JP2021025046A - 伸縮性ホットメルト組成物 - Google Patents

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Hisashi Someya
悠 染谷
侑美 加藤
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Abstract

【課題】本発明は、伸縮材料として良好な伸びと伸縮回復率を示し、且つ、ホットメルト塗布機で塗布可能であり、塗布後のホットメルト組成物を室温まで冷却した際に、ホットメルト組成物の表面のタック感が抑制されるホットメルト組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性エラストマー(A)、可塑剤(B)、及び、ワックス(C)を含むホットメルト組成物であって、180℃における溶融粘度が4,000mPa・s以上30,000mPa・s以下であり、前記ワックス(C)の融点が40℃以上65℃以下であることを特徴とするホットメルト組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ホットメルト組成物に関する。
伸縮性材料は、紙おむつ等の衛生材料を含む吸収性物品や、人間の身体や衣服に装着して使用されるウェアラブルデバイスに実装される伸縮性センサー等に広く使用されている。
伸縮性材料として、伸縮回復率を有し、且つ、フィルム状のフラットな外観の伸縮性フィルムが使用されている。伸縮性フィルムは、例えば、押出し機により生産され、ロール状に巻き取られるため、使用者においては生産工程内にロール状伸縮性フィルムを搬送し、別被着材と接合する工程を入れるか、又は、伸縮性フィルムを所望の形状、サイズにカットした後、被着材へ接合して使用する。
一方、近年ではホットメルト接着剤塗布装置で使用できる伸縮性材料として、ホットメルト伸縮性接着剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
WO2018/151190 特開2017−149850 特開2017−165895
伸縮性材料がホットメルト型であると、ホットメルト塗布機を使用して伸縮性材料を製造できるため、例えば、フィルム状、連続したホットメルトファイバーを円形に塗布するスパイラル状、又、ホットメルトファイバーを短繊維状にして重ね合わせるように塗布するカーテンスプレー状、更には間欠で塗布するなど、様々な形状で所望の位置に伸縮材料を形成することができる。しかしながら、例えば、表面に伸縮性材料がむき出しになる用途に用いるには、タック感(ベタつき感)がより抑制された材料が適しており、当該材料を用いると、作業者の作業性がより向上する。
特許文献2に、エチレン−不飽和エステル共重合体とスチレンモノマーがグラフトされたポリエチレンワックス、及び、融点が40℃以上80℃未満、120℃におけるセイボルトユニバーサル粘度が20〜300秒であるワックスを含み、ワックス成分の合計が50〜80重量%であるホットメルト組成物が開示されている。当該発明によれば、耐ブロッキング性の優れるホットメルト組成物を提供することができる。しかしながら、特許文献2に記載されているホットメルト組成物では、ホットメルト組成物全量に対するワックスの含有量が多いため、ホットメルト組成物が硬くなり、伸縮性材料としての伸縮性能が十分でないという問題がある。
特許文献3に、ホットメルト接着剤の主成分と、この主成分の表面を被覆する被覆材を備え、被覆材が陰イオン型のアニオン性界面活性剤に、エチレン−酢酸ビニル共重合体、又は、ポリエチレンワックスのいずれか1つ以上を混合させているホットメルト接着剤組成物が開示されている。当該発明によれば、ホットメルト接着剤組成物の搬送時のホットメルト接着剤同士のブロッキング性は抑制されるが、ホットメルト塗布機で塗布し、冷却した後に、ホットメルト接着剤組成物の表面に感が残るという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、伸縮材料として良好な伸びと伸縮回復率を示し、且つ、ホットメルト塗布機で塗布可能であり、塗布後のホットメルト組成物を室温まで冷却した際に、ホットメルト組成物の表面のタック感が抑制されるホットメルト組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性エラストマー(A)、可塑剤(B)、及び、ワックス(C)を含むホットメルト組成物であって、180℃における溶融粘度が4,000mPa・s以上30,000mPa・s以下であり、ワックス(C)の融点が40℃以上65℃以下であるホットメルト組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のホットメルト組成物に関する。
1.熱可塑性エラストマー(A)、可塑剤(B)、及び、ワックス(C)を含むホットメルト組成物であって、180℃における溶融粘度が4,000mPa・s以上30,000mPa・s以下であり、前記ワックス(C)の融点が40℃以上65℃以下であることを特徴とするホットメルト組成物。
2.前記熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン系ブロック共重合体である、項1に記載のホットメルト組成物。
3.前記熱可塑性エラストマー(A)の含有量は、前記熱可塑性エラストマー(A)、前記可塑剤(B)、及び前記ワックス(C)の含有量の合計を100質量%として、40質量%以上である、項1又は2に記載のホットメルト組成物。
4.前記ワックス(C)の含有量は、前記熱可塑性エラストマー(A)を100質量部として、5〜40質量部である、項1〜3のいずれかに記載のホットメルト組成物。
5.前記熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、及び、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載のホットメルト組成物。6.項1〜5のいずれかに記載のホットメルト組成物を含む、伸縮性材料。
