JP2004239050A - 建方用クレーン計画方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物躯体の建方に適用可能なクレーン計画案を自動的に作成する。
【解決手段】構造物躯体の部材毎の位置・重量・形状が記録された三次元躯体図Dと建方用クレーンの揚重性能及び姿勢・最小作業半径・クレーン基部の抵触し得る危険半径が記録されたデータベースTをコンピュータ1に記憶する。躯体図D上にクレーン可動域を記入し、躯体図Dを施工順序付き建方区Eiに区分けし、建方区Ei毎に当該建方区Ei及び先行建方区Ej(j<i)の平面投影域からクレーン最小作業半径以上且つ危険半径以上離れたクレーン可動域内領域を実効可動域とする。対象建方区Eiの図心から最短距離の実効可動域内位置で対象建方区の全部材のクレーン作業可能性を判定し、判定不合格部材の検出時に不合格部材から最短距離の実効可動域内位置で対象建方区Eiの判定不合格部材又は全部材の作業可能性を再判定してクレーン作業位置を建方区Ei毎に検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は建方用クレーン計画方法及びプログラムに関し、とくに施工計画分野において構造物の建方工事で用いるクレーンの位置・姿勢・揚重性能・部材の搬送経路等を計画する方法及びコンピュータ・プログラムに関する。本発明は、クレーン作業を必要とする建物、橋梁その他の構造物の躯体を構成する部材(現場設置時にクレーン作業を必要とする設備等を含む。以下同じ。)の建方(躯体を構成する部材を現場で設置する作業をいう。以下同じ。)を計画する場合に広く適用可能である。
建物、橋梁等の構造物の建築工事は規模が比較的大きく施工手順も複雑であるため、施工に当たり計画を立てて施工管理により安全・的確に進めることが求められる。計画の良否は施工効率に大きく影響を与えるので、従来からコンピュータを利用した様々な施工計画システムが提案されている。とくに鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造の構造物等では、躯体を構成する部材を現場で設置する建方の計画の良し悪しが工期や工費に大きく影響するため、特許文献1〜3に示すように、建方計画を適切に支援するシステムの開発が進められている。
構造物躯体の建方計画の一例として、建物躯体の建方計画の概要を図26の流れ図に示す。先ずステップS2601において、建物の構造図等に基づき柱、梁、床板、階段、外壁、設備ユニット等の躯体を構成する部材の数量を算出し、各部材の種類・位置・重量・形状等を記入した三次元躯体図D(図23参照。以下、躯体モデルDということがある。)を作成する。次にステップS2602において、建物の敷地条件・配置条件・近隣道路条件等からゲート位置・建方工法・建方方向・クレーン台数及び機種・構台使用の有無・建方サイクル工程等について基本方針案を作成する。ステップS2603において基本方針案に基づき躯体モデルDの建方計画案を作成する。
具体的には図26のステップS2603において、基本方針案に基づき、躯体モデルDの全部材を適当な数及び施工順序の部材の集まり(以下、建方区という。)に区分けした建方区図W(図24参照)を作成する。建方区の一例は、所定期間(例えば1日)で建方できる数の施工順序付き部材の集合である。更に、基本方針案に基づき建方に用いるクレーンの揚重性能や位置、姿勢(ブームの長さや起伏角度等)を計画し、建方区図Wに対するクレーン作業の可能性を検討して建方計画案を作成する。図26のステップS2602〜S2603では、複数の建方基本方針案、建方計画案を作成して比較検討するのが原則である。なお、同図に示すように広義の建方計画はクレーンの組み立て・解体計画等を含むが、以下の説明では建方区図Wの作成と建方区図Wに対するクレーン作業の可能性検討とからなる狭義の意味で建方計画の用語を使用する。
特許文献3は、建物の部材毎の建方位置を記録したプラン(躯体モデルDに相当)を表示すると共に建方に使用するクレーンの位置と部材の荷置き場位置とを指定し、前記プラン上で指定した日割工区(建方区図Wの建方区に相当)内の各部材の建方順序を設定し、指定した日割工区の各部材に対するクレーンの作業時間を少なくともクレーン位置、荷置き場位置、部材の重量・建方順、使用クレーンのパラメータから演算する建方支援システムの一例を開示する。
具体的には、図27の日割設定ウィンドウ1100のプラン表示部1110に前記プランを表示し、工区ブロック設定欄1140により対象日割工区を指定する。また、重機・ヤード設定部1160によりクレーンタイプ(トラッククレーン等)とクレーンの姿勢を定めるパラメータとクレーン位置と荷置き場位置とを指定する。更に、基本建方順序欄1190により対象日割工区の各部材の建方順序を設定する。図28の流れ図に示すように、建方順序が付与された対象日割工区の各部材データをワークファイルに転送し(ステップS2801〜S2802)、各部材の重量を求め(ステップS2803)、各部材の重量や位置・荷置き場位置・クレーンの位置や性能等のデータを用いて荷置き場から配置位置までの部材配置に要する作業時間を計算する(ステップS2804)。必要に応じて、部材の建方順序に基づき既に配置済の部材とクレーンとの干渉を検出し、干渉している場合は警告を表示し、部材の建方順序の変更を促す(ステップS2805〜S2806)。対象日割工区内の全部材の計算値に基づき、工区内の部材の総重量と総作業時間を表示する(ステップS2807)。
図27の日割設定ウィンドウ1110では、測定値表示欄1170において対象日割工区内の部材を指定することにより、重機・ヤード設定部1160で設定したクレーンの姿勢パラメータに基づき、クレーン位置から指定部材までの水平距離、指定部材の定格荷重等を計算して自動表示することができる。また、図29に示すように、例えば対象日割工区内の4本の柱部材2310〜2340の各々を中心としてクレーンの作業半径2312〜2342を表示し、それらの作業半径2312〜2342の重畳部分を確認しながらクレーンの位置を入力することにより、柱部材2310〜2340が揚重できるクレーン位置の入力の容易化を図ることができる。
特開平3−291763号公報 特開平6−325134号公報 特開2001−222570号公報
しかし従来の建方支援システムは、コンピュータとの対話形式により建方計画の容易化を図るものの、例えば日割工区毎にクレーン位置や姿勢のパラメータ等を指定(入力)しなければならないので、建方区図Wに適用可能なクレーン計画案の作成に時間がかかる問題点がある。実際の建方工事では短工期で安全性及び経済性に優れたクレーンの揚重性能や位置、姿勢を選択する必要があり、図26を参照して説明したように、建方区図Wのクレーン作業が実施可能な多数のクレーン計画案を作成し、工期や安全性、経済性等を相互に比較検討できることが望ましい。従来の建方支援システムでは、クレーン計画案の作成に時間がかかるため、経験等に基づき比較的少数のクレーン計画案の比較検討に止まらざるを得ないのが現実である。このため、クレーン計画案の作成に熟練を要するだけでなく、選択したクレーン計画案が工期や経済性等の面から最適であるか否かを客観的に判断することが難しい。最適な建方計画を支援するため、建方区図Wに適用可能な複数のクレーン計画案を効率的・自動的に作成できるシステムの開発が望まれている。
そこで本発明の目的は、構造物躯体の建方に適用可能なクレーン計画案を効率的に作成できる建方用クレーン計画方法及びプログラムを提供することにある。
図1のブロック図、図4〜9の流れ図、及び図22の実施例を参照するに、本発明の建方用クレーン計画方法は、構造物躯体の部材M毎の建方位置・重量・形状が記録された三次元躯体図Dと、建方に用いるクレーンCの揚重性能G及び姿勢Q・最小作業半径Rm・クレーン基部の抵触し得る危険半径Rdが記録されたクレーンデータベースTとをコンピュータ1に記憶し;コンピュータ1により、躯体図Dを複数の施工順序付き建方区Ei(1≦i≦n、nは建方区数。図22ではE1〜E13)に区分けした建方区図Wを生成し、建方区図W上にクレーンCの可動域Vを記入し、建方区図W上の建方対象建方区Ei毎に当該建方区Ei及び当該建方区Eiより施工順序が先行する先行建方区Ej(j<i)の平面投影域UからクレーンCの最小作業半径Rm以上且つ危険半径Rd以上離れたクレーン可動域V内の領域としてクレーン実効可動域Nを定め、対象建方区Ei(例えばE13)の図心から最短距離のクレーン実効可動域N内の位置を初期クレーン位置S1として算出し、クレーンCの揚重性能G及び姿勢Qと初期クレーン位置S1とに基づき対象建方区Ei(例えばE13)の全部材Mの建方可能性(以下、クレーン作業可能性ということがある。)を部材M毎に判定し、判定不合格部材Meの検出時にクレーン位置を当該不合格部材Meの建方位置から最短距離のクレーン実効可動域N内の位置S2に更新し、更新クレーン位置S2に基づき対象建方区Ei(例えばE13)の判定不合格部材Me又は全部材Mのクレーン作業可能性を再判定することにより対象建方区Ei毎に建方作業(以下、クレーン作業ということがある。)を可能とするクレーン作業位置を検出してなるものである。
また図1のブロック図及び図22の実施例を参照するに、本発明の建方用クレーン計画プログラムは、構造物躯体のクレーンCによる建方を検討するため、コンピュータ1を、躯体の部材M毎の建方位置・重量・形状が記録された三次元躯体図Dと、建方に用いるクレーンCの揚重性能G及び姿勢Q・最小作業半径Rm・クレーン基部の抵触し得る危険半径Rdが記録されたクレーンデータベースTとを記憶する記憶手段2;躯体図Dを複数の施工順序付き建方区Ei(1≦i≦n、nは建方区数。図22ではE1〜E13)に区分けした建方区図Wを生成する建方区生成手段40;建方区図W上にクレーンCの可動域Vを記入する可動域記入手段62;建方区図W上の建方対象建方区Ei毎に当該建方区Ei及び当該建方区Eiより施工順序が先行する先行建方区Ej(j<i)の平面投影域UからクレーンCの最小作業半径Rm以上且つ危険半径Rd以上離れたクレーン可動域V内の領域としてクレーン実効可動域Nを定める実効可動域計算手段71;対象建方区Ei(例えばE13)の図心又は当該建方区Ei(例えばE13)の特定部材Mの建方位置からの最短距離のクレーン実効可動域N内の位置を建方区最短クレーン位置S1又は部材最短クレーン位置S2として算出するクレーン位置算出手段63;並びにクレーンCの揚重性能G及び姿勢Qと建方区最短クレーン位置S1とに基づき対象建方区Ei(例えばE13)の全部材Mのクレーン作業可能性を部材M毎に判定し、判定不合格部材Meの検出時に当該不合格部材Meの部材最短クレーン位置S2に基づき対象建方区Ei(例えばE13)の判定不合格部材Me又は全部材Mのクレーン作業可能性を再判定することにより対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とするクレーン作業位置を検出する建方可能性判定手段70として機能させるものである。
好ましくは、クレーンデータベースTにクレーンCの変更可能な所定順序の姿勢Qiと当該姿勢Qi毎の最小作業半径Rm及び危険半径Rdとを記憶し、最大又は最小順位の姿勢を初期クレーン姿勢Q1とし且つ降順又は昇順の姿勢を更新クレーン姿勢Q2として選択するクレーン姿勢選択手段64をコンピュータ1に設ける。実効可動域計算手段71により初期クレーン姿勢Q1の最小作業半径Rm及び危険半径Rdに基づき対象建方区Eiのクレーン実効可動域Nを定め、建方可能性判定手段70によりクレーンCの揚重性能と初期クレーン姿勢Q1と建方区最短クレーン位置S1とに基づき対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を判定し且つ判定不合格部材Meの検出時に更新クレーン姿勢Q2に基づき対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を再判定することによって対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とするクレーン作業姿勢を検出する。
更に好ましくは、前記更新クレーン姿勢Q2に基づく再判定時に実効可動域計算手段71により更新クレーン姿勢Q2の最小作業半径Rm及び危険半径Rdに基づきクレーン実効可動域Nを更新し且つクレーン位置算出手段63により更新クレーン実効可動域N内の位置としてクレーン位置Sを再計算し、建方可能性判定手段70により更新クレーン姿勢Q2と再計算クレーン位置Sとに基づき対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を再判定する。
また、躯体を複数のクレーンCで並列に建方する場合は、建方区生成手段40により躯体図Dをクレーン別に建方する複数の並列建方区At(1≦t≦u、uは並列建方区数)に分けた上で各並列建方区Atを複数の施工順序付き建方区Et,i(1≦i≦n、nは並列建方区At毎の建方区数)に区分けし、各並列建方区Atの建方区Eiの施工順序を同期化する建方区同期化手段61を設け、クレーン作業可能性の判定にクレーンCの相互間の干渉判定を含めることができる。
好ましくは、コンピュータ1の記憶手段2に、躯体と並列に施工する他の工事及び障害物の三次元位置を建方区Eiに対応する施工順序付き工区Esに区分けして記録した工事関連図F(図25参照。以下、三次元関連図F又は関連モデルFということがある。)と躯体の部材M毎の建方位置への搬送経路Hとを記憶し、躯体図Dの建方区Eiと関連モデルFの工区Esとの施工順序を同期化する建方区同期化手段61を設け、対象建方区Eiの各部材Mの搬送経路Hと他の工事及び障害物と接触を判定する搬送経路判定手段66を設ける。例えば搬送経路判定手段66により、躯体図Dの判定対象部材M毎に荷揚げ位置から建方位置への搬送経路H(直線や曲線又は経路上の複数座標)を記憶手段2に登録し、関連モデルF上に登録された高圧送電線等と搬送経路Hとの接触を判定する。荷揚げ位置から建方位置に至る経路全体を登録する必要はなく、接触判定の対象とすべき搬送経路の一部分(例えば障害物近傍の経路部分)を登録すれば足りる。
更に好ましくは、予め記憶手段2に設定された判定対象部材M毎の搬送経路Hに基づいて接触判定を行うのではなく、コンピュータ1の記憶手段2に工事関連図Fと躯体の部材M毎の荷揚げ位置Pとを記憶し、データベースTにクレーンCの最小作業半径Rmと共に最大作業半径Rxを記録し、クレーンCの最小作業半径Rm及び最大作業半径Rxの範囲内での後戻りアルゴリズム(クレーンCのブーム先端が最小作業半径Rmと最大作業半径Rxの間でしか移動できない条件を利用したバックトラックによる探索アルゴリズム)により対象建方区Eiの各部材の荷揚げ位置Pから建方位置への搬送経路を探索する搬送経路探索手段67を設ける。
本発明の建方用クレーン計画方法及びプログラムは、躯体モデルの施工順序付き建方区図に応じて建方区毎にクレーン作業を可能とするクレーンの位置・姿勢・揚重性能・搬送経路等を自動的に検出することができるので、次の顕著な効果を奏する。
(イ)躯体モデルに対しクレーン作業が実施可能な多数のクレーン計画案を効率的・自動的に作成できる。
(ロ)実施可能な多数のクレーン計画案を作成できるので、それらの工期や安全性、経済性等を参照しながら工事現場に応じて修正することにより、現場毎に最適の建方計画を支援することができる。
(ハ)クレーンの位置や姿勢を更新しながらクレーン作業可能性の判定を繰り返すので、実際のクレーン作業に合致したクレーンの位置や姿勢を自動選定できる。
(ニ)揚重性能が異なる複数のクレーン機種を記憶しておけば、躯体モデルに対してクレーン作業を可能とする揚重性能のクレーン機種を自動的に選定できる。
