JP2021025132A - 被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

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秀峰 小関
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Abstract

【課題】 耐食性や耐溶損性に優れ、離型剤や潤滑剤の付着性も良好な被覆部材を得ることができる。【解決手段】 基材の表面に硬質皮膜を有する被覆部材であって、前記硬質皮膜は、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択されるA層と、前記A層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、Cr、Ti、W、Moから選択される1種または2種以上を含む金属層と、前記金属層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、MoS2またはWS2を含むB層とを有し、前記金属層の硬質皮膜の表面側は、歪みが導入されており、前記B層の表面は硫化物であり、金属組成のみの原子%で、MoまたはWの含有量が90%以上であることを特徴とする、被覆部材およびその製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、被覆部材およびその製造方法に関するものである。
従来、プラスチックや樹脂、ゴム等を用いたスクリューやシールリングなどの射出成形部品の製造過程において、その射出成形に使用される金型には、その被成形材によってもたらされる腐食環境から、優れた耐食性が求められている。この射出成形部品は耐熱性や強度を向上させるための各種の添加剤が加えられており、射出成形中には、その加熱または発熱によってプラスチックが分解する一方で、上述した添加剤からも腐食ガスを発生するので、射出成形用金型は激しい腐食環境に曝され、孔食やガス焼付き等の要因となる。
一方で自動車、精密機械、家電等の部品を製造するために用いられるダイカスト金型においては、溶湯が金型に接触し、その部分が浸食される溶損現象が問題となる。またダイカスト用金型の表面には、溶融金属による加熱と、離型剤の噴霧による冷却を繰り返して受けることで、熱応力による疲労クラックが発生する可能性もある。
この射出成形用金型の耐食性や、ダイカスト金型の耐溶損性を向上させる目的で、従来、様々な検討がなされている。例えば特許文献1には、物品の基材表面に物理蒸着法によって少なくとも2層以上からなる硬質皮膜を被覆した被覆物品の製造方法について記載されている。この製造方法は、前記基材表面に第1の硬質皮膜を被覆するステップと、前記第1の硬質皮膜の表面に第2の硬質皮膜を被覆するステップとを含み、前記第2の硬質皮膜を被覆するステップの前に、前記第1の硬質皮膜の表面を、算術平均粗さRaが0.05μm以下、かつ最大高さRzが1.00μm以下に研磨するステップを更に含む、被覆物品の製造方法である。また特許文献2には、皮膜内部および皮膜表面のマクロ粒子を減少させて、皮膜の穴、ボイド、ポアの量を低減させることを目的とした皮膜付き切削工具について開示されている。すなわち特許文献2に記載の皮膜付き切削工具は、基材上に陰極アーク蒸発PVD堆積法で皮膜を堆積させる工程とを含み、該皮膜は窒化物、酸化物、硼化物、炭化物、炭窒化物、酸炭窒化物またはこれらの組合せである、皮膜付き切削工具を製造する方法において、上記堆積工程において、該皮膜に別個の中間イオンエッチングを1回以上施すことを特徴とする皮膜付き切削工具である。さらに特許文献3には、溶融金属に対する耐溶損性および耐焼付き性を高めるために、ダイカスト用金型の基材の表面にアークイオンプレーティング法で第1の硬質皮膜を被覆する工程と、前記第1の硬質皮膜の表面を平滑化処理する工程と、前記平滑化処理された第1の硬質皮膜の上にアークイオンプレーティング法で第2の硬質皮膜を被覆する工程と、を有するダイカスト用被覆金型について開示されている。
国際公開第2011/125657号 特開2009−78351号公報 国際公開第2016/027832号
上述したような特許文献1〜3の技術は、硬質皮膜上のドロップレットを低減させることで孔食の起点を少なくし、耐食性(耐溶損性)を向上させることができる非常に有効な発明である。しかし特許文献1〜3に記載されているように、積層前の硬質皮膜の表面を研摩しても、結晶粒界を腐食経路として進行する粒界腐食の発生を抑制することができず、粒界腐食の進行による腐食経路の拡大により、基材まで貫通する欠陥が発生する可能性がある。