本発明のホットメルト組成物は、伸縮材料として良好な伸びと伸縮回復率を示すことができ、且つ、ホットメルト塗布機で塗布可能である。また、本発明のホットメルト組成物を塗布後に室温まで冷却した際に、ホットメルト組成物の表面のタック感が抑制されている。
1.ホットメルト組成物
本発明のホットメルト組成物は、熱可塑性エラストマー(A)、可塑剤(B)、及び、ワックス(C)を含むホットメルト組成物であって、180℃における溶融粘度が4,000mPa・s以上30,000mPa・s以下であり、ワックス(C)の融点が40℃以上65℃以下であるホットメルト組成物である。本発明のホットメルト組成物は、上記(A)〜(C)成分を含み、特定の溶融粘度を示し、且つ、ワックス(C)の融点が特定の範囲であるので、伸縮材料として良好な伸びと伸縮回復率を示すことができ、且つ、ホットメルト塗布機で塗布可能である。本発明のホットメルト組成物は、特に、特定の範囲の溶融粘度を示し、且つ、ワックス(C)の融点が40℃以上65℃以下であるので、本発明のホットメルト組成物を塗布後に室温まで冷却した際に、ホットメルト組成物の表面のタック感が抑制されている。
上記本発明のホットメルト組成物は、伸縮性材料、及び、当該伸縮性材料を含む伸縮性積層体として、好適に用いることができる。
(熱可塑性エラストマー(A))
熱可塑性エラストマー(A)は、伸縮性を有する限り特に限定されず、例えば、スチレン系ブロック共重合体、オレフィン系ブロック共重合体、ポリウレタン系ブロック共重合体、ポリエステル系ブロック共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ホットメルト塗布機での塗工性と伸縮回復率がより一層優れる点で、スチレン系ブロック共重合体が好ましい。
スチレン系ブロック共重合体は、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とをブロック共重合して得られるブロック共重合体である。
ビニル系芳香族炭化水素は、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物である。ビニル系芳香族炭化水素としては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。ビニル系芳香族炭化水素は、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が混合されて用いられてもよい。
共役ジエン化合物は、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物である。共役ジエン化合物としては、具体的には、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(又はイソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられ、これらの中でも1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン化合物は、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が混合されて用いられてもよい。
スチレン系ブロック共重合体は、共役ジエン化合物に基づくブロックの全部又は一部が水素添加されていてもよいし、水素添加されていなくてもよい。ホットメルト組成物の加熱安定性がより一層向上する観点から、水素添加されているスチレン系ブロック共重合体が好ましい。
本明細書において、スチレン系ブロック共重合体の水素添加物等の、水素添加型熱可塑性ブロック共重合体における水素添加された割合は、「水素添加率」で示される。水素添加型熱可塑性ブロック共重合体の「水素添加率」とは、共役ジエン化合物に基づくブロックに含まれる全エチレン性不飽和二重結合を基準とし、その中で、水素添加されて飽和炭化水素結合に転換されたエチレン性不飽和二重結合の割合をいう。水素添加率は、赤外分光光度計及び核磁器共鳴装置等によって測定することができる。
上記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物は、完全水添であることが好ましい。スチレン系ブロック共重合体の水素添加物は、完全水添であることにより、ホットメルト組成物の加熱安定性がより一層向上する。スチレン系ブロック共重合体の水素添加物の水素添加率は、100%程度であることが好ましい。
スチレン系ブロック共重合体の水素添加物としては特に限定されず、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体(SEB/S−S)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶共重合体(SEBC)等が挙げられる。本発明のホットメルト組成物は、熱可塑性エラストマー(A)として上述のスチレン系ブロック共重合体を用いることにより、伸縮材料として良好な伸びと伸縮回復率を有し、且つ、ホットメルト塗布機で塗布可能となる。これらの中でも、良好な伸びと高い伸縮回復率を両立できる観点から、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体(SEB/S−S)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)が好ましく、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体がより好ましい。熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体を含むことが好ましい。
上記スチレン系ブロック共重合体の水素添加物は、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が混合されて用いられてもよい。
