JP2021023138A - ゼリー飲料、ゼリー飲料の製造方法、および、舌触り感向上方法 - Google Patents

ゼリー飲料、ゼリー飲料の製造方法、および、舌触り感向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】舌触り感が向上したゼリー飲料、ゼリー飲料の製造方法、および、舌触り感向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るゼリー飲料は、ゲル化剤と、イソマルトデキストリンと、を含有し、前記イソマルトデキストリンの含有量が0.08g/L以上であり、25℃における粘度が150mPa・s以上600mPa・s以下である。また、本発明に係るゼリー飲料の製造方法は、ゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させるとともに、前記イソマルトデキストリンの含有量を0.08g/L以上とし、25℃における粘度を150mPa・s以上600mPa・s以下とする工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ゼリー飲料、ゼリー飲料の製造方法、および、舌触り感向上方法に関する。
やわらかいゼリーをくずしながら飲用するゼリー飲料は、飲むだけで手軽に栄養補給ができることから、様々なシーンで消費者に飲用されており、数多くの商品が開発されている。
また、現在、糖や脂肪の吸収速度の遅延作用、整腸作用、内臓脂肪の低減作用といった生理活性が報告されている難消化性デキストリンが注目されている。
このような状況下において、難消化性デキストリンを含有したゼリー飲料の研究開発が進められており、例えば、特許文献1において、魚類由来コラーゲンペプチドと難消化性デキストリンを含有することを特徴とするゼリー飲料が開示されている。
特開2006−180812号公報
本発明者は、従来公知のゼリー飲料(難消化性デキストリンを含有したゼリー飲料など)の飲用感について詳細に検討した結果、ゼリーがボロボロしていたり、角ばったり、粉っぽかったり、といった様に、舌触り感が悪く、この点について改善の余地が存在すると考えた。
そこで、本発明は、舌触り感が向上したゼリー飲料、ゼリー飲料の製造方法、および、舌触り感向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)ゲル化剤と、イソマルトデキストリンと、を含有し、前記イソマルトデキストリンの含有量が0.08g/L以上であり、25℃における粘度が150mPa・s以上600mPa・s以下であるゼリー飲料。
(2)前記ゲル化剤は、ジェランガム、キサンタンガム、および、ローカストビーンガムから選ばれる1種又は2種以上のゲルを形成させる組み合わせのものである前記1に記載のゼリー飲料。
(3)前記イソマルトデキストリンの含有量が5.00g/L以下である前記1または前記2に記載のゼリー飲料。
(4)ゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させるとともに、前記イソマルトデキストリンの含有量を0.08g/L以上とし、25℃における粘度を150mPa・s以上600mPa・s以下とする工程を含むゼリー飲料の製造方法。
(5)ゼリー飲料の舌触り感を向上させる舌触り感向上方法であって、前記ゼリー飲料にゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させるとともに、前記イソマルトデキストリンの含有量を0.08g/L以上とし、25℃における粘度を150mPa・s以上600mPa・s以下とする舌触り感向上方法。
本発明に係るゼリー飲料は、舌触り感が向上している。
本発明に係るゼリー飲料の製造方法は、舌触り感が向上したゼリー飲料を製造することができる。
本発明に係る舌触り感向上方法は、ゼリー飲料の舌触り感を向上させることができる。
以下、本発明に係るゼリー飲料、ゼリー飲料の製造方法、および、舌触り感向上方法を実施するための形態(実施形態)について説明する。
[ゼリー飲料]
本実施形態に係るゼリー飲料は、ゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有し、イソマルトデキストリンの含有量が所定値以上(または所定範囲内)であり、粘度が所定範囲内となる飲料であり、舌触り感の良いゼリー飲料である。
ここで、「舌触り感が良い」(舌触り感が向上する)とは、ゼリー飲料を口腔内において舌で潰す際に、ゼリー様の抵抗感(ほどよい抵抗感)を感じつつも、角ばった感覚を受けずにとろけるように潰れるという状態である。一方、「舌触り感が悪い」とは、ゼリー飲料を口腔内において舌で潰す際に、そもそもゼリー様の抵抗感を感じない、または、ゼリー様の抵抗感を感じるものの、角ばったり、ボロボロしていたり、粉っぽかったりといった感覚を受けてしまうという状態である。
