JP2021021458A - 軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油がハウジング外に漏洩することを防止できる軸受装置を提供する。【解決手段】静止側部材2と静止側部材2に対して回転する回転軸部材3との相対回転箇所に設けられ、回転軸部材3と摺動可能な軸受部材4を備え、軸受部材4と回転軸部材3との間に潤滑油8が供給されて摺動する軸受装置1であって、静止側部材2から回転軸部材3の外周面3aに向けて内径方向に延びる遮へい部5と、遮へい部5よりも軸受部材4側にて回転軸部材3の外周面3aに突設される油切りリング6と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、船舶の推進装置等の回転機械に適用され、該回転機械の回転軸を回転可能に支持する軸受装置に関する。
船舶の推進装置等の回転機械を構成する回転軸の周りには、回転軸を回転可能に支持する軸受装置が設けられている。この軸受装置としては、回転軸が遊挿される筒状のハウジングと、ハウジングと回転軸との間に配置される軸受部材と、を備え、軸受部材と回転軸との間に外部から潤滑油を供給して回転軸を円滑に回転させる滑り軸受が広く用いられている。
このような軸受装置にあっては、潤滑油が軸受部材と回転軸との間から漏洩することがある。そこで、特許文献1に示される軸受装置は、ハウジングの内周面から内径方向に延びるバッフルプレートと、バッフルプレートよりも軸受部材から離れた側(以下、軸方向外側という。)の位置で回転軸の外周面に固定される環状の油切りリングと、を備えており、遠心力により外径側に飛散する潤滑油はバッフルプレートにより堰き止めることができ、回転軸に沿って軸方向外側に移動する潤滑油は油切りリングにより堰き止めることができるようになっている。
実願平2−121737号(実開平4−78330号)のマイクロフィルム(第3頁、第2図)
しかしながら、特許文献1の軸受装置にあっては、回転軸に沿って移動する潤滑油がバッフルプレートの内径側を通過した後、バッフルプレートよりも軸方向外側で遠心力により外径側に飛散することがあり、潤滑油が油切りリングを飛び越えてしまい、ハウジングと回転軸との間からハウジング外に潤滑油が漏洩してしまう虞があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、潤滑油がハウジング外に漏洩することを防止できる軸受装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の軸受装置は、
静止側部材と該静止側部材に対して回転する回転軸部材との相対回転箇所に設けられ、該回転軸部材と摺動可能な軸受部材を備え、前記軸受部材と前記回転軸部材との間に潤滑油が供給されて摺動する軸受装置であって、
前記静止側部材から前記回転軸部材の外周面に向けて内径方向に延びる遮へい部と、該遮へい部よりも前記軸受部材側にて前記回転軸部材の外周面に突設される油切りリングと、を備える。
これによれば、回転軸部材に沿って漏洩する潤滑油は遮へい部よりも軸受部材側に配置される油切りリングにより該軸方向外側への移動が堰き止められるとともに、遠心力により油切りリングを飛び越える潤滑油は遮へい部により堰き止められ、遮へい部よりも軸方向外側に潤滑油が移動することを抑制できるので、潤滑油がハウジングと回転軸との間からハウジング外に漏洩することを防止できる。
前記遮へい部と前記油切りリングとは、軸方向視で一部重畳していてもよい。
これによると、飛散した潤滑油が遮へい部と油切りリングとの間を通過することを抑制できる。
前記遮へい部と前記油切りリングとの軸方向の離間寸法は、前記油切りリングの径方向の寸法よりも短くてもよい。
これによると、遠心力により飛散する潤滑油が遮へい部または油切りリングに接触しやすく、潤滑油が遮へい部と油切りリングとの間を通過することを抑制できる。
前記油切りリングの外径には、前記遮へい部に向けて傾斜して延びる傾斜片が形成されていてもよい。
これによると、油切りリングに堰き止められた潤滑油が傾斜片により遮へい部に向けて油切りされるので、潤滑油が油切りリングを乗り越えて遮へい部よりも軸方向外側に移動することを防止できる。
前記遮へい部はゴム製のシート部材であってもよい。
これによると、回動側部材が相対的に軸方向に移動して油切りリングが遮へい部に接触しても、油切りリングや遮へい部が破損することを防止できる。
