JP2021025010A - コーティング剤、皮膜形成方法及びマスキング方法 - Google Patents

コーティング剤、皮膜形成方法及びマスキング方法 Download PDF

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絵利香 一色
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洋慈 堀江
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栄一 岡崎
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Abstract

【課題】短時間で皮膜を形成でき、かつ皮膜を水で除去可能なコーティング剤、並びにこのコーティング剤を用いた皮膜形成方法及びマスキング方法の提供。【解決手段】コーティング剤であって、前記コーティング剤が、2−シアノアクリレート化合物と、水溶性化合物と、を含有し、前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの吸水率が5%以上である、コーティング剤。【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング剤、皮膜形成方法及びマスキング方法に関する。
使用目的を達した後に容易に除去できる皮膜を形成可能なコーティング剤が種々検討されている。例えば、特許文献1には、炭酸カルシウムを主成分とする1種の無機顔料成分と、少なくとも1種のガラス転移温度−25℃〜40℃を有する水溶性若しくは水分散性の非セルロース系アニオン性樹脂からなるバインダーと、少なくとも1種の水溶性増粘剤と、水とを含む塗料組成物が記載されている。
特開2006−70159号公報
特許文献1に記載された発明は、水を用いて除去することができ、かつ除去後に自然環境で自然消滅可能な性質を有する塗料組成物を提供するものである。一方、特許文献1に記載された発明では、塗料組成物を塗布してから皮膜が形成されるまでの時間については検討されていない。
本発明は、短時間で皮膜を形成でき、かつ皮膜を水で除去可能なコーティング剤、並びにこのコーティング剤を用いた皮膜形成方法及びマスキング方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> コーティング剤であって、
前記コーティング剤が、2−シアノアクリレート化合物と、水溶性化合物と、を含有し、
前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの吸水率が5%以上である
コーティング剤。
<2> 前記コーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬したときの吸水率が5%以上である、<1>に記載のコーティング剤。
<3> 前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの溶出率が5%以上である、<1>又は<2>に記載のコーティング剤。
<4> 前記コーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬したときの溶出率が2%以上である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<5> 前記水溶性化合物の溶解性パラメータが、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<6> 前記2−シアノアクリレート化合物の溶解性パラメータが、10.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<7> 前記コーティング剤の硬化物の、JIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が80%以上であり、前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が50%以下である、<1>〜<6>のいずれか1つにコーティング剤。
<8> 前記硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が70%以下である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<9> 前記コーティング剤の硬化物の、JIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が1%以上70%以下であり、前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が95%以上である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<10> 前記硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が95%以上である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<11> 前記水溶性化合物の含有量が、前記2−シアノアクリレート化合物及び前記水溶性化合物の合計含有量100質量部に対し、0.5質量部以上50質量部以下である<1>〜<10>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<12> 前記2−シアノアクリレート化合物が、アルキル−2−シアノアクリレート化合物、又は、エーテル結合、カーボネート結合若しくはスルホニル結合を有する2−シアノアクリレート化合物である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<13> 前記2−シアノアクリレート化合物が、エチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、グリセリンカーボネート−2−シアノアクリレート、スルホラニルメチル−2−シアノアクリレート、及び、メトキシエトキシエチル−2−シアノアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<14> 前記水溶性化合物が、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、及び、脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、<1>〜<13>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<15> 基材の表面に<1>〜<14>のいずれか1つに記載のコーティング剤を用いて皮膜を形成する工程を含む、皮膜形成方法。
<16> 基材の表面に<1>〜<14>のいずれか1つに記載のコーティング剤を用いて第1の皮膜を形成する工程と、前記コーティング剤と異なるコーティング剤を用いて第1の皮膜が形成されていない部分を含む領域に第2の皮膜を形成する工程と、第1の皮膜を水で除去する工程と、をこの順に備える、マスキング方法。
