JP2021024555A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リプログラミング可能な電動パワーステアリング制御装置を提供する。【解決手段】CPU21による実行対象となる制御プログラム情報をROM41に格納し、OTAセンター30より送信されたリプログラミング情報を外部メモリ51に格納する。リプログラミング情報はCPU21による制御プログラム情報の実行中においても外部メモリ51に格納され、所定条件が成立後、外部メモリ51に格納されたリプログラミング情報が読み出されて、そのリプログラミング情報でROM41の制御プログラム情報を書き換える。そしてCPU21は、書き換えられたリプログラミング情報を実行対象とするアシスト制御を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、制御プログラムの書き換え(リプログラミング)が可能な電動パワーステアリング制御装置に関する。
近年、多くの装置にマイクロプロセッサ(CPU、あるいはMPU)が搭載され、メモリ等の記憶装置に格納された制御プログラムに従って所定の制御が行われている。自動車等の車両においても、搭載された多数の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)それぞれが、仕様に合わせて開発されたソフトウェアプログラムを実行して目的とする車両制御を行っている。
このような制御プログラム(ソフトウェアプログラム)は、機能の追加、仕様変更、性能向上等を目的として、開発後において新たな制御アルゴリズムを追加する等の変更が行われる。例えば、特許文献1には、性能向上に対応した制御ソフトウェアの早期書き換えを行うため、車両制御用のコンピュータに内蔵され、制御処理情報を記憶した随時書き換え型不揮発性メモリと、この不揮発性メモリに対して書き換え不可の領域を設定して、書き換え可能領域の制御処理情報を新たな制御処理情報に書き換える記憶補助手段とを設けた自動車用制御装置について記載されている。
一方、電子制御ユニットECUにおいて、制御プログラムの更新中にバッテリ電圧が低下して更新が中断する等、制御プログラムの書き換えに失敗するという問題も生じる。このような問題に対処するため、例えば特許文献2は、エンジン始動の指示信号の取得時に制御プログラムを更新中の車載制御装置が存在するか否かの判定結果に基づいて、エンジンの始動の可否を判定する制御装置を開示している。
再公表特許WO99/17976 特許第6465258号公報
従来のECUは、制御プログラムを格納する不揮発性メモリ等からなる記憶部を1つ有しているため、制御プログラムを新たな実行プログラムに更新させるリプログラミングを行う場合には、その記憶部を書き込みモードにするので制御プログラムを読み出すことができなくなる。その結果、ECUによる制御が停止し、制御中に伝達されたリプログラミング情報を蓄積できないという問題がある。
つまり、メモリが1つの場合、リプロ情報を受信する際には、一度制御を止めてメモリを書き換えモードに移行させてから、リプロ情報を書き込んでいる。従来の車両等の場合、リプロ情報の書き込みをディーラーで行う等、リプログラミングを行う状況が限られていた。
特許文献1のCPUのメモリ空間には、通常の制御を実行するための通常プログラムと、情報を書き換える際に使用される情報書き換えプログラムとが格納されているが、情報の書き換え中は情報書き換えプログラムが起動され、通常プログラムの動作が停止されて情報書き換えプログラムによる情報の書き換えが行われる。そのため、車両ネットワークより制御を実行するための情報処理の要求があった場合、情報書き換えプログラムによる情報の書き換え中は、通常プログラムの動作が停止されているため、車両ネットワークからの情報処理の要求に対応できない、情報書き換え後の更新プログラムをダウンロードできないという問題がある。
特許文献2に記載の制御装置は、制御プログラムの更新に失敗した場合、メモリに保持した更新前の制御プログラムを用いることで、始動操作に従ったエンジン始動の失敗を回避しているが、近年においてインターネット接続機能を有する自動車(コネクテッドカー)の普及に伴うサイバーセキュリティの要求への対応については特許文献2に開示されていない。
例えば、サイバーセキュリティの脆弱性が見つかり、制御プログラムの更新によってセキュリティパッチをインストールする場合、その更新に失敗すると脆弱性に対する新たな脅威が発生し、車両を含むユーザの資産に甚大な被害が生じることが想定される。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速かつ容易にリプログラミングを行うことができ、リプログラミングに失敗した場合には、その旨を外部へ通知して再度のリプログラミングを可能にする電動パワーステアリング制御装置を提供することである。
上記の目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として以下の構成を備える。すなわち、本願の例示的な第1の発明は、電動モータを駆動して車両等の運転者のハンドル操作をアシスト制御する電動パワーステアリング制御装置であって、前記アシスト制御を実行する制御部と、前記制御部の実行対象となる制御プログラム情報を格納する第1の記憶部と、外部より送信されたリプログラミング情報を格納する第2の記憶部とを備え、前記リプログラミング情報は前記制御部による前記制御プログラム情報の実行中においても前記第2の記憶部に格納され、前記制御部は、所定条件が成立後、前記第2の記憶部に格納されたリプログラミング情報を読み出して、前記第1の記憶部の制御プログラム情報を該リプログラミング情報で書き換える書き換え工程を行い、前記書き換え工程により書き換えられたリプログラミング情報を実行対象とするアシスト制御を行うことを特徴とする。
本願の例示的な第2の発明は、電動パワーステアリングシステムであって、上記例示的な第1の発明に係る電動パワーステアリング制御装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、制御部がアシスト制御を継続中であっても外部から送信されたリプログラミング情報を格納して、リプログラミングの準備ができる。また、制御動作中においても、アシスト制御を中断することなくリプログラミングの準備が可能となるとともに、所定条件に基づくタイミングで書き換えられ、更新されたリプログラミング情報で操舵アシストを開始することができる。
