定部322単体でネットワークに接続する構成でもよい。或いは、ネットワークに接続可能な不図示の操作端末と接続し、操作端末を介してネットワークに接続する。いずれの場合も、ネットワーク経由で、ワークフロー管理サーバ100と接続し、各種情報の送受信を行う。
<受注システムサーバのソフトウェア構成>
次に、本実施形態に係る各種装置のソフトウェア構成を説明する。図5は、受注システムサーバ110、ワークフロー管理サーバ100、及び生産システム120のソフトウェア構成を示す。まず、受注システムサーバ110のソフトウェア構成を説明する。これらのソフトウェアモジュールは、例えばHDD(不図示)にプログラムとして格納され、CPU(不図示)が、そのプログラムをRAM(不図示)に展開して実行することにより実現される。
受注システムサーバ110は、ソフトウェア構成として、少なくとも受注部501、PQX制御部502、PRX生成部503、及びデータ管理部504を含む。受注部501は、ネットワークを介して、エンドユーザ端末112から商品の注文情報を受信する。注文情報とは、商品種別の情報、入稿された画像データ、及び品質に係る要求情報などが含まれる。なお、本実施形態では、入稿データとして、PDF形式データを例に説明するがその限りではない。例えば生産システム120が解釈可能な、その他の一般的な形式の画像データを扱う形態でもよい。PQX制御部502は、ワークフロー管理サーバ100からPQXデータを受け取り、所定の制御を行う。例えば、データベースへの記録や、エンドユーザへ提示する情報への変換処理などである。PRX生成部503は、受注部501から受信した注文情報を解析し、PRXデータを生成する。また、PRX生成部503は、生成したPRXデータを、ワークフロー管理サーバ100へと送信する。データ管理部504は、注文情報、PRXデータ、及びPQXデータなどの情報を記録する。また、データ管理部504は、入稿された画像データ、商品種別情報、及びPRXデータをワークフロー管理サーバ100へと送信する。さらに、データ管理部504は、各種装置との間の、その他のデータ送受信を実行する。
<ワークフロー管理サーバのソフトウェア構成>
続いて、本実施形態に係るワークフロー管理サーバ100のソフトウェア構成を説明する。これらのソフトウェアモジュールは、例えばHDD204にプログラムとして格納され、CPU201が、そのプログラムをRAM203に展開して実行することにより実現される。
ワークフロー管理サーバ100は、PRX解析部521、工程管理部522、PQX生成部523、プリプレス制御部524、データ管理部525、及びリカバリ処理制御部526を含む。PRX解析部521は、受注システムサーバ110から受信したPRXデータを解析し、印刷品質要件や必要とされるプリプレス処理の一部を特定する。例えば、印刷品質要件とは、所定の色パッチの測定結果から得られる平均色差が、特定の基準内に収まっていることである。上述したように、プリプレス処理とは、例えば、画像データの余白部に、色品位確認処理で測色対象となる、色パッチ画像を追加する、などの処理である。
工程管理部522は、受注システムサーバ110から受信した商品種別情報、及び、PRX解析部521の解析結果情報を用いて、生産システム120の決定や、プリプレス制御部524への命令を実行する。商品種別によっては、商品が複数種のパーツから構成される場合がある。この場合、工程管理部522は、1つの注文から、パーツ単位でジョブを生成する必要がある。また、工程管理部522は、生産システム120での各デバイスが参照するジョブチケットデータを生成する。本実施形態では、ジョブチケットデータとして、既知のJDF(Job Definition Format)データを用いて説明するが、その限りではない。生産システム120が解釈可能な、その他の既知のジョブチケットデータ形式を用いる構成でもよい。また、工程管理部522は、印刷品質要件の情報を参照し、後処理加工装置123や検品装置124の動作設定情報を生成する。さらに、工程管理部522は、後述のプリプレス処理後のPDFデータ、JDFデータ、及び、各デバイスの動作設定情報を、生産システム120へ送信する。
PQX生成部523は、生産システム120から受信した各種情報を参照し、PQXデータを生成し、生成したPQXデータを、受注システムサーバ110へと送信する。詳細については後述する。プリプレス制御部524は、工程管理部522からの指示に基づき、入稿画像データに対してプリプレス処理を実行し、処理後のPDFデータを工程管理部522へと送信する。データ管理部525は、受注システムサーバ110へPQXデータを送信する。また、データ管理部525は、生産システム120へPDFデータ、JDFデータ、及び生産システム120を構成する各種装置に対する指示情報を送信する。さらに、データ管理部525は、各種装置との間のその他のデータ送受信を実行する。リカバリ処理制御部526は、PRXデータ及びPQXデータを比較し、リカバリ処理が必要かを判断する。リカバリ処理が必要と判断した場合、生産システム120におけるリカバリ処理制御部546に対して必要なリカバリ処理を実行指示する。
<生産システムのソフトウェア構成>
続いて、本実施形態に係る生産システム120のソフトウェア構成を説明する。これらのソフトウェアモジュールは、生産システム120を構成する各種デバイスにおいて、例えばHDD304にプログラムとして格納され、CPU301が、そのプログラムをRAM303に展開して実行することにより実現される。
印刷制御部541は、ワークフロー管理サーバ100から受信した情報(PDF、JDF)を用いて印刷制御を実行する。また、印刷制御部541は、印刷品位を調整する調整機能も有しており、ワークフロー管理サーバ100、プリントサーバ122、又は、オペレータ端末のいずれかから受信した制御指示に応じて、調整機能を実行する。
また、印刷制御部541は、測定制御部5411を有する。測定制御部5411は、ワークフロー管理サーバ100、プリントサーバ122、又は、オペレータ端末のいずれかから受信した制御指示に応じて、測定部322による測定制御を実行する。
後処理加工制御部542は、ワークフロー管理サーバ100から受信した制御指示に応じて、後処理加工制御を実行する。検品制御部543は、ワークフロー管理サーバ100から受信した制御指示に応じて、検品装置124による検品制御を実行する。検品制御部543は、検品装置124内のセンサで読み取った画像データと、基準となる画像データとを比較する。比較の結果、所定の許容範囲を超える差分が検知された場合は、検品対象物を欠陥として特定し、例えば、ユーザへの通知などの、所定の制御を行う。
データ管理部544は、ワークフロー管理サーバ100へ、生産システム120の各種デバイスの制御結果などの情報を送信する。さらにデータ管理部544は、各種装置との間の、その他のデータ送受信を実行する。なお、データ管理部544は、各デバイスに個別に備わる形態でもよい。色管理部545は、印刷装置121とプリントサーバ122による出力物の色品質を管理する。具体的には、既知の色調整処理や色品位確認処理の制御を行う。リカバリ処理制御部546は、リカバリ処理制御部526からのリカバリ指示を受け、印刷制御部541、後処理加工制御部542、検品制御部543に対してリカバリ処理を指示し、結果を各制御部から受け付けて、リカバリ処理制御部526に通知する。
<処理シーケンス>
次に、図6を参照して、本実施形態に係る制御処理の処理シーケンスを説明する。以下で説明する処理は、例えば、各装置のCPUがROMやHDDに格納された制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより実現される。
まず、S601で、受注システムサーバ110の受注部501は、エンドユーザからの注文を受注する。注文の内容としては、印刷データとしてのPDFと、成果物に関する商品種別が含まれる。商品種別とは、受注システムサーバ110が予め定義している成果物の種類を表す情報である。例えば、「フォトブック」と「名刺」という2つの商品種別を受注システムサーバ110が定義しているとする。「フォトブック」という商品種別は、仕上がりサイズ「A5」、製本種類「無線綴じ」、本文の用紙種類「光沢紙」、本文仕上げ「ラミネート加工」という成果物の種類を表す。「名刺」という商品種別は、仕上がりサイズ「名刺」、製本種類「なし」、用紙種類「上質紙」という成果物の種類を表す。このような商品種別を設けることで、受注システム、ワークフロー管理サーバ100、生産システム120にて生産する商品の種類を定義する。なお、本実施形態では、エンドユーザが「フォトブック」を選択したことを想定して説明する。また、本実施形態では受注システムサーバ110が商品種別を定義している構成として説明するが、その限りではなく、エンドユーザからの注文を営業が手動で入力するような構成にしてもよい。
