JP7210399B2 - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7210399B2
JP7210399B2 JP2019139234A JP2019139234A JP7210399B2 JP 7210399 B2 JP7210399 B2 JP 7210399B2 JP 2019139234 A JP2019139234 A JP 2019139234A JP 2019139234 A JP2019139234 A JP 2019139234A JP 7210399 B2 JP7210399 B2 JP 7210399B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
rotating shaft
oil
base ring
bearing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019139234A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021021459A (ja
Inventor
智裕 田中
倫知 岡本
達哉 岡本
健一 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd filed Critical Eagle Industry Co Ltd
Priority to JP2019139234A priority Critical patent/JP7210399B2/ja
Publication of JP2021021459A publication Critical patent/JP2021021459A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7210399B2 publication Critical patent/JP7210399B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

本発明は、例えば、船舶の推進装置等の回転機械に適用され、該回転機械の回転軸を回転可能に支持する軸受装置に関する。
船舶の推進装置等の回転機械を構成する回転軸の周りには、回転軸を回転可能に支持する軸受装置が設けられている。この軸受装置としては、回転軸が遊挿される筒状のハウジングと、ハウジングと回転軸との間に配置される軸受部材と、を備え、軸受部材と回転軸との間に外部から潤滑油を供給して回転軸を円滑に回転させる滑り軸受が広く用いられている。
このような軸受装置にあっては、潤滑油が軸受部材と回転軸との間から漏洩することがある。そこで、特許文献1に示される軸受装置は、回転軸の外周面に固定される環状の油切りリングを備えており、回転軸に沿って機外側に移動する潤滑油を油切りリングにより堰き止めるように構成したものがある。
実公平4-78330号公報(第5頁、第4図)
このような従来の軸受装置は、例えば図10に示されるように、静止側部材としてのハウジング102内の軸方向外側端部に配置され外径方向に開口する断面視U字状かつ環状の回収溝126と、回転軸103の外周面103aに固定され軸受部材104よりも軸方向外側かつ回収溝126よりも軸方向内側に配置される環状の油切りリング106と、を備えているものがある。これによれば、軸受部材104の内周面104aと回転軸103の外周面103aとの間から軸方向外側に漏洩した潤滑油108(矢印A101)は、その一部が外径方向に延びる油切りリング106により堰き止められ(矢印A102)、遠心力により軸方向外側へ飛散して油切りリング106の外径側を通過した一部の潤滑油(矢印A103,A104)は、軸方向外側にある回収溝126内に収容される(矢印A105)。油切りリング106により堰き止められた潤滑油108(矢印A102)や回収溝に収容された潤滑油108(矢印A105)は、ハウジングの下方に設けられた貫通孔127,128を通過し、貫通孔127,128に接続する図示しないドレン管を通じて潤滑油108を貯留する図示しないタンクへ回収される。よって、潤滑油108の漏洩を十分に防止するためには、油切りリング106と回収溝126とを軸方向に近接して配置することが望まれていた。