そして、本実施形態に係るゼリー飲料とは、ゼリー状の飲料であって、ゼリーをくずしながら飲用する飲料である。なお、本実施形態に係るゼリー飲料の香味については特に限定されないものの、後記するように本発明は酸味の低下抑制という効果を奏するため、酸味を呈するゼリー飲料、例えば、果汁や果汁フレーバーを含有するような果実テイストのゼリー飲料などが挙げられる。
(ゲル化剤)
ゲル化剤とは、液体をゲル化してゼリー状に固化する物質である。
そして、ゲル化剤は、本実施形態に係るゼリー飲料をゼリー状とするために必要となる物質である。
また、ゲル化剤としては、ゲルを形成させるためのもので、寒天、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、サイリュームシードガム、タマリンドシードガム、グルコマンナン、タラガム、及びグァーガムから選ばれる1種又は2種以上のゲルを形成させる組み合わせのものが好ましく、特に、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガムから選ばれる1種又は2種以上のゲルを形成させる組み合わせのものが好ましい。そして、ゲル化剤としては、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のものや、伊那食品工業株式会社製のもの等を使用することができる。
ゲル化剤の含有量は、飲料の粘度が後記する所定範囲内となるように含有させれば特に限定されないが、例えば、0.70mg/L以上、0.85mg/L以上、1.00mg/L以上であり、3.00mg/L以下、2.50mg/L以下、2.00mg/L以下、1.50mg/L以下である。
なお、ゲル化剤の含有量は、2種以上の場合は合計の含有量である。
(イソマルトデキストリン)
イソマルトデキストリンとは、α−(1→6)グルコシド結合の割合が高いデキストリンであって、βグルコシド結合のグルコースを含まないデキストリンであり、整腸作用、血糖上昇抑制などの生理活性が報告されている水溶性食物繊維である。
そして、イソマルトデキストリンは、同じ水溶性食物繊維である難消化性デキストリンと比較して、ゼリー飲料の舌触り感を向上させることができる。
また、難消化性デキストリンをゼリー飲料に使用した場合、酸味を大幅に低下させてしまうが、イソマルトデキストリンは、ゼリー飲料の酸味の低下を引き起こし難い。つまり、イソマルトデキストリンは、ゼリー飲料の酸味の低下を抑制するという効果も発揮することができる。
なお、イソマルトデキストリンは、例えば、株式会社林原製のファイバリクサ(登録商標)等を使用することができる。
イソマルトデキストリンの含有量は、0.08g/L以上が好ましく、0.09g/L以上、0.10g/L以上、0.20g/L以上、0.30g/L以上、0.40g/L以上、0.50g/L以上がより好ましい。イソマルトデキストリンの含有量が所定値以上であることによって、ゼリー飲料の舌触り感を向上させることができる。
また、イソマルトデキストリンの含有量は、7.00g/L以下が好ましく、5.00g/L以下、4.00g/L以下、3.00g/L以下、2.00g/L以下、1.50g/L以下、1.20g/L以下がより好ましい。イソマルトデキストリンの含有量が所定値以下であることによって、ゼリー飲料の舌触り感の向上という効果をしっかりと発揮させることができる。
(粘度)
本実施形態に係るゼリー飲料の粘度は、150mPa・s以上が好ましく、200mPa・s以上、230mPa・s以上、250mPa・s以上、260mPa・s以上がより好ましい。ゼリー飲料の粘度が所定値以上であることによって、ゼリー様の抵抗感(ほどよい抵抗感)をゼリー飲料に付与することができる。
また、本実施形態に係るゼリー飲料の粘度は、600mPa・s以下が好ましく、580mPa・s以下、500mPa・s以下、450mPa・s以下、380mPa・s以下、300mPa・s以下がより好ましい。ゼリー飲料の粘度が所定値以下であることによって、ゼリー飲料が硬すぎるといった事態を回避することができる。
なお、粘度は、ゼリー飲料を25℃とした状態で測定した値である。そして、粘度は、前記したゲル化剤の含有量によって調製することができる。
(Brix)
本実施形態に係るゼリー飲料のBrixは特に限定されないものの、例えば、3.00以上、5.00以上、8.00以上、10.00以上であり、30.00以下、20.00以下、17.00以下、15.00以下である。
なお、Brixは、市販の屈折糖度計によって測定することができ、前記したゲル化剤や後記する添加剤の含有量等によって調製することができる。
(pH)
本実施形態に係るゼリー飲料は、難消化性デキストリンではなくイソマルトデキストリンを含有することによって、前記のとおり、酸味の低下を抑制するという効果を奏する。
