JP2017172732A - 水潤滑スラスト軸受,軸受装置及び回転機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受パッドとスラストカラーとの片当たりを防止することができるようにした、水潤滑スラスト軸受、並びに、それを使用した軸受装置及び回転機械を提供する。
【解決手段】水を潤滑剤として使用し、回転軸105と一体に回転するスラストカラー106を回転可能に支持する、水潤滑スラスト軸受1であって、スラストカラー106と前記潤滑剤を介して摺接する静止ディスク2と、静止ディスク2の正面に複数並設された軸受パッド3とを備え、軸受パッド3は、ベース部材33と、ベース部材33の正面に重ね合わされた第1弾性層32と、第1弾性層32の正面に重ね合わされスラストカラー106と対面する摺接層31とを備え、第1弾性層32は、スラストカラー106の回転方向aで上流側に形成された厚肉部32aと、回転方向aで下流側に形成され厚肉部32aよりも薄い薄肉部32bとを備える。
【選択図】図2
【解決手段】水を潤滑剤として使用し、回転軸105と一体に回転するスラストカラー106を回転可能に支持する、水潤滑スラスト軸受1であって、スラストカラー106と前記潤滑剤を介して摺接する静止ディスク2と、静止ディスク2の正面に複数並設された軸受パッド3とを備え、軸受パッド3は、ベース部材33と、ベース部材33の正面に重ね合わされた第1弾性層32と、第1弾性層32の正面に重ね合わされスラストカラー106と対面する摺接層31とを備え、第1弾性層32は、スラストカラー106の回転方向aで上流側に形成された厚肉部32aと、回転方向aで下流側に形成され厚肉部32aよりも薄い薄肉部32bとを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、水潤滑スラスト軸受、並びに、それを使用した軸受装置及び回転機械に関する。
例えば海流発電のプロペラ軸の軸受など、水没状態で使用される軸受として、周囲の水(海水を含む。以下、同様。)を軸の回転により引き込んで潤滑剤として使用する水潤滑スラスト軸受がある。潤滑剤である水の粘度が低いことから、特に海流発電のプロペラ軸のように低速(例えば数m/s以下)な回転体の軸受に水潤滑スラスト軸受を使用する場合には、摺接面(以下「軸受面」とも表記する)に潤滑膜としての水膜が形成され難い。水膜が十分に形成されないと、荷重を摺接面の固体接触で支える(プロペラ軸と軸受面とが直接接触する)境界潤滑状態となる。
特許文献1には、水潤滑スラスト軸受に適用可能な滑り軸受のピローブロック(pillow block)が開示されている。特許文献1に開示されたピローブロックについて図10を参照して説明する。
図10はピローブロック01について説明するための模式図であり、(a)はピローブロック01の縦断面斜視図、(b)はピローブロック01の縦断面図、(c)はピローブロック01の設置例を示す平面図である。
ピローブロック01は、図10(a),(b)に示すように、基体(base body)02と、基体02の一方の面(軸受表面側)に重ね合わされた滑りライニング(sliding lining)03と、基体02の他方の面(軸受背面側)に重ね合わされた弾性支持体04(elastic support)とを備える。
基体02は鋼などから形成され、滑りライニング03はエラストマなどの高分子材料から形成されている。また、滑りライニング03の外周側に厚肉部03aを形成することで、この外周部を弾性変形して薄肉化しやすくしている。
図10はピローブロック01について説明するための模式図であり、(a)はピローブロック01の縦断面斜視図、(b)はピローブロック01の縦断面図、(c)はピローブロック01の設置例を示す平面図である。
ピローブロック01は、図10(a),(b)に示すように、基体(base body)02と、基体02の一方の面(軸受表面側)に重ね合わされた滑りライニング(sliding lining)03と、基体02の他方の面(軸受背面側)に重ね合わされた弾性支持体04(elastic support)とを備える。
基体02は鋼などから形成され、滑りライニング03はエラストマなどの高分子材料から形成されている。また、滑りライニング03の外周側に厚肉部03aを形成することで、この外周部を弾性変形して薄肉化しやすくしている。
