JP2021027134A - 圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子 - Google Patents

圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2021027134A
JP2021027134A JP2019143328A JP2019143328A JP2021027134A JP 2021027134 A JP2021027134 A JP 2021027134A JP 2019143328 A JP2019143328 A JP 2019143328A JP 2019143328 A JP2019143328 A JP 2019143328A JP 2021027134 A JP2021027134 A JP 2021027134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
piezoelectric
knn
substrate
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019143328A
Other languages
English (en)
Inventor
柴田 憲治
Kenji Shibata
憲治 柴田
渡辺 和俊
Kazutoshi Watanabe
和俊 渡辺
稔顕 黒田
Toshiaki Kuroda
稔顕 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2019143328A priority Critical patent/JP2021027134A/ja
Priority to EP20188627.2A priority patent/EP3772116A1/en
Priority to US16/942,815 priority patent/US20210036214A1/en
Publication of JP2021027134A publication Critical patent/JP2021027134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/80Constructional details
    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials
    • H10N30/853Ceramic compositions
    • H10N30/8542Alkali metal based oxides, e.g. lithium, sodium or potassium niobates
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/05Manufacture of multilayered piezoelectric or electrostrictive devices, or parts thereof, e.g. by stacking piezoelectric bodies and electrodes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/07Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base
    • H10N30/074Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base by depositing piezoelectric or electrostrictive layers, e.g. aerosol or screen printing
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/07Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base
    • H10N30/074Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base by depositing piezoelectric or electrostrictive layers, e.g. aerosol or screen printing
    • H10N30/076Forming of piezoelectric or electrostrictive parts or bodies on an electrical element or another base by depositing piezoelectric or electrostrictive layers, e.g. aerosol or screen printing by vapour phase deposition
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/08Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies
    • H10N30/082Shaping or machining of piezoelectric or electrostrictive bodies by etching, e.g. lithography
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/1051Piezoelectric or electrostrictive devices based on piezoelectric or electrostrictive films or coatings
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/1051Piezoelectric or electrostrictive devices based on piezoelectric or electrostrictive films or coatings
    • H10N30/10513Piezoelectric or electrostrictive devices based on piezoelectric or electrostrictive films or coatings characterised by the underlying bases, e.g. substrates
