JP2021022683A - 筐体用排水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】筐体内部に侵入した侵入水の排水構造であって、シンプルな構成で、筐体の下方から排水口を経て筐体内部へ逆流する前記逆流水に対して対策が施された筐体用排水構造を提供する。【解決手段】筐体の内部500において、筐体用排水構造600は、第1の孔613を有する第1の板材400と、第1の孔に連通する切り抜き部635を内部に有する第2の板材630と、第3の板材650とを備え、第2の板材を第1の板材と第3の板材とで挟み、下方から上方へ、第1の板材、第2の板材、第3の板材の順に積層した、筐体で使用される排水構造である。第2の板材または第3の板材は、切り抜き部と筐体の内部とを連通する第2の孔638を有し、さらに切り抜き部は、第1の孔の軸方向視で第1の孔の断面積よりも大きい断面積を有し、かつ、第2の孔の軸方向視で第2の孔の断面積よりも大きい断面積を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、パワーコンディショナー、バッテリユニット等に使用される筐体の排水構造に関する。
直流の電気を交流に変換するパワーコンディショナー(以下、単にパワコンとも称する)、複数の蓄電池を内蔵するバッテリユニット、通信設備等の電気設備は、筐体内部に収容される場合が多い。こうした電気設備は、筐体内部に雨水が侵入するなどした場合に、配線間がショートするなどして故障を起こす可能性がある。そこで、このような電気設備の筐体は、一定の止水性が担保されている。しかし、電線等により外部と接続するための電気系接続部は、外部に露出または開口している場合が多く、施工時にその周辺をシーリングするなどして防水対策を施すことが必要である。しかし、施工時にこうしたシーリング等が十分施されない場合もおこりうる。そこで、このような電気設備を収容する筐体は、例えば筐体の底面に筐体の内外を連通する排水口を備えた排水構造が施されている。筐体内部に侵入した侵入水は、筐体内部において壁を伝って垂れ、排水口から排水される。
このような筐体は、屋外にあっては、直接雨水に曝され、屋内にあっては、意図せぬ放水や排水がかかるなどする可能性がある。こうした雨水および意図せぬ放水や排水等(以下、総称して雨水等と呼ぶ)は、地面や床等で跳ね上がり、前記筐体の底面にかかる恐れがあり、下方から排水口を経て筐体内部へ逆流する可能性があった。
また、こうした筐体は、IEC 60529や同規格の整合JIS規格であるJIS C0920等に基づく電気機械器具類のIP試験(International Protection試験。固体、液体の侵入への保護に関する、電気機械器具の外郭団体による保護等級試験、信頼性評価試験、または環境試験)からの要請もあり、下方から排水口を経て筐体内部へ逆流する逆流水の対策が必要となっている。
筐体の内外を連通する構造として、例えば、特許文献1には、屋外筐体の扉がダクトを有する中空二重構造であり、当該ダクトの下方が筐体外部に開口し、当該ダクトの上方が筐体の上部から筐体内部に連通している構造が開示されている。また、例えば、特許文献2には、筐体とその設置台とを貫き屋外筐体の内部と外部とを連通する孔の途中に、筐体に下方から上方に向けて凹部を成形することで設置台とで閉じられた空間が設けられた構造が開示されている。
特開2001−308554号公報 実開昭64−54375号公報
前記の特許文献1、特許文献2は、筐体の呼吸孔の構造に関するものである。呼吸孔は、外気と筐体内部との温度差により、筐体の内外で圧力差が生じないようにするために設けられるものである。そこで、特許文献1、特許文献2では、雨水等が筐体外面を垂れて水膜となり呼吸孔を塞ぐ問題への対策や、多量の雨水等が筐体外面を流れ落ちる条件下でも呼吸機能を確保するための対策について開示している。しかし、従来技術たる特許文献1、特許文献2に開示の呼吸孔の構造は、筐体内部に侵入した侵入水の排水構造において、筐体の下方から排水口を経て筐体内部へ逆流する前記逆流水について何ら対策が考慮されていない。また、特許文献1、特許文献2に開示の構造は、構成が複雑であり、製造上、その構造専用の金型の作成を要し、構造を変更する場合には金型の変更を要するなど、コストと手間が掛かる問題があった。
