以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図11を参照して、第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。
図1および図2に示すように、部品実装装置100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eをプリント基板などの基板Bに実装するように構成されている。なお、電子部品Eは、特許請求の範囲の「部品」の一例である。
ここで、部品実装装置100において、基板Bを搬送する搬送方向をX1方向とし、基板Bを搬送する搬送方向の逆方向をX2方向とし、X1方向およびX2方向を合わせた方向をX方向とする。また、水平方向のうちのX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向の一方をY1方向とし、Y方向の他方をY2方向とする。また、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向(上下方向)とし、Z方向の一方をZ1方向(上方向)とし、Z方向の他方をZ2方向(下方向)とする。
部品実装装置100は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部9とを備えている。なお、基板認識カメラ7は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
(基台)
基台1は、部品実装装置100において各構成要素を配置する基礎となる台である。基台1上には、構成要素として、基板搬送部2、レール部4、および、部品認識カメラ6が設けられている。また、基台1内には、制御部9が設けられている。また、基台1には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、複数のテープフィーダ10を配置可能なフィーダ配置部1aが設けられている。なお、テープフィーダ10は、特許請求の範囲の「フィーダ」の一例である。
テープフィーダ10は、自動で部品供給テープ11をローディング可能なオートローディングフィーダである。テープフィーダ10の構成については、後に詳細に説明する。
(基板搬送部)
基板搬送部2は、部品実装装置100の外部から基板Bを搬入し、基板Bを搬送方向(X1方向)に搬送するように構成されている。基板搬送部2は、一対のコンベア部21と、一対のコンベア部21を回転駆動させるための駆動モータ22とを含んでいる。一対のコンベア部21の各々は、プーリ(図示せず)と、プーリに掛け回された輪状の搬送ベルトとを有している。制御部9は、駆動モータ22を制御することにより、一対のコンベア部21上に載置された基板Bの搬送速度を制御するように構成されている。
(支持部)
支持部3は、ヘッドユニット5をX方向に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、支持部3は、X方向に延びるボールねじ軸31と、ボールねじ軸31を回転させるX軸モータ32とを含んでいる。ヘッドユニット5には、支持部3のボールねじ軸31と係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット5は、X軸モータ32によりボールねじ軸31が回転されることにより、ボールねじ軸31と係合するボールナットとともに、X方向に移動可能に構成されている。
(レール部)
一対のレール部4は、支持部3をY方向に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、レール部4は、Y方向に延びるボールねじ軸41と、ボールねじ軸41を回転させるY軸モータ42と、ガイドレール43とを含んでいる。支持部3には、レール部4のボールねじ軸41と係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ガイドレール43は、Y方向に延びている。支持部3は、Y軸モータ42によりボールねじ軸41が回転されることにより、ボールねじ軸41と係合するボールナットとともに、ガイドレール43に沿ってY方向に移動可能に構成されている。
このような構成により、ヘッドユニット5は、基台1上を水平面内で(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。
(テープフィーダ)
図2および図3に示すように、テープフィーダ10は、基板Bに実装される電子部品Eを供給する装置である。テープフィーダ10は、複数の電子部品Eを所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープ11を巻き回したリールRを保持している。また、テープフィーダ10は、実装ヘッド51による電子部品Eの取り出しのための部品吸着動作に応じて、リールRを回転させて部品供給テープ11を送り出すように構成されている。テープフィーダ10は、部品供給テープ11を送り出すことにより、作業位置W側の先端部から電子部品Eを供給するように構成されている。作業位置Wとは、実装するために基板搬送部2により基板Bが固定される位置を示す。
図3および図4に示すように、テープフィーダ10は、テープ送り部10aと、開放部104を有するテープガイド部10bと、制御部10c(図2参照)とを含んでいる。
ここで、部品供給テープ11は、トップテープ12と、キャリアテープ13とを含んでいる。キャリアテープ13には、電子部品Eが収納された収納部13aが形成されている。収納部13aは、電子部品Eのサイズよりも大きい空間を有している。収納部13aのZ1方向(上方向)の開口13bは、トップテープ12により覆われている。これにより、部品供給前に収納部13aから電子部品Eが出るのを防止することが可能である。部品供給時には、トップテープ12が切り開かれて、収納部13aの上方の開口13bが露出される。これにより、吸着位置Vpにおいて、電子部品Eを収納部13aから後述する実装ヘッド51により取り出すことが可能である。また、図示はしないが、キャリアテープ13には、後述するスプロケット101に係合する複数の係合孔が形成されている。
テープ送り部10aは、ノズル151により電子部品Eを吸着する吸着位置Vpに送るように構成されている。具体的には、テープ送り部10aは、複数(3個)のスプロケット101と、複数(2個)のモータ102とを含んでいる。
複数のスプロケット101は、第1スプロケット101aと、第2スプロケット101bと、第3スプロケット(図示せず)とを有している。第1スプロケット101aは、テープ送り方向Frにおいて、開放部104の下流側に設けられている。第2スプロケット101bは、テープ送り方向Frにおいて、開放部104の上流側に設けられている。第3スプロケットは、テープフィーダ10の導入側に設けられている。
また、複数のモータ102は、制御部10cにより駆動が制御されて、駆動されるように構成されている。具体的には、複数のモータ102は、第1モータ102aと、第2モータ(図示せず)とを有している。第1モータ102aは、第1スプロケット101aおよび第2スプロケット101bを連動して駆動させる。すなわち、第1スプロケット101aおよび第2スプロケット101bは、ベルトにより接続されており、同期して回転されている。第2モータは、第3スプロケットを駆動させる。これにより、第1スプロケット101a、第2スプロケット101bおよび第3スプロケットは、部品供給テープ11の係合孔に係合して、部品供給テープ11をテープ送り方向Frに沿って送るように構成されている。
テープガイド部10bは、部品供給テープ11をZ1方向(上方向)から押さえるとともに、テープ送り方向Frに沿ってガイドするように構成されている。加えて、テープガイド部10bは、収納された電子部品Eを露出させるように構成されている。
具体的には、テープガイド部10bは、カバー部103と、上記開放部104と、取出孔105とを有している。
カバー部103は、部品供給テープ11をZ1方向(上方向)から押さえることにより、テープ送り方向Frに沿って部品供給テープ11をガイドするように構成されている。
開放部104は、カバー部103に取り付けられている。開放部104は、テープ送り部10aにより送られる部品供給テープ11のトップテープ12により覆われた収納部13aの開口13bを開放し、吸着位置Vpにおいて電子部品Eを露出させるように構成されている。開放部104は、カッター106と、トップテープガイド107とを含んでいる。
