JP2021025731A - 熱交換器 - Google Patents

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祐生 藤田
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Abstract

【課題】熱媒体の凍結に起因するクラックの発生を抑制できる熱交換器を提供する。【解決手段】熱交換器Aは、ガス流通路及び熱媒体流通路を備えている。熱媒体流通路を構成する流入空間S1及び流出空間S2には、熱媒体の膨張圧を吸収する吸収体25が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、熱交換器に関する。
特許文献1に開示される熱交換器は、ガス流通路と、熱媒体流通路と、ガス流通路及び熱媒体流通路を区画する区画壁とを備えるセラミック製のハニカム構造体により構成され、ガス流通路を流通するガスと、熱媒体流通路を流通する液状の熱媒体との間で熱交換を行う。特許文献1の熱交換器の熱媒体流通路は、外部に開口する流入路及び流出路と、流入路と流出路とを連通する複数のセルとから構成されている。
特開2015−140273号公報
ところで、内部に液状の熱媒体が溜まった状態の熱交換器を、熱媒体が凍結する条件に曝した場合、凍結による熱媒体の膨張によって、熱交換器にクラックが生じる虞があった。
本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱媒体の凍結に起因するクラックの発生を抑制できる熱交換器を提供することにある。
上記課題を解決する熱交換器は、複数のガス流通路及び熱媒体流通路を備え、上記ガス流通路を流通するガスと、上記熱媒体流通路を流通する液状の熱媒体との間で熱交換が行われるセラミック製の熱交換器であって、上記熱媒体流通路内に熱媒体の膨張圧を吸収する吸収体が設けられている。
上記構成によれば、熱媒体流通路内の熱媒体が凍結して膨張した場合に、その膨張圧を受けて吸収体が圧縮されて膨張圧を吸収することにより、熱媒体の凍結時の体積膨張による内部応力の上昇が緩和される。これにより、熱媒体の凍結に起因するクラックの発生が抑制される。
上記熱交換器において、上記吸収体は、独立気泡構造を有する弾性体、及び中実の弾性体から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
上記構成によれば、吸収体の内部に熱媒体が浸入することを抑制できる。これにより、内部に浸入した熱媒体が凍結することによる吸収体の弾性の低下を抑制できる。
上記熱交換器において、複数の上記ガス流通路及び複数の本体側熱媒体流通路を備える本体部と、上記本体側熱媒体流通路に熱媒体を給排するための流路部とを備え、上記流路部は、上記本体部の外側に、上記本体側熱媒体流通路の各流入口に連通する流入空間、及び上記本体側熱媒体流通路の各流出口に連通する流出空間を区画する区画部と、上記流入空間に熱媒体を供給する供給部と、上記流出空間から熱媒体を排出する排出部とを備え、上記熱媒体流通路は、上記本体側熱媒体流通路と、上記流入空間と、上記流出空間とにより構成され、上記吸収体は、上記流入空間及び上記流出空間の少なくとも一方に設けられていることが好ましい。
上記構成の本体部及び流路部を備える熱交換器の場合、本体側熱媒体流通路内の熱媒体から先に凍結した際に、流入空間又は流出空間において大きな膨張圧がかかる。そのため、流入空間及び上記流出空間の少なくとも一方に吸収体を設けることにより、内部応力の上昇を緩和する効果が大きく得られる。
上記熱交換器において、上記吸収体は、上記区画部における上記流入口又は上記流出口に対向する壁部に設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、吸収体が、流入口又は流出口の一部を塞いで流入口又は流出口を狭めてしまうことを抑制できる。