また、金型の使用環境が高温となるAl合金のダイカスト用金型、低圧鋳造用金型、重力鋳造用金型用途や温熱間加工用金型用途では成形品の離型性向上、成形のハイサイクル化、成形時の被加工材と金型の滑り性向上を目的とし、金型に離型剤や潤滑剤を塗布しており、これらの付着性向上も要求される。上述したような粒界腐食の発生防止、粒界腐食の成長抑制、および離型剤や潤滑剤の付着性向上効果を並立させることについては、特許文献1〜3には記載されておらず、検討の余地が残されている。
よって本発明の目的は、耐食性や耐溶損性に優れ、離型剤や潤滑剤の付着性も良好な、被覆部材およびその製造方法を提供することである。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。即ち、基材の表面に硬質皮膜を有する被覆部材であって、前記硬質皮膜は、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択されるA層と、前記A層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、Cr、Ti、W、またはMoの少なくとも1種を含む金属層と、前記金属層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、MoSまたはWSを含むB層とを有し、前記金属層の硬質皮膜の表面側は、歪みが導入されており、前記B層の最表面は硫化物であり、金属組成のみの原子%で、MoまたはWの含有量が90%以上であることを特徴とする、被覆部材である。
好ましくは、前記A層の厚さが4〜20μmである。
好ましくは、前記B層の厚さが0.1〜10μmである。
好ましくは、前記B層は、b1層とb2層とが交互に2組以上積層されている交互積層構造であり、前記b1層は、MoSまたはWSから選択され、前記b2層はCr、Ti、W、またはMoの少なくとも1種を含み、B層の最表面にはb1層が配置される。
好ましくは、前記金属層とB層との間に、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される中間層を備える。
本発明の他の一態様は、基材の表面に硬質皮膜を有する、被覆部材の製造方法であって、基材にCrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択されるA層を被覆する第一被覆工程と、前記A層を被覆した後に、Cr、Ti、W、またはMoを含む金属層を被覆する金属層被覆工程と、前記金属層を被覆した後に、前記金属層の表層に歪みを導入する、金属層改質工程と、前記金属層改質工程後に、MoSまたはWSを含む硫化物であり、最表面が金属組成のみの原子%でMoまたはWの含有量が90%以上であるB層を被覆する第二被覆工程と、を有し、前記第二被覆工程の最後は、MoSまたはWSターゲットのみで成膜を行う、最表層被覆工程をさらに有することを特徴とする、被覆部材の製造方法である。
好ましくは、前記金属層改質工程は、Crイオン、Tiイオン、WイオンまたはMoイオンを含む金属イオンボンバードである。
好ましくは、前記第二被覆工程は、MoSまたはWSターゲットへの投入電力を基材側から硬質皮膜の表面側に向けて増加させていくと同時に、金属ターゲットへの投入電力を基材側から表面側に向けて減少させてB層を成膜する工程を含む。
好ましくは前記金属層改質工程の後に、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される中間層を被覆する中間層被覆工程を備える。
本発明によれば、耐食性や耐溶損性に優れ、離型剤や潤滑剤の付着性も良好な被覆部材を得ることができる。
本発明例の被覆部材の走査電子顕微鏡による断面写真である。 本発明例と比較例の付着性評価試験結果を示すグラフである。 本発明例と比較例の溶損試験後の写真である。
以下に本発明の実施形態を詳しく説明する。ただし、本発明は、ここで取り挙げた実施形態に限定されるものではなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。本発明の被覆部材は、各種機械部品、金型、工具に適用することができる。中でも離型剤を使用する金型に適用することが好ましい。さらに、腐食環境に曝され、高い耐腐食性が求められる射出成形用金型や、溶湯の接触により溶損が発生しやすいダイカスト用金型に適用することが好ましい。
