JP2021021767A - 光拡散シート - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度ムラの発生を十分に抑制することができる光拡散シートを提供する。【解決手段】基材層11と、基材層11の光出射面側に積層される光拡散層12とを備え、基材層11及び光拡散層12の間に配設される隠蔽層13をさらに備え、隠蔽層13が、樹脂マトリックス13aと、樹脂マトリックス中に分散する無機酸化物微粒子13bとを有する。無機酸化物微粒子13bの平均粒子径としては0.1μm以上1.0μm以下が好ましい。隠蔽層13における無機酸化物微粒子13bの含有量としては20質量%以上80質量%以下が好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、光拡散シートに関する。
フラットパネルディスプレイ等の液晶表示装置は、液晶セル及びこの液晶セルの両面側に積層される一対の偏光板を有する液晶表示パネルと、この液晶表示パネルの裏面側に配設され、この液晶表示パネルに向けて光線を照射するバックライトユニットとを備える。
上記バックライトユニットの種類としては、エッジライト型(サイドライト型)、直下型等が存在している。上記エッジライト型バックライトユニットは、端面から入射された光線を表面側に導くライトガイドプレート又はライトガイドフィルムと、このライトガイドプレート又はライトガイドフィルムの端面に沿って配設される1又は複数の光源と、上記ライトガイドプレート又はライトガイドフィルムの表面側に配設される複数の光学シートとを備える(特開2011−128607号公報参照)。
上記光源としては、小型化及び省エネルギー化等の観点からLEDが普及している。上記複数の光学シートとしては、ライトガイドプレート又はライトガイドフィルムの直上に配置される光拡散シートや、この光拡散シートの直上に配置されるプリズムシート等が装備される。上記光拡散シートは、例えば基材層と、この基材層の表面側に積層され、樹脂ビーズ及びそのバインダーを有する光拡散層とを備える。
特開2011−128607号公報
しかしながら、このバックライトユニットでは、光学シートに生じた傷や異物等が輝点となって輝度ムラを生じるおそれがある。
また、LEDを用いたバックライトユニットでは、LEDから照射される光線の指向性が高いため、ホットスポット(ディスプレイ画面上において光源付近で輝度が局所的に高くなる現象)が発生し、このホットスポットによって輝度ムラを生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、輝度ムラの発生を十分に抑制することができる光拡散シートの提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る光拡散シートは、基材層と、この基材層の光出射面側に積層される光拡散層とを備える光拡散シートであって、上記基材層及び光拡散層の間に配設される隠蔽層をさらに備え、上記隠蔽層が、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する無機酸化物微粒子とを有する。
本発明に係る光拡散シートは、輝度ムラの発生を十分に抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光拡散シートを備えるエッジライト型バックライトユニットを示す模式的端面図である。 図2は、図1の光拡散シートとは異なる実施形態に係る光拡散シートを示す模式的端面図である。 図3は、図2の光拡散シートの部分拡大図である。 図4は、図1及び図2の光拡散シートとは異なる実施形態に係る光拡散シートを示す模式的端面図である。 図5は、No.1の光拡散シートのレーザー顕微鏡で撮影した断面画像である。 図6は、No.1及びNo.2の光拡散シートの隠蔽性を示すグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明に係る光拡散シートは、基材層と、この基材層の光出射面側に積層される光拡散層とを備える光拡散シートであって、上記基材層及び光拡散層の間に配設される隠蔽層をさらに備え、上記隠蔽層が、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する無機酸化物微粒子とを有する。