上記熱交換器において、上記本体部は、上記ガス流通路及び上記本体側熱媒体流通路を区画する区画壁を備え、上記本体側熱媒体流通路は、上記本体部の外部に開口する流入路及び流出路と、上記流入路と上記流出路とを連通する連通路とを備えるU字状に形成され、上記区画壁は、上記流入路と上記流出路との間を仕切るとともに上記連通路の壁部を構成する仕切壁を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、本体側熱媒体流通路内の熱媒体が凍結した際の膨張圧が、各本体側熱媒体流通路の流入口又は流出口を通じて流入空間又は流出空間に抜けやすくなる。そのため、流入空間又は流出空間に吸収体を設けることによる内部応力の上昇を緩和する効果が大きく得られる。
本発明の熱交換器によれば、熱媒体の凍結に起因するクラックの発生を抑制できる。
熱交換器の分解斜視図。 (a)は、図1の2a−2a線断面図、(b)は、図1の2b−2b線断面図。 図1の3−3線断面図。 図1の4−4線断面図。 第1成形体の斜視図。 熱媒体流通路形成工程の説明図。 第2成形体の斜視図。 第3成形体及び第4成形体の斜視図。 脱脂工程の説明図。 含浸工程の説明図。 吸収体形成工程の説明図。
以下、熱交換器の一実施形態を説明する。
図1〜4に示すように、熱交換器Aの本体部10は、矩形筒状の周壁11と、周壁11の内部を複数のガス流通路R1と複数の本体側熱媒体流通路R2に区画する区画壁12とを備えている。
図2(a)に示すように、矩形筒状の周壁11は、上下に対向する一対の横側壁11aと、左右に対向する一対の縦側壁11bとを有し、周壁11の軸方向に直交する断面形状が横長の長方形をなすように構成されている。以下では、周壁11の軸方向を単に軸方向と記載する。
図2(a)、図2(b)に示すように、区画壁12は、横側壁11aに平行な第1区画壁12aと、第1区画壁12a同士を接続するとともに、縦側壁11bに平行な第2区画壁12bとを備える。また、図2(a)及び図4に示すように、区画壁12は、所定の隣り合う第2区画壁12b同士の間を部分的に接続するように配置され、縦側壁11bに平行な第3区画壁12c及び仕切壁12dを備える。
図4に示すように、第3区画壁12cは、縦側壁11bの軸方向の両端部に位置する側縁に沿って上下方向に延びる一対の端壁部と、縦側壁11bの下縁に沿って軸方向に延びるとともに一対の端壁部に接続される下壁部とを備えるU字状に形成されている。仕切壁12dは、U字状の第3区画壁12cの内側に所定の間隔をあけて配置され、縦側壁11bの上縁中央部から下方へ延びる矩形状に形成されている。
図2、3に示すように、周壁11の内部には、第1区画壁12aと第2区画壁12bとによって、軸方向に延びる複数のガス流通セルCが形成されている。ガス流通セルCは、ガス流通路R1を構成する。
図2、4に示すように、周壁11の内部には、第2区画壁12b、第3区画壁12c及び仕切壁12dによって、軸方向に並ぶ一対の流入路14a及び流出路14bと、軸方向に延びるとともに流入路14aと流出路14bとを連通する連通路13とが形成されている。流入路14a、流出路14b、及び連通路13は、本体側熱媒体流通路R2を構成する。したがって、流入路14aの周壁11に開口する端部は、本体側熱媒体流通路R2の流入口15aとなるとともに、流出路14bの周壁11に開口する端部は、本体側熱媒体流通路R2の流出口15bとなる。図1に示すように、本実施形態においては、3組の流入路14a及び流出路14bが軸方向に直交する方向に並ぶように形成されている。
図4に示すように、仕切壁12dは、流入路14aと流出路14bとの間を仕切る壁部であり、流入路14a及び流出路14bにおける軸方向内側の壁面を構成するとともに、連通路13における上側の壁面を構成している。第3区画壁12cは、流入路14a及び流出路14bの軸方向外側の壁面を構成するとともに、連通路13の下側の壁面を構成している。
