JP2021022020A - クレーン計画支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示されたような構成では、選択可能なクレーンのブーム長が表示されるものの、具体的なクレーンの機種が提示されるわけではなく、最終的には選定担当者によるクレーンの機種の選択が必要である。
特許文献2に開示されたような構成では、施工に適したクレーンの機種の選定を行うものではない。
特許文献3に開示されたような構成では、躯体の部材毎に、複数種のクレーンによる建方可能性の判定はなされるものの、具体的なクレーンの機種が提示されるわけではなく、最終的には選定担当者によるクレーンの機種の選択が必要である。
すなわち、本発明のクレーン計画支援システムは、BIM(Building Information Modeling:ビルディング インフォメーション モデリング)を使用して施工する建物モデルに対して、揚重範囲とクレーン位置を決定して、クレーンを選定するクレーン計画支援システムであって、建設現場を表す建設現場モデル、前記建物モデル、およびクレーン本体と吊上げブームとを有するクレーンモデルを3次元仮想空間に表示するモデル表示手段と、複数のクレーンのクレーン性能が記録されたデータベースと、前記建物モデルに対して、前記揚重範囲、及び前記クレーン位置を指定して、前記揚重範囲内の、前記建物モデルを構成する部材の重量、およびクレーンの作業半径を算出し、各算出値と前記データベース内のクレーン性能の各々とを比較して、前記揚重範囲内の前記部材を揚重可能なクレーンを自動抽出するクレーンの自動抽出手段と、自動抽出されたクレーンの中から、最終的に使用されるクレーンの選定に関する入力を受け付けるクレーンの選定入力手段と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、クレーンの自動抽出手段は、指定されたクレーン位置におけるクレーンの揚重範囲内の、部材の重量、およびクレーンの作業半径を算出し、各算出値と複数のクレーンのクレーン性能の各々とを比較することで、揚重範囲内の部材を揚重可能なクレーンを自動抽出する。このようにして、揚重範囲と、クレーンの配置計画とに基づいて、的確なクレーンがクレーン計画支援システムによって自動抽出される。これにより、選定担当者は、自動抽出されたクレーンの中から、最終的に使用されるクレーンを判断して選定し、クレーンの選定入力手段に入力すればよい。したがって、建物の施工計画立案時に、使用するクレーンを容易に選定することが可能となる。
このような構成によれば、クレーンの自動抽出手段は、揚重範囲内の部材の重量、及び重心位置に基づいて、揚重範囲内の部材を揚重可能な定格荷重、及び作業半径を備えるクレーンを自動抽出する。これにより、クレーンの選定を、より高い精度で行うことができる。
このような構成によれば、揚重範囲内の部材の重量と、自動抽出されたクレーンのクレーン性能とを、モデル表示手段上の表示により対比確認することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明によるクレーン計画支援システムを実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態に係るクレーン計画支援システムの機能的な構成を示すブロック図を図1に示す。
図1に示されるクレーン計画支援システム1は、BIMを使用して施工する建物モデルに対して、揚重範囲とクレーン位置を決定して、クレーンを選定する。ここで、BIMとは、コンピュータ装置において、3次元の建物モデルに、建物を構成する部材の重量、寸法、材質等の部材情報等を関連付けた建物のデータベースを利用し、建物の設計、施工等を支援するものである。クレーン計画支援システム1は、コンピュータ装置を用いて実現され、モデルデータ記憶部2と、データベース3と、モデル処理部4と、クレーン抽出処理部5と、モデル表示手段6と、を備えている。
データベース3は、複数のクレーンのクレーン性能が記録されている。データベース3に記録される各クレーンのクレーン性能としては、例えば、クレーンを識別するためのクレーンの名称や型式名、クレーンの定格荷重、作業半径、クレーン本体の寸法、クレーン本体に設けられたブームの寸法等を含む。