当該光拡散シートは、樹脂マトリックス及びこの樹脂マトリックス中に分散する無機酸化物微粒子を有する隠蔽層が、基材層と光拡散層との間に配設されるので、上記基材層から光拡散層に向かう光線を上記隠蔽層内で十分に内部拡散させることができる。また、当該光拡散シートは、上記隠蔽層と上記光拡散層とが別個の層として設けられるので、上記光拡散剤と上記無機酸化物微粒子との凝集を防止し、透過光線を均一に拡散させることができる。さらに、当該光拡散シートは、上記隠蔽層の両側に基材層と光拡散層とが位置しているので、上記無機酸化物微粒子と他の光学部材との接触を抑制でき、この無機酸化物微粒子に起因する他の光学部材の傷付きを十分に抑制することができる。従って、当該光拡散シートは、輝度ムラの発生を十分に抑制することができる。
上記無機酸化物微粒子の平均粒子径としては、0.1μm以上1.0μm以下が好ましい。このように、上記無機酸化物微粒子の平均粒子径が上記範囲内であることによって、隠蔽性を高めることができる。
上記隠蔽層における上記無機酸化物微粒子の含有量としては、20質量%以上80質量%以下が好ましい。このように、上記隠蔽層における上記無機酸化物微粒子の含有量が上記範囲内であることによって、隠蔽性を高めつつ、輝度の低下を抑制することができる。
上記光拡散層が光拡散剤及びそのバインダーを有し、上記隠蔽層における上記無機酸化物微粒子の含有量が上記光拡散層における上記光拡散剤の含有量よりも小さいとよい。このように、上記光拡散層が光拡散剤及びそのバインダーを有し、上記隠蔽層における上記無機酸化物微粒子の含有量が上記光拡散層における上記光拡散剤の含有量よりも小さいことによって、隠蔽性を高めつつ、輝度の低下を抑制することができる。
なお、本発明において、「無機酸化物微粒子の平均粒子径」とは、隠蔽層の厚さ方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、観察画像において抽出した任意の50個の無機酸化物微粒子の直径の平均値をいう。「隠蔽層における無機酸化物微粒子の含有量が光拡散層における光拡散剤の含有量よりも小さい」とは、質量換算において隠蔽層における無機酸化物微粒子の含有量が光拡散層における光拡散剤の含有量よりも小さいことをいう。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る光拡散シートについて図面を参照しつつ詳説する。
[第一実施形態]
<バックライトユニット>
まず、図1を参照に、当該光拡散シート2を備えるバックライトユニット1について説明する。バックライトユニット1は、液晶表示装置用バックライトユニットであって、より詳しくはエッジライト型バックライトユニットである。バックライトユニット1は、端面から入射された光線を表面側に導くライトガイドフィルム3と、ライトガイドフィルム3の上記端面に沿って配置される1又は複数の光源4と、ライトガイドフィルム3の表面側に配置される当該光拡散シート2と、当該光拡散シート2の表面側に配置されるプリズムシート5と、ライトガイドフィルム3の裏面側に配置される反射シート6とを備える。バックライトユニット1では、ライトガイドフィルム3の表面に直接(他の部材を介することなく)当該光拡散シート2が配置され、当該光拡散シート2の表面に直接プリズムシート5が配置されている。バックライトユニット1では、プリズムシート5の表面側に他のプリズムシート等の光学シートがさらに配置されていてもよい。なお、「表面」とは、液晶表示装置に組み込まれた状態における視認者側の面を意味し、「裏面」とは、その反対側の面を意味する。
バックライトユニット1では、プリズムシート5、当該光拡散シート2、ライトガイドフィルム3及び反射シート6は、表面側から裏面側にこの順で配置されている。プリズムシート5、当該光拡散シート2及びライトガイドフィルム3の表面は、それぞれ光出射面を構成している。また、プリズムシート5及び当該光拡散シート2の裏面は、それぞれ光入射面を構成している。
(光拡散シート)
当該光拡散シート2は、基材層11と、基材層11の光出射面側に積層される光拡散層12とを備える。当該光拡散シート2は、基材層11及び光拡散層12の間に配設される隠蔽層13をさらに備える。当該光拡散シート2は、基材層11、隠蔽層13及び光拡散層12が光入射面側から光出射面側に向けてこの順で直接(つまり他の層を介さず)積層されている。当該光拡散シート2は、光入射面側から光出射面側に向けて光線を透過拡散させる。
〔基材層〕
基材層11は、光線を透過させる必要があるので透明である。基材層11は、合成樹脂を主成分とする。基材層11の主成分としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。中でも、透明性に優れ、強度が高いポリエチレンテレフタレートが好ましく、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。なお、「主成分」とは、質量換算で最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
