以下、本発明の実施の形態に係る景品取得ゲーム装置(例えば、クレーンゲーム機)について、図面を参照しながら説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図1を用いて、本発明を適用することができる景品取得ゲーム装置の一例としてのクレーンゲーム機100の全体構成について説明する。なお、図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機の外観を示す斜視図である。本実施形態の説明において、左右、前後、上下とは、クレーンゲーム機100のプレイヤーが正面側から見た状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。なお、本実施形態では、左右方向をX軸方向という場合があり、前後方向をY軸方向という場合があり、上下方向をZ軸方向という場合がある。
クレーンゲーム機100は、箱型に形成されており、底面にキャスタCが適宜数取り付けられている。したがって、ゲームセンター等の遊戯場のオペレータがクレーンゲーム機100を押動することにより容易に搬送することができるようになっている。
クレーンゲーム機100は、箱状の基台1と、基台1の上方に形成されたプレイフィールド2とを備えて構成されている。
基台1には、例えば、クレーンゲーム機100の全体制御を行う制御部300(図5参照)を有する制御基板等が収容されており、基台1の前面の右側に設けられた開閉扉1aを開放することにより、内部にアクセスすることができるようになっている。さらに、基台1内には、サービスパネル部400も設けられており、開閉扉1aを開放することにより操作可能にアクセスすることができるようになっている。サービスパネル部400の詳細な構成については、後述する。また、基台1の前面中央下部には、後述するコインセレクタ84a,84bによって受け付けられた硬貨やコイン等の媒体を回収するための集金扉1bが開閉可能に設けられている。
プレイフィールド2は、多数の景品Pが載置される底部2aを有するとともに、前面板2b、左側面板2c、右側面板2d、背面板2e及び天板3により閉塞された内部空間により形成されている。そして、前面板2b、左側面板2c及び右側面板2dは、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、内部空間が視認できるようになっている。なお、本実施形態では、前面板2b、左側面板2c及び右側面板2dの上部内側面に不透明あるいは半透明の樹脂製パネルが設けられており、プレイフィールド2の上部を視認困難としている。
プレイフィールド2の底部2aの左前隅部には、方形状に開口された景品排出口4が設けられており、景品Pを下方に排出することができるようになっている。景品排出口4から排出された景品Pは、基台1の左下部分に設けられた景品取出室6まで落下する。景品排出口4から排出された景品Pは、景品払出センサ41により検出される。景品払出センサ41は、例えば、赤外線センサにより構成されている。景品取出室6は前面側が方形状に開口した景品取出口を有しており、扉体7により景品取出口が閉塞されている。扉体7は、上端がヒンジにより揺動可能に支持されており、プレイヤーが扉体7を押圧操作することで景品取出口が開放し、景品取出室6にある景品Pを取り出すことができるようになっている。ここで、扉体7は、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、扉体7を介して景品取出室6の内部を視認することができるようになっている。また、底部2aには、景品排出口4の右側端部及び後側端部を囲むように仕切板5が立設されており、底部2aに載置され、あるいは、積み上げられた景品Pが景品排出口4から落下するのを抑制している。
プレイフィールド2の上方には、景品取得装置の一例としての把持装置200が設けられ、吊下げワイヤ200aによって吊り下げられている。プレイフィールド2の上部には、2本の横行用レール501f,501rがそれぞれ前端部近傍及び後端部近傍に左右方向に延びて平行に設けられるとともに、1本の縦行用レール502が2本の横行用レール501f,501rに架設されている。縦行用レール502は、前後方向に延びて設けられており、横行用モータユニット503と縦行用モータユニット505とが設けられている。横行用モータユニット503は、横行用モータ302(図5参照)を内蔵しており、横行用モータ302により縦行用レール502を横行用レール501f,501rの延在方向に沿って移動させる。縦行用モータユニット505は、縦行用モータ301(図5参照)とワイヤ巻取装置303(図5参照)とを内蔵している。縦行用モータ301は、縦行用モータユニット505を縦行用レール502の延在方向に沿って移動させる。ワイヤ巻取装置303は、吊下げワイヤ200aの巻き取り及び繰り出しを行うことにより、吊下げワイヤ200aの先端部に取り付けられた把持装置200を上下方向に移動させる。なお、吊下げワイヤ200aに換えて伸縮パイプからなる吊下支持部を縦行用モータユニット505から垂下するようにして設け、この吊下支持部の先端に把持装置200を取り付け、吊下支持部を伸縮させることにより把持装置200を上下方向に移動させる構成としてもよい。
また、図1及び図3に示すように、本実施形態では、前端部近傍に設けられた横行用レール501fの下方に、X軸エリア位置決め案内レール506が設けられ、横行用レール501fに対して平行配置されている。X軸エリア位置決め案内レール506には、X軸エリア位置決め片507がX軸エリア位置決め案内レール506に沿ってスライド可能に設けられている。X軸エリア位置決め片507は、オペレータの所望とする位置にスライドさせ、ネジなどの固定部材によりX軸エリア位置決め案内レール506に対して位置決め固定することができる。X軸エリア位置決め片507は、横行用モータユニット503がX軸エリア位置決め片507の上方近傍を通過することができるように配されている。また、横行用モータユニット503の左端部下面には近接センサからなるX軸エリア検出センサ508が設けられており、X軸エリア検出センサ508がX軸エリア位置決め片507の上方を通過した場合にこれを検出することができるようになっている。なお、本実施形態では、X軸エリア検出センサ508を近接センサにより構成したが、例えば、フォトセンサや磁気センサ等、X軸エリア位置決め片507の通過を検出することができるものであればいずれのものも適用することができる。