<2−1> 2−シアノアクリレート化合物、及び、水溶性化合物を含有し、前記水溶性化合物の溶解性パラメータが、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下であるコーティング剤。
<2−2> 前記2−シアノアクリレート化合物の溶解性パラメータが、10.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下である<2−1>に記載のコーティング剤。
<2−3> 前記水溶性化合物の含有量が、前記2−シアノアクリレート化合物及び前記水溶性化合物の合計含有量100質量部に対し、0.5質量部以上50質量部以下である<2−1>又は<2−2>に記載のコーティング剤。
<2−4> 前記2−シアノアクリレート化合物が、アルキル−2−シアノアクリレート化合物、又は、エーテル結合、カーボネート結合若しくはスルホニル結合を有する2−シアノアクリレート化合物である<2−1>〜<2−3>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<2−5> 前記2−シアノアクリレート化合物が、エチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、グリセリン−1,2−カーボネート−3−(2−シアノアクリレート)、スルホラニルメチル−2−シアノアクリレート、及び、メトキシエトキシエチル−2−シアノアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である<2−1>〜<2−4>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<2−6> 前記水溶性化合物が、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアセテート、ポリオキシアルキレンジアセテート、及び、脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である<2−1>〜<2−5>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<2−7> 基材の表面に<2−1>〜<2−6>のいずれか1つに記載のコーティング剤を用いて皮膜を形成する工程を含む、皮膜形成方法。
<2−8> 基材の表面に<2−1>〜<2−6>のいずれか1つに記載のコーティング剤を用いて第1の皮膜を形成する工程と、前記コーティング剤と異なるコーティング剤を用いて第1の皮膜が形成されていない部分を含む領域に第2の皮膜を形成する工程と、第1の皮膜を水で除去する工程と、をこの順に備える、マスキング方法。
<3−1> コーティング剤であって、
前記コーティング剤が、2−シアノアクリレート化合物と、
水溶性化合物と、を含有し、
前記コーティング剤の硬化物の、JIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が80%以上であり、
前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が50%以下である
コーティング剤。
<3−2> 前記硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が70%以下である<3−1>に記載のコーティング剤。
<3−3> 前記コーティング剤の硬化物の、JIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が1%以上70%以下であり、前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が95%以上である<3−1>又は<3−2>に記載のコーティング剤。
<3−4> 前記硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が95%以上である、<3−1>〜<3−3>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<3−5> 前記水溶性化合物の含有量が、前記2−シアノアクリレート化合物及び前記水溶性化合物の合計含有量100質量部に対し、0.5質量部以上50質量部以下である<3−1>〜<3−4>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<3−6> 前記2−シアノアクリレート化合物が、アルキル−2−シアノアクリレート化合物、又は、エーテル結合、カーボネート結合若しくはスルホニル結合を有する2−シアノアクリレート化合物である<3−1>〜<3−5>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<3−7> 前記2−シアノアクリレート化合物が、エチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、グリセリンカーボネート−2−シアノアクリレート、スルホラニルメチル−2−シアノアクリレート、及び、メトキシエトキシエチル−2−シアノアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である<3−1>〜<3−6>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<3−8> 前記水溶性化合物が、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアセテート、ポリオキシアルキレンジアセテート、及び、脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である<3−1>〜<3−7>のいずれか1つに記載のコーティング剤。
<3−9> 基材の表面に<3−1>〜<3−8>のいずれか1つに記載のコーティング剤を用いて皮膜を形成する工程を含む、皮膜形成方法。
<3−10> 基材の表面に<3−1>〜<3−8>のいずれか1つに記載のコーティング剤を用いて第1の皮膜を形成する工程と、前記コーティング剤と異なるコーティング剤を用いて第1の皮膜が形成されていない部分を含む領域に第2の皮膜を形成する工程と、第1の皮膜を水で除去する工程と、をこの順に備える、マスキング方法。
本発明によれば、短時間で皮膜を形成でき、かつ皮膜を水で除去可能なコーティング剤、及びこのコーティング剤を用いた皮膜形成方法が提供される。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
(コーティング剤)
本発明のコーティング剤の第一の実施態様は、コーティング剤であって、2−シアノアクリレート化合物と、水溶性化合物と、を含有し、前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの吸水率が5%以上である。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記構成のコーティング剤は、短時間で皮膜を形成でき、かつ皮膜を水で除去可能であることを見出した。
これによる優れた効果の作用機構は明確ではないが、以下のように推定している。
まず、コーティング剤に含まれる2−シアノアクリレート化合物は、その特異なアニオン重合性により、基材表面に付着する水分等によってアニオン重合を開始し、硬化する。これにより、短時間でコーティング剤の硬化物からなる皮膜が形成されると推定される。