    • H10N30/10516Intermediate layers, e.g. barrier, adhesion or growth control buffer layers

Abstract

【課題】アルカリニオブ酸化物からなる圧電膜のエッチング処理効率を高める。【解決手段】基板と、電極膜と、組成式(K1−xNax)NbO3(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜と、を備え、圧電膜を構成する結晶の粒径の標準偏差が0.42μm超である。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子に関する。
圧電体は、センサ、アクチュエータ等の機能性電子部品に広く利用されている。圧電体の材料としては、鉛系材料、特に、組成式Pb(Zr1−xTi)Oで表されるPZT系の強誘電体が広く用いられている。PZT系の圧電体は鉛を含有しているため、公害防止の面等から好ましくない。そこで、鉛非含有の圧電体の材料として、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。近年、KNNのように鉛非含有の材料からなる圧電体の性能をさらに高めることが強く求められている。
特開2007−184513号公報 特開2008−159807号公報
本発明の目的は、アルカリニオブ酸化物からなる圧電膜のエッチング処理効率を高めることにある。
本発明の一態様によれば、
基板と、
電極膜と、
組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜と、を備え、
前記圧電膜を構成する結晶の粒径の標準偏差が0.42μm超である圧電積層体及びその関連技術が提供される。
本発明によれば、アルカリニオブ酸化物からなる圧電膜のエッチング処理効率を高めることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる圧電積層体の断面構造の一例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電積層体の断面構造の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる圧電デバイスの概略構成の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態にかかる圧電積層体の断面構造の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態にかかる圧電デバイスの概略構成を示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)圧電積層体の構成
図1に示すように、本実施形態にかかる圧電膜を有する積層体(積層基板)10(以下、圧電積層体10とも称する)は、基板1と、基板1上に製膜された下部電極膜2と、下部電極膜2上に製膜された圧電膜(圧電薄膜)3と、圧電膜3上に製膜された上部電極膜4と、を備えている。
基板1としては、熱酸化膜またはCVD(Chemical Vapor Deposition)酸化膜等の表面酸化膜(SiO膜)1bが形成された単結晶シリコン(Si)基板1a、すなわち、表面酸化膜を有するSi基板を好適に用いることができる。また、基板1としては、図2に示すように、その表面にSiO以外の絶縁性材料により形成された絶縁膜1dを有するSi基板1aを用いることもできる。また、基板1としては、表面にSi(100)面またはSi(111)面等が露出したSi基板1a、すなわち、表面酸化膜1bまたは絶縁膜1dを有さないSi基板を用いることもできる。また、基板1としては、SOI(Silicon On Insulator)基板、石英ガラス(SiO)基板、ガリウム砒素(GaAs)基板、サファイア(Al)基板、ステンレス(SUS)等の金属材料により形成された金属基板を用いることもできる。単結晶Si基板1aの厚さは例えば300〜1000μm、表面酸化膜1bの厚さは例えば1〜4000nmとすることができる。
下部電極膜2は、例えば、白金(Pt)を用いて製膜することができる。下部電極膜2は、単結晶膜または多結晶膜(以下、これらをPt膜とも称する)となる。Pt膜を構成する結晶は、基板1の表面に対して(111)面方位に優先配向していることが好ましい。すなわち、Pt膜の表面(圧電膜3の下地となる面)は、主にPt(111)面により構成されていることが好ましい。Pt膜は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて製膜することができる。下部電極膜2は、Pt以外に、金(Au)、ルテニウム(Ru)、またはイリジウム(Ir)等の各種金属、これらを主成分とする合金、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO、略称:SRO)またはニッケル酸ランタン(LaNiO、略称:LNO)等の金属酸化物等を用いて製膜することもできる。なお、基板1と下部電極膜2との間には、これらの密着性を高めるため、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、ニッケル(Ni)、ルテニウム酸化物(RuO)、イリジウム酸化物(IrO)等を主成分とする密着層6が設けられていてもよい。密着層6は、スパッタリング法、蒸着法等の手法を用いて製膜することができる。下部電極膜2の厚さは例えば100〜400nm、密着層6の厚さは例えば1〜200nmとすることができる。
圧電膜3は、例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、ニオブ(Nb)を含み、組成式(K1−xNa)NbOで表されるアルカリニオブ酸化物、すなわち、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)を用いて製膜することができる。上述の組成式中の係数x[=Na/(K+Na)]は、0<x<1の範囲内の大きさとする。圧電膜3は、KNNの多結晶膜(以下、KNN膜3とも称する)となる。KNNの結晶構造は、ペロブスカイト構造となる。KNN膜3は、K、Na、Nb以外の物質を含んでいてもよい。ここでは、K、Na、Nbの組成が90%以上の膜をKNN膜3とする。K、Na、Nb以外の物質として、ジルコン酸カルシウム(CaZrO、略称:CZO)、ジルコン酸バリウム(BaZrO、略称:BZO)等を挙げることができる。KNN膜3は、スパッタリング法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、ゾルゲル法等の手法を用いて製膜することができる。KNN膜3の厚さは例えば0.5〜5μmとすることができる。