S602で、受注部501は、S601でエンドユーザから受注した商品種別をPRX生成部503へ送信する。エンドユーザが商品種別から「フォトブック」を選択した場合は、エンドユーザの選択が「フォトブック」であることをPRX生成部503へ送信する。S603で、PRX生成部503は、S602で受注部501から受信した商品種別からPRXを生成する。まず、本処理で生成するPRXについて概要を図7を用いて説明する。
図7に示すように、PRXは、MessageInfo、BusinessInfo、QualitySpecなどの品質に対する要求から構成されている。QualitySpecは品質仕様及び評価基準を含むフィールドから構成されている。BasisOfCalculationは印刷品質のスコアやグレードを特定するためのバイヤーが指定した計算式の情報を表す。OverallGradingScaleは全体的なスコアやグレードの意味や範囲を表す。MinimumAcceptableRankは許容可能な最低品質レベルを表す。QualityParameterSetは色、レジストレーション(以下、レジと略記する。)、画像不良、バーコードごとのスコア基準等を表す。QualityParameterSetTypeは色・レジ・画像不良・バーコードなどの品質仕様の種類を表す。ParameterSetNameは品質仕様の名称を表す。ParameterSetScoringScaleはバイヤーのスコア基準定義を表す。本実施形態ではQualitySpecの一部分を使用する構成として説明するが、その限りでなく、PRXの他のフィールドを使用するような構成にしてもよい。
第一のQualityParameterSetの例として、印刷制御部541による色変動検査がある。印刷制御部541は測定制御部5411を有しており、生産しながら生産システム120の色変動を監視することができる。印刷色基準の一例としてJapanColorがある。この基準を満たしている生産システム120は、印刷物の品質が一定以上であることが証明できる。本実施形態では、ジョブ毎にJapanColorの基準を満たしていることを確認することで、色変動検査を行う。生産システム120が生産した印刷物の測色値と、JapanColor規定値との色差ΔE00(CIE DE2000)の平均値によって、色変動を検査する。
この場合、ParameterSetNameに「色変動検査」が設定される。また、QualityParameterSetTypeに「Color」が設定される。また、ParameterSetScoringScaleに以下のように品質レベルが記載される。Rank1では、「DisplayLabel:RankColor1、Rank:1、ValueRange:ΔE00平均値が4以上」のように記載される。Rank2では、「DisplayLabel:RankColor2、Rank:2、ValueRange:ΔE00平均値が4未満かつ3以上」のように記載される。Rank3では、「DisplayLabel:RankColor3、Rank:3、ValueRange:ΔE00平均値が3未満」のように記載される。Rankの数値が高いほど、品質が高いことを表す。また、本QualityParameterSet内のMinimumAcceptableRankに「Rank:2」とすることで、最低品質レベルを記載することができる。
第二のQualityParameterSetの例として、検品装置によるトナー飛び散りの外観検査がある。生産システム120による生産が始まる前に、検品装置に付随しているカメラによって正解画像を取得し、検品装置に登録する。生産中は、検品装置がカメラによって印刷結果画像を取得し、正解画像と比較することで、トナーの飛び散りを検査する。この場合、ParameterSetNameに「飛び散り検査」、QualityParameterSetTypeに「Defects」が設定される。また、ParameterSetScoringScaleに以下のように品質レベルが記載される。Rank1では、「DisplayLabel:RankDefects1、Rank:1、ValueRange:飛び散り直径3mm以上」のように記載される。Rank2では、「DisplayLabel:RankDefects2、Rank:2、ValueRange:飛び散り直径3mm未満かつ2mm以上」のように記載される。Rank3では、「DisplayLabel:RankDefects3、Rank:3、ValueRange:飛び散り直径2mm未満」のように記載される。Rankの数値が高いほど、品質が高いことを表す。また、本QualityParameterSet内のMinimumAcceptableRankに「Rank:2」とすることで、最低品質レベルを記載することができる。
上記のようなQualityParameterSetを利用して、BasisOfCalculationによって品質のランクを計算する。例えば、BasisOfCalculationに色変動検査及び飛び散り検査のRankによる全体品質の計算式を記載する。例えば、「TotalRank=Rank(色変動検査)*0.6+Rank(飛び散り検査)*0.3」のような計算式を記載する。TotalRankは全体品質を表し、Rank(ParameterSetName)はParameterSetNameに対応するRankを表すこととする。
上記のBasisOfCalculationを使用して計算された品質のランクの意味を、OverallGradingScaleによって表す。Rank1では「DisplayLabel:Poor、Rank:1」のように記載する。Rank2では「DisplayLabel:Good、Rank:2」のように記載する。Rank3では「DisplayLabel:Excellent、Rank:3」のように記載する。ここまでで説明した品質基準を表すようなPRXは、PRX生成部503が固定的な基準値として保持していることとする。例えば、これらの商品種別に応じた基準値は、受注システムサーバ110のHDD等に予め保持されていることが望ましい。
図6の説明に戻る。上述したように、S603で、PRX生成部503は、S602で受信した商品種別から、MessageInfo、BusinessInfo、及びQualitySpecなどを決定して、PRXを生成する。本実施形態では、PRX生成部503は、商品種別によってMinimumAcceptableRankを決定する。QualitySpec内のMinimumAcceptableRankは、OverallGradingScaleによって定義された品質のランクで表すこととする。例えば、「フォトブック」という商品種別の場合は、MinimumAcceptableRankを「Good」に決定する。また、QualityParameterSet内に存在するMinimumAcceptableRankも商品種別によって決定する。ParameterSetNameが「色変動検査」のMinimumAcceptableRankは「RankColor3」のように記載する。ParameterSetNameが「飛び散り検査」のMinimumAcceptableRankは「RankDefects2」のように記載する。そうすることで、PRXを受けた各モジュールは、印刷の品質要求を解釈できるようになり、品質要求に応じた処理が可能となる。
S604で、PRX生成部503は、S603で生成したPRXを、データ管理部504へ送信する。さらに、S605で、受注部501は、S601でエンドユーザから受注したPDFと商品種別をデータ管理部504へ送信する。S606で、受注システムサーバ110のデータ管理部504は、エンドユーザから受注したPDF及び商品種別と、PRX生成部503が生成したPRXを、ワークフロー管理サーバ100のデータ管理部525へ送信する。