さらに、本発明のコーティング剤は水溶性化合物を含有し、コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの吸水率が5%以上であり、硬化物の吸水及び膨潤、あるいは前記水溶性化合物の溶出に伴う変形による脆化、並びに、解体が生じやすく、また、基材と皮膜の界面への水の浸透が生じやすい。このため、皮膜の水による剥離又は除去性(本発明において「水易解体性」ともいう。)に優れると推定される。
さらに、本発明のコーティング剤を用いて形成される皮膜は基材への接着性に優れているため、強固な皮膜が形成される。
本発明のコーティング剤の第二の実施態様は、2−シアノアクリレート化合物、及び、水溶性化合物を含有し、前記水溶性化合物の溶解性パラメータが、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下である。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記構成のコーティング剤は、短時間で皮膜を形成でき、かつ皮膜を水で除去可能であることを見出した。
これによる優れた効果の作用機構は明確ではないが、以下のように推定している。
まず、コーティング剤に含まれる2−シアノアクリレート化合物は、その特異なアニオン重合性により、基材表面に付着する水分等によってアニオン重合を開始し、硬化する。これにより、短時間でコーティング剤の硬化物からなる皮膜が形成されると推定される。
さらに、本発明のコーティング剤は溶解性パラメータが、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下である水溶性化合物を含有する。これにより、コーティング剤中において、2−シアノアクリレート化合物と前記水溶性化合物との相溶性に優れている。このため、硬化後においても、前記水溶性化合物が2−シアノアクリレート化合物の重合体へ十分分散されており、水と接触した場合に、前記水溶性化合物の水への溶解を起点とし、硬化物への水の浸透性に優れると推定される。その結果、硬化物の吸水及び膨潤、あるいは前記水溶性化合物の溶出に伴う変形による脆化、並びに、解体が生じやすく、また、基材と皮膜の界面への水の浸透が生じやすい。このため、皮膜の水による剥離又は除去性(本発明において「水易解体性」ともいう。)に優れると推定される。
さらに、本発明のコーティング剤を用いて形成される皮膜は基材への接着性に優れているため、強固な皮膜が形成される。
本発明のコーティング剤の第三の実施態様は、コーティング剤であって、前記コーティング剤が、2−シアノアクリレート化合物と、水溶性化合物と、を含有し、前記コーティング剤の硬化物の、JIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が80%以上であり、前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が50%以下である。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記構成のコーティング剤は、短時間で皮膜を形成でき、かつ皮膜を水で除去可能であることを見出した。
これによる優れた効果の作用機構は明確ではないが、以下のように推定している。
まず、コーティング剤に含まれる2−シアノアクリレート化合物は、その特異なアニオン重合性により、基材表面に付着する水分等によってアニオン重合を開始し、硬化する。これにより、短時間でコーティング剤の硬化物からなる皮膜が形成されると推定される。
さらに、本発明のコーティング剤は、その硬化物の、JIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が80%以上であり、かつ、前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が50%以下である。これにより、硬化物の吸水及び膨潤、あるいは前記水溶性化合物の溶出に伴う変形による脆化、並びに、解体が生じやすく、また、基材と皮膜の界面への水の浸透が生じやすい。このため、皮膜の水による剥離又は除去性(本発明において「水易解体性」ともいう。)に優れると推定される。
さらに、本発明のコーティング剤を用いて形成される皮膜は基材への接着性に優れているため、強固な皮膜が形成される。
前記各実施態様のコーティング剤を用いて形成される皮膜は、熱水又は加圧熱水により短時間で容易に剥離又は除去可能であることは勿論、例えば、常温(15℃〜25℃)からぬるま湯程度の温度(30℃〜45℃)範囲の水に浸漬等することにより、剥離又は除去することも可能である。
以下、本発明に係る各構成要件の詳細について説明する。また、以下の説明において、単に「本発明のコーティング剤」という場合は、本発明のコーティング剤の第一〜第三の実施態様の全てについて該当するものとする。
<吸水率(40℃)>
本発明のコーティング剤の第一の実施態様は、前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの吸水率は、5%以上であり、水による剥離性の観点から、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
本発明のコーティング剤の第二又は第三の実施態様は、前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの吸水率は、水による剥離性の観点から、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、20%以上であることが更に好ましい。
吸水率の上限は、特に限定されないが、1000%以下であることが好ましい。
<吸水率(23℃)>
本発明のコーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬したときの吸水率は、特に常温(15℃〜25℃)の水による剥離性の観点から、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、20%以上であることが更に好ましい。
吸水率の上限は、特に限定されないが、1000%以下であることが好ましい。
<溶出率(40℃)>
本発明のコーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの溶出率は、水による剥離性の観点から、5%以上であることが好ましい。
溶出率の上限は、特に限定されず、100%以下であればよい。
<溶出率(23℃)>
本発明のコーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬したときの溶出率は、特に常温(15℃〜25℃)の水による剥離性の観点から、2%以上であることが好ましい。
溶出率の上限は、特に限定されず、100%以下であればよい。
<吸水率及び溶出率の測定方法>
上記吸水率及び上記溶出率は、下記の方法により測定される。
コーティング剤を直径50mmのポリエチレン容器に約4g流し込み、N,N−ジメチル−p−トルイジンを3μL〜4μL添加し撹拌した後、完全に硬化するまで静置して、直径50mmの硬化物を作製する。硬化後、容器から硬化物を取り出し、それを2分割した半円型のものを、それぞれ試験片として試験及び評価に使用する。