(ホ)クレーンの最小作業半径及び危険半径を考慮してクレーン実効可動域を定めるので、実施不能なクレーン計画案を適切に排除できる。
(ヘ)クレーン形式に応じて姿勢の変更の態様を代えながらクレーン作業可能性を判定できるので、実際の使用状況と合致したクレーン姿勢が選択できる。
(ト)躯体モデルの建方区を単位としてクレーンの位置や姿勢を選定するので、現実的な建方計画案が作成できる。
(チ)クレーン姿勢の変更時に実効可動域の変更を考慮することにより、実施不能なクレーン計画案を適切に排除できる。
(リ)躯体と並列に施工する他の工事及び障害物の三次元位置を記憶しておけば、部材M毎の荷揚げ位置から建方位置への搬送経路と他の工事及び障害物との接触を判定できる。
図3の流れ図は、本発明を用いた構造物躯体の建方計画システムの処理概要を示す。同図の建方計画システムは、構造物の躯体モデルDの作成処理(ステップS301)と、構造物躯体と並列に施工する他の工事や送電線等の障害物の三次元位置を記録した工事関連図F(図25参照)の作成処理(ステップS302)と、建方計画案24の生成処理(ステップS303)と、建方計画案24の更新処理(ステップS304)とからなる。建方計画案24の生成処理は本発明のクレーン計画システムを含み、躯体モデルDと関連モデルFとから建方計画検討の際に参考となるべき実施可能な複数の建方計画案24を生成するプログラム群で実現される。建方計画案24の更新処理は、生成された建方計画案24の手動操作による変更・修正の容易化を図り、建方計画実施案25の作成を支援するプログラム群で実現される。同図の建方計画システムにより、躯体モデルDについて実施可能な複数の建方計画案24を工期や安全性、経済性等の面から比較検討することが可能となり、構造物躯体に最適な建方計画を支援することが可能となる。
図1は、図3の建方計画システムを実現するプログラム群及びデータを内蔵したコンピュータ1の実施例を示す。図示例のコンピュータ1は、躯体モデルD、関連モデルF、建方区図W及びクレーンデータベースTを記憶する記憶手段2と、躯体モデルDの作成手段90と、関連モデルFの作成手段91と、建方区図Wを生成・更新する建方区生成手段40及び更新手段50とを有する。作成手段90及び91は図3の躯体モデル作成処理(ステップS301)及び関連モデル作成処理(ステップS302)を実現するプログラム群であり、その一例は3次元CAD(Computer-Aided Design)プログラムである。また図示例のコンピュータ1はクレーン計画検討手段60を有するが、この詳細については後述する。
(1)クレーン計画システムで用いるデータ構造
躯体モデルD及び建方区図Wの基本データ構成の一例を図2(A)に示す。同図の躯体モデルD及び建方区図Wは、通り芯や階層数・階層高さ等の躯体全体に関するCADデータと、躯体を構成する部材毎の建方位置・重量・形状等の属性を示すCADデータとの集合体である。部材毎の属性を示す数値・文字データはCADデータに含めることも可能であるが、図示例ではCADデータから独立させた部材属性ファイルとして管理している。部材属性データは、図2(B)に示すように部材特性、算定用、及び算定結果格納用に分けられる。算定結果格納用データは、図3のステップS303において複数の建方計画案24を作成する際に建方計画案24毎に作成される。
部材属性データのうち部材特性データの部材種類及び部材種類グループは、後述する建方区図Wの生成処理(図4のステップS402)において、例えばカーテウォール等の外壁部材と柱・梁等の主要構造部材とを異なる建方区Eiに割り当てる際等に利用する。部材種類は、後述する建方区図Wのクレーン計画検討処理(図4のステップS403)において、検討対象部材と検討不要部材とを識別する際にも利用できる。部材特性データのユニットIDは複数の部材を1つのユニット部材として取り扱うためのものであり、例えば複数の大梁と小梁を組み合わせたユニット部材について、建方区図Wの生成処理では同一の建方区とするためにユニットIDを用いて1部材として取り扱い、建方区図Wのクレーン計画検討処理では場合に応じて1部材又はユニット化以前の複数の部材として取り扱うことが可能である。
部材属性データのうち算定用データの所属通り芯、所属格子点、重心位置に、部材毎の建方位置を記録する。格子点(Xr、Yq、Zp)は躯体モデルD上の階層Zp毎に想定したX方向及びY方向の水平通り芯Xr、Yqの交点の座標であり、部材上又は近傍の1つ以上の格子点(Xr、Yq、Zp)を所属格子点として記録する。所属通り芯や格子点に代えて、躯体モデルDの部材上の三次元座標を建方位置として記録してもよい。
部材属性データのうち算定用データの重量、形状に、部材毎の重量、部材毎の断面形・長さ等を記録する。部材の重量は、部材の断面積・長さ、別途登録する比重、接合部(パネルソーン)をもつ柱部材では接合部重量付加のための重量割増係数等から近似値を算出することもできる。例えば柱部材及び大梁の重量の近似値を、全ての柱部材及び大梁部材について断面積と長さと比重とから基となる重量を計算した上で、重量算出の対象柱部材に所属する格子点(Xr、Yq、Zp)と同一の格子点を持つ全ての大梁について平均ブラケット長さ又はX方向、Y方向、XY方向の方向毎のブラケット長さ又は梁毎のブラケット長さに相当する大梁部材の部分重量を算出し、その重量を柱部材には増加すると共に大梁部材から減少し、柱部材及び大梁部材の種類別毎の重量割増係数を乗じることにより算出することができる。
関連モデルF(図25参照)のデータ構成例の一例を図2(C)に示す。同図の関連モデルFは他工事モデルS201と障害物モデルS202とを含む。他工事モデルS201は、構造物躯体の建方中に並列に施工される掘削工事やコンクリート工事等の三次元位置を記憶したものである。躯体モデルDの建方工事と他工事モデルS201の工事との相互干渉を考慮して実際的なクレーン計画を検討するため、他工事モデルS201は、後述する躯体モデルDの建方区Eiに対応する施工順序付き工区Esに分割して記憶することができる(図6のステップS602の同期化処理参照)。障害物モデルS202は、建方する躯体近傍の既設建物や送電線や既設天井ドームのように工事期間中に建方現場に存在する形状物の三次元位置を記憶する。他工事モデルS201及び障害物モデルS202からなる関連モデルFは、後述する建方区図Wのクレーン計画検討処理のうち接触判定S2004(図20参照)の際に考慮される。
クレーンデータベースTには、クレーンCの定置式又は移動式の区別、吊り上げ性能を示すクレーン揚重性能仕様G(以下、単にクレーン性能Gということがある。)、メインブームやジブブームの長さ・起伏角度等で定まるクレーン姿勢仕様Q(以下、単にクレーン姿勢Qということがある。)、クレーンCが作業できる旋回中心からの最小作業半径Rm及び最大作業半径Rx、クレーンCの基部の抵触し得る危険半径Rd等を記録する。クレーン姿勢Qは、クレーンCのフロントアタッチメントの折れ線又は直線形状を定める。クレーン危険半径Rdは、例えばクレーンCの下部走行体やアウトリガの占有半径である。なお、クローラクレーンでは旋回中心とカウンター重り端部の間との距離により危険半径Rdが定まり、トラッククレーンでは旋回中心と旋回部分端部の間との距離により危険半径Rdが定まる。但し、クレーンCの基部の抵触し得る領域は円形に限らず多角形となる場合もあるので、クレーンCの危険半径Rdを一定値として記録するのではなく所定大きさ・形状の多角形として記録し、クレーンCの向きや動線の方位等に基づき危険半径Rdを適宜算出するようにしてもよい。
表1のクレーン形式一覧表は、移動式・定置式の種別、ブームの本数、トラス式・油圧式の種別等により11種類のクレーン形式を定義したものである。本発明のクレーン計画システムでは、例えば表1に示すクレーン形式の範囲内にあるクレーン機種の性能G(性能呼称、100t等)及び姿勢Q(メインブームやジブブームの長さ等)をクレーンデータベースTに記憶することにより、各々のクレーン機種を取り扱う。例えば、特定のクレーン形式について性能Gが異なる複数のクレーン機種を記憶しておくことにより、後述するように、建方区図Wに対してクレーン作業を可能とする性能Gのクレーン機種を自動的に検出することができる。また、クレーン機種毎に異なる姿勢Qを所定順序で登録しておけば、後述するように、建方区図Wに対してクレーン作業を可能とするクレーン姿勢を自動的に検出できる。
Figure 2004239050
クレーン性能G及び姿勢Qの一例は、クレーン機種毎の定格総荷重表である。表1のクレーン形式No.01〜05はメインブーム長さLbとジブブーム長さLjとタワー(メインブーム)オフセット角度αとジブブームオフセット角度βとにより姿勢Qが定まるので、例えばその長さLb・LJと角度α・βの取り得る範囲を姿勢Qとして登録する。クレーン形式No.06〜11ではメインブーム長さLbとジブブーム長さLjとジブブームオフセット角度βとメインブーム起伏角度αとにより姿勢Qが定まるので、例えばその長さLb・LJと角度β・αの取り得る範囲を姿勢Qとして登録する。
表1のクレーン形式No.01〜05はジブブームオフセット角度βが連続的に変化するグループであり、クレーン形式No.06〜11はメインブーム起伏角度αが連続的に変化するグループである。従って、表1のようにクレーン形式を2種類のグループに分けることにより、クレーン姿勢Qを定める基本算定式としてクレーン形式毎の算出式ではなく2種類のグループ毎の算定式を用いることができ、後述するクレーン計画検討処理のプログラム構成を単純化できる。クレーン形式が異なっても、例えば基本算定式中のジブブーム長さLjの変数値を零にする等の変更により、グループの範囲内においては同一の算出式で対処できる。
なお図1の記憶手段2は、躯体モデルD・建方区図W・関連モデルF・クレーンデータベースTの他に、搬送経路Hと荷揚げ位置Pとを記憶している。搬送経路Hは躯体モデルDの部材毎の建方位置への搬送経路であり、クレーン計画検討処理における経路指定時の搬送経路判定(図11参照)の際に使用するが本発明に必須のものではない。また、荷揚げ位置Pは躯体モデルDの部材毎の荷揚げ位置であり、後述する揚重途中での搬送経路探索(図12〜18参照)の際に使用するがやはり本発明に必須のものではない。
(2)クレーン計画システムを構成するプログラム群
次に図4〜9を参照して、本発明によるクレーン計画システムの好ましい流れ図の一例を説明する。図4の流れ図は、図3の建方計画案24の生成処理(ステップS303)の詳細を示す。図4のステップS401では、躯体モデルD(図23参照)及び関連モデルF(図25参照)を記憶装置2から取り出す。ステップS402では、建方区生成手段40により、躯体モデルDを例えば躯体の階層数又は総部材数等に基づき複数の並列建方区At(1≦t≦u、uは並列建方区数)に分割し、更に適当な建方工法に基づき各並列建方区Atを複数の施工順序付き直列建方区Eiに区分けして建方区図W(図24参照)を生成する。ステップS402で作成した建方区図Wに基づき、ステップS403のクレーン計画検討において、各建方区Eiの部材M毎にクレーン作業可能性を判定する。ステップS404において、ステップS403でのクレーン計画の検討結果によって建方区図Wの修正が必要か否かを検討し、必要な場合はステップS402へ戻り、適切な建方計画案ができるまで建方区図Wの修正とクレーン計画検討とを繰り返す。建方区図Wの修正が一部分であれば、クレーン計画検討もその修正部分のみの再検討で済む場合もあり得る。
一般に建方区は、単独の建方作業班・クレーンCにより順次連続的に建方する場合(以下、この場合の建方区を直列建方区Eiという。)と、複数の建方作業班・クレーンCにより並列的に建方する場合(以下、この場合の建方区を並列建方区Atという。)とがある。並列建方区Atは、複数台のクレーンCを用いて躯体を同時に並列して建方する場合に各クレーンCが受け持つ躯体部分であり、通常は更に施工順序付きの直列建方区Eiに分割して建方する。1台のクレーンCを用いて建方する場合は、並列建方区Atに分割する必要はない。
ステップS402で生成する建方区図Wの直列建方区Eiは、ステップS403におけるクレーン計画検討処理の単位となる。直列建方区Eiは部材の集合であるが、この直列建方区Eiの1つ又は複数で、例えば1日単位又は半日単位で建方できる大きさの周期建方区Piとすることができる。この周期建方区Piをクレーン計画検討の単位としてもよい。また、移動式クレーンCにより建逃げ工法(屏風建て工法)で躯体を建方する場合は、クレーン位置Sを変更する建逃げ毎の躯体部分に相当する1つあるいは複数の周期建方区を纏めて1つのブロック建方区Biとし、ブロック建方区Biをクレーン計画検討の単位としてもよい。以下の説明では、クレーン計画検討の単位として使用する直列建方区Ei、周期建方区Pi及びブロック建方区Biを総称して建方区Eiと表す。建方区Ei毎に大きさが異なっていてもよい。
ステップS403のクレーン計画検討処理を実現するプログラム群として、図1のコンピュータ1はクレーン計画検討手段60を有する。クレーン計画検討手段60は、建方区同期化手段61、クレーン可動域記入手段62、クレーン位置算出手段63、クレーン姿勢Qを自動的に選定するクレーン姿勢選択手段64、クレーン性能Gを自動的に選定するクレーン性能選定手段65、搬送経路判定手段66、搬送経路探索手段67、及び建方可能性判定手段70を含む。また建方可能性判定手段70は、実効可動域計算手段71、作業距離判定手段72、定格総荷重判定手段73、吊り高さ判定手段74、及び接触判定手段75を含む。
ステップS403のクレーン計画検討処理は、図5に示すように、建方地点(部材をその建方位置へ設置する段階)でのクレーン作業可能性の検討処理S501と、揚重途中(部材を荷揚げ位置から建方位置へ搬送する段階)でのクレーン作業可能性の検討処理S502とを含む。建方地点でのクレーン作業可能性の検討処理S501はクレーン計画検討の際に必ず行うが、揚重途中のクレーン作業可能性の検討処理S502は必要に応じて行えばよい。また、建方地点の検討処理S501と揚重途中の検討処理S502とを組み合わせて行っても、別個に行ってもよい。建方地点でのクレーン作業可能性の検討処理S501では、クレーン性能G、クレーン姿勢Q及びクレーン位置Sが指定されている場合は、その指定に基づき部材M毎に判定結果を示す。またクレーン性能G、クレーン姿勢Q又はクレーン位置Sの何れか又は全てが指定されていなければ、それらの自動選定案と確認用の判定結果を出力する。揚重途中のクレーン作業可能性の検討処理S502では、部材毎に荷揚げ地点から建方地点への搬送経路が指定されていれば、部材毎に判定結果を示す(図11参照)。また、搬送経路が指定されていなければ、その搬送経路の自動探索結果を出力する(図12〜19参照)。
(3)クレーン計画システムにおける判定項目
ステップS403のクレーン計画検討における判定項目は、図20に示すように揚重に関する作業距離判定・定格総荷重判定と、干渉に関する吊り高さ判定・接触判定とを含む。作業距離判定S2001は、判定対象部材が最大及び最小作業半径内にあるか否かの判定である。定格総荷重判定S2002は、対象部材がその建方位置で吊り上げられるか否かの判定である。吊り高さ判定S2003は、対象部材が建てられる程度まで吊り上げられる高さを判定するものである。接触判定S2004はクレーンCのフロントアタッチメント等と建方済躯体(既設躯体)等との接触の危険があるか否かを判定するものである。各建方区Eiの部材毎に揚重に関する判定と干渉に関する判定を同一のクレーン位置から行う。なお、建方地点のクレーン作業可能性判定S501において、クレーン形式によっては干渉に関する判定を省略できる場合がある。