しかしながら、このような軸受装置が適用される船舶等に用いられる回転軸103は、シャフト長さが長いため、回転軸103の熱収縮・膨張や振動等によって回転軸103が軸方向外側に移動すると、この回転軸103に固定された油切りリング106がハウジング102内の側壁125に衝突し、油切りリング106の損傷や位置ずれが生じる虞がある。そのため、油切りリング106を回収溝126に近接して配置できず、油切りリング106と回収溝126との間を離間せざるを得ないため、一部の潤滑油108がハウジング102と回転軸103との間から漏洩する(矢印A106~A108)虞が生じ、潤滑油の漏洩を十分に防止できないという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、油切りリングを静止側部材の側壁に近接した位置に配置でき、潤滑油が静止側部材と回転軸部材との間から漏洩し難い軸受装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の軸受装置は、
静止側部材と該静止側部材に対して回転する回転軸部材との相対回転箇所に設けられ、該回転軸部材と摺動可能な軸受部材と、前記軸受部材と前記回転軸部材との間に潤滑油を供給するための給油口部と、前記回転軸部材の外周面より突設される油切りリングと、を備える軸受装置であって、
前記回転軸部材と前記油切りリングとの間に、前記油切りリングよりも機外側の前記静止側部材の側壁に軸方向に対向する側端部を有する土台リングが介設されている。
これによれば、回転軸部材の収縮に伴い回転軸部材に取り付けられた油切りリング及び土台リングが追従して軸方向に移動した場合でも、土台リングの側端部が側壁に衝突するようになっているため、油切りリングの損傷及び位置ずれを防止できる。そのため、油切りリングを側壁に近接した位置に配置できるので、潤滑油が静止側部材と回転軸部材との間から漏洩し難くなる。
前記油切りリング及び前記土台リングは、前記油切りリングの外周部を圧接する外周圧接体により纏めて前記回転軸部材に取り付けられていてもよい。
これによれば、油切りリング及び土台リングを回転軸部材に簡単に取り付けることができる。
前記土台リングは、前記側端部から外径方向に延びる外側壁を備えていてもよい。
これによれば、回転軸部材の収縮に伴い回転軸部材に取り付けられた油切りリング及び土台リングが追従して軸方向に移動した場合でも、土台リングが静止側部材の側壁に衝突する際、外側壁が油切りリングを衝突から保護できる。
前記油切りリングと、前記土台リングの前記外側壁との間には、軸方向に隙間が形成されていてもよい。
これによれば、隙間が外側壁の変形代となるため、静止側部材の側壁との衝突を和らげることができる。
前記土台リングは、機内側の側端部から外径方向に延びる内側壁を備えていてもよい。
これによれば、静止側部材の側壁との衝突時に油切りリングの転倒や土台リングからの脱落を防止できる。
前記土台リングの外周面には、周方向に対し複数の切欠が形成されていてもよい。
これによれば、帯状の部材を円環状に折り曲げて形成しやすい。
前記土台リングは、前記油切りリングよりも硬度の低い素材で形成されていてもよい。
これによれば、土台リングは油切りリングよりも柔軟で変形しやすいため、土台リングと回転軸部材との間を密閉でき、回転軸部材を伝う潤滑油を確実に堰き止められる。
本発明の実施例における軸受装置を示す断面図である。 (a)~(c)は油切りリングの構造を示す説明図である。 (a)~(c)は土台リングの構造を示す説明図である 回転軸に土台リングを巻き付け、更に油切りリングを巻き付けた状態を示す図である。 漏洩した潤滑油が移動する様子を示す説明図である。 油切りリングに付着した潤滑油が油切りされる様子を示す説明図である。 回転軸が軸方向機外側に移動した状態を示す説明図である。 本発明の変形例1を示す説明図である。 本発明の変形例2を示す説明図である。 従来例における軸受装置を示す図である。
本発明に係る軸受装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る軸受装置につき、図1から図9を参照して説明する。以下、本実施例においては、図1の紙面右側を回転機械の機内側、図1の紙面左側を漏れ側としての回転機械の機外側として説明する。
図1に示されるように、軸受装置1は、船舶の推進装置等の回転機械に適用されるものであって、前記回転機械は静止側部材としてのハウジング2と、ハウジング2の内部に回転可能に配置される回転軸部材としての回転軸3と、の相対回転箇所に設けられている。これらハウジング2及び回転軸3は水平方向を向くように設置されており、本実施例の軸受装置1は、回転軸3を支持する中間軸受として構成されるものである。尚、回転軸3の機外側の端部には、推進用のプロペラが取付けられており、該プロペラの近傍には、回転軸3を支持する船尾管軸受が配設されている(図示略)。尚、回転機械は、自動車や一般産業機械等の回転機械であってもよい。
ハウジング2は、筒状を成すハウジング本体部2Aと、ハウジング本体部2Aの機外側(軸方向外側)の軸方向端部に図示しないボルトにより固定される環状のカバー2Bと、を備えており、ハウジング本体部2Aは回転機械が設置される船体を構成している。