基材層11の平均厚さの下限としては、20μmが好ましく、30μmがより好ましい。一方、基材層11の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、100μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限に満たないと、基材層11の強度が不十分となるおそれや、隠蔽層13や光拡散層12の形成時に基材層11にカールを生じるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、バックライトユニット1の輝度が低下するおそれや、バックライトユニット1の薄型化の要請に沿えないおそれがある。
〔光拡散層〕
光拡散層12は、当該光拡散シート2の最表層を構成する(換言すると、光拡散層12の光出射面が当該光拡散シート2の光出射面を構成する)。光拡散層12は、複数の光拡散剤12a及びそのバインダー12bを有する。光拡散層12は、無機酸化物微粒子を実質的に含まない。光拡散剤12aはバインダー12bに囲まれている。光拡散層12は、複数の光拡散剤12aを分散含有することによって、光入射面側から光出射面側に透過する光線を略均一に拡散させる。また、光拡散層12は、複数の光拡散剤12aによって光出射面に微細凹凸が略均一に形成され、この微細凹凸の各凹部及び凸部がレンズ状に形成されている。光拡散層12は、かかる微細凹凸のレンズ的作用によって、優れた光拡散機能を発揮し、この光拡散機能に起因して透過光線を法線方向側へ屈折させる屈折機能及び透過光線を法線方向に巨視的に集光させる集光機能を有している。なお、「実質的に含まない」とは、不可避的に含まれる場合を除いて積極的に添加されないことをいい、例えば含有量が1質量%以下であることをいい、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であることをいう。
光拡散剤12aは、光線を拡散させる性質を有する樹脂ビーズである。光拡散剤12aの主成分としては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。中でも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
光拡散剤12aの形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状、立方状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散性に優れる球状が好ましい。
光拡散剤12aの平均粒子径の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、光拡散剤12aの平均粒子径の上限としては、10μmが好ましく、6μmがより好ましい。光拡散剤12aの平均粒子径が上記下限に満たないと、光拡散層12の光出射面の凹凸が不十分となり、当該光拡散シート2の光拡散性が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均粒子径が上記上限を超えると、光拡散層12から光拡散剤12aが脱落しやすくなり、光拡散剤12aの脱落に起因してプリズムシート5等に傷付きを生じるおそれがある。なお、「ビーズの平均粒子径」とは、レーザー回折法で測定した累積分布から算出される体積基準粒度分布による平均粒子径D50をいう。
光拡散層12における光拡散剤12aの含有量の下限としては、30質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、90質量%が好ましく、70質量%がより好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、光拡散層12の光出射面の凹凸が不十分となり、当該光拡散シート2の光拡散性が不十分となるおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、バインダー12bに対する光拡散剤12aの割合が大きくなり過ぎて、光拡散層12から光拡散剤12aが脱落しやすくおそれがある。
バインダー12bは、基材ポリマーを含むポリマー組成物を硬化(架橋等)させることで形成される。光拡散剤12aは、バインダー12bによって、隠蔽層13の光出射面側の全面に略等密度で配置固定される。なお、バインダー12bを形成するためのポリマー組成物は、その他に例えば硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されていてもよい。