モデル処理部4は、記憶されたデータに基づき、モデルデータ記憶部2に記憶された建物モデル、建物現場モデル、クレーンモデル等をモデル表示手段6に表示させる。
クレーンの自動抽出手段51は、予め設定されたコンピュータプログラムに基づいた処理を自動的に実行することで、与えられた条件に適用可能なクレーンを自動抽出する。クレーンの自動抽出手段51は、モデル表示手段6に表示される建物モデルに対して、揚重範囲、及びクレーン位置が、条件として与えられた(指定された)場合に、揚重範囲内の、建物モデルを構成する部材の重量、およびクレーンの作業半径を算出する。クレーンの自動抽出手段51は、揚重範囲内の、建物モデルを構成する部材の属性情報から、揚重範囲内の部材の重量、及び重心位置を算出する。クレーンの自動抽出手段51は、揚重範囲内の、建物モデルを構成する部材の重量、およびクレーンの作業半径を各算出値と、データベース3内のクレーン性能の各々と、を比較し、揚重範囲内の部材を揚重可能な定格荷重、及び作業半径を備えるクレーンを自動抽出する。
入力手段52は、マウス、キーボード等のコンピュータ装置に対する入力機器からなり、クレーンの自動抽出手段51によって自動抽出されたクレーンの中から、最終的に使用されるクレーンの選定に関する入力を受け付ける。
本実施形態に係るクレーン計画支援システムにおけるクレーンの選定処理の流れを示すフローチャートを図2に示す。図3は、吊り荷の荷重算定係数の設定を行うための表示画面の一例を示す図である。
図2に示すように、上記クレーン計画支援システム1におけるクレーンの選定処理では、まず、クレーンの自動抽出手段51は、吊り荷の荷重算定係数の設定を受け付ける(ステップS1)。これには、図3に示すように、クレーンの自動抽出手段51は、モデル表示手段6の表示画面上に、各係数の入力画面G1を表示させる。選定担当者は、この後の選定処理においてクレーン計画支援システム1が各部材の吊り荷重を算定する際の係数を、入力手段52により、入力画面G1上の入力欄に入力する。例えば、吊り荷の荷重算定係数として、部材が鉄骨である場合の鉄骨重量係数(例えば1.5)、部材がPCa(プレキャストコンクリート)である場合のPCa重量係数(例えば2.5)、およびPCaの部材を吊るための吊り治具の重量(例えば0)、安全係数(例えば80)を、選定担当者が入力する。
クレーンの自動抽出手段51は、設定された吊り荷の荷重算定係数を記憶する。
次に、クレーンの自動抽出手段51は、クレーンで部材を揚重する範囲である揚重範囲の設定を受け付ける(ステップS2)。これには、クレーンの自動抽出手段51は、モデル表示手段6の表示画面上に、揚重範囲の設定画面G2を表示させる。選定担当者は、揚重範囲を設定するため、クレーンで部材を揚重する範囲を、水平面内におけるX方向、水平面内でX方向に直交するY方向、鉛直方向におけるレベル(高さ)のそれぞれにおいて、入力手段52により、揚重範囲の設定画面G2に入力する。
ここで、前述したように、建物を施工するには、複数の施工工程(工区)が設定されている。クレーンの選定を工区毎に行う場合、ステップS2で設定する揚重範囲は、その工区で施工する部材が配置されている範囲となる。
図5は、設定された揚重範囲を示す表示画面の一例を示す図である。この図5に示されるように、クレーンの自動抽出手段51は、ステップS2で設定された揚重範囲A1を、モデル処理部4によってモデルデータ記憶部2から呼び出された建物モデルM1、および建設現場モデルM2の3次元モデルに重ねて、モデル表示手段6に表示することができる。
さらに、クレーンの自動抽出手段51は、モデルデータ記憶部2を参照し、設定された揚重範囲A1内に位置する全ての部材の種類、用途、数、重量、総重量等の情報を自動検索して取得する(ステップS3)。クレーンの自動抽出手段51は、モデル表示手段6の表示画面上に、取得した揚重範囲A1内の部材のリスト画面G3を表示させる。選定担当者は、リスト画面G3を目視で確認し、設定した揚重範囲A1に間違いがないか確認する。もし、揚重範囲A1の設定に間違いがあれば、ステップS2の揚重範囲の設定をやり直す。