まず本発明の実施形態の被覆部材について説明する。本実施形態の被覆部材は、基材の表面に硬質皮膜を有する被覆部材であって、前記硬質皮膜は、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択されるA層と、前記A層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、Cr、Ti、W、またはMoの少なくとも1種を含む金属層と、前記金属層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、MoSまたはWSを含むB層とを有し、前記金属層の硬質皮膜の表面側は、歪みが導入されており、前記B層の表面は硫化物であり、金属組成のみの原子%で、MoまたはWの含有量が90%以上である。
本実施形態の被覆部材において、基材との密着性をより向上させるために、A層はCrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される。このA層におけるCrは、A層に含まれる、半金属を含む金属成分の合計を100原子%とした場合、25原子%以上含有されていることが好ましく、更にA層は窒化物からなることが好ましい。またMは、より組織を微細にして耐摩耗性を向上させる効果があるAl、Si、Bから選択することが好ましい。このMの含有量は、A層に含まれる金属成分の合計を100原子%とした場合、5原子%以上含有されていることが好ましい。
本実施形態におけるA層は、厚さを4〜20μmに調整することが好ましい。これにより、皮膜表面側から腐食が進行した際に、腐食が基板に到達するまでの経路を長くすることができるため、より長寿命な部材を得ることができる。また、仮に皮膜内に存在するドロップレットにより、皮膜中に1〜2μmの欠陥が発生した場合、このような粗大な欠陥が厚さ方向に連続して重なると、貫通欠陥の要因になる可能性がある。そのため膜厚の下限を4μm以上とし、A層をある程度厚く形成することによって、ドロップレットが皮膜の厚さ方向に連続して重なることを抑制することができる。A層が厚すぎると全体の膜厚が厚くなりすぎることで所望の特性を得ることが出来ない可能性があり、A層が薄すぎると、皮膜による耐食性向上効果が得られ難い傾向にある。より好ましいA層の厚さの下限は5μmであり、さらに好ましいA層の厚さの下限は6μmである。より好ましいA層の厚さの上限は15μmと設定することができる。
本実施形態の被覆部材は、A層の硬質皮膜の表面側に金属層が形成されている。ここで本実施形態における金属層とは、金属元素が70原子%以上含まれている金属主体の層を示し、一部非金属元素等が含まれていても良い。なお金属層に非金属元素として窒素を含む場合、金属層の窒素含有量は、A層の窒素含有量の70%以下であればよい。好ましくは金属元素が80原子%以上であり、より好ましくは金属元素が90原子%以上である。そして、その金属元素として、Cr、Ti、MoまたはWの少なくとも一種を含む。Cr、Ti、MoまたはW以外の元素として、周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上の元素を含んでもよく、その場合は金属元素のみでCr、Ti、Mo、Wが50原子%以上であることが好ましい。好ましくは、Cr、Ti、MoまたはWからなる金属層を有する。より好ましくは、後述する金属イオンボンバードに適しているCr、Tiから選択する。さらに好ましくは、耐食性に優れるCrを選択する。Crを選択した場合は、A層に用いたCrターゲットを継続して使用することができるため、生産性にも優れる。本実施形態の被覆部材はA層と面間隔が異なる金属層を備えることにより、原子的にA層と後述するB層との連続性を遮断することができる。成膜中に生成された孔食や粒界腐食の基点となる欠陥組織(ドロップレットにより生じる隙間や、粒界の三重点などの大きな粒界を含んだ組織)が形成された場合、その上に積層される皮膜も同様の組織形態となるように成長する傾向にある。本実施形態では、A層に欠陥組織が生じた場合も、金属層により、その欠陥組織の連続性がB層に生じることを遮断することができるため、硬質皮膜の表面から基材まで到達する貫通欠陥の発生を抑制することが可能である。この金属層の厚さは、上述した腐食抑制効果をより確実に発揮させるために、0.1〜3.0μmに設定することが好ましい。より好ましい金属層厚さの下限は0.2μmであり、より好ましい金属層厚さの上限は2.0μmである。