カッター106は、刃先をキャリアテープ13とトップテープ12との間に挿入させてトップテープ12を切断するように構成されている。つまり、カッター106は、部品供給テープ11のテープ送り方向Frの移動に伴って、トップテープ12を順次切り開くように構成されている。トップテープガイド107は、切り開かれたトップテープ12をX方向の両側に押し広げるように構成されている。つまり、トップテープガイド107は、部品供給テープ11の移動に伴って、トップテープ12を順次幅方向(X方向)に開け広げるように構成されている。
取出孔105は、カッター106によりトップテープ12が切断されたことによって露出した電子部品Eを実装ヘッド51が取り出すために形成されている。取出孔105は、テープ送り方向Frにおいて、カッター106よりも下流側に設けられている。取出孔105は、上下方向(Z方向)に貫通する孔である。取出孔105の形成位置が、吸着位置Vpである。
制御部10cは、制御部9からの指示に基づいてテープフィーダ10の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御部10cは、モータ102の駆動を制御して、部品供給テープ11の送り動作を制御するように構成されている。制御部10cは、制御回路を有する基板を含む。また、制御部10cは、テープフィーダ10に設けられたセンサ108による部品供給テープ11の検知結果に基づいて、部品供給テープ11の送り動作を制御するように構成されている。
(ヘッドユニット)
図5に示すように、ヘッドユニット5は、部品実装用のヘッドユニットであり、基板BのZ1方向(上方)を移動するとともに基板Bに対して所定の作業(実装作業)を行うように構成されている。つまり、ヘッドユニット5は、作業位置Wにおいて固定された基板Bに電子部品Eを実装するように構成されている。
具体的には、ヘッドユニット5は、実装ヘッド51と、負圧計測部52(図6参照)とを含んでいる。実装ヘッド51は、電子部品Eを保持するとともに、基板B上の目標搭載位置(図示せず)に電子部品Eを搭載するように構成されている。実装ヘッド51は、X方向に一列に複数(4個)並んで配置されている。なお、実装ヘッド51は、特許請求の範囲の「ヘッド」の一例である。
複数の実装ヘッド51は、各々、圧力発生装置(図示せず)に接続されており、圧力発生装置により生じる負圧によって、先端に取り付けられた(装着された)ノズル151に電子部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、複数の実装ヘッド51は、各々、圧力発生装置による負圧を正圧に切り換えることによって、電子部品Eを基板Bに実装(搭載)可能に構成されている。
複数の実装ヘッド51は、各々、Z軸モータ53によりZ方向(上下方向)に移動可能に構成されている。また、複数の実装ヘッド51は、各々、R軸モータ54(図6参照)により回転軸回りに回転可能に構成されている。
負圧計測部52は、実装ヘッド51にかかる負圧を計測するように構成されている。すなわち、負圧計測部52は、電子部品Eを実装ヘッド51に保持(吸着)した際の負圧、および、電子部品Eを実装ヘッド51に保持(吸着)しない状態の負圧を計測している。
(部品認識カメラ)
部品認識カメラ6は、基板Bへの電子部品Eの実装に先立ってノズル151に保持(吸着)された電子部品Eを撮像する部品撮像用のカメラである。部品認識カメラ6は、基台1上に固定されており、電子部品Eの下方(Z2方向)から、ノズル151に保持(吸着)された電子部品Eを撮像するように構成されている。
(基板認識カメラ)
基板認識カメラ7は、実装ヘッド51に取り付けられ、基板Bへの電子部品Eの実装に先立って、基板Bの上面に付されたFIマーク(Fiducial Mark(フィデューシャルマーク):図示せず)を撮像するマーク撮像用のカメラである。FIマークは、基板Bの位置を確認するためのマークである。
(表示部)
表示部8は、吸着位置Vpに配置された電子部品Eおよび基板Bに実装される電子部品Eに関する情報などを、オペレータに報知するように構成されている。つまり、表示部8は、基板認識カメラ7により撮像された吸着位置Vp周辺の画像を表示する機能を有している。具体的には、表示部8は、液晶ディスプレイなどから構成され、制御部9から送信された情報を画面に表示するように構成されている。
(制御部)
制御部9は、CPU(Central Processing Unit)91および記憶部92などを含み、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。制御部9は、基板搬送部2、ヘッドユニット5、部品認識カメラ6、基板認識カメラ7、テープフィーダ10、X軸モータ32およびY軸モータ42に電気的に接続されている。
記憶部92には、基板B上に実装される電子部品Eの実装処理に基づく実装プログラムPが記憶されている。また、記憶部92には、後述する、吸着高さ位置H1、所定高さ位置H2、高さ範囲Ra、しきい値Th、吸着時負圧V1および非吸着時負圧V2が記憶されている。なお、吸着時負圧V1は、特許請求の範囲の「第1負圧」の一例である。非吸着時負圧V2は、特許請求の範囲の「第2負圧」の一例である。
図7に示すように、第1実施形態の制御部9は、実装プログラムPに基づいて、全ての電子部品Eの吸着の際にテープ吸着確認処理を行うように構成されている。制御部9は、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知するように構成されている。すなわち、制御部9は、部品吸着動作の際に、ノズル151の高さ位置の変化に伴う実装ヘッド51の負圧の変化を監視してトップテープ12の開閉状態を検知するように構成されている。ここで、制御部9は、トップテープ12の吸着を検知する処理を、電子部品Eの実装処理と並行して行うように構成されている。また、ノズル151の高さ位置とは、たとえば、ノズル151のZ2方向側端部のZ方向の座標を示す。
具体的には、制御部9は、吸着位置Vpに送られた電子部品Eを吸着するノズル151の吸着高さ位置H1以上吸着高さ位置H1よりも上方の所定高さ位置H2以下の高さ範囲Raにおいて実装ヘッド51の負圧が低下したことに基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成されている。
ここで、吸着高さ位置H1とは、吸着位置Vpに搬送された電子部品EのZ1方向側の端部の位置を示す。所定高さ位置H2とは、実装ヘッド51に吸着された際にトップテープ12が引っ張られる最大高さ位置を示しており、吸着高さ位置H1よりも微小高さ分だけZ1方向側の位置を示す。所定高さ位置H2は、部品供給テープ11が紙テープであるか、エンボステープであるか、微小な電子部品Eを収納するか、または、大きめの電子部品Eを収納するかなどにより変わるため、テープの種類によって異なっている。
また、高さ範囲Raは、吸着高さ位置H1および所定高さ位置H2により設定されるので、部品供給テープ11の種類によって異なっている。また、高さ範囲Raは、テープフィーダ10に設置された部品供給テープ11のテープ送り方向FrおよびZ方向に直交する方向(X方向)のテープ幅Tw(図1参照)よりも小さい
制御部9は、吸着位置Vpから上昇する際、吸着位置Vpで実装ヘッド51に生じた吸着時負圧V1から、電子部品Eを非保持の状態の実装ヘッド51に生じる非吸着時負圧V2に低下したことに基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成されている。なお、負圧により物を吸着する強さが示される。すなわち、負圧が高い程物をより強く吸着している。
ここで、吸着時負圧V1とは、実装ヘッド51に物を吸着させた状態の負圧であり、非吸着時負圧V2よりも高い負圧を示す。非吸着時負圧V2とは、実装ヘッド51に何も吸着させていない状態の負圧を示す。吸着時負圧V1は、ノズル151の種類および電子部品Eの種類などによりあらかじめ設定されている。非吸着時負圧V2は、ノズル151の種類および電子部品Eの種類などにかかわらず一定値として設定されている。
以下に、図8〜図10を参照してノズル151がトップテープ12を吸着した状態を具体的に説明する。なお、図8〜図10は、新たな部品供給テープ11をテープフィーダ10にローディングした際において、制御部9によるテープ吸着確認処理が行われた状態を示す。この際、開放部104のカッター106によるトップテープ12の切断が行われることなく、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aが吸着位置Vpに搬送されている。