前記回転軸部材には、前記静止側部材内において前記遮へい部よりも軸方向外側に環状の堰部材が固定されていてもよい。
これによると、遮へい部よりも軸方向外側に微量の潤滑油が移動してきても、堰部材により潤滑油の軸方向の移動を規制できる。
前記静止側部材の軸方向端部には、潤滑油を回収するための回収溝が形成されていてもよい。
これによると、堰部材により堰き止められた潤滑油が外径方向に飛散しても回収溝により回収できる。
前記堰部材は、前記回収溝に向けて延びる庇部を有していてもよい。
これによると、庇部により潤滑油を回収溝に向けて案内することができる。
本発明の実施例における軸受装置を示す断面図である。 (a)(b)は油切りリングの構造を示す説明図、(c)は回転軸に油切りリングを巻き付けた状態を示す説明図である。 漏洩した潤滑油が移動する様子を示す説明図である。 油切りリングに付着した潤滑油が油切りされる様子を示す説明図である。 回転軸が軸方向機外側に移動した状態を示す説明図である。
本発明に係る軸受装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る軸受装置につき、図1から図5を参照して説明する。以下、本実施例においては、図1の紙面右側を回転機械の機内側、図1の紙面左側を漏れ側としての回転機械の機外側または軸方向外側として説明する。
図1に示されるように、軸受装置1は、船舶の推進装置等の回転機械に適用されるものであって、前記回転機械は静止側部材としてのハウジング2と、ハウジング2の内部に回転可能に配置される回転軸部材としての回転軸3と、の相対回転箇所に設けられている。これらハウジング2及び回転軸3は水平方向を向くように設置されており、本実施例の軸受装置1は、回転軸3を支持する中間軸受として構成されるものである。なお、回転軸3の機外側の端部には、推進用のプロペラが取付けられており、該プロペラの近傍には、回転軸3を支持する船尾管軸受が配設されている(図示略)。尚、回転機械は、自動車や一般産業機械等の回転機械であってもよい。
ハウジング2は、筒状を成すハウジング本体部2Aと、ハウジング本体部2Aの機外側(軸方向外側)の軸方向端部に図示しないボルトにより固定される環状のカバー2Bと、を備えており、ハウジング本体部2Aは回転機械が設置される船体を構成している。
カバー2Bは、ハウジング本体部2Aの機外側の軸方向端部に固定される環状の固定部21と、固定部21から機外側に向けて軸方向に延びる筒状の第1延設部22と、第1延設部22の機外側端部から内径方向に延びる環状の第2延設部23と、第2延設部23から機内側(軸方向内側)に向けて軸方向に延びる筒状の第3延設部24と、第3延設部24の機内側端部から外径方向に延びる環状の第4延設部25と、を備えている。更にカバー2Bの内部には、第2延設部23の内径側端部、第3延設部24、第4延設部25により断面視U字状の回収溝26が環状に形成されている。尚、第2延設部23の内径側端部及び第3延設部24は回転軸3の外周面3aから外径側に離間している。
軸受装置1は、ハウジング本体部2Aの内径側に固定される軸受部材4と、ハウジング本体部2Aから回転軸3の外周面3aに向けて内径方向に延びる遮へい部としてのゴム製のシート部材5と、回転軸3の外周面3aに軸方向に互いに離間してそれぞれ固定される環状の油切りリング6及び堰部材7と、を備えている。
軸受部材4は、筒状を成す金属製の所謂ブッシュであり、軸方向の寸法がハウジング本体部2Aよりも短く形成され、ハウジング本体部2Aの軸方向中央部に固定されている。具体的には、ハウジング本体部2Aの軸方向中央部には、機外側端部よりも小径の小径部2aが形成されており、小径部2aの内周面に軸受部材4の外周面が固定されている。以下、ハウジング本体部2Aの機外側端部を小径部2aよりも大径の大径部2bと称する。
また、軸受部材4は、回転軸3を遊挿可能な内径を有している。また、軸受部材4及びハウジング本体部2Aの機内側には図示しない給油口部が形成されており、外部から前記給油口部を介して軸受部材4の内周面4aと回転軸3の外周面3aとの隙間に潤滑油8が供給されるようになっている。この潤滑油8により軸受部材4と回転軸3との摺動性を高めて回転軸3が円滑に回転可能となっている。