そこで、本発明は、筐体内部に侵入した侵入水の排水構造であって、シンプルな構成で、筐体の下方から排水口を経て筐体内部へ逆流する逆流水に対して対策が施された筐体用排水構造を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
すなわち、本発明にかかる筐体用排水構造は、
第1の孔を有する第1の板材と、前記第1の孔に連通する切り抜き部を内部に有する第2の板材と、第3の板材とを備え、
前記第2の板材を前記第1の板材と前記第3の板材とで挟み、下方から上方へ、前記第1の板材、前記第2の板材、前記第3の板材の順に積層した、筐体で使用される排水構造であって、
前記第2の板材または前記第3の板材は、前記切り抜き部と前記筐体の内部とを連通する第2の孔を有し、
さらに前記切り抜き部は、前記第1の孔の軸方向視で前記第1の孔の断面積よりも大きい断面積を有し、かつ、前記第2の孔の軸方向視で前記第2の孔の断面積よりも大きい断面積を有する。
この構成によれば、筐体内部に侵入した雨水等の侵入水を排水口に相当する前記第1の孔から排水することができ、前記第1の板材、前記第2の板材および前記第3の板材を前記のように積層させたシンプルな構成で実現できている(構成1)。また、前記切り抜き部を介して第1の板材に存在する第1の孔に、前記第2の板材または前記第3の板材に存在する第2の孔が連通するので、侵入水の進行方向に対して第1の孔、第2の孔の位置が一直線上に存在しないようにすることができる(構成2)。こうした構造により、逆流水が筐体の下方から第1の孔、第2の孔を経て筐体内部へ逆流する際にその水勢を低減することができ、シンプルな構成で逆流防止の対策をすることができる。さらに、従来技術には開示されない前記のような断面積についての切り抜き部の寸法と第1の孔および第2の孔の寸法との関係により(構成3)、筐体内部へ逆流する逆流水の水勢をさらに低減することができ、シンプルな構成で逆流防止の対策を高めることができる(以上の構成1〜3をまとめて基本構成と呼ぶ)。
前記第2の板材の前記切り抜き部は、前記第1の孔から流入した液体が、前記切り抜き部を経て前記第2の孔へ至る際に少なくとも一度は前記切り抜き部の内面に衝突するラビリンス構造を有することが好ましい。前記基本構成に加えて、このラビリンス構造を有することにより、逆流水の水勢を前記衝突により低減し、シンプルな構成で逆流防止の対策をさらに高めることができる。
前記構成において、前記第2の板材が、前記第2の孔を有し、さらに、前記筐体が、前記第2の孔から流出した前記液体が衝突する壁板を備えていてもよい。この構成によれば、前記第2の孔から流出した雨水等の侵入水である液体が壁板に衝突することにより、侵入水の水勢を低減することができ、シンプルな構成で逆流防止の対策をさらに高めることができる。
前記基本構成において、前記第1の板材は、前記筐体の外壁の一部であり、前記第3の板材は、前記第2の板材の前記切り抜き部の少なくとも一部を上方から覆うことが好ましい。前記第1の板材を、前記筐体の外壁の一部として兼用することで、よりシンプルな構成とすることができる。また、前記第3の板材を前記第2の板材の前記切り抜き部の少なくとも一部を上方から覆う構造とすることにより、前記第2の板材のみに前記第2の孔を設ける以外に、前記第3の板材にも前記第2の孔を設けつつ前記第3の板材を蓋の役割とすることができ、シンプルな構成で逆流防止の対策をさらに高めることができる。