図7および図8に示すように、制御部9は、退避高さ位置H0から吸着高さ位置H1に実装ヘッド51とともにノズル151を下降させて、電子部品Eを吸着するように構成されている。しかし、トップテープ12の切断が行われていないので、実装ヘッド51は、トップテープ12を吸着している。トップテープ12を吸着した状態の実装ヘッド51の負圧は、吸着時負圧V1である。ここで、退避高さ位置H0とは、ノズル151を吸着位置VpのZ1方向の位置に移動させる際、ノズル151が基台1上の他の構成品に干渉しないようにZ1方向に退避させた位置を示す。
図9に示すように、制御部9は、ノズル151によりトップテープ12を吸着した状態で、吸着高さ位置H1から実装ヘッド51とともにノズル151を上昇するように構成されている。この際、トップテープ12は、キャリアテープ13に取り付けられているので、トップテープ12にはキャリアテープ13に戻る力が生じる。この結果、トップテープ12は、実装ヘッド51が上昇するに伴って実装ヘッド51から一部ずつ離れていく。これにより、実装ヘッド51の負圧は、吸着時負圧V1から徐々に低下する。
図10に示すように、実装ヘッド51は、トップテープ12を吸着しつつ上昇するが、トップテープ12が離れることによる負圧の低下およびトップテープ12に生じるキャリアテープ13に戻る力によって、高さ範囲Ra内においてトップテープ12から完全に離れる。これにより、実装ヘッド51の負圧は、非吸着時負圧V2まで低下する。
上記した説明では、新たな部品供給テープ11をテープフィーダ10にローディングした際において、制御部9によるテープ吸着確認処理が行われた例を示したが、部品供給テープ11に収納されている全ての電子部品Eに対してテープ吸着確認処理が行われる。すなわち、制御部9は、部品吸着動作ごとに、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成されている。
図11では、図8〜図10に示したようなノズル151がトップテープ12を吸着した場合の、時間、Z軸位置および負圧に関するグラフを示す。図11において、横軸は、時間を示す。図11において、2つの縦軸のうち一方側(紙面右側)は、負圧を示し、他方側(紙面左側)はZ軸位置を示す。また、時間と負圧との関係のグラフを点線で示し、時間とZ軸位置との関係のグラフを実線で示す。また、Z軸位置とは、吸着高さ位置H1を基準点とした場合のノズル151の高さ位置を示す。
実装ヘッド51の負圧は、実装ヘッド51のZ軸位置が吸着位置Vpの際、吸着時負圧V1まで高くなる。その後、実装ヘッド51の負圧は、実装ヘッド51およびノズル151の上昇(高さ位置の増大)とともに低下し、高さ範囲Ra内のZ軸位置において急激に低下する。この際、制御部9では、部品供給テープ11のトップテープ12が開放部104により開放されていないため、トップテープ12を吸着したことが検知される。その後、ノズル151は、実装ヘッド51とともに退避高さ位置H0まで上昇する。
(テープ吸着確認処理)
以下に、テープ吸着確認処理について図12を参照して説明する。テープ吸着確認処理は、実装ヘッド51によりトップテープ12が吸着されたことを検知する処理である。
図12に示すように、ステップS1において、吸着高さ位置H1までノズル151(ノズル151の先端)が下降する。ステップS2において、吸着高さ位置H1において、ノズル151により吸着が行われる。ステップS3において、実装ヘッド51の負圧がしきい値Thよりも大きいか否かが判断される。すなわち、実装ヘッド51の負圧が吸着時負圧V1に達したか否かが判断される。負圧がしきい値Thよりも大きい場合はステップS4に進む。負圧がしきい値Th以下の場合はステップS8に進み、ノズル151の部品吸着不良であると制御部9により判断された後テープ吸着確認処理を終了する。
ステップS4において、実装ヘッド51を上昇させることにより、ノズル151も上昇させる。ステップS5において、ノズル151の高さ位置が所定高さ位置H2未満か否かが制御部9により判断される。すなわち、ノズル151の高さ位置が、高さ範囲Raの下限以上高さ範囲Raの上限未満の位置か否かが判断される。
ステップS5において、ノズル151の高さ位置が所定高さ位置H2未満であればステップS6に進む。ステップS5において、ノズル151の高さ位置が所定高さ位置H2以上であれば、ステップS9に進む。すなわち、負圧が吸着時負圧V1から非吸着時負圧V2付近にまで低下することなく、ノズル151の先端が高さ範囲Raを通過したことになるので、ステップS9においてノズル151による部品吸着が良好であると制御部9により判断された後、テープ吸着確認処理を終了する。
ステップS6において、負圧が低下したか否かが判断される。すなわち、負圧が吸着時負圧V1から非吸着時負圧V2付近にまで低下したか否かが判断される。負圧が低下していた場合には、ステップS7に進み、トップテープ12が有ると判断された後、テープ吸着確認処理を終了する。負圧の低下が抑制されていた場合には、ステップS5に戻る。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、部品実装装置100に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部9を設ける。これにより、ノズル151により電子部品Eを吸着する際、部品吸着動作と並行して負圧の変化に基づくトップテープ12の開放の不良を確認することができる。この結果、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。また、トップテープ12の開放の不良を検知することができるので、トップテープ12が開状態の場合はそのまま部品実装動作を行うか、または、トップテープ12が閉状態の場合はトップテープ12の開放の不良の報知を行うという処理の振り分けを適切に行うことができる。また、トップテープ12が収納部13aを閉塞したまま実装作業を継続することを抑制することができるので、部品実装装置100において誤った状態での処理の実施を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部9を、吸着高さ位置H1以上所定高さ位置H2未満の高さ範囲Raにおいて実装ヘッド51の負圧が低下したことに基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成する。これにより、トップテープ12の吸着を検知する範囲を高さ範囲Ra内に限ることにより、ノズル151がトップテープ12を吸着した場合、トップテープ12の開放の不良をノズル151による部品の吸着不良と誤って検知することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、高さ範囲Raを、テープフィーダ10に設置された部品供給テープ11のテープ送り方向Frおよび上下方向に直交する方向のテープ幅Twよりも小さくする。これにより、テープフィーダ10に設置された部品供給テープ11に応じたテープ幅Twよりも高さ範囲Raを小さく限ることにより、トップテープ12の開放の不良をノズル151による部品の吸着不良と誤って検知することをより抑制することができる。また、トップテープ12の開放の不良を検知する高さ範囲Raを十分に確保することができるので、トップテープ12の開放の不良をより確実に検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部9を、吸着位置Vpから上昇する際、吸着時負圧V1から、非吸着時負圧V2に低下したことに基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成する。これにより、ノズル151がトップテープ12を吸着した状態とノズル151がトップテープ12を吸着していない状態とを明確に区別して検知することができるので、トップテープ12の開放の不良を確実に検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部9を、部品吸着動作ごとに、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成する。これにより、新たな部品供給テープ11を供給した場合だけでなく部品供給テープ11の使用途中でトップテープ12の開放の不良が発生した場合にも、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知することができる。この結果、トップテープ12が収納部13aを閉塞したまま(覆ったまま)部品実装動作を継続することをより確実に抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図1〜図6および図13を参照して、第2実施形態の部品実装装置200について説明する。第2実施形態の部品実装装置200は、詳細には、高さ範囲Ra内における負圧の低下を1回のみ確認する上記第1実施形態の部品実装装置100とは異なり、高さ範囲Ra内における負圧の低下を複数回確認する。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の部品実装装置200は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部209とを備えている。
