JP2021027132A - 圧電積層体、圧電素子、および圧電積層体の製造方法 - Google Patents

圧電積層体、圧電素子、および圧電積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリニオブ酸化物からなる圧電膜を有する圧電積層体の絶縁性をさらに向上させる。【解決手段】基板と、基板上に製膜された電極膜と、電極膜上に設けられたニッケル酸ランタンからなる層と、ニッケル酸ランタンからなる層上に製膜され、組成式(K1−xNax)NbO3(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む圧電膜と、を備え、圧電膜の絶縁耐圧が350kV/cm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電積層体、圧電素子、および圧電積層体の製造方法に関する。
圧電体は、センサ、アクチュエータ等の機能性電子部品に広く利用されている。圧電体の材料としては、鉛系材料、特に、組成式Pb(Zr1−xTi)Oで表されるPZT系の強誘電体が広く用いられている。PZT系の圧電体は鉛を含有しているため、公害防止の面等から好ましくない。そこで、鉛非含有の圧電体の材料として、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。近年、KNNのように鉛非含有の材料からなる圧電体の性能をさらに高めることが強く求められている。
特開2007−184513号公報 特開2008−159807号公報
本発明の目的は、アルカリニオブ酸化物からなる圧電膜を有する圧電積層体の絶縁性をさらに向上させることにある。
基板と、
前記基板上に製膜された電極膜と、
前記電極膜上に設けられたニッケル酸ランタンからなる層と、
前記ニッケル酸ランタンからなる層上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む圧電膜と、を備え、
前記圧電膜の絶縁耐圧が350kV/cm以上である圧電積層体およびその関連技術が提供される。
本発明によれば、アルカリニオブ酸化物からなる圧電膜を有する圧電積層体の絶縁性をさらに向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる圧電積層体の断面構造の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電積層体の断面構造の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電デバイスの概略構成の一例を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)圧電積層体の構成
図1に示すように、本実施形態にかかる圧電膜を有する積層体(積層基板)10(以下、圧電積層体10とも称する)は、基板1と、下部電極膜2と、圧電膜(圧電薄膜)3と、上部電極膜4と、を備えている。
基板1としては、熱酸化膜またはCVD(Chemical Vapor Deposition)酸化膜等の表面酸化膜(SiO膜)1bが形成された単結晶シリコン(Si)基板1a、すなわち、表面酸化膜を有するSi基板を好適に用いることができる。また、基板1としては、図2に示すように、その表面にSiO以外の絶縁性材料により形成された絶縁膜1dを有するSi基板1aを用いることもできる。また、基板1としては、表面にSi(100)面またはSi(111)面等が露出したSi基板1a、すなわち、表面酸化膜1bまたは絶縁膜1dを有さないSi基板を用いることもできる。また、基板1としては、SOI(Silicon On Insulator)基板、石英ガラス(SiO)基板、ガリウム砒素(GaAs)基板、サファイア(Al)基板、ステンレス(SUS)等の金属材料により形成された金属基板を用いることもできる。単結晶Si基板1aの厚さは例えば300〜1000μm、表面酸化膜1bの厚さは例えば1〜4000nmとすることができる。
下部電極膜2は、基板1上に製膜されている。下部電極膜2は、例えば、白金(Pt)を用いて製膜することができる。下部電極膜2は、多結晶膜(以下、これをPt膜とも称する)となる。Pt膜を構成する結晶は、基板1の表面に対して(111)面方位に優先配向していることが好ましい。すなわち、Pt膜の表面(後述のLNO層7の下地となる面)は、主にPt(111)面により構成されていることが好ましい。Pt膜は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて製膜することができる。下部電極膜2は、Pt以外に、金(Au)、ルテニウム(Ru)、またはイリジウム(Ir)等の各種金属、これらの各種金属を主成分とする合金等を用いて製膜することもできる。なお、基板1と下部電極膜2との間には、これらの密着性を高めるため、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、ニッケル(Ni)、ルテニウム酸化物(RuO)、イリジウム酸化物(IrO)等を主成分とする密着層6が設けられていてもよい。密着層6は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて製膜することができる。下部電極膜2の厚さは例えば100〜400nm、密着層6の厚さは例えば1〜200nmとすることができる。