本実施形態の被覆部材の断面におけるA層と金属層との界面において、界面をまたぐ長径1μm以上のドロップレットが膜厚に直交する方向の長さで、50μmあたり1個以下(0を含む)であることが好ましい。この特徴を有する本実施形態の被覆部材は、孔食の起点となりやすい粗大なドロップレットが界面に存在しないため、孔食の発生をさらに抑制することが可能である。このような界面をまたぐドロップレットが少ない硬質皮膜得るためには、後述する本実施形態の製造方法に記載されているような、被覆後のA層表面を平滑化する研摩工程を導入すればよい。この研摩工程により、界面をまたぐような粗大なドロップレットを除去することが可能である。
本実施形態の金属層の硬質皮膜の表層側には、歪みが導入されている。この歪みが導入されている領域(以下、歪み領域とも記載する)を有することが、本発明の特徴の一つである。本実施形態の被覆部材は、歪みの導入により金属層の結晶組織が微細化した歪み領域を有するため、金属層における下層からの欠陥組織の成長を遮断する効果を大幅に向上させることで、皮膜の耐食性をさらに高めることができる。特に本実施形態ではセラミック層よりも可塑性である金属層を適用しているため、歪みが入りやすく、歪み領域を容易に形成することが可能である。この歪み領域は、厚さが1〜10nm程度形成されていれば、十分に上記の腐食遮断効果を発揮することが可能である。また本実施形態では、後述するように、被覆後の金属層表面にイオンボンバード処理を行うことで、歪みを導入することができる。この歪み領域は、透過型電子顕微鏡(TEM)の明視野像、レーザーラマン分光法またはX線回折法を用いることで、本実施形態の被覆部材における歪み領域を観察することが可能である。
本実施形態の被覆部材は金属層の上側に、MoSまたはWSを含む硫化物であるB層を有する。このB層を有することで、本実施形態の被覆部材は金型表面に塗布する離型剤や潤滑剤の付着性を向上というさらに優れた効果を発揮することができる。このB層はMoSまたはWSからなる硫化物、あるいは前記硫化物とCr、Ti、W、またはMoから選択される金属元素とからなる複合硫化物とすることができる。B層に複合硫化物の構成を選択した場合、B層内の金属元素濃度に関しては特に限定しないが、金属元素濃度が高いほど皮膜密着性が良くなる傾向にある。そのためB層の基材側は金属元素濃度を高く、B層の表面側は金属元素濃度を低く調整することが好ましい。またB層の表面は、硫化物の付着性向上効果を十分に発揮させるために、金属組成のみの原子%で、MoまたはWの含有量を90%以上とする。好ましいMoまたはWの含有量は95%以上であり、理想的にはMoまたはWの含有量が100%であることが好ましい。さらにこのMoまたはWの含有量が90%以上である領域は、厚さが0.1μm以上形成されることが好ましい。一方で皮膜の密着性を向上させるために、B層の基材側表面における金属元素濃度は60原子%以上であることが好ましい。より好ましくは70原子%以上である。でここでB層厚さの下限は、0.1μm以上とすることが好ましい。より好ましくは0.3μm以上である。B層厚さの上限は特に規定しないが、過剰に厚く形成させると皮膜の密着性が低下する可能性があるので、10μm以下としてもよい。好ましくは6μm以下であり、より好ましくは3μm以下である。
本実施形態の被覆部材におけるB層は、b1層とb2層とが交互に2組以上積層されている交互積層構造とすることが好ましい。このb1層はMoSまたはWSから選択され、b2層は金属層と同様に、Cr、Ti、MoまたはWの少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、さらにB層の密着性を向上させることが可能となる。b1層およびb2層の厚さはそれぞれ0.001〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。より好ましいb1層およびb2層の厚さ下限値はそれぞれ0.005μmであり、さらに好ましいb1層およびb2層の厚さ下限値はそれぞれ0.01μmである。また、より好ましいb1層およびb2層の厚さ上限値はそれぞれ2.0μmであり、さらに好ましいb1層およびb2層の厚さ上限値はそれぞれ1.0μmである。ここでb1層とb2層とは、同じ厚みでも良く、それぞれ異なる厚みとなってもよい。好ましくは、上述したようなB層の皮膜密着性を向上と付着性向上を満たすために、b1層の厚みを表層に向かって増加させてもよく、b2層の厚みを表層側に向かって減少させてもよい。また厚みの変動も傾斜的(連続的)、もしくは段階的としても効果を発揮することが可能であり、目的に応じて適宜選択すればよい。例えば段階的に変化させる場合は、一般的なPVD装置でも容易に作製可能であり、傾斜的に変化させる場合は、皮膜内部の応力分布が安定化し、層間での剥離が起こりにくくなる。ここで「傾斜的に変化」とは、b1層およびb2層の少なくとも一方が、1層ごとに変動することを示す。「段階的に変化」とは、b1層およびb2層の両方において2層以上同じ厚みの層が含まれることを示す。ただし交互積層構造の最表層は、b1層とすることが好ましく、その厚さは0.1μm以上であることが好ましい。