さらには、リプログラミングに失敗してもリプログラミング情報の再度のダウンロードを要求できるとともに、装置の機能を縮退して専門取扱い業者へ移送でき、加えて、セキュリティの観点からリプログラミング情報が重大な脅威に晒されるのを防止できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む車両システムを管理する車両管理システムの全体構成を示す図である。 図2は、電動パワーステアリング制御装置における電子制御ユニットECUとしてのモータ制御装置の詳細構成を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置におけるリプログラミング処理手順を示すフローチャートである。 図4は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む電動パワーステアリングシステムの概略構成を示す図である。 図5は、第2の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置(ECU)における制御部とメモリの構成を示す図である。 図6は、第3の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置における電子制御ユニットECUとしてのモータ制御装置の詳細構成を示す図である。 図7は、第3の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置におけるリプログラミング処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む車両システムを管理する車両管理システムの全体構成を示している。図1に示す車両管理システム1は、車両10に搭載された車両システム5内の電子制御ユニット(Electronic Control Unit: ECU)の機能変更、機能追加等に対して、OTA(Over‐the−air)によりソフトウェアを更新する。
車両システム5は、通信網(NW)20を介してOTAセンター30と接続されている。通信網(NW)20は、例えば、インターネット、携帯電話網、無線LAN(Local Area Network)等のデジタル通信網である。
OTAセンター30は、通信部31と、圧縮部32と、差分生成部33とを含んで構成される。差分生成部33は、車両システム5内の複数のECUの制御プログラムとして、更新前の制御プログラム(旧プログラム、あるいは更新前SWともいう)と更新後の制御プログラム(リプログラミング情報、あるいは更新後SWともいう)の差分データを生成する。なお、以降においてリプログラミングを単にリプロと記載する場合もある。
圧縮部32は、差分生成部33で生成された差分データを圧縮して差分圧縮データを生成する。圧縮部32は、差分データの圧縮とともにデータの暗号化を行う。生成された差分圧縮データは、通信部31によって、通信網(NW)20を介して車両システム5に送信される。このように制御プログラムそのものではなく、更新前後の制御プログラムの差分データを圧縮して送信することで、送信データ量を低減し、通信コストの低減、通信時間を短縮して車両システム5へデータを送ることができる。
車載システム5は、通信コントロールユニット(Telematics Control Unit:TCU)11と、ゲートウェイ(Gateway:GW)13等を含んで構成される。TCU11は、OTAセンター30からのデータを受信し、暗号化されていた受信データを復号した後、ゲートウェイ13に送る。
ゲートウェイ13とECU(エンドポイントECU)7a〜7nは、車両内ネットワークであるCAN(Controller Area Network)を介して接続されている。車両内ネットワークはCANに限定されず、Ethernet(登録商標)等のネットワークであってもよい。
ゲートウェイ13は、CAN通信プロトコルによりTCU11からECU7a〜7nへのデータ中継処理を行う。なお、ゲートウェイ13は、単なるデータ中継ではなく、すべてのECU7a〜7nに対する、車載システム5における制御プログラムとして復号後のデータ(差分復元データ)を蓄積し、それらをECU7a〜7n各々に配信するようにしてもよい。
さらに、OTAセンター30からの受信データをTCU11からゲートウェイ13へ送る段階で、その受信データの認証を行ってもよい。すなわち、ゲートウェイ13は、TCU11より受信したデータの蓄積および差分復元のみならず、認証処理等を行うことで、差分データとともに送られる誤り訂正符号による誤り訂正を行って、差分データを正常に受信したか否かを確認するようにしてもよい。
次に、上述した車両システムに含まれる複数のECUの1つである本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置(EPS)について説明する。図2は、電動パワーステアリング制御装置における電子制御ユニットECUとしてのモータ制御装置の詳細構成である。
図2に示すモータ制御装置(EPS制御装置)としてのECU7aは、装置全体の制御を司る、例えばマイクロプロセッサからなる制御部(CPU)21、CPU21からの制御信号よりモータ駆動信号を生成し、FET駆動回路として機能するインバータ制御部23、電動モータ15に所定の駆動電流を供給するモータ駆動部であるインバータ回路24を含んで構成される。
インバータ回路24には、フィルタ26と電源リレー27を介して外部バッテリBTよりモータ駆動用の電源が供給される。フィルタ26は、不図示の電解コンデンサとコイルからなり、モータ制御装置(ECU)7aへの供給電源に含まれるノイズ等を吸収し、電源電圧を平滑する。電源リレー27は、バッテリBTからの電力を遮断可能に構成され、例えば、機械式リレーあるいは半導体リレーで構成される。なお、フィルタ26はインバータ回路部24に包含させてもよい。
電動モータ15は、U相、V相、W相からなる3相巻線(Ua,Va,Wa)15aを備える3相ブラシレスDCモータである。電動モータ15を駆動するインバータ回路24は、半導体スイッチング素子(FET1〜6)からなるFETブリッジ回路である。
なお、スイッチング素子(FET1〜6)はパワー素子とも呼ばれ、例えば、MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いる。