また、縦行用レール502の右側上方に、Y軸エリア位置決め案内レール509が設けられており、横行用モータユニット503と、横行用モータユニット503に対向する位置であって、後端部近傍に設けられた横行用レール501rの近傍に配された方形状の支持部材504とによって支持され、縦行用レール502と平行に前後方向に延在して設けられている。Y軸エリア位置決め案内レール509には、Y軸エリア位置決め片510がY軸エリア位置決め案内レール509に沿ってスライド可能に設けられている。Y軸エリア位置決め片507は、オペレータの所望とする位置にスライドさせ、ネジなどの固定部材によりY軸エリア位置決め案内レール509に対して位置決め固定することができる。Y軸エリア位置決め片510は、縦行用モータユニット505がY軸エリア位置決め片510の下方近傍を通過することができるように配されている。また、縦行用モータユニット505の右端部上面には近接センサからなるY軸エリア検出センサ511が設けられており、Y軸エリア検出センサ511がY軸エリア位置決め片510の下方を通過した場合にこれを検出することができるようになっている。なお、本実施形態では、Y軸エリア検出センサ511を近接センサにより構成したが、例えば、フォトセンサや磁気センサ等、Y軸エリア位置決め片510の通過を検出することができるものであればいずれのものも適用することができる。
本実施形態では、X軸エリア位置決め片507の位置とY軸エリア位置決め片510の位置とによりプレイフィールド2を4つのエリアに区画し、エリア毎に把持装置200の動作制御を異ならせることができるようになっている。本実施形態では、例えば、図3に示すように、プレイフィールド2の前方左側のエリアを[エリアF−L]とし、プレイフィールド2の前方右側のエリアを[エリアF−R]とし、プレイフィールド2の後方左側のエリアを[エリアR−L]とし、プレイフィールド2の後方右側のエリアを[エリアR−R]としてエリアを4つに区画している。さらに、本実施形態では、X軸エリア位置決め片507の位置とY軸エリア位置決め片510の位置とをそれぞれ変更することができるので、各エリアの広さや形状を適宜変更することができる。このように、本実施形態では、X軸エリア位置決め片507及びY軸エリア位置決め片510が位置特定部材として機能している。また、本実施形態では、X軸エリア検出センサ508及びX軸エリア位置決め片507が含まれて位置検出手段が構成され、あるいは、Y軸エリア検出センサ511及びY軸エリア位置決め片510が含まれて位置検出手段が構成されている。また、本実施形態では、後述する制御部300、X軸エリア検出センサ508及びX軸エリア位置決め片507が含まれて領域変更手段が構成され、あるいは、制御部300、Y軸エリア検出センサ511及びY軸エリア位置決め片510が含まれて領域変更手段が構成されている。
なお、本実施形態では、後述するディップスイッチ402a,402b(図4参照)により、X軸エリア検出センサ508及びY軸エリア検出センサ511の機能をそれぞれ有効/無効に切り換えることができるので、区画するエリアの数を変更することができ、例えば、エリアを左右のみあるいは前後のみの2エリアに区画したり、エリアの区画を行わないようにするなど、プレイフィールド2のレイアウトを適宜変更することができるようになっている。
また、本実施形態では、X軸とY軸の両方でプレイフィールド2のエリアを区画可能に構成しているが、X軸のみあるいはY軸のみエリアを区画可能に構成するものであってもよい。
また、本実施形態では、X軸エリア位置決め片507とX軸エリア検出センサ508、Y軸エリア位置決め片510とY軸エリア検出センサ511によってプレイフィールド2のエリアを複数に区画するとともに各エリアの広さや形状を適宜変更可能に構成しているが、他の構成により実現するようにしてもよく、例えば、横行用モータ302及び縦行用モータ301の回転数をエンコーダ等により検出可能に構成するとともに、エリアが移行するモータの回転数を変更可能に予め設定することで、プレイフィールド2のエリアを複数に区画するとともに各エリアの広さや形状を適宜変更可能に構成するようにしてもよい。
把持装置200は、図2(A),(B)に示すように、吊下げワイヤ200aが取り付けられる本体ケース201と、本体ケース201の下部に配置されたアーム取付部202と、アーム取付部202に支持された1又は複数本のアーム203と、先端にアーム取付部202が一体に取り付けられるとともに本体ケース201の軸方向に沿って本体ケース201に対して進退自在に支持されたシリンダ204とを備えて構成されている。本体ケース201の内部にはアーム駆動モータ201b(図5参照)が配設されている。アーム駆動モータ201bは、シリンダ204に接続されてシリンダ204を上下動可能に構成されており、シリンダ204の上下動に追従してアーム取付部202が上下動する。アーム203は、アーム取付部202が下降すると、図2(A)に示すように、開状態となり、アーム取付部202が上昇すると、図2(B)に示すように、閉状態となる。把持装置200は、このアーム203の開閉動作(把持動作)により、プレイフィールド2内に載置された景品Pを把持することができる。シリンダ204内には、アーム203の把持力を調整する圧縮コイルバネが内装されており、アーム駆動モータ201bの駆動量により圧縮コイルバネの圧縮量を変化させ、これによりアームの把持力を調整することが可能となっている。