前記基本構成において、前記第1の板材は、前記筐体を支持する支持部材であり、前記第3の板材は、前記第2の板材の前記切り抜き部の少なくとも一部を上方から覆うことが好ましい。前記第1の板材を、前記筐体を支持する支持部材として兼用することで、よりシンプルな構成とすることができる。また、前記第3の板材を前記第2の板材の前記切り抜き部の少なくとも一部を上方から覆う構造とすることにより、前記第2の板材のみに前記第2の孔を設ける以外に、前記第3の板材にも前記第2の孔を設けつつ前記第3の板材を蓋の役割とすることができ、シンプルな構成で逆流防止の対策をさらに高めることができる。
前記構成の筐体用排水構造において、一つの前記切り抜き部と、これに連通する一つの前記第1の孔および一つの前記第2の孔とで形成される排水路が複数構成され、
一の前記排水路において、
前記第1の板材は、前記筐体の外壁の一部であり、
前記第2の板材は、電気構成品が取り付けられる第1の取付部材であり、
前記第3の板材は、電気構成品が取り付けられる第2の取付部材であり、
他の前記排水路において、
前記第1の板材は、前記筐体を支持する支持部材であり、
前記第2の板材は、前記筐体の外壁の一部であり、
前記第3の板材は、電気構成品が取り付けられる前記第1の取付部材であってもよい。
この構成により、複数の排水路は、前記筐体を支持する支持部材、前記筐体の外壁の一部、第1の取付部材、第2の取付部材の4枚の板材のうちの隣り合って積層する3枚の板材の重ね合わせによって構成され、前記筐体の外壁の一部および第1の取付部材を共有するので、複数の排水路であってもシンプルな構成とすることができる。
本発明に係る筐体用排水構造は、筐体内部に侵入した侵入水の排水構造であって、シンプルな構成で、筐体の下方から排水口を経て筐体内部へ逆流する逆流水に対して対策を施すことができる。
本発明の筐体用排水構造が使用される筐体が接続されたシステムの一例を示す全体構成図である。 本発明の第1実施形態に係る筐体用排水構造が使用される筐体の縦断面図である。 図2の要部を拡大した、同実施形態に係る筐体用排水構造の縦断面図である。 同実施形態に係る筐体用排水構造の分解斜視図である。 同実施形態に係る筐体用排水構造の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る筐体用排水構造が使用される筐体の内部構造を示す斜視図である。 図6の要部の拡大斜視図である。 同実施形態に係る筐体用排水構造の平面図である。 図8のIX-IX線断面図とその拡大図である。 同実施形態に係る筐体用排水構造の斜視図である。 折り曲げ加工前の第1の取付部材を示す平面図である。 同実施形態に係る他の筐体用排水構造の平面図である。 図11のXII-XII線断面図とその拡大図である。 同実施形態に係る他の筐体用排水構造の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号は、同一または相当部分を示し、特段変更等の説明がない限り、適宜その説明を省略する。
図1に、本発明に係る排水構造(以下、筐体用排水構造とも呼ぶ)が使用される筐体が接続されたシステムの一例を示す。当該筐体は、例えば、パワコン用の筐体やバッテリユニット用の筐体である。パワコン筐体やバッテリユニット筐体は、例えば、屋外に設置される。図1に示すように、家HSの屋根に敷設された太陽電池モジュールSMからの直流電力は、パワコン(パワコン筐体)10を経て、バッテリユニット(バッテリユニット筐体)20や配電盤DBに送電される。太陽電池モジュールSMやバッテリユニット20からの電力は、パワコン10で直流交流変換されて、配電盤DBを介して家HS内部の電気機器EEへ送電され、また電力メータPMを経て商用電力系統PSへ逆潮流される。
本発明の第1実施形態に係る筐体用排水構造について説明する。図2および図3では、筐体用排水構造が使用される当該筐体を、パワコン筐体10を例に説明する。図2のパワコン筐体10は、筐体の外壁である、前面の壁板100、後面の壁板200、天板300、底板400および左右の壁板(不図示)を備え、パワコン筐体10の内部500は、これら前面の壁板100、後面の壁板200、天板300、底板400および左右の壁板により囲まれた閉空間である。パワコン筐体10の内部500において、底板400に接して、筐体用排水構造600が構成されている。筐体用排水構造600から、パワコン筐体10の内部500において壁板100や壁板200を伝って垂れた筐体上部に存在する電気系接続部(不図示)からの雨水等の侵入水が排水される。