インバータ回路24を構成するスイッチング素子(FET1〜6)は、電動モータ15の各相に対応して設けられている。すなわち、FET1,2がU相に、FET3,4がV相に、そして、FET5,6がW相にそれぞれ対応している。
インバータ回路24において、FET1,3,5のドレイン端子は電源側に接続され、ソース端子はFET2,4,6のドレイン端子に接続されている。また、FET2,4,6のソース端子は、グランド(GND)側に接続されている。
よって、モータ制御装置1aは、1組の3相巻線(Ua,Va,Wa)と、それらの3相巻線に駆動電流を供給する1組のインバータとからなるシングルインバータ構成となっている。
モータ制御装置(ECU)7aは、車両10の各種情報を授受する車載ネットワーク(CAN)に接続されたCAN信号線(CAN通信バス)17H,17Lを介して、他の制御ユニット(ECU)との間でCANプロトコルによるデータ通信を行う。CAN信号線17H,17Lは、CANプロトコルで使用されるCAN−HラインおよびCAN−Lラインからなる2線式の通信線である。
モータ制御装置(ECU)7aは、制御プログラムを格納するため2つの記憶部であるROM(Read Only Memory)41と、ROM41とは異なる第2のROMとしての機能を有する外部メモリ51とを有する。ROM41には、CPU21が実行する(現在、実行している)制御プログラムが格納されている。CPU21は、ROM41に記憶された制御プログラムを読み出して実行することで、パワーステアリングに関する種々の処理、他のECUとの通信等を行う。
外部メモリ51には、ROM41に格納されている制御プログラムを書き換え、更新データ、新規データの追加等をするためのリプログラミング情報が格納される。RAM(Random Access Memory)43は、CPU21が制御に必要な各種データを一時的に記憶するための随時読出し/書込みメモリとして使用される。
ROM41と外部メモリ51は、例えば、電気的に書き込みおよび消去が可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、あるいは電気的に書き換え可能なフラッシュメモリである。なお、ROM41およびRAM43は、図2に示すようにCPU21に内蔵された形態であってもよいし、あるいはCPU21の外部に配置してもよい。
CPU21、外部メモリ51、後述するIG電圧検出部45とCANI/F47は、データバス25を介して相互に接続されている。電動モータ15には、その回転子(ロータ)の回転位置を検出する回転センサ55が搭載され、回転センサ55からの出力信号は、回転情報としてCPU21に入力される。
次に、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置(EPS)におけるリプログラミング処理について説明する。図3は、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置におけるリプログラミング処理手順を示すフローチャートである。
モータ制御装置(ECU)7aの制御部(CPU)21は、図3のステップS11において、車両内ネットワークであるCAN17よりCANI/F47を介して、リプロ要求コマンド(書き換え開始要求コマンド)を受信したか否かを判定する。リプロ要求を受信した場合、ステップS13において、リプロ要求コマンドの内容を解析し、リプロ要求コマンドの解析結果によって、リプロ要求の対象となるパラメータが全プログラミング領域か、部分的なプログラミング領域かを判断する。
CPU21は、続くステップS15において、リプロ要求コマンドが無線通信(OTA)によるソフトウェア更新を要求しているか、あるいは無線以外の媒体、例えば従来の有線接続による直接的なリプロが要求されているかを判断する。従来のリプロ要求があった場合、ステップS39の処理に移行する。
OTAによるリプロ要求があった場合、CPU21はステップS17において、OTAセンター30より送信されたリプログラミング情報(リプロデータ)を外部メモリ51に格納する。ここでは、CPU21がROM41に格納されている制御プログラムにアクセスし、所定の処理を実行中であっても、その処理を継続しながら外部メモリ51にリプロデータが格納される。その結果、パワーステアリングのアシスト制御を中断することなくリプログラミングの準備が可能となる。
CPU21はステップS19において、リプロデータの受信が正常に終了したか否かを判断する。リプロデータの受信が正常に終了した場合、ステップS21において、規定条件が成立したかどうかを判定する。規定条件とは、例えば、車速センサ59からの情報をもとに車両10が停止中であると判断された場合、アシスト制御を停止中の場合、IG電圧検出部45からの情報よりIG-SW(イグニッションスイッチ)58がOFFと判断された場合、エンジンがアイドルストップ中であると判断された場合等をいう。
イグニッションスイッチ(IG-SW)58は、その一端がバッテリBTに接続され、他端はIG電圧検出部45に接続されている。IG電圧検出部45は、IG-SW58を介して供給されたイグニッション(IG)電圧値をAD変換し、デジタルのIG電圧値としてCPU21に入力される。
上記の規定条件が成立した場合、CPU21はステップS23において、受信したリプロデータの妥当性を確認する。ここでは、例えば、誤り検出値信号であるCRC(Cyclic Redundancy Check)信号によってリプロデータの妥当性を監視する。あるいは、リプロデータ内のチェックサムを確認して、チェックサムが不一致の場合、データに異常が発生している、あるいはOTAセンターとの通信が正常に行われなかったと判断する。チェックサムが一致しても正常動作が行われない場合、リプロデータは正常ではないと判断する。
ステップS25においてリプロデータが妥当であると判断されれば、CPU21はステップS27において、リプロ制御領域をRAM43へ退避する。これは、リプロデータによる書き換えモードにおいて、リプロを行うためのプログラムをRAM43に展開して、RAM43上でリプロの制御情報への書き換え準備を行うことを意味する。一方、ステップS25において、リプロデータの蓄積時にリプロデータが妥当でないと判断された場合には、リプロを中断する。