揚重に関する作業距離判定と定格総荷重判定は、互いに相補う判定である。揚重途中のクレーン作業可能性判定S502では、例えば作業距離判定を主体とする揚重判定を用いる。すなわち、先にクレーンCのクレーン性能G及びクレーン姿勢Qの下での最大定格総荷重が判定対象部材Mの総荷重(部材重量にフック・ワイヤと吊り治具重量を付加)以上か否かの予備的な判定を行い、次に主判定として当該クレーンCのクレーン性能G及びクレーン姿勢Qの下で判定対象部材Mの総荷重を揚重できる最大及び最小作業半径内にあるか否かの作業距離判定を行う。揚重途中のクレーン作業可能性判定S502では、既に対象部材Mの建方地点でのクレーン作業可能性判定が合格しており、その結果として部材Mの総荷重が当該クレーンCの最大定格総荷重以下であることが分かっているので、コンピュータ計算量の節約になるからである。また建方地点のクレーン作業可能性判定S501では、例えば定格総荷重判定を主体とする揚重判定を用いる。すなわち、先にクレーンCのクレーン性能G及びクレーン姿勢Qの下での最大作業半径と最小作業半径内に判定対象部材Mの建方位置が収まっているか否かの予備的な判定を行い、次に主判定として当該クレーンCのクレーン性能G、クレーン姿勢Q、及び対象部材Mの建方位置とクレーン位置(クレーン水平旋回中心位置)との水平距離(以下、クレーン水平距離ということがある。)の下で対象部材Mの総荷重が当該クレーンCの定格総荷重以下であるか否かの定格総荷重判定を行う。建方地点のクレーン作業可能性判定S501では、建方区Ei毎に1箇所のクレーン位置Sから全部材のクレーン作業可能性の判定を必ず行うので、コンピュータ計算量の節約になるからである。
干渉に関する判定項目は、接触判定のみを用いる場合と、接触判定及び吊り高さ判定を組み合わせる場合とがある。揚重途中のクレーン作業可能性検討S502では、例えば揚重中の部材を考慮した接触判定のみを用いる。すなわち、接触判定でクレーンCのフロントアタッチメント又は揚重中の部材Mが建方済躯体(既設躯体)等と接触の危険があるか否かの接触判定のみを用いる。また、建方地点でのクレーン作業可能性検討S501では、揚重中の部材を考慮しない接触判定と吊り高さ判定とを組み合わせて用いる。すなわち、接触判定でクレーンCのフロントアタッチメントと建方済躯体(既設躯体)等との接触の危険があるか否かを判定する場合は、吊り高さ判定S2003との組み合わせで干渉に関する判定を行う。建方地点でのクレーン作業可能性検討S501では、建方地点での部材の設置高さのデータがあるので、それに基づいて吊り高さ判定により接触判定で対象部材Mを除外でき、その結果としてコンピュータ計算量の節約になるからである。
図1に示す作業距離判定手段72は、対象建方区Eiの判定対象部材Mの建方位置とクレーン位置とからクレーン水平距離を求め、クレーン水平距離がクレーン性能G・クレーン姿勢Q又はクレーン性能G・クレーン姿勢Q・対象部材Mの総荷重から求まるクレーンの最大及び最小作業半径内にあるか否かを判定する。作業距離判定が不合格である部材については他の判定項目を実施する必要性がないので、作業距離判定は他の判定項目に先駆けて行うとよい。図1の定格総荷重判定手段73は、クレーン性能Gとクレーン姿勢Qとクレーン水平距離とからクレーンデータベースTにより定格総荷重を求め、対象部材Mの重量とフック・ワイヤ重量と吊り治具重量との和からなる対象部材Mの総荷重が当該定格総荷重以下にあるか否かを判定する。なお、クレーンCの定格総荷重表をクレーンデータベースTに記憶する代わりに、定格総荷重表を作成する元の計算式を記憶して用いてもよい。図1の吊り高さ判定手段74は、クレーン水平距離とクレーン姿勢Qとから、対象部材Mの建方位置においてクレーン・フロントアタッチメント先端の吊り高さ余裕(クレーン先端高さ−対象部材天端高さ)を求め、吊り高さ余裕と対象部材Mの吊りしろとの比較により対象部材Mが建方可能な程度まで吊り上げられるか否かを判定する。対象部材Mの吊りしろは、予めクレーンデータベースTに記憶しておく。図1の接触判定手段75は、クレーンCのフロントアタッチメント又は揚重途中の部材Mと建方済躯体又は関連モデルFとの間に一定距離以上の離間距離があるか否かを判定する。
(4)クレーン計画検討処理の流れ図
図6は、図4のクレーン計画検討処理(ステップS403)の流れ図の詳細を示す。図6では、(a)先ず、クレーン可動域記入手段62により建方区図W上にクレーンCの可動域Vを記入し、建方区図Wの並列建方区Atや関連モデルFの工区Esの相互間の同期化が必要である場合は、建方区同期化手段61によりそれらの同期化を行う(ステップS601〜S602)。(b)次いで、クレーン計画検討手段60により建方区Ei毎に建方地点でのクレーン作業を可能とするクレーン位置やクレーン姿勢等を検出し、建方計画案24を作成する(ステップS603)。(c)最後に、揚重途中に障害物等がある場合は、搬送経路判定手段66及び搬送経路探索手段67により部材の搬送経路におけるクレーン作業の可能性判定や搬送経路探索を行い、実施可能な建方計画案24を作成する(ステップS604〜S605)。以下、各処理内容を説明する。
(4−a)他工事区・並列建方区の同期化処理
建方区図Wのクレーン作業可能性の判定に先立ち、先ずクレーン可動域記入手段62により、建方区図W上にクレーン可動域Vを記入する。図1のクレーン可動域記入手段62は、例えばコンピュータ1の入力手段3から入力された又は記憶手段2に予め記憶されたクレーン可動域Vの座標に基づき、建方区図Wや関連モデルF上に移動式クレーンCの場合は可動域(二次元)又は動線(一次元)を記入し、定置式クレーンCの場合は設置域(二次元)を記入するプログラム群である。記入手段62の一例も3次元CADプログラムである。本明細書では、移動式クレーンCの可動域又は動線と定置式クレーンCの設置域とを纏めてクレーン可動域Vと表わす。
また図6のステップS601〜S602において、並列建方区Atの相互間の同期化が必要である場合は、クレーン計画検討手段60の建方区同期化手段61により並列建方区Atの相互間の建方区Eiの施工順序(建方順序)を同期化する。必要に応じて、並列建方区Atの建方区 Eiと関連モデルFの工区Esとを同期させた上で、クレーン作業可能性を判定してもよい。並列建方区Atの相互間の建方区Eiの施工順序を同期化させることにより、複数の並列建方区Atで同一時期に同一領域で建方工事を行う際の建方検討が可能となる。
図21(A)は、建方区同期化手段61による並列建方区Atの相互間の建方順序の同期化方法の流れ図を示す。ステップS2101において建方順序を同期化する2つの並列建方区At(例えば並列建方区A1とA2)を取り出す。ステップS2102でそれぞれ並列建方区Atに所属している建方区Eiのうち同期化が必要な連続した建方区Eiの群を指定し、ステップS2103において2つの並列建方区Atの各々において同期化する建方区 Eiの対を指定する。指定がない場合は、省略値(デフォルト)として、各並列建方区Atに所属する先頭の施工順序の建方区Ei同士のみを同期化する。各並列建方区Atの建方区Eiの列は、建方経過日数又は暦日の順序で並べられている。
図21(B)は同期化する建方区Eiの対の指定方法の一例を示し、この例では並列建方区A1の建方区E1、E6、E7と並列建方区A2の建方区E1、E4、E6との施工順序を一致させることにより同期化している。ステップS2104において更に同期化する並列建方区Atがあるか否かを判断し、未同期の並列建方区Atがある場合はステップS2101へ戻り、同期化が必要な全ての並列建方区Atの建方区Eiの建方順序を同期する。並列建方区Atの建方区Eiと関連モデルFの工区Esとを同期化する場合は、図21(A)の流れ図と同様にして、関連モデルF上の必要な工区Esと並列建方区Atの建方区Eiとを対応付けて施工順序を一致させることにより同期させる。
並列建方区Atの相互間の同期化及び並列建方区Atと関連モデルFとの同期化により、複数のクレーンによって同一時期・同一領域の建方を行う際のクレーン作業可能性の実際的な検討、及び他の工事の影響があるときのクレーン作業可能性の実際的な検討が可能となる。例えば、躯体全体をカバーできる2台のクレーンを用い、1台目で柱部材・大梁部材の建方を行い、2台目で小梁部材・鉄骨階段の建方を行う場合に、並列建方区Atの建方区Eiを他の並列建方区Atの建方区Eiと同期化させることにより、クレーンの干渉(接触)の有無等を判定することが可能となる。なお、このように複数のクレーンCにより建方する場合は、そのなかに対象建方区Eiの部材を当該建方区Ei及び先行建方区Ejの平面投影域内のクレーン作業位置から建方する定置式クレーンC(例えばタワー型クレーン等)を含めてもよい。
(4−b)建方地点でのクレーン作業可能性の検討処理
図6のステップS603では、クレーンデータベースTに記録した何れかのクレーン形式(例えば、表1のNo.01〜No.11の何れか)を指定すると共に、クレーン性能G、姿勢Q及び位置Sを指定する。指定されたクレーン性能G、姿勢Q及び位置Sに基づき、建方区図Wの各建方区Eiの部材M毎に、建方地点でのクレーン作業可能性を検討する。但し、本発明では、クレーン性能G、姿勢Q、位置Sの指定がなければ、建方区図Wの建方区Ei毎にクレーン作業を可能とするクレーン性能G、姿勢Q、位置Sを自動的に検出することができる。従って、ステップS603ではクレーン形式のみを指定すれば足り、その他の指定は本発明に必須のものではない。なお、クレーン位置Sの自動検出では、移動式クレーンのみならず躯体領域外に設置する定置式クレーンC(例えばタワー型クレーン等)の位置検出も可能である。また、クレーンCの位置を指定する場合は、躯体領域の内外を問わず設定できる。
(4−b−1)建方地点でのクレーン作業可能性の検討処理の概要
図7は、クレーン性能G、姿勢Q、位置Sの自動的検出を可能とした建方地点でのクレーン作業可能性検討処理の流れ図を示す。この場合は、クレーンデータベースTに、クレーン形式毎に性能Gが異なる複数のクレーン(クレーン機種)Cと、各クレーンCの所定順序の姿勢と、各クレーンCのクレーン水平距離毎の定格総荷重表とを記憶する。以下、この流れ図を参照して本発明によるクレーン計画方法を説明する。先ず図7のステップS701において建方区図Wから対象建方区Eiの部分を取り出し、ステップS702において対象建方区Ei毎に指定されたクレーン形式、クレーン性能G、クレーン姿勢Q及びクレーン位置Sを取り出す。但し、クレーン形式の指定は必須であるが、クレーン性能G、クレーン姿勢Q及びクレーン位置Sは指定されていなくともよい。
図7のステップS703において、クレーン性能G及びクレーン姿勢Qの指定があるか否かを判定する。クレーン性能Gの指定がない場合は、ステップS704においてクレーン性能選定手段65により初期クレーン性能G1を選択する。クレーン性能選定手段65は、例えばクレーンデータベースTに記憶したクレーンC毎の定格総荷重表(クレーン性能Gと建方部材重量との対応表)に基づき、建方対象建方区Eiの最大地上高さ部材までの距離が最大作業半径以下であり且つ対象建方区Eiの最大重量部材の負荷が最大定格荷重以下となる範囲内で最小又は最大の性能のクレーンを初期クレーン性能G1として選択する。例えば、最大地上高さ部材までの距離がブームの最大長さ以下であり且つ最大重量部材の負荷がそのブーム最大長さの定格総荷重以下である最小性能のクレーンCを初期クレーンC1 として選定する。
またステップS703においてクレーン姿勢Qの指定がない場合は、ステップS704においてクレーン姿勢選択手段64により初期クレーン姿勢Q1を選択する。クレーン姿勢選択手段64は、クレーンデータベースTに所定順序で登録されたクレーンCのクレーン姿勢Qのうち最大又は最小順位の姿勢を初期クレーン姿勢Q1として選択する。例えば、ブームの最大角度及び最大伸張長さの姿勢(最大作業半径が得られる姿勢)を初期クレーン姿勢Q1として選択することにより、クレーンのフロントアタッチメントが既設躯体と最も接触し難い初期クレーン姿勢Q1を選択する。クレーン姿勢Qを最大作業半径Rxの順序で登録しておき、初期クレーン性能G1の下で、例えば最大作業半径Rxの初期クレーン姿勢Q1を選択してもよい。なお、クレーン形式でブームが1本及びタワー式の場合はクレーン姿勢のパラメータはない。
図7のステップS705において、建方可能性判定手段70により建方区Eiの部材M毎のクレーン作業可能性の判定を行う。クレーン位置Sの指定がない場合は、ステップS705においてクレーン位置算出手段63により適切なクレーン位置Sを自動選択し、そのクレーン位置Sに基づき部材毎のクレーン作業可能性の判定を行う。クレーン位置Sは、クレーン可動域記入手段62で記入したクレーン可動域Vに基づき算出する。ステップS705における処理の詳細は図8を参照して後述するが、ステップS705の特徴は、対象建方区Ei毎にクレーンCの形式・性能・姿勢等に応じて、できるだけクレーンCを移動させずに全部材のクレーン作業可能性判定が合格する適切なクレーン位置Sを選択することにある。
図7のステップS706において対象建方区Eiの全部材がクレーン作業可能性判定に合格したか否かを判断し、全部材が合格したときはS708へ進み、クレーン検討結果を記録して当該建方区Eiのクレーン検討を終了する。1部材でも不合格部材があるときはステップS707へ進み、クレーン姿勢Qの指定がない場合はクレーン姿勢選択手段64により更新クレーン姿勢Qnを選択し、クレーン性能Gの指定がない場合はクレーン性能選定手段65及びクレーン姿勢選択手段64により更新クレーン性能Gn及び更新クレーン姿勢Qmを選択する。但し、ステップS707において、全てのクレーン性能及び姿勢の組み合わせを検討する必要はなく、クレーンデータベースTに降順又は昇順で記憶されているクレーン性能及び姿勢を適宜又は飛び飛びに選択してもよい。
図7のステップS707で更新クレーン性能Gn及び更新クレーン姿勢Qmを選択したのちステップS705へ戻り、更新クレーン性能Gn及び更新クレーン姿勢Qmに基づき建方区Eiの部材M毎のクレーン作業可能性を再判定する。対象建方区Eiの全部材がクレーン作業可能性判定に合格するか、又は全クレーン性能・姿勢でのクレーン作業可能性判定を終えるまで、ステップS705〜S707を繰り返す。全クレーン性能・姿勢でのクレーン作業可能性判定が終了した場合は、ステップS706からステップS708へ進んでクレーン検討結果を記録する。ステップS709で未検討の建方区Eiがあるか否かを判断し、あればステップS701に戻り、なければ建方地点でのクレーン作業可能性の検討を終了する。クレーンデータベースTに登録された性能の異なる全てのクレーンCについて判定した結果、不合格部材が1部材でも残る場合は、不合格部材が最も少ない場合の判定結果を記憶して出力する。
なお、クレーン姿勢(ブームの長さ、ブームのオフセット角度)が未指定でクレーン姿勢選択手段64によりクレーン姿勢Qが設定されている場合は、初期クレーン姿勢Q1のステップS706で全部材が合格した場合でも、更新クレーン姿勢Qnで1部材でも不合格になるか又はクレーンデータベースTにある指定クレーン形式及び指定クレーン性能における全クレーン姿勢でのクレーン作業可能性判定を終えるまで、ステップS705〜S707を繰り返し行うことが望ましい。また、クレーン性能が未指定でクレーン性能選定手段65及びクレーン姿勢選択手段64によりクレーン性能・姿勢が設定されている場合は、初期クレーン性能G1及び初期クレーン姿勢Q1で全部材が合格した場合でも、更新クレーン性能Gn及び更新クレーン姿勢Qmで1部材でも不合格になるか又はクレーンデータベースTにある指定クレーン形式における全クレーン性能・姿勢でのクレーン作業可能性判定を終えるまで、ステップS705〜S707を繰り返し行うことが望ましい。