光拡散層12は、基材層11の光出射面側に後述の隠蔽層13を積層したうえで、バインダー成分及び光拡散剤12aを含む塗液を隠蔽層13の光出射面に塗布して硬化させることで形成される。
〔隠蔽層〕
隠蔽層13は、樹脂マトリックス13aと、この樹脂マトリックス13a中に分散する無機酸化物微粒子13bとを有する。隠蔽層13は、樹脂ビーズを実質的に含まない。上述のように、隠蔽層13は、基材層11と光拡散層12との間に挟まれている。これにより、無機酸化物微粒子13bは、当該光拡散シート2の光出射面及び光入射面には露出していない。
無機酸化物微粒子13bとしては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛等の微粒子が挙げられる。中でも、樹脂マトリックス13aとの屈折率差を大きくして隠蔽性を向上しやすい酸化チタン微粒子が好ましい。
無機酸化物微粒子13bの平均粒子径は光拡散剤12aの平均粒子径よりも小さい。無機酸化物微粒子13bの平均粒子径の下限としては、0.1μmが好ましく、0.2μmがより好ましい。一方、上記平均粒子径の上限としては、1.0μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。上記平均粒子径が上記下限に満たないと、無機酸化物微粒子13bによる隠蔽性の向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均粒子径が上記上限を超えると、隠蔽層13における無機酸化物微粒子13bの均一分散性が不十分となり、部分的に無機酸化物微粒子13bの密度が小さい部分ができ、隠蔽性を十分に高めることができないおそれがある。
隠蔽層13における無機酸化物微粒子13bの含有量の下限としては、20質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、100質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、隠蔽性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、無機酸化物微粒子13bを樹脂マトリックス13a中に固定し難くなるおそれや、バックライトユニット1の輝度が低下するおそれがある。
隠蔽層13における無機酸化物微粒子13bの含有量は光拡散層12における光拡散剤12aの含有量よりも小さいことが好ましい。当該光拡散シート2は、隠蔽層13における無機酸化物微粒子13bの含有量が光拡散層12における光拡散剤12aの含有量よりも小さいことで、無機酸化物微粒子13bで拡散された光を光拡散層12でさらに法線方向に巨視的に集光させやすい。これにより、隠蔽性を高めつつ、バックライトユニット1の輝度を十分に大きくしやすい。
樹脂マトリックス13aは、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。上記合成樹脂としては、例えば熱硬化型樹脂や活性エネルギー線硬化型樹脂が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線を照射することによって架橋、硬化する紫外線硬化型樹脂や、電子線を照射することによって架橋、硬化する電子線硬化型樹脂等が挙げられ、重合性モノマー及び重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることが可能である。中でも、上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、基材層11及び光拡散層12との密着性を向上すると共に、無機酸化物微粒子13bを十分に固定しやすいアクリル系、ウレタン系又はアクリルウレタン系紫外線硬化型樹脂が好ましい。
隠蔽層13は、樹脂マトリックス13aを形成する樹脂組成物及び無機酸化物微粒子13bを含む塗液を基材層11の光出射面に塗布して硬化させることで形成される。
上記塗液を基材層11の光出射面に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばロールコーター、キスロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアロールコーター等を用いた方法が挙げられる。
隠蔽層13の塗工量(固形分換算)の下限としては、2.0g/mが好ましく、3.0g/mがより好ましい。一方、上記塗工量の上限としては、10.0g/mが好ましく、8.0g/mがより好ましい。上記塗工量が上記下限に満たないと、十分な隠蔽性が得られないおそれがある。逆に、上記塗工量が上記上限を超えると、隠蔽層13が不必要に厚くなり、バックライトユニット1の輝度が低下するおそれがある。