次に、クレーンの自動抽出手段51は、クレーンを設定する位置の指定を受け付ける(ステップS4)。これには、選定担当者が、モデル表示手段6に表示された建設現場モデルM2上で、クレーンを設置する位置P1を、入力手段52で指定する。すると、クレーンの自動抽出手段51は、指定されたクレーンの位置P1を記憶する。
また、ステップS4では、揚重範囲A1内で、位置P1に配置されるクレーンから最も離れた吊り荷の指定を受け付ける。これには、選定担当者は、例えば図8に示されるように、建物モデルM1上において、位置P1に配置されるクレーンから最も離れた部材(吊り荷)の位置P2を、入力手段52で指定する。すると、クレーンの自動抽出手段51は、図9に示されるように、指定された部材についての情報を示す確認画面G4を表示する。選定担当者は、確認画面G4を目視し、指定した部材に間違いがないか確認する。選定担当者による確認後、クレーンの自動抽出手段51は、指定された位置P2に配置される部材を、クレーンから最も離れた吊り荷として記憶する。
次に、クレーンの自動抽出手段51は、位置P1に設置可能なクレーンの自動抽出を行う(ステップS5)。クレーンの自動抽出手段51は、データベース3に記憶された各クレーンのクレーン性能を参照し、位置P1に配置されるクレーンから最も離れた部材を含む揚重範囲A1内の全ての部材(吊り荷)を揚重可能、つまり位置P1に設置可能なクレーン性能を有したクレーンを自動的に抽出する。
クレーンの自動抽出手段51は、モデル表示手段6の表示画面上に、クレーンリスト画面G5を表示する。選定担当者は、入力手段52により、クレーンリスト画面G5上で、クレーン種類、ブーム種類、クレーンサイズ等を選択する。すると、クレーンの自動抽出手段51は、図10に示されるように、クレーンリスト画面G5上に、自動的に抽出された位置P1に設置可能(配置可能)なクレーンのうち、選定担当者が指定したクレーン種類、ブーム種類、クレーンサイズ等に合致するクレーンのリストL1を表示する。リストL1には、位置P1に設置可能(配置可能)な複数のクレーンの「(クレーンサイズ)クレーン名称(主ブーム規格)」が記載されている。このリストL1は、例えば、クレーンのサイズが小さい順に記載されている。
次に、クレーンの自動抽出手段51は、図11に示すように、リストL1から選定担当者が選択したクレーンに対応するクレーンモデルM3をデータベース3から呼び出し、モデル表示手段6の表示画面上の3次元仮想空間に配置し、建物モデルM1とともに表示させる(ステップS7)。このとき、クレーンモデルM3は、クレーン本体101と、吊上げブーム102と、を有するものとする。
選定担当者は、モデル表示手段6の表示画面上に表示されたクレーンモデルM3と、建物モデルM1とを目視し、位置P1に設置されたクレーンモデルM3が、建物モデルM1や建設現場モデルM2と干渉していないか確認する。その結果、クレーンモデルM3の干渉が生じていた場合には、図10に示すリストL1で、他のクレーンを選択しなおす。
クレーンモデルM3が、建物モデルM1や建設現場モデルM2と干渉していないことが確認された場合、クレーンの選定処理が終了する。
例えば建物は、施工時には、平面的に複数の施工区画に分割されて、施工区画ごとに施工が管理され得る。また、同一の施工区画内においても、建物の当該施工区画内に位置する部分が所定の高さごとに施工ブロックとして区切られて、これら施工ブロックごとに、施工が管理され得る。
このような場合、建物の施工計画が、各施工区画や各施工ブロックに対応したこれらの部分の各々を施工するための施工段階に細分化される。施工段階を1つずつ、あるいは並列的に実行することで、各施工段階に対応する部分が順次施工されることにより、建物が施工される。例えば、建物の施工計画をクレーン計画支援システム1によって立案する際には、第1の施工段階として、ある施工区画内の最も下に位置する施工ブロックの施工計画を立案し、次に当該施工ブロックの1つ上に位置する施工ブロックの施工計画を、第2の施工段階として立案し得る。その後、第3の施工段階として更に1つ上に位置する施工ブロックの施工計画を立案し得る。あるいは、1つの施工区画内に位置する部分の施工計画をまとめて1つの施工段階に対応付けてもよい。
