JP2021027787A - 嵌合構造、外装部材、ワイヤハーネス、及び電気接続箱 - Google Patents
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Abstract
Description
図1において、例えば自動車に配索されるワイヤハーネス21は、プロテクタ22(外装部材)が付いたものであって、このプロテクタ22には、本発明の特徴である嵌合構造23が設けられる。ワイヤハーネス21は、嵌合構造23を有するプロテクタ22の他、一又は複数本の電線からなるハーネス本体24と、このハーネス本体24の端末に設けられる図示しない電気接続部(コネクタ等)と、ハーネス本体24に設けられる固定部材や止水部材等とを備えて構成される。尚、ワイヤハーネス21は、様々な種類のものがあり、端末に電気接続箱が設けられたものもある(電気接続箱に関しては最後に簡単に説明をするものとする)。
図1において、ハーネス本体24は、上記の如く一又は複数本の電線を有する。電線は、電力線や信号線等、様々な用途のものであり、太さや材質も様々である。電線は、導体と、この導体を被覆する絶縁体とを備えて構成される。導体は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金等の導電性を有する金属部分であって、例えば素線を撚り合わせた状態にして形成される。導体は、断面円形状に形成される。絶縁体は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の絶縁性を有する樹脂部分であって、導体の周囲に断面円筒形状に押出成形される。絶縁体は、導体に対する被覆部材であり、所定の厚みに形成される。以上のようなハーネス本体24は、この一部がプロテクタ22に収容されて外部から保護される。
図1において、プロテクタ22は、絶縁性の樹脂材料を用いた樹脂成形品であって、溝状のプロテクタ本体25と、このプロテクタ本体25の溝開口26を覆うプロテクタ蓋体27とを備えて構成される。すなわち、プロテクタ22は、二つの部材で構成される。二つの部材のうち、プロテクタ本体25は特許請求の範囲に記載された「一方の部材」に相当するものとする。また、プロテクタ蓋体27は特許請求の範囲に記載された「他方の部材」に相当するものとする。プロテクタ22は、プロテクタ本体25にハーネス本体24の一部を収容し、そしてこの後にプロテクタ蓋体27で覆うことにより、ハーネス本体24の一部を外装するような筒状に形成される。プロテクタ22における引用符号28は、端部開口を示すものとする。端部開口28からは、ハーネス本体24が引き出される。
図1及び図2において、プロテクタ本体25は、本体底壁29と、一対の本体側壁30、31(壁)とを有して溝状に形成される。この溝状のプロテクタ本体25には、ハーネス本体24の一部が溝開口26を介して収容される。本体底壁29は、プロテクタ本体25の底になる平らな壁に形成される。本体底壁29の幅は、ハーネス本体24の直径よりも大きくなるように設定される。このような本体底壁29の幅方向の両端には、一対の本体側壁30、31が起立連成される。一対の本体側壁30、31は、同じ厚み及び同じ高さに形成される。一対の本体側壁30、31の高さは、ハーネス本体24の直径よりも大きくなるように設定される。一対の本体側壁30、31は、この上端(端部)の内側に溝開口26が形成される。
図1及び図3において、プロテクタ蓋体27は、プロテクタ本体25の溝開口26を覆う蓋形状の部材であって、蓋天井壁32と、一対の蓋側壁33、34とを有する。蓋天井壁32は、本体底壁29に対向する壁として、本体底壁29と同じ形状に形成される。一対の蓋側壁33、34は、蓋天井壁32の幅方向の両端に起立連成される。一対の蓋側壁33、34は、本実施例において、とても短く突出するような高さ寸法の部分に形成される。一対の蓋側壁33、34は、この端部がプロテクタ本体25の上端に当接するように形成される。
図1ないし図8において、嵌合構造23は、プロテクタ本体25に設けられる嵌合枠部35と、プロテクタ蓋体27に設けられる嵌合アーム部36とを備えて構成される。嵌合構造23は、二つの部材であるプロテクタ本体25とプロテクタ蓋体27とに跨って設けられる。嵌合構造23は、プロテクタ本体25とプロテクタ蓋体27とを嵌合状態にするために設けられる。嵌合構造23は、プロテクタ本体25に対しプロテクタ蓋体27が覆う位置で嵌合状態になるように設けられる。
図1、図2、及び図4において、嵌合枠部35は、プロテクタ本体25の本体側壁30の外面に、且つ、本体側壁30の上端(端部)の位置に合わせて設けられる。嵌合枠部35は、一対の枠基部37と、引っ掛け部38と、第一テーパ39及び第二テーパ40とを有して図示形状に形成される。尚、本体側壁30の上端位置でなく、もう少し図の下側となる、本体側壁30の中間位置に嵌合枠部35を配置するのであれば、プロテクタ蓋体27側の嵌合アーム部36が長く形成されるものとする(この場合、嵌合構造23が多少上下に長くなり、配置のために大きなスペースが必要になる。スペース効率の面から考えると、本体側壁30の上端位置に配置すること、すなわち図示の配置が好ましいものとする)。
図1、図2、及び図4において、一対の枠基部37は、本体側壁30の外面から短く突出する部分に形成される。一対の枠基部37は、プロテクタ蓋体27の嵌合アーム部36の厚み及び後述する段付き外面41の凹位置42に応じて、上記突出の量が設定される。一対の枠基部37は、プロテクタ22の中心軸に沿った方向に比較的幅広い間隔をあけた状態に配置形成される。一対の枠基部37は、剛性のある部分に形成される。すなわち、一対の枠基部37は撓まない部分に形成される。