その後、作製した半円型の2つの前記試験片の一方を浸水用(A)、前記試験片のもう一方を試験前比較用(B、不浸水)として使用する。
試験片Aは、温度23℃の雰囲気下、80mLの蒸留水に浸す。24時間静置後、試験片を蒸留水から取り出し、表面の水を良くふき取って、下記式に従い、23℃における吸水率及び溶出率をそれぞれ算出する。
同様に、同じ配合組成で作製した試験片Aを、温度40℃の雰囲気下、80mLの蒸留水に浸す。24時間静置後、試験片を蒸留水から取り出し、表面の水を良くふき取って、40℃の試験として評価する。
浸水試験前の試験片Aの質量(a)、その試験片Aの浸水試験後の質量(b)、更にその試験片Aの温度50℃、20時間真空乾燥による脱水後、温度23℃に戻したときの質量(c)、浸水していない試験前比較用の試験片Bの質量(d)、その試験片Bの温度50℃、20時間真空乾燥による脱水後、温度23℃に戻したときの質量(e)を、23℃の試験、又は、40℃の試験についてそれぞれ測定する。
前記a〜eの値を用い、下式の通り、吸水率及び溶出率を算出する。
吸水率(%):
((b−c)−(a×(d−e)/d))/(a−a×(d−e/d))×100
溶出率(%):
((a−c)−(a×(d−e)/d))/(a−a×(d−e/d))×100
<全光線透過率(40℃浸漬後)>
本発明のコーティング剤の第三の実施態様は、前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率は、50%以下であり、水による剥離性の観点から、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
本発明のコーティング剤の第一又は第二の実施態様は、前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率は、水による剥離性の観点から、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましい。
下限値は0%以上であることが好ましい。
<全光線透過率(23℃浸漬後)>
本発明のコーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率は、特に常温(15℃〜25℃)の水による剥離性の観点から、70%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましい。下限値は0%以上であることが好ましい。
<全光線透過率(浸漬前)>
本発明のコーティング剤の硬化物の23℃又は40℃におけるJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率は、特に常温(15℃〜25℃)の水による剥離性の観点から、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。上限値は100%以下であればよい。
<ヘーズ値(40℃浸漬後)>
本発明のコーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値は、水による剥離性の観点から、95%以上であることが好ましく、98%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
上記ヘーズ値の上限は、特に限定されず、100%以下であればよい。
<ヘーズ値(23℃浸漬後)>
本発明のコーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値は、特に常温(15℃〜25℃)の水による剥離性の観点から、90%以上であることが好ましく、95%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましい。
上記ヘーズ値の上限は、特に限定されず、100%以下であればよい。
<全光線透過率及びヘーズの測定方法>
上記全光線透過率及び上記ヘーズは、下記の方法により測定される。
コーティング剤を直径50mmのポリエチレン容器に約4g流し込み、N,N−ジメチル−p−トルイジンを3μL〜4μL添加し撹拌した後、完全に硬化するまで静置して、直径50mmの硬化物を作製する。
硬化後、容器から硬化物を取り出し、それを2分割した半円型のものを、それぞれ試験片として試験及び評価に使用する。
その後、作製した半円型の2つの前記試験片のうち一方の試験片を試験片(A)として試験を行う。
まず、試験片Aの全光線透過率を、JIS K7361−1に準拠して、ヘーズメーター(NHD−2000、日本電色工業(株)製)を用いて測定する。
次に、試験片Aのヘーズを、JIS K7136に準拠して、ヘーズメーター(NHD−2000、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、以下の式から算出する。
ヘーズ(%)=(全光線透過率−平行線透過率)/全光線透過率
いずれの試験においても、試験片を、ヘーズメーターの光源に垂直になるようにして試験片を押し付けた状態で測定する。
上記測定後、試験片Aは、温度23℃で、80mLの蒸留水に浸す。24時間静置後、試験片を蒸留水から取り出し、表面の水を良くふき取る。その後、上記全光線透過率の測定方法及びヘーズ値の測定方法と同様の方法により、全光線透過率(23℃浸漬後)及びヘーズ値(23℃浸漬後)を測定する。
同様に、同じ配合組成で作製した試験片Aを、温度40℃で、80mLの蒸留水に浸す。24時間静置後、試験片を蒸留水から取り出し、表面の水を良くふき取る。その後、上記全光線透過率の測定方法及びヘーズ値の測定方法と同様の方法により、全光線透過率(40℃浸漬後)及びヘーズ値(40℃浸漬後)を測定する。
<2−シアノアクリレート化合物>
本発明のコーティング剤は、2−シアノアクリレート化合物を含有する。
2−シアノアクリレート化合物の構造は、特に限定されない。2−シアノアクリレート化合物として具体的には、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、クロロエチル、n−プロピル、i−プロピル、アリル、プロパルギル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロフルフリル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、2−オクチル、n−ノニル、オキソノニル、n−デシル、n−ドデシル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシイソプロピル、メトキシブチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキシイソプロピル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、ブトキシイソプロピル、ブトキシブチル、メトキシエトキシエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヘキサフルオロイソプロピル、フェニルエチル、フェノキシエチル、アルコキシポリエチレンオキシエチル、アルコキシポリプロピレンオキシプロピル、グリセリンカーボネート、2−スルホラニルメチル、3−スルホラニルメチル等とのエステルが挙げられる。