基台1の前面中央には、操作部8が設けられており、箱型形状をなしている。操作部8は、その上面に、操作レバー81、操作ボタン82及び表示部83が配置されている。操作レバー81及び操作ボタン82は、プレイヤーにより操作が可能となっている。すなわち、本実施形態では、操作レバー81及び操作ボタン82が操作手段として機能している。表示部83には、例えば、遊戯可能残り回数(残りクレジット数)や遊戯残り時間等が表示される。プレイヤーは、操作レバー81を操作することにより把持装置200をプレイフィールド2内の任意の位置に移動させ、操作ボタン82を操作することにより、把持装置200を下降させるとともに、把持動作を行わせることができる。把持装置200は、把持動作が終了すると上昇し、アーム203を閉状態に維持させながら景品排出口4の上方に移動し、アーム203を開状態に変化させる。このとき、景品Pが把持装置200により把持されていた場合には、景品排出口4に向けて景品Pが落下して景品取出室6に案内され、その結果、プレイヤーは、景品取出室6から景品Pを取り出すことができる。なお、本実施形態では、操作レバー81及び操作ボタン82を操作することにより、把持装置200に動作を行わせるように構成されているが、操作ボタンのみで把持装置200に動作を行わせるように構成されたものであってもよい。例えば、横移動ボタンと縦移動ボタンとを備え、まず、横移動ボタンを操作して把持装置200を左右方向に移動させた後、縦移動ボタンを操作して把持装置200を前後方向に移動させ、その場所で把持装置200による把持動作が行われるように構成されてもよい。また、操作レバーのみ設け、操作ボタンを備えない構成であってもよい。また、表示部83を備えない構成であってもよい。
また、操作部8の前面には、2つのコインセレクタ84a,84b(以下、2つのコインセレクタ84a,84bをまとめて「コインセレクタ84」という場合がある。)が並設されており、それぞれ受付可能な硬貨やメダルの種類が異なっている。本実施形態では、例えば、コインセレクタ84aは、100円硬貨のみ受付可能に構成されており、コインセレクタ84bは、500円硬貨のみ受付可能に構成されているが、これに限定されない。コインセレクタ84a,84bは、硬貨を受け付けると投入信号を出力する。コインセレクタ84により受け付けられた硬貨やメダルは、例えば、基台1の下部の回収箱に集められ、遊戯場のオペレータが開錠操作して集金扉1bを開放させることにより、回収することができるようになっている。また、操作部8の前面は開閉可能に構成されており、例えば、遊戯場のオペレータが開錠操作して操作部8の前面を開放させることにより、操作部8のメンテナンス等を行うことができるようになっている。
コインセレクタ84は、ソレノイドの駆動により、投入された硬貨あるいはメダルを受け付ける状態と、投入された硬貨あるいはメダルを返却口に返却する状態とに変化可能に構成されている。
なお、本実施形態では、遊戯価値として硬貨やメダル等の媒体をコインセレクタ84に投入することで遊戯が可能に構成されているが、例えば、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグを備えたICカードあるいは磁気カードといった記録媒体や、NFC(Near Field Communication)機能を備えた携帯端末に対してプリペイド情報あるいは決済情報を読み書き可能なリーダライタ装置を備え、リーダライタ装置によって読み取った読取情報から遊戯価値を受け付け、これに基づいて遊戯を可能に構成されてもよい。また、二次元コードやバーコードを読取可能な読取装置を備え、読取装置によって読み取られた読取情報から遊戯価値を受け付け、これに基づいて遊戯を可能に構成されてもよい。
次に、サービスパネル部400の外観構成について、図4を参照しながら説明する。
サービスパネル部400は、LCD(Liquid Crystal Display)によって構成されたサービスモニタ401と、各種設定を行うためのディップスイッチ402a,402b及びメンテナンス用ボタン403a〜403eと、設定値を変更するための選択ダイヤル404と、音量調整を行うための音量調整ボリューム405と、クレーンゲーム機100の電源のON/OFFを行うための電源スイッチ406とを備えている。
サービスモニタ401は、クレーンゲーム機100の稼働状況の表示や、各種設定を行う際の設定表示等を行うことができる。
ディップスイッチ402a,402bは、それぞれ複数(例えば、8つ)の切換スイッチを有しており、クレーンゲーム機100が起動する際に各スイッチの位置が読み取られ、その読み取られた結果に応じた設定がなされるように構成されている。ディップスイッチ402a,402bのスイッチ操作により設定可能なものとしては、例えば、遊戯が行われていない待機状態において実行されるデモ演出において音声を出力するか否かの設定や、X軸エリア検出センサ508及びY軸エリア検出センサ511の有効/無効の設定を行うことができる。
メンテナンス用ボタン403a〜403eは、5つのボタンからなり、それぞれ、第1ボタン403a、第2ボタン403b、第3ボタン403c、第4ボタン403d及び第5ボタン403eにより構成されている。ボタンの数は、これに限定されず、4つ以下であってもよいし、6つ以上であってもよい。
クレーンゲーム機100の待機状態において第1ボタン403aが1回操作されると、サービスモニタ401にプレイデータ表示画面が表示され、さらに第1ボタン403aが1回操作されると非表示となる。すなわち、第1ボタン403aの操作毎に、プレイデータ表示画面の表示と非表示とを切り換えることができる。なお、プレイデータ表示画面の詳細については後述する。また、クレーンゲーム機100の待機状態において第1ボタン403aが所定時間(例えば、2秒間)の長押し操作が行われると、払出設定を行うことができるようになっている。払出設定の具体的な設定方法については、後述する。
また、クレーンゲーム機100の待機状態において第2ボタン403bが長押し操作されると、クレジットの設定を行うことができる。クレジットの設定では、例えば、硬貨の投入を受け付けたときにプレイ可能なゲーム数(すなわち、1コインでプレイ可能なゲーム数)を設定することができる。
また、クレーンゲーム機100の待機状態において第3ボタン403cが長押し操作されると、把持装置200のアーム203の把持力の調整を行うことができる。本実施形態では、プレイフィールド2において区画されたエリア毎に把持力の調整を行うことができる。
また、クレーンゲーム機100の待機状態において第4ボタン403dが長押し操作されると、テストモードに移行することができる。テストモードは、各種装置の動作状態を確認するためのモードであり、貨幣の投入を行うことなく把持装置200の動作を確認したり、操作部8における操作レバー81及び操作ボタン82が正常に作動するかについての確認等を行うことができる。