次に、S607で、ワークフロー管理サーバ100のデータ管理部525は、受注システムサーバ110のデータ管理部504から受信したPDFと商品種別とPRXとを工程管理部522へ送信する。続いて、S608で、工程管理部522は、PRX解析部521に対してPRXの解析を指示する。ここで、工程管理部522は、S607で受信したPRXをPRX解析部521に送信する。S609で、PRX解析部521は、工程管理部522から受信したPRXをもとに、印刷品質要件とプリプレス処理の内容とを決定する。本実施形態の場合、QualityParameterSetTypeによって、QualitySpecがどのモジュールで実行されるかを判断する。QualityParameterSetTypeが「Color」の場合は測定制御部5411によって実行され、「Defects」の場合は検品制御部543によって実行されるとする。
例えば、PRX解析部521は、S603でPRXに記載されたParameterSetNameを「色変動検査」と解析し、QualityParameterSetTypeを「Color」と解析する。また、PRX解析部521は、MinimumAcceptableRankを「RankColor3」と解析し、「印刷制御部541にて、ΔE00の検査を行う。最低品質基準はΔE00平均値が3未満。」という印刷品質要件を解析する。
また、S603で別途PRXに記載されたQualitySpecNameを「飛び散り検査」と解析し、QualityParameterSetTypeを「Defects」と解析する。さらに、MinimumAcceptableRankを「RankDefects2」と解析し、「検品装置にて、飛び散り幅の検査が必要。最低品質基準は飛び散り直径3mm未満かつ2mm以上。」という印刷品質要件を解析する。
さらに、PRX解析部521は、印刷品質要件に応じて、プリプレス処理の有無を判断する。前述の「印刷制御部541にて、ΔE00の検査を行う。最低品質基準はΔE00平均値が3未満。」という印刷品質要件を実施するためには、生産システム120による指定チャートの印刷と、チャートの測色が必要となる。本実施形態では、用紙の端にパッチを差し込み、生産システム120に内蔵されている測定制御部5411によってパッチを測色することで色変動検査を行う。具体的には、PDFに対してJapanColor認証用のチャート(例えば、54個のパッチ)を埋め込む処理が必要となる。そのため、PRX解析部521は、このパッチ埋め込み処理を、プリプレス処理の実行時に必要な追加処理として、処理の内容を保持する。また、本実施形態では、パッチを差し込む処理が必要な場合を例に説明したが、その限りでなく、パッチのみを配置したパッチチャートを生成して測色するような形態であってもよい。この場合、プリプレス処理の実行時に追加で実行させるよう構成する必要はなく、生産システムが備える色管理部においてパッチチャートを生成してパッチ読み取りを実行する形態であってもよい。このとき、PRX解析部521は、工程管理部522に対し、生産システム側でパッチチャートを生成して読み取りを行わせるような指示が出せるよう、工程管理部522に対する指示の内容を保存する。
S610で、PRX解析部521は、S609でPRXから解析した印刷品質要件と、決定したプリプレス処理の内容とを、工程管理部522へ送信する。続いて、S611で、工程管理部522は、S607で受信した商品種別と、S609で決定した印刷品質要件をもとに、ワークフロー管理サーバ100に接続されている複数の生産システム120の中から、実際に生産を行う生産システム120を決定する。例えば、フォトブックの場合、生産システム120による印刷、製本後に綴じ辺以外の断裁が行われる。また、無線綴じが行われるフォトブックの場合、表紙の用紙の大きさは、本文の用紙の2倍の大きさが必要となる。したがって、仕上がりサイズにA5、本文の用紙種類に光沢紙が指定されているようなフォトブックの場合、印刷後の断裁と、表紙用のA4サイズ用紙への印刷を考慮する必要がある。この場合は、A4サイズ以上の光沢紙への印刷に対応できる生産システム120が工程管理部522によって選択される。また、フォトブックの表紙としてハードカバーが設定されていると、前述で選択された生産システム120で印刷できない場合がある。その場合は、PDFを表紙と本文に分割し、表紙用のジョブと本文用のジョブを複数の生産システム120で印刷するようにしてもよい。なお、ワークフロー管理サーバ100の管理下にある生産システム120の印刷能力は、データ管理部525が保持しており、工程管理部522は必要に応じてデータ管理部525から印刷能力を取得できるものとする。また、本実施形態では、使用可能な用紙と品質要求を満たすことが可能かどうか、という観点で生産システムを決定しているがこの限りではない。例えば、印刷ジョブの出力枚数(部数)と、生産システムの生産性から決定するよう構成してもよい。
次に、S612で、工程管理部522は、S606で受信したPDFと商品種別、及び、S611で決定した生産システム120をプリプレス制御部524へ送信し、プリプレス処理を指示する。プリプレス処理の指示には、S609でPRX解析部521がPRXから決定したプリプレス処理の内容も含まれる。続いて、S613で、プリプレス制御部524は、S612で受信したプリプレス指示に従って、プリプレス処理を実行する。プリプレス処理の内容には大きく二種類ある。第一の処理は、商品種別、生産システム120、及びPDFから決まるプリプレス処理である。具体的には、面付処理などが挙げられる。例えば、仕上がりサイズA5の商品種別を含むフォトブックの場合、表紙はA4、本文はA5の用紙に対して印刷位置を指定する。表紙に関しては、PDFの中で表紙に指定されているページをA4用紙の両面に面付する。本文に関しては、PDFの中で本文に指定されているページをA5用紙に指定されたページ順となるように両面に面付する。他の例として、中綴じ製本が指定された場合には、指定されたページ順となるように、面付が行われる。第二の処理は、S609でPRXから決定したプリプレス処理である。第二のプリプレス処理の具体的内容については、S609で説明済なのでここでの説明は省略する。
次に、S614で、プリプレス制御部524は、S613で生成したプリプレス処理後のPDFを工程管理部522へ送信する。S615で、工程管理部522は、JDFを作成する。例えばフォトブックの場合は、仕上がりサイズ「A5」、製本種類「無線綴じ」、本文の用紙種類「光沢紙」、及び本文仕上げ「ラミネート加工」を意味するジョブ情報を、JDFに対して設定する。また、S609でPRX解析部521が解析し、S610で受け取った印刷品質要件の中に、印刷制御部541による測定検査がある場合は、その測定指示をJDFに対して設定する。本実施形態では印刷品質要件として「印刷制御部541にて、ΔE00の検査を行う。最低品質基準はΔE00平均値が3未満。」が記載されるため、JDFにてジョブ中に測定制御部5411で測定を行うように指示する。
S616で、工程管理部522は、S609で決定した印刷品質要件をもとに、事前調整指示を作成する。事前調整指示には、生産システム120が生産を始める前に行う必要がある事前調整が記載されている。事前調整の例として、生産システム120における表裏レジの調整や、キャリブレーションなどがある。本実施形態では、フォトブックの印刷品質要件として「印刷制御部541にて、ΔE00の検査を行う。最低品質基準はΔE00平均値が3未満。」というものが設定されている。そのため、例えば、この品質要求を満たせるような事前調整として、そのジョブが使う用紙(光沢紙)でのキャリブレーション指示を、ジョブ開始前の事前調整指示として作成する。なお、事前調整指示は、事前調整指示書として作成することで生産システム120を管理しているオペレータに実行させてもよいし、ジョブの中に事前調整指示の内容を表す情報を埋め込むことで生産システム120に実行させてもよい。また、本実施形態では、品質要求を満たすための調整処理として、表裏レジ調整やキャリブレーションを例に説明しているがこの限りでなく、階調補正や濃度補正、用紙ごとに保持している印刷装置特有の調整(光沢度補正や転写電圧の調整など)であってもよい。
S617で、工程管理部522は、S609にて決定した印刷品質要件をもとに、後処理加工設定を作成する。この後処理加工設定は、生産システム120の後処理制御部にて実行される後処理の種類を表す。例えばフォトブックの場合、製本方法として無線綴じ、本文仕上げとしてラミネート加工の指示が作成される。