圧電膜3は、例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ニオブ(Nb)を含み、組成式(K1−xNa)NbOで表されるアルカリニオブ酸化物、すなわち、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)を用いて製膜することができる。上述の組成式中の係数x[=Na/(K+Na)]は、0<x<1の範囲内の大きさとする。圧電膜3は、KNNの多結晶膜(以下、KNN膜3とも称する)となる。KNNの結晶構造は、ペロブスカイト構造となる。KNN膜3は、スパッタリング法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、ゾルゲル法等の手法を用いて製膜することができる。KNN膜3の厚さは例えば0.5μm以上5μm以下、好ましくは0.5μm以上2μm以下、より好ましくは0.5μm以上1μm未満である。
KNN膜3を構成する結晶は、基板1(基板1が例えば表面酸化膜1bまたは絶縁膜1d等を有するSi基板1aである場合はSi基板1a)の表面に対して(001)面方位に優先配向していることが好ましい。すなわち、KNN膜3の表面(上部電極膜4の下地となる面)は、主にKNN(001)面方位により構成されていることが好ましい。例えば、KNN膜3の表面のうち80%以上の領域がKNN(001)面であることが好ましい。
KNN膜3を構成する結晶粒群のうち半数以上の結晶が柱状構造を有していることが好ましい。KNN膜3を構成する結晶同士の境界、すなわちKNN膜3中の(結晶)粒界は、KNN膜3の厚さ方向に貫いていることが好ましい。例えば、KNN膜3では、その厚さ方向に貫く粒界が、KNN膜3の厚さ方向に貫いていない粒界(例えば基板1の平面方向に平行な粒界)よりも多いことが好ましい。
KNN膜3は、銅(Cu)およびマンガン(Mn)からなる群より選択される金属原子を0.2at%以上2.0at%以下の範囲内の濃度で含む。CuおよびMnの両方の金属元素を含む場合は、CuおよびMnの合計濃度が上記範囲内にあることが好ましい。
KNN膜3中にCu又はMnの少なくともいずれかを上述の濃度範囲で添加(ドープ)することで、KNN膜3の膜特性を向上させることが可能となる。例えば、圧電積層体10を加工することで作製される後述の圧電素子20(圧電デバイス30)に電界を印加した際(すなわち、KNN膜3に電界を印加した際)に流れるリーク電流が大きくなることを抑制したり(すなわちKNN膜3のリーク耐性を高めたり)、KNN膜3の比誘電率を圧電積層体10の用途に応じた好適な大きさとしたりすることが可能となる。
KNN膜3を構成する結晶(結晶粒)の内部や、KNN膜3中の粒界上には、所定の割合で酸素欠損(酸素空乏(Oxygen Vacancy))が存在している。KNN膜3に電界を印加した際等に、上述のKNN膜3の粒界上の酸素欠損が移動することがある。酸素欠損が移動して電極膜(下部電極膜2または上部電極膜4)に到達すると、酸素欠損と電極膜を構成する金属とが反応して短絡(ショート)してしまう。KNN膜3中にCuを添加することで、このCuがKNN膜3の粒界上の酸素欠損と対になる、すなわち粒界上のCuが酸素欠損をトラップする。その結果、KNN膜3の粒界上の酸素欠損の移動を抑制することが可能となる。
さらにまた、KNN膜3中にCuを上述の濃度範囲で添加することで、フッ素系エッチング液(例えばフッ化水素(HF)及びフッ化アンモニウム(NHF)をそれぞれ所定の濃度で含むバッファードフッ酸(BHF)溶液)に対する耐性、すなわちエッチング耐性を高めることも可能となる。これにより、KNN膜3の露出面を保護するための保護膜を形成する必要がなくなる。すなわち、保護膜を形成することなく、エッチング液としてBHF溶液を用いることができるようになる。その結果、圧電積層体10を作製した後の処理における加工プロセスを簡素化させることができる。
上述の酸素欠損移動抑制効果及びKNN膜3のエッチング耐性を高める効果は、KNN膜3中にCuの代わりにMnを添加した場合には得られにくい。この点で、KNN膜3中にCuを添加する方がMnを添加する場合よりも好ましい。以下では、Cuが上述の所定の濃度範囲で添加されたKNN膜3(Cu−KNN膜3とも称する)について説明する。
上部電極膜4は、Cu−KNN膜3上に製膜されている。上部電極膜4は、例えば、Pt、Au、アルミニウム(Al)、Cu等の各種金属またはこれらの合金を用いて製膜することができる。上部電極膜4は、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法、金属ペースト法等の手法を用いて製膜することができる。上部電極膜4は、下部電極膜2のようにKNN膜3の結晶構造に大きな影響を与えるものではない。そのため、上部電極膜4の材料、結晶構造、製膜手法は特に限定されない。なお、KNN膜3と上部電極膜4との間には、これらの密着性を高めるため、例えば、Ti、Ta、TiO、Ni、RuO、IrO等を主成分とする密着層が設けられていてもよい。上部電極膜4の厚さは例えば10〜5000nm、密着層を設ける場合には密着層の厚さは例えば1〜200nmとすることができる。