図2(a)に示すように、第3区画壁12c及び仕切壁12dの厚さTは、第1区画壁12a及び第2区画壁12bよりも厚く構成され、ガス流通セルCの幅方向(図中左右方向)の寸法と同等以上になるように構成されている。ここで、第3区画壁12c及び仕切壁12dの厚さTとは、ガス流通セルCの幅方向における第3区画壁12c及び仕切壁12dの寸法を意味するものとする。
第3区画壁12c及び仕切壁12dの厚さTは、ガス流通セルCの幅方向の寸法(流路幅)に対して、1.0〜5.0倍であることが好ましい。なお、第1区画壁12a及び第2区画壁12bの厚さは、例えば、0.1〜0.5mmであり、第3区画壁12c及び仕切壁12dの厚さTは、例えば、0.5〜5.0mmである。また、第3区画壁12c及び仕切壁12dの厚さTは、ガス流通セルCの幅方向(図中左右方向)における、流入路14a及び流出路14bの寸法U(図2(b)参照)と等しくなるように構成される。
次に、ガス流通路R1を構成するガス流通セルCについて説明する。
図2、3に示すように、ガス流通セルCは、両端部が共に開放され、処理対象のガスを軸方向に沿って流通させることができるように構成されている。ガス流通セルCは、周壁11の縦側壁11bに平行にガス流通セルCが8個配列したセル列Caを備える。セル列Caは、周壁11の横側壁11aに沿って4列設けられている。図2(a)、図2(b)に示すように、4列のセル列Caと4列のセル列Caとの間に第3区画壁12c及び仕切壁12dが配置されている。そして、4列のセル列Caの隣であって、第3区画壁12c及び仕切壁12dの間に流入路14a、流出路14b及び連通路13が配置されている。そして、これらの配置が繰り返された配置パターンが形成されている。
ガス流通セルCを流通させる処理対象のガスとしては、例えば、内燃機関の排気ガスが挙げられる。ガス流通セルCのセル構造は特に限定されるものではないが、例えば、第1区画壁12a及び第2区画壁12bの壁厚が0.1〜0.5mmであり、セル密度が、周壁11の軸方向に直交する断面1cmあたり15〜93セルであるセル構造とすることができる。
次に、本体側熱媒体流通路R2について説明する。
図4に示すように、本体側熱媒体流通路R2は、周壁11に開口する流入口15aを有する流入路14aと、周壁11に開口する流出口15bを有する流出路14bと、流入路14a及び流出路14bの下側の端部に連通される連通路13とを備えるU字状に形成されている。流入路14a及び流出路14bは、軸方向における中央に配置される仕切壁12dを挟んで軸方向に並設されている。また、流入路14a及び流出路14bは、軸方向に直交する方向に平行に延びるように形成されている。
熱交換効率を高める観点において、流入路14aの軸方向の長さと流出路14bの軸方向の長さとの合計は、ガス流通セルCの軸方向の長さの1/2以上であることが好ましい。また、流入路14a及び流出路14bの上下方向の長さは、流入路14a及び流出路14bの下端が熱交換器Aの中心よりも下側に位置する長さであることが好ましい。
図2(a)、図2(b)に示すように、ガス流通セルCの幅方向(図中左右方向)において、本体側熱媒体流通路R2の両側にガス流通セルCが設けられ、本体側熱媒体流通路R2は、第2区画壁12bを介してガス流通セルCに隣接している。
図1に示すように、本体部10の周壁11の上面には、上面全体を覆うように配置されて本体側熱媒体流通路R2に熱媒体を給排する流路部20が設けられている。流路部20は、周壁11の外周側に所定の空間を区画する区画部21を備えている。区画部21は、矩形板状の上壁部22と、上壁部22における一方側の対向する縁部及び他方側の対向する縁部から上壁部22の厚さ方向にそれぞれ立設する第1側壁部23a及び第2側壁部23bとを有する。また、区画部21は、上壁部22の中央部から上壁部22の厚さ方向に立設し、第2側壁部23b同士を繋ぐ中間壁部23cを有する。図2〜4に示すように、流路部20における第1側壁部23a、第2側壁部23b及び中間壁部23cの先端部分は、本体部10の周壁11に対して一体に固定されている。