S618で、工程管理部522は、S609にて決定した印刷品質要件をもとに、検品設定を作成する。この検品設定は、生産システム120の検品制御部543にて実行される検品の種類や基準を表す。本実施形態の場合、S609にてPRX解析部521によって解析された「検品装置にて、飛び散り幅の検査が必要。最低品質基準は飛び散り直径3mm未満かつ2mm以上。」という印刷品質要件を、検品設定として作成する。ただし、検品の品質基準は飛び散りに限らず、最大濃度や印字位置ずれ、フィニッシング処理の精度など、他の品質基準を含めてもよい。
S619で、工程管理部522は、PDF、JDF、事前調整指示、後処理加工設定、及び検品設定を生産システム120へ送信するために、データ管理部525へ送信する。続いて、S620で、データ管理部525は、S613で作成したプリプレス処理後のPDF、S615で作成したJDF、及びS616で作成した事前調整指示を、生産システム120の印刷制御部541へ送信する。
S621で、印刷制御部541は、S620で受信した事前調整指示を実行する。前述の通り、事前調整指示は、事前調整指示書として作成することで生産システム120を管理しているオペレータに実行させてもよいし、ジョブの中に事前調整指示の内容を表す情報を含めることで生産システム120に実行させてもよい。続いて、S622で、印刷制御部541は、S620で受信したJDFから、測定設定とジョブ設定を解析する。測定設定及びジョブ設定は、S615で工程管理部522によって生成されたものが呼び出される。さらに、S623で、印刷制御部541は、S620で受信したPDFとJDFから印刷処理を実行する。このとき、S622で解析した測定設定に基づき、測定制御部5411によって測定が行われる。
次に、S624で、印刷制御部541は、S623で測定した測定結果をワークフロー管理サーバ100のデータ管理部525へ送信する。この測定結果は後述するPQX生成部523において、PQXを生成するために使用される。このとき、測色が行われた箇所も送信する。続いて、S625で、データ管理部525は、S617で作成した後処理加工を、後処理加工制御部542へ指示する。例えばフォトブックの場合、製本方法として無線綴じ、本文仕上げとしてラミネート加工が指示される。
S626で、後処理加工制御部542は、S625にてワークフロー管理サーバ100のデータ管理部525から指示された後処理加工を実行する。例えばフォトブックの場合、S623にて印刷された印刷物に対して、無線綴じ、ラミネート加工の後処理を実行する。続いて、S627で、後処理加工制御部542は、後処理加工の結果をワークフロー管理サーバ100のデータ管理部525へ送信する。結果には、後処理加工を実行したジョブのIDや、後処理加工が終了したことを示す情報が含まれる。
S628で、データ管理部525は、S618にて作成した検品設定を検品制御部543へ送信する。S629で、検品制御部543は、S628で受信した検品設定をもとに、検品を実行する。ここでは、検品設定で設定された「検品装置にて、飛び散り幅の検査が必要。最低品質基準は飛び散り直径3mm未満かつ2mm以上。」を検品処理として実施する。検品結果は、OK(良品)又はNG(不良品)で判定される。検品結果は、後述のS630で、ワークフロー管理サーバ100のデータ管理部525へ送信する。S630で、検品制御部543は、S629で実行された検品結果を、ワークフロー管理サーバ100のデータ管理部525へ送信する。検品制御部543によって検品設定の基準値を満たさない成果物(不良品)が発生し、NGと判断した場合、ワークフロー管理サーバ100は、不良品を補うための再生産(再印刷)を生産システム120へ指示する。
S631で、データ管理部525は、S624で受信した測定結果と、S630で受信した検品結果を、PQX生成部523へ送信する。S632で、PQX生成部523は、S631で受信した測定結果と検品結果からPQXを作成する。まず、本処理で生成するPQXについて概要を説明する。図8に示されるように、PQXはMessageInfo、PrinterInfo、InkCollection、SampleCollectionなどの生産に関する情報から構成されている。PQXにおける代表的なフィールドについて説明する。SampleCollectionは生産のレポート情報に関するフィールドであるSampleの集合から構成されている。ColorReportは色に関するレポート情報を表す。DefectReportは画像不良に関するレポート情報を示す。本実施形態ではSampleCollectionの一部分を使用する構成として説明するが、その限りでなく、PQXの他のフィールドを使用するような構成にしてもよい。第一のSampleの例として、ColorReportがある。本実施形態ではS623にて、印刷制御部541がジョブ中で印刷物の測色を行っている。その測色結果と測色箇所がS631でデータ管理部525を経て受信され、色に関するレポート情報を作成する。例えば、PositionOnSampleは印刷制御部541によって測色が行われた箇所が記載される。具体的な測色結果はCxF形式で保存され、CxFSampleObjectIdLinkによって、ColorReportと測色結果が紐づけられる。第二のSampleの例として、DefectReportがある。本実施形態ではS629で、検品制御部543がジョブ中で成果物の検品を行っている。その検品結果と検品箇所がS631でデータ管理部525を経て受信され、画像不良に関するレポート情報を作成する。例えば、PositionOnSampleは検品制御部543によって画像不良が検出された箇所が記載される。画像不良の大きさはDefectXMeasure、DefectYMeasure、DefectUoMに記載される。また、画像不良数はDefectCountに記載される。
次に、S633で、PQX生成部523は、S632で作成したPQXをデータ管理部525へ送信する。続いて、S634で、データ管理部525は、PRXとPQXをリカバリ処理制御部526へ送信する。S636で、リカバリ処理制御部526は、生産システム120におけるリカバリ処理制御部546へ送信する。S637で、リカバリ処理制御部546は、印刷制御部541にリカバリ処理を指示する。S638で、印刷制御部541は、リカバリ処理制御部546にリカバリ結果を通知する。S639で、リカバリ処理制御部546は、後処理加工制御部542にリカバリ処理を指示する。S640で、後処理加工制御部542は、リカバリ処理制御部546にリカバリ結果を通知する。S641で、リカバリ処理制御部546は、検品制御部543にリカバリ処理を指示する。
S642で、検品制御部543は、リカバリ処理制御部546にリカバリ結果を通知する。S643で、リカバリ処理制御部546は、ワークフロー管理サーバ100のリカバリ処理制御部526にリカバリ結果を通知する。S644で、ワークフロー管理サーバ100のリカバリ処理制御部526は、PQX生成部523にリカバリ結果を通知する。S645で、PQX生成部523は、S644で受信したリカバリ結果からPQXを作成する。S646で、PQX生成部523は、S645で作成したPQXをデータ管理部525へ送信する。S647で、データ管理部525は、S646で受信したPQXを受注システムサーバ110のデータ管理部504へ送信する。S648で、データ管理部504は、S647で受信したPQXをデータ管理部504内に保存する。ここで保存されたPQXは、必要に応じて受注システムサーバ110の管理者が閲覧したり、他のシステムを経由してエンドユーザへ公開したりすることなどが可能となる。
以上のように構成することで、受注ジョブごとに多岐に渡るエンドユーザごとの品質要求に対して、品質確認を行いながら、必要となる調整を実施することが可能となる。また、PQXがPRXを満たしていない場合にリカバリ処理を行うことで、ジョブごとの品質満足度を高めることが可能となる。なお、本実施形態では、生産システムとして印刷装置を例にとって説明してきたが、この限りでなく、受注から生産まで行う生産システム全てに対しても適用可能である。
<PRXのパラメータ>
次に、図7を参照して、本実施形態において使用するPRXの各パラメータについて詳細に説明する。本実施形態で使用するPRXのパラメータは、色、レジ(レジストレーション)、画像不良、及びバーコードの4種類のQualityParameterSetであり、各項目における品質の要求基準が定義される。なお、これらの項目は一例であり、本発明を限定する意図はなく、これらの少なくも1つの項目を含むものでもよく、他の項目を含んでもよい。また、全体品質を示す、QualitySpec内に定義される、BasisOfCalculation、OverallGradingScale、MimimAcceptableRankを用いる。以下、各パラメータについて順に説明する。