CPU21は、続くステップS29において、ROM41の内容を、ステップS27で展開したリプロデータで書き換えるリプログラミングを行う。そして、ステップS31において、リプロデータそのものの正常性を判定する。例えば、公知の署名認証技術を採用して、リプロデータの完全性の判断、悪意によるリプロデータの改竄の有無等を判断する。
リプロデータが正常であれば、CPU21はステップS35において、リプロデータによる書き換えが正常に終了したか否かを判断し、正常に終了していなければ、ステップS29に処理を戻してリプロデータによる書き換えを再試行(リトライ)する。
ステップS31において、リプロデータが正常でないと判定された場合、CPU21は、ステップS33において、あらかじめ外部メモリ51に退避させた、CPU21が実行していた制御プログラム(リプロ前にROM41に格納されていた、正常動作が確認された旧プログラム)をROM41に戻す。これによりモータ制御装置(ECU)7aの正常動作での復帰が可能となる。
旧プログラムを退避させる場所を、上記のように外部メモリ51とした場合、外部メモリ51には、リプログラミング情報と退避させた制御プログラム情報の双方が格納されることになり、外部メモリ51のメモリ容量が大きくなるが、外部メモリとすることによるコストダウンが可能となる。なお、外部メモリ51以外の他の外部メモリを用意して、その外部メモリに旧プログラムを退避させてもよい。
リプログラミングとして、更新前の制御プログラムの全部を新しい制御プログラム(リプログラム)で書き換える態様と、部分的に書き換える態様とがある。部分的な書き換えには、更新前の制御プログラムの一部のパラメータを書き換える態様、更新前の制御プログラムの一部の不具合を修正する態様、更新前の制御プログラムの制御マップデータを部分的に書き換える態様等がある。
このような部分的な書き換えにより、書き換え時間の短縮、データ通信路の有効利用(輻輳防止)が可能となる。また、リプログラミング情報として不必要な情報を排除できる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む電動パワーステアリングシステムの概略構成である。図4の電動パワーステアリングシステム60は、電子制御ユニット(Electronic Control Unit: ECU)としてのモータ制御装置(ECU)7a、操舵部材であるステアリングハンドル62、ステアリングハンドル62に接続された回転軸63、ピニオンギア66、ラック軸67等を備える。
回転軸63は、その先端に設けられたピニオンギア66に噛み合っている。ピニオンギア66により、回転軸63の回転運動がラック軸67の直線運動に変換され、ラック軸67の変位量に応じた角度に、そのラック軸67の両端に設けられた一対の車輪65a,65bが操舵される。
回転軸63には、ステアリングハンドル62が操作された際の操舵トルクを検出するトルクセンサ57が設けられており、検出された操舵トルクはモータ制御装置(ECU)7aへ送られる。モータ制御装置(ECU)7aは、トルクセンサ57より取得した操舵トルク、車速センサ59(図1参照)からの車速等の信号に基づくモータ駆動信号を生成し、その信号を電動モータ15に出力する。
モータ駆動信号が入力された電動モータ15からは、ステアリングハンドル62の操舵を補助するための補助トルクが出力され、その補助トルクが減速ギア64を介して回転軸63に伝達される。その結果、電動モータ15で発生したトルクによって回転軸63の回転がアシストされることで、運転者のハンドル操作を補助する。
このように第1の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置は、制御部が制御プログラムを実行中においてもリプログラミング情報が外部メモリに格納され、所定の条件下でリプロ情報への書き換えが行われた後、リプログラミング情報を実行対象とするアシスト制御を行う構成をとる。
すなわち、制御プログラムの実行中においても、更新された制御プログラムであるリプログラミング情報を蓄積するので、制御部による制御動作中において、アシスト制御を中断することなくリプログラミングの準備が可能となる。
その結果、車両の性能向上等のための最新の制御プログラムへの早期変更がディーラー等を介する必要がないため、車両を販売した後においても安価かつ容易に行える。また、リプログラミング情報を外部メモリに格納することにより、CPU内に複数のメモリを有する構成と比較してコストの抑制が可能となる。
リプログラミングとして、例えば、CAN(Controller Area Network)より受信した開始要求コマンドの内容によって、無線通信(OTA)によるリプログラミング、あるいは無線以外の媒体(有線)を使用したリプログラミングそれぞれに対応したシーケンスによるリプログラミングを行える。また、コマンドに従ったリプログラミングを行うことで書き換えのタイミングが明確になり、不必要な情報がリプログラミングにより更新されることを防止できる。
加えて、リプログラミング情報による制御プログラムの書き換えを行う所定条件として、車両等のイグニッションスイッチがOFFのとき、エンジンがアイドルストップ中であるとき等に行うことで、安全性を確保した状況で書き換えを行え、更新後のリプログラミング情報で操舵アシストを開始することができる。
さらには、リプログラミング情報の正当性を確認できない場合、あるいはリプログラミング情報によるリプログラミングに失敗した場合、あらかじめ退避させておいた制御プログラム情報により、ROM内の情報を上書きすることで、外部(OTAセンター)より送信されたリプロ情報の妥当性の監視とともに、アシスト制御データとしての信頼性を確保できる。
また、ROMに対して、正常に動作していた制御プログラム情報により再度リプログラミングを行う(旧プログラムに戻す)ことで、正常動作を確認済みの制御プログラムによるアシスト制御を継続できる。
なお、外部より送信され、所定のメモリに格納されたリプログラミング情報に正当性があれば、制御プログラムが格納されているROMの内容を書き換えずに、上記所定のメモリに格納されたリプログラミング情報をそのまま実行対象としてアシスト制御を行うようにしてもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置について説明する。なお、第2の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む車両システムを管理する車両管理システムの全体構成は、後述するメモリ構成を除き、図1に示す車両管理システムと同一であるため、その図示および説明を省略する。