そして、本実施形態に係るゼリー飲料が僅かでも酸味を付与された態様であれば、酸味の低下抑制の効果を奏すると考えるものの、例えば、pHが所定値以下となる態様であり、詳細には、6.00以下、5.00以下、4.20以下となる態様である。
一方、本実施形態に係るゼリー飲料のpHの下限は特に限定されず、例えば、2.50以上、3.00以上、3.20以上、3.40以上、3.50以上である。
なお、pHは、市販のpH測定器によって測定することができ、後記するクエン酸や酸味料の含有量等によって調製することができる。
(クエン酸)
本実施形態に係るゼリー飲料は、前記pHの項目で説明したとおり、僅かでも酸味を付与された態様であれば、酸味の低下抑制の効果を奏すると考えるものの、例えば、クエン酸を含有する態様であり、詳細には、クエン酸の含有量が0.5〜15.0g/L、0.5〜10g/L、0.5〜5.0g/L、1.5〜2.5g/Lとなる態様である。
なお、クエン酸の含有量は、市販の酸度計によって測定することができる。
本実施形態に係るゼリー飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、着色料、pH調整剤、強化剤、乳化剤等(以下、適宜「添加剤」という)を添加することができる。
甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプン等を用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテーム等を用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール等を用いることができる。酸味料としては、前記したクエン酸以外に、例えば、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸等を用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム等を用いることができる。着色料としては、例えば、カラメル色素、アントシアニン、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素等を用いることができる。pH調整剤としては、例えば、重曹、フィチン酸、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸等を用いることができる。強化剤としては、例えば、乳酸カルシウム、発酵乳酸カルシウム等を用いることができる。乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、サポニン、レシチン等を用いることができる。
なお、前記した添加剤は、一般に市販されているものを使用することができる。
また、本実施形態に係るゼリー飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で果汁や果汁フレーバーを含有させることもできる。そして、果汁としては、例えば、濃縮果汁、還元果汁、ストレート果汁といった各種果汁、果実ピューレ(火を通した果実あるいは生の果実をすりつぶしたり裏ごししたりした半液体状のもの)、これらの希釈液、濃縮液、混合液などを用いることができる。
そして、果汁に使用する果実(および、果汁フレーバーの果実種)は特に限定されず、従来公知の果実を挙げることができる。
(容器詰めゼリー飲料)
本実施形態に係るゼリー飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器に飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製またはスチール製等)のいわゆる缶容器・樽容器、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することができる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るゼリー飲料によれば、ゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有し、イソマルトデキストリンの含有量が所定値以上であり、粘度が所定範囲内であることから、舌触りの滑らかさが向上している。
また、本実施形態に係るゼリー飲料によれば、酸味の低下を抑制することもできる。
[飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係る飲料の製造方法を説明する。
本実施形態に係る飲料の製造方法は、混合工程と、後処理工程と、を含む。