(色に関する品質)
第一のQualityParameterSetの例として、色変動(色味の変動)検査の例を用いる。ここで、QualityParameterSetに属する、ParameterSetTypeをColorと定義する。QualityParameterSetScoringScaleには、JapanColor規定値との色差ΔE00の平均値が、どの程度の品質を有するのかを以下のようにスコア付けして定義する。
・QualityParameterSetScoringScale
RankC1:スコア1:5<ΔE00平均値
RankC2:スコア2:4<ΔE00平均値<=5
RankC3:スコア3:3<ΔE00平均値<=4
RankC4:スコア4:2<ΔE00平均値<=3
RankC5:スコア5:ΔE00平均値<=2
MinimumAcceptableRankには、QualityParameterSet:Colorの品質が、ランク付けされたQualityParameterSetScoringScaleにおいてどの程度以上を求められるのかを定義する。例えば、JapanColor規定値との色差ΔE00の平均値に関して3以下を求める場合、MinimumAcceptableRank(最低品質レベル)には、RankC4が定義される。
(レジに関する品質)
第二のQualityParameterSetの例として、レジ検査の例を用いる。ここで、QualityParameterSetに属する、ParameterSetTypeをRegistrationと定義する。QualityParameterSetScoringScaleには、複数レジ位置の平均レジずれ量がどの程度あるのかを以下のようにスコア付けして定義する。レジずれ量は、例えば基準マークなどからのずれ量となる。
・QualityParameterSetScoringScale
RankR1:スコア1:2<平均レジずれ量
RankR2:スコア2:1.5<平均レジずれ量<=2
RankR3:スコア3:1.0<平均レジずれ量<=1.5
RankR4:スコア4:0.5<平均レジずれ量<=1.0
RankR5:スコア5:平均レジずれ量<=0.5
MinimumAcceptableRankには、QualityParameterSet:Registrationの品質が、ランク付けされたQualityParameterSetScoringScaleにおいてどの程度以上を求められるのかを定義する。例えば、複数レジ位置の平均レジずれ量に関して1.5mm以下を求める場合、MinimumAcceptableRankには、RankR3が定義される。
(画像不良に関する品質)
第三のQualityParameterSetの例として、画像ムラなどの画像不良検査の例を用いる。ここで、QualityParameterSetに属する、ParameterSetTypeはDefectと定義する。QualityParameterSetScoringScaleには、画像不良検査の結果、画像不良の有無、及び、画像不良種別を以下のように定義する。
・QualityParameterSetScoringScale
PoorImage(X):Xに問題有無、問題がある場合、その内容が入る
MinimumAcceptableRankには、QualityParameterSet:Defectの品質を定義する。画像不良がないことを定義する場合、MinimumAcceptableRankには、PoorImage(問題無し)が定義される。
(バーコードに関する品質)
第四のQualityParameterSetの例として、バーコードが読取可能に印刷されているかの品質を検査するバーコード検査の例を用いる。ここで、QualityParameterSetに属する、ParameterSetTypeはBarcodeと定義する。QualityParameterSetScoringScaleには、バーコード読み取り結果を以下のように定義する。
・QualityParameterSetScoringScale
ReadableBarcode(X):Xに問題有無、問題がある場合、その内容が入る
MinimumAcceptableRankには、QualityParameterSet:Barcodeの品質を定義する。バーコードが読み取り可能であることを定義する場合、MinimumAcceptableRankには、ReadableBarcode(問題無し)が定義される。
(全体品質)
次に全体品質に関して説明する。全体品質は、BasisOfCalculation内で以下のように定義する。
・BasisOfCalculation
TotalRank=
RankC*0.6+RankR*0.4
PoorImageの値
ReadableBarcodeの値
上述の式の意味は、TotalRankが、色のランク(RankC)に0.6の重みを乗じた値に、レジずれのランク(RankR)に0.4の重みを乗じた値を加算した結果と、PoorImage、ReadableBarcodeの値を加味したものであることを示す。
OverallGradingSceleには、上述のBasisOfCalculationで定義したTotalRankの計算結果に応じたランクを以下のように定義する。
・OverallGradingScale
Grade(Excellent):4.0<TotalRank AND
PoorImage(問題無し)
ReadableBarcode(問題無し)
Grade(Good):3.0<TotalRank<4.0 AND
PoorImage(問題無し)
ReadableBarcode(問題無し)
Grade(Poor):2.0<TotalRank<3.0 AND
PoorImage(問題無し)
ReadableBarcode(問題無し)
Grade(Bad):1.0<TotalRank<2.0 AND
PoorImage(問題無し)
ReadableBarcode(問題無し)
MinimumAcceptableRankには、TotalRankの計算式で計算される結果が、OverallGradingScaleで定義されるランク群の中でどれ以上を求めるかを記載する。例えば、Grade(Excellent)以上を求める場合、MinimumAcceptableRankには、Grade(Excellent)が定義される。
<PQXのパラメータ>
次に、図8を参照して、本実施形態に係るPQXの各パラメータについて説明する。本実施形態で使用するPQXのパラメータは、SampleCollectionにおける、色、レジ、画像不良、バーコードの4種類に関するレポート(測定値)である。以下、各パラメータについて順に説明する。
(色の品質確認結果)
第一のSampleCollectionの例として、色の品質確認結果である、ColorReportを挙げる。本パラメータには、JapanColor規定値との色差ΔE00の平均値に基づいて、以下のように、品質がスコア付けされて記載される。
・ColorReport:RankC4
(ランク定義)
RankC1:スコア1:5<ΔE00平均値
RankC2:スコア2:4<ΔE00平均値<=5
RankC3:スコア3:3<ΔE00平均値<=4
RankC4:スコア4:2<ΔE00平均値<=3
RankC5:スコア5:ΔE00平均値<=2
即ち、RankC1の品質が一番高い。
(レジに関する品質確認結果)
第二のSampleCollectionの例として、レジずれに関する品質確認結果である、RegistrationReportを挙げる。本パラメータには、レジ位置検査結果に基づいて、以下のように、品質がスコア付けされて記載される。
・RegistrationReport:RankR3
(ランク定義)
RankR1:スコア1:2<平均レジずれ量
RankR2:スコア2:1.5<平均レジずれ量<=2
RankR3:スコア3:1.0<平均レジずれ量<=1.5
RankR4:スコア4:0.5<平均レジずれ量<=1.0
RankR5:スコア5:平均レジずれ量<=0.5
即ち、RankR1の品質が一番高い。
(画像不良に関する品質確認結果)
第三のSampleCollectionの例として、画像不良に関する品質確認結果である、DefectReportを挙げる。本パラメータには、画像不良検査結果に基づいて、以下のように、品質がスコア付けされて記載される。
・DefectReport:PoorImage(画像主走査濃度ムラ)