従来より、基板1と、下部電極膜2と、Cu−KNN膜3と、上部電極膜4とを有する圧電積層体は、Cu−KNN膜3を下部電極膜2上に直接製膜することで形成されている。しかしながら、このような従来の圧電積層体では、Cu−KNN膜3の絶縁耐圧が低いことが分かった。そこで、本願発明者等は、Cu−KNN膜3を有する圧電積層体において、Cu−KNN膜3の絶縁耐圧を高めることについて鋭意検討を行った。その結果、本願発明者等は、Cu−KNN膜3の直下にニッケル酸ランタン(LaNiO、略称:LNO)からなる層(LNO層)7を設けることで、Cu−KNN膜3が高い絶縁耐圧を有するようになることを見出した。このことは、本願発明者等により初めて見出された知見である。
LNO層7は、下部電極膜2とCu−KNN膜3との間、具体的には下部電極膜2上であってCu−KNN膜3の直下に設けられている。LNO層7は、単結晶層または多結晶層となる。LNOの結晶構造はペロブスカイト構造となる。LNOは(100)面方位に自己配向しやすい材料である。LNO層7を構成する結晶は、基板1の表面に対して(100)面方位に優先配向していることが好ましい。すなわち、LNO層7の表面(Cu−KNN膜3の下地となる面)は、主にLNO(100)面により構成されていることが好ましい。基板1の表面に対して(111)面方位に優先配向させたPt膜上にLNO層7を直接形成することで、LNO層7を構成する結晶を、基板1の表面に対して(100)面方位に優先配向させることが可能となる。LNO層7は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて形成することができる。
このように、LNO層7は、主に(100)面により構成された表面を有し、かつ、KNNと同じ結晶構造を有している。一方、下部電極膜2、すなわちPt膜は、主に(111)面により構成された表面を有し、KNNと異なる結晶構造を有している。このことから、LNO層7上にCu−KNN膜3を直接製膜する方が、下部電極膜2上にCu−KNN膜3を直接製膜する場合よりもCu−KNN膜3を構成する結晶を(001)面方位に優先配向させることが容易となる。特に、LNO層7上にCu−KNN膜3を直接製膜することで、Cu−KNN膜3の製膜初期段階からCu−KNN膜3を構成する結晶を(001)面方位に優先配向させることが可能となる。このため、Cu−KNN膜3の配向性、特に、LNO層7との界面近傍におけるCu−KNN膜3の配向性を向上させることが可能となる。これにより、Cu−KNN膜3の有効膜厚を増加させることができる。その結果、Cu−KNN膜3は350kV/cm以上、好ましくは400kV/cm以上の高い絶縁耐圧を有することとなる。このように、Cu−KNN膜3の直下にLNO層7を設けることで、Cu−KNN膜3の絶縁性を向上させることが可能となる。
LNOは、下部電極膜2や上部電極膜4等の電極膜を構成する材料として用いることができることが知られている。このため、下部電極膜2をLNOで形成し、その上(すなわちLNOからなる下部電極膜2上)にCu−KNN膜3を直接製膜することも考えられる。しかしながら、この場合、圧電積層体10を作製した後のエッチング処理の制御が非常に難しくなることがある。すなわち、圧電積層体10を作製した後のエッチング処理の制御性が低下することがある。例えば、Cu−KNN膜3を所定形状にパターニングするウェットエッチングを行う際のエッチングレートの制御が難しくなることがある。というのも、KNNとLNOとは共に酸化物であることから、所定のエッチング液(例えば、キレート剤のアルカリ水溶液を含みフッ酸を含まないエッチング液、具体的には、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸(略称:EDTA、5g、〜0.1M(mol/L)、好ましくは0.01M以上0.1M以下)と、アンモニア水(NHOH、29%、37mL)と、過酸化水素水(30%、125mL)とを混合したエッチング液)に対するエッチングレートが同程度となる。このため、LNOを用いて下部電極膜2が製膜されていると、Cu−KNN膜3のウェットエッチング時に下部電極膜2も一緒にエッチングされて除去されてしまうことがある。したがって、下部電極膜2をLNOで形成する場合、Cu−KNN膜3をパターニングする際のエッチングレートの制御を緻密に行う必要がある。
これに対し、本実施形態では、下部電極膜2とは別にLNO層7を設けている。LNO層7は、電極膜として機能させる目的で設けられているのではなく、Cu−KNN膜3の配向性、特に製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させる目的で設けられている。このため、Cu−KNN膜3を製膜した後は、LNO層7はエッチングされて除去されてもよい。すなわち、Cu−KNN膜3のパターニング時にLNO層7がCu−KNN膜3と一緒にエッチングされて除去されてもよい。また、本実施形態では、下部電極膜2は、LNOとは異なる材料を用いて製膜されている。例えば、下部電極膜2は、所定のエッチング液に対するエッチングレートがKNNと異なる材料、好ましくは、所定のエッチング液に対するエッチングレートがKNNよりも低い材料を用いて製膜されている。具体的には、上述のように、下部電極膜2は、Pt、Au、Ru、またはIr等の各種金属や、これらの各種金属を主成分とする合金等を用いて製膜されている。本実施形態のこれらの構成により、上述の製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させる効果を得つつ、圧電積層体10を形成した後のエッチング処理の制御性の低下を抑制することが可能となる。