混合工程では、混合タンクに、水、ゲル化剤、イソマルトデキストリン、添加剤等を適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程において、イソマルトデキストリンの含有量が所定値以上(または所定範囲内)となり、且つ、粘度が所定範囲内となるように各原料を混合し、調整すればよい。
なお、ゲル化剤は、適切に混合させるため、混合タンクに投入する前に溶媒に分散させてもよい。
そして、後処理工程では、例えば、殺菌、容器への充填等の処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程の殺菌処理は、殺菌装置での詰りを防ぐ観点から、シェルアンドチューブ殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。
そして、後処理工程での各処理の順序は特に限定されない。
なお、混合工程および後処理工程にて行われる各処理は、RTD飲料等を製造するために一般的に用いられている設備にて行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るゼリー飲料の製造方法によれば、ゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させ、イソマルトデキストリンの含有量を所定値以上とし、粘度を所定範囲内とする工程を含むことから、舌触り感が向上したゼリー飲料を製造することができる。
[舌触り感向上方法]
次に、本実施形態に係る舌触り感向上方法について説明する。
本実施形態に係る舌触り感向上方法は、ゼリー飲料にゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させるとともに、イソマルトデキストリンの含有量を所定値以上(または所定範囲内)とし、粘度を所定範囲内とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「ゼリー飲料」において説明した内容と同じである
以上説明したように、本実施形態に係る舌触り感向上方法によれば、ゼリー飲料にゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させるとともに、イソマルトデキストリンの含有量を所定値以上とし、粘度を所定範囲内とすることから、ゼリー飲料の舌触り感を向上させることができる。
なお、本実施形態に係るゼリー飲料、ゼリー飲料の製造方法、および、舌触り感向上方法において、明示していない特性や条件については、従来公知のものであればよく、前記特性や条件によって得られる効果を奏する限りにおいて、限定されないことは言うまでもない。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
イソマルトデキストリン、難消化性デキストリン、ゲル化剤(キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム)、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、発酵乳酸カルシウムを混合して表1に示すサンプルを準備した。
なお、各サンプルの果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、クエン酸三ナトリウムの含有量は、各サンプル間において一定量に揃えた。そして、サンプル中のクエン酸の含有量(ここでは、添加したクエン酸の量と、クエン酸3ナトリウムに由来するクエン酸の量との合計値)は、2.07g/Lであった。
[測定方法]
サンプルの粘度については、東機産業株式会社製のTVB−10Hを用いて粘度を測定した。
詳細には、25℃のサンプルを振とうさせずにビーカーに注ぎ入れ、このサンプルに対して、TVB−10HのM3ローターを上方から差し込み、回転数30rpm、測定時間30秒の粘度測定を連続して3回実施した。そして、得られた3回の測定値の平均値を算出し、算出した値を各サンプルの粘度(表1に示す粘度)とした。
サンプルのBrixについては、株式会社アタゴ社製のデジタル屈折計rx−5000αによって測定した。
また、サンプルのpHについては、株式会社堀場製作所社製のpHメーターF−72によって測定した。
[舌触り感(点数評価)]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された識別能力のあるパネル5名が、「舌触り感が良い」を5点、「舌触り感が悪い」を1点として、サンプル2を2点として5段階評価(1〜5点)で点数付けし、その平均値を算出した。
[舌触り感(比較評価)]
サンプル4について、訓練された識別能力のあるパネル5名(A〜E)が、サンプル11と比較して舌触り感が良い場合を「〇」、舌触り感が悪い場合を「×」、舌触り感が変わらない場合を「△」として、評価した。