中間壁部23cは、上壁部22、第1側壁部23a、第2側壁部23bにより囲まれる空間を、一方の第1側壁部23a側に位置する流入空間S1と、他方の第1側壁部23a側に位置する流出空間S2とに区画する。図1に示すように、流入空間S1は、複数の流入口15aに跨るように周壁11の外周側に位置するとともに、流出空間S2は、複数の流出口15bに跨るように周壁11の外周側に位置している。
図1、4に示すように、流路部20の上壁部22には、流入空間S1に開口する供給部24aが設けられている。供給部24aは、流入空間S1に熱媒体を供給する供給管を接続するための部位であり、流路部20の外側及び流入空間S1側に突出する管状に形成されている。また、流路部20の上壁部22には、流出空間S2に開口する排出部24bが設けられている。排出部24bは、流出空間S2から熱媒体を排出する排出管を接続するための部位であり、流路部20の外側及び流出空間S2側に突出する管状に形成されている。
図4に示すように、流路部20の流入空間S1及び流出空間S2には、圧力が加えられた際に可逆的に圧縮可能な吸収体25が設けられている。吸収体25は、流入空間S1及び流出空間S2における本体側熱媒体流通路R2の流入口15a又は流出口15bに対向する部分である上壁部22の内面に設けられている。
吸収体25としては、例えば、独立気泡構造を有する弾性体、及び中実の弾性体が挙げられる。これらの中でも、可逆的に圧縮できる割合(圧縮率)が高いことから、独立気泡構造を有する弾性体とすることが好ましい。吸収体25の圧縮率は、例えば、10〜90%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましい。
吸収体25の材質としては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等の各種合成ゴム、及び天然ゴムが挙げられる。
吸収体25の量は、例えば、熱交換器Aに液状の熱媒体を充填された使用状態を基準として可逆的に圧縮できる圧縮量(体積減少量)の合計値が、本体部10の本体側熱媒体流通路R2の容積と、流路部20の流入空間S1及び流出空間S2の容積の合計値(後述する熱媒体流通路の容積)の10%以上となる量であることが好ましく、20%以上となる量であることがより好ましい。
図4に示すように、熱媒体は、流路部20の供給部24aから熱交換器A内へ供給される。供給部24aから供給された熱媒体は、流入空間S1を通じて本体部10の周壁11に開口する流入口15aから本体側熱媒体流通路R2に流入する。本体側熱媒体流通路R2に流入した熱媒体は、流入路14aを通って連通路13へと流れ、流出路14bを通って、周壁11に開口する流出口15bから流出空間S2に流出する。流出空間S2に流出した熱媒体は、流路部20の排出部24bから熱交換器A外へ排出される。したがって、本体部10の本体側熱媒体流通路R2と、流路部20の流入空間S1及び流出空間S2とによって、熱交換器Aの熱媒体流通路が構成されている。
熱媒体流通路を流通する熱媒体としては、水を用いることができる。
上記構成の熱交換器Aは、本体部10において、ガス流通セルCを流れるガスと、本体側熱媒体流通路R2を流れる熱媒体との間で、区画壁12を介して熱交換を行うことができる。
また、熱交換器Aの本体部10及び流路部20の各壁部は、セラミック材料により構成されている。上記セラミック材料は、特に限定されるものではなく、公知のセラミック製の熱交換器に用いられる材料を用いることができる。上記セラミック材料としては、例えば、炭化ケイ素、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物が挙げられる。これらの中でも、炭化ケイ素を主成分として含む材料は、他のセラミック材料に比べて熱伝導率が高く、熱交換効率を高くすることができるため好ましい。ここで、主成分とは、50質量%以上を意味するものとする。炭化ケイ素を主成分として含む材料としては、例えば、炭化ケイ素の粒子と金属ケイ素を含む材料が挙げられる。
図5〜11に基づいて、熱交換器Aの一製造方法について説明する。