固形分換算における隠蔽層13の塗工量に対する光拡散層12の塗工量の比の下限としては、0.7が好ましく、0.8がより好ましい。一方、上記比の上限としては、2.0が好ましく、1.5がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、法線方向への巨視的な集光機能が不十分となり、バックライトユニット1の輝度を十分に高められないおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、隠蔽性が不十分となるおそれがある。
(ライトガイドフィルム)
ライトガイドフィルム3は、平面視略方形状に形成されており、厚さが略均一の板状(非楔形状)である。ライトガイドフィルム3は、裏面に光散乱用の複数の凹部を有していてもよい。また、ライトガイドフィルム3は、出射光を制御できるよう、表面(光出射面)にレンチキュラー、プリズム列等の凹凸形状を有していてもよい。
ライトガイドフィルム3の平均厚さの下限としては、100μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。一方、ライトガイドフィルム3の平均厚さの上限としては、600μmが好ましく、400μmがより好ましい。ライトガイドフィルム3の平均厚さが上記下限に満たないと、ライトガイドフィルム3の強度が不十分となるおそれがあり、また光源4から照射される光をライトガイドフィルム3に十分に入射させ難くなるおそれがある。逆に、ライトガイドフィルム3の平均厚さが上記上限を超えると、バックライトユニット1の薄型化の要請に反するおそれがある。
ライトガイドフィルム3は、透光性を有する必要があるため透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成される。ライトガイドフィルム3の主成分としては、特に限定されるものではないが、透明性、強度等に優れるポリカーボネートや、透明性、耐擦傷性等に優れるアクリル樹脂等が挙げられる。
(光源)
光源4は、照射面がライトガイドフィルム3の端面に対向(又は当接)するよう配設されている。光源4としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることが可能である。具体的には、この光源4として、複数の発光ダイオードがライトガイドフィルム3の一の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
(プリズムシート)
プリズムシート5は、基材層5aと、この基材層5aの光出射面に積層される複数の凸条プリズム部からなるプリズム列5bとを有する。基材層5a及びプリズム列5bは光線を透過させる必要があるので透明である。基材層5a及びプリズム列5bは合成樹脂を主成分として形成される。バックライトユニット1は、プリズムシート5の光出射面側に他のプリズムシートが配設されてもよく、この場合、プリズムシート5及び上記他のプリズムシートのプリズム列の方向は直交することが好ましい。
(反射シート)
反射シート6としては、ポリエステル等の基材樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステル等から形成されるフィルムの表面に、アルミニウム、銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が挙げられる。
<利点>
当該光拡散シート2は、樹脂マトリックス13a及びこの樹脂マトリックス13a中に分散する無機酸化物微粒子13bを有する隠蔽層13が、基材層11と光拡散層12との間に配設されるので、基材層11から光拡散層12に向かう光線を隠蔽層13内で十分に内部拡散させたうえ、この光線を光拡散層12によって法線方向へ巨視的に集光させることができる。また、当該光拡散シート2は、隠蔽層13と光拡散層12とが別個の層として設けられるので、光拡散剤12aと無機酸化物微粒子13bとの凝集を防止し、透過光線を均一に拡散させることができる。さらに、当該光拡散シート2は、隠蔽層13の両側に基材層11と光拡散層12とが位置しているので、無機酸化物微粒子13bと他の光学部材との接触を抑制でき、この無機酸化物微粒子13bに起因する他の光学部材の傷付きを十分に抑制することができる。従って、当該光拡散シート2は、輝度ムラの発生を十分に抑制することができる。
[第二実施形態]
<光拡散シート>