図3に示す本実施形態の筐体用排水構造600は、第1の孔613を有する第1の板材610である底板400と、第1の孔613に連通する切り抜き部635を内部に有する第2の板材630と、第3の板材650とからなる。第1の孔613は、例えば、第1の板材610の主面に直交する(実質的に直交と見做せる略直交も含む)。第2の板材630は、第1の板材610と第3の板材650とで挟まれ、下方から上方へ、第1の板材610、第2の板材630、第3の板材650の順に積層されている。この第1の板材610と第3の板材650とで挟まれた構造により、第3の板材650が蓋の役割を果たすことで、切り抜き部635は、筐体用排水構造600の内部に存在する空洞部分となっている。このように、本実施形態の筐体用排水構造600は、前記の所定の形状の3枚の板材の重ね合わせで実現されており、シンプルな構成となっている。
第2の板材630は、切り抜き部635と筐体の内部500とを連通する第2の孔638を有する。本実施形態では、第2の孔638は、水平方向(図3では、前後方向)に延びている。なお、第2の孔は、前記第3の板材650に構成されていてもよい。この場合、第2の孔は、例えば、第3の板材650の主面に直交する。切り抜き部635は、第1の孔613の軸方向視(図3では、上下方向視)で第1の孔613の断面積よりも大きい断面積を有する。また、切り抜き部635は、第2の孔638の軸方向視(図3では、前後方向視)で第2の孔638の断面積よりも大きい断面積を有する。ここで、第1の孔の軸方向および第2の孔の軸方向は、各孔の長手方向、各孔の半径と直交する方向、または各孔において前記雨水等が移動する方向のことを示し、各断面積は、前記の各軸に直交する断面の面積である。こうした、切り抜き部635の寸法と第1の孔613の寸法との関係、および切り抜き部635の寸法と第2の孔638の寸法との関係により、前記空洞部分たる切り抜き部635に対して逆流水の流入口たる第1の孔613および逆流水の流出口たる第2の孔638が狭く設計されており、筐体10の下方から排水口(第1の孔613)を経て筐体10の内部500へ逆流する逆流水(雨水等の液体690)の水勢を低減させる逆流防止機能が発揮できる。
筐体用排水構造600は、一組の第1の板材610、第2の板材630および第3の板材650において、複数の第1の孔613、切り抜き部635および第2の孔638を有し、複数の排水箇所を有していてもよい。本実施形態では、筐体用排水構造600は、図3に示すように、2つの第1の孔613A、613B、2つの切り抜き部635A、635B、2つの第2の孔638A、638Bを有し、2つの排水箇所AA、BBを有している。第1の孔613Aと第2の孔638Aとが切り抜き部635Aに連通し、第1の孔613Bと第2の孔638Bとが切り抜き部635Bに連通している。2つの排水箇所AA、BBを有している理由は、例えば、パワコン筐体10が前後方向に対して傾いて設置された場合でも、2つの排水箇所A、Bのいずれか一方が排水機能を有することが可能となるからである。