上記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)は、末端のスチレン単位がエンドブロック相となり、エチレン−ブチレン単位がミッドブロック相となる共重合体である。ミッドブロック相が水素添加されたエチレン−ブチレン単位である共重合体を用いることで、エンドブロック相のスチレン単位との極性差がより顕著になり、水素添加されていないミッドブロック相の共重合体と比較して、よりエンドブロック相のスチレン単位が強固となる。結果として、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復率をより一層向上させることができる。さらに、ミッドブロック相が水素添加されているため、より一層優れた加熱安定性に優れたホットメルト組成物を提供することができる。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体のスチレン含有量は、当該スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体を100質量%として、15〜45質量%が好ましく20〜40質量%がより好ましい。スチレン含有量の下限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復性がより一層向上する。スチレン含有量の上限が上記範囲であると、ホットメルト組成物がより柔らかくなり、より一層良好な伸長性を発現することができる。
なお、本明細書において、スチレン系ブロック共重合体の「スチレン含有量」とは、スチレン系ブロック共重合体中のスチレンブロックの含有割合(質量%)をいう。
また、本明細書における、スチレン系ブロック共重合体中のスチレン含有量の算出方法は特に限定されず、例えば、JIS K6239に準じたプロトン核磁気共鳴法や赤外分光法を用いる方法が挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体としては市販されている製品を用いることができる。市販品としては、クレイトンポリマー社製G1650、クレイトンポリマー社製MD1648、旭化成社製タフテックH1041などが挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、スチレン含有量が高いスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体と、スチレン含有量が低いスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体とを、混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いた場合のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体全体のスチレン含有量は、重量に基づく平均値により算出すればよい。
ホットメルト組成物全量を100質量%として、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体の含有量は10〜80質量%が好ましく、15〜75質量%がより好ましく、20〜70質量%が更に好ましい。ホットメルト組成物中のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体の含有量の下限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復率がより一層向上する。スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体の含有量の上限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の溶融粘度が低下し、ホットメルト塗布機での塗工性がより一層向上する。
上記スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体(SEB/S−S)は、末端のスチレン単位がエンドブロック相となり、エチレン−ブチレン単位がミッドブロック相となるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体において、ミッドブロック相にもスチレンが分散されている共重合体である。ミッドブロック相にスチレンが分散されている共重合体を用いることで、スチレンブロック共重合体の全体のスチレン含有量が多くなっても、スチレンブロック共重合体が硬くなりすぎず、良好な伸長性を示すため、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体を含むホットメルト組成物では、良好な伸長性と、伸長後の伸縮回復率向上を両立することができる。さらに、ミッドブロック相にスチレンが分散されているスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体をホットメルト組成物に用いることで、低温における溶融粘度の増加が抑制されるため、伸縮材料として良好な伸長性と伸縮回復率を両立したまま、ホットメルト組成物の塗工性をより一層向上させることができる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体を調製する方法としては特に限定されず、例えば、米国特許第7,169,848号に記載の方法が挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体のスチレン含有量は、当該スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体を100質量%として20〜60質量%が好ましく、25〜55質量%がより好ましい。スチレン含有量の下限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復性がより一層向上する。スチレン含有量の上限が上記範囲であると、ホットメルト組成物がより柔らかくなり、より一層良好な伸長性を発現することができる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体としては、市販されている製品を用いることができる。市販品としては、クレイトンポリマー社製MD6951、クレイトンポリマー社製A1536等が挙げられる。
スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、スチレン含有量が高いスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体と、スチレン含有量が低いスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体とを、混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いた場合のスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体全体のスチレン含有量は、重量に基づく平均値により算出すればよい。
ホットメルト組成物全量を100質量%として、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体の含有量は10〜80質量%が好ましく、15〜75質量%がより好ましく、20〜70質量%が更に好ましい。ホットメルト組成物中のスチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体の含有量の下限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復率がより一層向上する。スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体の含有量の上限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の溶融粘度が低下し、ホットメルト塗布機での塗工性がより一層向上する。
水素添加されていないスチレン系ブロック共重合体としては、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。スチレン系ブロック共重合体は、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が混合されて用いられてもよい。
熱可塑性エラストマー(A)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)、可塑剤(B)、及びワックス(C)の含有量の合計を100質量%として、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、55質量%以上が特に好ましい。また、熱可塑性エラストマー(A)の含有量は、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。熱可塑性エラストマー(A)の含有量が上記範囲であることにより、本発明のホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復率がより一層向上する。
本発明のホットメルト組成物中の熱可塑性エラストマー(A)のスチレン含有量は、当該熱可塑性エラストマー(A)を100質量%として10〜35質量%が好ましく、12〜25質量%がより好ましい。スチレン含有量の下限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の加温保持後の伸縮回復性がより一層向上する。スチレン含有量の上限が上記範囲であると、ホットメルト組成物がより一層柔らかくなり、より一層良好な伸長性を発現することができる。
本発明のホットメルト組成物中の熱可塑性エラストマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、30,000〜200,000が好ましく、40,000〜150,000がより好ましく、45,000〜125,000が更に好ましい。重量平均分子量の下限が上記範囲であると、ホットメルト組成物の加温保持後の伸縮回復性がより一層向上する。重量平均分子量の上限が上記範囲であると、ホットメルト組成物がより一層柔らかくなり、より一層良好な伸長性を発現することができる。
なお、熱可塑性エラストマーの重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置を用いて、標準ポリスチレンで換算することにより得られる測定値である。
本明細書における重量平均分子量(Mw)は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置:Waters社製 商品名「ACQUITY APC」
測定条件:カラム
・ACQUITY APCXT45 1.7μm×1本
・ACQUITY APCXT125 2.5μm×1本
・ACQUITY APCXT450 2.5μm×1本
移動相:テトラヒドロフラン 0.8mL/分
サンプル濃度:0.2質量%
検出器:示差屈折率(RI)検出器
標準物質:ポリスチレン(Waters社製 分子量:266〜1,800,000) カラム温度:40℃
RI検出器温度:40℃
(可塑剤(B))
本発明のホットメルト組成物は、可塑剤(B)を含む。可塑剤(B)は、23℃で液状であることが好ましい。なお、本明細書において「液状」とは、流動性を示す状態のことをいう。このような可塑剤(B)の流動点は、23℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましい。
本明細書において、流動点は、JIS K2269に準拠した測定方法により測定される値である。
可塑剤(B)としては特に限定されず、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、流動パラフィンオイル、炭化水素系合成オイル等が挙げられる。なかでも、加熱安定性が優れる観点から、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、流動パラフィンオイル、及び炭化水素系合成オイルが好ましい。
パラフィン系プロセスオイルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、出光興産社製PW−32、出光興産社製PS−32等が挙げられる。
ナフテン系プロセスオイルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、出光興産社製ダイアナフレシアN28、出光興産社製ダイアナフレシアU46、Nynas社製Nyflex222B等が挙げられる。