加えて本実施形態では、B層を複層構造とする際、A層や中間層として適用した窒化物層であるb3層を、b1層とb2層との間に挿入させることも可能である。これにより、b1層とb2層との交互積層を実施した時に比べて、皮膜をより高硬度に調整でき、高面圧のかかる温熱間鍛造金型の摺動面の耐摩耗安定性を向上させることができる。b1層、b3層、b2層の順で繰り返し積層した皮膜をB層とする際、b3層の厚さは0.001〜5.0μmであることが好ましい。より好ましいb3層の厚さ下限値は0.005μmであり、さらに好ましいb3層の厚さ下限値は0.01μmである。また、より好ましいb3層の厚さ上限値は2.0μmであり、さらに好ましいb3層の厚さ上限値は1.0μmである。
本実施形態の被覆部材は、上述したB層と金属層との間に、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される中間層を有することが好ましい。中間層は目的に応じて単層構造でも良いし、上述した成分の範囲内で異なる成分の二層以上の複層構造(交互積層構造を含む)としてもよい。例えばより硬さを向上させたり、クラックの進行を抑制してより耐久性を向上させたりしたいときは、交互積層構造とすることが好ましい。単層構造の場合はA層と同様にA層に含まれる、半金属を含む金属成分の合計を100原子%とした場合、Crが25原子%以上含有されている窒化物(Cr系窒化物)を選択することがより好ましい。交互積層構造を選択する場合は、Cr系窒化物を含む交互積層皮膜を適用することで、腐食経路を膜成長方向から膜成長方向と直行する方向へ促すというより優れた効果を得られやすくなるため、好ましい。中間層の厚さは4〜20μmに設定することが好ましい。より好ましい中間層の厚さの下限は5μm、さらに好ましい中間層の厚さは6μm、より好ましい中間層の厚さの上限は15μmと設定することができる。中間層が金属成分の詳細が異なるc1層とc2層とを交互に多層積層する交互積層構造である場合、c1層、c2層の個々の厚さは、5nm以上100nm以下であることが好ましい。また、中間層がc1層とc2層とを交互に多層積層する交互積層構造である場合、交互積層構造の上に交互積層した2層の個々の膜厚よりも厚い、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される単層の上部層を被覆してもよい。尚、この上部層を設ける場合は、交互積層構造と上部層とを合わせて中間層と定義する。
さらに本実施形態の被覆部材では、中間層の上にさらにCr、Ti、Mo、またはWを含む第二金属層を有してもよい。このときの第二金属層は、A層と中間層との間に形成されている金属層と同様の金属原子から構成されていてもよく、異なる金属原子から構成されていてもよい。この第二金属層を有することで、より優れた表面欠陥遮断効果が期待できる。第二金属層の厚さは、0.1〜3.0μmと設定することが好ましい。また、この第二金属層の好ましい形態は、同一炉内で処理することが可能であり、作業効率を高めることができるため、A層と中間層との間に形成されている金属層と同じ金属原子から構成されている。
続いて、本実施形態の製造方法について説明する。
(第一被覆工程)
本実施形態の製造方法では、まず基材にCrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択されるA層を被覆する。耐食性に優れるCr系の窒化物皮膜を選択することが好ましい。A層の被覆手段は、皮膜密着性を高めることができるアークイオンプレーティング法やスパッタリング法、ホローカソード法などの物理蒸着法を適用することができる。本実施形態では、アークイオンプレーティング法を適用している。被覆時のバイアス電圧は−150〜−40Vで実施することが好ましい。より好ましいバイアス電圧の下限は−120Vであり、より好ましいバイアス電圧の上限は−60Vである。またアーク電流は60〜150Aが好ましい。より好ましいアーク電流の下限は80Aであり、より好ましいアーク電流の上限は100Aである。
(研摩工程)