ハウジング2における軸受部材4よりも機外側には、シート部材5により軸方向に区画された空間S1,S2が形成されている。尚、以下、シート部材5よりも機内側の空間を空間S1と称し、シート部材5よりも機外側の空間を空間S2と称して説明する。
ハウジング本体部2Aにおける大径部2bの下部には、空間S1に連通する貫通孔27が形成されている。また、カバー2Bの第1延設部22の下部には、空間S2に連通する貫通孔28が形成されている。これら貫通孔27,28は、図示しないドレン管が接続されており、該ドレン管は潤滑油8を貯留するタンクに接続されている。すなわち、空間S1,S2に流入した潤滑油8は、貫通孔27,28及び前記ドレン管を介してタンクに戻すことができるようになっている。
シート部材5は、環状を成すゴム製のシート部材であり、ハウジング本体部2Aとカバー2Bとの間に狭持されている。詳しくは、シート部材5は、軸方向に貫通する孔を周方向に複数有し、該孔にハウジング本体部2Aとカバー2Bとを接続する図示しないボルトが挿入されるようになっている。このシート部材5は、その内径側端部5aが回転軸3の外周面3aから外径側に僅かに離間する寸法となっている。尚、シート部材5は、ゴム製に限られず、合成樹脂製等であってもよいが、弾性変形可能な柔軟な素材であることが好ましく、このようにすることで、他の部材と接触しても損傷を与える虞を回避できる。
油切りリング6は、ニトリルゴムから構成されており、回転軸3の外周面3aに外嵌して取付けられることで外周面3aから外径方向に突設しており、空間S1内に配置されている。尚、油切りリング6は、ニトリルゴムに限られず、その他フッ素ゴム等の他のゴム材、合成樹脂、または金属などによって構成されていてもよいが、弾性変形可能なものが好ましい。
図2に示されるように、油切りリング6は、回転軸3に接触する断面矩形状の基部6aと、基部6aから機外側に向けて傾斜して外径側に延設される第1傾斜片部6bと、基部6aから機内側に向けて傾斜して外径側に延設される第2傾斜片部6cと、を備えている。基部6aの軸方向中央部には、その外径側から内径方向に凹設される凹溝6dが周方向に亘って形成されており、該凹溝6dを挟んで軸方向両側に第1傾斜片部6bと第2傾斜片部6cとが対称に設けられている。
この油切りリング6は、軸方向視においてシート部材5の内径側端部5aと径方向に重畳している。また、油切りリング6とシート部材5とは軸方向に離間しており、その離間寸法は寸法L1と設定されている。ここで寸法L1とは、シート部材5の空間S1に面する側面と、油切りリング6のうち最も軸方向に幅広となる第1傾斜片部6bの先端部との間の寸法を意味する。この寸法L1は、回転軸3の外周面3aに接する油切りリング6の基部6aの内端部から第1傾斜片部6b及び第2傾斜片部6cの先端部までの寸法L2(以下、油切りリング6の径方向の寸法L2という)よりも短く設定されている(L1<L2)。
また、図2(a)(b)に示されるように、油切りリング6は、その装着前では帯状体を成している。図2(c)に示されるように、油切りリング6は、回転軸3の外周面3aに巻き付けられ、該帯状体の両端部を接着することにより回転軸3に仮固定され、凹溝6dに環状のガータースプリング9(図1参照)を外嵌させることにより回転軸3に固定されている。尚、油切りリング6は巻き付け時に変形し易いように外径側に切欠が設けられていてもよい。
図1に戻って、堰部材7は、ニトリルゴムから構成されており、回転軸3の外周面3aに外嵌して取付けられることで外周面3aから突設しており、空間S2内に配置されている。尚、堰部材7は、ニトリルゴムに限られず、その他フッ素ゴム等の他のゴム材、合成樹脂、または金属などによって構成されていてもよいが、弾性変形可能なものが好ましい。
具体的には、堰部材7は、回転軸3に接触する断面矩形状の基部7aと、基部7aの外径側から回収溝26を構成する第4延設部25の外径側を覆うように延びる庇部7bと、を備えている。基部7aの軸方向中央部には、その外径側から内径方向に凹設される凹溝7dが周方向に亘って形成されており、該凹溝7dの軸方向機外側に庇部7bが設けられている。
この堰部材7は、軸方向視においてシート部材5の内径側端部5aと径方向に重畳している。また、堰部材7とシート部材5とは軸方向に離間しており、その離間寸法は寸法L3と設定されている。この寸法L3は、油切りリング6とシート部材5とが離間する寸法L1よりも長く設定されている(L1<L3)。また、堰部材7と回収溝26を構成する第4延設部25とは軸方向に離間しており、その離間寸法は寸法L4と設定されている。この寸法L4は、油切りリング6とシート部材5とが離間する寸法L1よりも長く設定されている(L4>L1)。