流動パラフィンオイルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、MORESCO社製P−100、Sonneborn社製Kaydol等が挙げられる。
炭化水素系合成オイルとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、三井化学社製ルーカントHC−10、三井化学社製ルーカントHC−40等が挙げられる。
上記可塑剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のホットメルト組成物中の可塑剤(B)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましい。可塑剤(B)の含有量の下限が上記範囲であることにより、ホットメルト組成物の溶融粘度がより一層低下し、ホットメルト組成物の塗工性がより一層向上する。可塑剤(B)の含有量の上限が上記範囲であることにより、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復率がより一層向上する。
(ワックス(C))
本発明のホットメルト組成物は、ワックス(C)を含む。ワックス(C)は、23℃で固体であることが好ましい。なお、本明細書において「固体」とは、流動性を示さない状態のことをいう。
本発明に用いられるワックス(C)としては特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、或いは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、酢酸‐ビニル共重合体ワックス、アクリル酸共重合体ワックス、無水マレイン酸変性ワックス等の合成炭化水素ワックス等が挙げられる。中でも、ホットメルト組成物が塗布後冷却された後にホットメルト組成物の表面タック感をより一層低下させる観点から、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックス(C)の融点は、40℃以上65℃以下である。ワックス(C)の融点が40℃未満であると、塗布後のホットメルト組成物を室温まで冷却した際の、ホットメルト組成物の表面のタック感が低下する。また、ワックス(C)の融点が65℃を超えると、ホットメルト組成物の表面タック感が残る。ワックス(C)の融点は、42℃〜63℃が好ましく、45℃〜55℃がより好ましい。
ワックス(C)の融点を上記範囲とすることにより本発明のホットメルト組成物の表面のタック感が抑制される理由は明確ではないが、上記ワックス(C)を含むホットメルト組成物は、塗布後のホットメルト組成物が冷却固化される際に、ワックス(C)がホットメルト組成物の表面に移行し易く、ホットメルト組成物の表面にワックスの被膜を形成するためと推測される。また、融点が上記範囲外にあるワックスを用いた場合、ワックス成分のホットメルト組成物表面への移行が不十分、又は、遅いため、ホットメルト組成物表面でワックス成分の被膜が十分に形成されず、冷却固化後も表面タック感が残ってしまうと推測される。
本明細書において、ワックス(C)の融点は、JIS K2235 5.3に準拠した測定方法で測定される融点である。
ワックス(C)の25℃における針入度は、10〜50dmmが好ましく、12〜57dmmがより好ましく、15〜55dmmが更に好ましい。ワックス(C)の針入度の下限が上記範囲内にあることにより、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復率がより一層向上する。ワックス(C)の針入度の上限が上記範囲内にあることにより、塗布後冷却された後のホットメルト組成物表面のタック感がより一層抑制される。
本明細書において、ワックス(C)の25℃における針入度はJIS K2235 5.4に準拠した方法で測定される針入度である。
ホットメルト組成物中のワックス(C)の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)を100質量部として、5〜40質量部が好ましく、10〜38質量部がより好ましく、15〜35質量部が更に好ましい。ワックス(C)の含有量の下限が上記範囲であることにより、塗布後冷却された後のホットメルト組成物表面のタック感がより一層抑制される。ワックス(C)の含有量の上限が上記範囲であることにより、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復率がより一層向上し、且つ、ホットメルト組成物が伸長した際の、ワックス成分のホットメルト組成物表面への析出をより一層抑制することができる。
パラフィンワックスとしては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、日本精蝋社製Paraffin Wax−115、日本精蝋社製Paraffin Wax−125、日本精蝋社製EMW−0001等が挙げられる。
上記ワックスは、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が混合されて用いられてもよい。
(他の添加剤)
本発明のホットメルト組成物は、本発明の目的を本質的に妨げない範囲で、他の添加剤を含有していてもよい。上記他の添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与樹脂、液状ゴム、微粒子充填剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ぺンチルフェニル)]アクリレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が混合されて用いられてもよい。
本発明のホットメルト組成物中の酸化防止剤の含有量としては、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対し、0.1〜2.0質量部が好ましく0.3〜1.7質量部がより好ましく、0.5〜1.5質量部が更に好ましい。酸化防止剤の含有量が上記範囲内にあると、ホットメルト組成物の熱安定性が向上し、臭気も低減する。
紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サリチル酸エステル系紫外線吸収剤;シアノアクリレート系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のホットメルト組成物中の紫外線吸収剤の含有量としては、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対し、0.01〜2.0質量部が好ましく、0.05〜1.5質量部がより好ましく、0.1〜1.0質量部が更に好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内にあると、ホットメルト組成物の対候性が向上し、臭気も低減する。
粘着付与樹脂としては、従来ホットメルト接着剤を製造する際に使用される粘着付与樹脂を用いることができる。例えば、天然ロジン、変性ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの三次元ポリマー、天然テルペンのコポリマーの水素化誘導体、テルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体;C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等の石油樹脂、また、それら石油樹脂に水素を添加した部分水添石油樹脂、完全水添石油樹脂等が挙げられる。粘着付与樹脂としては、ホットメルト組成物の臭気、熱安定性に優れている点で、石油樹脂、部分水添石油樹脂、及び完全水添石油樹脂が好ましく、部分水添石油樹脂、及び完全水添石油樹脂がより好ましい。これら粘着付与樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
粘着付与樹脂の環球式軟化点温度は、ホットメルト組成物の伸縮性、熱安定性がより一層優れる点で、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。また、粘着付与樹脂の環球式軟化点温度は、ホットメルト組成物により一層柔軟性を持たせ、より一層脆弱化を抑制することができる点で、125℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。なお、本明細書において、粘着付与樹脂の環球式軟化点温度は、JIS K2207に準拠して測定される値である。
本発明のホットメルト組成物中の粘着付与樹脂の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対し、50質量部以下が好ましく35質量部以下がより好ましく、25質量部以下が更に好ましい。粘着付与樹脂の含有量が上記範囲内であると、ホットメルト組成物が硬くなりすぎず、伸長後の伸縮回復率がより一層向上する。
液状ゴムとしては、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン及びこれらの水添樹脂が挙げられる。液状ゴムは、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が混合されて用いられてもよい。
本発明のホットメルト組成物中の液状ゴムの含有量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対し、0.1〜40質量部が好ましく、1〜35質量部がより好ましく、3〜20質量部が更に好ましい。液状ゴムの含有量が上記範囲内にあると、ホットメルト添え私物の溶融粘度が低下し、塗工適性がより一層向上する。
微粒子充填剤としては、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、雲母、スチレンビーズ等が挙げられる。微粒子充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のホットメルト組成物は、180℃における溶融粘度が4,000mPa・s以上30,000mPa・s以下である。溶融粘度が4,000mPa・s未満であると、伸縮材料として良好な伸縮回復率を示すことができない。また、溶融粘度が30,000mPa・sを超えると、伸縮材料として良好な伸びを示すことができず、ホットメルト塗布機で塗布することができない。溶融粘度は、4,500〜25,000mPa・sが好ましく、5,000〜20,000mPa・sがより好ましい。
本明細書において、「溶融粘度」は、一定の温度で加熱溶融状態となったホットメルト組成物の粘度である。180℃における溶融粘度の測定方法としては、例えば、ホットメルト組成物を加熱溶融し、180℃における溶融状態の粘度を、ブルックフィールドRVT型粘度計(スピンドルNo.29)を用いて測定する測定方法が挙げられる。
本発明のホットメルト組成物は公知の方法で製造される。例えば、熱可塑性エラストマー(A)、可塑剤(B)、ワックス(C)、及び必要に応じて各種添加剤等を150℃に加熱した双腕型混練機へ投入し、加熱しながら溶融混練することによって製造される。このとき、混練機の加熱温度は特に限定されず、熱可塑性エラストマーが軟化される温度であればよい。
本発明のホットメルト組成物はホットメルト塗布機を用いて塗布される。ホットメルト塗布機を用いたホットメルト組成物塗布方法としては特に限定されないが、例えば、180℃に加熱したホットメルト組成物溶融用タンクにホットメルト組成物を投入し十分溶融させ、その後溶融用タンクから加熱されたホースを通じてホットメルト塗布のノズルへ溶融されたホットメルト組成物を送る。その後、ノズルから所望のパターンでホットメルト組成物を吐出し、塗布する。このとき、ノズルも加熱されている。
本発明のホットメルト組成物の塗工パターンは特に限定されないが、通常ホットメルト接着剤組成物で用いられる塗布パターンを用いることができる。例えば、フィルム状に塗工するスロット塗工、ビード塗工、加熱された空気と伴に塗布するスパイラル塗工、カーテンファイバー塗工等のスプレー塗工、更には間欠で塗工することもできる。