本実施形態では第一被覆工程後、A層の表面を研摩する研摩工程を導入してもよい。これによりA層の表面における粗大なドロップレットやパーティクルを除去することができるため、表面凹凸に起因する孔食の発生を抑制し、皮膜全体の耐食性を向上させることが可能である。この研摩手段には、ダイヤモンドペースト等の研摩材を保持した研摩布、ショットブラスト、イオンエッチング処理等を適用することができる。好ましくは、後述する成膜装置と同一炉内で処理可能である、イオンエッチング処理を適用する。研摩工程にイオンエッチング処理を適用した場合、好ましい条件は、Arガスをチャンバー内でイオン化させ、−600〜−200Vのバイアス電圧でイオンエッチングを行う。より好ましいバイアス電圧の下限は−450Vであり、より好ましいバイアス電圧の上限は−300Vである。なお本実施形態では、イオン(またはラジカル)を基材や皮膜に衝突させて表面を削り、洗浄や平滑化を行う工程を「イオンエッチング」、イオンを金属層に衝突させて金属層表面に歪みを付与する工程を「イオンボンバード」として区別する。
(金属層被覆工程)
続いて、A層上に、欠陥組織の成長を遮断する効果を有するCr、Ti、MoまたはWを含む金属層を被覆する。この金属層の被覆方法についても、既存の物理蒸着法を適用することができるが、同一炉内で成膜して作業効率を高めることができるため、A層で用いた成膜方法を適用することが好ましい。この金属層は、バイアス電圧を−110V〜−60Vの範囲に設定して被覆することが好ましい。より好ましいバイアス電圧の下限は、−100Vである。上述したバイアス電圧の範囲内に調整することで、金属層の密着性が向上すると共に金属層の組織が緻密化するといった利点がある。この第一被覆工程においては、Arを微量流しながら成膜することが好ましい。このとき、放電を安定させるためArガス圧力は1〜2Paに設定することができる。より好ましい下限は1.5Paであり、より好ましい上限は1.8Paである。
(金属層改質工程)
本実施形態の製造方法では、金属層を被覆後に、金属層の表層に歪みを導入する金属層改質工程を備える。この金属層改質工程により、B層からの孔食の進行を抑制し、長期間にわたって耐食性を維持することを可能とする歪み領域を、金属層の表層に形成することができる。この歪み領域を形成させるためには、金属イオンやArイオンによるボンバードを実施することが好ましい。より好ましくは金属イオンボンバードを実施する。これはArイオンに比べて金属イオンの方が質量が大きいため,表面に衝突した際に効率的に歪みを付与できる傾向にあるからである。また、金属イオンボンバード中は表面温度がガスボンバードよりも上昇しやすく、結果的に冷却された際の熱ひずみにより、歪み領域形成が容易となる傾向にある。ここで本実施形態において金属イオンボンバードを適用する場合、金属イオンは金属層被覆工程で使用した金属を含むことが好ましい。これにより、炉から部材を取り出さず、バイアス電圧を変更するだけで歪み領域を形成させることができるため、生産性に優れる。この金属イオンボンバードを行う際、バイアス電圧は−120V以下に調整することが好ましい。下限は特に規定しないが、より安定して所望の膜厚の金属層を得るために、−800V以上に調整することが好ましい。より好ましいバイアス電圧は、−250V〜−150Vである。このバイアス電圧に調整することで、上述した歪み領域を安定して形成させることが可能である。またイオンボンバード時間は、金属イオンを適用する場合は5〜30min、Arイオンを適用する場合は5〜20minと設定することができる。なおArイオンボンバードを行う際、バイアス電圧は金属層が削れず、歪みが入る値に適宜調整すればよい。
(第二被覆工程)
本実施形態の製造方法は、金属層改質工程を施した金属層の上に、MoSまたはWSから選択されるB層を被覆する第二被覆工程を備える。例えばB層としてMoSを被覆する場合は、MoSターゲットを取り付けたスパッタリングにて成膜することができる。またMoSの密着性を向上させるためにB層を、MoSまたはWS組成であるb1層と、金属層からなるb2層との交互積層構造とする場合は、金属ターゲットへも電力投入し、成膜を行うことが好ましい。さらにb1層およびb2層の厚みを変化させながら積層する場合は、投入電力は、金属ターゲットにはアーキングが発生しない限りの最高値とし、MoSを取り付けたスパッタ源への投入電力は0kWから立ち上げ、表面に向けてMoSへの投入電力を徐々に増加させていくと同時に、金属スパッタ源への投入電力を徐々に減少させることができる最後に、必要に応じてMoSスパッタ源のみによる成膜を数分間行い、表層はMoS主体の層とすることが好ましい。
(中間層被覆工程)