熱交換器Aは、以下に記載する第1成形工程、熱媒体流通路形成工程、第2成形工程、脱脂工程、含浸工程、吸収体形成工程を順に経ることにより製造される。
(第1成形工程)
熱交換器の成形に用いる原料として、炭化ケイ素粒子と、有機バインダーと、分散媒とを含有する粘土状の混合物を調製する。
有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。これらの有機バインダーの中でも、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースが特に好ましい。また、上記の有機バインダーのうちの一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
分散媒としては、例えば、水、有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、エタノールが挙げられる。また、上記の分散媒のうちの一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、混合物中にその他の成分を更に含有させてもよい。その他の成分としては、例えば、炭化ケイ素以外の材質からなるセラミック粒子、可塑剤、潤滑剤が挙げられる。炭化ケイ素以外の材質からなるセラミック粒子としては、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物からなるセラミック粒子が挙げられる。可塑剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物が挙げられる。潤滑剤としては、例えば、グリセリンが挙げられる。
図5に示すように、この粘土状の混合物を用いて、ガス流通セルCが縦方向に8個配列したセル列を備え、このセル列が横方向に4列設けられた矩形筒状の成形体(第1成形体30)を成形する。必要に応じて、得られた第1成形体30に対して乾燥処理を行う。乾燥処理の具体的方法としては、例えば、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いた乾燥処理が挙げられる。
(熱媒体流通路形成工程)
熱媒体流通路形成工程は、第1成形工程で得られた複数の第1成形体の間に層間材を用いて熱媒体流通路を形成する工程である。
図6に示すように、第1成形体30の側面におけるガス流通セルCの延びる方向の両端部、及び第1成形体30の側面における下端部に、層間材31、32として、第1成形体30の原料と同じ粘土状の混合物を塗布する。層間材31は、後の工程を経て第3区画壁12cとなる部分であり、開放部が上方を向いたU字状に塗布される。層間材32は、後の工程を経て仕切壁12dとなる部分であり、第1成形体30の側面の中央上端部から下方に延びる矩形状に塗布される。
層間材31、32を塗布した第1成形体30には、必要に応じて乾燥処理が行われる。層間材31、32の厚さは、特に限定されないが、ガス流通セルCの流路幅に対して、1.0〜5.0倍であることが好ましい。
図7に示すように、層間材31、32を塗布した第1成形体30を重ね合わせることにより、4個の第1成形体30の間に、層間材31、32が配置された成形体(第2成形体33)を作製する。ここで、第1成形体30の側面に層間材31、32を塗布する方法に代えて、予め、層間材31、32をコ字状等の形状に成形した後、複数の第1成形体30間に配置してもよい。
(第2成形工程)
図8に示すように、第1成形体30の原料と同じ粘土状の混合物を用いて流路部20に相当する第3成形体34を別途成形する。そして、第2成形体33の上面に第3成形体34を載置することにより、第4成形体35を作製する。
(脱脂工程及び含浸工程)
脱脂工程は、第4成形体35を加熱することによって、第4成形体35に含まれる有機分を焼失させる工程である。図9に示すように、脱脂工程を経ることにより、炭化ケイ素粒子同士が接触した状態で配置された骨格部分を有する多孔質の脱脂体40が得られる。