図1、図2、及び図4において、引っ掛け部38は、一対の枠基部37を上記突出の量よりも長い形状で繋ぐ部分に形成される。別な言い方をすれば、引っ掛け部38は、一対の枠基部37の突出端に架けられるような部分に形成される。引っ掛け部38は、一対の枠基部37に対し一体に形成される。引っ掛け部38は、正面視帯状の部分に形成される。このような引っ掛け部38には、段付き外面41が形成される。段付き外面41は、引っ掛け部39の中間位置の外面が両方の端部位置の外面よりも本体側壁30の外面に近くなるように形成される。すなわち、段付き外面41は、引っ掛け部38を本体側壁30側にオフセットしたような凹の部分を含んで形成される(一例であり、変形例については後述するものとする)。段付き外面41の凹位置42の範囲は、プロテクタ蓋体27の嵌合アーム部36における嵌合突起44(後述する)の突起幅に合わせて設定される。以上のような引っ掛け部38は、一対の枠基部37よりも薄肉に形成される。引っ掛け部38は、本体側壁30の外面から離れる方向に弾性変形可能な部分に形成される。
図2及び図4において、第一テーパ39及び第二テーパ40は、プロテクタ蓋体27の嵌合アーム部36を嵌合方向(挿通方向)に案内するための部分に形成される。第一テーパ39及び第二テーパ40は、斜面形状に形成される。第一テーパ39は、引っ掛け部38に対し一体に形成される。また、第二テーパ40は、本体側壁30に対し一体に形成される。引っ掛け部38の第一テーパ39は、段付き外面41の凹位置42に合わせて本体側壁30の側にオフセットしたような形状に形成される。第一テーパ39は、プロテクタ蓋体27の嵌合アーム部36における嵌合突起44(後述する)が摺接するような斜面形状に形成される。尚、第一テーパ39が形成される部分よりも下側となる部分、すなわち引っ掛け部38の下端は、嵌合アーム部36を引っ掛ける部分(嵌合面(係止面))として形成される。
図1、図3、及び図4において、嵌合アーム部36は、プロテクタ蓋体27の短い蓋側壁33の外面に、且つ、プロテクタ本体25の嵌合枠部35の位置に合わせて設けられる。嵌合アーム部36は、アーム本体43と、嵌合突起44と、嵌合視認部45とを有して図示形状に形成される。
図1、図3、図4、及び図8(b)において、アーム本体43は、プロテクタ蓋体27の蓋側壁33から下方にのびる(垂下する)板片状の部分に形成される。アーム本体43は、この内面がプロテクタ本体25の本体側壁30に対し摺接可能な位置に配置される。アーム本体43の内面は、本体側壁30の外面に合わせて平面に形成される。アーム本体43は、従来例のような内側に撓む必要のない形状に形成される。すなわち、アーム本体43は、蓋側壁33や本体側壁30と同じ厚みの板片状の部分に形成される。アーム本体43の先端側は、二つの角が落とされたような形状に形成される。この角が落とされたような形状部分は、アーム本体43を嵌合枠部35と本体側壁30との間に差し込む際に案内部分として有効な部分になるものとする。
図1、図3、図4、及び図8(b)において、嵌合突起44は、アーム本体43の外面に配置される。また、端部側に配置される。嵌合突起44は、嵌合枠部35の引っ掛け部38の下端に引っ掛かる部分として形成される。嵌合突起44は、案内用傾斜面46と、被嵌合面47とを有して側面視三角形状に形成される。案内用傾斜面46は、嵌合枠部35の第一テーパ39を摺接する斜面に形成される。被嵌合面47は、引っ掛け部38の下端に引っ掛けられる嵌合面(係止面)に形成される。被嵌合面47は、アーム本体43の外面に対し直角となるような面に形成される。以上のような嵌合突起44は、この突起先端が嵌合視認部45となるように形成される。
図1ないし図8において、プロテクタ本体25の上方にプロテクタ蓋体27を配置し、そして、プロテクタ蓋体27を下方に移動させると、嵌合アーム部36の嵌合突起44及び嵌合視認部45が嵌合枠部36の引っ掛け部38における第一テーパ39に当接する。この当接状態からプロテクタ蓋体37を押し込むようにすると、引っ掛け部38が外方に撓み、これにより嵌合突起44及び嵌合視認部45が引っ掛け部38を通過する。そして、嵌合突起44及び嵌合視認部45が引っ掛け部38を通過すると、撓んだ状態にあった引っ掛け部38が元の状態に弾性復帰する。これにより嵌合突起44が引っ掛け部38の下端に引っ掛かったような状態(嵌合状態)になる。また、嵌合視認部45が引っ掛け部38における段付き外面41の凹位置42よりも外側に位置するような状態になる。以上のような嵌合状態により、プロテクタ蓋体27を取り外そうとしてもこれが規制される。別な言い方をすれば、プロテクタ蓋体27がプロテクタ本体25から脱落することはない。また、上方から嵌合視認部45を見るだけで「嵌合した状態」であることが分かる。
以上、図1ないし図8を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態であるワイヤハーネス21、プロテクタ22、及び嵌合構造23によれば、引っ掛け部38に段付き外面41を形成し、且つ、嵌合突起44には嵌合視認部45を形成することから、段付き外面41の凹位置42よりも外側に突出した嵌合視認部45を見ることで、嵌合状態であるか否かを確認することができる。すなわち、所定の方向からのみで確認することができる。従って、本発明によれば、嵌合確認の作業性を向上させることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら変形例について説明する。図9は嵌合構造、外装部材(プロテクタ)、及びワイヤハーネスの変形例を示す斜視図である。また、図10はプロテクタ本体の斜視図、図11は嵌合枠部の平面図、図12は図9のプロテクタの要部拡大図である。