(4−b−2)建方地点でのクレーン作業可能性の検討処理の詳細
図8は、ステップS705における対象建方区Ei毎のクレーン作業可能性判定処理の詳細な流れ図を示す。また図22は、その流れ図を5階建て躯体の対象建方区E13のクレーン作業可能性検討に適用した事例である。先ずステップS801〜S802において、クレーン位置算出手段63により、対象建方区Ei(図22ではE13)のクレーン作業を行う初期クレーン位置S1を算出する。ステップS801では、実効可動域計算手段71により、建方区図W上に記入したクレーン可動域(動線を含む)Vから対象建方区Eiの先行建方区Ej(j<i)と関連モデルFの障害物の平面への投影領域との重畳部分を除外することにより、実効可動域(実効動線を含む)Nを求める。ステップS802では、クレーン位置算出手段63により、実効可動域Nの内側で、検討対象の建方区Eiの平面投影の図心との距離が最短距離となる位置として初期クレーン位置S1を算出する。なお、対象建方区Eiのクレーン位置Sが指定されていれば、その位置を初期クレーン位置S1として用いる。
ステップS801〜S802における実効可動域計算手段71及びクレーン位置算出手段63による初期クレーン位置S1の算出方法の詳細を図9に示す。図9のステップS901は、実効可動域計算手段71により、クレーン可動域Vの周縁クレーンの危険半径Rdだけ削り取ることにより修正する処理を示す。この修正が必要な理由は、クレーン可動域記入手段62で記入したクレーン可動域Vはクレーンの形式や機種に拘わらず一定であるのに対し、危険半径RdはクレーンCの形式や性能に応じて変化し得るため、クレーンCの建方現場外への逸脱やクレーンCと周囲の構造物と接触によって実施不能となるクレーン位置Sの算出を避けるためである。但し、逸脱や接触のおそれがないとき又はクレーン可動域Vが逸脱や接触の起こらないように記入されているときはステップS901を省略できる。
図9のステップS902〜S904は、実効可動域計算手段71により、クレーン可動域Vから対象建方区Eiのクレーン作業時に利用可能なクレーン実効可動域Nを算出する処理を示す。ステップS902において、対象建方区Ei(図22ではE13)と当該建方区Eiより施工順序が先行する先行建方区Ej(j<i、例えばE1〜E12)との平面投影域Uを算出する。ステップS903〜S904において、算出した平面投影域UからクレーンCの最小作業半径Rm以上且つ危険半径Rd以上離れたクレーン可動域V内の領域として、クレーン実効可動域Nを算出する。クレーン実効可動域Nに基づきクレーン位置Sを算出すれば、クレーン実効可動域NのクレーンCと検討対象の建方区Eiの全部材との間に必ずクレーンの最小作業半径Rm以上の距離が確保でき、クレーンCと既設躯体の建方済部材との間に必ずクレーンの危険半径Rd以上の距離が確保できるので、実施不能なクレーン位置Sの算出を避け、クレーンCの自動配置が可能となる。初期クレーン位置S1を算出する場合はステップS905からS906へ進み、実効可動域Nにおいて、検討対象の建方区Ei(図22ではE13)の投影図心との距離が最短となる建方区最短クレーン位置を初期クレーン位置S1として算出する。
なお、図9のステップS903〜S904では、平面投影域Uを指定クレーンの最小作業半径Rm以上且つ危険半径Rd以上の幅(最小作業半径Rmと危険半径Rdとの何れか大きい方)だけ拡張し、その拡径領域をクレーン可動域Vから除外してクレーン実効可動域Nを求めているが、クレーン実効可動域Nの算出方法はこの例に限定されない。また、クレーンの最小作業半径Rmはクレーンブームの長さ(伸縮度合)等により異なるため、クレーンの最小作業半径Rmはクレーン位置算出時のクレーン姿勢Qに基づいて定める必要がある。更に、クレーンの危険半径Rdはクレーン性能により異なるため、クレーンの危険半径Rdはクレーン位置算出時のクレーン性能Gに基づいて定める必要がある。必要に応じて、クレーン可動域Vから関連モデルFの投影領域(又はその拡張領域)と重なる部分を除外してクレーン実効可動域Nを求めることができる。
再び図8の流れ図に戻り、ステップS803において、指定され又は算出した初期クレーン位置S1に基づき、建方可能性判定手段70により、対象建方区Ei(例えばE13)の全部材Mのクレーン作業可能性を部材M毎に判定する。具体的には、作業距離判定手段72・定格総荷重判定手段73により揚重に関する判定を行い、吊り高さ判定手段74・接触判定手段75により干渉に関する判定を行う。例えば接触判定手段75では、対象部材Mの建方位置上にクレーン・フロントアタッチメント先端があるときに、先行建方区の関連モデルF又は既設躯体とクレーン・フロントアタッチメントの軸との間の最短距離が特定距離(例えば2mで判定不合格、4mで警告)内であるか否かで判定する。なお、関連モデルF及び既設躯体を面で表現し、その面とクレーン・フロントアタッチメント軸との最短距離により接触判定を行ってもよい。クレーン形式よって明らかに干渉が生じない場合は、干渉に関する吊り高さ判定及び接触判定を省略できる。
図8のステップS804において、対象建方区Ei(例えばE13)の全部材Mについて作業距離判定・定格総荷重判定・吊り高さ判定・接触判定が合格したか否かを判断し、合格した場合は対象建方区Eiの判定結果を記録して対象建方区Eiの処理を終了し、1部材でも不合格部材MeがあればステップS805へ進む。ステップS805において、全ての不合格部材Meが接触判定以外は合格で且つ接触判定のみ不合格の部材Msであるか否かを判断し、そうであればステップS806へ進み、そうでない場合はステップS808へ進む。
ステップS806〜S807は、全ての不合格部材Meが接触判定のみの不合格部材Msである場合に、クレーン位置算出手段63によりクレーン位置S1を対象建方区Eiの図心から所定距離だけ遠ざけてクレーン実効可動域N内の離隔クレーン位置S2に移動させ(図9のステップS908参照)、対象建方区Ei(例えばE13)の全部材Mについてクレーン作業可能性を再判定する処理を示す。クレーン位置S2を対象建方区Eiの図心から遠ざけることにより、既設躯体や障害物がクレーンCと近過ぎることに起因する接触判定の不合格を回避し、検討対象の建方区Ei内の全部材のクレーン作業を可能とする適切なクレーン位置を求めることができる。ステップS807において、離隔クレーン位置S2において対象建方区Eiの全部材についてクレーン作業可能性判定が合格したか否かを判断し、合格した場合はその結果を記録して対象建方区Eiの処理を終了し、そうでない場合はステップS806の処理結果を破棄してステップS808へ進む。ステップS806〜S807における処理は、後述する図10の流れ図のステップS1002〜S1006に相当する。
ステップS808〜S811は、初期クレーン位置S1でのクレーン作業可能性判定で不合格部材Meが1部材でもある場合に、クレーン位置Sを変えながらクレーン作業可能性を再判定する処理を示す。すなわち、建方区Ei毎に1箇所のクレーン位置からでは対象建方区Eiの全部材Mの建方ができない場合に、更新クレーン位置S2からクレーン作業可能性の再判定を行う。ステップS808において、クレーン位置算出手段63により、対象建方区Ei(例えばE13)のクレーン実効可動域Nにおいて、不合格部材Meの建方位置(重心)との距離が最短となる部材最短クレーン位置として更新クレーン位置S2を算出する(図9のステップS907参照)。ステップS809において、更新クレーン位置S2に基づき当該判定不合格部材Meのクレーン作業可能性を再判定する。建方区最短クレーン位置(初期クレーン位置)S1に比し部材最短クレーン位置(更新クレーン位置)S2は不合格部材Meに近づくので、クレーン位置を不合格部材Meに近づけて再判定することができる。
ステップS810において、更新クレーン位置S2における当該不合格部材Meのクレーン作業可能性判定が合格であるか否かを判断し、合格した場合はその結果を記録してステップS815へ進み、再び不合格であればステップS811へ進む。ステップS811において、再判定において不合格部材Meが接触判定以外は合格で接触判定のみ不合格の部材Msであるか否かを判断し、そうであればステップS812へ進む。そうでない場合はステップS814へ進み、クレーン更新位置S2からのクレーン作業性の再判定でも不合格部材Mrが残るという結果を記録する。なおステップS809において、後述する図31のステップS3117に示すように、不合格部材Meだけでなく対象建方区Eiの全部材Mについてクレーン作業可能性を再判定してもよい。
ステップS812〜S813は、再判定において不合格部材Meが接触判定のみの不合格部材Msである場合に、クレーン位置算出手段63によりクレーン位置S2と不合格部材Msとを結ぶ直線上でクレーン位置S2を所定距離ずつ段階的に遠ざけてクレーン実効可動域N内の離隔クレーン位置S3に移動させ(図9のステップS908参照)、当該不合格部材M3についてのクレーン作業可能性を離隔クレーン位置S3で再判定する処理を示す。ステップS813において、クレーン位置を遠ざけることによりクレーン作業可能性判定が合格したか否かを判断し、合格した場合はその結果を記録してステップS815へ進む。そうでない場合はステップS814へ進み、離隔クレーン位置S3からのクレーン作業性の再判定でも不合格部材Mrが残るという結果を記録する。ステップS812〜S813における処理は、後述する図10の流れ図のステップS1007〜S1011に相当する。
図8のステップS815は、更新クレーン位置S2又は離隔クレーン位置S3からのクレーン作業可能性の再判定により不合格部材Meが合格したのを受けて、初期クレーン位置S1における判定時に不合格となった他の不合格部材Me'がある場合に、更新クレーン位置S2又は離隔クレーン位置S3に基づき当該他の不合格部材Me'のクレーン作業可能性を判定する処理を示す。この不合格部材Me'は、前述のクレーン更新位置S2でのクレーン作業性判定の不合格部材Mrを含まない。ステップS815は必須ではないが、これにより建方の生産性に大きく影響するクレーン移動回数をできるだけ少なくするクレーン計画案を見出すことができる。ステップS816において、対象建方区Ei毎の初期クレーン位置S1に基づく判定結果が不合格の不合格部材Meについて、更新クレーン位置S2に基づく再判定を行っていないものがあれば、それような部材がなくなるまで更新クレーン位置S2に基づく再判定を繰り返す。
図8に流れ図を示した建方可能性判定手段70は、揚重に関する判定と干渉に関する判定とクレーン位置算出とを一体化することにより、適切なクレーン位置の自動検出を可能としたものである。対象建方区Eiのクレーン位置Sが指定されている場合でも、その指定位置Sに基づきクレーン作業可能性を判定することができる。また、建方区図W内にクレーン位置が指定された建方区Eiとクレーン位置が未指定の建方区Eiとが混在している場合でも、クレーン位置指定を優先することにより容易に対処することができる。クレーンの指定位置は躯体の領域内であってもよく、更に移動式クレーンのクレーン位置算出に限らず、躯体の領域外での定置式クレーンの位置算出にも適用可能である。
なお、図8の流れ図ではクレーン実効可動域Nに基づいてクレーン位置Sを算出することにより実施不能なクレーン位置Sの算出を避けているが、図7のステップS705〜S708で示したようにクレーン性能又はクレーン姿勢を更新した場合は、クレーンの最小作業半径Rm及び危険半径Rdのどちらか一方又は両方が変化する場合があるため、クレーン実効可動域Nが変更され、クレーン位置Sが実効可動域Nから逸脱する場合がある。このため、クレーン性能又はクレーン姿勢を更新した場合は、図8のステップS801において更新クレーン性能又は姿勢の最小作業半径Rm及び危険半径Rdに基づきクレーン実効可動域Nを更新し、更新したクレーン実効可動域に基づきクレーン位置Sを計算する。更新したクレーン実効可動域に基づきクレーン位置Sを再計算することにより、クレーン性能や姿勢の更新に応じてクレーン作業可能性を実際のクレーン使用状況と合致させて判定することができる。
(4−c)揚重途中のクレーン作業可能性の検討処理
図6のステップS604〜S605では、建方地点でのクレーン作業可能性が合格と判定された部材Mを対象として、その部材Mの荷揚げ位置から建方位置への搬送経路における建方可能を検討する。クレーン性能G、姿勢Q、位置Sは、対象部材M毎に建方地点でのクレーン作業可能性検討のものと同一とし、例えば対象部材Mの搬送経路Hのみを指定して、搬送経路判定手段66により、揚重途中での部材M毎のクレーン作業可能性の検討を行う(図11参照)。但し、本発明では搬送経路Hの指定がなければ、搬送経路探索手段67により対象部材M毎にクレーン作業を可能とする搬送経路Hを自動的に検出することができる(図12〜18参照)。従ってステップS605では、対象部材Mのみを指定すれば足り、搬送経路Hの指定は本発明に必須のものではない。図11及び図12〜18の処理の詳細は後述する。
本発明によれば、建方区図Wにクレーン可動域Vを記入しておけば、その建方区図Wに対しクレーン作業が実施可能な多数のクレーン計画案を自動的に作成できるので、それらの工期や安全性、経済性等を比較検討することにより最適な建方計画の作成に寄与できる。また、建方地点のみならず揚重途中のクレーン作業可能性の判定を行えるので、建方計画の主要部分の検討ができる。従来システムでは揚重途中のクレーン作業可能性の判定部分がないため、揚重途中に障害物等がある場合には適切な建方計画の作成は困難であった。更に、従来システムでは危険半径Rdの考慮がなされておらず大雑把な概略の建方計画しか作成できないのに対し、本発明ではクレーンCの最小作業半径Rmと危険半径Rdとを考慮してクレーン実効可動域Nを定めるので、実施不能なクレーン計画案を適切に排除できる。しかも従来システムは他工事区・並列建方区間の干渉を考慮していないのに対し、本発明ではそれを考慮したクレーン作業可能性を判定できる。以上、本発明により従来システムではなしえない高い精度でクレーン作業可能性の判定が可能となる。
こうして本発明の目的である「構造物躯体の建方に適用可能なクレーン計画案を効率的に作成できる建方用クレーン計画方法及びプログラム」の提供を達成できる。
図10は、建方地点でのクレーン作業可能性の検討処理において、クレーン位置Sが部材の建方位置に接近し過ぎているために接触判定のみの不合格部材Msが発生するのを回避する処理の流れ図の一例を示す。図10の流れ図は、クレーン位置算出手段63による図9のステップS908と対応する。但し、クレーン形式がタワー形式等で、明らかに干渉が生じない場合は、干渉に関する判定は必要でなく、従って本流れ図を適用するまでもない。
図10のステップS1001は、対象建方区Eiの全部材Mを対象として初期クレーン位置S1の位置修正を行うか、又は対象建方区Eiの特定の部材Msのみを対象として更新クレーン位置S2の位置修正を行うのかを判別する処理を示す。ステップS1002〜S1006は対象建方区Eiの全部材を処理対象する場合の処理(図8のステップS806〜S807に相当)を示し、ステップS1007〜S1011は対象建方区Ei内の特定の部材Msを処理対象とする場合の処理(図8のステップS812〜S813に相当)を示している。なお、処理対象となる建方区Eiは、当該建方区Eiの全部材が接触判定を除く作業距離判定・総荷重判定・吊り高さ判定の全てに合格している場合に限られる。