また、第5ボタン403eは、サービスボタンとして機能しており、クレーンゲーム機100の待機状態において第5ボタン403eが1回操作されると、クレジットをインクリメントし、貨幣を投入することなく遊戯を可能にすることができる。
選択ダイヤル404は、例えば、ロータリエンコーダによる回転スイッチであり、回転方向及び回転量に応じて指定されたパラメータの変更を行うことができる。
音量調整ボリューム405は、例えば、可変抵抗器により構成されており、回転位置を変更するにより音量の調整を行うことができる。
続いて、本実施形態に係るクレーンゲーム機100の機能的構成について、図5を参照しながら説明する。ここで、図5は、クレーンゲーム機100の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、例えば、クレーンゲーム機100の統括制御を行う制御部300を備えており、制御部300には、操作部8と、表示部83と、コインセレクタ84と、アーム駆動モータ201bと、景品払出センサ41と、サービスパネル部400と、縦行用モータ301と、横行用モータ302と、ワイヤ巻取装置303と、X軸エリア検出センサ508と、Y軸エリア検出センサ511とが電気的に接続されて構成されている。
制御部300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)300aと、ROM(Read Only Memory)300bと、RAM(Random Access Memory)300cとを備えて構成され、ROM300bに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAM300cに展開し、展開したプログラムに従って各部の動作を集中制御する。
ROM300bは、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、上述した各種プログラムの他、各種データ等を記憶する。RAM300cは、CPU300aにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
次に、本実施形態に係るクレーンゲーム機100において実行されるプレイエリア別設定処理及び当該プレイエリア別設定処理において実行される払出設定処理について説明する。ここで、図6(A)は、プレイエリア別設定処理について説明するフローチャートであり、同図(B)は、払出設定処理について説明するフローチャートである。プレイエリア別設定処理は、クレーンゲーム機100の待機状態において、サービスパネル部400の第1ボタン403aが長押し操作されたことにより起動する処理である。
プレイエリア別設定処理が実行されると、図7(A)に示すように、サービスモニタ401に設定するエリア(プレイエリア)を選択する画面が表示される。エリアの選択は、選択ダイヤル404により、いずれのエリアについて設定を行うかについて選択し、第3ボタン403cを押下することにより行うことができる。なお、第1ボタン403aが押下されるとプレイエリア別設定処理が終了し、デモ中モードに移行する。
制御部300のCPU300aは、上述したようにして設定するエリアの選択を行うが、まず、CPU300aは、[エリアF−L]が選択されているか否かを判定する(ステップS101)。CPU300aは、[エリアF−L]が選択されていると判定した場合は(ステップS101;Yes)、払出設定処理を実行する(ステップS103)。払出設定処理の詳細については、後述する。次に、CPU300aは、払出設定処理によって設定された払出設定の内容を[エリアF−L]に対応するテーブルに設定する処理を行う(ステップS105)。一方、ステップS101において、[エリアF−L]が選択されていると判定しない場合は(ステップS101;No)、ステップS103及びステップS105の処理を実行することなく、ステップS107の処理に移行する。
続いて、CPU300aは、[エリアF−R]が選択されているか否かを判定する(ステップS107)。CPU300aは、[エリアF−R]が選択されていると判定した場合は(ステップS107;Yes)、払出設定処理を実行する(ステップS109)。次に、CPU300aは、払出設定処理によって設定された払出設定の内容を[エリアF−R]に対応するテーブルに設定する処理を行う(ステップS111)。一方、ステップS107において、[エリアF−R]が選択されていると判定しない場合は(ステップS107;No)、ステップS109及びステップS111の処理を実行することなく、ステップS113の処理に移行する。
続いて、CPU300aは、[エリアR−L]が選択されているか否かを判定する(ステップS113)。CPU300aは、[エリアR−L]が選択されていると判定した場合は(ステップS113;Yes)、払出設定処理を実行する(ステップS115)。次に、CPU300aは、払出設定処理によって設定された払出設定の内容を[エリアR−L]に対応するテーブルに設定する処理を行う(ステップS117)。一方、ステップS113において、[エリアR−L]が選択されていると判定しない場合は(ステップS113;No)、ステップS115及びステップS117の処理を実行することなく、ステップS119の処理に移行する。
続いて、CPU300aは、[エリアR−R]が選択されているか否かを判定する(ステップS119)。CPU300aは、[エリアR−R]が選択されていると判定した場合は(ステップS119;Yes)、払出設定処理を実行する(ステップS121)。次に、CPU300aは、払出設定処理によって設定された払出設定の内容を[エリアR−R]に対応するテーブルに設定する処理を行う(ステップS123)。一方、ステップS119において、[エリアR−R]が選択されていると判定しない場合は(ステップS119;No)、ステップS121及びステップS123の処理を実行することなく、プレイエリア別設定処理を終了する。
ここで、プレイエリア別設定処理のステップS103、ステップS109、ステップS115及びステップS121において実行される払出設定処理について、図6(B)を参照しながら説明する。