また、2−シアノアクリレート化合物としては、水易解体性の観点から、アルキル−2−シアノアクリレート化合物、又は、エーテル結合、カーボネート結合若しくはスルホニル結合を有する2−シアノアクリレート化合物であることが好ましく、エーテル結合、カーボネート結合若しくはスルホニル結合を有する2−シアノアクリレート化合物であることがより好ましく、エーテル結合若しくはスルホニル結合を有する2−シアノアクリレート化合物であることが特に好ましい。
中でも、2−シアノアクリレート化合物としては、水易解体性の観点から、エチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、グリセリンカーボネート−2−シアノアクリレート(下記構造)、スルホラニルメチル−2−シアノアクリレート(下記構造)、及び、メトキシエトキシエチル−2−シアノアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
前記2−シアノアクリレート化合物の溶解性パラメータ(SP値)は、水易解体性、及び、水溶性化合物の分散性の観点から、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下であることが好ましく、10.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下であることがより好ましく、10.0(cal/cm0.5以上15.0(cal/cm0.5以下であることが更に好ましく、10.0(cal/cm0.5以上14.0(cal/cm0.5以下であることが特に好ましく、10.0(cal/cm0.5以上12.0(cal/cm0.5以下であることが最も好ましい。
なお、本発明における溶解性パラメータ(SP値)は、R.F.Fedorsにより著された「Polymer Engineering and Science」14(2),147(1974)に記載の計算方法によって、算出する値である。具体的には、式(3)に示す計算方法による。なお、2.0455(cal/cm0.5=1MPa0.5である。

δ:SP値((cal/cm1/2
ΔEvap:各原子団のモル蒸発熱(cal/mol)
V:各原子団のモル体積(cm/mol)
また、2種以上の2−シアノアクリレート化合物を併用している場合は、以下の式により算出するものとする。
(混合物のSP値)=(成分1の体積分率)×(成分1のSP値)+(成分2の体積分率)×(成分2のSP値)+・・・
本発明のコーティング剤に用いられる2−シアノアクリレート化合物は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のコーティング剤における2−シアノアクリレート化合物の含有量は、水易解体性、接着性及び硬化性の観点から、コーティング剤の全質量に対し、40質量%以上99.5質量%以下であることが好ましく、50質量%以上99.5質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上90質量%以下であることが更に好ましく、70質量%以上85質量%以下であることが特に好ましい。
<水溶性化合物>
本発明のコーティング剤は、水溶性化合物を含有する。
水溶性化合物は、前記2−シアノアクリレート化合物に溶解可能であることが好ましい。
本発明において、水溶性化合物が、2−シアノアクリレート化合物に溶解可能であるとは、使用する2−シアノアクリレート化合物100質量部に対し、使用する水溶性化合物1質量部を25℃において混合撹拌し、目視により相分離が見られず、均一な混合物を形成できることを表す。
また、本発明において、「水溶性化合物」とは、水と任意の混合比で混和し溶液となるか、又は、水に対する溶解度(25℃)が1g/100g以上の化合物を意味する。
本発明のコーティング剤の第二の実施態様において、前記水溶性化合物の溶解性パラメータ(SP値)は、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下であり、水易解体性、及び、2−シアノアクリレート化合物への相溶性の観点から、8.3(cal/cm0.5以上15.0(cal/cm0.5以下であることが好ましく、8.3(cal/cm0.5以上14.0(cal/cm0.5以下であることがより好ましく、9.0(cal/cm0.5以上14.0(cal/cm0.5以下であることが特に好ましい。
本発明のコーティング剤の第一又は第三の実施態様において、前記水溶性化合物の溶解性パラメータ(SP値)は、水易解体性、及び、2−シアノアクリレート化合物への相溶性の観点から、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下であることが好ましく、8.3(cal/cm0.5以上15.0(cal/cm0.5以下であることがより好ましく、8.3(cal/cm0.5以上14.0(cal/cm0.5以下であることが更に好ましく、9.0(cal/cm0.5以上14.0(cal/cm0.5以下であることが特に好ましい。
また、前記水溶性化合物のSP値は、水による剥離及び解体速度の観点からは、高い値であることが好ましい。
本発明に用いられる水溶性化合物は、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。前記低分子化合物は、分子量1,000未満であることが好ましく、前記高分子化合物は、重量平均分子量1,000以上であることが好ましく、重量平均分子量1,000以上1,000,000以下であることがより好ましい。
なお、本発明における高分子化合物の数平均分子量(Mn)、及び、重量平均分子量(Mw)の値は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定するものとする。
水溶性化合物としては、特に制限はないが、水易解体性、及び、2−シアノアクリレート化合物への相溶性の観点から、エステル結合、カーボネート結合及びスルホニル結合よりなる群から選ばれた少なくとも1種の結合を有する化合物であることが好ましく、カーボネート結合及びスルホニル結合よりなる群から選ばれた少なくとも1種の結合を有する化合物であることがより好ましい。
また、水溶性化合物としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート等の水溶性高分子化合物が好ましく挙げられる。
更に、水溶性化合物として、水易解体性、及び、粘性の観点から、低分子化合物、及び、高分子化合物を併用することも好ましい。
中でも、水溶性化合物としては、水易解体性、及び、2−シアノアクリレート化合物への相溶性の観点から、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアセテート、ポリオキシアルキレンジアセテート、脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、スルホラン、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアセテート、ポリオキシアルキレンジアセテート、及び、脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。