図2の光拡散シート20は、図1の光拡散シート2に代えて、バックライトユニット1に用いられる。当該光拡散シート20は、基材層11と、基材層11の光出射面側に積層される光拡散層22とを備える。当該光拡散シート20は、基材層11及び光拡散層22の間に配設される隠蔽層23をさらに備える。当該光拡散シート20は、基材層11、隠蔽層23及び光拡散層22が光入射面側から光出射面側に向けてこの順で直接(つまり他の層を介さず)積層されている。当該光拡散シート20は、光入射面側から光出射面側に向けて光線を透過拡散させる。基材層11としては、図1の光拡散シート2の基材層11と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
〔光拡散層〕
光拡散層22は、当該光拡散シート20の最表層を構成する(換言すると、光拡散層22の光出射面が当該光拡散シート20の光出射面を構成する)。光拡散層22は、複数の光拡散剤22a及びそのバインダー22bを有する。光拡散層22は、無機酸化物微粒子を実質的に含まない。光拡散剤22aはバインダー22bに囲まれている。光拡散層22は、複数の光拡散剤22aを分散含有することによって、光入射面側から光出射面側に透過する光線を略均一に拡散させる。また、光拡散層22は、複数の光拡散剤22aによって光出射面に微細凹凸が略均一に形成され、この微細凹凸の各凹部及び凸部がレンズ状に形成されている。光拡散層22は、かかる微細凹凸のレンズ的作用によって、優れた光拡散機能を発揮し、この光拡散機能に起因して透過光線を法線方向側へ屈折させる屈折機能及び透過光線を法線方向に巨視的に集光させる集光機能を有している。
光拡散剤22aとしては、図1の光拡散シート2の光拡散剤12aと同様のものを用いることができる。また、光拡散剤22aの平均粒子径及び光拡散層22における光拡散剤22aの含有量としては、図1の光拡散シート2と同様とすることができる。
バインダー22bは、基材ポリマーを含むポリマー組成物を硬化(架橋等)させることで形成される。光拡散剤22aは、バインダー22bによって、隠蔽層23の光出射面側の全面に略等密度で配置固定される。なお、バインダー22bを形成するためのポリマー組成物は、その他に例えば硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されていてもよい。
〔隠蔽層〕
隠蔽層23は、樹脂マトリックス23aと、この樹脂マトリックス23a中に分散する無機酸化物微粒子23bとを有する。隠蔽層23は、樹脂ビーズを実質的に含まない。上述のように、隠蔽層23は、基材層11と光拡散層22との間に挟まれている。これにより、無機酸化物微粒子23bは、当該光拡散シート20の光出射面及び光入射面には露出していない。
図3に示すように、隠蔽層23の光出射面23c(つまり、光拡散層22との界面)には、微細凹凸が形成されている。この微細凹凸の凹部には後述する光拡散層22の光拡散剤22aが嵌まり込んでいる。また、この微細凹凸の凸部は、当該光拡散シート20の平面方向に隣接する光拡散剤22a同士の間で光拡散層22側に突出している。このように、当該光拡散シート20は、隠蔽層23の光出射面23cに微細凹凸が形成されることで、当該光拡散シート20の平面方向に隣接する光拡散剤22a同士の隙間に多数の無機酸化物微粒子23bを配置することができる。その結果、当該光拡散シート2は、隠蔽層23の無機酸化物微粒子23bによる光拡散効果と光拡散層22の光拡散剤22aによる光拡散効果とが補完し合い、隠蔽性をより高めやすい。
無機酸化物微粒子23bとしては、図1の光拡散シート2の無機酸化物微粒子13bと同様のものを用いることができる。無機酸化物微粒子23bの平均粒子径及び隠蔽層23における無機酸化物微粒子23bの含有量としては、図1の光拡散シート2と同様とすることができる。
光拡散剤22aの平均粒子径に対する無機酸化物微粒子23bの平均粒子径の比の下限としては、0.01が好ましく、0.05がより好ましい。一方、上記比の上限としては、0.5が好ましく、0.1がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、無機酸化物微粒子23bの平均粒子径が小さくなり過ぎて隠蔽性を十分に高められないおそれや、光拡散剤22aの平均粒子径が大きくなり過ぎて隠蔽層23の光出射面23cに形成される凹部に光拡散剤22aを嵌め込み難くなるおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、光拡散層22の光拡散性が不十分になるおそれや、隠蔽層23の光出射面23cに形成される凸部に無機酸化物微粒子23bを十分に配置し難くなるおそれがある。
樹脂マトリックス23aは、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。上記合成樹脂としては、図1の光拡散シート2の樹脂マトリックス13aと同様のものを用いることができる。