(ランク定義)
PoorImage(X):Xに問題有無、問題がある場合、その内容が入る。
(バーコードに関する品質確認結果)
第四のSampleCollectionの例として、バーコードに関する品質確認結果である、BarcodeReportを挙げる。本パラメータには、バーコード読み取り検査結果に基づいて、以下のように、品質がスコア付けされて記載される。
・BarcodeReport:ReadableBarcode(バーコード読み取りエラー)
(ランク定義)
ReadableBarcode(X):Xに問題有無、問題がある場合、その内容が入る。
<リカバリ処理>
次に、図9及び図10を参照して、本実施形態に係るリカバリ処理の処理手順を説明する。以下で説明する処理は、例えばワークフロー管理サーバ100の起動時に、ワークフロー管理サーバ100のHDD204に格納されたプログラムがRAM203に読み出され、CPU201によって実行されることで実現される。さらに、生産システム120のHDD304に格納されたプログラムがRAM303に読み出され、CPU301によって実行されることで実現される。また、本実施形態で使用するPRX、PQXの各パラメータ、各パラメータに紐付く属性値、及び、リカバリ処理の要否に関する判断結果を格納するテーブル1001〜1004は、CPU301による指示によってHDD304から取り出されろ。その後、取り出された情報は、RAM303に展開される。
(テーブル1001の説明)
まず、図10に示す各テーブルに関して説明する。テーブル1001は、PQXのSampleCollection(色、レジ、画像不良、バーコード)に記載される品質不良が発生した場合のリカバリ処理、リカバリ処理の実施予定回数、及び、リカバリ処理の実施済み回数を記載するものである。[A]列は、PQXに含まれる品質不良の番号を表す。[B]列は品質不良要因の内容を表す。[C]列は[A]、[B]列に記載される品質不良を解消するためのリカバリ処理の番号を表す。[D]列は[C]列に記載されるリカバリ処理の内容を表す。[E]列は、[C]、[D]列に定義されるリカバリ処理の実施予定回数が記載される。[F]列は、[C]、[D]列に定義されるリカバリ処理の実施済み回数が記載される。
(テーブル1002の説明)
テーブル1002はリカバリ処理に要する時間、リカバリ処理の実施予定回数、及び、リカバリ処理の実施済み回数を記載するものである。本実施形態は、色、レジ、画像不良、バーコードのそれぞれの品質要件が、それぞれのMinimumAcceptableRankを満たしても、全体品質要件で定義される、BasisOfCalculationのMinimumAcceptableRankを満たさない場合、リカバリ処理を行う。このとき、候補となるリカバリ処理の有無と、候補となるリカバリ処理がある場合、その処理に必要な処理時間に基づき、実施するリカバリ処理を決定する。A列はリカバリ処理の番号を表す。[B]列はリカバリ処理の内容を表す。[C]列は[A]、[B]列に定義されるリカバリ処理に必要な時間を表す。[D]列は、[A]、[B]列に定義されるリカバリ処理の実施予定回数が記載される。[E]列は、[A]、[B]列に定義されるリカバリ処理の実施済み回数が記載される。
(テーブル1003の説明)
テーブル1003は、PRXで要求される品質種類(QualityParameterSet)と、PQXに記載される各品質種類の品質レポート(SampleCollection)、リカバリ要否を記載するものである。[A]列には、品質種類(QualityParameterSet)が記載される。[B]列には、[A]列に記載される品質種類(QualityParameterSet)において、求められる品質(MinimumAcceptableRank)が記載される。[C]列には、[A]列に記載される品質種類(QualityParameterSet)において、生産システムから受信した値に基づいて計算されたレポート(SampleCollection)が記載される。[D]列には、[A]列に記載される品質種類において、リカバリ処理の要不要が記載される。ここで、[A]列に記載される品質種類において、[C]列に記載される作成されたレポートが[B]列に記載される求められる品質(MinimumAcceptableRank)を満たしていない場合、リカバリ処理が必要となる。
(テーブル1004の説明)
テーブル1004は、PRXで要求される全体品質(BasisOfCalculation)を記載する領域を含む。また、テーブル1004は、A列に定義される全体品質をどの程度満たす必要があるかを定義する品質定義(OverallGradingScale、MinimumAcceptableRank)を記載する領域を含む。さらに、テーブル1004は、PRXのSampleCollectionから算出される全体品質と、リカバリ要否を記載する領域を備える。A列には、PRXで要求される全体品質(BasisOfCalculation)が記載される。B列にはA列に記載される全体品質において、求められる品質(MinimumAcceptableRank)が記載される。[C]列には、PQXのSampleCollectionを、A列に記載される全体品質(BasisOfCalculation)に代入したときに導かれる結果が格納される。[D]列には、[C]列のPQXがB列のPRXを満たしていない場合、リカバリ処理が必要となる。[D]列には、[A]列に記載される全体品質(BasisOfCalculation)において、リカバリ処理の要不要が記載される。
(フローチャートの説明)
図9のフローチャートを説明する。S901で、ワークフロー管理サーバ100のリカバリ処理制御部526は、データ管理部525からPRXとPQXを受信すると、テーブル1003にアクセスし、受信したPRXとPQXを[A]列〜[C]列に記録する。リカバリ処理制御部526は、[A][1]に記載の各品質要件(QualityParameterSetType)において、[C][1]に記載されるPQX(SampleCollection)が、[B][1]に記載されるPRX(MinimumAcceptableRank)を満たすかを確認する。満たす場合、リカバリ処理について、[D][1]に“不要”と記載する。同様に、リカバリ処理制御部526は、他の品質要件([2]〜[4])に関しても、[C]列に記載されるPQX(SampleCollection)が、[B]列に記載されるPRX(MinimumAcceptableRank)を満たすかを確認する。そして、リカバリ要否を[D]列に記載する。また、リカバリ処理制御部526は、リカバリ処理が必要な場合は、[D]列に“必要(品質不良要因番号:品質不良要因)”を記載する。本実施形態の場合、画像不良検査がNGとなっているため、[D][3]に“必要(Q3001:画像主走査濃度ムラ)”と記載される。また、バーコード検査がNGとなっているため、[D][4]に“必要(Q4001:バーコード読み取りエラー)”と記載される。さらに、リカバリ処理制御部526は、テーブル1004にアクセスし、受信したPRXにおける全体品質(BasisOfCalculation、OverallGradingScale)を[A][1]に記載する。さらに、受信したPRXにおける、MinimumAcceptableRankを、[B][1]に記載する。さらに、リカバリ処理制御部526は、受信したPQXのSampleCollectionを、[A][1]の全体品質を定義する式(BasisOfCalculation)に当てはめ、結果を[C][1]に格納する。さらに、リカバリ処理制御部526は、[C][1]と[B][1]を比較し、[C][1]が[B][1]を満たす場合、[D][1]に(リカバリ処理が)“不要”と記載する。本例では、[C][1]が[B][1]を満たしていないため、[D][1]に(リカバリ処理が)“必要”と記載する。そして処理をS902に進める。