制御部209は、実装プログラムPに基づいて、テープ吸着確認処理においてヘッドの負圧の変化の確認を複数回行うように構成されている。すなわち、制御部209は、吸着位置Vpから上昇する際に実装ヘッド51の負圧が変化した場合、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づくノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を複数回繰り返して行うように構成されている。このように、制御部209は、高さ範囲Ra内において、複数回同じように負圧の変化を検知したか否かを確認するように構成されている。
具体的には、制御部209は、高さ範囲Ra内において負圧が吸着時負圧V1から非吸着時負圧V2に低下した場合、吸着回数Vnが所定回数を超えるまで、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づくノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を繰り返すように構成されている。ここで、吸着回数Vnとは、負圧がしきい値Thを超えた後、高さ範囲Ra内において負圧が吸着時負圧V1から非吸着時負圧V2に低下した回数を示す。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(テープ吸着確認処理)
以下に、テープ吸着確認処理について図13を参照して説明する。テープ吸着確認処理は、負圧の低下が複数回発生するか否かを確認する処理である。なお、ステップS1〜S9は、第1実施形態のテープ吸着確認処理のステップS1〜S9と同じであるので説明を省略する。
図13に示すように、ステップS21において、吸着回数Vnが所定回数未満か否かが判断される。吸着回数Vnが所定回数未満の場合、ステップS22に進み吸着回数Vnを加算(吸着回数Vnに1回を足す)した後、ステップS1に戻る。吸着回数Vnが所定回数以上の場合、ステップS7に進んで、ノズル151による部品吸着が良好であると制御部209により判断された後、テープ吸着確認処理を終了する。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の効果について説明する。
第2実施形態では、上記のように、部品実装装置200に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部209を設ける。これにより、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、制御部209を、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧が変化した場合、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づくノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を複数回繰り返して行うように構成する。これにより、ノズル151による電子部品Eの吸着不良の場合と異なり、ノズル151がトップテープ12を吸着した場合、トップテープ12の吸着を検知する制御を複数回繰り返したとしても、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化は確実に発生するので、トップテープ12の開放の不良をより正確に検知することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図1〜図5および図14〜図20を参照して、第3実施形態の部品実装装置300について説明する。第3実施形態の部品実装装置300は、詳細には、高さ範囲Ra内における負圧の低下を1回のみ確認する上記第1実施形態の部品実装装置100とは異なり、高さ範囲Ra内における負圧の低下を複数回確認するとともに、負圧が低下したノズル高さ位置H3のばらつきを確認する。なお、第3実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第3実施形態の部品実装装置300は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部309(図14参照)とを備えている。
図14に示すように、制御部309は、記憶部392を含んでいる。記憶部392には、基板B上に実装される電子部品Eの実装処理に基づく実装プログラムPが記憶されている。また、記憶部392には、吸着高さ位置H1、所定高さ位置H2、高さ範囲Ra、しきい値Th、吸着時負圧V1および非吸着時負圧V2が記憶されている。また、記憶部392には、後述する、吸着回数Vn、ノズル高さ位置H3、平均高さ位置H4および平均高さ範囲Rbが記憶されている。
制御部309は、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧に基づくノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を複数回繰り返して行う場合、2回目以降、記憶部392に記憶された実装ヘッド51の負圧が低下した複数の高さ位置の平均値を中心とし、高さ位置のばらつきを考慮した平均高さ範囲Rbに基づいて、ノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部309は、実装プログラムPに基づいて、テープ吸着確認処理において実装ヘッド51の負圧の変化の確認を複数回繰り返して行う場合、実装ヘッド51の負圧が変化したノズル高さ位置H3を記憶させ、記憶した高さ位置のばらつきが平均高さ範囲Rbに収まるか否かを判断するように構成されている。
ここで、複数の高さ位置の平均値とは、実装ヘッド51の負圧が変化したノズル高さ位置H3の平均値を示す。高さ位置の平均値を中心とし、高さ位置のばらつきを考慮した高さ範囲とは、平均高さ範囲Rbを示す。平均高さ範囲Rbは、複数の高さ位置の平均値よりも小さな高さ位置を下限とするとともに、複数の高さ位置の平均値よりも大きな高さ位置を上限とする範囲である。平均高さ範囲Rbの中心値は、複数の高さ位置の平均値である。
以下に、図15〜図17を参照して、ノズル151により吸着が不安定な状態で、実装ヘッド51が電子部品Eを吸着した状態を具体的に説明する。なお、図15〜図17は、新たな部品供給テープ11をテープフィーダ10にローディングした際において、実装ヘッド51が電子部品Eを吸着した状態を示す。この際、開放部104のカッター106によるトップテープ12の切断が行われ、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aが吸着位置Vpに搬送されている。
図15に示すように、制御部309は、退避高さ位置H0から吸着高さ位置H1に実装ヘッド51とともにノズル151を下降させるように構成されている。ここで、実装ヘッド51の負圧は、非吸着時負圧V2である。制御部309は、退避高さ位置H0から吸着高さ位置H1に実装ヘッド51とともにノズル151を下降させて、ノズル151により電子部品Eを吸着するように構成されている。ノズル151により電子部品Eを吸着した状態の実装ヘッド51の負圧は、吸着時負圧V1である。