本発明のホットメルト組成物をフィルム状に塗工すると、表面タック感のない伸縮性のフィルムを作成することができる。また、スプレー塗工すると、表面タック感のない伸縮性のファイバーを作成することができ、ホットメルト組成物を短いファイバー状にして塗工するカーテン塗工をすると、表面タック感のない伸縮性の多孔性繊維状の伸縮材料を作成することができる。
本発明のホットメルト組成物の伸長性は350%以上が好ましく、450%以上がより好ましく、550%以上が更に好ましい。伸縮性ホットメルト組成物の伸長性が350%以上であると、ホットメルト組成物が伸長された際の破断が抑制される。
本発明のホットメルト組成物の伸長性は、以下の方法によりホットメルト組成物の塗工サンプルを調製した上で、当該塗工サンプルを用いて以下の測定方法により測定される。
(ホットメルト組成物の塗工サンプル作成方法)
ホットメルト組成物を180〜190℃の塗工温度で、離型処理されたPETフィルム上にスロット塗工で塗布する。塗布量は50g/m、塗布幅は100mmとする。次いで、離型処理された別のPETフィルムを積層し、室温下で圧着させることで積層体を作成する。得られた積層体を23℃、相対湿度50%雰囲気下で24時間保管し、ホットメルト組成物を室温に冷却して、ホットメルト組成物の塗工サンプルを調製する。
(伸長性の測定方法)
ホットメルト組成物の塗工サンプルを、塗工方向に対して幅50mm、塗工方向に対して垂直な方向に100mmの短冊状に切断し、試験片を調製する。次いで、両面の離型処理されたPETフィルムを剥がし、治具幅50mmに設定した引張試験機へホットメルト組成物の塗工方向と垂直な方向が上下に位置するように試験片を治具で固定し、引張速度500mm/分で試験片が破断する点まで引っ張る。試験片が破断した変位を破断伸び(%)とし、ホットメルト組成物の伸長性の評価基準とする。
本発明のホットメルト組成物の永久歪みは65%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、85%以上が特に好ましい。ホットメルト組成物の永久歪みが65%以上であると、ホットメルト組成物の伸長後の伸縮回復性がより一層良好となる。
本発明のホットメルト組成物の永久歪みは、上記ホットメルト組成物の塗工サンプルを用いて、以下の測定方法により測定される。
(永久歪みの測定方法)
ホットメルト組成物の塗工サンプルを、塗工方向に対して幅50mm、塗工方向に対して垂直な方向に100mmの短冊状に切断し、試験片を調製する。次いで、両面の離型処理されたPETフィルムを剥がし、治具幅50mmに設定した引張り試験機に、ホットメルト組成物の塗工方向と垂直な方向が上下に位置するように試験片を治具で固定し、引張速度500mm/分で試験片の歪み変位が300%となる点まで引張る。次いで、速度500mm/分で初期の位置まで戻す。歪み変位が300%となる点まで引張り、初期の位置に戻す工程を1サイクルとして、同一の試験片について2サイクル繰り返す。横軸を歪み変位(%)、縦軸を応力(N/mm)としたグラフにおいて、1サイクル目の引張り時における積分値をS1、2サイクル目の引張時における積分値をS2とし、以下の式により永久歪み(%)を算出する。
永久歪み(%)=(S2/S1)×100
本発明のホットメルト組成物のプローブタックの測定値は30g・f以下が好ましく、20g・f以下がより好ましく、15g・f以下がさらに好ましい。ホットメルト組成物のプローブタックの値が30g・f以下であると、ホットメルト組成物を塗布後冷却された後の表面タック感がより一層抑制される。
本発明のホットメルト組成物のプローブタックは、上記ホットメルト組成物の塗工サンプルを用いて、以下の測定方法により測定される。
(プローブタックの測定方法)
ホットメルト組成物の塗工サンプルを25mm×25mmにカットして試験片を調製する。試験片の離型処理されたフィルムを剥がし、ホットメルト組成物が露出された状態でプローブタックテスター(ニチバン社製:NS PROBE TACK TESTER)へセットし、プローブタック荷重10g/cm、速度は1cm/secの条件でプローブタックを測定する。
上記本発明のホットメルト組成物は、伸縮性材料、及び、当該伸縮性材料を含む伸縮性積層体として、好適に用いることができる。また、上記本発明のホットメルト組成物を含む伸縮性材料も、伸縮性積層体に好適に用いることができる。このような伸縮性材料も、本発明の一つである。
伸縮性材料は、紙おむつ等の衛生材料を含む吸収性物品や、人間の身体や衣服に装着して使用されるウェアラブルデバイスに実装される伸縮性センサー等に、好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。本発明は、下記の実施例に限定されない。
なお、実施例及び比較例で用いた原料は以下のとおりである。
スチレン系ブロック共重合体(A1)
・スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン(SEB/S−S)共重合体 クレイトンポリマー社製 MD6951(スチレン含有量34質量%、Mw=100,000)
スチレン系ブロック共重合体(A2)
・スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体 クレイトンポリマー社製 MD1648(スチレン含有量20質量%、Mw=54,000)
スチレン系ブロック共重合体(A3)
・スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)共重合体 旭化成社製 H1041(スチレン含有量30質量%、Mw=61,000)
可塑剤(B1)
・パラフィン系プロセスオイル 出光興産社製 PS−32
可塑剤(B2)
・ナフテン系プロセスオイル Nynas社製 Nyflex222B
ワックス(C1)
・パラフィンワックス 日本精蝋社製 EMW−0001(融点49℃、25℃針入度40dmm)
ワックス(C2)
・パラフィンワックス 日本精蝋社製 Paraffin Wax−115(融点48℃、25℃針入度29dmm)
ワックス(C3)
・パラフィンワックス 日本精蝋社製 Paraffin Wax−125(融点53℃、25℃針入度15dmm)
ワックス(C4)
・パラフィンワックス 日本精蝋社製 Paraffin Wax−135(融点59℃、25℃針入度11dmm)