本実施形態の製造方法は、前述したB層を被覆する前に、金属層改質工程を施した金属層の上に、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される中間層を被覆する中間層被覆工程を備えることが好ましい。被覆手段や被覆条件は第一被覆工程と同様の条件を適用することが可能であるが、所望する用途によって単層膜、成分の異なる二層以上の複層膜(交互積層膜も含む)を適宜選択して被覆することができる。例えばCrNとAlCrSiNとの交互積層膜を被覆する場合は、CrターゲットとAlCrSiターゲットを同時放電させるといった製造方法で作製することができる。
(実施例1)
まず基材として、SKD61(日立金属株式会社製、硬さ:45HRC程度)を準備した。被覆装置はアークイオンプレーティング装置を用い、成膜兼金属イオンボンバード用ターゲットとしてCrを、硬質成分用ターゲットとしてAlCrSiを準備した。基材にA層を被覆する前に、基材の表面を平均粗さRa0.05μm、最大高さRz0.1μmに研磨し、脱脂洗浄して、基材ホルダーに固定した。そして、チャンバーに設置された加熱用ヒーターにより、基材を500℃付近に加熱し、50分間保持した。次に、Arガスを導入し、基材には−200Vのバイアス電圧を印加して、20分間のプラズマクリーニング処理(Arイオンエッチング)を行った。続いて、基材に印加するバイアス電圧を−800Vに変更して、約20分間Crボンバードを行った。その後基材温度500℃、N2ガスをベースとした反応ガス圧力4.0Paの条件で、A層であるCrNを約6μm被覆(第一被覆工程)後、バイアス電圧−300VでArエッチングを行い、バイアス電圧を−100Vに設定して金属層であるCrを1μm被覆した(金属層被覆工程)。金属層を被覆した後は、バイアス電圧を−120Vに変更し、金属層の表面にCrイオンによる金属イオンボンバードを約10分間行い、歪み領域を形成した(金属層改質工程)。続いてバイアス電圧−80Vの条件で中間層となるAlCrSiN/CrN交互積層膜(各層の厚さ:20〜30nm)を約6μm被覆し、AlCrSiN/CrN交互積層膜の上部層としてCrNの単層を3μm被覆した(中間層被覆工程)。その後、Tiターゲットを取り付けたスパッタ源を起動した。このときのスパッタ源への投入電力は、5kWとした。次にMoSターゲットを取り付けたスパッタ源を0kWから立ち上げた。このときに印加する電圧は直流電圧とし、成膜温度は300℃とした。そして、MoSスパッタ源への投入電力を徐々に増加させていくと同時に、Tiスパッタ源への投入電力を徐々に減少させていった。最後に、Tiターゲットへの投入電力を0kW、MoSターゲットへの投入電力を1.5kWに調整して、MoSターゲットのみによる成膜を行い、MoSとTiとの複合硫化物皮膜を約1μm被覆し(第二被覆工程)、本発明例である試料No.1を作製した。なおこの複合硫化物皮膜の表面側には、厚さが0.1μm以上のMoS層が形成されていることも確認した。また比較例として、中間層被覆工程まで本発明例と同様の製造方法であり、第二被覆工程を行わず、表面に硫化物皮膜を有しない試料No.11も作成した。図1に本発明例の試料No.1の破断面組織を示す。上記の歪み領域が形成されていることについては、透過型電子顕微鏡(TEM)の明視野像から観察することで、その存在を確認した。なお、破断面組織を観察した試料は上記の本発明例とは別に準備したものであり、基材は超硬合金である。その他、基材以外の製造条件は本発明例と同様である。
続いて潤滑剤の付着試験を実施した。斜め25°に設置した試験片に2mlのピペットで水溶性潤滑剤を1滴(0.034g程度)ずつ滴下し、その時の重量変化から潤滑剤の付着性を評価した。結果を図2に示す。本発明例は6滴目まで、水溶性潤滑剤の滴下量にほぼ追従するように付着量が増加しており、4滴目で付着量が適下量を下回った比較例よりも良好な付着性を示すことが確認できた。本発明例の潤滑材付着性が良かった理由として、硫化物は親水性が高いこと、加えて、表面が適度な凹凸があり、表面エネルギーが高かったために液体が表面を覆って表面エネルギーを下げる作用が働いたためだと考えられる。
(実施例2)
次に、耐溶損性を評価する試験を行った。アルミニウムの720℃の溶湯中に、本発明例および比較例を20時間浸漬させ、光学顕微鏡により溶損の有無を確認した。また、試験前後の質量を測定して、溶損率(%)を確認した。実施例2で使用した試料の膜構成と、溶損率を表1に示す。試料No.12は金属層を被覆せず、中間層となるAlCrSiN/CrN交互積層膜(各層の厚さ:20〜30nm)の上部層としてバイアス電圧−100Vの条件でCrNの単層を被覆した。その他の各試料における表1に記載していない成膜条件は試料No.1と同じ条件とした。