含浸工程は、脱脂体40の各壁の内部に金属ケイ素を含浸させる工程である。含浸工程においては、脱脂体40に対して金属ケイ素の塊を接触させた状態として、金属ケイ素の融点以上(例えば、1450℃以上)に加熱する。これにより、図10に示すように、溶融した金属ケイ素が毛細管現象によって、脱脂体の骨格部分を構成する粒子間の隙間へ入り込み、同隙間に金属ケイ素が含浸された含浸体50が得られる。
含浸工程の加熱処理は、脱脂工程の加熱処理から連続して行ってもよい。例えば、加工成形体に対して金属ケイ素の塊を接触させた状態として、金属ケイ素の融点未満の温度で加熱することにより有機分を除去して脱脂体とした後、加熱温度を金属ケイ素の融点以上に上昇させ、溶融した金属ケイ素を脱脂体に含浸させる。
(吸収体形成工程)
吸収体形成工程は、含浸体50の熱媒体流通路に吸収体25を設ける工程である。図11に示すように、流路部20の上壁部22が下側に位置するように、上下を逆にして含浸体50を支持した状態とする。そして、供給部24a又は排出部24bから流入空間S1又は流出空間S2内にフック状の注入針51を挿入し、固化することにより吸収体25となる液状又はペースト状の吸収体原料を流入空間S1又は流出空間S2内に注入する。これにより、上壁部22の内面に吸収体原料が塗布される。その後、加熱処理等の吸収体原料の種類に応じた固化処理を行うことにより、流路部20の流入空間S1及び流出空間S2に吸収体25が設けられた熱交換器Aが得られる。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。
(1)ガス流通路及び熱媒体流通路を備え、ガス流通路を流通するガスと、熱媒体流通路を流通する液状の熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器は、熱媒体流通路内に熱媒体の膨張圧を吸収する吸収体が設けられている。
上記構成によれば、熱媒体流通路内の熱媒体が凍結して膨張した場合に、その膨張圧を受けて吸収体が圧縮されて膨張圧を吸収することにより、熱媒体の凍結時の体積膨張による内部応力の上昇が緩和される。これにより、熱媒体の凍結に起因するクラックの発生が抑制される。
(2)吸収体は、独立気泡構造を有する弾性体又は中実の弾性体である。
上記構成によれば、吸収体の内部に熱媒体が浸入することを抑制できる。これにより、内部に浸入した熱媒体が凍結することによる吸収体の弾性の低下を抑制できる。
(3)吸収体の量は、可逆的に圧縮できる圧縮量が熱媒体流通路の容積の10%以上となる量であることが好ましく、20%以上となる量であることがより好ましい。
水の凍結時の体積膨張率は約110%である。そのため、上記構成によれば、熱媒体として水が用いられている場合に、熱媒体流通路内の熱媒体の凍結時に膨張した体積を吸収体の圧縮により吸収することができる。
(4)熱交換器は、複数のガス流通路及び複数の本体側熱媒体流通路を備える本体部と、本体側熱媒体流通路に熱媒体を給排するための流路部とを備えている。流路部は、本体部の外側に、本体側熱媒体流通路の各流入口に連通する流入空間、及び本体側熱媒体流通路の各流出口に連通する流出空間を区画する区画部と、流入空間に熱媒体を供給する供給部と、流出空間から熱媒体を排出する排出部とを備えている。熱媒体流通路は、本体側熱媒体流通路と、流入空間と、流出空間とにより構成され、吸収体は、流入空間及び流出空間に設けられている。
上記構成の本体部及び流路部を備える熱交換器の場合、本体側熱媒体流通路内の熱媒体から先に凍結した際に、流入空間又は流出空間に大きな膨張圧がかかる。そのため、流入空間及び流出空間に吸収体を設けることにより、内部応力の上昇を緩和する効果が大きく得られる。
(5)吸収体は、流路部における流入口又は流出口に対向する壁部である上壁部に設けられている。
上記構成によれば、吸収体は、流入口又は流出口の一部を塞いで流入口又は流出口を狭めてしまうことを抑制できる。