尚、図示しないが、堰部材7は、油切りリング6と同様に、帯状体を成しており、回転軸3の外周面3aに巻き付けられ、該帯状体の両端部を接着することにより回転軸3に仮固定され、凹溝7dに環状のスプリング等の外嵌部材10(図1参照)を外嵌させることにより回転軸3に固定されている。また、堰部材7は油切りリング6と同様に、巻き付け時に変形し易いように外径側に切欠が設けられていてもよい。
次に、軸受部材4の内周面4aと回転軸3の外周面3aとの間から潤滑油8が機外側に進出した場合の態様を図3及び図4を参照して説明する。
図3に示されるように、軸受装置1にあっては、軸受部材4の内周面4aと回転軸3の外周面3aとの間から空間S1に流出すると、空間S1に流入した潤滑油8の一部は、矢印A1に示されるように回転軸3の外周面3aに沿って機外側に移動する。矢印A1に示される潤滑油8は、油切りリング6によって堰き止められる。
また、空間S1に流入した潤滑油8の他の一部は、矢印A2に示されるように遠心力により飛散して油切りリング6を飛び越える。矢印A2に示される潤滑油8の大部分は、ハウジング本体部2Aの大径部2b(矢印A3)やシート部材5(矢印A4)に接触し、矢印A2に示される潤滑油8の一部は、油切りリング6とシート部材5との間を僅かに通過する(矢印A5)。
回転軸3に沿って機外側に移動する潤滑油8(矢印A1)、及びハウジング本体部2Aの大径部2bやシート部材5に接触した潤滑油8(矢印A3,A4)は、自重によりハウジング本体部2Aの下部に滴下または流下され、貫通孔27及び図示しないドレン管を介して外部のタンクに戻るようになっている。
油切りリング6とシート部材5との間を通過した潤滑油8(矢印A5)のうち、微量の潤滑油8がシート部材5と回転軸3との間を通過して空間S2内に進入することがある。空間S2内に進入した潤滑油8の一部は、矢印A6に示されるように回転軸3に沿って機外側に移動する。この矢印A6に示される潤滑油8は、堰部材7によって堰き止められる。
更に、空間S2に漏洩した潤滑油8の他の一部は、矢印A7に示されるように遠心力により飛散して堰部材7を飛び越えることがある。矢印A7に示される潤滑油8は、カバー2Bの第1延設部22(矢印A8)や第2延設部23(矢印A9)に接触したり、矢印A10に示されるように回収溝26に直接流入する。
回転軸3に沿って機外側に移動する潤滑油8(矢印A6)、及び第1延設部22に接触した潤滑油8(矢印A8)は、自重によりカバー2Bの下部に滴下または流下され、貫通孔28及び図示しないドレン管を介して外部のタンクに戻るようになっている。また、第2延設部23に接触した潤滑油8(矢印A9)は、自重により回収溝26内に収容され、回収溝26に直接流入する潤滑油8(矢印A10)とともに自重により回収溝26に案内されながらカバー2Bの貫通孔28に誘導される。
次に、油切りリング6に付着した潤滑油8について図4を用いて説明する。図4に示されるように、油切りリング6は回転軸3に固定され該回転軸3とともに回転しているので、油切りリング6に付着した潤滑油8はその一部が重力により下方に落下し、残りの一部は遠心力により外径側に油切りされる。遠心力による油切りを具体的に説明すると、油切りリング6の外径側には、機外側に傾斜する第1傾斜片部6bと機内側に傾斜する第2傾斜片部6cとを有しており、油切りリング6に付着した潤滑油8は第1傾斜片部6b及び第2傾斜片部6cの外径側の先端から油切りされるようになっている。すなわち、第1傾斜片部6bから油切りされる潤滑油8は、油切りリング6よりも機外側のシート部材5に向けて飛散するようになっている。ここで、油切りリング6とシート部材5との離間寸法L1は、油切りリング6の径方向の寸法L2よりも短く設定されているため、第1傾斜片部6bから飛散した潤滑油8は、シート部材5に付着され易い。また、第2傾斜片部6cから油切りされる潤滑油8は、油切りリング6よりも機内側のハウジング本体部2Aの大径部2bに向けて、すなわち機内側に戻すように飛散するようになっている。
次いで、回転軸3が軸方向に移動した状態について図5を用いて説明する。船舶等に用いられる回転軸3は、その軸方向のシャフト長さが長寸に設計されているため、周囲の温度変化により熱収縮や熱膨張が生じたり、プロペラが受ける水の抵抗やキャビテーション等により軸方向に振動することがある。