KNN膜3を構成する結晶は、基板1の表面(基板1が例えば表面酸化膜1bまたは絶縁膜1d等を有するSi基板1aである場合はSi基板1aの表面)に対して(001)面方位に優先配向していることが好ましい。すなわち、KNN膜3の表面(上部電極膜4の下地となる面)は、主にKNN(001)面方位により構成されていることが好ましい。基板1の表面に対して(111)面方位に優先配向させたPt膜上にKNN膜3を直接製膜することで、KNN膜3を構成する結晶を、基板1の表面に対して(001)面方位に優先配向させることが容易となる。例えば、KNN膜3を構成する結晶群のうち80%以上の結晶を基板1の表面に対して(001)面方位に配向させ、KNN膜3の表面のうち80%以上の領域をKNN(001)面とすることが容易となる。
KNN膜3を構成する結晶群のうち半数以上の結晶が柱状構造を有していることが好ましい。また、KNN膜3を構成する結晶同士の境界、すなわちKNN膜3に存在する結晶粒界は、KNN膜3の厚さ方向に貫いていることが好ましい。例えば、KNN膜3では、その厚さ方向に貫く結晶粒界が、KNN膜3の厚さ方向に貫いていない結晶粒界(例えば基板1の平面方向に平行な結晶粒界)よりも多いことが好ましい。
KNN膜3を構成する(各)結晶の粒径(以下、「KNNの結晶粒径」とも称する)の標準偏差(以下、「KNN膜3の標準偏差」とも称する)は0.42μm超、好ましくは0.45μm以上、さらに好ましくは0.50μm以上である。KNN膜3の標準偏差の上限値は特に限定されないが、現在の技術では、通常0.6μm程度となる。
KNN膜3を製膜する際の初期製膜速度を後期製膜速度よりも遅くすることにより、KNN膜3の標準偏差を大きくすることができる。初期製膜速度を例えば0.5μm/hr未満、好ましくは0.2μm/hr以上0.5μm/hr未満、より好ましくは0.2μm/hr以上0.4μm/hr以下とし、後期製膜速度を例えば0.5μm/hr以上2μm/hr以下、好ましくは0.5μm/hr以上1.5μm/hr以下、より好ましくは0.5μm/hr以上1μm/hr以下とすることで、KNN膜3の標準偏差を0.42μm超、好ましくは0.45μm以上にすることが可能となる。
初期製膜速度とは、KNN膜3の製膜初期段階における製膜速度をいう。製膜初期段階とは、下部電極膜2(KNN膜3の下地)上にKNNの核(KNNの結晶核)を形成する核形成段階をいう。製膜初期とは、例えばKNN膜3の製膜開始から3〜5分までの期間をいう。後期製膜速度とは、KNN膜3の製膜後期段階における製膜速度をいう。製膜後期段階とは、製膜初期段階よりも後の段階であって、製膜初期段階で形成された核を成長させてKNN膜3を製膜する核成長段階をいう。
核形成時の製膜速度(すなわち初期製膜速度)を遅くすることにより、下部電極膜2上での核発生数を減らす(核密度を低くする)ことができる。その結果、製膜初期段階では、核が下部電極膜2上に粗に(まばらに、アイランド状に)形成されることとなる。
製膜初期段階において核を粗に形成することにより、核を密に形成する(核密度が高くなるように核を形成する)場合よりも、核の大きさを不均一にすることができ、KNN膜3を構成する各結晶粒の大きさを不揃いにすることができる。その結果、KNN膜3の標準偏差を大きくすることができる。
また、製膜初期段階において核を粗に形成することで、製膜後期段階では、製膜初期段階に形成された核が成長を開始する一方で、下部電極膜2上の核が形成されていない部分に遅れて核が形成されることとなる。製膜後期段階で形成された核は、製膜初期段階で形成された核よりも成長時間が短くなる。このため、製膜後期段階で形成された核が成長することで形成された結晶粒は、製膜初期段階で形成された核が成長することで形成された結晶粒よりも小さくなる。このように製膜後期段階でも核を形成することで、KNN膜3の標準偏差を大きくすることができる。
製膜後期段階で形成された核は、製膜初期段階で形成されて既に成長を開始した核の間を埋めるように成長する。本実施形態では、製膜初期段階で核を粗に形成していることから、製膜初期段階で核を密に形成した場合よりも隣接する核の間が広い。このため、KNN膜3の厚さが所定の厚さになるまで成長させた場合であっても、製膜初期段階で形成されて成長した核の間を、製膜後期段階で形成されて成長した核によって完全に埋めることは難しい。このように、KNN膜3の標準偏差が大きいと、KNN膜3を構成する結晶粒間の隙間が大きくなる。
KNN膜3を構成する結晶粒間の隙間が大きいことで、所定のエッチング液(例えばキレート剤のアルカリ水溶液を含みフッ酸を含まないエッチング液)に対するKNN膜3のウェットエッチングレート(以下、「WER」とも称する)を高めることができる。すなわち、KNN膜3を構成する結晶粒間の隙間が大きいことで、所定のエッチング液に対するKNN膜3のエッチングを進行させやすくすることができる。例えば、KNN膜3の標準偏差を0.42μm超とすることで、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸(略称:EDTA、5g、0.01mol/L以上0.1mol/L以下(0.01M以上0.1M以下))と、アンモニア水(NHOH、29%、37mL)と、過酸化水素水(30%、125mL)とを混合したエッチング液中にKNN膜3を浸漬させた際におけるKNN膜3のエッチングレートを0.1μm/min以上、好ましくは0.2μm/min以上にすることができる。なお、キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)類、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)類等を用いることができる。EDTA類としては、EDTAの他、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩二水和物(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・三ナトリウム塩三水和物(EDTA・3Na)、エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩四水和物(EDTA・4Na)、エチレンジアミン四酢酸・二カリウム塩二水和物(EDTA・2K)、エチレンジアミン四酢酸・三カリウム塩二水和物(EDTA・3K)、およびエチレンジアミン四酢酸・二アンモニウム塩(EDTA・2NH)から選ばれる少なくとも一つを好ましく用いることができる。