図5は、第2の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置(ECU)77aにおける制御部とメモリの構成を示している。制御部(CPU)71は、バス85を介して、2つの記憶部(ROM1(81)、ROM2(83))と接続されている。ROM1,2は、例えば、電気的に書き込みおよび消去が可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、あるいは電気的に書き換え可能なフラッシュメモリである。
ROM1,2のいずれも、OTAセンターから送信され、ゲートウェイを介して送られてきた制御プログラムが格納可能である。CPU71は、ROM1,2のいずれかに切り替えてアクセスし、そのROMに格納された制御プログラムを読み出して実行することで、パワーステアリングについての種々の処理、他のECUとの通信等を行う。
より詳細には、CPU71は、ROM1,2に格納されている制御プログラムのうち、OTAセンターから送信されたリプログラミング情報により最後に更新された制御プログラムが格納されたROM内の情報を実行対象として、アシスト制御を実行する。
すなわち、最後にリプロした方を最新のプログラムとして、そのプログラムが格納されたROMを実行対象と判断して制御するように設定しておく。再起動後のROMについても、上記と同様の設定内容に基づいて判断する。
よって、最新のリプログラミング情報が書き込まれたROMに切替えるだけで、CPUによる制御動作を継続させた状態で最新のリプログラミング情報によるアシスト制御の実行へ迅速に移行できる。
このように第2の実施形態によれば、制御対象とする制御プログラムが格納されたROMをまるごと入れ替え、最新のリプログラミング情報が格納されたROMを選択して制御動作を行うことで、制御プログラムを実行中であっても、他方のROMに新たに更新されたリプログラミング情報を蓄積できる。そして、他方のROMを選択し、そのROMに格納されたリプログラミング情報に基づく制御を行うことで、常に最新のリプログラミング情報に基づくアシスト制御を継続することが可能となる。
よって、第2の実施形態は、2つのメモリを同一の制御部で保持するメモリ構成としたことで、新たに受信した制御プログラムを他のメモリに書き換える必要がなく、リプログラミング情報が書き込まれたメモリに切替えるだけで、例えば、第1の実施形態における規定条件と同様の条件が成立した場合、更新後の最新のリプログラミング情報によるアシスト制御の実行へ迅速に移行できる。
第2の実施形態において、リプログラミング情報によるリプログラミングに失敗した場合、リプログラミングによる更新前の制御プログラムを実行対象とするアシスト制御に移行する構成にしてもよい。こうすることで、最新の制御プログラムへの更新に失敗した場合であっても、ROM1あるいはROM2に格納済の更新前制御プログラムを実行対象とすることで、容易に旧プログラムによるアシスト制御に戻すことが可能となる。
また、リプログラミングの成否状態を電動パワーステアリング装置の外部に通知可能な構成としてもよい。これにより、リプログラミングに失敗した場合、その旨を例えば、ゲートウェイGW13、あるいはOTAセンター30へ通知することで、リプログラミング情報の再度のダウンロードを要求できる。
なお、電動パワーステアリングシステムに上述した第1あるいは第2の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を備えることで、その電動パワーステアリング制御装置で制御プログラムを実行中においても、更新された制御プログラムであるリプログラミング情報を蓄積するので、制御動作中においてもアシスト制御を中断することなくリプログラミングが可能になる。そして、更新後の最新制御プログラム情報(リプログラミング情報)で操舵アシストを継続可能となる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置について説明する。なお、第3の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置を含む車両システムを管理する車両管理システムの全体構成は、図1に示す車両管理システムと同一であるため、それらの図示および説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置(EPS制御装置)の構成を示す。図6において、図2に示すモータ制御装置と同一の構成部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のモータ制御装置におけるリプログラミング処理手順を示すフローチャートである。ここでは、リプログラミング処理として、車両に搭載された電子制御ユニットECUのファームウェアを無線通信によりアップデートするFOTA(Firmware Over-The-Air)を行う。
図6に示すモータ制御装置(ECU)37aの制御部(CPU)21は、図7のステップS41において、車両内ネットワーク(CAN17)によってリプロ要求コマンド(書き換え開始要求コマンド)を受信したか否かを判断する。リプロ要求があった場合、ステップS43において、OTAセンター30より送信されたリプログラミング情報(リプロデータ)を受信し、外部メモリ51に蓄積する。
その結果、OTAセンター30より送信され、ゲートウェイGW13がダウンロードしたリプログラミング情報(例えば、セキュリティホールの修正プログラムであるセキュリティパッチ、更新プログラム、その他の修正プログラム等)を、ターゲットECUであるモータ制御装置37aにインストールすることができる。
CPU21は、ステップS45において、上記蓄積したリプロデータの妥当性を確認して、リプロの成否を判断する。ここでは、例えば、誤り検出値信号(CRC信号)によるリプロデータの妥当性の監視、リプロデータ内のチェックサムによるデータ異常の有無、あるいはOTAセンターとの通信が正常か否かに基づいてリプロの成否を判断する。
CPU21は、リプロデータが正常でない等、リプログラミングに失敗したと判断した場合、ステップS47において、ROM41等の不揮発性メモリにリプロに失敗した旨を記憶する。リプロに成功した場合も同様に不揮発性メモリに、リプロに成功した旨を記憶する(ステップS49)。これにより、リプロの成否状態がメモリに記録される。