ピローブロック01は、例えば、図10(c)に示すように、静止ディスク05の軸受面(つまり回転体06との対向面)に周方向に沿って複数配置される。ピローブロック01の入口側(回転体06の回転方向Bで上流側)では、回転体06の回転がピローブロック01と回転体06との間に水(潤滑剤)を引き込むように作用する。この作用を受けて滑りライニング03の外周部は弾性変形にて薄肉化して上流側に向く微小テーパを形成し、回転体06と滑りライニング03との間に上流側に向かって拡大する正くさび形状の空間が形成されて、この空間に水が効率的に引き込まれるようなる。この結果、この正くさび形状の空間に水膜が形成されて、ピローブロック01の入口側では負荷能力が向上する。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、上述したように滑りライニング03の外周部が変形し易い構造となっているため、滑りライニング03は、入口側のみならず出口側(回転体06の回転方向Bで下流側)も弾性変形にて薄肉変形しやすい。このため、水深の深い場所で使用した場合には、滑りライニング03は、出口側も水圧により薄肉変形して、入口側とは逆に下流側に向く微小テーパを形成する。この結果、回転体06と滑りライニング03との間には、下流側に向かって拡大して回転体06の回転による圧力が生じない逆くさび形状の空間が形成されて負圧が生じる。
このため、ピローブロック1に作用する面圧が不均一となって、回転体06とピローブロック1とが片当たりを回避できないおそれがある。
このため、ピローブロック1に作用する面圧が不均一となって、回転体06とピローブロック1とが片当たりを回避できないおそれがある。
本発明は、軸受パッドとスラストカラーとの片当たりを防止することができるようにした、水潤滑スラスト軸受、並びに、それを使用した軸受装置及び回転機械を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の水潤滑スラスト軸受は、水を潤滑剤として使用し、回転軸と一体に回転するスラストカラーを回転可能に支持する、水潤滑スラスト軸受であって、前記スラストカラーと前記潤滑剤を介して摺接する静止ディスクと、前記静止ディスクの前記スラストカラー側を向く正面に、周方向に沿って複数並設された軸受パッドとを備え、前記軸受パッドは、ベース部材と、前記ベース部材の前記スラストカラー側を向く正面に重ね合わされた第1弾性層と、前記第1弾性層の前記スラストカラー側を向く正面に重ね合わされ前記スラストカラーと対面する摺接層とを備え、前記第1弾性層は、前記スラストカラーの回転方向で上流側に形成された厚肉部と、前記回転方向で下流側に形成され前記厚肉部よりも薄い薄肉部とを備えたことを特徴としている。
(2)前記厚肉部は、前記上流側になるほど、厚さが前記ベース部材側に漸増することが好ましい。
(3)前記厚肉部は、前記ベース部材側の背面が円弧形状とされることが好ましい。
(4)前記厚肉部は、前記上流側になるほど厚さが直線的に漸増するテーパ形状であることが好ましい。
(5)前記厚肉部は、厚さが前記ベース部材側にステップ的に増大するステップ形状であることが好ましい。
(6)前記軸受パッドは、前記ベース部材の前記スラストカラー側とは反対側を向く背面に設けられた第2弾性層をさらに備えることが好ましい。
(7)前記第2弾性層は、前記ベース部材の前記回転方向における上流端から所定範囲を除いて、設けられることが好ましい。
(8)上記の目的を達成するために、本発明の軸受装置は、(1)〜(7)の何れかに記載の水潤滑スラスト軸受と、前記摺接層に設けられた補助潤滑剤供給孔と、前記ベース部材に設けられた補助潤滑剤注入孔と、前記補助潤滑剤供給孔と前記補助潤滑剤注入孔とを繋ぐ補助潤滑剤通路と、前記補助潤滑剤注入孔に前記潤滑剤を供給する補助潤滑剤供給装置と、前記補助潤滑剤供給装置の作動を制御する供給装置制御手段とを備えたことを特徴としている。
(9)前記回転軸の回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、前記供給装置制御手段は、前記回転速度検出手段により検出された回転速度に基づいて、前記回転速度が閾値を超えるまでの期間、前記補助潤滑剤供給装置を作動させることが好ましい。
(10)前記スラストカラーと前記軸受パッドとの間の摩擦トルクの増加又は前記摩擦トルクの増加に相関するパラメータを検出するトルク増加検出手段を備え、前記供給装置制御手段は、前記トルク増加検出手段の検出結果に基づいて前記摩擦トルクが異常増加したと判断した場合には前記補助潤滑剤供給装置を作動させることが好ましい。
(11)上記の目的を達成するために、本発明の回転機械は、(1)〜(7)の何れかに記載の水潤滑スラスト軸受、又は、(8)〜(10)の何れかに記載の軸受装置を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、軸受パッドの第1弾性層は、スラストカラーの回転方向上流側に厚肉部を備えると共に回転方向下流側に薄肉部を備えるので、軸受パッドの負荷能力を、回転方向上流側から回転方向下流側に亘って良好に保持することができ、軸受パッドとスラストカラーとの片当たりを防止することができる。
さらに、第1弾性層のスラストカラー側には、摺接層が設けられているので、スラストカラーと水潤滑スラスト軸受とが接触しても第1弾性層の損傷を防止することができる。