また、サンプル9について、訓練された識別能力のあるパネル5名(A〜E)が、サンプル12と比較して舌触り感が良い場合を「〇」、舌触り感が悪い場合を「×」、舌触り感が変わらない場合を「△」として、評価した。
[酸味(比較評価)]
サンプル4について、訓練された識別能力のあるパネル5名(A〜E)が、サンプル11と比較して酸味を強く感じる場合を「〇」、酸味が弱く感じる場合を「×」、酸味が変わらない場合を「△」として、評価した。
また、サンプル9について、訓練された識別能力のあるパネル5名(A〜E)が、サンプル12と比較して酸味を強く感じる場合を「〇」、酸味が弱く感じる場合を「×」、酸味が変わらない場合を「△」として、評価した。
なお、実施例での「舌触り感」の「良い/悪い」は前記したとおりであって、「舌触り感が良い」とは、ゼリー飲料を口腔内において舌で潰す際に、ゼリー様の抵抗感(ほどよい抵抗感)を感じつつも、角ばった感覚を受けずにとろけるように潰れるという状態である。一方、「舌触り感が悪い」とは、ゼリー飲料を口腔内において舌で潰す際に、そもそもゼリー様の抵抗感を感じない、または、ゼリー様の抵抗感を感じるものの、角ばったり、ボロボロしていたり、粉っぽかったりといった感覚を受けてしまうという状態である。
また、実施例での各評価は、200mLのペットボトルに封入したサンプルを振とうさせずに開封した後、当該サンプルを受け皿に押し出した。そして、受け皿に出されたサンプルをスプーンで掬って食し評価した。
表1に、各サンプルの規格を示すとともに、各評価の結果を示す。
Figure 2021023138
(試験結果の検討:点数評価)
表1に示すように、サンプル4、6、7、8、9、10は、ゲル化剤(キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム)とイソマルトデキストリンとを含有し、イソマルトデキストリンの含有量が所定値以上であり、粘度が所定範囲内であったことから、舌触り感が3点を超える好ましい結果となった。
特に、サンプル4、6、8、9は、舌触り感が4点以上という非常に好ましい結果となった。
一方、サンプル1〜3は、イソマルトデキストリンを含有していなかったことから、舌触り感が悪いという結果となった。なお、サンプル2は粘度が所定範囲内であるにもかかわらず、舌触り感が悪いとの結果となったことから、舌触り感に関してイソマルトデキストリンが非常に重要な役割を果たすことが確認できた。
また、サンプル5は、ゲル化剤の含有量が少な過ぎたため、粘度が低く、その結果、そもそもゼリー様の抵抗感を感じ難いとの結果となった。
そして、サンプル11、12は、イソマルトデキストリンではなく難消化性デキストリンを含有させたことから、舌触り感が良くないとの結果となった。
(試験結果の検討:比較評価)
サンプル4の舌触り感について、A〜Eのパネル5名全員がサンプル11と比較して、舌触り感が良い、と評価した。また、サンプル4の酸味について、A〜Eのパネル5名全員がサンプル11と比較して、酸味を強く感じると評価した。
サンプル9の舌触り感について、A〜Eのパネル5名のうちの4名がサンプル12と比較して、舌触り感が良い、と評価した。また、サンプル9の酸味について、A〜Eのパネル5名全員がサンプル12と比較して、酸味を強く感じると評価した。
これらの結果から、ゼリー飲料に対して、難消化性デキストリンではなくイソマルトデキストリンを含有させることによって、舌触り感を向上させることができるとともに、酸味の低下を抑制できることがわかった。

Claims (5)

  1. ゲル化剤と、イソマルトデキストリンと、を含有し、
    前記イソマルトデキストリンの含有量が0.08g/L以上であり、
    25℃における粘度が150mPa・s以上600mPa・s以下であるゼリー飲料。
  2. 前記ゲル化剤は、ジェランガム、キサンタンガム、および、ローカストビーンガムから選ばれる1種又は2種以上のゲルを形成させる組み合わせのものである請求項1に記載のゼリー飲料。
  3. 前記イソマルトデキストリンの含有量が5.00g/L以下である請求項1または請求項2に記載のゼリー飲料。
  4. ゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させるとともに、前記イソマルトデキストリンの含有量を0.08g/L以上とし、25℃における粘度を150mPa・s以上600mPa・s以下とする工程を含むゼリー飲料の製造方法。
  5. ゼリー飲料の舌触り感を向上させる舌触り感向上方法であって、
    前記ゼリー飲料にゲル化剤とイソマルトデキストリンとを含有させるとともに、前記イソマルトデキストリンの含有量を0.08g/L以上とし、25℃における粘度を150mPa・s以上600mPa・s以下とする舌触り感向上方法。
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