上記のクレーン計画支援システム1においては、施工段階の各々において、建物の当該施工段階で施工される部分を対象として、上記のクレーンの選定処理が実行される。
このような構成によれば、クレーンの自動抽出手段51は、指定されたクレーン位置におけるクレーンの揚重範囲A1内の、部材の重量、およびクレーンの作業半径を算出し、各算出値と複数のクレーンのクレーン性能の各々とを比較することで、揚重範囲A1内の部材を揚重可能なクレーンを自動抽出する。このようにして、揚重範囲A1と、クレーンの配置計画とに基づいて、的確なクレーンがクレーン計画支援システム1によって自動抽出される。これにより、選定担当者は、自動抽出されたクレーンの中から、最終的に使用されるクレーンを判断して選定し、クレーンの選定入力手段52に入力すればよい。したがって、建物の施工計画立案時に、使用するクレーンを容易に選定することが可能となる。
このような構成によれば、クレーン計画支援システム1は、建物の施工計画手順に基づいた建物モデルM1を構成する施工区画または施工ブロック単位ごとに、揚重範囲とクレーン位置を指定して、揚重範囲内の部材を揚重できるクレーンを選定することができる。したがって、建物の施工計画に基づいた、緻密なクレーン計画を立案可能である。
このような構成によれば、クレーンの自動抽出手段51は、揚重範囲内の部材の重量、及び重心位置に基づいて、揚重範囲内の部材を揚重可能な定格荷重、及び作業半径を備えるクレーンを自動抽出する。これにより、クレーンの選定を、より高い精度で行うことができる。
このような構成によれば、揚重範囲内の部材の重量と、自動抽出されたクレーンのクレーン性能とを、モデル表示手段6上の表示により対比確認することができる。
3 データベース A1 揚重範囲
6 モデル表示手段 M1 建物モデル
51 クレーンの自動抽出手段 M2 建設現場モデル
52 入力手段(クレーンの選定入力手段) M3 クレーンモデル
101 クレーン本体 P1 クレーン位置
Claims (3)
- BIM(Building Information Modeling:ビルディング インフォメーション モデリング)を使用して施工する建物モデルに対して、揚重範囲とクレーン位置を決定して、クレーンを選定するクレーン計画支援システムであって、
建設現場を表す建設現場モデル、前記建物モデル、およびクレーン本体と吊上げブームとを有するクレーンモデルを3次元仮想空間に表示するモデル表示手段と、
複数のクレーンのクレーン性能が記録されたデータベースと、
前記建物モデルに対して、前記揚重範囲、及び前記クレーン位置を指定して、前記揚重範囲内の、前記建物モデルを構成する部材の重量、およびクレーンの作業半径を算出し、各算出値と前記データベース内のクレーン性能の各々とを比較して、前記揚重範囲内の前記部材を揚重可能なクレーンを自動抽出するクレーンの自動抽出手段と、
自動抽出されたクレーンの中から、最終的に使用されるクレーンの選定に関する入力を受け付けるクレーンの選定入力手段と、を備えている
ことを特徴とするクレーン計画支援システム。 - 前記クレーン性能は、クレーンの定格荷重と作業半径を含み、
前記クレーンの自動抽出手段は、前記部材の属性情報から、前記揚重範囲内の前記部材の重量、及び重心位置を算出し、前記揚重範囲内の前記部材を揚重可能な前記定格荷重、及び前記作業半径を備えるクレーンを自動抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載のクレーン計画支援システム。 - 前記モデル表示手段は、
前記揚重範囲内の前記部材が選択されると、当該部材の重量と、クレーンの前記作業半径を表示し、
前記クレーンの自動抽出手段により自動抽出されたクレーンの中から任意のクレーンが選択されると、当該クレーンの前記クレーン性能を表示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のクレーン計画支援システム。
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