LNO層7を構成する結晶(結晶粒群)の平均粒径(以下、「LNO層7の平均結晶粒径」とも称する)は、例えば100nm以上であることが好ましい。ここでいうLNO層7の平均結晶粒径とは、基板1の平面方向におけるLNO層7の横断面での平均結晶粒径である。LNO層7の平均結晶粒径は、走査型電子顕微鏡で撮影した画像(SEM像)や、透過電子顕微鏡で撮影した画像(例えばTEM像)等の視野を画像解析することで得ることができる。画像解析ソフトとして、例えばWayne Rasband製の「ImageJ」を用いることができる。LNO層7は、その下地となる例えばPt膜の表面の結晶構造を引き継いで成長する。このため、Pt膜の平均結晶粒径が例えば100nm以上であることで、LNO層7の平均結晶粒径を例えば100nm以上にすることが容易となる。
Cu−KNN膜3は、その下地となるLNO層7の表面の結晶構造を引き継いで成長する。このため、LNO層7の平均結晶粒径を大きくすることで、Cu−KNN膜3を構成する結晶粒群の平均粒径(以下、「Cu−KNN膜3の平均結晶粒径」とも称する)を大きくすることができる。LNO層7の平均結晶粒径が例えば100nm以上であることで、Cu−KNN膜3の平均結晶粒径を例えば100nm以上にすることが容易となる。ここでいうCu−KNN膜3の平均結晶粒径とは、基板1の平面方向におけるCu−KNN膜3の横断面での平均結晶粒径である。Cu−KNN膜3の平均結晶粒径は、上述のLNO層7の平均結晶粒径と同様の解析で得ることができる。Cu−KNN膜3の平均結晶粒径を大きくすることで、Cu−KNN膜3中の粒界を減らすこと、すなわち、Cu−KNN膜3の粒界密度を低くすることが可能となる。
なお、Cu−KNN膜3の粒界密度を低くする観点からは、Cu−KNN膜3の平均結晶粒径は大きければ大きいほど好ましい。しかしながら、Cu−KNN膜3の平均結晶粒径がCu−KNN膜3の厚さよりも大きくなると、圧電特性の面内均一性が低下する場合がある。したがって、圧電特性の面内均一性の低下抑制の観点から、Cu−KNN膜3の平均結晶粒径は、Cu−KNN膜3の厚さよりも小さいことが好ましい。このことから、LNO層7の平均結晶粒径は、Cu−KNN膜3の平均結晶粒径をCu−KNN膜3の厚さよりも小さくすることができる大きさであることが好ましい。
LNO層7の厚さは例えば10nm以上、好ましくは20nm以上とすることができる。LNO層7の厚さを10nm以上とすることで、LNO層7を連続膜とすることができる。その結果、上述の製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させる効果を確実に得ることができる。LNO層7の厚さを20nm以上とすることで、LNO層7を確実に連続膜とすることができる。その結果、上述の製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させる効果をより確実に得ることができる。なお、LNO層7の厚さの上限は特に限定されない。しかしながら、圧電積層体10の小型化の観点から、LNO層7の厚さは例えば300nm以下であることが好ましい。
(2)圧電デバイスの構成
図3に、本実施形態におけるKNN膜3を有するデバイス30(以下、圧電デバイス30とも称する)の概略構成図を示す。圧電デバイス30は、上述の圧電積層体10を所定の形状に成形することで得られる素子20(KNN膜3を有する素子20、以下、圧電素子20とも称する)と、圧電素子20に接続される電圧印加部11aまたは電圧検出部11bと、を少なくとも備えている。電圧印加部11aとは、下部電極膜2と上部電極膜4との間(電極間)に電圧を印加するための手段であり、電圧検出部11bとは、下部電極膜2と上部電極膜4との間(電極間)に発生した電圧を検出するための手段である。電圧印加部11a、電圧検出部11bとしては、公知の種々の手段を用いることができる。
電圧印加部11aを、圧電素子20の下部電極膜2と上部電極膜4との間に接続することで、圧電デバイス30をアクチュエータとして機能させることができる。電圧印加部11aにより下部電極膜2と上部電極膜4との間に電圧を印加することで、KNN膜3を変形させることができる。この変形動作により、圧電デバイス30に接続された各種部材を作動させることができる。この場合、圧電デバイス30の用途としては、例えば、インクジェットプリンタ用のヘッド、スキャナー用のMEMSミラー、超音波発生装置用の振動子等が挙げられる。