カバー2Bは、ハウジング本体部2Aの機外側の軸方向端部に固定される固定部21と、固定部21から機外側に向けて軸方向に延びる第1延設部22と、第1延設部22の機外側端部から内径方向に延びる第2延設部23と、第2延設部23から機内側(軸方向内側)に延びる第3延設部24と、第3延設部24の機内側端部から外径方向に延びる側壁としての第4延設部25と、を備えている。更にカバー2Bの内部には、第2延設部23の内径側端部、第3延設部24、第4延設部25により断面視U字状の回収溝26が環状に形成されている。尚、第2延設部23の内径側端部及び第3延設部24は回転軸3の外周面3aから外径側に離間している。
軸受装置1は、ハウジング本体部2Aの内径側に固定される軸受部材4と、回転軸3の外周面3aより突設される油切りリング6と、回転軸3と油切りリング6との間に介設される土台リング7と、を備えている。
軸受部材4は、筒状を成す金属製の所謂ブッシュであり、軸方向の寸法がハウジング本体部2Aよりも短く形成され、ハウジング本体部2Aの軸方向中央部に固定されている。具体的には、ハウジング本体部2Aの軸方向中央部には、機外側端部よりも小径の小径部2aが形成されており、小径部2aの内周面に軸受部材4の外周面が固定されている。以下、ハウジング本体部2Aの機外側端部を小径部2aよりも大径の大径部2bと称する。
また、軸受部材4は、回転軸3を遊挿可能な内径を有している。また、軸受部材4及びハウジング本体部2Aの機内側には図示しない給油口部が形成されており、外部から前記給油口部を介して軸受部材4の内周面4aと回転軸3の外周面3aとの隙間に潤滑油8が供給されるようになっている。この潤滑油8により軸受部材4と回転軸3との摺動性を高めて回転軸3が円滑に回転可能となっている。
軸受部材4よりも機外側でハウジング2及び回転軸3により区画される空間Sが形成されている。ハウジング本体部2Aには、軸受部材4よりも機外側且つ下部に空間Sに連通する貫通孔27が形成されている。また、カバー2Bの第1延設部22には、その下部に空間Sに連通する貫通孔28が形成されている。これら貫通孔27,28は、図示しないドレン管が接続されており、該ドレン管は潤滑油8を貯留するタンクに接続されている。すなわち、空間Sに漏洩した潤滑油8は、貫通孔27,28及び前記ドレン管を介してタンクに戻すことができるようになっている。
油切りリング6は、ニトリルゴムから構成されており、土台リング7を回転軸3と油切りリング6との径方向の間に介設した状態で回転軸3の外周面3aに外嵌して取付けられることで外周面3aから突設しており、空間S内に配置されている。尚、油切りリング6は、ニトリルゴムに限られず、その他フッ素ゴム等の他のゴム材、合成樹脂または金属などによって構成されていてもよいが、弾性変形可能なものが好ましい。
図2に示されるように、油切りリング6は、後述する土台リング7の凹溝7dに接触する断面矩形状の基部6aと、基部6aから機外側に向けて傾斜して外径側に延設される第1傾斜片部6bと、基部6aから機内側に向けて傾斜して外径側に延設される第2傾斜片部6cと、を備えている。基部6aの軸方向中央部には、その外径側から内径方向に凹設される凹溝6dが周方向に亘って形成されており、該凹溝6dを挟んで軸方向両側に第1傾斜片部6bと第2傾斜片部6cとが対称に設けられている。
また、図2(a),(b)に示されるように、油切りリング6は、その装着前では帯状体を成しており、第1傾斜片部6b及び第2傾斜片部6cの外径側には、切欠部6eが長手方向に複数形成されている。図2(c)に示されるように、油切りリング6は、該帯状体の両端部を接着することで円環状の油切りリング6が形成される。尚、切欠部6eは油切りリング6が巻き付け時に変形し易いように外径側に形成されているが、切欠部6eは形成されていなくてもよい。
図1に戻って、土台リング7は、ニトリルゴムから構成されており、回転軸3と油切りリング6との径方向の間に介設された状態で、回転軸3の外周面3aに外嵌して取付けられており、空間S内に配置されている。尚、土台リング7は、ニトリルゴムに限られず、その他フッ素ゴム等の他のゴム材、合成樹脂または金属などによって構成されていてもよいが、弾性変形可能でかつ油切りリング6よりも硬度の低いものが好ましい。
図3に示されるように、土台リング7は、軸方向に延びる断面視平板状の基部7aと、基部7aの機外側の側端部7fから外径方向に延設される外側壁7bと、基部7aの機内側の側端部から外径方向に延設される内側壁7cと、を備えている。基部7aの軸方向中央部には、その外径側から内径方向に凹設される凹溝7dが周方向に亘って形成されており、該凹溝7dの軸方向両側に外側壁7bと内側壁7cとが対称に設けられている。また、側端部7fと外側壁7bとは、連続した同一面に形成されている。