図16に示すように、制御部309は、ノズル151により電子部品Eを吸着した状態で、吸着高さ位置H1から上昇するように構成されている。この際、電子部品Eは、ノズル151の欠けなどに起因する実装ヘッド51の負圧の低下が生じている場合、実装ヘッド51が上昇するに伴って、実装ヘッド51の負圧が吸着時負圧V1よりも低くなる。
図17に示すように、制御部309は、電子部品Eを吸着しつつ上昇するが、実装ヘッド51の負圧の低下により、実装ヘッド51とともにノズル151を退避高さ位置H0まで上昇させる前に、ノズル151から電子部品Eが完全に離れる。これにより、実装ヘッド51の負圧は、非吸着時負圧V2にまで低下する。
上記した説明では、新たな部品供給テープ11をテープフィーダ10にローディングした際において、実装ヘッド51が電子部品Eを吸着した状態を確認するテープ吸着確認処理を示したが、テープ吸着確認処理は部品供給テープ11に収納されている全ての電子部品Eに対して行われる。
以下に、図15〜図17に示した実装ヘッド51が電子部品Eを吸着した複数(2個)の状態についての、時間、Z軸位置および負圧に関するグラフを図18に示す。図18において、横軸は、時間を示す。図18において、2つの縦軸のうち一方側(紙面右側)は、負圧を示し、他方側(紙面左側)はZ軸位置(ノズル151の高さ位置)を示す。
電子部品Eを吸着した複数の状態の負圧は、第1負圧および第2負圧とする。第1負圧は、第2負圧よりも早期に電子部品Eがノズル151から離れている。第1負圧において、非吸着時負圧V2まで低下した高さ位置は、高さ範囲Ra内に収まっている。第2負圧において、非吸着時負圧V2まで低下した高さ位置は、高さ範囲Ra外である。また、時間と第1負圧との関係を点線で示し、時間と第2負圧との関係を一点鎖線で示し、時間とZ軸位置との関係を実線で示す。
このように、電子部品Eを吸着した状態の実装ヘッド51の負圧の低下は、トップテープ12を吸着した状態の実装ヘッド51の負圧の低下と比較して、非吸着時負圧V2まで低下する高さ位置がばらつくことになる。
これにより、制御部309は、実装ヘッド51の負圧の低下したノズル高さ位置H3が一定範囲内にばらつきが収まっている場合には、ノズル151にトップテープ12を吸着したと判断可能である。この際、制御部309は、トップテープ12が残っていることに起因する実装ヘッド51の負圧の低下が発生していると判断可能である。また、制御部309は、実装ヘッド51の負圧の低下したノズル高さ位置H3が一定範囲外に分散している場合には、ノズル151に電子部品Eを吸着したと判断可能である。この際、制御部309は、ノズル151の欠けなどに起因する実装ヘッド51の負圧の低下が発生していると判断可能である。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(テープ吸着確認処理)
以下に、テープ吸着確認処理について図19を参照して説明する。テープ吸着確認処理は、負圧の低下が複数回発生するとともに、負圧が低下した高さ位置が一定範囲内に収まるか否かを確認する処理である。なお、ステップS1〜S9は、第1実施形態のテープ吸着確認処理のステップS1〜S9と同じであるので説明を省略する。
図19に示すように、ステップS32において、負圧が低下した際のノズル高さ位置H3が記憶部392に記憶される。ステップS33において、平均高さ位置H4を算出して平均高さ位置H4が記憶部392に記憶される。すなわち、記憶したノズル高さ位置H3の全てを加算するとともに、記憶されたノズル高さ位置H3の数で除算することにより、平均高さ位置H4が算出される。ステップS34において、吸着回数Vnが加算される。
ステップS35において、負圧詳細監視処理が行われる。以下に、負圧詳細監視処理について図20を参照して説明する。負圧詳細監視処理は、負圧が低下した高さ位置が平均高さ範囲Rb内に収まるか否かを確認する処理である。
図20に示すように、ステップS341において、ノズル高さ位置H3が平均高さ範囲Rb内か否かが判断される。ノズル高さ位置H3が平均高さ範囲Rb内であればステップS342に進み、ノズル高さ位置H3が平均高さ範囲Rb外であればステップS8へ進む。ステップS342において、平均高さ範囲Rb内において負圧が低下したか否かが判断される。負圧が非吸着時負圧V2まで低下していればステップS343に進み、負圧が非吸着時負圧V2まで低下していなければステップS8へ進む。
ステップS343において、吸着回数Vnが所定回数以上か否かが判断される。吸着回数Vnが所定回数未満の場合、ステップS32に進む。吸着回数Vnが所定回数以上の場合、ステップS344に進んで、トップテープ12が有ると判断された後、負圧詳細監視処理が終了するとともに、テープ吸着確認処理も終了する。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態の効果について説明する。
第3実施形態では、上記のように、部品実装装置300に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部309を設ける。これにより、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、制御部309を、トップテープ12の吸着を検知する制御を複数回繰り返して行う場合、2回目以降、高さ位置のばらつきを考慮した平均高さ範囲Rbに基づいて、ノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成する。これにより、高さ位置のばらつきを考慮することにより、実装ヘッド51の負圧が低下する高さ位置がばらつきやすい場合と実装ヘッド51の負圧がばらつきにくい場合とを区別することができる。したがって、実装ヘッド51の負圧が低下する高さ位置がばらつきやすいノズル151による部品の吸着不良の場合と、実装ヘッド51の負圧が低下する高さ位置が一定になりやすいノズル151によるトップテープ12の吸着とを区別して検知することができる。この結果、トップテープ12の開放の不良をノズル151による部品の吸着不良と誤って検知することを抑制することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第4実施形態]
次に、図1〜図6および図21を参照して、第4実施形態の部品実装装置400について説明する。第4実施形態の部品実装装置400は、詳細には、高さ範囲Ra内における負圧の低下を1回のみ確認する上記第1実施形態の部品実装装置100とは異なり、高さ範囲Ra内における負圧の低下を複数回確認する場合、実装ヘッド51の上昇速度を減少させる。なお、第4実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第4実施形態の部品実装装置400は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部409とを備えている。
制御部409は、実装プログラムPに基づいて、テープ吸着確認処理において実装ヘッド51の負圧の変化の確認を複数回行う場合、実装ヘッド51の上昇速度を変化させるように構成されている。すなわち、制御部409は、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を複数回繰り返して行う場合、2回目以降の吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の上昇速度を、1回目の上昇速度よりも遅くする制御を行うように構成されている。このように、制御部409は、高さ範囲Ra内において、複数回同じように負圧の変化を検知するのではなく、実装ヘッド51の上昇速度を遅くして電子部品Eがノズル151から離れにくいような条件に変更して、トップテープ12を吸着したか否かを確認するように構成されている。
具体的には、制御部409は、高さ範囲Ra内において負圧が吸着時負圧V1から非吸着時負圧V2に低下した場合、吸着回数Vnが所定回数を超えるまで、実装ヘッド51の上昇速度を遅くしつつ、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づくノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を繰り返すように構成されている。ここで、実装ヘッド51の上昇速度は、1回目の上昇速度に比べて大幅(たとえば、約10%位)に上昇速度を減少させることが好ましい。なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(テープ吸着確認処理)