S902で、リカバリ処理制御部526は、テーブル1003にアクセスし、[D]列に“必要”と記載される品質種類があるかを確認する。本例では、[D][3]及び[D][4]に“必要”と記載されているため、処理をS903に進める。S903で、リカバリ処理制御部526は、テーブル1003にアクセスし、[D]列に“必要”と記載される品質種類とその要因を特定する。さらに、リカバリ処理制御部526は、テーブル1001にアクセスし、リカバリが必要と判断した品質種類の要因を検索し、これに対するリカバリ処理を特定する。本実施形態の場合、テーブル1003の[D][3]において“必要(Q3001:画像主走査濃度ムラ)”と記載されている。画像不良要因:Q3001は、テーブル1001において、[A][3]、及び、[B][3]に、Q3001:画像主走査濃度ムラと記載されている。これに対するリカバリ処理として、[C][3]及び[D][3]に記載されるR3001:主走査シェーディングが必要なリカバリ処理として選定される。ここで、リカバリ処理制御部526は、Q3001:画像主走査濃度ムラの実施予定回数[E][3]と、実施済み回数[F][3]を比較する。ここで実施済み回数が実施予定回数に満たない場合、Q3001:画像主走査濃度ムラを実施するリカバリ処理候補として、そのリカバリ処理内容をRAM203に書き込む。
同様に、テーブル1003の[D][4]において“必要(Q4001:バーコード読み取りエラー)”と記載されている。バーコード読み取り不良要因:Q4001は、テーブル1001において、[A][4]及び[B][4]に、Q4001:バーコード読み取りエラーと記載されている。従って、これに対するリカバリ処理として、[C][4]及び[D][4]に記載される、R4001:スクリーン線数向上が必要なリカバリ処理として選定される。ここでリカバリ処理制御部526は、Q4001:画像主走査濃度ムラの実施予定回数[E][4]と、実施済み回数[F][4]を比較する。ここで実施済み回数が実施予定回数に満たない場合、Q4001:画像主走査濃度ムラを実施するリカバリ処理候補として、そのリカバリ処理内容をRAM203に書き込む。また、候補となるリカバリ処理がない場合、その旨をRAM203に記載する。そして処理をS911に進める。
S911で、リカバリ処理制御部526は、RAM203にアクセスし、実施するリカバリ処理候補があるかを確認する。実施するリカバリ処理候補がない場合、リカバリ処理制御部526は、PQX生成部523にPQXの生成(品質を満たしていないことを含む)を指示する。そして処理をS912に進める。S912で、PQX生成部523は、リカバリ処理制御部526から受けた指示を基にPQXを生成し、テーブル1003にアクセスし、PQXを記録する。そして処理をS908に進める。
一方、S911で、実施するリカバリ処理候補がある場合は、処理をS904に進める。S904で、リカバリ処理制御部526は、RAM203にアクセスし、候補となるリカバリ処理を取得し、生産システムのリカバリ処理制御部546に対し、実施するよう指示する。そして、処理をS905に進める。S905で、生産システム120のリカバリ処理制御部546は、ワークフロー管理サーバ100のリカバリ処理制御部526から受け付けたリカバリ処理内容を確認する。そして、リカバリ処理制御部546は、リカバリ処理内容に応じて、印刷制御部541、後処理加工制御部542、及び検品制御部543に対してリカバリ処理を指示する。本例の場合、リカバリ処理制御部546は、印刷制御部541に対して主走査シェーディングと、スクリーン線数向上を指示する。そして、印刷制御部541から処理結果を受信し、これをワークフロー管理サーバ100のリカバリ処理制御部526に通知する。さらにリカバリ処理制御部526は、テーブル1001にアクセスし、実施したリカバリ処理R3001:主走査シェーディングの実施済み回数を示す[F][3]の数字を1だけインクリメント(本例の場合、「0」→「1」)する。また、実施したリカバリ処理R4001:スクリーン線数向上の実施済み回数を示す[F][4]の数字を1だけインクリメント(本例の場合、「0」→「1」)する。そして、処理をS906に進める。
S906で、リカバリ処理制御部526は、PQX生成部523にPQXの生成を指示する。そして処理をS907に進める。S907で、PQX生成部523は、リカバリ処理制御部526から受けた指示を基にPQXを生成し、テーブル1003にアクセスし、PQXを記録する。本例では、リカバリ処理として、主走査シェーディングと、スクリーン線数向上を印刷制御部541に指示し、結果を受信して作成したPQXを、テーブル1003の[C][3]、及び、[C][4]に記載する。ここでは、[C][3]にPoorImage(問題無し)、[C][4]にReadableBarcode(問題無し)が上書きで記載されるものとする。本処理を行った後、処理をS901に進める。
詳細は説明済みなので割愛する。本例では、S901において、テーブル1003における[D][1]〜[D][4]すべてに(リカバリ処理が)“不要”と記載されるものとする。さらに、リカバリ処理制御部526は、受信したPQXのSampleCollectionを、[A][1]の全体品質を定義する式(BasisOfCalculation)に当てはめ、結果を[C][1]に格納する。さらに、リカバリ処理制御部526は、[C][1]と[B][1]を比較し、[C][1]が[B][1]を満たす場合、[D][1]に(リカバリ処理が)“不要”と記載する。そして処理をS902に進める。
S902の処理については説明済みなので割愛する。本例においては、テーブル1003の[D]列に“必要”と記載される品質種類がないため、処理をS909に進める。S909で、リカバリ処理制御部526は、テーブル1004にアクセスし、[D]列に“必要”と記載されているかを確認する。本例では、D列に(リカバリ処理が)“必要”と記載されているため、処理をS910に進める。S910で、リカバリ処理制御部526は、テーブル1002にアクセスし、[C]列の“リカバリ時間(分)”(処理時間)が最も短いリカバリ処理を優先して選択する。本例では、“リカバリ時間(分)”が“10(分)”と最も短い、R1001:自動階調補正が候補として選択される。そして、リカバリ処理制御部526は、R1001:自動階調補正の実施予定回数[D][1]と、実施済み回数[E][1]を比較する。ここで実施済み回数が実施予定回数に満たない場合、全体品質のリカバリ処理候補として、R1001:自動階調補正をリカバリ処理候補として、その処理内容をRAM203に書き込む。また、候補となるリカバリ処理がない場合、その旨をRAM203に記載する。そして処理をS911に進める。
以降、処理はS904、S905、S906、S907、S901、S902と進むが詳細は説明済みなので割愛する。本実施形態では、あるリカバリ処理が、そのリカバリ処理の品質カテゴリとは、別の品質項目に影響が出ることがある。例えば、色、レジ、画像不良、バーコード、この4種類の品質が顧客の要望を満たしており、かつ、全体品質が顧客の要望を満たさない場合を考える。このとき、例えば、自動階調補正において生じる階調段差の変化がバーコードの読み取り品質に影響を与えてバーコード読み取りエラーが発生することが想定される。その場合、再度、バーコード読み取りエラーを解消すべく、スクリーン線数向上を施すことで全てのエラーが解消されることもある。従って、個々の品質を満たすためのリカバリ処理、又は、全体に品質を満たすためのリカバリ処理を行った後は、個々の品質をしているかと、全体の品質を満たしているかの両方をチェックするフローチャートとしている。
S909で、リカバリ処理制御部526は、テーブル1004にアクセスし、[D]列に(リカバリ処理が)“必要”と記載されているかを確認する。[D]列が(リカバリ処理が)“不要”となっている場合、つまり、[C][1]が[B][1]を満たしている場合、生産システム120が、BasisOfCalculationで定義される全体品質を満たしていると判断し、処理をS908に進める。S908において、PQX生成部523は、PQXをデータ管理部525に送信する。データ管理部525は、受注システムサーバ110のデータ管理部504にPQXを送信して処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置(ワークフロー管理サーバ)は、受注した印刷ジョブの品質要件であって、第1のデータフォーマットに従った品質要件を解析し、当該解析結果と、当該印刷ジョブの商品種別とから、印刷に関わる工程を作成する。また、本情報処理装置は、作成した印刷に関わる工程を印刷システムで行わせ、当該印刷システムの印刷結果を取得し、取得した前記印刷システムの印刷結果から、第2のデータフォーマットに従った品質レポートを作成する。また、本情報処理装置は、第1のデータフォーマットに従った品質要件と、第2のデータフォーマットに従った品質レポートとを比較する。さらに。本情報処理装置は、当該比較の結果、品質レポートの何れかの項目が前記品質要件の対応する項目の要求を満たさない場合に、所定のリカバリ処理を印刷システムに行わせる。本情報処理装置は、顧客が求める品質条件を解析して印刷会社における印刷装置、ソフトウェアの作業工程を策定し、生産された印刷成果物の品質確認工程を策定することを受注されたジョブごとに行い、印刷装置とソフトウェアの事前設定を自動実行する。さらに、印刷システムの印刷品質が顧客の要望を満たしていない場合、顧客の要望を満たすために必要なリカバリ処理を特定し、そのリカバリ処理を印刷システムに対して実施させる。これにより、印刷会社において品質条件を満足するための作業工数を削減し、より簡便に作業工程の決定、伝送と実施を行える印刷システムを提供する。