土台リング7の外側壁7bの外径端面7gは、第4延設部25の外径端面25aよりも外径側に位置している。また、土台リング7の内周面7hは、その全面が回転軸3の外周面3aに接触して装着される。
また、図3(a),(b)に示されるように、土台リング7は、油切りリング6と同様に装着前では帯状体を成しており、外側壁7b及び内側壁7cの外径側には、切欠としての切欠部7eが長手方向に複数形成されている。図3(c)に示されるように、土台リング7は、該帯状体の両端部を接着することで円環状の土台リング7が形成される。尚、切欠部7eは土台リング7が巻き付け時に変形し易いように外径側に形成されているが、切欠部7eは形成されていなくてもよい。
図4に示されるように、土台リング7は、回転軸3の外周面3aに巻き付けられ、該帯状体の両端部を接着することにより回転軸3に仮固定される。更に、油切りリング6は、土台リング7の凹溝7dに巻き付けられ、該帯状体の両端部を接着することにより土台リング7の凹溝7dに仮固定され、凹溝6dに環状の外周圧接体としてのガータースプリング9(図1参照)を外嵌させることにより、土台リング7とともに回転軸3に固定される。すなわち、一つのガータースプリング9によって、油切りリング6と土台リング7とが纏めて回転軸3に固定されている。尚、油切りリング6の切欠部6eと土台リング7の切欠部7eとは、周方向において重ならないように配置されている。
次に、軸受部材4の内周面4aと回転軸3の外周面3aとの間から潤滑油8が機外側に進出した場合の態様を図5及び図6を参照して説明する。
図5に示されるように、軸受装置1にあっては、軸受部材4の内周面4aと回転軸3の外周面3aとの間への潤滑油8の供給量が過多となった場合等に、図5に示されるように、軸受部材4の内周面4aと回転軸3の外周面3aとの間から潤滑油8が空間Sに漏洩することがある。空間Sに漏洩した潤滑油8の一部は、矢印A1に示されるように回転軸3の外周面3aに沿って機外側に移動する。矢印A1に示される潤滑油8は、土台リング7によって堰き止められる。
また、空間Sに漏洩した潤滑油8の他の一部は、矢印A2に示されるように遠心力により飛散して油切りリング6を飛び越える。矢印A2に示される潤滑油8の大部分は、ハウジング本体部2Aの大径部2b(矢印A3)に接触し、矢印A2に示される潤滑油8の一部は、油切りリング6とカバー2Bとの間を通過する(矢印A4)。
回転軸3に沿って機外側に移動する潤滑油8(矢印A1)、及びハウジング本体部2Aの大径部2bに接触した潤滑油8(矢印A3)は、自重によりハウジング本体部2Aの下部に滴下または流下され、貫通孔27及び図示しないドレン管を介して外部のタンクに戻るようになっている。
油切りリング6とカバー2Bとの間を通過した潤滑油8(矢印A4)は、カバー2Bの第1延設部22(矢印A5)や第2延設部23(矢印A6)に接触したり、矢印A7に示されるように回収溝26に直接流入したりする。
第1延設部22に接触した潤滑油8(矢印A5)は、自重によりカバー2Bの下部に滴下または流下され、貫通孔28及び図示しないドレン管を介して外部のタンクに戻るようになっている。また、第2延設部23に接触した潤滑油8(矢印A6)は、自重により回収溝26内に収容され、回収溝26に直接流入する潤滑油8(矢印A7)とともに自重により回収溝26に案内されながらカバー2Bの貫通孔28に誘導される。
次に、油切りリング6に付着した潤滑油8について図6を用いて説明する。図6に示されるように、油切りリング6は土台リング7とともに回転軸3に固定され該回転軸3とともに回転しているので、油切りリング6に付着した潤滑油8は遠心力により外径側に油切りされる。具体的には、油切りリング6の外径側には、機外側に傾斜する第1傾斜片部6bと機内側に傾斜する第2傾斜片部6cとを有しており、油切りリング6に付着した潤滑油8は第1傾斜片部6b及び第2傾斜片部6cの外径側の先端から油切りされるようになっている。すなわち、第1傾斜片部6bから油切りされる潤滑油8は、油切りリング6よりも機外側のカバー2Bの第1延設部22や第2延設部23に向けて飛散して、回収され易い。また、第2傾斜片部6cから油切りされる潤滑油8は、油切りリング6よりも機内側のハウジング本体部2Aの大径部2bに向けて、すなわち機内側に戻すように飛散するようになっている。
次いで、回転軸3が軸方向に移動した状態について図7を用いて説明する。船舶等に用いられる回転軸3は、その軸方向のシャフト長さが長寸に設計されているため、周囲の温度変化により熱収縮や熱膨張が生じたり、プロペラが受ける水の抵抗やキャビテーション等により軸方向に振動することがある。