以下に、テープ吸着確認処理について図21を参照して説明する。テープ吸着確認処理は、負圧の低下が複数回発生した場合、実装ヘッド51の上昇速度を遅くする処理である。なお、ステップS1〜S9は、第1実施形態のテープ吸着確認処理のステップS1〜S9と同じであるので説明を省略する。
図21に示すように、ステップS41において、吸着回数Vnが1回目か否かが判断される。吸着回数Vnが1回目の場合、ステップS5に進み、吸着回数Vnが2回目以降の場合、ステップS44に進む。ステップS44において、実装ヘッド51の上昇速度が減少される。ここで、実装ヘッド51の上昇速度は1回目の上昇速度に対して大幅に減少される。
ステップS42において、吸着回数Vnが所定回数未満か否かが判断される。吸着回数Vnが所定回数未満の場合、ステップS43に進み、吸着回数Vnを加算(吸着回数Vnに1回を足す)した後、ステップS1に戻る。吸着回数Vnが所定回数以上の場合、ステップS7に進んで、トップテープ12有りと判断された後、テープ吸着確認処理を終了する。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態の効果について説明する。
第4実施形態では、上記のように、部品実装装置400に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部409を設ける。これにより、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。
また、第4実施形態では、上記のように、制御部409を、トップテープ12の吸着を検知する制御を複数回繰り返して行う場合、2回目以降の吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の上昇速度を、1回目の上昇速度よりも遅くする制御を行うように構成する。これにより、実装ヘッド51による部品の吸着不良の場合、実装ヘッド51の上昇速度を遅くすることにより、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化(すなわち、ノズル151による電子部品Eの吸着不良)を抑制することができる。この結果、部品の吸着不良とトップテープ12の開放の不良とを区別して検知することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第5実施形態]
次に、図1〜図6および図22を参照して、第5実施形態の部品実装装置500について説明する。第5実施形態の部品実装装置500は、詳細には、高さ範囲Ra内における負圧の低下のみを確認する上記第1実施形態の部品実装装置500とは異なり、高さ範囲Ra内における負圧の低下を確認した場合、基板認識カメラ7によるトップテープ12の確認を減少させる。なお、第5実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第5実施形態の部品実装装置500は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部509とを備えている。
制御部509は、実装プログラムPに基づいて、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧が変化した場合に、基板認識カメラ7により吸着位置Vpを撮像することによってトップテープ12の開閉状態を確認する制御を行うように構成されている。すなわち、制御部509は、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧が変化した場合に、基板認識カメラ7により撮像された画像によりトップテープ12が開状態だと確認された場合、ノズル151によるトップテープ12の吸着ではなく、実装ヘッド51による部品の吸着不良であると判断する制御を行うように構成されている。
具体的には、制御部509は、高さ範囲Ra内において負圧が吸着時負圧V1から非吸着時負圧V2に低下した場合、基板認識カメラ7により吸着位置Vpを撮像した画像内の輝度値(光沢)、または、画像内の電子部品Eの認識(電子部品Eの有り無し)によって、トップテープ12の開閉状態を確認する制御を行うように構成されている。ここで、トップテープ12が有る場合には、画像内の輝度値が、トップテープ12がない場合よりも小さい値になる。さらに、トップテープ12が無い場合には、画像内において、電子部品Eが認識される。なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(テープ吸着確認処理)
以下に、テープ吸着確認処理について図22を参照して説明する。テープ吸着確認処理は、負圧が低下した場合、トップテープ12の有無を吸着位置Vpの画像で確認する処理である。なお、ステップS1〜S9は、第1実施形態のテープ吸着確認処理のステップS1〜S9と同じであるので説明を省略する。
図22に示すように、ステップS51において、基板認識カメラ7でトップテープ12が確認される。すなわち、基板認識カメラ7により吸着位置Vp周辺を撮像して取得された画像に基づいて、トップテープ12の有無が制御部509により判断される。ステップS52において、トップテープ12が有りと判断された場合には、そのままテープ吸着確認処理が終了する。ステップS52において、トップテープ12が無いと判断された場合には、ステップS53に進み、電子部品Eの吸着不良と判断した後にテープ吸着確認処理が終了する。
(第5実施形態の効果)
第5実施形態の効果について説明する。
第5実施形態では、上記のように、部品実装装置500に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部509を設ける。これにより、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。
また、第5実施形態では、上記のように、制御部509を、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧が変化した場合に、基板認識カメラ7により吸着位置Vpを撮像することによってトップテープ12の開閉状態を確認する制御を行うように構成する。これにより、実装ヘッド51による部品の吸着不良の場合においてはトップテープ12の状態が開状態であるが、ノズル151によりトップテープ12を吸着した場合においてはトップテープ12の状態が閉状態であることを利用して、部品の吸着不良とトップテープ12の開放の不良とをより確実に区別して検知することができる。この結果、トップテープ12の開放の不良をノズル151による部品の吸着不良と誤って検知することを抑制することができる。
また、第5実施形態では、上記のように、制御部509を、実装ヘッド51の負圧が変化した場合に、基板認識カメラ7により撮像された画像によりトップテープ12が開状態だと確認された場合、トップテープ12の吸着ではなく、部品の吸着不良であると判断する制御を行うように構成する。これにより、実装ヘッド51の負圧が変化した場合に基板認識カメラ7により撮像された画像によりトップテープ12の開閉状態および電子部品Eの有無などを確認することができるので、部品の吸着不良とトップテープ12の開放の不良とをより正確に区別して検知することができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第6実施形態]
次に、図1〜図6、図23および図24を参照して、第6実施形態の部品実装装置600について説明する。第6実施形態の部品実装装置600は、詳細には、高さ範囲Ra内における負圧の低下のみを確認する上記第1実施形態の部品実装装置100とは異なり、高さ範囲Ra内における負圧の低下を確認した場合、部品供給テープ11を後退させた後にトップテープ12の確認させる。なお、第6実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第6実施形態の部品実装装置600は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部609とを備えている。
制御部609は、実装プログラムPに基づいて、テープフィーダ10に設置された新たな部品供給テープ11の電子部品Eを収納した最初の収納部13aが吸着位置Vpに送られた際、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧が変化した場合、最初の収納部13aに隣接する下流側の収納部13aを吸着位置Vpに移動させて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成されている。最初の収納部13aに隣接する下流側の収納部13aは、新たな部品供給テープ11を導入するための作業において、電子部品Eが収納されていない空の収納部13aにしている。