本実施形態では、品質条件と品質レポートのデータフォーマットとして前述したPRXとPQXを用いる。このような標準フォーマットを用いることで、複数の異なる顧客、或いは印刷会社間において品質条件と品質レポートの伝送を容易に行える。また、異なる印刷成果物の品質条件や品質レポートの比較も可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:ワークフロー管理サーバ、101:ワークフロー管理端末、110:受注システムサーバ、111:受注システム管理端末、112:エンドユーザ端末、120:生産システム、121:印刷装置、122:プリントサーバ、123:後処理加工装置、124:検品装置、生産オペレータ端末125

Claims (15)

  1. 情報処理装置であって、
    受注した印刷ジョブの品質要件であって、第1のデータフォーマットに従った品質要件を解析する解析手段と、
    前記解析手段による解析結果と、該印刷ジョブの商品種別とから、印刷に関わる工程を作成する管理手段と、
    前記管理手段によって作成した前記印刷に関わる工程を印刷システムで行わせ、該印刷システムの印刷結果を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得した前記印刷システムの印刷結果から、第2のデータフォーマットに従った品質レポートを作成する作成手段と、
    前記第1のデータフォーマットに従った品質要件と、前記第2のデータフォーマットに従った品質レポートとを比較し、比較の結果、品質レポートの何れかの項目が前記品質要件の対応する項目の要求を満たさない場合に、所定のリカバリ処理を前記印刷システムに行わせるリカバリ処理手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記リカバリ処理手段は、
    前記品質要件の各項目が要求基準を満たしており、かつ、全体的な要求基準を満たしていない場合、候補となるリカバリ処理のうち、処理時間の短いリカバリ処理を優先して前記印刷システムに行わせることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記管理手段は、
    前記解析手段による解析結果から、前記印刷に関わる工程の1つとして、前記印刷システムに含まれる検品装置による検品工程を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 前記取得手段は、前記印刷システムの印刷結果に加えて、前記検品工程により検品結果を取得し、
    前記リカバリ処理手段は、前記検品結果が不良品を示す場合、前記印刷システムに対して対象の印刷物の再印刷を指示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記印刷システムの印刷結果とは、前記印刷システムによる印刷物の品質に関わる測定値であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記印刷ジョブの品質要件に基づき、前記印刷ジョブに対応する画像データの余白部に色パッチ画像を追加する追加手段をさらに備え、
    前記測定値は、前記追加手段によって追加された色パッチ画像の測定結果であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記第1のデータフォーマットは、PRX(Print Requirement eXchange format)であり、
    前記第2のデータフォーマットは、PQX(Print Quality eXchange format)であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
  8. 前記品質要件の項目は、色、レジストレーション、画像不良、及びバーコードの少なくとも1つに関する項目を含み、
    前記PRXでは、各項目での要求基準と、全体的な要求基準とが定義されることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記PQXでは、前記PRXに定義された各項目に対する測定値が定義されることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 前記品質要件の各項目に対応するリカバリ処理を示す情報を記憶する記憶手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
  11. 前記記憶手段には、さらに、各リカバリ処理の処理時間が記憶されることを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記記憶手段には、さらに、各リカバリ処理に対応する項目が要求基準を満たさない場合に、当該リカバリ処理を実施する実施予定回数と、実施済み回数とが記憶されることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 印刷ジョブを受注する受注システムサーバから、該印刷ジョブの印刷データと、前記受注システムサーバにおいて前記商品種別から作成された前記第1のデータフォーマットに従った品質要件と、前記商品種別とを受信する受信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
  14. 情報処理装置の制御方法であって、
    解析手段が、受注した印刷ジョブの品質要件であって、第1のデータフォーマットに従った品質要件を解析する解析工程と、
    管理手段が、前記解析工程による解析結果と、該印刷ジョブの商品種別とから、印刷に関わる工程を作成する管理工程と、
    取得手段が、前記管理工程で作成した前記印刷に関わる工程を印刷システムで行わせ、該印刷システムの調整状態を取得する取得工程と、
    作成手段が、前記取得工程で取得した前記印刷システムの調整状態から、第2のデータフォーマットに従った品質レポートを作成する作成工程と、
    リカバリ処理手段が、前記第1のデータフォーマットに従った品質要件と、前記第2のデータフォーマットに従った品質レポートとを比較し、比較の結果、品質レポートの何れかの項目が前記品質要件の対応する項目の要求を満たさない場合に、所定のリカバリ処理を前記印刷システムに行わせるリカバリ処理工程と
    を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  15. 情報処理装置の制御方法における各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記制御方法は、
    解析手段が、受注した印刷ジョブの品質要件であって、第1のデータフォーマットに従った品質要件を解析する解析工程と、
    管理手段が、前記解析工程による解析結果と、該印刷ジョブの商品種別とから、印刷に関わる工程を作成する管理工程と、
    取得手段が、前記管理工程で作成した前記印刷に関わる工程を印刷システムで行わせ、該印刷システムの調整状態を取得する取得工程と、
    作成手段が、前記取得工程で取得した前記印刷システムの調整状態から、第2のデータフォーマットに従った品質レポートを作成する作成工程と、
    リカバリ処理手段が、前記第1のデータフォーマットに従った品質要件と、前記第2のデータフォーマットに従った品質レポートとを比較し、比較の結果、品質レポートの何れかの項目が前記品質要件の対応する項目の要求を満たさない場合に、所定のリカバリ処理を前記印刷システムに行わせるリカバリ処理工程と
    を含むことを特徴とするプログラム。
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