さらに、具体的には、本実施形態の筐体用排水構造600において、第2の板材630の切り抜き部635は、次に述べるような、筐体10の下方から排水口(第1の孔613)を経て筐体内部500へ逆流する逆流水の水勢を低減するためのラビリンス構造を有する。図4に、同実施形態に係る筐体用排水構造600の分解斜視図を示し、図5に、同実施形態に係る筐体用排水構造600の平面図を示す。図4に示すように、第3の板材650および第2の板材630は、3つのねじ孔NDにねじやリベット等の部材(不図示)を貫通させて、第1の板材610(400)に対して固定される。図5に示すように、ラビリンス構造636は、第1の孔613から流入した雨水等の液体639が、切り抜き部635を経て第2の孔638へ至る際に、該液体639を、少なくとも一度は切り抜き部635の内面635w(635wa、635wb)に衝突させる機能を有する。本実施形態の筐体用排水構造600は、このラビリンス構造636を有することにより、逆流水の水勢を前記衝突により低減し、シンプルな構成で、筐体10の下方から排水口である第1の孔613を経て筐体10の内部500へ逆流する逆流水(雨水等の液体639)に対して逆流防止の対策をさらに高めることができる。なお、ラビリンス構造の形状や寸法等は、前記機能を有していれば、図4,図5に示されたものに限られない。
本実施形態では、筐体10は、ラビリンス構造636(切り抜き部635)を経て第2の孔638から流出した雨水等の液体639が衝突する壁板を備えている。この壁板は、本実施形態では、液体639が逆流する方向に存在する前記の前面の壁板100と、後面の壁板200である。第2の孔638から逆流した液体639が壁板100.200に衝突することにより、逆流する液体639の水勢を低減することができ、シンプルな構成で前記逆流水に対して逆流防止の対策をさらに高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る筐体用排水構造について説明する。図6では、筐体用排水構造が使用される当該筐体を、バッテリユニット筐体20を例に説明する。バッテリユニット筐体20は、上下および前後左右を外壁OW(図6では、右上方部分のみ記載)に囲まれ、内部の大半を占める複数の長尺のバッテリBT(図6では、二転破線で前面のみ示す)が搭載されるバッテリ部領域530と、バッテリ部530の上方に位置して各バッテリを制御する制御装置(不図示)が収納される制御部領域510と、バッテリ部530の下方に位置して本実施形態に係る筐体用排水構造700(後述)が構成される底板750付近の下部領域540とを含む。なお、制御部領域510の後面の外壁には、電線等により外部と接続するための電気系接続部520が設けられている。
図7に、図6の要部である下部領域540の拡大斜視図を示す。下部領域540の構成の概略について説明する。下部領域540は、筐体20の外壁OWの一部である底板750と、バッテリや電子回路基板等の電気構成品(不図示)の前面側が取り付けられる第1の取付部材770と、該電気構成品の後面側が取り付けられる第2の取付部材780と、筐体20を支持する支持部材である脚部710とブラケット720とを含む。第1の取付部材770は、底板750の上面に取り付けられ、第2の取付部材780は、第1の取付部材770の後部の上面に取り付けられる。脚部710は、ブラケット720を介して、底板750に取り付けられる。図6のバッテリユニット筐体20の下部領域540において構成される筐体用排水構造700、700Aから、バッテリユニット筐体20の内部(下部領域540等)において壁板を伝って垂れた電気系接続部520からの雨水等が、排水経路792(図9)または排水経路794(図12)のように流れて排水される。この下部領域540の構成について、例を示し、図を使用して詳説する。
図8に、本実施形態に係る筐体用排水構造700を含む下部領域540の平面図を示し、図9に、筐体用排水構造700を含む図8のIX-IX線断面図とその拡大図を示す。また、図10Aに、本実施形態に係る筐体用排水構造700の右後方からの斜視図を示し、図10Bに、折り曲げ加工前の第1の取付部材の平面図を示す。本実施形態の筐体用排水構造700は、主にバッテリユニット筐体20の後面の外壁等の内面を垂れた雨水等を排水する。筐体用排水構造700は、周縁がL字状に下方へ直角に折り曲げられた底板750と、U字状に2箇所で上方へ直角に折り曲げられた第1の取付部材770と、L字状に上方へ直角に折り曲げられた第2の取付部材780とからなる。