図7に示されるように、回転軸3が機外側に向けて移動した際には、土台リング7の外側壁7b及び側端部7fが油切りリング6よりも機外側に配置されているため、油切りリング6が第4延設部25に接触することなく、土台リング7の外側壁7b及び側端部7fがカバー2Bの第4延設部25に接触するようになっており、油切りリング6の損傷及び位置ずれが起きないようになっている。そのため、油切りリング6を機外側の第4延設部25に近接した位置に配置できるので、潤滑油8がカバー2Bと回転軸3との間から漏洩し難い。
また、油切りリング6と、土台リング7の外側壁7bとの間には、軸方向に隙間5が形成されている。このことから、該隙間5が外側壁7bの変形代となるため、第4延設部25との衝突を和らげることができる。
また、土台リング7は、油切りリング6よりも硬度の低い素材で形成されていることから、土台リング7は油切りリング6よりも柔軟で変形しやすいため、第4延設部25と衝突した際その衝撃を吸収できる。更に、土台リング7の側端部7fと外側壁7bとは、連続した同一面に形成されているため、土台リング7が第4延設部25と衝突した際に、第4延設部25の機内側の側面と面接触して応力を和らげることができ、局所的な損傷の発生を回避できる。
また、土台リング7が回転軸3と油切りリング6との間に介設されることで、油切りリング6が径方向の高い位置に配置されるため、遠心力により外径側に飛散する潤滑油8をより堰き止めやすくなる。
以上説明したように、回転軸3と油切りリング6との間に、油切りリング6よりも機外側のカバー2Bの第4延設部25に軸方向に対向する側端部7fを有する土台リング7が介設されている。これによれば、回転軸3の収縮に伴い回転軸3に取り付けられた油切りリング6及び土台リング7が追従して軸方向に移動した場合でも、土台リング7の側端部7fが第4延設部25に接触するようになっているため、油切りリング6の損傷及び位置ずれを防止できる。そのため、油切りリング6を第4延設部25に近接した位置に配置できるので、潤滑油8がハウジングと回転軸3との間から漏洩し難くなる。また、油切りリング6とは別体の土台リング7を設けることで、汎用性の高い従来の油切りリング6を利用することができる。
また、油切りリング6及び土台リング7は、油切りリング6の外周部を圧接するガータースプリング9により纏めて回転軸3に取り付けられているため、油切りリング6及び土台リング7を回転軸3に簡単に取り付けることができる。
また、土台リング7は、側端部7fから外径方向に延びる外側壁7bを備えているため、回転軸3の収縮に伴い回転軸3に取り付けられた油切りリング6及び土台リング7が追従して軸方向に移動した場合でも、土台リング7が第4延設部25に衝突する際、外側壁7bが油切りリング6を衝突から保護できる。
また、油切りリング6と、土台リング7の外側壁7bとの間には、軸方向に隙間5が形成(図7参照。)されており、同様に油切りリング6と、土台リング7の内側壁7cとの間には、軸方向に隙間5’が形成(図7参照。)されていることから、これら隙間5,5’から土台リング7の凹溝7d内に流入した潤滑油8は、周方向に沿って流下され、貫通孔27,28及び図示しないドレン管を介して外部のタンクに戻るようになっている。
また、土台リング7は、機内側の側端部から外径方向に延びる内側壁7cを備えているため、第4延設部25との衝突時に油切りリング6の転倒や土台リング7からの脱落を防止できる。
また、土台リング7の外周面には、周方向に対し複数の切欠部7eが形成されているため、帯状の部材を円環状に折り曲げて形成しやすい。
また、土台リング7は、油切りリング6よりも硬度の低い素材で形成されていることから、土台リング7は油切りリング6よりも柔軟で変形しやすいため、土台リング7と回転軸3との間を密閉でき、回転軸3を伝う潤滑油8を確実に堰き止められるばかりか、土台リング7がカバー2Bの第4延設部25に接触しても、この第4延設部25を損傷する虞を回避できる。
また、回転軸3と油切りリング6との間に土台リング7が介設されていることから、ガータースプリング9による内径方向への押圧力が土台リング7の内周面7h全体において均一に分散されるため、土台リング7と回転軸3との間を内周面7h全面で密閉でき、回転軸3の外周面3aを伝う潤滑油8を確実に堰き止められる。
また、外側壁7bの外径端面7gは、第4延設部25の外径端面25aよりも外径側に位置しているため、隙間5に流入した潤滑油8を回収溝26内に収容することができる。