KNN膜3を構成する結晶(結晶群)の粒径の平均値(以下、「KNN膜3の平均粒径」とも称する)は、例えば1.0μm超5μm以下、好ましくは1.5μm以上4μm以下とすることができる。ここでいうKNN膜3の平均粒径とは、基板1の平面方向におけるKNN膜3の横断面での平均粒径である。KNN膜3の平均粒径は、走査型電子顕微鏡で撮影した画像(例えばSEM像)や、透過電子顕微鏡で撮影した画像(例えばTEM像)等の視野を画像解析することで得ることができる。画像解析ソフトとして、例えばWayne Rasband製の「ImageJ」を用いることができる。
KNN膜3の平均粒径が1.0μm超であることで、標準偏差が0.42μm超であるKNN膜3を容易に得ることが可能となる。KNN膜3の平均粒径が1.5μm以上であることで、標準偏差が上述の範囲内であるKNN膜3をより容易に得ることが可能となる。なお、KNN膜3の平均粒径が1.0μm以下であると、下部電極膜2上に核を密に形成する必要があることから、標準偏差が上述の範囲内にあるKNN膜3を得られない場合がある。
KNN膜3の平均粒径が5μm以下であることで、KNN膜3の物性値分布を面内均一にすることができ、KNN膜3の平均粒径が4μm以下であることで、KNN膜3の物性値分布をより面内均一にすることができる。ここでいう「KNN膜3の物性値」とは、例えば、KNN膜3の圧電定数、リーク電流密度、誘電率等である。
KNN膜3は、銅(Cu)およびマンガン(Mn)からなる群より選択される金属元素を例えば0.2at%以上2.0at%以下の範囲内の濃度で含むことが好ましい。KNN膜3中にCuおよびMnの両方を添加する場合は、CuおよびMnの合計濃度が上述の濃度範囲内となるようにCuおよびMnをKNN膜3中に添加する。
KNN膜3中にCu又はMnの少なくともいずれかを上述の濃度範囲内で添加することで、KNN膜3の膜特性を向上させることが可能となる。例えば、KNN膜3の絶縁性(リーク耐性)を高めたり、KNN膜3の比誘電率を圧電積層体10の用途に応じた好適な大きさとしたりすることが可能となる。
例えば、KNN膜3中のCuおよびMnの合計濃度が上述の範囲内であることで、KNN膜3に対してその厚さ方向に250kV/cmの電界を印加した際におけるリーク電流密度を500μA/cm以下、好ましくは250μA/cm以下、さらに好ましくは200μA/cm以下にすることができる。
また、例えば、KNN膜3中のCuおよびMnの合計濃度が上述の範囲内であることで、周波数1kHz、±1Vの条件下で測定したKNN膜3の比誘電率を1500以下、好ましくは300以上1200以下にすることが可能となる。KNN膜3の比誘電率が上述の範囲内にあると、圧電積層体10が例えばセンサに適用された際に感度の低下を招きにくい傾向がある。これは、CuやMnの添加量が適正であり、KNN膜3を構成する結晶を基板1の表面に対して(001)面方位に優先配向させることができていることが理由の一つとして考えられる。
また、KNN膜3中にCuを上述の濃度範囲内で添加することで、KNN膜3の寿命を延ばすことが可能となる。というのも、KNN膜3を構成する結晶(結晶粒)の内部や、KNN膜3の粒界上には、所定の割合で酸素欠損(酸素空乏(Oxygen Vacancy))が存在している。KNN膜3の粒界上の酸素欠損は、例えばKNN膜3に電界を印加した際に移動することがある。酸素欠損が移動して電極膜(下部電極膜2または上部電極膜4)に到達すると、酸素欠損と電極膜に含まれる金属とが反応して短絡(ショート)してしまう。KNN膜3中にCuを上述の濃度範囲内で添加することで、このCuがKNN膜3の粒界上の酸素欠損と対になる、すなわち粒界上のCuが酸素欠損をトラップし、電界印加時等に電極膜の方へ移動するKNN膜3の粒界上の酸素欠損を低減することができる。その結果、KNN膜3の寿命を延ばすことができる。
また、KNN膜3中にCuを上述の濃度範囲内で添加することで、例えばキレート剤のアルカリ水溶液を含むエッチング液に対するWERを上述の範囲にすること、上述の膜特性を向上させることに加え、フッ素系エッチング液(例えばフッ化水素(HF)及びフッ化アンモニウム(NHF)をそれぞれ所定の濃度で含むバッファードフッ酸(BHF)溶液)に対する耐性(エッチング耐性)を高めることも可能となる。これにより、KNN膜3の露出面を保護するための保護膜を形成する必要がなくなる。すなわち、保護膜を形成することなく、エッチング液としてBHF溶液を用いることができるようになる。その結果、圧電積層体10を形成した後の処理における加工プロセスを簡素化させることができる。
KNN膜3は、リチウム(Li)、Ta、アンチモン(Sb)等のK、Na、Nb、Cu、Mn以外の元素を、KNN膜3の標準偏差を上述の範囲内に維持することができる濃度、例えば5at%以下の濃度で含んでいてもよい。
上部電極膜4は、例えば、Pt、Au、アルミニウム(Al)、Cu等の各種金属またはこれらの合金を用いて製膜することができる。上部電極膜4は、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法、金属ペースト法等の手法を用いて製膜することができる。上部電極膜4は、下部電極膜2のようにKNN膜3の結晶構造に大きな影響を与えるものではない。そのため、上部電極膜4の材料、結晶構造、製膜手法は特に限定されない。なお、KNN膜3と上部電極膜4との間には、これらの密着性を高めるため、例えば、Ti、Ta、TiO、Ni等を主成分とする密着層が設けられていてもよい。上部電極膜4の厚さは例えば10〜5000nm、密着層を設ける場合には密着層の厚さは例えば1〜200nmとすることができる。
(2)圧電デバイスの構成
図3に、本実施形態におけるKNN膜3を有するデバイス30(以下、圧電デバイス30とも称する)の概略構成図を示す。圧電デバイス30は、上述の圧電積層体10を所定の形状に成形することで得られる素子20(KNN膜3を有する素子20、以下、圧電素子20とも称する)と、圧電素子20に接続される電圧印加部11aまたは電圧検出部11bと、を少なくとも備えている。電圧印加部11aとは、下部電極膜2と上部電極膜4との間(電極間)に電圧を印加するための手段であり、電圧検出部11bとは、下部電極膜2と上部電極膜4との間(電極間)に発生した電圧を検出するための手段である。電圧印加部11a、電圧検出部11bとしては、公知の種々の手段を用いることができる。
電圧印加部11aを、圧電素子20の下部電極膜2と上部電極膜4との間に接続することで、圧電デバイス30をアクチュエータとして機能させることができる。電圧印加部11aにより下部電極膜2と上部電極膜4との間に電圧を印加することで、KNN膜3を変形させることができる。この変形動作により、圧電デバイス30に接続された各種部材を作動させることができる。この場合、圧電デバイス30の用途としては、例えば、インクジェットプリンタ用のヘッド、スキャナー用のMEMSミラー、超音波発生装置用の振動子等が挙げられる。