底板750、第1の取付部材770、および第2の取付部材780が、各々、本発明における第1の孔752を有する第1の板材、第1の孔752に連通する切り抜き部772を内部に有する第2の板材、第1の取付部材770の切り抜き部772の少なくとも一部(この例では全部)を上方から覆う第3の板材である。第1の孔752は、例えば、底板750の水平方向の主面に直交する。第1の取付部材770は、底板750と第2の取付部材780とで挟まれ、下方から上方へ、底板750、第1の取付部材770、第2の取付部材780の順に積層されている。この底板750と第2の取付部材780とで挟まれた前記構造により、第2の取付部材780が蓋の役割を果たすことで、切り抜き部772は、筐体用排水構造700の内部に存在する空洞部分となっている。このように、本実施形態の筐体用排水構造700は、前記の所定の形状の3枚の板材の重ね合わせで実現されており、シンプルな構成となっている。
第2の板材である第1の取付部材770は、切り抜き部772と筐体の内部たる下部領域540とを連通する第2の孔774を有する。本実施形態では、第2の孔774は、水平方向(図9では、前後方向)に延びている。なお、第2の孔は、第2の取付部材780に構成されていてもよい。この場合、第2の孔は、例えば、第2の取付部材780の主面に直交する。切り抜き部772は、第1の孔752の軸方向視(図9では、上下方向視)で第1の孔752の断面積よりも大きい断面積を有する。また、切り抜き部772は、第2の孔774の軸方向視(図9では、前後方向視)で第2の孔774の断面積よりも大きい断面積を有する。こうした、切り抜き部772の寸法と第1の孔752の寸法との関係、および切り抜き部772の寸法と第2の孔774の寸法との関係により、筐体20の下方から排水口(第1の孔752)を経て筐体20の内部たる下部領域540へ逆流する逆流水(排水経路792の逆向き)の水勢を低減させ、逆流水に対する逆流防止機能が発揮される。
図10Aに示すように、切り抜き部772と第2の孔774とは、第1の取付部材770のL字の屈曲部分に設けられたパンチ孔776である。パンチ孔776は、寸法が異なる長円形または楕円(以下、単に長円形と呼ぶ)を2つ重ねた形状となるように打ち抜くなどして形成される。図10Bに示すように、この2つの長円形は、例えば、各長軸を前後方向に平行とし、かつ、各短軸の長さを異ならせて、長軸方向においてそれら長円形の一部が互いに重なる形状となっている。こうした第1の取付部材770を、2つ重ねの長円形の短軸が短い長円形の部分で直角に折り曲げることで、切り抜き部772と第2の孔774とを簡単に形成できる。
図11に、本実施形態に係る他の例の筐体用排水構造700Aを含む下部領域540(バッテリユニット筐体20)の平面図を示し、図12に、筐体用排水構造700Aを含む図11のXII- XII線断面図とその拡大図を示し、図13に、本実施形態に係る他の例の筐体用排水構造700Aの左後方からの斜視図を示す。筐体用排水構造700Aは、U字状に2箇所で下方へ直角に折り曲げられた、筐体20を支持する支持部材であるブラケット720と、前記のように周縁がL字状に直角に下方へ折り曲げられた底板750と、U字状に2箇所で上方へ直角に折り曲げられた第1の取付部材770とからなる。ブラケット720、底板750、および第1の取付部材770が、各々、本発明における第1の孔722を有する第1の板材、第1の孔722に連通する切り抜き部754を内部に有する第2の板材、底板750の切り抜き部754の少なくとも一部を上方から覆う第3の板材である。第1の孔722は、例えば、ブラケット720の水平方向の主面に直交する。底板750は、ブラケット720と第1の取付部材770とで挟まれ、下方から上方へ、ブラケット720、底板750、第1の取付部材770の順に積層されている。このブラケット720と第1の取付部材770とで挟まれた構造において、第1の取付部材770が、切り抜き部754の少なくとも一部を上方から覆う構造により、蓋の役割を果たすことで、切り抜き部754は、筐体用排水構造700Aの内部に存在する空洞部分となっている。なお、第1の取付部材770が上方から覆わない切り抜き部754の他の部分は、本実施形態では、第3の板材である第1の取付部材770に存在する第2の孔778(後述)が連通している。このように、本実施形態の筐体用排水構造700Aは、前記の所定の形状の3枚の板材の重ね合わせで実現されており、シンプルな構成となっている。