ステップS1002では、対象建方区Eiの図心とクレーン位置S(クレーン水平旋回中心位置)との間の距離が所定距離だけ遠ざかるようにクレーン位置Sを更新する。クレーン実効可動域Nが平面領域で指定されていれば、例えば対象建方区Eiの図心とクレーン位置Sとを結ぶ直線上でクレーン位置Sを所定距離(例えば1m)だけ遠ざけた離隔クレーン位置S2に更新する。クレーン実効可動域Nが一次元の実効動線で指定されていれば、その実効動線上でクレーン位置Sを更新する。ステップS1003では、変更後の離隔クレーン位置S2がクレーン実効可動域Nの領域を越えているか否かを判断し、越えている場合は接触判定のみの不合格部材Msの回避処理を失敗とし、本処理の影響は何ら残さない。
ステップS1004において、更新された離隔クレーン位置S2から対象建方区Eiの全部材についてクレーン作業可能性の再判定を行い、ステップS1005で全部材のクレーン作業可能性判定が合格するか否かを判断する。全部材が合格した場合は、その離隔クレーン位置S2と判定結果とを記録して処理を終了する。ステップS1006において不合格部材Meが接触判定以外は合格で接触判定のみの不合格部材Msであるか否かを判断し、対象建方区Eiの全部材のうち1部材でも作業距離判定、総荷重判定、及び吊り高さ判定の何れかに不合格であれば、接触判定のみの不合格部材Msの回避処理を失敗として終了する。接触判定のみ不合格である場合は、ステップS1006からステップS1002へ戻り、離隔クレーン位置S2を対象建方区Eiの図心から所定距離ずつ段階的に遠ざけて段階的離隔クレーン位置S3に更新し、その階的離隔クレーン位置S3に基づき、対象建方区Eiの全部材MについてステップS1002〜S1006を繰り返す。この繰り返しにより、クレーン実効可動域N内における建方区Eiの図心に近すぎる位置を初期クレーン位置S1としたことに起因する接触判定のみ不合格を回避できる。
他方、ステップS1007では、クレーン作業性の再判定処理において接触判定のみの不合格部材Msが発生した場合に、不合格部材Msの建方位置(重心)とクレーン位置S(クレーン水平旋回中心位置)との間の距離が所定距離だけ遠ざかるようにクレーン位置Sを更新する。クレーン実効可動域Nが平面領域で指定されていれば、例えば対象部材Msの重心とクレーン位置Sとを結ぶ直線上でクレーン位置Sを所定距離(例えば1m)だけ遠ざけた離隔クレーン位置S2に更新する。クレーン実効可動域Nが一次元の実効動線で指定されていれば、その実効動線上でクレーン位置Sを更新する。ステップS1008では、更新後の離隔クレーン位置S2がクレーン実効可動域Nの領域を越えているか否かを判断し、越えていれば接触判定のみの不合格部材Msの回避処理を失敗とし、本処理の影響は何ら残さない。
ステップS1009において、更新された離隔クレーン位置S2から不合格部材Msについてクレーン作業可能性の再判定を行い、ステップS1010で対象部材Msのクレーン作業可能性判定が合格するか否かを判断する。再判定で不合格部材Msが合格した場合は、その離隔クレーン位置S2と判定結果とを記録して処理を終了する。ステップS1011において対象部材Msが何れの判定で不合格となったかを判断し、再判定において不合格部材Msが作業距離判定、総荷重判定、及び吊り高さ判定の何れかに不合格であれば、接触判定のみの不合格部材Msの回避処理を失敗として終了する。再判定において接触判定のみ不合格となった場合はステップS1011からステップS1007へ戻り、離隔クレーン位置S2を不合格部材Msの建方位置(重心)から所定距離ずつ段階的に遠ざけて段階的離隔クレーン位置S3に更新し、その階的離隔クレーン位置S3に基づき、対象部材MsについてステップS1007〜S1011を繰り返す。この繰り返しにより、部材の重心に近すぎる位置を更新クレーン位置S2としたことに起因する接触判定のみ不合格を回避できる。
図11は、搬送経路Hの指定に基づき揚重途中のクレーン作業可能性を検討する搬送経路判定手段66の流れ図の一例を示す。対象建方区Eiの部材M毎に荷揚げ位置から建方位置までクレーンにより搬送できるか否かを検討する処理であり、ステップS1102では揚重に関する判定を行い、ステップS1103〜S1105ではクレーンC又は揚重中部材と関連モデルF又は既設躯体との干渉に関する判定を行う。このクレーン作業可能性判定は、建方区同期化手段45により建方区図Wの建方区 Eiと関連モデルFの工区Esとの施工順序を同期させた上で行う。また、判定対象部材Mの搬送経路Hを用いてクレーン作業可能性を判定するので、対象建方区Eiの判定対象部材M毎に荷揚げ位置から建方位置への搬送経路H(直線や曲線又は経路上の複数座標)をコンピュータ1の記憶手段2に登録する必要がある。荷揚げ位置から建方位置に至る経路全体を登録する必要はなく、判定の対象とすべき搬送経路の一部分(例えば障害物近傍の経路部分)を登録すれば足りる。なお、建方区図Eiの全部材について判定を行うと計算時間がかかるので、判定対象の部材を制限することが望ましい。
ステップS1101において、対象部材M毎に指定された搬送経路H上の適当な搬送位置(例えば、所定距離ずつ離れた複数の搬送位置)を取り出す。ステップS1102において、対象部材Mを吊り上げるクレーンCの最大作業半径Rx及び最小作業半径Rmを求め、各搬送位置が最大作業半径Rxと最小作業半径Rmとの範囲内にあるか否かを判定する。搬送位置が1箇所でも不合格であれば、判定結果を記録し、搬送経路判定を終了する。この作業距離判定の際に用いるクレーンCの性能G、姿勢Q、位置Sは、対象部材Mが建方地点でのクレーン作業可能性判定済みの場合は、その判定で用いた値を使用する。そうでなければ新たに指定する必要がある。なお、この作業距離判定を部材M毎の搬送経路Hの指定時に行えばステップS1102を省略できる。
ステップS1103において、各搬送位置について、クレーン位置Sとの間の距離からクレーンCのブーム起伏角度を求め、その起伏角度からクレーンCのブーム形状と揚重中の対象部材Mの形状との三次元座標を算出する。この三次元座標は、建方区図W及び関連モデルFと同一座標系とする。ステップS1104において、接触判定の計算時間を短縮するため、判定対象のクレーンブーム又は揚重中部材と干渉する可能性のある関連モデルF及び既設躯体の範囲を限定する。例えば、クレーンCのブームの平面投影線を対角線とする矩形領域を想定し、その矩形領域を底面とする矩形柱と重ならない既設躯体及び関連モデルFの部分は接触判定の対象外とする。この場合、接触判定の誤りを避けるため、前記平面投影線の長さをクレーンCのブームより例えば4m程度延長することが望ましい。ステップS1104は、干渉対象を限定することにより図11の判定時間(計算時間)を大幅に短縮できるが、必須のものではない。
ステップS1105において、関連モデルF又は既設躯体とクレーンC又は揚重中部材との間の最短距離を求め、その最短距離と判定基準距離とを比較することにより接触判定を行う。例えば、クレーンブームの中心軸と部材中心軸又は障害物の面との最短距離が2m以下のときは接触判定を不合格とする。最短距離が4m以下のときは接触判定は合格とするが、接触警告マークをその建方済部材の接触判定結果(図2参照)に記録してもよい。この例では判定基準距離を例えば2mとしているが、クレーン形式、クレーン性能、対象部材の種類等によってそれぞれ異なった値としてもよい。なお、建方地点での建方区Eiの部材M毎のクレーン作業可能性判定では、揚重中部材についての接触判定の代わりに吊り高さ判定を行うほうが計算量を少なくでき、従ってその場合は判定対象であるクレーンブーム及び揚重中部材をクレーンブームのみに置き換える。
図12〜18は、揚重途中のクレーン作業可能性判定において、搬送経路Hを自動的に検出する搬送経路探索手段67の流れ図を示す。この流れ図では、図11のように予め記憶手段2に設定された判定対象部材M毎の搬送経路Hに基づいて接触判定を行うのではなく、予め記憶手段2に設定された判定対象部材M毎の荷揚げ位置Pから建方位置までの搬送経路を探索することにより搬送経路上での接触判定を行う。この場合は、クレーンデータベースTにクレーンCの最小作業半径Rmと共に最大作業半径Rxを記録し、コンピュータ1の搬送経路探索手段67により、クレーンCのブーム先端が最小作業半径Rmと最大作業半径Rxの間でしか移動できない条件を利用した以下に説明する後戻りアルゴリズム(バックトラックによる探索アルゴリズム)に従って判定対象部材M毎の搬送経路を探索する。
図12の接触判定では、先ずステップS1201において判定対象部材Mを取り出し、ステップS1203において判定対象部材Mの荷揚げ位置Pを取り出す。判定対象部材Mの荷揚げ位置Pが登録されていない場合は、図13の流れ図に従って、荷揚げ位置Pを自動設定することもできる。ステップS1204〜S1205において荷揚げ位置Pにおける関連モデルFとの接触を判定し、荷揚げ位置Pでの接触判定が不合格の場合は、搬送経路での接触判定不合格として搬送経路上での接触判定を終了する(ステップS1207)。なお、本接触判定におけるクレーン位置Sは図4〜9のクレーン作業可能性判定で合格したクレーン位置Sである。荷揚げ位置Pでの接触判定が合格のときに、ステップS1206において判定対象部材Mの荷揚げ位置Pから建方位置までの搬送経路を探索する。搬送経路が探索できなかった場合は搬送経路上での接触判定が不合格となり、探索できたときは判定合格となる。
ステップS1206における搬送経路探査方法の流れ図の一例を図14に示す。この流れ図では、次の(a)及び(b)の条件下で搬送経路を探索する。
(a)クレーン位置S(クレーン水平旋回中心位置)を原点とした場合、判定対象部材Mを吊り下げるクレーンCのブーム先端位置の移動範囲を、原点を中心とする最大作業半径Rxの円の内側で且つ最小作業半径Rmの円の外側であり、原点及び荷揚げ位置Pを通る直線と原点及び判定対象部材Mの建方位置を通る直線とに挟まれた領域とする。なお、この移動範囲はブームの左回りと右周りとで異なる場合がある。
(b)搬送中のクレーンブーム先端位置の移動方向は、原点(クレーン位置)を中心とする円の円周方向又は半径方向(動径方向)の何れかとする。円周方向及び動径方向の移動距離dは何れも定数とする(ステップS1401参照)。従って、経路探索時の座標系は原点を中心とするR、θ、Zの円筒座標系で表わすことができる。
例えば荷揚げ位置Pをクレーンブーム先端の初期位置とし、建方位置への搬送経路を探索する。荷揚げ位置Pから建方位置へ向かうクレーン旋回は左回りと右周りがあるので、クレーン旋回の向き指定がなければ、図14に示すように左回りの搬送経路探索(ステップS1404)と右回りの搬送経路探索(ステップS1407)との両者を行う。左回りと右回りの何れを優先して搬送経路探索を行うかは、建方位置と荷揚げ位置Pとの間の経路距離(クレーン旋回角度)が小さい方を優先する。荷揚げ位置Pと建方位置との間のクレーン旋回角度が小さい場合(例えば3度以下の場合)は、旋回角度が小さい方のみの搬送経路探索を行えばよい。
図15は左回りの搬送経路探索方法の流れ図の一例を示す。同流れ図に示すように、搬送経路探索ルールとして(α)半径中心方向移動ルール、(β)半径外側方向移動ルール、及び(γ)移動方向切替えルールの3種類を設け、探索ルールの初期設定を(α)半径中心方向移動ルールとする。後述するように、搬送経路探索のための基本戦略として、クレーンブーム先端位置の円周方向移動を動径方向移動よりも優先させる。具体的には、クレーンブーム先端の最新位置が建方位置と同じクレーン動径線上にないときは、円周方向移動によりクレーンブーム先端を次回候補位置に移動させて関連モデルFとの接触を判定し、次回候補位置での接触判定が合格ならば次回候補位置をクレーンブーム先端の最新位置に置き換える。次回候補位置が建方位置とクレーン位置Sを結ぶ動径を越える場合(クレーンブーム先端の移動範囲を越える場合)は、動径方向移動によりクレーンブーム先端を次回候補位置に移動させて関連モデルFとの接触を判定し、その次回候補位置での接触判定が合格ならば次回候補位置をクレーンブーム先端の最新位置に置き換える。クレーンブーム先端が建方位置と同じクレーン動径線上にあるときは、クレーンブーム先端を動径方向移動により次回候補位置へ移動させる。この操作をクレーンブーム先端の最新位置が建方位置と重なるまで繰り返す。
図16〜17は半径中心方向移動ルールの流れ図の一例を示す。半径中心方向移動ルールの操作概要は以下の通りである。
(i)クレーンブーム先端の最新位置を円周方向移動により移動させた次回候補位置を求め、次回候補位置で関連モデルFとの接触判定が合格の場合は、クレーンブーム先端の最新位置をその次回候補位置に置き換える。この操作を接触判定が不合格となるまで繰り返す(ステップS1601〜S1607)。
(ii)上述(i)の次回候補位置で接触判定が不合格の場合、次回候補位置がクレーンの最小作業半径上にあるときは(γ)移動方向切替えルールに移行し(ステップS1608)、それ以外のときは次の(iii)へ移行する。
(iii)クレーンブーム先端の最新位置を動径方向移動により作業半径中心方向へ移動させた次回候補位置を求め、次回候補位置で関連モデルFとの接触判定が合格の場合は、最新位置をその次回候補位置に置き換える。但し、作業半径中心方向への移動は、次回候補位置が最小作業半径上となるまでに止める(ステップS1609〜S1705)。置き換えたのち(i)へ移行する。
(iv)上述(iii)の次回候補位置で接触判定が不合格の場合、次回候補位置が荷揚げ位置と同一動径上にあるときは(γ)移動方向切替えルールに移行し(ステップS1706)、それ以外のときは1回又は複数回分のクレーンブーム先端の移動操作を取り消して最新位置を円周方向で荷揚げ位置向きの1つ前の位置へ戻す(ステップS1707〜S1709)。戻したのち(iii)へ移行する。
(v)次回候補位置が、既に実施済の同一ルール(この場合は、半径中心方向移動ルール)適用下で接触判定を行った経路位置(現在実施中に探索した経路位置は除外)の何れかと一致する場合は、合格及び不合格に拘わらず、本ケースでの搬送経路なしとして経路探索を終了させる(ステップS1603、S1701)。次回候補位置が既に接触判定不合格であった場合は、その次回候補位置での接触判定をスキップして不合格の場合と同様に処理する(ステップS1604、S1702)。
半径外側方向移動ルールの操作概要は以下の通りである。
(i)クレーンブーム先端の最新位置を円周方向移動により移動させた次回候補位置を求め、次回候補位置で関連モデルFとの接触判定が合格の場合は、クレーンブーム先端の最新位置をその次回候補位置に置き換える。この操作を接触判定が不合格となるまで繰り返す。
(ii)上述(i)の次回候補位置で接触判定が不合格の場合、次回候補位置がクレーンの最大作業半径上にあるときは(γ)移動方向切替えルールに移行し、それ以外のときは次の(iii)へ移行する。
(iii)クレーンブーム先端の最新位置を動径方向移動により作業半径外側方向へ移動させた次回候補位置を求め、次回候補位置で関連モデルFとの接触判定が合格の場合は、最新位置をその次回候補位置に置き換える。但し、作業半径外側方向への移動は、次回候補位置が最大作業半径上となるまでに止める。置き換えたのち(i)へ移行する。
(iv)上述(iii)の次回候補位置で接触判定が不合格の場合、次回候補位置が荷揚げ位置と同一動径上にあるときは(γ)移動方向切替えルールに移行し、それ以外のときは1回又は複数回分のクレーンブーム先端の移動操作を取り消して最新位置を円周方向で荷揚げ位置向きの1つ前の位置へ戻す。戻したのち(iii)へ移行する。
(v)次回候補位置が、既に実施済の同一ルール(この場合は、半径外側方向移動ルール)適用下で接触判定を行った経路位置(現在実施中に探索した経路位置は除外)の何れかと一致する場合は、合格及び不合格に拘わらず、本ケースでの搬送経路なしとして経路探索を終了させる。次回候補位置が既に接触判定不合格であった場合は、その次回候補位置での接触判定をスキップして不合格の場合と同様に処理する。