リプロに成功した場合、CPU21は、ステップS51において、IG電圧検出部45からの情報よりIG-SW(イグニッションスイッチ)58がOFFか否かを判断する。IG−OFFであれば、車両10は停止していて安全な状況にあるとして、ステップS53において、ROM41の制御領域に書き込まれた制御プログラムを、上記のステップS43で蓄積したリプロデータで書き換えるリプログラミングを行う。
一方、リプロに失敗した場合には、CPU21は、ステップS59においてリプロデータによる再度の書き換え(リトライ)が可能か否かを判断する。リトライが可能であれば、処理をステップS43に戻して、再度、リプログラミング情報(リプロデータ)を受信する。
リトライができないと判断した場合、ステップS61において、ターゲットECUであるモータ制御装置37aのCPU21の判断によって、ロールバックにより制御プログラムをリプロ失敗前の旧プログラムに戻す処理を行う。
CPU21は、ステップS55において、IG-SW58がON状態となったことを確認後、上記のように不揮発性メモリに記録したリプロの成否状態を外部(ここでは、OTAマスターとして機能するゲートウェイGW13)へ通知する(ステップS57)。そして、ゲートウェイGW13は、ステップS63において、リプロの成否状態をOTAセンター30へ通知する。
本実施形態に係るモータ制御装置37aは、IG-SW58をOFFしてからもCPU21の動作を継続可能とするため、図6に示すように、IG-SW58のイグニッション信号とCPU21からの自己保持信号35との論理和によってCPU21の電源生成を行う電源生成部28を備える。さらに、CPU21がリセットしても、規定時間、電源生成部28への自己保持信号35を保持するためのキャパシタCを備える。
ここで規定時間は、イグニッション信号がOFF中にソフトウェアを切り替えるためにCPU21をリセットしてから、少なくとも、CPU21が再起動してCPU21が自己保持信号35を出力するまでの時間である。
電源生成部28は、バッテリBTより供給されたバッテリ電圧+Bを、CPU21等の制御回路の動作に必要なロジックレベルの電圧+5Vに変換してCPU21等へ供給する。
このように、イグニッション信号がOFF中に、ソフトウェアを切り替えた後にCPUリセットを行った場合、CPUからの自己保持信号をハードウエア的に継続する構成とすることで、CPUへの電源供給が継続され、CPUが再起動して、再び自己保持信号を出力して動作継続ができる。
その結果、イグニッション信号がOFF状態のまま、リプロ後にSWリセットを行っても自己保持ポート出力がOFFとならず、CPUの再起動が可能となり、リプロの成否状態を外部に通知できるので、車両全体におけるOTAシーケンスを継続できる。
上記のように第3の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置は、FOTAの成功あるいは失敗をリプロ成否状態として記録することで、それを外部に確実に通知できる。その結果、FOTAに失敗した場合、外部に対して再度のFOTAの実施を促すことができる。
よって、制御プログラム等にサイバーセキュリティの脆弱性が発見され、セキュリティホールと呼ばれるセキュリティ上の不具合が見つかっても迅速に対応でき、ユーザは常に最新の制御プログラムによる最新の機能を利用できる。
さらに、制御プログラムの更新により不具合を解決するセキュリティパッチのインストールがFOTAの失敗によりできない場合には、その旨を、例えば、カーナビゲーションのディスプレイに表示してユーザに認識させることで、ユーザは、車両を安全に整備工場、ディーラー等へ持ち込むことができる。
なお、リプログラミングに失敗した場合、例えば先進運転支援システム(ADAS)、操舵性等の制御指令値を100%未満にして、縮退したモータ駆動によってアシスト継続を行うようにしてもよい。これにより、ADAS系のような外部のECUとコミュニケーションをとって制御する機能のように、脆弱性がある機能は制限しつつ、車両をディーラー等へ移動するための最低限のアシスト機能は継続できる。
不揮発性メモリへのリプロの成否状態の記録は、上述した例に限定されない。例えば、外部よりリプログラミング情報を受信してから、そのリプログラミング情報で制御領域のプログラム情報を書き換えるまでの処理が複数のフェーズで構成されている場合、各処理フェーズへの移行タイミングにおいて、リプログラミングの成否状態をOTAセンター、ゲートウェイGW、あるいはターゲットECUにおいて記録してもよい。
こうすることで、例えば、リプログラミング情報のダウンロードが完了した段階(フェーズ1)、リプログラミング情報のインストールまでが完了した段階(フェーズ2)、さらにリプログラミング情報による書き換えが終了した段階(フェーズ3)等、複数の処理フェーズ各々におけるOTAの進行状態が把握可能になる。
また、電動パワーステアリング制御装置が動作停止状態となり、その状態から復帰した場合、上記複数の処理フェーズのうちメモリに記録された、動作停止状態に対応する処理フェーズよりOTAの処理を再開する構成としてもよい。
これにより、OTA処理のどの段階(フェーズ)でリプロに失敗したかが明確になり、再リプロ等への対処を容易、かつ確実に行える。すなわち、記録された処理フェーズのうち動作停止に対応する処理フェーズより処理を再開できるので、例えば、急激なバッテリ低下(バッテリ遮断)により電動パワーステアリング制御装置が動作停止状態(システム停止)になった場合等において、最初から処理をやり直すよりも短時間、かつ効率的にOTA処理を終了できる。
さらには、動作停止状態から処理の再開が不可能な場合、再開の不能を外部に通知する構成とすることで、OTAセンター等のリプログラミング情報の送信元がOTAの失敗を容易に判断できる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置について説明する。第4の実施形態おいても、電動パワーステアリング制御装置を含む車両システムを管理する車両管理システムの全体構成は、図1に示す車両管理システムと同一であり、電動パワーステアリング制御装置における電子制御ユニットECUとしてのモータ制御装置(ECU)も、図2に示すモータ制御装置と同じであるため、それらの図示および説明を省略する。