(6)本体部は、ガス流通路と、本体側熱媒体流通路と、ガス流通路及び本体側熱媒体流通路を区画する区画壁とを備えている。本体側熱媒体流通路は、流入口を有する流入路と、流出口を有する流出路と、流入路と流出路とを連通する連通路とを備えるU字状に形成されている。区画壁は、流入路と流出路との間を仕切るとともに連通路の壁部を構成する仕切壁を備える。
上記構成によれば、本体側熱媒体流通路内の熱媒体が凍結した際の膨張圧が、各本体側熱媒体流通路の流入口又は流出口を通じて流入空間又は流出空間に抜けやすくなる。そのため、流入空間又は流出空間に吸収体を設けることによる内部応力の上昇を緩和する効果が大きく得られる。
本実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。また、上記実施形態の構成や以下の変更例に示す構成を適宜組み合わせて実施することも可能である。
・本実施形態では、流入空間及び流出空間の両方に吸収体を設けていたが、流入空間及び流出空間のいずれか一方のみに吸収体を設けた構成であってもよい。
・熱媒体流通路内であれば、吸収体を設ける位置は特に限定されるものではない。例えば、流入空間及び流出空間に吸収体を設ける場合、本体部の周壁の外周面に吸収体を設けてもよいし、流路部の第1側壁部又は第2側壁部の内面に吸収体を設けてもよい。また、本体部の本体側熱媒体流路に吸収体を設けてもよい。
・吸収体の配置箇所は特に限定されるものではなく、熱媒体流通路内に少なくとも一箇所設けられていればよい。また、吸収体を複数箇所、設ける場合、各吸収体の構造や材質は同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
・本体側熱媒体流路として、公知の熱交換器に適用される熱媒体流路を採用してもよい。例えば、特許文献1の熱交換器のように、外部に開口する流入路及び流出路と、流入路と流出路とを連通する複数のセルとから構成される熱媒体流路としてもよい。
・本実施形態では、熱交換器は、幅方向(図2の左右方向)の寸法が、上下方向の寸法よりも大きく構成されていたが、この態様に限定されない。上下方向の寸法の方が、幅方向の寸法よりも大きく構成されていてもよいし、上下方向と幅方向が同じ寸法で構成されていてもよい。
・本実施形態では、ガス流通セルは、周壁の縦側壁に平行にガス流通セルが8個配列し、このセル列が、周壁の横側壁に沿って4列設けられた配置パターンが、熱媒体流通路を介して繰り返されていたが、この態様に限定されない。ガス流通セルの配置パターンは、適宜選択することができる。
・周壁は、矩形筒状に限定されない。円筒状や、断面が楕円形の筒状に構成されていてもよい。また、ガス流通セル及び熱媒体流通路の断面形状は断面矩形状に限定されない。矩形状以外の多角形状であってもよいし、円形や楕円形であってもよい。多角形状の角部が面取りされた形状であってもよい。熱媒体流通路の流入路と流出路とで形状が異なっていてもよい。
以下、上記実施形態をさらに具体化した実施例について説明する。
熱媒体流路に吸収体を設けた実施例1〜3の熱交換器と、熱媒体流路に吸収体を設けていない比較例1の熱交換器を作製し、充填した熱媒体を凍結させた際の挙動を観察した。
ガス流通セルが縦方向に27個配列したセル列を備え、このセル列が横方向に4列設けられた矩形筒状の第1成形体を成形した。第1成形体の各壁の壁厚は、0.15mmとし、セルサイズは、縦0.98mm×横0.98mm×長さ80mmとした。
第1成形体の側面に対して、流入路、流出路、及び連通路を形成するように、厚さ3mmの層間材を塗布した。流入路の幅(軸方向の長さ)、流出路の幅(軸方向の長さ)、連通路の幅(縦方向(上下方向)の長さ)が全て20mmとなり、第3区画壁となる層間材の幅(外周からの長さ)が全て5mmとなるように層間材を塗布した。そして、層間材を挟んで8個の第1成形体を重ね合わせた第2成形体を作製した。