移動方向切替えルールは半径中心方向移動ルールと半径外側方向移動ルールとを切り替える操作である。図18は移動方向切替えルールの流れ図の一例を示し、その操作概要は以下の通りである。すなわち切替え時は、切替前のルール適用下において荷揚げ地点からの旋回角度θが最も大きい経路位置を新しく切替後のルール適用下での開始位置とする(ステップS1801)。荷揚げ地点からの旋回角度θが最も大きい経路位置が複数ある場合は、それらの経路位置のうち最も前の処理で探索された経路位置を、切替後のルール適用下での開始位置とする(ステップS1802)。
上述した図12〜18の搬送経路探索方法によれば、判定対象部材M毎の荷揚げ位置Pを記憶又は自動設定することにより、関連モデルFとの接触が回避できる搬送経路を自動的に検出できる。自動検出した搬送経路に基づき、躯体モデルD及び関連モデルFを参考にして、図11を参考にして説明した判定対象部材M毎の搬送経路Hに基づく接触判定と組み合わせることにより、対象建方区Eiの各部材M毎の搬送実施計画を作成することができる。搬送経路が単純な場合は、自動検出した搬送経路のみに基づき十分な搬送実施計画が作成できる。また、この搬送経路探索方法は、図19のような平面形状をもつ搬送不可領域(関連モデルF又は躯体モデルDの建方済躯体の領域)がある場合においても搬送経路を問題なく自動検出することがき、搬送不可領域が少ない場合は最低限度の計算量で搬送経路を探索できる利点がある。更に、この搬送経路探索方法は部材の搬出・搬入時の干渉チェックとして利用することも可能であり、本発明対象外のワイヤー式クレーンや揚重中部材の横引きなどの状況に対しても対処可能である。なお、図15では円周方向移動を優先させたが、別ルールとして、クレーン作業半径中心方向移動優先、クレーン作業半径外側方向移動優先等の方法も考えられる。
図30〜31は、本発明によるクレーン計画システムを適用した建方計画案24の生成処理(図3のステップS303)の他の流れ図を示す。(a)先ず建方区生成手段40により、躯体モデルDを複数の並列建方区At(1≦t≦u、uは並列建方区数)に分割し(ステップS3001)、更に適当な建方工法に基づき各並列建方区Atを複数の施工順序付き直列建方区Et,i(1≦i≦n、nは並列建方区At毎の建方区数)に区分けして建方区図Wを生成する(ステップS3002〜S3003)。必要に応じて、建方区生成手段40により、各並列建方区Atの直列建方区Et,iの施工順序を同期化する(ステップS3004)。(b)次いで、クレーン計画検討手段60により建方区図Wの直列建方区Et,i毎にクレーンCによる建方作業を可能とするクレーン作業位置や作業姿勢等を検出し、実施可能な建方計画案24を作成する(ステップS3005〜S3006)。(c)最後に、並列建方区At毎の建方計画案24を合成することにより、躯体全体の実施可能な建方計画案24を作成する(ステップS3008〜S3010)。
(a)建方区図Wの生成処理
図30のステップS3001において、建方区生成手段40により躯体モデルDを複数の並列建方区Atに分割する。ステップS3002において分割した並列建方区Atの何れかを選択し、ステップS3003において、建方区生成手段40により並列建方区Atを更に複数の施工順序付き建方区Ei(1≦i≦n、nは建方区数)に分割して建方区図Wを生成する。建方区生成手段40の一例は、所定の分割パターン(例えば、X方向通り芯数a行×Y方向通り芯数b列×階層数c層の格子点分割パターン(a×b×c)等)に基づき並列建方区Atを自動的に分割して建方区図Wを生成するプログラムであるが、建方区図Wを手動又は半自動で生成するプログラムとしてもよい。必要に応じて、図1の自立安定性検討手段80により建方区図Wの各建方区Eiの自立安定性を検討し、補強部材を追加する必要がある場合は図1の補強部材追加手段81で建方区図Wの適当な建方区Eiに補強部材を追加する。ステップS3004の同期化処理は、図6のステップS602を参照して上述した処理と同様である。
(b)建方区図Wの建方検討処理
図30のステップS3005においてクレーン形式、クレーン性能G、姿勢Q及び位置Sを指定し、ステップS3006においてクレーン計画検討手段60により建方区図Wの各建方区Ei毎にクレーン作業可能性を検討する。主な検討項目は、揚重に関する作業距離判定S2001・定格総荷重判定S2002と、干渉に関する吊り高さ判定S2003・接触判定S2004である。接触判定S2004は、クレーンCのフロントアタッチメントが建方済躯体(既設躯体)等へ接触するか否かの判定S2005(建方地点でのクレーン作業可能性の検討処理S501に相当)と、荷揚げ位置から建方位置への判定対象部材の搬送経路中に対象部材及びクレーンが関連モデルFや建方済部材に接触するか否かの接触判定S2006(揚重途中でのクレーン作業可能性の検討処理S502に相当)とを含む。ステップS3006の建方検討処理では、ステップS3003で作成した建方区図WとステップS3005で指定したクレーン形式とに基づき、各建方区Eiの部材M毎に前記揚重に関する判定項目と接触に関する判定項目とを全て又は選択的に判定する。
図31の流れ図は、クレーン計画検討手段60により作業距離判定S2001・定格総荷重判定S2002・吊り高さ判定S2003の3項目を判定するクレーン作業可能性検討方法の一例を示す。同図では所定クレーン形式及び所定揚重性能Gのクレーン機種のクレーンCが指定されているものとし、先ずステップS3101において指定された形式及び揚重性能のクレーンCを取り出し、ステップS3102において建方区図Wから建方対象建方区Eiの部分を取り出す。ステップS3103においてクレーン姿勢Qの指定があるか否かを判断し、クレーン姿勢Qの指定がない場合はステップS3104においてクレーン姿勢選択手段64により初期クレーン姿勢Q1を選択する。また、ステップS3105においてクレーン位置Sの指定があるか否かを判断し、クレーン位置Sの指定がない場合は、ステップS3106においてクレーン位置算出手段63により初期クレーン位置S1を算出する。初期クレーン位置S1の算出方法は、図9を参照して上述した方法と同様であり、対象建方区Eiに応じて及びクレーンCの形式・機種・姿勢等に応じて実施不能なクレーン位置Sを適切に避けることができる。
図31のステップS3107において、建方可能性判定手段70により、クレーンCの所定揚重性能Gと初期クレーン姿勢Q1と初期クレーン位置S1とに基づき、対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を部材M毎に判定する。ステップS3108において、対象建方区Eiの全部材Mについて作業距離判定・定格総荷重判定・吊り高さ判定が合格したか否かを判断し、合格した場合はステップS3121へ進み、合格時のクレーン位置Sとクレーン姿勢Qとを記録して対象建方区Ei(例えばE13)の建方判定を終了する。ステップS3109〜S3113は、ステップS3107〜S3108のクレーン作業可能性判定で不合格部材Meが1部材でもある場合に、クレーンCの位置を変えながらクレーン作業可能性を再判定する処理を示す。この再判定処理は、対象建方区Eiの全部材を対象とする点を除き、図8のステップS808〜S810を参照して説明した処理と同様である。但し、クレーン位置Sが指定されている場合(ステップS1309)及びクレーン位置Sが変更できない場合(ステップS1310)は、この再判定処理を回避する。
ステップS3113において再判定の結果を判断し、全部材Mについて合格した場合は更新クレーン位置S2において対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業が可能であると判断し、ステップS3121へ進み合格時のクレーン位置Sとクレーン姿勢Qとを記録する。またステップS3113において前記不合格部材Me(初期判定での不合格部材Me)は合格したが他の不合格部材Mr(再判定での不合格部材Mr)がある場合は、クレーンCを初期位置S1・更新位置S2間で移動させながら対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業が可能であると判断できる。図31の流れ図では更新クレーン位置S2での再判定処理を1回としているが、必要な場合はステップS3110〜S3113を繰り返して再々判定等を続けてもよい。但し、クレーン位置Sの移動回数が多くなるとクレーン作業効率が下がるので、クレーン計画案の実用性が低下する。
ステップS3114〜S3119は、クレーン姿勢選択手段64によりクレーン姿勢を変えながら対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を再判定する処理を示す。すなわち、ステップS3116においてクレーン姿勢選択手段64によりクレーン姿勢を更新し、ステップS3118において更新クレーン姿勢Q2に基づき対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を再判定する。この場合は、クレーン姿勢選択手段64によりクレーンデータベースTに所定順序で登録されたクレーンCのクレーン姿勢Qを、例えば対象建方区Eiのクレーン位置Sからの最大以遠部材Mの建方位置までの距離が最大作業半径Rx以下となる範囲内において、降順又は昇順に選択して更新クレーン姿勢Q2とする。例えば作業距離判定の不合格部材Mrがある場合に、クレーン姿勢Qを更新してメインブーム角度α又はジブブーム角度βを浅くすれば作業距離判定が合格する場合がある。また、定格総荷重判定の不合格部材Mrがある場合に、クレーン姿勢Qを更新してメインブーム長さLbとジブブーム長さLjと交互に1ランクずつ下げることにより定格総荷重判定が合格する場合がある。クレーン姿勢Qが指定されている場合(ステップS3114)はこの再判定処理を回避すればよい。
ステップS3119において再判定で合格したか否かを判断し、全部材Mについて合格した場合は更新クレーン姿勢Q2により対象建方区Ei(例えばE13)の全部材Mのクレーン作業が可能であると判断し、ステップS3121へ進み合格時のクレーン位置Sとクレーン姿勢Qとを記録する。ステップS3115〜S3119の再判定処理は、更新クレーン姿勢Q2の選択が可能である限り繰り返すことができる。図31の流れ図では、ステップS3111〜S3113の更新クレーン位置S2での再判定で不合格部材Mrが1部材でもある場合に、ステップS3115〜S3119の再判定処理により更新クレーン位置S2で対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業を可能とする更新クレーン姿勢Q2を検出することが可能である。また、図31の流れ図において更新クレーン位置S2での再判定処理を避け、ステップS3107〜S3108の初期クレーン位置S1でのクレーン作業可能性判定で不合格部材Meがある場合にステップS3115〜S3119の再判定処理へ直接移行すれば、初期クレーン位置S1で対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業を可能とする更新クレーン姿勢Q2を検出することも可能である。このように本発明では、ステップS3110〜S3113の更新クレーン位置S2での再判定処理とステップS3115〜S3119の更新クレーン姿勢Q2での再判定処理とを適当に組み合わせることにより、対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業を可能とする様々なクレーン計画案を作成することができる。クレーン位置S及びクレーン姿勢Qを変更しても不合格部材Mrが残る場合は(ステップS3115)、ステップS3120へ進み判定不合格として不合格理由を記録する。
なお、ステップS3117は、クレーン姿勢Qを更新した場合(例えばクレーンブームの長さを更新した場合等)にクレーンの最小作業半径Rmが変化することから、更新クレーン姿勢Q2の選択時に実効可動域計算手段71によって更新クレーン姿勢Q2の最小作業半径Rm及び危険半径Rdに基づきクレーン実効可動域Nを更新し、クレーン位置算出手段63によって更新したクレーン実効可動域Nの位置としてクレーン位置Sを再計算する処理を示す。すなわち、対象建方区Ei及び先行建方区Ejの平面投影域Uから更新クレーン姿勢Q2の最小作業半径Rm以上且つ危険半径Rd以上離れたクレーン可動域Vの領域としてクレーン実効可動域Nを更新し、更新したクレーン実効可動域Nに基づきクレーン位置Sを再計算する。このクレーン位置Sの再計算により、更新クレーン姿勢Q2に基づくクレーン作業可能性をクレーンの実際の使用状況と合致させて判定できる。
(c)並列建方区At毎の建方計画案24の合成
建方区図Wの建方検討処理を終了したのち、図4のステップS3007で建方区図Wに対するクレーン計画案が実施可能であるか否かを判断し、クレーン作業が実施不能な建方区図Wを排除し、実施可能な建方区図Wをクレーン計画案と共に建方計画案24として記憶する(ステップS3008)。上述したように本発明では対象建方区Ei毎に様々なクレーン計画案を作成できるので、1つの建方区図Wについて複数の建方計画案24が作成できる。他の並列建方区Atがある場合はステップS3009からステップS3002へ戻り、全ての並列建方区Atについて上述したステップS3002〜S3008を繰り返す。ステップS3010において、各並列建方区Piの建方計画案24を組み合わせることにより、構造物の躯体全体の建方計画案24が作成できる。
図30〜31の流れ図によれば、クレーンCの位置や姿勢を更新しながらクレーン作業可能性の判定を繰り返すので、実際の建方作業に合致したクレーンCの位置や姿勢を検出できる。更に、従来システムでは部材M毎にクレーンCの位置Sや姿勢Qを変更していたのに対し、本発明では建方区Eiを単位としてクレーンCの位置Sや姿勢Qを選定するので、現実的な建方計画案が作成できる。しかも、従来システムではクレーン形式に拘わらずクレーン姿勢Qを変更可能としているため現実的なクレーン作業可能性の困難であったのに対し、本発明ではクレーン形式に応じてクレーン姿勢Qの変更の態様を代えながらクレーン作業可能性を判定できるので、クレーンCの実際の使用状況と合致した姿勢の選択が可能である。
図32の流れ図は、クレーン揚重性能Gが指定されていない場合に、クレーン作業を可能とする揚重性能Gのクレーンを自動的に選定する本発明によるクレーン計画方法の流れ図の一例を示す。クレーンデータベースTに、クレーン形式毎に揚重性能Gが異なる複数のクレーンCと、各クレーンC毎の最大作業半径Rxが得られる姿勢時の最大定格荷重とを記憶する。ステップS3201において指定されたクレーン形式を取り出し、ステップS3202において建方区図Wから検討対象建方区Eiの部分を取り出す。ステップS3203において、クレーン位置算出手段63により対象建方区Eiの初期クレーン位置S1を算出し、 クレーン性能選定手段65が初期クレーン位置S1に基づき対象建方区Eiの最大重量部材の負荷が最大定格荷重以下となる範囲内で最小又は最大の揚重性能のクレーンCを初期クレーンC1として選定する。例えば、クレーンデータベースTに複数のクレーン機種毎の定格総荷重表を記憶し、対象建方区Eiの最大重量部材の負荷がそのブーム最大長さの定格総荷重以下である最小揚重性能のクレーンCを初期クレーンC1 として選定する。