電圧検出部11bを、圧電素子20の下部電極膜2と上部電極膜4との間に接続することで、圧電デバイス30をセンサとして機能させることができる。KNN膜3が何らかの物理量の変化に伴って変形すると、その変形によって下部電極膜2と上部電極膜4との間に電圧が発生する。この電圧を電圧検出部11bによって検出することで、KNN膜3に印加された物理量の大きさを測定することができる。この場合、圧電デバイス30の用途としては、例えば、角速度センサ、超音波センサ、圧カセンサ、加速度センサ等が挙げられる。
(3)圧電積層体、圧電素子、圧電デバイスの製造方法
以下では、上述の圧電積層体10、圧電素子20、および圧電デバイス30の製造方法について説明する。
まず、基板1を用意し、基板1のいずれかの主面上に、例えばスパッタリング法により密着層6(Ti層)および下部電極膜2(Pt膜)をこの順に製膜する。なお、いずれかの主面上に、密着層6や下部電極膜2が予め製膜された基板1を用意してもよい。
密着層6を形成する際の条件としては、下記の条件が例示される。
温度(基板温度):100℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下
放電パワー:1000W以上1500W以下、好ましくは1100W以上1300W以下
雰囲気:アルゴン(Ar)ガス雰囲気
雰囲気圧力:0.1Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
時間:30秒以上3分以下、好ましくは30秒以上2分以下
下部電極膜2を製膜する際の条件としては、下記の条件が例示される。
製膜温度(基板温度):100℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下
放電パワー:1000W以上1500W以下、好ましくは1100W以上1300W以下
製膜雰囲気:Arガス雰囲気
雰囲気圧力:0.1Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
製膜時間:3分以上10分以下、好ましくは4分以上7分以下
続いて、下部電極膜2上にKNN膜3を例えばスパッタリング法により製膜する。KNN膜3の組成比は、例えばスパッタリング製膜時に用いるターゲット材の組成を制御することで調整可能である。ターゲット材は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、Cu粉末(又はCuO粉末、CuO粉末)、MnO粉末等を混合させて焼成すること等により作製することができる。ターゲット材の組成は、KCO粉末、NaCO粉末、Nb粉末、Cu粉末(又はCuO粉末、CuO粉末)、MnO粉末の混合比率を調整することで制御することができる。
KNN膜3を製膜する際の条件としては、下記の条件が例示される。なお、製膜時間は製膜するKNN膜3の厚さによって適宜設定する。
製膜温度(基板温度):500℃以上700℃以下、好ましくは550℃以上650℃以下
放電パワー:2000W以上2400W以下、好ましくは2100W以上2300W以下
製膜雰囲気:Arガス+酸素(O)ガス雰囲気
雰囲気圧力:0.2Pa以上0.5Pa以下、好ましくは0.2Pa以上0.4Pa以下
ガスに対するArガスの分圧(Ar/O分圧比):30/1〜20/1、好ましくは27/1〜23/1
製膜初期:製膜開始(0分)〜5分の期間、好ましくは製膜開始〜3分の期間
製膜後期:製膜初期より後の期間
初期製膜速度:0.5μm/hr未満、好ましくは0.2μm/hr以上0.5μm/hr未満、より好ましくは0.2μm/hr以上0.4μm/hr以下
後期製膜速度:0.5以上2μm/hr以下、好ましくは0.5μm/hr以上1.5μm/hr以下、より好ましくは0.5μm/hr以上1μm/hr以下
そして、KNN膜3上に、例えばスパッタリング法により上部電極膜4を製膜する。上部電極膜4を製膜する際の条件は、上述の下部電極膜2を製膜する際の条件と同様の条件とすることができる。これにより、図1に示すような、基板1、下部電極膜2、KNN膜3、および上部電極膜4を有する圧電積層体10が得られる。
そして、この圧電積層体10をエッチング等により所定の形状に成形することで、図3に示すような圧電素子20が得られ、圧電素子20に電圧印加部11aまたは電圧検出部11bの少なくともいずれかを接続することで、圧電デバイス30が得られる。
(4)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)KNN膜3の標準偏差が大きいことで、すなわち、KNN膜3の標準偏差が0.42μm超であることで、KNN膜3の物性に悪影響を与えることなく、KNN膜3のWER(例えばキレート剤のアルカリ水溶液を含みフッ酸を含まないエッチング液に対するWER)を高めることができる。KNN膜3の上述のWERを高めることで、例えば以下のようなメリットが得られる。
例えば、基板1上に、密着層6、下部電極膜2、KNN膜3、及び上部電極膜4をこの順に製膜することで圧電積層体10を形成した後の処理について考える。圧電素子20又は圧電デバイス30を形成する処理では、圧電積層体10を所定の形状に成形する際、キレート剤のアルカリ水溶液を含むエッチング液等を用いたウェットエッチングにより、KNN膜3を所定形状に成形する処理が行われる場合がある。KNN膜3のWERを上述のように高めることで、上述のKNN膜3のエッチング処理の効率を高めることが可能となる。その結果、圧電素子20又は圧電デバイス30の生産性を高めることが可能となる。
また、KNN膜3(圧電積層体10)をエッチング液に浸す時間を短縮することもできる。その結果、エッチング処理に伴うKNN膜3のエッチングダメージを抑制することも可能となる。すなわち、エッチング処理がKNN膜3の物性に与える影響を最小限に抑えることができる。
(b)KNN膜3中にCu又はMnの少なくともいずれかを上述の濃度範囲内で添加することで、KNN膜3の高いWERを維持しつつ、KNN膜3の膜特性を向上させることが可能となる。また、KNN膜3中にCuを上述の濃度範囲内で添加することで、KNN膜3の粒界上の酸素欠損の移動を抑制することが可能となる。その結果、KNN膜3の寿命を向上させることが可能となる。
(c)KNN膜3の平均粒径が1.0μm超5μm以下であることで、KNN膜3の標準偏差を上述の範囲内としつつ、KNN膜3の物性値分布を面内均一にすることができる。KNN膜3の物性値分布が面内均一であることで、圧電積層体10を加工することで作製される圧電素子20や圧電デバイス30に対して電界を印加してKNN膜3を駆動させた際、KNN膜3の劣化(例えば圧電定数の低下等)を抑制することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。但し、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