CPU300aは、最初に、景品単価設定処理を実行する(ステップS201)。景品単価設定処理が実行されると、図7(B)に示すように、サービスモニタ401に景品単価設定画面が表示される。なお、図7(B)〜同図(E)に示す表示画面は、プレイエリア別設定処理において[エリアF−R]が選択された場合に表示される画面の一例を示している。景品単価設定画面では、設定の対象である景品の単価が表示され、図7(B)に示す例では、[エリアF−R]における景品の単価の設定額として「¥0300」が表示されており、さらに、設定変更可能であることを認識容易とするために、「0300」の数字部分が点滅している。景品の単価の表示の下方には、選択ダイヤル404の操作により景品の単価の設定を変更することができる旨の説明が表示されており、選択ダイヤル404を時計方向に回転させることにより、景品の単価の設定額をインクリメントすることができる旨の「CW:INC」の文字情報と、選択ダイヤル404を反時計方向に回転させることにより、景品の単価の設定額をデクリメントすることができる旨の「CCW:DEC」の文字情報とが表示されている。遊戯場のオペレータは、例えば、景品の仕入単価を入力することで、景品の払出率の管理をプレイフィールド2のエリア毎に正確に行うことができるようになる。また、景品単価設定画面の表示中に第3ボタン403cが操作されると払出率設定画面に移行し、第1ボタン403aが操作されるとプレイエリア選択画面に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「プレイエリア選択:ボタンNo.1」と「払出率設定:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。このように、CPU300aを有する制御部300は、景品の単価を設定可能な景品単価設定手段として機能している。
続いて、CPU300aは、払出率設定処理を実行する(ステップS203)。払出率設定処理が実行されると、図7(C)に示すように、サービスモニタ401に払出率設定画面が表示される。払出率設定画面では、設定の対象である設定払出率が表示され、図7(C)に示す例では、[エリアF−R]における設定払出率として「050%」が表示されており、さらに、設定変更可能であることを認識容易とするために、「050」の数字部分が点滅している。設定払出率の表示の下方には、選択ダイヤル404の操作により払出率の設定を変更することができる旨の説明が表示されており、選択ダイヤル404を時計方向に回転させることにより、設定払出率をインクリメントすることができる旨の「CW:INC」の文字情報と、選択ダイヤル404を反時計方向に回転させることにより、設定払出率をデクリメントすることができる旨の「CCW:DEC」の文字情報とが表示されている。また、払出率設定画面の表示中に第3ボタン403cが操作されると把持力設定画面に移行し、第1ボタン403aが操作されると景品単価設定画面に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「景品単価設定:ボタンNo.1」と「把持力設定:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。このように、制御部300は、景品の目標払出率を設定可能な目標払出率設定手段として機能している。
次に、CPU300aは、把持力設定処理を実行する(ステップS205)。把持力設定処理が実行されると、図7(D)に示すように、サービスモニタ401に把持力設定画面が表示される。把持力設定画面では、設定の対象であるアーム203の把持力が表示され、図7(D)に示す例では、[エリアF−R]における把持力設定値として「6」が表示されており、さらに、設定変更可能であることを認識容易とするために、「6」の数字部分が点滅している。この把持力設定値は、景品を把持する際のアーム203の把持力の大きさに対応しており、把持力の最も小さい「1」から把持力の最も大きい「10」の10段階からいずれかに設定することができる。把持力設定値の表示の下方には、選択ダイヤル404の操作により設定値を変更することができる旨の説明が表示されており、選択ダイヤル404を時計方向に回転させることにより、設定値をインクリメントすることができる旨の「CW:INC」の文字情報と、選択ダイヤル404を反時計方向に回転させることにより、設定値をデクリメントすることができる旨の「CCW:DEC」の文字情報とが表示されている。また、把持力設定画面の表示中に第3ボタン403cが操作されると設定確認画面に移行し、第1ボタン403aが操作されると払出率設定画面に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「払出率設定:ボタンNo.1」と「設定確認:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。このように、制御部300は、アーム203の把持力を設定可能であるとともに、プレイフィールド2のエリア毎にアーム203の把持力の設定が可能な設定手段として機能している。なお、本実施形態では、デモ中モードにおいて第3ボタン403cが長押し操作された場合にも把持力設定処理が実行されるようにしている。
次に、CPU300aは、設定確認処理を実行する(ステップS207)。設定確認処理が実行されると、図7(E)に示すように、上述した要領で設定された、[エリアF−R]における景品単価、払出率、アーム203の把持力の設定結果がサービスモニタ401に表示される。また、設定確認画面の表示中に第3ボタン403cが操作されるとプレイエリア選択画面に移行し、第1ボタン403aが操作されると把持力設定画面に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「把持力設定:ボタンNo.1」と「プレイエリア選択:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。CPU300aは、設定確認処理が終了すると、払出設定処理を終了する。
図8は、プレイエリア別設定テーブルの一例について説明する図である。プレイエリア別設定テーブルは、制御部300のRAM300cに記憶されており、上述のようにして、プレイフィールド2のエリア毎に各種設定が行われると、各種設定値が更新される。ここで、プレイエリア別設定テーブルには、[エリアF−L]、[エリアF−R]、[エリアR−L]、[エリアR−R]毎に、景品単価、目標払出率及び把持力設定値がそれぞれ更新可能に記憶されている。