電圧検出部11bを、圧電素子20の下部電極膜2と上部電極膜4との間に接続することで、圧電デバイス30をセンサとして機能させることができる。KNN膜3が何らかの物理量の変化に伴って変形すると、その変形によって下部電極膜2と上部電極膜4との間に電圧が発生する。この電圧を電圧検出部11bによって検出することで、KNN膜3に印加された物理量の大きさを測定することができる。この場合、圧電デバイス30の用途としては、例えば、角速度センサ、超音波センサ、圧カセンサ、加速度センサ等が挙げられる。
(3)圧電積層体、圧電素子、圧電デバイスの製造方法
以下では、上述の圧電積層体10、圧電素子20、および圧電デバイス30の製造方法について説明する。
まず、基板1を用意し、基板1のいずれかの主面上に、例えばスパッタリング法により密着層6(Ti層)と、下部電極膜2(Pt膜)と、LNO層7と、をこの順に製膜する。なお、密着層6、下部電極膜2、およびLNO層7がいずれかの主面上に予め製膜された基板1を用意してもよい。
密着層6を形成する際の条件としては、下記の条件が例示される。
温度(基板温度):100℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下
放電パワー:1000W以上1500W以下、好ましくは1100W以上1300W以下
雰囲気:アルゴン(Ar)ガス雰囲気
雰囲気圧力:0.1Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
時間:30秒以上3分以下、好ましくは30秒以上2分以下
下部電極膜2を製膜する際の条件としては、下記の条件が例示される。
製膜温度(基板温度):100℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下
放電パワー:1000W以上1500W以下、好ましくは1100W以上1300W以下
製膜雰囲気:Arガス雰囲気
雰囲気圧力:0.1Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
製膜時間:3以上10分以下、好ましくは4分以上7分以下
LNO層7を形成する際の条件としては、下記の条件が例示される。
温度(基板温度):100℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下
放電パワー:1000W以上1500W以下、好ましくは1100W以上1300W以下
雰囲気:Arガス雰囲気
雰囲気圧力:0.1Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
時間:30秒以上3分以下、好ましくは30秒以上1分以下
続いて、LNO層7上にCu−KNN膜3を製膜する。Cu−KNN膜3を例えばスパッタリング法により製膜する場合、Cu−KNN膜3の組成比は、例えばスパッタリング製膜時に用いるターゲット材の組成を制御することで調整可能である。ターゲット材は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、CuO粉末等を混合させて焼成すること等により作製することができる。ターゲット材の組成は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、CuO粉末の混合比率を調整することで制御することができる。Cuを上述の濃度で含むKNN膜3は、Cuを例えば0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む(K1−xNa)NbO焼結体ターゲット材を用いることで製膜することができる。
KNN膜3を製膜する際の条件としては、下記の条件が例示される。
製膜温度(基板温度):500℃以上700℃以下、好ましくは550℃以上650℃以下
放電パワー:2000W以上2400W以下、好ましくは2100W以上2300W以下
製膜雰囲気:Arガス+酸素(O)ガス雰囲気
雰囲気圧力:0.2Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
ガスに対するArガスの分圧(Ar/O分圧比):30/1〜20/1、好ましくは27/1〜23/1
製膜速度:0.5μm/hr以上2μm/hr以下、好ましくは0.5μm/hr以上1.5μm/hr以下
そして、KNN膜3上に、例えばスパッタリング法により上部電極膜4を製膜する。上部電極膜4を製膜する際の条件は、上述の下部電極膜2を製膜する際の条件と同様の条件とすることができる。これにより、図1に例示するような、基板1、下部電極膜2、LNO層7、Cu−KNN膜3、および上部電極膜4を有する圧電積層体10が得られる。
そして、この圧電積層体10をエッチング等により所定の形状に成形することで、図3に示すような圧電素子20が得られ、圧電素子20に電圧印加部11aまたは電圧検出部11bを接続することで、圧電デバイス30が得られる。