(a)例えば、圧電積層体10は、下部電極膜2を備えていなくてもよい。圧電積層体10は、基板1と、基板1上に製膜されたKNN膜(圧電膜)3と、KNN膜3上に製膜された上部電極膜4(電極膜4)と、を備えて構成されていてもよい。この場合においても、KNN膜3の標準偏差が0.42μm超であることで、KNN膜3のWERを上述のように高めることができる。
図4に下部電極膜2を有さない圧電積層体10Aの断面構成図を示す。基板1上に密着層6を形成し、密着層6上にKNN膜3を製膜し、KNN膜3上に電極膜4を製膜することで、圧電積層体10Aを得ることができる。圧電積層体10Aの各膜(層)を製膜(形成)する際の条件は、上述の実施形態で示した圧電積層体10の各膜(層)を製膜(形成)する際の条件と同様の条件とすることができる。圧電積層体10Aにおいても、KNN膜3の初期製膜速度を後期製膜速度よりも遅くすることで、KNN膜3の標準偏差を上述の範囲内にすることができる。なお、圧電積層体10Aは、密着層6を有していなくてもよい。すなわち、基板1上にKNN膜3を直接製膜してもよい。
図5に、圧電積層体10Aを用いて作製した圧電デバイス30Aの概略構成図を示す。圧電デバイス30Aは、圧電積層体10Aを所定の形状に成形して得られる圧電素子20Aと、圧電素子20Aに接続される電圧印加部11aおよび電圧検出部11bと、を少なくとも備えて構成されている。本実施形態では、圧電素子20Aは、電極膜4を所定のパターンに成形することで形成されたパターン電極を有している。例えば、圧電素子20Aは、入力側の正負一対のパターン電極4pと、出力側の正負一対のパターン電極4pと、を有している。パターン電極4p,4pとしては、くし型電極(Inter Digital Transducer、略称:IDT)が例示される。
電圧印加部11aをパターン電極4p間に接続し、電圧検出部11bをパターン電極4p間に接続することで、圧電デバイス30Aを表面弾性波(Surface Acoustic Wave、略称:SAW)フィルタ等のフィルタデバイスとして機能させることができる。電圧印加部11aによりパターン電極4p間に電圧を印加することで、KNN膜3の表面にSAWを励起させることができる。励起させるSAWの周波数の調整は、例えばパターン電極4pのピッチを調整することで行うことができる。例えば、パターン電極4pとしてのIDTのピッチが短くなるほど、SAWの周波数は高くなり、上記ピッチが長くなるほど、SAWの周波数は低くなる。電圧印加部11aにより励起され、KNN膜3を伝搬してパターン電極4pに到達したSAWのうち、パターン電極4pとしてのIDTのピッチ等に応じて定まる所定の周波数(周波数成分)を有するSAWにより、パターン電極4p間に電圧が発生する。この電圧を電圧検出部11bによって検出することで、励起させたSAWのうち所定の周波数を有するSAWを抽出することができる。なお、ここでいう「所定の周波数」という用語は、所定の周波数だけでなく、中心周波数が所定の周波数である所定の周波数帯域を含み得る。
(b)例えば、下部電極膜2とKNN膜3との間、すなわちKNN膜3の直下に、KNN膜3を構成する結晶の配向を制御する配向制御層を設けてもよい。なお、下部電極膜2を設けない場合は、基板1とKNN膜3との間に、配向制御層を設けてもよい。配向制御層は、例えば、SRO、LNO、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、略称:STO)等の金属酸化物であって、下部電極膜2を構成する材料とは異なる材料を用いて形成することができる。配向制御層を構成する結晶は、基板1の表面に対して(100)面に優先配向していることが好ましい。
(c)例えば、KNN膜3は、Cu又はMnに加えて、あるいはCu又はMnに変えて、Cu又はMnと同等の効果を奏する他の金属元素を、KNN膜3の高いWERを維持しつつ、上述の絶縁性に関する効果、比誘電率に関する効果、又は酸素欠損の移動抑制に関する効果を得ることができる濃度で含んでもよい。この場合であっても、上述の実施形態等と同様の効果が得られる。
(d)例えば、上述の圧電積層体10,10Aを圧電素子20,20Aに成形する際、圧電積層体10,10A(圧電素子20,20A)を用いて作製した圧電デバイス30,30Aをセンサまたはアクチュエータ等の所望の用途に適用することができる限り、圧電積層体10,10Aから基板1を除去してもよい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
基板と、
電極膜と、
組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜と、を備え、
前記圧電膜を構成する結晶の粒径の標準偏差が0.42μm超、好ましくは0.45μm以上である圧電積層体が提供される。
(付記2)
付記1の圧電積層体であって、好ましくは、
前記圧電膜は、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸を5g、0.1M以下と、アンモニア濃度が29%であるアンモニア水を37mLと、濃度が30%である過酸化水素水を125mLとを混合したエッチング液を用いてエッチングした際のエッチングレートが0.1μm/min以上、好ましくは0.2μm/minである。
(付記3)
付記1または2の圧電積層体であって、好ましくは、
前記圧電膜は、銅(Cu)およびマンガン(Mn)からなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む。
(付記4)
付記3の圧電積層体であって、好ましくは、
前記金属元素はCuである。
(付記5)
付記1〜4のいずれかの圧電積層体であって、好ましくは、
前記圧電膜を構成する結晶の平均粒径が1.0μm超5μm以下、好ましくは1.5μm以上4μm以下である。
(付記6)
本発明の他の態様によれば、
基板上に電極膜を製膜する工程と、
前記電極膜上に、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜を製膜する工程と、を有し、
前記圧電膜を製膜する工程では、初期製膜速度を後期製膜速度よりも遅くする圧電積層体の製造方法が提供される。
(付記7)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板上に、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜を製膜する工程を有し、