第4の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置は、OTAセンター30より送信され、ゲートウェイGW13がダウンロードしたリプログラミング情報を外部メモリ51に格納する際、そのリプログラミング情報を暗号化する暗号化部と、ROM41に格納された制御プログラムをリプログラミング情報で書き換え等するためにROM41からリプログラミング情報を読み出す際に、暗号化されたリプログラミング情報を復号化する復号化部を備える。
ここでは、CPU21内に暗号化部と復号化部(不図示)を設けて、所定の暗号化処理と復号化処理を行う。使用する暗号化/復号化方式には、例えばAES(Advanced Encryption Standard)方式、DES(Data Encryption Standard)方式、RSA方式等がある。また、CPU21が暗号化/復号化機能を有する場合、それらを使用してもよいし、電動パワーステアリング制御装置に使用する電動モータの固有値を用いて、リプログラミング情報を暗号化および復号化してもよい。
リプログラミング情報の暗号化には、リプログラミング情報全体を一度に暗号化する方法、あるいはリプログラミング情報を複数の部分(ブロック)に区切り、そのブロック毎に暗号化する方法が考えられる。
ブロック毎に暗号化する場合、例えば、各ブロックの始めと終わりに所定のコード(リプロ用コード)を付し、リプログラミング情報を、それらのコードで挟まれたブロック単位で暗号化してもよい。この方法で暗号化する際には、ブロックの始まりを示す開始コードを消去してから、メモリにおいて、暗号化後の情報の書き込みを進め、ブロック全体の情報の暗号化が終わった段階で、ブロックの終わりを示す終了コードを消去する。
よって、開始コードと終了コードのいずれのコードも消去されていない場合、あるいは一方のコードのみが消去され、他方のコードが残っている場合は、それらのコードで挟まれたブロックの情報の暗号化が終了していない(暗号化に失敗した)と判断できる。
このように、外部メモリに格納するリプログラミング情報を暗号化および複号化することで、リプログラミング情報の秘匿性を保って無断解読、不正改竄を防止し、リプログラミング情報のセキュリティを向上できる。
また、リプログラミング情報をブロック単位に分けて、ブロック毎に暗号化および複号化することで、リプログラミング情報による書き換えを行う際、そのリプログラミング情報を一時的に蓄積するCPUのRAM容量に応じた単位で暗号化および複号化でき、実行対象となる制御プログラム情報を格納するメモリの圧迫を抑制できる。
上述した各実施形態において、ROM41は、不揮発性メモリ(例えば、NVRAM(Non-Volatile RAM))であってもよく、制御プログラムが格納されるコードフラッシュ領域と、制御データが格納されるデータフラッシュ領域とで構成されていてもよい。
本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、リプログラミング情報を格納するメモリの周辺温度を監視する手段を設け、周辺温度がそのメモリの動作保証温度を超えた場合、リプログラミング情報による書き換えを行わないように構成してもよい。
このように、リプログラミング情報が格納されたメモリが、想定した温度範囲(動作保証温度)にあるか否かを監視し、その監視結果をもとに、メモリに蓄積したリプログラミング情報の信頼性を確保できる。よって、正常なリプロ情報によるアシスト制御と信頼性の向上を確保できる。
1 車両管理システム
5 車両システム
7a,37a,77a モータ制御装置(ECU)
10 車両
11 通信コントロールユニット(TCU)
13 ゲートウェイ(GW)
15 電動モータ
17H,17L CAN信号線
20 通信網(NW)
21,71 制御部(CPU)
23 インバータ制御部
24 インバータ回路
25 データバス
26 フィルタ
27 電源リレー
28 電源生成部
30 OTAセンター
31 通信部
32 圧縮部
33 差分生成部
35 自己保持信号
41,81,83 ROM
43 RAM
45 IG電圧検出部
47 CANI/F
51 外部メモリ
55 回転センサ
57 トルクセンサ
58 イグニッションスイッチ(IG-SW)
59 車速センサ
60 電動パワーステアリングシステム
62 ステアリングハンドル
63 回転軸
64 減速ギア
66 ピニオンギア
67 ラック軸
BT バッテリ
C キャパシタ

Claims (23)

  1. 電動モータを駆動して車両等の運転者のハンドル操作をアシスト制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記アシスト制御を実行する制御部と、
    前記制御部の実行対象となる制御プログラム情報を格納する第1の記憶部と、
    外部より送信されたリプログラミング情報を格納する第2の記憶部と、
    を備え、
    前記リプログラミング情報は前記制御部による前記制御プログラム情報の実行中においても前記第2の記憶部に格納され、前記制御部は、所定条件が成立後、前記第2の記憶部に格納されたリプログラミング情報を読み出して、前記第1の記憶部の制御プログラム情報を該リプログラミング情報で書き換える書き換え工程を行い、前記書き換え工程により書き換えられたリプログラミング情報を実行対象とするアシスト制御を行う電動パワーステアリング制御装置。
  2. 前記所定条件は、前記車両等が停止しているとき、あるいは前記アシスト制御を停止中であるときを含む請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記車両等の車両内ネットワークからの書き換え開始要求コマンドを受信後に前記書き換え工程を開始する請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 前記書き換え工程には、前記第1の制御プログラムの部分的な書き換え工程が含まれる請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 前記第2の記憶部に前記リプログラミング情報を格納するとともに前記制御プログラム情報をあらかじめ退避させる手段と、
    前記リプログラミング情報の正当性を確認する手段と、
    をさらに備え、
    前記正当性を確認できない場合、あるいは前記リプログラミング情報によるリプログラミングに失敗した場合、前記第2の記憶部に退避させた前記制御プログラム情報により前記第1の記憶部内の情報を上書きする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 前記制御プログラム情報をあらかじめ退避させる第3の記憶部と、