また、プレス成型により第3成形体を成形し、第2成形体の上面に第3成形体を載置することにより第4成形体を作製した。第3成形体の各壁の壁厚は、2mmとし、流入空間及び流出空間のサイズはそれぞれ、幅43mm×高さ13mm×軸方向長さ37mmとした。流入空間及び流出空間の幅は、セル列が並ぶ方向(横方向)の長さである。なお、第1成形体、層間材、及び第3成形体の材料として、含浸工程後、炭化ケイ素の体積含有率が60%となる壁が形成される組成の材料を用いた。
第4成形体に対して脱脂工程及び脱脂体にシリコンを含侵する含浸工程を実施して含浸体を得た。この含浸体を比較例1として用いた。また、得られた含浸体の熱媒体流路に吸収体を設けることにより、実施例1〜3の熱交換器を得た。吸収体としては、圧縮率80%の独立気泡構造の天然ゴムスポンジ、又は圧縮率40%の中実のシリコンゴムを用いた。各実施例に用いた吸収体の種類、及び各実施例における吸収体の配置を表1に示す。
得られた実施例1〜3及び比較例1の熱交換器の熱媒体流路に熱媒体としての水を充填し、−19℃の恒温槽に2時間放置した後に目視でクラックの有無を確認した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、熱媒体流路に吸収体を設けていない比較例1の場合、充填した熱媒体を凍結させた際に、流路部にクラックが生じた。一方、熱媒体流路に吸収体を設けた実施例1〜3の場合、クラックは生じなかった。
A…熱交換器、R1…ガス流通路、R2…本体側熱媒体流通路、S1…流入空間、S2…流出空間、10…本体部、11…周壁、12…区画壁、12a…第1区画壁、12b…第2区画壁、12c…第3区画壁、12d…仕切壁、13…連通路、14a…流入路、14b…流出路、15a…流入口、15b…流出口、20…流路部、21…区画部、22…上壁部、24a…供給部、24b…排出部、25…吸収体、30…第1成形体、31,32…層間材、33…第2成形体、34…第3成形体、35…第4成形体、40…脱脂体、50…含浸体。

Claims (5)

  1. 複数のガス流通路及び熱媒体流通路を備え、前記ガス流通路を流通するガスと、前記熱媒体流通路を流通する液状の熱媒体との間で熱交換が行われるセラミック製の熱交換器であって、
    前記熱媒体流通路内に熱媒体の膨張圧を吸収する吸収体が設けられていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記吸収体は、独立気泡構造を有する弾性体、及び中実の弾性体から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の熱交換器。
  3. 複数の前記ガス流通路及び複数の本体側熱媒体流通路を備える本体部と、
    前記本体側熱媒体流通路に熱媒体を給排するための流路部とを備え、
    前記流路部は、
    前記本体部の外側に、前記本体側熱媒体流通路の各流入口に連通する流入空間、及び前記本体側熱媒体流通路の各流出口に連通する流出空間を区画する区画部と、
    前記流入空間に熱媒体を供給する供給部と、
    前記流出空間から熱媒体を排出する排出部とを備え、
    前記熱媒体流通路は、前記本体側熱媒体流通路と、前記流入空間と、前記流出空間とにより構成され、
    前記吸収体は、前記流入空間及び前記流出空間の少なくとも一方に設けられている請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記吸収体は、前記区画部における前記流入口又は前記流出口に対向する壁部に設けられている請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記本体部は、前記ガス流通路及び前記本体側熱媒体流通路を区画する区画壁を備え、
    前記本体側熱媒体流通路は、前記本体部の外部に開口する流入路及び流出路と、前記流入路と前記流出路とを連通する連通路とを備えるU字状に形成され、
    前記区画壁は、前記流入路と前記流出路との間を仕切るとともに前記連通路の壁部を構成する仕切壁を備えている請求項3又は請求項4に記載の熱交換器。
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