前記圧電膜を製膜する工程では、初期製膜速度を後期製膜速度よりも遅くする圧電積層体の製造方法が提供される。
(付記8)
付記6または7の方法であって、好ましくは、
前記初期製膜速度を0.5μm/hr未満とし、前記後期製膜速度を0.5μm/hr以上2μm/hr以下とする。
(付記9)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板と、
前記基板上に製膜された下部電極膜と、
前記下部電極膜上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜と、
前記圧電膜上に製膜された上部電極膜と、を備え、
前記圧電膜を構成する結晶の粒径の標準偏差が0.42μm超、好ましくは0.45μm以上である圧電素子(圧電デバイス)が提供される。
(付記10)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板と、
前記基板上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜と、
前記圧電膜上に製膜された電極膜と、を備え、
前記圧電膜を構成する結晶の粒径の標準偏差が0.42μm超、好ましくは0.45μm以上である圧電素子(圧電デバイス)が提供される。
1 基板
3 圧電膜
10 圧電積層体

Claims (6)

  1. 基板と、
    電極膜と、
    組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜と、を備え、
    前記圧電膜を構成する結晶の粒径の標準偏差が0.42μm超である圧電積層体。
  2. 前記圧電膜は、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸を5g、0.1M以下と、アンモニア濃度が29%であるアンモニア水を37mLと、濃度が30%である過酸化水素水を125mLとを混合したエッチング液を用いてエッチングした際のエッチングレートが0.1μm/min以上である請求項1に記載の圧電積層体。
  3. 前記圧電膜は、CuおよびMnからなる群より選択される金属元素を0.2at%以上2.0at%以下の濃度で含む請求項1または2に記載の圧電積層体。
  4. 前記圧電膜を構成する結晶の平均粒径が1.0μm超5μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電積層体。
  5. 基板上に電極膜を製膜する工程と、
    前記電極膜上に、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜を製膜する工程と、を有し、
    前記圧電膜を製膜する工程では、初期製膜速度を後期製膜速度よりも遅くする圧電積層体の製造方法。
  6. 基板と、
    前記基板上に製膜された下部電極膜と、
    前記下部電極膜上に製膜され、組成式(K1−xNa)NbO(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造のアルカリニオブ酸化物からなる圧電膜と、
    前記圧電膜上に製膜された上部電極膜と、を備え、
    前記圧電膜を構成する結晶の粒径の標準偏差が0.42μm超である圧電素子。
JP2019143328A 2019-08-02 2019-08-02 圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子 Pending JP2021027134A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019143328A JP2021027134A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子
EP20188627.2A EP3772116A1 (en) 2019-08-02 2020-07-30 Piezoelectric element and manufacturing method thereof
US16/942,815 US20210036214A1 (en) 2019-08-02 2020-07-30 Piezoelectric stack method of manufacturing piezoelectric stack, and piezoelectric element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019143328A JP2021027134A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021027134A true JP2021027134A (ja) 2021-02-22

Family

ID=72242918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019143328A Pending JP2021027134A (ja) 2019-08-02 2019-08-02 圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20210036214A1 (ja)
EP (1) EP3772116A1 (ja)
JP (1) JP2021027134A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242161A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Tdk Corp セラミックス粉末、その製造方法、及び圧電素子
JP2015065398A (ja) * 2013-08-29 2015-04-09 日立金属株式会社 ニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法
WO2016143475A1 (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 株式会社村田製作所 圧電薄膜素子の製造方法及び圧電薄膜素子
JP2017076730A (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 株式会社サイオクス 圧電薄膜付き積層基板、圧電薄膜素子およびその製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60224748T2 (de) * 2001-04-23 2009-02-05 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Kornorientierte Keramik und Verfahren zu ihrer Herstellung, sowie anisotrop geformtes Pulver und Verfahren zu seiner Herstellung