    前記リプログラミング情報の正当性を確認する手段と、
    をさらに備え、
    前記正当性を確認できない場合、あるいは前記リプログラミング情報によるリプログラミングに失敗した場合、前記第3の記憶部に退避させた前記制御プログラム情報により前記第1の記憶部内の情報を上書きする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. 少なくとも前記第2の記憶部の周辺温度を監視する手段をさらに備え、
    前記周辺温度が前記第2の記憶部の動作保証温度を超えた場合、前記リプログラミング情報による前記書き換え工程を行わない請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  8. 前記第1の記憶部は前記制御部に内蔵されたメモリであり、前記第2の記憶部は前記制御部の外部に設けられた外部メモリである請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  9. 前記第1の記憶部は前記制御部に内蔵されたメモリであり、前記第2の記憶部と前記第3の記憶部は前記制御部の外部に設けられた外部メモリである請求項6に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  10. 前記第1の記憶部と前記第2の記憶部のいずれもが前記制御部に内蔵されるとともに該制御部の実行対象となる制御プログラム情報を格納可能に構成され、
    前記制御部は、前記第1の記憶部と前記第2の記憶部に格納された制御プログラム情報のうち、前記リプログラミング情報により最後に更新された制御プログラム情報を実行対象としてアシスト制御を実行する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 前記リプログラミング情報によるリプログラミングに失敗した場合、前記制御部は該リプログラミングによる更新前の制御プログラム情報を実行対象とするアシスト制御に移行する請求項10に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  12. 電動モータを駆動して車両等の運転者のハンドル操作をアシスト制御する電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記アシスト制御を実行する制御部と、
    前記制御部の実行対象となる制御プログラム情報を格納する第4の記憶部と、
    外部より送信されたリプログラミング情報を格納する第5の記憶部と、
    を備え、
    前記リプログラミング情報は前記制御部による前記制御プログラム情報の実行中においても前記第5の記憶部に格納され、前記制御部は、所定条件が成立後、前記第5の記憶部に格納されたリプログラミング情報を実行対象とするアシスト制御を行う電動パワーステアリング制御装置。
  13. 前記リプログラミング情報によるリプログラミングの成否状態を当該電動パワーステアリング装置の外部に通知する通知手段をさらに備える請求項1または12に記載の電動パワーステアリング装置。
  14. 前記リプログラミングの成否状態を格納する第1の格納部と、
    前記車両等のイグニッションスイッチを介して供給されるイグニッション電圧値に基づいてイグニッション信号のON/OFF状態を判断する手段と、
    をさらに備え、
    前記通知手段は、前記イグニッション信号がON状態となったとき、前記第1の格納部に格納された前記成否状態を外部に通知する請求項13に記載の電動パワーステアリング装置。
  15. 前記車両等のイグニッションスイッチを介して供給されるイグニッション電圧値に基づくイグニッション信号と、前記制御部からの自己保持信号とに基づいて該制御部の動作電源を生成する電源生成部と、
    前記電源生成部への前記自己保持信号の入力を所定時間継続させる入力継続手段と、
    をさらに備える請求項13に記載の電動パワーステアリング装置。
  16. 前記所定時間は、前記イグニッション信号がOFF状態のときに前記制御部をリセットしてから、少なくとも、再起動した該制御部が前記自己保持信号を出力するまでの時間である請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
  17. 前記リプログラミングの成否状態が該リプログラミングに失敗した状態である場合、前記車両等の運転支援機能に関する1または複数の制御指令値を、所定の縮退制御に対応する制御指令値にする請求項1または12に記載の電動パワーステアリング装置。
  18. 前記リプログラミング情報は、前記外部メモリまたは前記第5の記憶部へ格納する際に所定の暗号化手法により暗号化され、前記外部メモリまたは前記第5の記憶部より読み出す際に所定の復号化手法により復号化される請求項9または12に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  19. 前記リプログラミング情報をブロック単位に分けて前記暗号化および前記複号化を行う請求項18に記載の電動パワーステアリング装置。
  20. 外部より前記リプログラミング情報を受信してから、該リプログラミング情報で前記制御プログラム情報を書き換えるまでの処理が複数の処理フェーズで構成され、該処理フェーズ各々への移行タイミングにおいて、前記リプログラミングの成否状態を記録する第2の格納部をさらに備える請求項1または12に記載の電動パワーステアリング装置。
  21. 当該電動パワーステアリング制御装置が動作停止状態から復帰した場合、前記複数の処理フェーズのうち、前記第2の格納部に記録された、前記動作停止状態に対応する処理フェーズより所定の処理を再開する請求項20に記載の電動パワーステアリング装置。
  22. 前記再開が不可能な場合、該再開の不能を外部に通知する請求項21に記載の電動パワーステアリング装置。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載の電動パワーステアリング制御装置を備えた電動パワーステアリングシステム。


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