図5に示されるように、回転軸3が機外側に向けて移動した際には、前述のように、その外周面3aに固定された堰部材7と、回収溝26を構成する第4延設部25とが軸方向に離間する寸法L4が、油切りリング6とシート部材5とが離間する寸法L1よりも長くなっている(L1<L4)ので、堰部材7が回収溝26を構成する第4延設部25に接触することなく、油切りリング6がシート部材5に接触するようになっている。前述のように、シート部材5はゴム製のシート部材であるため、その自由端である内径側端部5aが暖簾のように柔軟に変位する結果、油切りリング6やシート部材5が破損することを防止できる。また、堰部材7と回収溝26を構成する第4延設部25とが軸方向に離間する寸法L4は、堰部材7とシート部材5との離間寸法L3よりも短くなっており(L3>L4)、すなわち堰部材7が第4延設部25に近付けて配置されているため、堰部材7と第4延設部25との間から潤滑油8が漏れることを抑制できる。
以上説明したように、本実施例の軸受装置1は、ハウジング2から回転軸3の外周面3aに向けて内径方向に延びるシート部材5と、シート部材5よりも機内側にて回転軸3の外周面3aに突設される油切りリング6と、を備える。これによれば、回転軸3に沿って漏洩する潤滑油8(図3矢印A1)はシート部材5も機内側に配置される油切りリング6により機外側への移動が堰き止められるとともに、遠心力により油切りリング6を飛び越える潤滑油8(図3矢印A4)はシート部材5により堰き止められ、シート部材5よりも機外側に潤滑油8が移動することを抑制できるので、潤滑油8がハウジング2と回転軸3との間からハウジング2外に漏洩することを防止できる。
また、シート部材5と油切りリング6とは、軸方向視で一部重畳しているので、飛散した潤滑油8がシート部材5と油切りリング6との間を通過することを抑制できる。詳しくは、遠心力により油切りリング6を飛び越える潤滑油8の大部分は、ハウジング本体部2Aの大径部2bやシート部材5に接触するので、油切りリング6とシート部材5との間を通過する潤滑油8の量を極めて少なくすることができる。
また、シート部材5と油切りリング6とが軸方向に離間する寸法L1は、油切りリング6の径方向の寸法L2よりも短い。これによると、遠心力により飛散する潤滑油8がシート部材5または油切りリング6に接触しやすくなるので、油切りリング6とシート部材5との間を通過する潤滑油8の量を極めて少なくすることができる。
また、油切りリング6の外径には、シート部材5に向けて傾斜して延びる第1傾斜片部6bが形成されていている。これによれば、油切りリング6に堰き止められた潤滑油8が第1傾斜片部6bによりシート部材5に向けて油切りされるので、潤滑油8が油切りリング6を乗り越えてシート部材5よりも機外側に移動することを防止できる。また、油切りリング6の外径には、機内側に傾斜する第2傾斜片部6cも設けられており、油切りリング6に堰き止められた潤滑油8がハウジング本体部2Aの大径部2bに油切りされるので、潤滑油8が油切りリング6を乗り越えてシート部材5よりも機外側に移動することをさらに防止できる。
また、シート部材5はゴム製のシート部材であるため、回転軸3が軸方向に移動して油切りリング6がシート部材5に接触しても、油切りリング6やシート部材5が破損することを防止できる。このように、油切りリング6がシート部材5に接触しても、油切りリング6やシート部材5が破損することを防止できるので、油切りリング6とシート部材5とを軸方向に近付けて配置することができ、軸受装置1を軸方向にコンパクトにできる。
また、シート部材5はハウジング本体部2Aとカバー2Bとの間で狭持されることで、ハウジング本体部2Aとカバー2Bとの間を密封することができるので、シート部材5と別個にハウジング本体部2Aとカバー2Bとの間を密封するシール部材を設けなくて済み、軸受装置1を軸方向にコンパクトにできる。
また、シート部材5はゴム製のシート部材であり、回転軸3に接触しても破損しないため、シート部材5と回転軸3とを径方向に近付けて配置することができ、遠心力により油切りリング6を飛び越える潤滑油8がシート部材5の内周面と回転軸3の外周面3aとの間を通過し難くできる。