ワックス(C5)
・パラフィンワックス 日本精蝋社製 Paraffin Wax−145(融点63℃、25℃針入度12dmm)
ワックス(C6)
・パラフィンワックス 日本精蝋社製 Paraffin Wax−155(融点69℃、25℃針入度12dmm)
ワックス(C7)
・酢酸ビニルワックス Honeywell社製 AC−400(融点92℃、25℃針入度9.5dmm)
ワックス(C8)
・ポリエチレンワックス Honeywell社製 AC−1702(融点90℃、25℃針入度98dmm)
酸化防止剤
・フェノール系酸化防止剤 BASF社製 IRGANOX1010
(実施例及び比較例)
上述した原料を、それぞれ表1に示した配合量で、加熱装置を備えた攪拌混練機中に投入した。150℃で90分間加熱しながら混練して、ホットメルト組成物を製造した。
得られたホットメルト組成物について、以下の測定条件により特性を評価した。
(180℃溶融粘度)
ホットメルト組成物を加熱溶融し、180℃における溶融状態の粘度を、ブルックフィールドRVT型粘度計(スピンドルNo.29)を用いて測定した。
(塗工性)
ホットメルト組成物を、180〜190℃に加熱した溶融タンクに投入し、180〜190℃に加熱したスロットノズルから吐出させて、離型処理されたPETフィルムへ接触塗工した。この際のホットメルト組成物の塗工性を目視により観察し、以下の評価基準に従って評価した。
◎:塗布温度180℃で塗布ムラなく塗工可能である。
○:塗布温度180℃でやや塗布ムラが見られるが使用上問題ない程度であり、塗布温度190℃で塗布ムラなく塗工可能である。
△:塗布温度190℃でやや塗布ムラが見られるが使用上問題ない程度である。
×:塗布ムラが顕著に見られる、又は、所定量のホットメルト組成物が吐出されない。
(伸長性)
試験片の調製
ホットメルト組成物を180〜190℃の塗工温度で、離型処理されたPETフィルム上にスロット塗工で塗布した。塗布量は50g/m、塗布幅は100mmとした。次いで、離型処理された別のPETフィルムを積層し、室温下で圧着させることで積層体を作成した。得られた積層体を23℃、相対湿度50%雰囲気下で24時間保管し、ホットメルト組成物を室温に冷却して、ホットメルト組成物の塗工サンプルを調製した。ホットメルト組成物の塗工サンプルを、塗工方向に対して幅50mm、塗工方向に対して垂直な方向に100mmの短冊状に切断し、試験片を調製した。
測定方法
両面の離型処理されたPETフィルムを剥がし、治具幅50mmに設定した引張試験機へホットメルト組成物の塗工方向と垂直な方向が上下に位置するように試験片を治具で固定し、引張速度500mm/分で試験片が破断する点まで引っ張った。試験片が破断した変位を破断伸び(%)とし、ホットメルト組成物の伸長性の評価基準とした。
(伸長後の伸縮回復率)
測定方法
ホットメルト組成物の塗工サンプルを、塗工方向に対して幅50mm、塗工方向に対して垂直な方向に100mmの短冊状に切断し、試験片を調製した。次いで、両面の離型処理されたPETフィルムを剥がし、治具幅50mmに設定した引張り試験機に、ホットメルト組成物の塗工方向と垂直な方向が上下に位置するように試験片を治具で固定し、引張速度500mm/分で試験片の歪み変位が300%となる点まで引張った。次いで、速度500mm/分で初期の位置まで戻した。歪み変位が300%となる点まで引張り、初期の位置に戻す工程を1サイクルとして、同一の試験片について2サイクル繰り返した。横軸を歪み変位(%)、縦軸を試験力(N)としたグラフにおいて、1サイクル目の引張り時における積分値をS1、2サイクル目の引張時における積分値をS2とし、以下の式により永久歪み(%)を算出し、伸縮回復率の評価基準とした。このとき、永久歪みの値が100%に近いほど、伸縮回復率は良好となる。
永久歪み(%)=(S2/S1)×100
(表面タック感)
測定方法
ホットメルト組成物の塗工サンプルを25mm×25mmにカットして試験片を調製した。試験片の離型処理されたフィルムを剥がし、ホットメルト組成物が露出された状態でプローブタックテスター(ニチバン社製:NS PROBE TACK TESTER)へセットし、プローブタック荷重10g/cm、速度は1cm/secの条件でプローブタックを測定して、表面タック感を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2021025046

Claims (6)

  1. 熱可塑性エラストマー(A)、可塑剤(B)、及び、ワックス(C)を含むホットメルト組成物であって、180℃における溶融粘度が4,000mPa・s以上30,000mPa・s以下であり、前記ワックス(C)の融点が40℃以上65℃以下であることを特徴とするホットメルト組成物。
  2. 前記熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン系ブロック共重合体である、請求項1に記載のホットメルト組成物。
  3. 前記熱可塑性エラストマー(A)の含有量は、前記熱可塑性エラストマー(A)、前記可塑剤(B)、及び前記ワックス(C)の含有量の合計を100質量%として、40質量%以上である、請求項1又は2に記載のホットメルト組成物。
  4. 前記ワックス(C)の含有量は、前記熱可塑性エラストマー(A)を100質量部として、5〜40質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト組成物。
  5. 前記熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン/スチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、及び、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載のホットメルト組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のホットメルト組成物を含む、伸縮性材料。
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