なお、本実施形態では、プレイフィールド2を4つのエリアに区分し、区分ごとに把持力等の設定を可能にしているが、複数の区分のうちの一部の区分を未使用区分(デッドスペース)に設定してもよく、例えば、この未使用区分への把持装置200の進入を制限して景品の展示エリアとして活用するようにしてもよい。
次に、本実施形態に係るクレーンゲーム機100において実行されるプレイ処理について図9(A)を参照しながら説明する。ここで、図9(A)は、プレイ処理について説明するフローチャートである。
まず、CPU300aは、硬貨が投入されたか否かを判定する(ステップS301)。すなわち、CPU300aは、コインセレクタ84a,84bからの投入信号が入力されたか否かを判定する。CPU300aは、硬貨が投入されたと判定しなかった場合は(ステップS301:No)、硬貨が投入されたと判定されるまでステップS301の処理を実行する。
一方、CPU300aは、硬貨が投入されたと判定した場合は(ステップS301;Yes)、遊戯処理を実行する。遊戯処理では、操作部8の操作レバー81及び操作ボタン82の操作を受け付け、把持装置200の移動操作及びアーム203の把持動作を予め定められた制限時間(例えば、30秒)以内に行わせる処理を実行する。このとき、アーム203の把持動作については、後述するように、払出率及び把持動作が行われるエリアに応じた動作が行われるように制御される。また、本実施形態では、把持装置200が滞在しているエリアを特定するためのプレイエリア滞在フラグがRAM300cに記憶されており、遊戯開始時点では、[エリアF−L]に滞在している旨のフラグがセットされている。このように、本実施形態では、制御部300は、制御手段として機能している。
その後、CPU300aは、遊戯が終了したか否かを判定する(ステップS305)。CPU300aは、遊戯が終了したと判定しなかった場合は(ステップS305;No)、引き続きステップS303の遊戯処理を継続する。一方、CPU300aは、遊戯が終了したと判定した場合は(ステップS305;Yes)、景品獲得エリアの判定を行う(ステップS307)。すなわち、CPU300aは、把持動作が行われたエリアの判定を行う。
続いて、CPU300aは、把持動作が行われたエリアのプレイ回数カウンタをインクリメントする(ステップS309)。プレイ回数カウンタは、RAM300cの作業領域に記憶されているカウンタである。このように、本実施形態において、制御部300は、区分された複数の領域毎に遊戯回数(アーム203の把持動作が行われた回数)を計数する遊戯回数計数手段として機能している。
次に、CPU300aは、景品Pの払い出しがあったか否かを判定する(ステップS311)。具体的には、CPU300aは、景品払出センサ41からの信号の有無に基づいて景品Pの払い出しの判定を行う。
CPU300aは、景品Pの払い出しがあったと判定した場合は(ステップS311;Yes)、ステップS307において判定されたエリアに対応する景品払出カウンタのインクリメントを行うとともに(ステップS313)、エリアを問わず遊戯において払い出された景品Pの数の合計を示す合計景品払出カウンタのインクリメントを行う(ステップS315)。一方、CPU300aは、景品Pの払い出しがあったと判定しなかった場合は(ステップS311;No)、ステップS313及びステップS315の処理を実行することなく、ステップS317の処理を実行する。このように、本実施形態において、制御部300は、区分された複数の領域毎に、景品Pが払い出された回数を計数する払出回数計数手段として機能している。
その後、CPU300aは、ステップS307において判定されたエリアに対応する払出率(P/O)を算出し(ステップS317)、プレイ処理を終了する。エリア毎の払出率(P/O)は、エリア毎に設定された景品Pの単価に景品払出カウンタの値を乗じた額(払出額)をエリア毎のインカム(売上)で除することにより算出される。なお、本実施形態では、100円投入で1回、500円投入で6回の遊戯が可能に設定されている場合において、100円が投入されたことによる遊戯が実行された場合に、当該遊戯1回あたりのインカムを100円とし、500円が投入されたことによる遊戯が実行された場合に、当該遊戯1回あたりのインカムを500/6=83.3円として計算するようにしているが、投入金額に拘わらず、遊戯1回あたりのインカムを100円として計算するようにしてもよい。算出された払出率は、RAM300cに更新記録されるとともに、後述するように、サービスモニタ401におけるプレイデータの表示画面に表示される。このように、本実施形態において、制御部300は、区分された複数のエリア毎に払出率を算出する払出率算出手段として機能している。
次に、図9(B)を参照しながら、エリア判定処理について説明する。ここで、図9(B)は、エリア判定処理について説明するフローチャートである。エリア判定処理は、図9(A)における遊戯処理(ステップS303)において、例えば、所定時間毎(例えば、4ms毎)に実行される処理である。
最初に、CPU300aは、X軸エリア検出センサ508によりX軸エリア位置決め片507を検出したか否かを判定する(ステップS401)。CPU300aは、X軸エリア検出センサ508によりX軸エリア位置決め片507を検出したと判定した場合は(ステップS401;Yes)、X軸方向にプレイエリアを変更する処理を実行する(ステップS403)。具体的には、CPU300aは、RAM300cに記憶されているプレイエリア滞在フラグを参照し、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアF−L]であった場合には[エリアF−R]に変更し、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアF−R]であった場合には[エリアF−L]に変更し、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアR−L]であった場合には[エリアR−R]に変更し、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアR−R]であった場合には[エリアR−L]に変更する処理を行う。一方、CPU300aは、X軸エリア検出センサ508によりX軸エリア位置決め片507を検出したと判定しなかった場合は、ステップS403を実行することなくステップS405の処理に移行する。