当該光拡散シート20は、基材層11の光出射面に樹脂マトリックス23aを形成する樹脂組成物及び無機酸化物微粒子23bを含む塗液を塗布して硬化させることで隠蔽層23を形成し、さらに隠蔽層23の光出射面にバインダー成分及び光拡散剤22aを含む塗液を塗布して硬化させることで光拡散層22を形成することで製造できる。
固形分換算における隠蔽層23の塗工量、及び固形分換算における隠蔽層23の塗工量に対する光拡散層22の塗工量の比としては、図1の光拡散シート2と同様とすることができる。
<利点>
当該光拡散シート20は、平面視での光拡散剤22a同士の隙間における無機酸化物微粒子23bの存在個数を大きくしやすい。これにより、当該光拡散シート20は、隠蔽性を高めやすい。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば当該光拡散シートは、基材層、隠蔽層及び光拡散層以外の他の層を備えていてもよい。図4の光拡散シート30は、基材層11と、基材層11の光出射面側に積層される光拡散層12と、基材層11及び光拡散層12の間に配設される隠蔽層13と、基材層11の光入射面側に積層されるスティッキング防止層34とを備えている。スティッキング防止層34は、光入射面側に突出する複数の凸部34aを有する。当該光拡散シート30は、スティッキング防止層34を備えることで、光入射面側に配置されるライトガイドフィルム等の他の光学部材と複数の凸部34aで部分的に当接する。これにより、当該光拡散シート30は、上記他の光学部材とのスティッキングを防止することができる。
上記光拡散層の具体的構成は、上記実施形態に記載の構成に限定されるものではない。例えば上記光拡散層は、エンボス加工等によって外面に凹凸形状が形成されたものであってもよい。
上記バックライトユニットは、上記ライトガイドフィルムに代えて、例えば平均厚さが600μm超のライトガイドプレートを備えていてもよい。また、このライトガイドプレートは、平板状であってもよく、断面楔形状であってもよい。
上記バックライトユニットとしては、直下型バックライトユニットを用いることも可能である。さらに、上記バックライトユニットがエッジライト型バックライトユニットである場合でも、ライトガイドフィルム又はライトガイドプレートの一の端面に沿ってのみ1又は複数の光源が配設された片側エッジライト型バックライトユニットである必要はなく、ライトガイドフィルム又はライトガイドプレートの対向する一対の端面に沿って1又は複数の光源が配設された両側エッジライト型バックライトユニットや、ライトガイドフィルム又はライトガイドプレートの各端面に沿って1又は複数の光源が配設された全周囲エッジライト型バックライトユニットであってもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
(No.1)
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ38μmの基材層を用意した。この基材層の光出射面に、アクリル樹脂を主成分とする樹脂マトリックス成分、無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子、並びに添加剤としての帯電防止剤及び硬化剤を含む塗液を塗布して硬化させることで隠蔽層を積層した。さらに、この隠蔽層の光出射面にバインダー成分としてのアクリル樹脂、光拡散剤としての平均粒子径5μmのアクリルビーズ、並びに添加剤として帯電防止剤及び硬化剤を含む塗液を塗布して硬化させることで光拡散層を積層し、基材層、隠蔽層及び光拡散層の3層体からなるNo.1の光拡散シートを製造した。No.1の光拡散シートにおいて、ミクロトームによって隠蔽層を厚さ方向にスライスし、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察画像から任意の50個の酸化チタン微粒子を抽出して酸化チタン微粒子の平均粒子径を測定したところ、0.3μmであった。No.1の光拡散シートにおける固形分換算での隠蔽層及び光拡散層の塗工量、並びに隠蔽層及び光拡散層における各成分の含有量を表1に示す。また、No.1の光拡散シートをBoeckeler Instruments社製のウルトラミクロトーム「Power Tome XL」を用いて厚さ方向にスライスし、切断面をキーエンス社製のレーザー顕微鏡「VK−X200」(レーザー波長405nm、レンズ倍率150倍)により撮影した断面画像を図5に示す。図5に示すように、No.1では、隠蔽層の光出射面に微細凹凸が形成されており、この微細凹凸の凹部に光拡散層の光拡散剤が嵌まり込んでいる。
[比較例]
(No.2)