また、回転軸3には、ハウジング2内においてシート部材5よりも機外側に環状の堰部材7が固定されている。これによると、シート部材5よりも機外側に微量の潤滑油8が移動してきても、堰部材7により潤滑油8の軸方向の移動を規制できる。更に、シート部材5と堰部材7とは、軸方向視で一部重畳しており、すなわち機内側から機外側に向けて順に、回転軸3に外径方向に突設された油切りリング6と、回転軸3に向け内径方向に延設されたシート部材5と、回転軸3に外径方向に突設された堰部材7とが、軸方向に並設されていることで、機外側に漏洩しようと進行する潤滑油8をラビリンス状に塞ぐことができ、潤滑油8の漏洩防止効果を高めることができる。
また、ハウジング2の機外側端部のカバー2Bには、潤滑油8を回収するための回収溝26が形成されている。これによれば、シート部材5よりも機外側(空間S2)に漏洩する微量の潤滑油8が堰部材7を越えて飛散しても回収溝26により回収することができるので、ハウジング2外に潤滑油8が漏れることを防止できる。
また、堰部材7は、回収溝26に向けて延びる庇部7bが設けられている。具体的には、庇部7bは、堰部材7の機外側の外径端部から回収溝26を構成する第4延設部25の外径側まで延びて形成されている。これによれば、堰部材7を越えて飛散する潤滑油8が庇部7bにより堰部材7と回収溝26との軸方向の間を通過することが規制されるとともに、庇部7bに付着した潤滑油8が回収溝26に向けて案内されるので、ハウジング2外に潤滑油8が漏れることを防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、回転軸部材として回転軸3を例に挙げ説明したが、例えば、回転軸3と該回転軸3に固定されるスリーブとを回転軸部材としてもよい。
また、前記実施例では、軸受部材4が筒状を成す金属製の所謂ブッシュである形態を説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、軸受部材は合成樹脂等により構成されていてもよい。また、軸受部材は半割もしくは3分割以上の分割部材から構成されていてもよい。また、軸受部材は筒状に限られず、回転軸を支持可能であれば、回転軸の下部を支持する円弧状を成していてもよい。
また、前記実施例では、シート部材5が環状を成す形態を例示したが、少なくともハウジング2の上部にのみ設けられていればよく、例えば、円弧状に形成されていてもよい。
1 軸受装置
2 ハウジング(静止側部材)
2A ハウジング本体部
2B カバー
3 回転軸(回転軸部材)
4 軸受部材
5 シート部材(遮へい部)
6 油切りリング
6b 第1傾斜片部(傾斜片)
6c 第2傾斜片部
7 堰部材
7b 庇部
8 潤滑油
26 回収溝
27 貫通孔
28 貫通孔
S1,S2 空間

Claims (8)

  1. 静止側部材と該静止側部材に対して回転する回転軸部材との相対回転箇所に設けられ、該回転軸部材と摺動可能な軸受部材を備え、前記軸受部材と前記回転軸部材との間に潤滑油が供給されて摺動する軸受装置であって、
    前記静止側部材から前記回転軸部材の外周面に向けて内径方向に延びる遮へい部と、該遮へい部よりも前記軸受部材側にて前記回転軸部材の外周面に突設される油切りリングと、を備える軸受装置。
  2. 前記遮へい部と前記油切りリングとは、軸方向視で一部重畳している請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記遮へい部と前記油切りリングとの軸方向の離間寸法は、前記油切りリングの径方向の寸法よりも短い請求項1または2に記載の軸受装置。
  4. 前記油切りリングの外径には、前記遮へい部に向けて傾斜して延びる傾斜片が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の軸受装置。
  5. 前記遮へい部はゴム製のシート部材である請求項1ないし4のいずれかに記載の軸受装置。
  6. 前記回転軸部材には、前記静止側部材内において前記遮へい部よりも軸方向外側に環状の堰部材が固定されている請求項1ないし5のいずれかに記載の軸受装置。
  7. 前記静止側部材の軸方向端部には、潤滑油を回収するための回収溝が形成されている請求項6に記載の軸受装置。
  8. 前記堰部材は、前記回収溝に向けて延びる庇部を有している請求項7に記載の軸受装置。
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