ステップS3204において、例えば最大作業半径Rx(例えばブームの最大長さ)が得られる姿勢を初期クレーン姿勢Q1として選択し、ステップS3205において初期クレーン位置S1を算出し、初期クレーンC1の揚重性能G1と初期クレーン姿勢Q1と初期クレーン位置S1とに基づき対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を部材M毎に判定する(ステップS3206)。不合格部材Meが1部材でもある場合は、ステップS3207〜S3211においてクレーン位置Sを更新してクレーン作業可能性を再判定し、更に不合格部材Mrがある場合はステップS3212〜S3216においてクレーン姿勢Qを更新しながらクレーン作業可能性の再判定を繰り返す。図32のステップS3207〜S3216の処理は、図31のステップS3108〜S3119と同様である。
クレーン位置S及びクレーン姿勢Qを更新してもクレーン作業可能性の不合格部材Mrが残る場合は、ステップS3217においてクレーン揚重性能Gの変更が可能であるか否かを判断し、可能である場合はステップS3218においてクレーン性能選定手段65により対象建方区Eiの最大重量部材の負荷が最大定格荷重以下となる範囲内で揚重性能Gの昇順又は降順に更新クレーンC2を選定する。更新クレーンC2を選定したのちステップS3204へ戻り、上述したステップS3204〜S3216を繰り返して対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業を可能とするクレーン作業位置及び姿勢の有無を判定する。ステップS3217〜S3218のクレーンCの更新とステップS3204〜S3216のクレーン作業可能性の判定とを繰り返し、判定に合格するクレーンCを見出すことにより、対象建方区Eiの全部材Mのクレーン作業可能性を可能とする揚重性能GのクレーンCを選定すると共に、そのクレーンのクレーン作業位置及び姿勢を検出することができる(ステップS3220)。クレーンデータベースTに登録された揚重性能Gが異なる全てのクレーンCについて判定した結果不合格部材Mrが1部材でも残る場合は、対象建方区Eiのクレーン作業に該当するクレーンなしと判断する(ステップS3219)。
図33〜38は、作業距離判定S2001、定格総荷重判定S2002、吊り高さ判定S2003及び接触判定S2004の4項目について判定する本発明によるクレーン作業可能性検討の流れ図の一例を示す。これらの流れ図では所定クレーン形式で所定揚重性能GのクレーンCが指定されているものとする。先ず図33において作業距離判定S2001を行う。ステップS3301において指定されたクレーン形式及び揚重性能Gを取り出し、ステップS3302において建方区図Wから建方対象建方区Eiを取り出し、ステップS3303〜S3304において対象建方区Eiの初期クレーン姿勢Q1及び初期クレーン位置S1を選択する。ステップS3305においてクレーン揚重性能Gと初期クレーン姿勢Q1と初期クレーン位置S1とに基づき対象建方区Eiの全部材Mについて作業距離判定を行う。不合格部材Meがある場合はクレーン位置Sを更新して作業距離を判定し(ステップS3306〜S3308)、更に不合格部材Mrがある場合はクレーン姿勢Qを更新しながら作業距離判定を繰り返す(ステップS3309〜S3313)。全部材Mの作業距離判定が合格するクレーン位置S及び姿勢Qが発見できたときは作業距離判定合格とし、定格総荷重判定S2002へ進む(ステップS3315)。クレーン位置S及び姿勢Qを更新しても不合格部材Mrが残る場合は、対象建方区Eiを最大作業半径オーバーで判定不合格とする(ステップS3314)。
図34は定格総荷重判定S2002の流れ図の一例を示す。先ずステップS3401〜S3402において作業距離判定で合格したクレーン位置S及び姿勢Qに基づき対象建方区Eiの全部材Mについて定格総荷重判定を行う。ステップS3401〜S3402で不合格部材Meがあり且つクレーン位置Sが初期クレーン位置S1である場合は、クレーン位置Sを更新して定格総荷重を再判定し(ステップS3404〜S3406)、更に不合格部材Mrがある場合はステップS3407へ進む。ステップS3401で不合格部材Meがあり且つクレーン位置Sが更新クレーン位置S2である場合は、ステップS3404〜S3406をスキップしてステップS3407へ直接進む(ステップS3403)。スキップする理由は、できるだけクレーン位置Sの移動回数の少ないクレーン計画案を作成するためである。ステップS3407〜S3411において、クレーン姿勢Qを更新しながら定格総荷重判定を繰り返す。クレーン位置S及び姿勢Qを更新しても不合格部材Mrが残る場合は、対象建方区Eiを定格総荷重オーバーで判定不合格する(ステップS3412)。全部材Mの定格総荷重判定が合格するクレーン位置S及び姿勢Qが発見できたときは定格総荷重判定合格とし、吊り高さ判定S2003へ進む(ステップS3413)。
図35は吊り高さ判定S2003の流れ図の一例を示す。先ずステップS3501〜S3502において定格総荷重判定で合格したクレーン位置S及び姿勢Qに基づき対象建方区Eiの全部材Mについて吊り高さ判定を行う。ステップS3501〜S3502で不合格部材Meがある場合は、定格総荷重判定の場合と同様に、クレーン位置Sが初期クレーン位置S1である場合はクレーン位置S及びクレーン姿勢Qを更新して吊り高さを再判定し(ステップS3504〜S3511)、クレーン位置Sが更新クレーン位置S2である場合はクレーン位置Sの更新をスキップしてクレーン姿勢Qを更新しながら吊り高さ判定を繰り返す(ステップS3503、S3507〜S3511)。クレーン位置S及び姿勢Qを更新しても不合格部材Mrが残る場合は吊り高さ判定不合格とし(ステップS3512)、全部材Mの吊り高さ判定が合格するクレーン位置S及び姿勢Qが発見できたときは吊り高さ判定合格として接触判定S2004へ進む(ステップS3513)。なお吊り高さ判定では、対象部材がユニット部材又は床版状部材である場合は、部材の平面広がりによるクレーンブームとの干渉を考慮することが望ましい。
図36は接触判定S2004のうち通常接触判定S2005(図20参照)、すなわち対象建方区Ei及び先行建方区Ejの建方済部材とクレーンとの接触判定の流れ図を示す。先ずステップS3601〜S3602において、吊り高さ判定で合格したクレーン位置S及び姿勢Qに基づき建方済部材とクレーンとの接触判定を行う。例えば、クレーンのフロントアタッチメント中心軸と建方済部材の中心軸との最短距離が2m以下のときは接触判定不合格とする。前記最短距離が4m以下のときは、接触判定合格とするが接触警告マークをその建方済部材の接触判定結果(図2参照)に記録してもよい。
なお、接触判定は他の判定項目よりも計算時間を要するので、接触判定の計算時間を短縮するため判定対象の建方済部材を限定することが望ましい。例えば、クレーンCのブームの平面投影線を対角線とする矩形領域を想定し、その矩形領域を底面とする矩形柱領域と重ならない建方済部材は接触判定の対象外とする。この場合、接触判定の誤りを避けるため、前記平面投影線の長さをクレーンCのブームより例えば4m程度延長することが望ましい。判定対象の建方済部材を限定することにより接触判定の判定時間(計算時間)を大幅に短縮できる。
図36の接触判定のステップS3601〜S3602において不合格となる建方済部材Msが1部材でもある場合は、ステップS3603〜S3606において、クレーン位置算出手段63によりクレーン位置Sと不合格部材Msとを結ぶ直線上でクレーン位置Sを所定距離ずつ段階的に遠ざけてクレーン実効可動域N内の段階的離隔クレーン位置S3に移動させ(図9のステップS908)、段階的離隔クレーン位置S3に基づき建方済部材とクレーンとの接触再判定を繰り返す。ステップS3603〜S3606の繰り返しにより、建方済部材とクレーンとが近過ぎることによる接触判定の不合格を回避できる。クレーン位置Sを遠ざけても不合格部材Msが残る場合は接触判定不合格とし(ステップS3607)、接触判定が合格するクレーン位置Sが発見できたときは建方済部材との接触判定合格としてクレーン位置・クレーン姿勢の整合性チェック(図37参照)へと進む(ステップS3608)。
図37は、定格総荷重判定S2002(図34)、吊高さ判定S2003(図35)、及び接触判定S2004(図36)のそれぞれに個別に合格したケースのうち、クレーン位置S・クレーン姿勢Qが一致しないケースを除外するための流れ図である。なお、定格総荷重判定に合格したクレーン位置S・クレーン姿勢Qでは作業距離判定S2001(図33)が必ず合格するので、作業距離判定は図37の流れ図には入れていない。ステップS3701において各判定S2002〜S2004のクレーン位置S・クレーン姿勢Qが全て一致しているか否かを判断し、全て一致していれば建方地点での建方合格としてS3709へ進む。各判定S2002〜S2004のクレーン位置S・クレーン姿勢Qが一致していない場合はステップS3702〜S3707へ進み、定格総荷重判定、吊高さ判定及び接触判定S2002〜S2004が全て合格する同一のクレーン位置S・クレーン姿勢Qの存在の有無を判断する。
図37のステップS3702において定格総荷重判定(図34)と吊高さ判定(図35)とでクレーン位置・クレーン姿勢が一致しているか否かを判断し、一致していれば、更にS3706において定格総荷重判定及び吊高さ判定に合格したクレーン位置・クレーン姿勢により接触判定が合格するか否かを判断する。ステップS3706で接触判定に不合格であれば、更なるチェック項目であるS3707へと進み、接触判定(図36)に合格したクレーン位置・クレーン姿勢によって定格総荷重判定及び吊高さ判定が共に合格するか否かを判断する。ステップS3707で不合格の場合はステップS3708へ進み、建方不合格を記録してプログラムを終了する。ステップS3706又はステップS3707で合格した場合は、定格総荷重判定、吊高さ判定及び接触判定が全て合格する同一のクレーン位置S・クレーン姿勢Qが存在することになるので、建方地点での建方合格としてステップS3709へ進む。
ステップS3702において定格総荷重判定(図34)と吊高さ判定(図35)とでクレーン位置・クレーン姿勢が一致していない場合は、ステップS3703〜S3704において定格総荷重判定又は吊高さ判定の何れか一方に合格したクレーン位置・クレーン姿勢により他方の判定が合格するか否かを判断する。ステップS3703又はS3704の何れかにおいて合格した場合は、定格総荷重判定及び吊高さ判定が共に合格となる同一のクレーン位置・クレーン姿勢が存在するので、更にステップS3705又はS3706へ進み、そのクレーン位置・クレーン姿勢により接触判定が合格するか否かを判断する。ステップS3703及びS3704の何れも不合格である場合、すなわち定格総荷重判定に合格したクレーン位置・クレーン姿勢による吊高さ判定が不合格であり且つ吊高さ判定に合格したクレーン位置・クレーン姿勢による定格総荷重判定が不合格である場合は、更なるチェック項目であるS3707へと進み、接触判定(図36)に合格したクレーン位置・クレーン姿勢によって定格総荷重判定及び吊高さ判定が共に合格するか否かを判断する。ステップS3705又はS3706の接触判定が不合格となった場合も、更なるチェック項目であるS3707へと進む。ステップS3707で不合格の場合はステップS3708へ進み、建方不合格を記録してプログラムを終了する。ステップS3705、S3706、S3707の何れかで合格であれば、定格総荷重判定、吊高さ判定及び接触判定が全て合格となる同一のクレーン位置・クレーン姿勢が存在することになるので、建方地点での建方合格としてステップS3709ヘ進み、更に搬送経路上の接触判定(図38参照)へと進む。
図38は搬送経路上での接触判定S2006、すなわち対象建方区Eiの部材M毎の荷揚げ位置から建方位置への搬送経路におけるクレーン及び当該部材Mと関連モデルFとの接触判定の流れ図を示す。搬送経路におけるクレーン及び部材Mと建方済部材との接触判定も併せて行うことができる。例えば、関連モデルF上に登録された高圧送電線等との接触を判定する。この接触判定は、建方区同期化手段61により建方モデルDの建方区 Eiと関連モデルFの工区Esとの施工順序を同期化した上で行う。図38の例では、判定対象部材Mの搬送経路Hを用いて接触判定を行うので、躯体図Dの判定対象部材M毎に荷揚げ位置から建方位置への搬送経路H(直線や曲線又は経路上の複数座標)をコンピュータ1の記憶手段2に登録する必要がある。荷揚げ位置から建方位置に至る経路全体を登録する必要はなく、接触判定の対象とすべき搬送経路の一部分(例えば障害物近傍の経路部分)を登録すれば足りる。
図38の接触判定では、先ずステップS3801において搬送経路での接触判定を行う対象建方区Eiの部材Mを取り出す。この接触判定も、対象建方区Eiの全部材について搬送経路上の接触判定を行うと計算時間がかかるので、判定対象の部材Mを制限することが望ましい。ステップS3802において記憶手段2に記憶した判定対象部材Mの搬送経路Hを取り出し、ステップS3803において搬送経路Hがクレーン作業範囲内であるか否か、すなわち図37の判定で合格したクレーンCの最小作業半径Rmと最大作業半径Rxとの範囲内にあるか否かを判定する。なお、本接触判定におけるクレーン位置Sは図37のクレーン位置・クレーン姿勢の整合性チェックで合格したクレーン位置Sである。搬送経路Hがクレーン作業範囲外となる場合は、その搬送経路Hについては搬送経路上での接触判定を行わずにステップS3807へ進む(ステップS3804)。搬送経路Hがクレーン作業範囲内であるときに、ステップS3805において判定対象部材Mの搬送経路Hと関連モデルF(すなわち他の工事及び障害物)との接触の可能性を判定する。例えば搬送経路Hと関連モデルFとの間の最短距離により接触の可能性を判断し、最短距離が2m以下のときは接触判定不合格とする。
図38のステップS3806において接触判定合格か否かを判断し、判定不合格のときはステップS3807へ進み、判定対象部材Mの他の搬送経路Hが登録されている場合はステップS3802へ戻って前記ステップS3802〜S3806を繰り返す。全ての搬送経路Hについて判定不合格の場合は、搬送経路上での接触判定不合格とする(ステップS3808)。何れかの搬送経路Hについて判定が合格した場合はステップS3809へ進み、搬送経路上での接触判定合格として図33のステップS3302へ戻る。搬送経路上での接触判定の合格により、作業距離判定S2001、定格総荷重判定S2002、吊り高さ判定S2003及び接触判定S2004の全てについてクレーン作業を可能とするクレーン位置S及びクレーン姿勢Qが選定できたこととなる。