また、汎用性の観点からは、水溶性化合物としては、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホン、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアセテート、及び、ポリオキシアルキレンジアセテートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上述のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアセテート、ポリオキシアルキレンジアセテートとしては、例えば、下記式(1)で表される構造を有する化合物が好ましい。
R−(OCHCHX)・(OCHCH−OR’
(式(1)中、R、R’は水素原子又は直鎖若しくは分岐の炭素数1〜20のアルキル基若しくはアルキルアセテート基、Xは炭素数1〜10のアルキル基、nは0〜20の整数、mは0〜20の整数である。)
上述の脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレートとしては、例えば、東邦化学工業(株)製、エマルボン(登録商標)T−20(ポリオキシエチレングリセロールボレート−ラウレート)、同T−40(ポリオキシエチレングリセロールボレート−パルミテート)、同T−60(ポリオキシエチレングリセロールボレート−ステアレート)、同T−66(ポリオキシエチレングリセロールボレート−ステアレート)、同T−80(ポリオキシエチレングリセロールボレート−オレート)、同T−83(ポリオキシエチレングリセロールボレート−オレート)、同T−160(ポリオキシエチレングリセロールボレートイソステアレート)等が好ましく挙げられる。
本発明のコーティング剤に用いられる水溶性化合物は、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のコーティング剤における水溶性化合物の含有量は、水易解体性の観点から、コーティング剤の全質量に対し、0.5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、1質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上35質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本発明のコーティング剤は、前記2−シアノアクリレート化合物及び前記水溶性化合物以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、安定剤、硬化促進剤、可塑剤、増粘剤、粒子、着色剤、香料、溶剤、強度向上剤等を、目的に応じて、コーティング剤の硬化性及び接着強さ等を損なわない範囲で適量配合することができる。
安定剤としては、(1)二酸化硫黄及びメタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、三弗化ホウ素メタノール、三弗化ホウ素ジエチルエーテル等の三弗化ホウ素錯体、HBF、トリアルキルボレート等のアニオン重合禁止剤、(2)ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、カテコール及びピロガロール等のラジカル重合禁止剤などが挙げられる。これらの安定剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤は、2−シアノアクリレートのアニオン重合を促進するものであれば、いずれも使用することができる。硬化促進剤としては、例えば、ポリエーテル化合物、カリックスアレン類、チアカリックスアレン類、ピロガロールアレン類、及びオニウム塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、可塑剤としては、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソトリデシル、フタル酸ジペンタデシル、テレフタル酸ジオクチル、イソフタル酸ジイソノニル、トルイル酸デシル、ショウノウ酸ビス(2−エチルヘキシル)、2−エチルヘキシルシクロヘキシルカルボキシレート、フマル酸ジイソブチル、マレイン酸ジイソブチル、カプロン酸トリグリセライド、安息香酸2−エチルヘキシル、ジプロピレングリコールジベンゾエート等が挙げられる。これらの中では、2−シアノアクリレート化合物との相溶性がよく、かつ可塑化効率が高いという点から、アセチルクエン酸トリブチル、アジピン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、安息香酸2−エチルヘキシル、ジプロピレングリコールジベンゾエートが好ましい。これらの可塑剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとアクリル酸エステルとの共重合体、メタクリル酸メチルとその他のメタクリル酸エステルとの共重合体、アクリルゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、セルロースエステル、ポリアルキル−2−シアノアクリル酸エステル及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの増粘剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コーティング剤に配合してもよい粒子は、コーティング剤を用いて形成される皮膜の厚さを調整するためのものである。
前記粒子の平均粒子径は、10μm〜200μmであることが好ましく、15μm〜200μmであることがより好ましく、15μm〜150μmであることが更に好ましい。
粒子の材質は、使用する2−シアノアクリレート化合物に不溶であり、重合等の変質を引き起こさないものであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド等の熱可塑性樹脂;不飽和ポリエステル、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体等の架橋樹脂;球状シリカ、ガラスビーズ、ガラスファイバー等の無機化合物;シリコーン化合物;有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格を含んでなる有機無機複合粒子等が挙げられる。
また、粒子の含有量は特に限定されないが、2−シアノアクリレート化合物の含有量を100質量部とした場合に、0.1質量部〜10質量部であることが好ましく、1質量部〜5質量部であることがより好ましく、1質量部〜3質量部であることが更に好ましい。前記0.1質量部〜10質量部の範囲であると、硬化速度や接着強さに与える影響を少なくすることができる。
本発明における粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定した体積基準の平均値である。
コーティング剤に配合してもよい着色剤は、コーティング剤に所望の色調を付与するためのものである。
着色剤は、水に可溶であっても水に不溶であってもよい。また、コーティング剤に含まれる着色剤は1種のみであっても2種以上であってもよい。
本発明のコーティング剤を用いて形成される皮膜は、水で容易に除去することができる。このため、不要な箇所に皮膜が形成された場合であっても、水と接触させることで簡便に剥離又は除去することができる。