表1に示すように、B層を備える試料No.2は、B層を備えていない比較例よりも溶損率(%)が低くなり、耐溶損性に優れることを確認した。図3に本発明例である試料No.2(図3a)と比較例である試料No.11(図3b)および試料No.12(図3c)の耐溶損性試験後の外観観察写真を示す。この図3からも、本発明例の試料は比較例よりも溶損が抑えられていることが確認できた。
以上の結果から、本発明の皮膜を有する被覆部材は、優れた耐溶損性と、良好な離型剤・潤滑剤付着性を併せ持ち、射出成型用金型やダイカスト用金型に適用することが可能である。
1 A層
2 金属層
3a、3b 中間層
4 B層

Claims (9)

  1. 基材の表面に硬質皮膜を有する被覆部材であって、
    前記硬質皮膜は、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択されるA層と、
    前記A層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、Cr、Ti、WまたはMoの少なくとも1種を含む金属層と、
    前記金属層よりも硬質皮膜の表面側に形成され、MoSまたはWSを含むB層とを有し、
    前記金属層の硬質皮膜の表面側は、歪みが導入されており、
    前記B層の表面は硫化物であり、金属組成のみの原子%で、MoまたはWの含有量が90%以上であることを特徴とする、被覆部材。
  2. 前記A層の厚さが4〜20μmであることを特徴とする、請求項1に記載の被覆部材。
  3. 前記B層の厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の被覆部材。
  4. 前記B層は、b1層とb2層とが交互に2組以上積層されている交互積層構造であり、
    前記b1層は、MoSまたはWSから選択され、
    前記b2層はCr、Ti、W、またはMoの少なくとも1種を含み、
    B層の最表面にはb1層が配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆部材。
  5. 前記金属層とB層との間に、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される中間層を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の被覆部材。
  6. 基材の表面に硬質皮膜を有する被覆部材の製造方法であって、
    基材にCrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択されるA層を被覆する第一被覆工程と、
    前記A層を被覆した後に、Cr、Ti、W、またはMoの少なくとも1種を含む金属層を被覆する金属層被覆工程と、
    前記金属層を被覆した後に、前記金属層の表層に歪みを導入する、金属層改質工程と、
    前記金属層改質工程後に、MoSまたはWSを含む硫化物であり、最表面が金属組成のみの原子%でMoまたはWの含有量が90%以上であるB層を被覆する第二被覆工程と、を有し、
    前記第二被覆工程の最後は、MoSまたはWSターゲットのみで成膜を行う、最表層被覆工程をさらに有することを特徴とする、被覆部材の製造方法。
  7. 前記金属層改質工程は、Crイオン、Tiイオン、Wイオン、またはMoイオンを含む金属イオンボンバードであることを特徴とする、請求項6に記載の被覆部材の製造方法。
  8. 前記第二被覆工程は、MoSまたはWSターゲットへの投入電力を基材側から硬質皮膜の表面側に向けて増加させていくと同時に、金属ターゲットへの投入電力を基材側から表面側に向けて減少させてB層を成膜する工程を含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の被覆部材の製造方法。
  9. 前記金属層改質工程の後に、CrまたはCrMの窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物(Mは周期表の4、5、6族金属、Al、Si、Bから選択される1種または2種以上)から選択される中間層を被覆する中間層被覆工程を備えることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の被覆部材の製造方法。

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