本発明のプログラムを内蔵したコンピュータ・システムの一例の説明図である。 三次元躯体図及び関連図のデータ構造の一例の説明図である。 本発明を用いた構造物躯体の建方計画の流れ図の一例である。 本発明による建方計画案の作成方法の一例である。 本発明によるクレーン計画検討内容の説明図である。 本発明によるクレーン計画検討方法の流れ図の他の一例である。 本発明による建方区毎のクレーン検討方法の流れ図の一例である。 本発明による建方区毎の建方可能性判定・クレーン位置算出方法の流れ図の一例である。 本発明で使用するクレーン位置の算出方法の流れ図の一例である。 本発明における接触判定のみ不合格の部材の発生を回避する方法の流れ図の一例である。 本発明による揚重途中経路指定時の搬送経路判定方法の流れ図の一例である。 本発明による搬送途中の搬送経路自動探索方法の流れ図の一例である。 図12における荷揚げ位置自動設定方法の流れ図の一例である。 図12における搬送経路探索方法の流れ図の一例である。 図14における左回り搬送経路探索方法の流れ図の一例である。 図15における半径中心方法移動ルールの流れ図の一例の前半部分である。 図16の流れ図に続く後半部分である。 図15における移動方向切替えルールの流れ図の一例である。 図18における搬送経路探索方法の説明図である。 主な建方可能性の判定項目の説明図である。 並列建方区の建方順序の同期化の説明図である。 本発明による建方地点での建方可能性検討方法の説明図である。 三次元躯体図(躯体モデル)Dの一例を示す説明図である。 建方区図Wの一例を示す説明図である。 三次元関連図(関連モデル)Fの一例を示す説明図である。 建物躯体の建方計画の概要を示す流れ図の一例である。 従来の建方支援システムの説明図である。 図27のシステムにおけるクレーン作業可能性検討方法の流れ図である。 図27のシステムにおけるクレーン位置指定方法の説明図である。 本発明による建方計画案の作成方法の他の一例である。 本発明による建方区図のクレーン計画方法の流れ図の一例である。 本発明による建方区図のクレーン計画方法の流れ図の他の一例である。 作業距離判定の流れ図の一例である。 定格総荷重判定の流れ図の一例である。 吊り高さ判定の流れ図の一例である。 建方済部材との接触判定の流れ図の一例である。 クレーン位置・クレーン姿勢の整合性チェックの流れ図の一例である。 搬送経路上での接触判定の流れ図の一例である。
符号の説明
1…コンピュータ 2…記憶手段
3…入力手段 4…表示手段
5…出力手段
24…建方計画案 25…建方計画実施案
40…建方区生成手段 50…建方区更新手段
60…クレーン計画検討手段
61…建方区同期化手段 62…クレーン可動域記入手段
63…クレーン位置算出手段 64…クレーン姿勢選択手段
65…クレーン性能選定手段 66…搬送経路判定手段
67…搬送経路探索手段
70…建方可能性判定手段 71…実効可動域計算手段
72…作業距離判定手段 73…定格総荷重判定手段
74…吊り高さ判定手段 75…接触判定手段
80…自立安定性検討手段 81…補強部材追加手段
90…三次元躯体図(躯体モデル)作成手段
91…三次元関連図(関連モデル)作成手段
At…並列建方区 C…クレーン
D…三次元躯体図(躯体モデル)
Ei…建方区(直列建方区)
F…三次元関連図(工事関連図、関連モデル)
G…クレーン揚重性能 H…搬送経路
M…部材
Me…判定結果の不合格部材
Mr…再判定結果の不合格材
Ms…接触判定結果の不合格部材
N…クレーン実効可動域 W…建方区図
P…荷揚げ位置
Pi…周期建方区
Q…クレーン姿勢
Rm…クレーンの最小作業半径
Rd…クレーンの危険半径
S…クレーン位置 T…クレーンデータベース
V…クレーン可動域 U…平面投影域

Claims (17)

  1. 構造物躯体の部材毎の建方位置・重量・形状が記録された三次元躯体図Dと、建方に用いるクレーンの揚重性能及び姿勢・最小作業半径・クレーン基部の抵触し得る危険半径が記録されたクレーンデータベースTとをコンピュータに記憶し;コンピュータにより、躯体図Dを複数の施工順序付き建方区Ei(1≦i≦n、nは建方区数)に区分けした建方区図Wを生成し、建方区図W上に前記クレーンの可動域を記入し、建方区図W上の建方対象建方区Ei毎に当該建方区Ei及び当該建方区Eiより施工順序が先行する先行建方区Ej(j<i)の平面投影域から前記クレーンの最小作業半径以上且つ危険半径以上離れたクレーン可動域内領域としてクレーン実効可動域を定め、対象建方区Eiの図心から最短距離のクレーン実効可動域内位置を初期クレーン位置として算出し、前記クレーンの揚重性能及び姿勢と初期クレーン位置とに基づき対象建方区Eiの全部材のクレーン作業可能性を部材毎に判定し、判定不合格部材の検出時にクレーン位置を当該不合格部材の建方位置から最短距離のクレーン実効可動域内位置に更新し、更新クレーン位置に基づき対象建方区Eiの判定不合格部材又は全部材のクレーン作業可能性を再判定することにより対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とするクレーン作業位置を検出してなる建方用クレーン計画方法。
  2. 請求項1の方法において、前記クレーン作業可能性の判定に対象建方区Ei及び先行建方区Ejの建方済部材とクレーンとの接触判定を含め、接触判定以外は合格で接触判定のみ不合格の部材の検出時にクレーン位置を前記更新クレーン位置に代えて対象建方区Eiの図心又は不合格部材の建方位置に対し所定距離ずつ段階的に遠ざけてクレーン実効可動域内の段階的離隔クレーン位置に移動させ、段階的離隔クレーン位置に基づきクレーン作業可能性を再判定してなる建方用クレーン計画方法。
  3. 構造物躯体の部材毎の建方位置・重量・形状が記録された三次元躯体図Dと、建方に用いるクレーンの揚重性能・変更可能な所定順序の姿勢・当該姿勢毎の最小作業半径及びクレーン基部の抵触し得る危険半径が記録されたクレーンデータベースTとをコンピュータに記憶し;コンピュータにより、躯体図Dを複数の施工順序付き建方区Ei(1≦i≦n、nは建方区数)に区分けした建方区図Wを生成し、建方区図W上に前記クレーンの可動域を記入し、最大又は最小順位の姿勢を初期クレーン姿勢として選択し、建方区図W上の建方対象建方区Ei毎に当該建方区Ei及び当該建方区Eiより施工順序が先行する先行建方区Ej(j<i)の平面投影域から初期クレーン姿勢の最小作業半径以上且つ危険半径以上離れたクレーン可動域内領域としてクレーン実効可動域を定め、対象建方区Eiの図心から最短距離のクレーン実効可動域内位置を初期クレーン位置として算出し、前記クレーンの揚重性能と初期クレーン姿勢と初期クレーン位置とに基づき対象建方区Eiの全部材のクレーン作業可能性を部材毎に判定し、判定不合格部材の検出時にクレーン姿勢を降順又は昇順に更新し、更新クレーン姿勢に基づき対象建方区Eiの判定不合格部材又は全部材のクレーン作業可能性を再判定することにより対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とするクレーン作業姿勢を検出してなる建方用クレーン計画方法。
  4. 請求項3の方法において、前記クレーン姿勢の更新時に更新クレーン姿勢の最小作業半径及び危険半径に基づき前記クレーン実効可動域を更新し且つ更新クレーン実効可動域内位置としてクレーン位置を再計算し、更新クレーン姿勢と再計算クレーン位置とに基づき対象建方区Eiの判定不合格部材又は全部材のクレーン作業可能性を再判定してなる建方用クレーン計画方法。
  5. 請求項1から4の何れかの方法において、前記データベースTに揚重性能が異なる複数のクレーンとクレーン毎の定格総荷重表とを記憶し;コンピュータにより、対象建方区Ei毎に当該建方区Eiの最大重量部材の負荷が最大定格荷重以下となる範囲内で最小又は最大の揚重性能のクレーンを初期クレーンとして選択し、初期クレーンの揚重性能に基づき対象建方区Ei毎のクレーン作業位置及び/又は姿勢を検出し、検出不能時にクレーンの揚重性能を前記範囲内で昇順又は降順に更新し、更新クレーンの揚重性能に基づき前記クレーン作業位置及び/又は姿勢を再検出することにより対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とする揚重性能のクレーンとそのクレーン作業位置及び/又は姿勢を検出してなる建方用クレーン計画方法。
  6. 請求項1から5の何れかの方法において、前記躯体を複数のクレーンで並列に建方する場合に、コンピュータにより躯体図Dをクレーン別に建方する複数の並列建方区At(1≦t≦u、uは並列建方区数)に分けた上で各並列建方区Atを複数の施工順序付き建方区Et,i(1≦i≦n、nは並列建方区At毎の建方区数)に区分けし且つ各並列建方区Atの建方区Eiの施工順序を同期化し、前記クレーン作業可能性の判定にクレーン相互間の干渉判定を含めてなる建方用クレーン計画方法。
  7. 請求項6の方法において、前記複数のクレーンに、対象建方区Eiの部材を当該建方区Ei及び先行建方区Ejの平面投影域内のクレーン作業位置から建方する定置式クレーンを含めてなる建方用クレーン計画方法。
  8. 請求項1から7の何れかの方法において、前記コンピュータに躯体と並列に施工する他の工事及び障害物の三次元位置を前記建方区Eiに対応する施工順序付き工区Esに区分けして記録した工事関連図Fと前記躯体の部材毎の建方位置への搬送経路Hとを記憶し、コンピュータにより躯体図Dの建方区Eiと工事関連図Fの工区Esとの施工順序を同期化し、前記クレーン作業可能性の判定に対象建方区Eiの各部材の搬送経路Hと他の工事及び障害物との接触判定を含めてなる建方用クレーン計画方法。
  9. 請求項1から7の何れかの方法において、前記コンピュータに躯体と並列に施工する他の工事及び障害物の三次元位置を前記建方区Eiに対応する施工順序付き工区Esに区分けして記録した工事関連図Fと前記躯体の部材毎の荷揚げ位置Pとを記憶し、前記データベースにクレーンの最小作業半径と共に最大作業半径を記録し、コンピュータにより躯体図Dの建方区Eiと工事関連図Fの工区Esとの施工順序を同期化した上で前記クレーンの最小作業半径及び最大作業半径の範囲内での後戻りアルゴリズムにより対象建方区Eiの各部材の荷揚げ位置Pから建方位置への搬送経路を探索してなる建方用クレーン計画方法。
  10. 構造物躯体のクレーンによる建方を検討するため、コンピュータを、躯体の部材毎の建方位置・重量・形状が記録された三次元躯体図Dと建方に用いるクレーンの揚重性能及び姿勢・最小作業半径・クレーン基部の抵触し得る危険半径が記録されたクレーンデータベースTとを記憶する記憶手段;躯体図Dを複数の施工順序付き建方区Ei(1≦i≦n、nは建方区数)に区分けした建方区図Wを生成する建方区生成手段;建方区図W上に前記クレーンの可動域を記入する可動域記入手段;建方区図W上の建方対象建方区Ei毎に当該建方区Ei及び当該建方区Eiより施工順序が先行する先行建方区Ej(j<i)の平面投影域からクレーンの最小作業半径以上且つ危険半径以上離れたクレーン可動域内領域としてクレーン実効可動域を定める実効可動域計算手段;対象建方区Eiの図心又は当該建方区Eiの特定部材の建方位置から最短距離のクレーン実効可動域内位置を建方区最短クレーン位置又は部材最短クレーン位置として算出するクレーン位置算出手段;並びに前記クレーンの揚重性能及び姿勢と建方区最短クレーン位置とに基づき対象建方区Eiの全部材のクレーン作業可能性を部材毎に判定し、判定不合格部材の検出時に当該不合格部材の部材最短クレーン位置に基づき対象建方区Eiの判定不合格部材又は全部材のクレーン作業可能性を再判定することにより対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とするクレーン作業位置を検出する建方可能性判定手段として機能させる建方用クレーン計画プログラム。
  11. 請求項10のプログラムにおいて、前記クレーン作業可能性の判定に対象建方区Ei及び先行建方区Ejの建方済部材とクレーンとの接触判定を含め、前記クレーン位置算出手段にクレーン位置を対象建方区Eiの図心又は特定部材の建方位置に対し所定距離ずつ段階的に遠ざけてクレーン実効可動域内の段階的離隔クレーン位置に移動させる機能を含め、前記建方可能性判定手段による接触判定以外は合格で接触判定のみ不合格の部材の検出時に前記部材最短クレーン位置に代えて当該不合格部材の段階的離隔クレーン位置に基づきクレーン作業可能性を再判定してなる建方用クレーン計画プログラム。
  12. 請求項10又は11のプログラムにおいて、前記データベースTに前記クレーンの変更可能な所定順序の姿勢と当該姿勢毎の最小作業半径及び危険半径とを記憶し、最大又は最小順位の姿勢を初期クレーン姿勢とし且つ降順又は昇順の姿勢を更新クレーン姿勢として選択するクレーン姿勢選択手段を設け、前記実効可動域計算手段により初期クレーン姿勢の最小作業半径及び危険半径に基づき対象建方区Eiのクレーン実効可動域を定め、前記建方可能性判定手段により、前記クレーンの揚重性能と初期クレーン姿勢と建方区最短クレーン位置とに基づき対象建方区Eiの全部材のクレーン作業可能性を判定し且つ判定不合格部材の検出時に更新クレーン姿勢に基づき対象建方区Eiの判定不合格部材又は全部材のクレーン作業可能性を再判定することにより対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とするクレーン作業姿勢を検出してなる建方用クレーン計画プログラム。
  13. 請求項12のプログラムにおいて、前記更新クレーン姿勢に基づく再判定時に前記実効可動域計算手段により更新クレーン姿勢の最小作業半径及び危険半径に基づきクレーン実効可動域を更新し且つ前記クレーン位置算出手段により更新クレーン実効可動域内位置としてクレーン位置を再計算し、前記建方可能性判定手段により更新クレーン姿勢と再計算クレーン位置とに基づき対象建方区Eiの判定不合格部材又は全部材のクレーン作業可能性を再判定してなる建方用クレーン計画プログラム。
  14. 請求項10から13の何れかのプログラムにおいて、前記データベースTに揚重性能が異なる複数のクレーンと当該クレーン毎の定格総荷重表とを記憶し、対象建方区Ei毎に当該建方区Eiの最大重量部材の負荷が最大定格荷重以下となる範囲内で最小又は最大の揚重性能のクレーンを初期クレーンとし且つ前記範囲内において昇順又は降順の揚重性能のクレーンを更新クレーンとして選定するクレーン選定手段を設け、前記建方可能性判定手段により、初期クレーンの揚重性能に基づき対象建方区Ei毎のクレーン作業位置及び/又は姿勢を検出し且つ検出不能時に更新クレーンの揚重性能に基づきクレーン作業位置及び/又は姿勢を再検出することにより対象建方区Ei毎にクレーン作業を可能とする揚重性能のクレーンとそのクレーン作業位置及び/又は姿勢とを検出してなる建方用クレーン計画プログラム。
  15. 請求項10から14の何れかのプログラムにおいて、前記躯体を複数のクレーンで並列に建方する場合に、前記建方区生成手段により躯体図Dをクレーン別に建方する複数の並列建方区At(1≦t≦u、uは並列建方区数)に分けた上で各並列建方区Atを複数の施工順序付き建方区Et,i(1≦i≦n、nは並列建方区At毎の建方区数)に区分けし、各並列建方区Atの建方区Eiの施工順序を同期化する建方区同期化手段を設け、前記クレーン作業可能性の判定にクレーン相互間の干渉判定を含めてなる建方用クレーン計画プログラム。
  16. 請求項10から15の何れかのプログラムにおいて、前記記憶手段に前記躯体と並列に施工する他の工事及び障害物の三次元位置を前記建方区Eiに対応する施工順序付き工区Esに区分けして記録した工事関連図Fと前記躯体の部材毎の建方位置への搬送経路Hとを記憶し、躯体図Dの建方区Eiと工事関連図Fの工区Esとの施工順序を同期化する建方区同期化手段を設け、対象建方区Eiの各部材の搬送経路Hと他の工事及び障害物との接触を判定する搬送経路判定手段を設けてなる建方用クレーン計画プログラム。
  17. 請求項10から15の何れかのプログラムにおいて、前記記憶手段に前記躯体と並列に施工する他の工事及び障害物の三次元位置を前記建方区Eiに対応する施工順序付き工区Esに区分けして記録した工事関連図Fと前記躯体の部材毎の荷揚げ位置Pとを記憶し、前記データベースにクレーンの最小作業半径と共に最大作業半径を記録し、躯体図Dの建方区Eiと工事関連図Fの工区Esとの施工順序を同期化する建方区同期化手段を設け、前記クレーンの最小作業半径及び最大作業半径の範囲内での後戻りアルゴリズムにより対象建方区Eiの各部材の荷揚げ位置Pから建方位置への搬送経路を探索する搬送経路探索手段を設けてなる建方用クレーン計画プログラム。
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