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする平均厚さ38μmの基材層を用意した。この基材層の光出射面に、バインダー成分としてのアクリル樹脂、光拡散剤としての平均粒子径5μmのアクリルビーズ、無機酸化物微粒子としての酸化チタン微粒子、並びに添加剤としての帯電防止剤及び硬化剤を含む塗液を塗布して硬化させることで光拡散層を積層し、基材層及び光拡散層の2層体からなるNo.2の光拡散シートを製造した。No.2の光拡散シートにおいて、ミクロトームによって光拡散層を厚さ方向にスライスし、光拡散層に含まれる酸化チタン微粒子の平均粒子径をNo.1と同様の手順で測定したところ、0.3μmであった。No.2の光拡散シートにおける固形分換算での光拡散層の塗工量、及び光拡散層における各成分の含有量を表1に示す。
Figure 2021021767
<輝度及び色度の測定>
No.1及びNo.2の光拡散シートを用いたバックライトユニットの輝度を以下の手順で測定した。No.1及びNo.2の各光拡散シートの光入射面側に同様の青色LEDを配置し、さらにこれらの光拡散シートの光出射面側にプリズム列の方向が直交するよう同一の2枚のプリズムシートを配置した。青色LEDの直上領域においてプリズムシートから出射される輝度[cd/cm]及び色度をTOPCON社製の輝度測定装置「BM−7」によって測定した。この測定結果を表2に示す。なお、表2の値は、3回の測定値の平均値である。
<輝度ムラの測定>
No.1及びNo.2の光拡散シートについて、それぞれ光入射面側に複数のLEDを直線状に5mmピッチで配置した。また、No.1及びNo.2の光拡散シートの光出射面側に100cmの間隔を空けてHI−LAND社製の輝度測定器「Risa Color」を配置した。複数のLEDから光拡散シートの法線方向に光線を照射し、光拡散シートから出射される光の輝度ムラを上記輝度測定器にて測定した。この測定結果を図6に示す。
<傷付きの有無の測定>
No.1及びNo.2の光拡散シートをそれぞれ50mm角に切断した試験片を作製した。安田精機製作所社製の摩擦堅牢度試験機を用いて各試験片の光拡散層の光出射面をプリズムシートのプリズム列に対して荷重200gf、移動速度110mm/sec、移動距離210mm、試験回数10往復で摩擦した後、プリズムシートのプリズム列の傷付きの有無を目視にて確認し、以下の基準で評価した。この評価結果を表2に示す。
A:傷つきなし
B:傷つきあり
Figure 2021021767
[評価結果]
表2に示すように、No.1の光拡散シートは、隠蔽層と光拡散層とが別個の層として形成され、隠蔽層が光拡散層と基材層との間に挟まれていることで、No.2の光拡散シートよりも輝度が大きく、かつプリズム列への傷付きも防止できている。また、図6に示すように、No.1の光拡散シートは、No.2の光拡散シートと同程度に輝度ムラを低減できており優れた隠蔽性を有している。
以上のように、本発明に係る光拡散シートは、輝度ムラの発生を十分に抑制することができるので、液晶表示装置のバックライトユニットに好適に用いられる。
1 バックライトユニット
2,20,30 光拡散シート
3 ライトガイドフィルム
4 光源
5 プリズムシート
5a 基材層
5b プリズム列
6 反射シート
11 基材層
12,22 光拡散層
12a,22a 光拡散剤
12b,22b バインダー
13,23 隠蔽層
13a,23a 樹脂マトリックス
13b,23b 無機酸化物微粒子
23c 光出射面
34 スティッキング防止層
34a 凸部

Claims (4)

  1. 基材層と、この基材層の光出射面側に積層される光拡散層とを備える光拡散シートであって、
    上記基材層及び光拡散層の間に配設される隠蔽層をさらに備え、
    上記隠蔽層が、樹脂マトリックスと、この樹脂マトリックス中に分散する無機酸化物微粒子とを有する光拡散シート。
  2. 上記無機酸化物微粒子の平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下である請求項1に記載の光拡散シート。
  3. 上記隠蔽層における上記無機酸化物微粒子の含有量が20質量%以上80質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の光拡散シート。
  4. 上記光拡散層が光拡散剤及びそのバインダーを有し、
    上記隠蔽層における上記無機酸化物微粒子の含有量が上記光拡散層における上記光拡散剤の含有量よりも小さい請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光拡散シート。
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