(4)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)Cu−KNN膜3の直下にLNO層7が設けられていることで、特に製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させることができる。このため、Cu−KNN膜3の有効膜厚を増加させることができる。その結果、Cu−KNN膜3は、350kV/cm以上、好ましくは400kV/cm以上の高い絶縁耐圧を有することとなる。これにより、Cu−KNN膜3に対してより高い電界を印加することが可能となることから、圧電積層体10を加工することで作製されるセンサやアクチュエータ等の圧電デバイス30の性能を高めたり、圧電デバイス30の汎用性を高めたりすることが可能となる。
なお、上述の製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させる効果は、Cu−KNN膜3の直下にLNO層7を設けた場合に得られ、Cuが添加されていないKNN膜(CuアンドープKNN膜)の直下にLNO層7を設けた場合には得られないことを本願発明者等は確認済みである。
また、LNO層7の代わりに、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO、略称:SRO)からなり、主に(100)面により構成された表面を有する層(SRO層)をCu−KNN膜3の直下に設けることも考えられる。なお、SROも、LNOと同様に、(100)面方位に自己配向しやすい材料であり、KNNと同じ結晶構造(ペロブスカイト構造)を有する。しかしながら、Cu−KNN膜3の直下にSRO層を設けた場合、上述の製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させる効果は得られず、Cu−KNN膜3の絶縁耐圧を高めることができないことを本願発明者等は確認済みである。
(b)Cu−KNN膜3の直下にLNO層7が設けられていることで、製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させることができる。このため、Cu−KNN膜3の厚さを薄くしても、Cu−KNN膜3は高い絶縁耐圧を有することとなる。例えば、Cu−KNN膜3の厚さを2μm以下、好ましくは1μm未満としても、Cu−KNN膜3は350kV/cm以上の高い絶縁耐圧を有している。したがって、本発明によれば、圧電デバイス30の性能を低下させることなく、圧電デバイス30を小型にすることが可能となる。
(c)Cu−KNN膜3の直下にLNO層7が設けられていることで、Cu−KNN膜3の配向性を向上させることができる。これにより、Cu−KNN膜3の粒界密度を低くすることが可能となる。Cu−KNN膜3に対して電界を印加した際に絶縁破壊を引き起こす要因となるリークパスは、Cu−KNN膜3の粒界上に形成される。Cu−KNN膜3の粒界密度を低くする、すなわちCu−KNN膜3中の粒界を減らすことで、Cu−KNN膜3中にリークパスが形成されにくくなる。その結果、Cu−KNN膜3の絶縁耐圧を確実に高めることが可能となる。
(d)Cu−KNN膜3の配向性を向上させることで、Cu−KNN膜3中に存在する酸素欠損を減らすことができる。Cu−KNN膜3中に存在する酸素欠損のうち、特に粒界上の酸素欠損は、Cu−KNN膜3中にリークパスが形成される要因となり得る。KNN膜3中に存在する酸素欠損を減らすことで、Cu−KNN膜3の粒界上の酸素欠損も減ることとなる。このため、Cu−KNN膜3中にリークパスがさらに形成されにくくなり、Cu−KNN膜3の絶縁耐圧をより確実に高めることが可能となる。
(e)LNO層7の平均結晶粒径を大きくすることで、Cu−KNN膜3の平均結晶粒径を大きくすることができる。その結果、Cu−KNN膜3の粒界密度をさらに低くすることが可能となる。これにより、Cu−KNN膜3中にリークパスがさらに形成されにくくなり、Cu−KNN膜3の絶縁耐圧をより確実に高めることが可能となる。
(f)LNO層の厚さを10nm以上とすることで、少なくとも上述の製膜初期段階からCu−KNN膜3の配向性を向上させる効果を確実に得ることができる。
(g)本実施形態では、下部電極膜2とは別に電極膜として機能させないLNO層7が設けられている。また、下部電極膜2はLNOとは異なる材料を用いて製膜されている。これにより、上述のCu−KNN膜3の有効膜厚を増加させる効果を得つつ、圧電積層体10を形成した後のエッチング処理の制御性の低下を抑制することが可能となる。
(h)KNN膜3中にCuを添加することで、粒界上の酸素欠損の移動を抑制することが可能となる。その結果、Cu−KNN膜3中の酸素欠損が電極膜に到達しにくくなり、Cu−KNN膜3が絶縁破壊を引き起こすことを抑制することが可能となる。すなわち、Cu−KNN膜3の絶縁耐圧をより高めることが可能となる。
(i)Mnを添加したKNN膜(MnドープKNN膜)についても、Cu−KNN膜3と同様に、MnドープKNN膜の直下にLNO層が設けられていることで、MnドープKNN膜の直下にLNO層が設けられていない場合よりも、高い絶縁耐圧を有することを本願発明者等は確認済みである。しかしながら、上述の酸素欠損移動抑制効果及びKNN膜3のエッチング耐性を高める効果を得ることができる点で、KNN膜3中にCuを添加する場合の方がMnを添加する場合よりも好ましい。
(5)変形例
本実施形態は上述の態様に限定されず、以下のように変形することもできる。また、これらの変形例は任意に組み合わせることができる。
(変形例1)