具体的には、制御部609は、新たな部品供給テープ11がローディング(導入)されるとともに、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aが吸着位置Vpに配置された際、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧が変化した場合に、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aの下流側に隣接する収納部13aがトップテープ12に覆われているか否かを確認する制御を行うように構成されている。なお、第6実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(テープ吸着確認処理)
以下に、テープ吸着確認処理について図23を参照して説明する。テープ吸着確認処理は、負圧が低下した場合に、トップテープ12の有無を確認する処理である。なお、ステップS1〜S9は、第1実施形態のテープ吸着確認処理のステップS1〜S9と同じであるので説明を省略する。
図23に示すように、ステップS61において、空収納部確認処理が開始される。以下に、空収納部確認処理について図24を参照して説明する。空収納部確認処理は、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aの下流側の空の収納部13aがトップテープ12に覆われているか否かを確認する処理である。
図24に示すように、ステップS611において、部品供給テープ11を後退させる。すなわち、吸着位置Vpに、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aの下流側の空の収納部13aが配置される。ステップS612において、吸着高さ位置H1までノズル151(の先端)が下降する。ステップS613において、電子部品Eがノズル151により吸着が行われる。ステップS614において、負圧がしきい値Thを超えているか否かが判断される。負圧がしきい値Thを超えている場合は、ステップS615に進む。負圧がしきい値Th以下の場合は、ステップS619に進み吸着不良と判断した後に空収納部確認処理を終了する。
ステップS615において、実装ヘッド51が上昇される。ステップS616において、ノズル151の高さ位置が所定高さ位置H2以下か否かが判断される。ノズル151の高さ位置が所定高さ位置H2以下の場合は、ステップS617に進む。ノズル151の高さ位置が所定高さ位置H2を超えた場合は、ステップS620において部品吸着良好と判断した後に空収納部確認処理を終了する。
ステップS617において、負圧が低下したか否かが判断される。実装ヘッド51の負圧が非吸着時負圧V2まで低下した場合は、ステップS618に進みトップテープ12有りと判断した後に空収納部確認処理を終了する。実装ヘッド51の負圧がしきい値Thを超えた負圧を維持した場合は、ステップS616に戻る。
(第6実施形態の効果)
第6実施形態の効果について説明する。
第6実施形態では、上記のように、部品実装装置600に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部609を設ける。これにより、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。
また、第6実施形態では、上記のように、制御部609を、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aが吸着位置Vpに送られた際、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧が変化した場合、最初の収納部13aに隣接する下流側の収納部13aを吸着位置Vpに移動させて、ノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御を行うように構成する。これにより、最初の収納部13aに隣接する下流側の収納部13aを再確認することにより、再確認の際に実装ヘッド51の負圧が変化した場合には、トップテープ12が開放されていない状態であるので、トップテープ12の開放の不良と判断することできる。また、再確認の際に実装ヘッド51の負圧が変化しなかった場合には、トップテープ12が開放された状態であるので、部品の吸着不良と判断することができる。これらの結果、部品の吸着不良とトップテープ12の開放の不良とを区別して検知することができる。また、新たな部品供給テープ11の先端の状態によっては新たな部品供給テープ11のトップテープ12が開放されにくくなりやすい。これにより、最初の収納部13aに隣接する下流側の収納部13aを再度確認することにより、新たな部品供給テープ11の最初の収納部13aのトップテープ12の開放の不良を確実に検知することができる。なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第7実施形態]
次に、図1〜図6および図25を参照して、第7実施形態の部品実装装置700について説明する。第7実施形態の部品実装装置700は、詳細には、高さ範囲Ra内における負圧の低下のみを確認する上記第1実施形態の部品実装装置100とは異なり、高さ範囲Ra内における負圧の低下を確認しトップテープ12により収納部13aが覆われていると判断した場合、部品供給テープ11を後退させて開放部104によりトップテープ12を再度開放させる。なお、第7実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第7実施形態の部品実装装置700は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部709とを備えている。
制御部709は、実装プログラムPに基づいて、吸着位置Vpに配置された収納部13aがトップテープ12に覆われていると判断した場合、再ローディングをローディング回数が所定回数を超えるまで行うように構成されている。ここで、再ローディングとは、部品供給テープ11を後退させ、収納部13aを開放部104よりも上流側に移動させた後、開放部104によるトップテープ12の開放を再度行うことを示す。
具体的には、制御部709は、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知した場合、開放部104よりも上流側に部品供給テープ11を移動させて開放部104による収納部13aの開口13bの開放を再度行うようにテープフィーダ10を制御するように構成されている。なお、第7実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(テープ吸着確認処理)
以下に、再ローディング処理について図25を参照して説明する。再ローディング処理は、テープ吸着確認処理においてトップテープ12有りと判断された場合、再ローディングを行う処理である。なお、ステップS72のテープ吸着確認処理は、第1実施形態のテープ吸着確認処理と同じであるので説明を省略する。
図25に示すように、ステップS71において、新たな部品供給テープ11が供給された否かが判断される。すなわち、センサ108(図3参照)による部品供給テープ11の検知結果に基づいて、制御部709によって新たな部品供給テープ11が供給されたか否かが判断される。新たな部品供給テープ11が供給されている場合はステップS72に進む。新たな部品供給テープ11が供給されていない場合はステップS77に進み、通常のテープ吸着確認処理が行われた後、再ローディング処理が終了する。なお、通常のテープ吸着確認処理とは、電子部品Eを吸着した状態で、吸着高さ位置H1から退避高さ位置H0までノズル151の先端を上昇させる処理を示す。
ステップS72において、テープ吸着確認処理が行われる。ステップS73において、テープ吸着確認処理の検査結果として、トップテープ12が有るか否かが判断される。トップテープ12が有る場合は、ステップS74に進む。トップテープ12が無い場合は、ステップS77を実行した後再ローディング処理を終了する。