第3の板材である第1の取付部材770は、切り抜き部754と筐体の内部たる下部領域540とを連通する第2の孔778を有する。本実施形態では、第2の孔778は、鉛直方向(図12では、上下方向)に延びている。ここで、第2の孔778は、切り欠き部分であるパンチ孔779(後述)の一部であり、パンチ孔779の上下方向視で切り抜き部754と重なる部分のことを言う。なお、第2の孔778は、第2の板材である底板750に構成されていてもよい。この場合、底板750における第2の孔は、例えば、ブラケット720や第1の取付部材770の水平方向の主面に平行となり、第1の取付部材770における鉛直方向の第2の孔と連続することで下部領域540と連通する。切り抜き部754は、第1の孔722の軸方向視(図12では、上下方向視)で第1の孔722の断面積よりも大きい断面積を有する。また、切り抜き部754は、第2の孔778の軸方向視(図12では、上下方向視)で第2の孔778(パンチ孔779の一部)の断面積よりも大きい断面積を有する。こうした、切り抜き部754の寸法と第1の孔722の寸法との関係、および切り抜き部754の寸法と第2の孔778の寸法との関係により、筐体20の下方から排水口(第1の孔722)を経て筐体20の内部たる下部領域540へ逆流する逆流水(排水経路794の逆向き)の水勢を低減させ、逆流水に対する逆流防止機能が発揮される。
図13に示すように、底板750中に設けられた切り抜き部754と、第1の取付部材770のL字の屈曲部分に設けられたパンチ孔776とは、図10Bに示した例と同様に、一枚の平板である底板750と第1の取付部材770とにおいて、各々長円形状または楕円形状に打ち抜くなどして形成される。
本実施形態に係る筐体用排水構造700および筐体用排水構造700Aは、各々、一つの切り抜き部772と、これに連通する一つの第1の孔752および一つの第2の孔774、および、一つの切り抜き部754と、これに連通する一つの第1の孔722および一つの第2の孔778とで形成される複数(図11では、4つ)の排水路を構成する。筐体用排水構造700および筐体用排水構造700Aは、ブラケット720、底板750、第1の取付部材770、および第2の取付部材780のうち積層されているいずれか3枚の板材の重ね合わせによって構成されており、底板750および第1の取付部材770を共有するので、複数の排水路であってもシンプルな構成とすることができる。
なお、図7、図8に示すように、筐体用排水構造700は後方の左右に2つ設けられており、図7、図11に示すように、筐体用排水構造700Aは中央付近の前後左右に4つ設けられている。このように排水路等を複数設けた理由は、例えば、バッテリユニット筐体20が前後方向および/または左右方向に対して傾いて設置された場合に、これらのうちのいずれかの筐体用排水構造700、700Aが排水機能を有することが可能となるからである。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。例えば、バッテリユニット筐体20に筐体用排水構造600が設けられてもよく、パワコン筐体10に筐体用排水構造700または筐体用排水構造700Aが設けられてもよい。また、バッテリユニット筐体20において、前記第2実施形態で説明した筐体用排水構造700と筐体用排水構造700Aとは、位置が入れ替わっていてもよい。また、筐体用排水構造700と筐体用排水構造700Aとは、筐体に含まれる任意の板材において、積層されている3枚の板材において構成しうる。さらに、筐体用排水構造600、700、700Aは、パワコン、バッテリユニット以外の他の電気設備の筐体において形成されていてもよい。上記実施形態において、例えば前記第1の板材、第2の板材、第3の板材の材質は、鋼板に亜鉛めっきのような錆止め処理等を施した金属であってもよく、これによりコストダウンを図ることができる。また、例えば第1実施形態の第2の板材、第3の板材の材質は、所定の強度を有するカーボンファイバ、または、PBT樹脂、PPS樹脂などのエンジニアリングプラスチック等の樹脂であってもよい。