本発明のコーティング剤を用いて形成される皮膜の厚さは特に制限されず、皮膜が形成されるまでの時間、皮膜の除去に要する時間等を考慮して設定できる。例えば、1μm〜1mmの範囲内としてもよい。
本発明のコーティング剤を用いて形成される皮膜を除去する方法は、特に制限されない。例えば、皮膜を水を含ませた布等でふき取る方法、皮膜を水に浸漬する方法、皮膜を流水で洗浄する方法、皮膜に水を噴霧する方法等を挙げることができる。皮膜の除去に用いる水は、必要に応じて溶剤、界面活性剤等を含有してもよい。
本発明のコーティング剤を用いて皮膜が形成される基材は、特に制限されない。例えば、ガラス、セラミックス、コンクリート、金属、樹脂、木、紙、布帛、皮革等が挙げられる。あるいは、爪、皮膚などの生体が挙げられる。
基材は、表面が平滑であっても凹凸、空隙等を有していてもよい。本発明のコーティング剤を用いて形成される皮膜は水で除去可能であるため、表面に凹凸、空隙等を有する基材にも好適に使用できる。また、有機溶媒等を用いずに除去可能であるため、有機溶媒との接触により変性しやすい基材にも好適に使用できる。
本発明のコーティング剤は、基材表面の保護、封止、彩色等の種々の用途に用いることができる。
本発明のコーティング剤は、基材表面のマスキング(皮膜を形成したくない箇所の保護)にも好適に用いることができる。例えば、基材表面の所定の領域に本発明のコーティング剤を用いて第1の皮膜(マスキング用皮膜)を形成した後、別のコーティング剤(例えば、非水溶性のコーティング剤)を用いて第1の皮膜が形成されていない部分を含む領域に第2の皮膜を形成し、第1の皮膜を水で除去する方法に好適に用いることができる。
<皮膜形成方法>
本発明の皮膜形成方法は、基材の表面に本発明のコーティング剤を用いて皮膜を形成する工程を含む。
本発明のコーティング剤を用いて皮膜を形成する方法は、特に制限されない。例えば、浸漬、滴下、転写、刷毛塗り、スクリーン印刷、スピンコート法、スプレー法、ドクターブレード法、ロールコーター法、インクジェット印刷等によりコーティング剤を基材の表面に付与する方法を挙げることができる。コーティング剤はそのまま用いても、水等の溶媒で希釈して用いてもよい。
<マスキング方法>
本発明の皮膜形成方法は、基材表面のマスキングを目的とするものであってもよい。
すなわち、本発明のマスキング方法は、基材の表面に本発明のコーティング剤を用いて第1の皮膜(マスキング用皮膜)を形成する工程と、
本発明のコーティング剤と異なるコーティング剤を用いて第1の皮膜が形成されていない部分を含む領域に第2の皮膜を形成する工程と、
第1の皮膜を水で除去する工程と、をこの順に備える。
本発明のマスキング方法によれば、例えば、第1の皮膜が形成された基材の全面に第2の皮膜を形成するコーティング剤を塗布した後、第1の皮膜を水で除去する。このとき、第1の皮膜の上に形成された第2の皮膜もともに除去されるが、第1の皮膜が形成されていない部分に形成された第2の皮膜は除去されずに残存する。その結果、第1の皮膜が形成されなかった領域にのみ第2の皮膜を形成することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。また、以下において「部」及び「%」は、特に断らない限り、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
1.試験方法
1−1.試験片作製
(実施例1〜15、及び、比較例1〜5)
表1又は表2に記載の2−シアノアクリレート化合物に、表1又は表2に記載の水溶性化合物を表1又は表2に記載の含有量となるように加え、均一になるまで撹拌し、実施例1〜11、及び、比較例1〜5に係るコーティング剤を作製した。各コーティング剤を直径50mmのポリエチレン容器に約4g流し込み、N,N−ジメチル−p−トルイジンを3μL〜4μL添加し撹拌した後、完全に硬化するまで静置して、直径50mm、厚さ16±5mmの範囲内の厚さの硬化物を作製した。硬化後、容器から硬化物を取り出し、それを2分割した半円型のものを、試験及び評価に使用した。
1−2.浸水試験
1−1のように作製した試験片の片方を浸水用(A)、もう片方を試験前比較用(B、不浸水)として使用した。
試験片Aは、温度23℃の雰囲気下、80mLの蒸留水に浸した。24時間静置後、試験片を蒸留水から取り出し、表面の水を良くふき取って、23℃の試験として評価した。
同様に、同じ配合組成で作製した試験片Aを、温度40℃の雰囲気下、80mLの蒸留水に浸した。24時間静置後、試験片を蒸留水から取り出し、表面の水を良くふき取って、40℃の試験として評価した。
2.評価方法
(1)吸水率及び溶出率
浸水試験前の試験片Aの質量(a)、その試験片Aの浸水試験後の質量(b)、更にその試験片Aの温度50℃、20時間真空乾燥による脱水後の質量(c)、浸水していない試験前比較用の試験片Bの質量(d)、その試験片Bの温度50℃、20時間真空乾燥による脱水後の質量(e)を、23℃の試験、又は、40℃の試験についてそれぞれ測定した。
前記a〜eの値を用い、下式の通り、吸水率及び溶出率を算出した。結果は、表1の通りである。
吸水率(%):((b−c)−(a×(d−e)/d))/(a−a×(d−e/d))×100
溶出率(%):((a−c)−(a×(d−e)/d))/(a−a×(d−e/d))×100
(2)全光線透過率及びヘーズ
全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠して、ヘーズメーター(NHD−2000、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
ヘーズは、JIS K7136に準拠して、ヘーズメーター(NHD−2000、日本電色工業(株)製)を用いて測定し、以下の式から算出した。
ヘーズ(%)=(全光線透過率−平行線透過率)/全光線透過率
試験片は、1−1記載の方法で作製した直径50mm、測定個所の厚さ16±5mmの範囲内の半円型の硬化物板を、ヘーズメーターの光源に垂直になるようにして試験片を押し付けた状態で測定した。
まず浸水前の試験片を測定し、前記浸水試験と同様の方法で浸水試験後、表面の水をふき取り浸水後の試験片として測定した。結果は表2の通りである。
1−3.皮膜の除去性試験
コーティング剤1滴をガラス板に滴下し、硬化させて皮膜を形成した。次いで、温水(40℃)を含ませた布で皮膜をこすった。その結果、皮膜が除去されていた場合は「可」、皮膜が残存していた場合は「不可」として結果を表に示す。

(実施例16〜44、及び、比較例6)
表4に記載の2−シアノアクリレート化合物に、表4に記載の水溶性化合物を表4に記載の含有量となるように加えた以外は、実施例1と同様にして、実施例16〜44、及び、比較例6に係るコーティング剤をそれぞれ作製した。
得られたコーティング剤を用い、実施例1と同様にして、吸水率及び溶出率の評価を行った。また、得られたコーティング剤を用いて形成される皮膜の除去性試験を行った。
結果を表4に示す。
表4に記載の水溶性化合物のうち、上述したもの以外のSP値は以下の通りである。
トリエチレングリコールジメチルエーテル:8.37(cal/cm0.5
テトラエチレングリコールジメチルエーテル:8.55(cal/cm0.5