ステップS74において、ローディング回数が所定回数未満か否かが判断される。ローディング回数が所定回数未満の場合、ステップS75において再ローディングを行い、ステップS76においてローディング回数を加算した後、ステップS72に戻る。ローディング回数が所定回数以上の場合、再ローディング処理を終了する。
(第7実施形態の効果)
第7実施形態の効果について説明する。
第7実施形態では、上記のように、部品実装装置700に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部709を設ける。これにより、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。
また、第7実施形態では、上記のように、制御部709を、トップテープ12の吸着を検知した場合、開放部104よりも上流側に部品供給テープ11を移動させて開放部104による収納部13aの開口13bの開放を再度行うようにテープフィーダ10を制御するように構成する。これにより、トップテープ12の開放の不良に起因して収納部13aの開口13bが開放されていない場合に、自動で開放部104による収納部13aの開口13bの開放を再度行うことができる。この結果、部品実装装置700の実装作業の停止時間の増大を抑制することができる。なお、第7実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第8実施形態]
次に、図1〜図6および図26を参照して、第8実施形態の部品実装装置800について説明する。第8実施形態の部品実装装置800は、詳細には、高さ範囲Ra内における負圧の低下のみを確認する上記第1実施形態の部品実装装置800とは異なり、高さ範囲Ra内における負圧の低下を確認しトップテープ12により収納部13aが覆われていると判断した場合、作業者に警告を行う。なお、第8実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
第8実施形態の部品実装装置800は、基台1と、基板搬送部2と、支持部3と、レール部4と、ヘッドユニット5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、表示部8と、制御部809とを備えている。
制御部809は、実装プログラムPに基づいて、吸着位置Vpに配置された収納部13aがトップテープ12に覆われていると判断した場合、表示部8により作業者に警告表示を行うように構成されている。
具体的には、制御部809は、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知した場合、部品供給テープ11の先端処理の再実施および電子部品Eのフィーダへの再設置(部品供給テープ11の再設置)の少なくともいずれかを行わせるための警告表示を表示部8に表示する制御を行うように構成されている。なお、第8実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(テープ吸着確認処理)
以下に、警告表示処理について図26を参照して説明する。警告表示処理は、テープ吸着確認処理においてトップテープ12有りと判断された場合、作業者にトップテープ12により収納部13aが覆われていることを報知する処理である。なお、ステップS82のテープ吸着確認処理は、第1実施形態のテープ吸着確認処理と同じであるので説明を省略する。
図26に示すように、ステップS81において、新たな部品供給テープ11が供給された否かが判断される。新たな部品供給テープ11が供給されている場合はステップS82に進む。新たな部品供給テープ11が供給されていない場合はステップS85に進み、通常のテープ吸着確認処理が行われた後、警告表示処理が終了する。
ステップS82において、テープ吸着確認処理が行われる。ステップS83において、テープ吸着確認処理の検査結果として、トップテープ12が有るか否かが判断される。トップテープ12が有る場合は、ステップS84に進む。トップテープ12が無い場合は、ステップS85を実行した後警告表示処理を終了する。
ステップS84において、表示部8により作業者に警告表示がされた後、警告表示処理を終了する。この場合、ノズル151の吸着不良と表示されるのではなく、トップテープ12が収納部13aを覆っていることに起因する不良であると作業者に報知される。
(第8実施形態の効果)
第8実施形態の効果について説明する。
第8実施形態では、上記のように、部品実装装置800に、部品吸着動作を行う際に、吸着位置Vpから上昇する際の実装ヘッド51の負圧の変化に基づいて、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知する制御部809を設ける。これにより、実装ヘッド51による電子部品Eの実装に要する作業時間の増大を抑制しつつ、トップテープ12の開放の不良を検知することができる。
また、第8実施形態では、上記のように、制御部809を、トップテープ12の吸着を検知した場合、部品供給テープ11の先端処理の再実施および電子部品Eのテープフィーダ10への再設置の少なくともいずれかを行わせるための警告表示を表示部8に表示する制御を行うように構成する。これにより、単に不良(エラー)が発生したことだけを示す場合と異なり、具体的な復旧方法を示すことができるので、作業者が復旧方法を判断する際に必要となる時間を短縮することができる。この結果、部品実装装置800の復旧作業に必要となる時間の増大を抑制することができるので、部品実装装置800の実装作業の停止時間の増大を抑制することができる。なお、第8実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第8実施形態では、制御部9(209、309、409、509、609、709、809)は、実装プログラムPに基づいて、全ての電子部品Eの吸着の際にテープ吸着確認処理を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、新たな部品供給テープに切り替わった際にのみテープ吸着確認処理を行ってもよい。
また、上記第4実施形態では、実装ヘッド51の上昇速度は、1回目の上昇速度に比べて大幅(約10%位)に減少させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、実装ヘッドの上昇速度は、2回目以降において徐々に減少させてもよい。
また、上記第8実施形態では、制御部809は、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知した場合、部品供給テープ11の先端処理の再実施およびリールRの再設置の少なくともいずれかを行わせるための警告表示を表示部8に表示する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、表示部だけでなく音を用いて警告をおこなってもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、テープフィーダ10(フィーダ)は、自動で部品供給テープ11(部品供給テープ)をローディング可能なオートローディングフィーダである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、フィーダは、手動で部品供給テープを連結するフィーダであってもよい。
また、第8実施形態では、表示部8により作業者に警告表示がされる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部だけでなく、作業者が所持している携帯端末に警告表示を行ってもよい。
また、上記第8実施形態では、制御部809は、オートローディングフィーダであるテープフィーダ10(フィーダ)の場合において、吸着位置Vpにおけるノズル151によるトップテープ12の吸着を検知した場合、警告表示を表示部8に表示する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、オートローディングフィーダ以外のフィーダの場合において、部品のフィーダへの再設置(部品供給テープの再設置)を行わせるための警告表示を表示部8に表示する制御を行うように構成されてもよい。
また、上記第1〜第8実施形態では、説明の便宜上、制御部9(209、309、409、509、609、709、809)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。