10 パワコン筐体
20 バッテリユニット筐体
100,200 (第2の孔から流出した液体が衝突する)壁板
100,200,300,400,OW (筐体の)外壁
400,610,720,750 第1の板材
613,613A,613B,722、752 第1の孔
635,635A,635B,754,772 切り抜き部
630,750,770 第2の板材
650,770,780 第3の板材
638,638A,638B,774,778 第2の孔
635w,635wa、635wb (切り抜き部の)内面
636,636A,636B ラビリンス構造
710,720 支持部材
770 第1の取付部材
780 第2の取付部材

Claims (6)

  1. 第1の孔を有する第1の板材と、前記第1の孔に連通する切り抜き部を内部に有する第2の板材と、第3の板材とを備え、
    前記第2の板材を前記第1の板材と前記第3の板材とで挟み、下方から上方へ、前記第1の板材、前記第2の板材、前記第3の板材の順に積層した、筐体で使用される排水構造であって、
    前記第2の板材または前記第3の板材は、前記切り抜き部と前記筐体の内部とを連通する第2の孔を有し、
    さらに前記切り抜き部は、前記第1の孔の軸方向視で前記第1の孔の断面積よりも大きい断面積を有し、かつ、前記第2の孔の軸方向視で前記第2の孔の断面積よりも大きい断面積を有する、
    筐体用排水構造。
  2. 請求項1に記載の筐体用排水構造において、
    前記第2の板材の前記切り抜き部は、前記第1の孔から流入した液体が、前記切り抜き部を経て前記第2の孔へ至る際に少なくとも一度は前記切り抜き部の内面に衝突するラビリンス構造を有する、
    筐体用排水構造。
  3. 請求項2に記載の筐体用排水構造において、
    前記第2の板材が、前記第2の孔を有し、さらに、
    前記筐体が、前記第2の孔から流出した前記液体が衝突する壁板を備える、
    筐体用排水構造。
  4. 請求項1に記載の筐体用排水構造において、
    前記第1の板材は、前記筐体の外壁の一部であり、
    前記第3の板材は、前記第2の板材の前記切り抜き部の少なくとも一部を上方から覆う、
    筐体用排水構造。
  5. 請求項1に記載の筐体用排水構造において、
    前記第1の板材は、前記筐体を支持する支持部材であり、
    前記第3の板材は、前記第2の板材の前記切り抜き部の少なくとも一部を上方から覆う、
    筐体用排水構造。
  6. 請求項4または5に記載の筐体用排水構造において、
    一つの前記切り抜き部と、これに連通する一つの前記第1の孔および一つの前記第2の孔とで形成される排水路が複数構成され、
    一の前記排水路において、
    前記第1の板材は、前記筐体の外壁の一部であり、
    前記第2の板材は、電気構成品が取り付けられる第1の取付部材であり、
    前記第3の板材は、電気構成品が取り付けられる第2の取付部材であり、
    他の前記排水路において、
    前記第1の板材は、前記筐体を支持する支持部材であり、
    前記第2の板材は、前記筐体の外壁の一部であり、
    前記第3の板材は、電気構成品が取り付けられる前記第1の取付部材である、
    筐体用排水構造。
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