Cu−KNN膜3は、リチウム(Li)、Ta、アンチモン(Sb)等のK、Na、Nb、Cu、Mn以外の元素を、上述のKNN膜3の粒界密度低減効果を損なわない範囲内、例えば5at%以下(上述の元素を複数種添加する場合は合計濃度が5at%以下)の範囲内で含んでいてもよい。
(変形例2)
KNN膜3は、CuやMnに加えて、あるいはCuやMnに変えて、CuやMnと同等の効果を奏する他の金属元素を、上述のKNN膜3の粒界密度低減効果を得つつ、KNN膜3の比誘電率を適正な大きさとすることができる濃度で含んでいてもよい。この場合であっても、上述の実施形態および変形例と同様の効果が得られる。
(変形例3)
上述の圧電積層体10を圧電素子20に成形する際、圧電積層体10(圧電素子20)を用いて作製した圧電デバイス30をセンサまたはアクチュエータ等の所望の用途に適用することができる限り、圧電積層体10から基板1を除去してもよい。
以下、上述の実施形態の効果を裏付ける実験結果について説明する。
サンプル1〜6では、基板として、表面が(100)面方位であり、厚さが610μmであり、直径が6インチであり、表面に熱酸化膜(厚さ:200nm)が形成されたSi基板を用意した。そして、この基板の熱酸化膜上に、密着層としてのTi層(厚さ:2nm)、下部電極膜としてのPt膜(基板の表面に対して(111)面方位に優先配向、厚さ:200nm)、LNO層(厚さ:下記の表1に記載の厚さ、平均結晶粒径:表1に示す値)、KNN膜(基板の表面に対して(001)面方位に優先配向、厚さ:表1に記載の厚さ、Cu濃度:表1に記載の濃度)を順に製膜し、圧電積層体を作製した。
Ti層は、RFマグネトロンスパッタリング法を用い、下記の条件で形成した。
温度:300℃
放電パワー:1200W
導入ガス:Arガス
Arガス雰囲気の圧力:0.3Pa
時間:1分
Pt膜は、RFマグネトロンスパッタリング法を用い、下記の条件で製膜した。
製膜温度:100℃以上500℃以下の所定の温度
放電パワー:1200W
導入ガス:Arガス
Arガス雰囲気の圧力:0.3Pa
時間:5分
ここで、LNO層は、その下地となるPt膜の表面の結晶構造を引き継いで成長する。このため、Pt膜の平均結晶粒径を所定範囲にすることで、LNO層の平均結晶粒径を所定範囲にすることができる。Pt膜の平均結晶粒径は、Pt膜の製膜温度を調整することにより調整した。なお、製膜温度が高くなるほど、Pt膜の平均結晶粒径が大きくなる傾向にある。
LNO層は、RFマグネトロンスパッタリング法を用い、下記の条件で形成した。
温度:300℃
放電パワー:1200W
導入ガス:Arガス
Arガス雰囲気の圧力:0.3Pa
時間:1分
KNN膜は、RFマグネトロンスパッタリング法を用い、下記の条件で製膜した。なお、製膜時間は、製膜するKNN膜の膜厚に応じて適宜変更した。
温度:600℃
放電パワー:2200W
導入ガス:Ar+O混合ガス
Ar+O混合ガス雰囲気の圧力:0.3Pa
ガスに対するArガスの分圧(Ar/O分圧比):25/1
製膜速度:1μm/hr
Cuが添加されたKNN膜を製膜する際のスパッタリングターゲット材としては、(K+Na)/Nb=0.8〜1.2、Na/(K+Na)=0.4〜0.7の組成を有し、Cuを0.2at%、0.5at%、1.0at%、1.5at%、2.0at%の濃度でそれぞれ含む(K1−xNa)NbO焼結体を用いた。なお、ターゲット材は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、CuO粉末を、ボールミルを用いて24時間混合させ、850℃で10時間仮焼成し、その後、再びボールミルで粉砕し、200MPaの圧力で成型した後、1080℃で焼成することで作製した。ターゲット材の組成およびターゲット材中のCu濃度は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、CuO粉末の混合比率を調整することで制御し、製膜処理を行う前にEDX(エネルギー分散型X線分光分析)によって測定した。
サンプル7では、LNO層を設ける代わりに、SRO層(厚さ:10nm、平均結晶粒径:100nm)を設け、KNN膜の厚さを3μm、KNN膜中のCu濃度を0.5at%としたこと以外は、サンプル2と同様にして圧電積層体を作製した。
サンプル8〜11では、LNO層を形成しなかったこと、KNN膜の厚さおよびKNN膜中のCu濃度を、それぞれ、下記の表1に記載の値としたこと以外は、上述のサンプル1〜6と同様にして圧電積層体を作製した。
Figure 2021027132
(絶縁耐圧に関する評価)
上記サンプル1〜11について絶縁耐圧を測定した。これらの測定結果を表1に示す。表1に示すように、下部電極膜上であってKNN膜の直下にLNO層を設けることで、KNN膜が350kV/cm以上の高い絶縁耐圧を有することが確認できた。また、LNO層を設けることで、KNN膜の厚さを薄くしても、すなわち、KNN膜の厚さを2μm以下としても、KNN膜は350kV/cm以上の高い絶縁耐圧を有することが確認できた。また、KNN膜中のCu濃度が高くなるほど、KNN膜の絶縁耐圧が高くなることが確認できた。さらにまた、LNO層の平均結晶粒径を大きくすることで、KNN膜の絶縁耐圧をさらに高めることが確認できた。また、LNO層の代わりにSRO層を設けた場合、KNN膜の絶縁耐圧を高めることができないことが確認できた。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