次に、本実施例の変形例について図8,9を用いて説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。図8に示されるように、変形例1の土台リング7は、基部7aのみから構成され、軸方向に延びる平板状を成しており、機外側の側端部7fは外径側に配置される油切りリング6よりも機外側にある。また、土台リング7の径方向寸法は、回転軸3の外周面3aから第3延設部24の内周面までの寸法よりも大きいため、回転軸3が機外側に向けて移動した際には、油切りリング6が第4延設部25に接触することなく、土台リング7の側端部7fが第4延設部25に接触するようになっており、油切りリング6の損傷及び位置ずれが起きないようになっている。
また、図9に示されるように、変形例2の土台リング7は、軸方向に延びる平板状の基部7aと、基部7aの機外側の側端部7fから外径方向に延設される外側壁7bと、から構成され、断面視L字状を成している。外側壁7bの外径端面7gは、第4延設部25の外径端面25aよりも外径側に位置し、回転軸3が機外側に向けて移動した際には、油切りリング6が第4延設部25に接触することなく、土台リング7の外側壁7b及び側端部7fが第4延設部25に接触するようになっており、油切りリング6の損傷及び位置ずれが起きないようになっている。
このように、変形例1,2の場合においても、油切りリング6を機外側の第4延設部25に近接した位置に配置できるので、潤滑油8がカバー2Bと回転軸3との間から漏洩し難い。また、変形例1,2の場合、土台リング7の構成を簡略化できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、回転軸部材として回転軸3を例に挙げ説明したが、例えば、回転軸3と該回転軸3に固定されるスリーブとを回転軸部材としてもよい。
また、前記実施例では、軸受部材4が筒状を成す金属製の所謂ブッシュである形態を説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、軸受部材は合成樹脂等により構成されていてもよい。また、軸受部材は半割もしくは3分割以上の分割部材から構成されていてもよい。また、軸受部材は筒状に限られず、回転軸を支持可能であれば、回転軸の下部を支持する円弧状を成していてもよい。
また、回収溝26は断面視U字状であると説明したが、これに限られず、例えば断面視V字状であってもよい。
1 軸受装置
2 ハウジング(静止側部材)
2A ハウジング本体部
2B カバー
3 回転軸(回転軸部材)
3a 外周面
4 軸受部材
5,5’ 隙間
6 油切りリング
7 土台リング
7b 外側壁
7c 内側壁
7e 切欠部(切欠)
7f 側端部
8 潤滑油
9 ガータースプリング(外周圧接体)
25 第4延設部(側壁)
26 回収溝
S 空間

Claims (7)

  1. 静止側部材と該静止側部材に対して回転する回転軸部材との相対回転箇所に設けられ、
    該回転軸部材と摺動可能な軸受部材と、前記回転軸部材の外周面より突設される油切りリングと、を備え、前記軸受部材と前記回転軸部材との間に潤滑油が供給されて摺動する軸受装置であって、
    前記回転軸部材と前記油切りリングとの間に、前記油切りリングよりも機外側の前記静止側部材の側壁に軸方向に対向する側端部を有する土台リングが介設されており、
    前記側端部は、前記油切りリングよりも前記側壁側に配置されている軸受装置。
  2. 前記油切りリング及び前記土台リングは、前記油切りリングの外周部を圧接する外周圧接体により纏めて前記回転軸部材に取り付けられている請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記土台リングは、前記側端部から外径方向に延びる外側壁を備えている請求項1または2に記載の軸受装置。
  4. 前記油切りリングと、前記土台リングの前記外側壁との間には、軸方向に隙間が形成されている請求項3に記載の軸受装置。
  5. 前記土台リングは、機内側の側端部から外径方向に延びる内側壁を備えている請求項1ないし4のいずれかに記載の軸受装置。
  6. 前記土台リングの外周面には、周方向に対し複数の切欠が形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の軸受装置。
  7. 前記土台リングは、前記油切りリングよりも硬度が低い請求項1ないし6のいずれかに記載の軸受装置。
JP2019139234A 2019-07-29 2019-07-29 軸受装置 Active JP7210399B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019139234A JP7210399B2 (ja) 2019-07-29 2019-07-29 軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019139234A JP7210399B2 (ja) 2019-07-29 2019-07-29 軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021021459A JP2021021459A (ja) 2021-02-18