図9において、ワイヤハーネス21は、嵌合構造23を有するプロテクタ22と、ハーネス本体24と、図示しない電気接続部(コネクタ等)と、図示しない固定部材や止水部材等とを備えて構成される。変形例としては、嵌合構造23における嵌合枠部36の引っ掛け部38の一部が対象となり、この一部以外は図1ないし図8に示す構造と同じであるものとする。以下、引っ掛け部38の上記一部について説明をする。
嵌合構造23の適用例としては、電気接続箱も有効である。特に図示しないが、電気接続箱は、嵌合構造23を有する箱状のケースと、このケースに収容される電気接続箱本体とを備えて構成される。電気接続箱は、ワイヤハーネスの端末等に設けられ、自動車の所定位置に搭載される。ケースは、例えばケース本体とカバーの二部材で構成され、この二部材を嵌合状態にするために嵌合構造23が採用される(ケース本体とアッパーカバーの二部材や、ケース本体とロアカバーの二部材であってもよいものとする)。嵌合構造23が採用されることから、電気接続箱であっても、嵌合状態であるか否かを所定の方向からのみで確認することができる。従って、嵌合確認の作業性を向上させることができるという効果を奏する。
図1において、本実施例のプロテクタ22は、紙面の関係上、短いものに図示される。特に図面を追加しないが、もう少し短いものに形成し、そして、プロテクタ蓋体27に略傘状の係止部を突設するようにすれば、ワイヤハーネス21の配索の際に用いることが可能な固定部材(クリップ等)になるのは勿論である。従って、プロテクタ22以外の外装部材としては、クリップを挙げてもよいものとする。
Claims (11)
- 二つの部材を嵌合状態にするための嵌合枠部と嵌合アーム部とを有し、
前記嵌合枠部は、前記二つの部材のうちいずれか一方の部材の壁から短く突出する一対の枠基部と、該一対の枠基部を前記突出の量よりも長い形状で繋ぐ引っ掛け部とを有し、
前記嵌合アーム部は、前記引っ掛け部及び前記壁の間に挿通されるアーム本体と、該アーム本体の端部側に形成される嵌合突起とを有し、
さらに、前記引っ掛け部には、該引っ掛け部の中間位置の外面が端部位置の外面よりも前記壁に近くなるような段付き外面が形成され、且つ、前記嵌合突起には、前記中間位置に対応する前記段付き外面の凹位置よりも突起先端が外側に位置するような嵌合視認部が形成される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 請求項1に記載の嵌合構造において、
前記段付き外面は、前記引っ掛け部を前記壁側にオフセットした部分を含んで形成される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 請求項1に記載の嵌合構造において、
前記段付き外面は、前記引っ掛け部を薄肉にした部分を含んで形成される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 請求項2又は3に記載の嵌合構造において、
前記段付き外面の前記凹位置の範囲は、前記嵌合突起の突起幅に合わせて設定される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 請求項1、2、3又は4に記載の嵌合構造において、
前記引っ掛け部は、前記一対の枠基部よりも薄肉に形成される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 請求項5に記載の嵌合構造において、
前記アーム本体は、該アーム本体の内面が前記壁に対し摺接可能な位置に配置される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 請求項6に記載の嵌合構造において、
前記嵌合枠部は、前記二つの部材のうちいずれか他方の部材に近い側となる、前記壁の端部に配置形成される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の嵌合構造において、
前記突起先端を有する前記嵌合視認部は、前記引っ掛け部における前記端部位置の外面の方が外側に位置するように形成される、又は、前記端部位置の外面と同じ位置に形成される
ことを特徴とする嵌合構造。 - 二つの部材を有するとともに該二つの部材を請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の嵌合構造にて嵌合状態にすることで筒状に形成される
ことを特徴とする外装部材。 - 請求項9に記載の外装部材と、該外装部材に保護されるハーネス本体とを備える
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 二つの部材を有するとともに該二つの部材を請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の嵌合構造にて嵌合状態にすることで箱状に形成されるケースと、該ケースに収容される電気接続箱本体とを備える
ことを特徴とする電気接続箱。
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