基板と、
前記基板上に製膜された電極膜と、
前記電極膜上に設けられたニッケル酸ランタン(LaNiO、略称:LNO)からなる層と、
前記ニッケル酸ランタンからなる層上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、銅(Cu)およびマンガン(Mn)からなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む圧電膜と、を備え、
前記圧電膜の絶縁耐圧が350kV/cm以上、好ましくは400kV/cm以上である圧電積層体が提供される。
(付記2)
付記1の圧電積層体であって、好ましくは、
前記圧電膜の厚さが0.5μm以上5μm以下、好ましくは0.5μm以上2μm以下、より好ましくは0.5μm以上1μm未満である。
(付記3)
付記1又は2の圧電積層体であって、好ましくは、
前記ニッケル酸ランタンからなる層を構成する結晶粒群の平均結晶粒径が100nm以上である。
(付記4)
付記1〜3のいずれかの圧電積層体であって、好ましくは、
前記ニッケル酸ランタンからなる層の厚さが10nm以上である。
(付記5)
付記1〜4のいずれかの圧電積層体であって、好ましくは、
前記電極膜は、ニッケル酸ランタンとは異なる材料を用いて製膜されている。
(付記6)
付記1〜5のいずれかの圧電積層体であって、好ましくは、
前記電極膜は、ニッケル酸ランタンよりも所定のエッチング液に対するエッチングレートが低い材料を用いて製膜されている。前記所定のエッチング液は、キレート剤のアルカリ水溶液を含みフッ酸を含まないエッチング液である。例えば、前記所定のエッチング液は、エチレンジアミン四酢酸と、アンモニア水と、過酸化水素水とを混合したエッチング液である。
(付記7)
付記1〜6のいずれかの圧電積層体であって、好ましくは、
前記金属元素はCuである。
(付記8)
本発明の他の態様によれば、
基板と、
前記基板上に製膜された下部電極膜と、
前記下部電極膜上に設けられたニッケル酸ランタン(LaNiO、略称:LNO)からなる層と、
前記ニッケル酸ランタンからなる層上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む圧電膜と、
前記圧電膜上に製膜された上部電極膜と、を備え、
前記圧電膜の絶縁耐圧が350kV/cm以上、好ましくは400kV/cm以上である圧電素子(圧電デバイス)が提供される。
(付記9)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板上に電極膜を製膜する工程と、
前記電極膜上にニッケル酸ランタンからなる層を形成する工程と、
前記ニッケル酸ランタンからなる層上に、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含み、絶縁耐圧が350kV/cm以上、好ましくは400kV/cm以上である圧電膜を製膜する工程と、を有する圧電積層体の製造方法が提供される。
1 基板
2 電極膜(下部電極膜)
3 圧電膜
7 ニッケル酸ランタンからなる層(LNO層)
10 圧電積層体

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に製膜された電極膜と、
    前記電極膜上に設けられたニッケル酸ランタンからなる層と、
    前記ニッケル酸ランタンからなる層上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む圧電膜と、を備え、
    前記圧電膜の絶縁耐圧が350kV/cm以上である圧電積層体。
  2. 前記圧電膜の厚さが0.5μm以上5μm以下である請求項1に記載の圧電積層体。
  3. 前記電極膜は、ニッケル酸ランタンとは異なる材料を用いて製膜されている請求項1又は2に記載の圧電積層体。
  4. 基板と、
    前記基板上に製膜された下部電極膜と、
    前記下部電極膜上に設けられたニッケル酸ランタンからなる層と、
    前記ニッケル酸ランタンからなる層上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む圧電膜と、
    前記圧電膜上に製膜された上部電極膜と、を備え、
    前記圧電膜の絶縁耐圧が350kV/cm以上である圧電素子。
  5. 基板上に電極膜を製膜する工程と、
    前記電極膜上にニッケル酸ランタンからなる層を形成する工程と、
    前記ニッケル酸ランタンからなる層上に、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなり、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含み、絶縁耐圧が350kV/cm以上である圧電膜を製膜する工程と、を有する圧電積層体の製造方法。
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