続いて、CPU300aは、Y軸エリア検出センサ511によりY軸エリア位置決め片510を検出したか否かを判定する(ステップS405)。CPU300aは、Y軸エリア検出センサ511によりY軸エリア位置決め片510を検出したと判定した場合は(ステップS405;Yes)、Y軸方向にプレイエリアを変更する処理を実行した後(ステップS407)、エリア判定処理を終了する。具体的には、CPU300aは、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアF−L]であった場合には[エリアR−L]に変更し、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアF−R]であった場合には[エリアR−R]に変更し、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアR−L]であった場合には[エリアF−L]に変更し、把持装置200が滞在していたエリアが[エリアR−R]であった場合には[エリアF−R]に変更する処理を行う。一方、CPU300aは、Y軸エリア検出センサ511によりY軸エリア位置決め片510を検出したと判定しなかった場合は、ステップS407を実行することなくエリア判定処理を終了する。
このように、本実施形態では、X軸エリア検出センサ508やY軸エリア検出センサ510がX軸エリア位置決め片507やY軸エリア位置決め片510を検出したときに把持装置200の滞在するエリアが移行したことを容易に検出できるので、X軸エリア位置決め片507やY軸エリア位置決め片510の位置を変更してプレイフィールド2におけるエリアのレイアウトが変更されても容易に滞在エリアの検出を行うことができる。
次に、図9(C)を参照しながら、アタック処理について説明する。ここで、図9(C)は、アタック処理について説明するフローチャートである。アタック処理は、図9(A)における遊戯処理(ステップS303)において、例えば、所定時間毎(例えば、4ms毎)に実行される処理である。
最初に、CPU300aは、操作ボタン82が押下操作されたか否かを判定する(ステップS501)。CPU300aは、操作ボタン82が押下操作されたと判定した場合は(ステップS501;Yes)、プレイエリア滞在フラグを参照し、把持装置200が滞在しているエリアがいずれであるかの判定を行う(ステップS503)。
次に、CPU300aは、判定したエリアにおける払出率(P/O)をRAM300cを参照することにより判定を行う(ステップS505)。
続いて、CPU300aは、判定したエリアにおける払出率に応じた把持力でアーム203が動作するように把持動作を行う(ステップS507)。具体的には、払出率が目標払出率よりも小さい場合はアシストモードとなり、景品が取れそうなゲーム難易度で、把持力設定値に基づいてアーム203の把持力が調整される。一方、払出率が目標払出率以上である場合はノーマルモードとなり、景品が取れそうで取れないゲーム難易度で、把持力設定値に基づいてアーム203の把持力が調整される。
例えば、[エリアF−L]において把持動作が行われる場合において、ノーマルモードでアーム203が制御される場合には、図10(A)に示すように、把持装置200を下降させる段階では、アーム203を開状態(すなわち、強度0の把持力)にし(a)。その後、景品Pを把持して吊り上げた直後では、強度7の把持力でアーム203を閉状態にし、景品Pを把持する(b)。なお、把持力は、最小値が0であり、最大値が10であり、図10に示す景品Pの重量は、アーム強度が6程度以上で把持揚送可能としている。その後、景品Pを吊り上げる過程において、徐々に把持力を弱くしていく(例えば、図10(A)の(c)では、強度6まで把持力を低下させて景品Pを把持し、(d)では、把持力を強度4までさらに低下させて景品Pを把持している。)。図10(A)の(d)に示すように、強度4の把持力では、景品Pを把持する力が不足するようになり、景品Pの重みにより、アーム取付部202が下方に移動しはじめ、したがってアーム203が開状態となる方向にわずかに移動するようになる。その後、把持装置200が上昇しきった段階で、把持力を強度3まで低下させると、景品Pを完全に支持することができなくなり、景品Pはプレイフィールド2内に落下する(e)。
一方、アシストモードでアーム203が制御される場合には、図10(B)に示すように、把持装置200を下降させる段階では、アーム203を開状態(すなわち、強度0の把持力)にし(a)、その後、景品Pを把持して吊り上げた直後では、強度7の把持力でアーム203を閉状態にし、景品Pを把持する(b)。その後、景品Pを吊り上げる過程においても、把持力を一定に維持する(c)(d)(e)。そのため、アシストモードでは、アーム203の把持力により景品Pを支持した状態で比較的容易に揚送可能となるので、景品Pが取得し易くなる。
CPU300aは、以上のようにしてアーム203による把持動作が行われた後、プレイエリア滞在フラグに対応するエリアを景品獲得エリアとしてセットし(ステップS509)、アタック処理を終了する。
また、CPU300aは、ステップS501において、操作ボタン82が押下操作されたと判定しなかった場合は(ステップS501;No)、ステップS503〜ステップS509の処理を実行することなくアタック処理を終了する。
このように、本実施形態において、制御部300は、区分された複数のエリアのいずれであるかを判定する領域判定手段として機能している。また、制御部300は、判定された領域に応じた把持力でアーム203の把持動作を制御する制御手段として機能している。
次に、図11を参照しながら、サービスパネル部400におけるサービスモニタ401に表示されるプレイデータの表示について説明する。ここで、図11は、サービスパネル部400におけるサービスモニタ401に表示されたプレイデータ表示画面の一例について説明する図である。プレイデータ表示画面は、例えば、遊戯が行われていないデモ中モードにおいて表示される画面であり、選択ダイヤル404を操作することにより、図11(A)〜同図(E)に示す表示を切り替えて表示させることができる。