ノイゲンXL−40(ポリオキシエチレンデシルエーテル、第一工業製薬(株)製):8.96(cal/cm0.5(上述の式(1)において、Rの分岐数:1、X:CH,n:4と仮定した場合。)
(実施例2−1〜2−49、及び、比較例2−1〜2−8)
表5〜表7に記載の2−シアノアクリレート化合物に、表5〜表7に記載の水溶性化合物を表5〜表7に記載の含有量となるように加えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2−1〜2−49、及び、比較例2−1〜2−8に係るコーティング剤を作製した。また、得られたコーティング剤を用いて形成される皮膜の除去性試験を行った。結果を表5〜7に示す。


表5〜表7に記載の水溶性化合物のうち、上述したもの以外のSP値は以下の通りである。
エマルボンT−80(脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレート、東邦化学工業(株)製):9.34(cal/cm0.5(脂肪酸:ラウリン酸(C12直鎖飽和脂肪酸)、エチレンオキシドの繰り返し数:8と仮定した場合。)
また、表6に記載の下記化合物は、水溶性を示さない疎水性化合物である。
DINP(フタル酸ジイソノニル)
ATBC(o−アセチルクエン酸トリブチル)
(実施例3−1〜3−22、及び、比較例3−1)
表8又は表9に記載の2−シアノアクリレート化合物に、表8又は表9に記載の水溶性化合物を表8又は表9に記載の含有量となるように加えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3−1〜3−22、及び、比較例3−1に係るコーティング剤をそれぞれ作製した。
得られたコーティング剤を用い、実施例1と同様にして、全光線透過率及びヘーズの評価を行った。また、得られたコーティング剤を用いて形成される皮膜の除去性試験を行った。結果を表8及び表9に示す。

本発明のコーティング剤、皮膜形成方法及びマスキング方法は、各種産業、芸術、教育、手芸、日常生活、試験研究、医療等のあらゆる用途に用いることができる。

Claims (16)

  1. コーティング剤であって、
    前記コーティング剤が、2−シアノアクリレート化合物と、水溶性化合物と、を含有し、
    前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの吸水率が5%以上である
    コーティング剤。
  2. 前記コーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬したときの吸水率が5%以上である、請求項1に記載のコーティング剤。
  3. 前記コーティング剤の硬化物を40℃の水に24時間浸漬したときの溶出率が5%以上である、請求項1又は請求項2に記載のコーティング剤。
  4. 前記コーティング剤の硬化物を23℃の水に24時間浸漬したときの溶出率が2%以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  5. 前記水溶性化合物の溶解性パラメータが、8.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  6. 前記2−シアノアクリレート化合物の溶解性パラメータが、10.0(cal/cm0.5以上23.4(cal/cm0.5以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  7. 前記コーティング剤の硬化物の、JIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が80%以上であり、前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が50%以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項にコーティング剤。
  8. 前記硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7361−1に準拠して測定される全光線透過率が70%以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  9. 前記コーティング剤の硬化物の、JIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が1%以上70%以下であり、前記硬化物を40℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が95%以上である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  10. 前記硬化物を23℃の水に24時間浸漬した後にJIS K 7136に準拠して測定されるヘーズ値が95%以上である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  11. 前記水溶性化合物の含有量が、前記2−シアノアクリレート化合物及び前記水溶性化合物の合計含有量100質量部に対し、0.5質量部以上50質量部以下である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  12. 前記2−シアノアクリレート化合物が、アルキル−2−シアノアクリレート化合物、又は、エーテル結合、カーボネート結合若しくはスルホニル結合を有する2−シアノアクリレート化合物である、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  13. 前記2−シアノアクリレート化合物が、エチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート、グリセリンカーボネート−2−シアノアクリレート、スルホラニルメチル−2−シアノアクリレート、及び、メトキシエトキシエチル−2−シアノアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  14. 前記水溶性化合物が、エチレンカーボネート、ジメチルスルホン、スルホラン、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアセテート、ポリオキシアルキレンジアセテート、及び、脂肪酸ポリオキシエチレングリセロールボレートよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  15. 基材の表面に請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のコーティング剤を用いて皮膜を形成する工程を含む、皮膜形成方法。
  16. 基材の表面に請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載のコーティング剤を用いて第1の皮膜を形成する工程と、前記コーティング剤と異なるコーティング剤を用いて第1の皮膜が形成されていない部分を含む領域に第2の皮膜を形成する工程と、第1の皮膜を水で除去する工程と、をこの順に備える、マスキング方法。
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