JP4735840B2 (ja) 2005-12-06 2011-07-27 セイコーエプソン株式会社 圧電体積層体、表面弾性波素子、薄膜圧電共振子および圧電アクチュエータ
JP2008159807A (ja) 2006-12-22 2008-07-10 Hitachi Cable Ltd 圧電薄膜素子及び圧電薄膜素子を用いて製造したアクチュエータとセンサ
JP5380756B2 (ja) * 2011-08-10 2014-01-08 日立金属株式会社 圧電体膜素子の製造方法
US9331262B2 (en) * 2013-05-20 2016-05-03 Tdk Corporation Thin film piezoelectric element, thin film piezoelectric actuator, thin film piezoelectric sensor, hard drive disk, and inkjet printer device
JP2019067861A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 セイコーエプソン株式会社 圧電アクチュエーター、圧電駆動装置、ロボット、電子部品搬送装置およびプリンター
JP7044600B2 (ja) * 2018-03-14 2022-03-30 住友化学株式会社 圧電積層体、圧電積層体の製造方法および圧電デバイス

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242161A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Tdk Corp セラミックス粉末、その製造方法、及び圧電素子
JP2015065398A (ja) * 2013-08-29 2015-04-09 日立金属株式会社 ニオブ酸系強誘電体薄膜素子の製造方法
WO2016143475A1 (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 株式会社村田製作所 圧電薄膜素子の製造方法及び圧電薄膜素子
JP2017076730A (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 株式会社サイオクス 圧電薄膜付き積層基板、圧電薄膜素子およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3772116A1 (en) 2021-02-03
US20210036214A1 (en) 2021-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6239566B2 (ja) 圧電薄膜付き積層基板、圧電薄膜素子およびその製造方法
JP6342040B1 (ja) 圧電膜を有する積層基板、圧電膜を有する素子および圧電膜を有する積層基板の製造方法
US20230115136A1 (en) Laminated substrate having piezoelectric film, element having piezoelectric film and method for manufacturing this laminated substrate
JP2007294593A (ja) 圧電薄膜を用いた素子
US20210036212A1 (en) Piezoelectric laminate, piezoelectric element, and method of manufacturing the piezoelectric laminate
JP6502460B2 (ja) 圧電薄膜付き積層基板および圧電薄膜素子
JP2021027134A (ja) 圧電積層体、圧電積層体の製造方法、および圧電素子
JP6607993B2 (ja) 圧電膜を有する積層基板、圧電膜を有する素子および圧電膜を有する積層基板の製造方法
JP2021027133A (ja) 圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法
JP7074512B2 (ja) 圧電積層体、圧電積層体の製造方法、圧電素子、およびスパッタリングターゲット材
JP7319848B2 (ja) 圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法
JP6804615B2 (ja) 圧電膜を有する積層基板、圧電膜を有する素子および圧電膜を有する積層基板の製造方法
US20220254988A1 (en) Piezoelectric film, piezoelectric layered body, piezoelectric element, and method for manufacturing piezoelectric layered body
JP7464360B2 (ja) 圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法
JP7399752B2 (ja) 圧電膜、圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法
JP6758444B2 (ja) 圧電薄膜付き積層基板および圧電薄膜素子
JP7320091B2 (ja) 圧電薄膜付き積層基板、圧電薄膜付き積層基板の製造方法、圧電薄膜素子、スパッタリングターゲット材、およびスパッタリングターゲット材の製造方法
JP6961770B2 (ja) 圧電薄膜付き積層基板および圧電薄膜素子
WO2021177091A1 (ja) 圧電膜、圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法
WO2022004068A1 (ja) 圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法
JP6964511B2 (ja) 圧電積層体、圧電積層体の製造方法および圧電素子
WO2022172672A1 (ja) 圧電積層体、圧電素子および圧電積層体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20191219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240326