図11(A)は、全体データの一例を示す表示画面である。全体データの表示画面では、クレーンゲーム機100において投入された金額を示す売上金額及び払い出された景品の数(景品払出数合計)が表示される。図11(B)〜同図(E)は、区分されたエリア毎のプレイデータの一例を示す表示画面である。エリア毎のプレイデータの表示画面では、上述したようにして設定された景品単価や目標払出率、現在の払出率、プレイ回数及び景品払出数が表示され、選択ダイヤル404の操作により表示するエリアを切り換えることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、クレーンゲーム機100は、内部に景品Pが載置されるプレイフィールド2と、景品Pを把持するためのアーム203を有し、プレイフィールド2内を移動可能な把持装置200と、プレイヤーによる操作が可能な操作レバー81及び操作ボタン82と、アーム203の把持力の設定が可能であり、操作レバー81及び操作ボタン82の操作に応じて把持装置200をX軸方向及びY軸方向に移動させるとともに、設定された把持力でアーム203の把持動作を制御する制御部300とを備えている。制御部300は、プレイフィールド2を複数のエリアに区分設定が可能であるとともに、区分されたエリア毎にアーム203の把持力の設定が可能である。制御部300、X軸エリア位置決め片507(Y軸エリア位置決め片510)及びX軸エリア検出センサ508(Y軸エリア検出センサ511)は、区分された複数のエリアのうちの少なくとも一つの領域を変更可能である。その結果、景品のレイアウトを自在にして、運営側の所望とする態様で景品取得ゲーム装置を稼働させることができ、多様なゲーム性を持たせることができるようになる。
また、本実施形態によれば、X軸エリア位置決め片507(Y軸エリア位置決め片510)及びX軸エリア検出センサ508(Y軸エリア検出センサ511)は、把持装置200のX軸方向及びY軸方向の少なくともいずれか一方の位置を検出可能である。制御部300は、X軸エリア検出センサ508及びY軸エリア検出センサ511の検出結果に基づき、区分された複数のエリアのいずれであるかを判定するとともに、判定されたエリアに応じた把持力でアーム203の把持動作を制御する。制御部300、X軸エリア位置決め片507(Y軸エリア位置決め片510)及びX軸エリア検出センサ508(Y軸エリア検出センサ511)は、X軸エリア検出センサ508及びY軸エリア検出センサ511の把持装置200の検出位置を変更することにより、区分された複数のエリアのうちの少なくとも一つのエリアを変更可能とした。その結果、景品取得装置の検出する位置を変更することにより領域を変更することにより、簡便に領域変更の実現を可能にすることができるようになる。
また、本実施形態によれば、横行用レール501f,501rは、把持装置200をX軸方向に移動案内する。縦行用レール502は、把持装置200をY軸方向に移動案内する。X軸エリア位置決め案内レール506及びY軸エリア位置決め案内レール509は、縦行用レール502及び横行用レール501f、501rの少なくともいずれか一方に対し、平行して近接配置される。X軸エリア位置決め片507(Y軸エリア位置決め片510)は、X軸エリア位置決め案内レール506(Y軸エリア位置決め案内レール509)に設けられてX軸エリア位置決め案内レール506(Y軸エリア位置決め案内レール509)に沿ってスライド移動可能である。制御部300、X軸エリア位置決め片507(Y軸エリア位置決め片510)及びX軸エリア検出センサ508(Y軸エリア検出センサ511)は、X軸エリア位置決め案内レール506(Y軸エリア位置決め案内レール509)に沿ってX軸エリア位置決め片507(Y軸エリア位置決め片510)の位置を変更することにより、把持装置200の検出位置を変更する。その結果、位置特定部材の位置変更という簡便な方法により領域の変更を容易に行うことができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、区分された複数のエリア毎に払出率を算出可能であり、算出された払出率と、設定された把持力とに基づいて、アーム203の把持動作を制御する。その結果、領域毎に細かく遊戯場の運営者の意図する払出率に制御することができるようになり、よりきめ細やかな売上の予測が立てやすくなる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、アーム203の把持動作が行われた回数を、区分された複数のエリア毎に計数する。その結果、領域毎の遊戯回数を認識できるので、いずれのエリアにいずれの景品を配置したらよいかといったような景品の配置プランが立てやすくなる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、アーム203の把持動作が行われた結果、景品Pが払い出された回数を、区分された複数のエリア毎に計数する。その結果、領域毎の景品の払い出し状況を把握することができるので、把持力の調整等の設定の参考にすることができるようになる。
なお、本実施形態では、X軸エリア位置決め片507及びY軸エリア位置決め片510をそれぞれ1つずつ設けてエリアを最大4つに区分可能に構成したが、X軸エリア位置決め片507及びY軸エリア位置決め片510をそれぞれ複数設けるようにしてエリアの数を増加させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、X軸エリア位置決め片507及びY軸エリア位置決め片510の位置を変更することにより、4つ(あるいは、2つ)のエリアの形状・大きさを変更するように構成されているが、変更可能なエリアの数は上記に限らず、少なくとも1つのエリアの形状・大きさが変更可能に構成されるものであればよい。例えば、プレイフィールド2を2つのエリアに区分し、一方のエリアが縮小されるように形状・大きさが変更される一方、他方のエリアの形状・大きさが維持される場合、残りのエリアをデッドスペース化するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。