JP7210399B2 true JP7210399B2 (ja) 2023-01-23

Family

ID=74574725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019139234A Active JP7210399B2 (ja) 2019-07-29 2019-07-29 軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7210399B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102312375B1 (ko) * 2021-07-27 2021-10-13 모베나코리아 유한책임회사 선박용 스턴튜브조립체의 실링유닛

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012167818A (ja) 2012-04-18 2012-09-06 Mitsubishi Electric Corp 電動機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5439559Y2 (ja) * 1974-08-05 1979-11-22
JPH0478330U (ja) * 1990-11-20 1992-07-08
JPH06323443A (ja) * 1993-05-10 1994-11-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船尾管軸封装置用端面密封型シールリング

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012167818A (ja) 2012-04-18 2012-09-06 Mitsubishi Electric Corp 電動機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021021459A (ja) 2021-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6445085B2 (ja) 密封装置
JP7242658B2 (ja) シールリング
JP6312346B2 (ja) ジャーナル軸受、回転機械
CN103335106A (zh) 密封装置
JP6208665B2 (ja) 密封装置
JP7210399B2 (ja) 軸受装置
EP3309430B1 (en) Sealing device
US7159873B2 (en) Shaft seal
GB2119876A (en) Stern tube seal
JP2012057730A (ja) 玉軸受用保持器および玉軸受
JP6011777B2 (ja) 密封装置
KR20200045491A (ko) 2개의 원통형 요소들 사이에 회전 밀봉부를 형성하기 위한 링 밀봉부
JP7418988B2 (ja) 軸受装置
JP6559717B2 (ja) メカニカルシール
JP2008175301A (ja) シール装置付き転がり軸受
JPH06321185A (ja) 二重反転船舶プロペラに対する船尾管軸受システム
JP2018017264A (ja) シール付き転がり軸受
JP2014177986A (ja) 軸シール装置
JP2000065219A (ja) 油潤滑式船尾管軸受の船首側軸封装置
KR102090935B1 (ko) 선박용 추진기 밀폐장치
JP3974571B2 (ja) 回転機械用のシールアセンブリ
CN217824529U (zh) 一种电机防漏油装置
JP2017172732A (ja) 水潤滑スラスト軸受,軸受装置及び回転機械
JP2008240842A (ja) 水力機械の軸受装置
JP2008008409A (ja) クリープ防止転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221130

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20221130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7210399

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150