さらに、第1弾性層のスラストカラー側には、摺接層が設けられているので、スラストカラーと水潤滑スラスト軸受とが接触しても第1弾性層の損傷を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の各実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の各実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができると共に、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の各実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の各実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができると共に、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
各実施形態では、本発明を、海流発電装置のプロペラ軸に適用した例を説明する。
以下では、特段の説明なく「回転方向」と記載した場合には、プロペラ軸105の回転方向aを意味し、特段の説明なく「上流」,「入口側」と記載した場合には、プロペラ軸105の回転方向aにおける上流を意味するものとし、特段の説明なく「下流」,「出口側」と記載した場合には、プロペラ軸105の回転方向aにおける下流を意味するものとする。
また、特段の説明なく「正面」又は「表面」と記載した場合には、スラストカラー側に向く面を意味するものとし、特段の説明なく「背面」と記載した場合には、スラストカラー側とは反対側に向く面を意味するものとする。
以下では、特段の説明なく「回転方向」と記載した場合には、プロペラ軸105の回転方向aを意味し、特段の説明なく「上流」,「入口側」と記載した場合には、プロペラ軸105の回転方向aにおける上流を意味するものとし、特段の説明なく「下流」,「出口側」と記載した場合には、プロペラ軸105の回転方向aにおける下流を意味するものとする。
また、特段の説明なく「正面」又は「表面」と記載した場合には、スラストカラー側に向く面を意味するものとし、特段の説明なく「背面」と記載した場合には、スラストカラー側とは反対側に向く面を意味するものとする。
[1.第1実施形態]
[1−1.海流発電装置の構成]
本実施形態に係る海流発電装置100について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の本発明の第1実施形態の海流発電装置(回転機械)100の構成を示す模式的な側面図である。
この海流発電装置100は、海底に埋設された複数の係留ブロック101に係留索102で係留されて海中に保持される流線型のケーシング103と、海流の方向に対してケーシング103の後部側に軸支されたプロペラ104とを備えている。ケーシング103の内部にはプロペラ軸105(回転軸)が、本実施形態の水潤滑スラスト軸受(以下「軸受」とも表記する)1,1により軸支されており、このプロペラ軸105はケーシング103の後端部から外部(海水中)に突出し、その突出部にプロペラ104が装着されている。プロペラ軸105にはプロペラ軸105と一体に回転するスラストカラー106が取り付けられている。スラストカラー106は、径方向に幅を有する円環状の部材であり、プロペラ軸105と同軸上にプロペラ軸105の外周に突設されている。
[1−1.海流発電装置の構成]
本実施形態に係る海流発電装置100について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の本発明の第1実施形態の海流発電装置(回転機械)100の構成を示す模式的な側面図である。
この海流発電装置100は、海底に埋設された複数の係留ブロック101に係留索102で係留されて海中に保持される流線型のケーシング103と、海流の方向に対してケーシング103の後部側に軸支されたプロペラ104とを備えている。ケーシング103の内部にはプロペラ軸105(回転軸)が、本実施形態の水潤滑スラスト軸受(以下「軸受」とも表記する)1,1により軸支されており、このプロペラ軸105はケーシング103の後端部から外部(海水中)に突出し、その突出部にプロペラ104が装着されている。プロペラ軸105にはプロペラ軸105と一体に回転するスラストカラー106が取り付けられている。スラストカラー106は、径方向に幅を有する円環状の部材であり、プロペラ軸105と同軸上にプロペラ軸105の外周に突設されている。
ケーシング103の内部には、プロペラ軸105によって駆動される発電機107等の機器類が内蔵されている。プロペラ104が海流を受けて回転すると、プロペラ軸105が回転し、発電機107が駆動されて発電が行われる。
[1−2.水潤滑スラスト軸受の構成]
以下、図1に加え図2を参照して本実施形態の水潤滑スラスト軸受1について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態としての水潤滑スラスト軸受1の要部構成を示す模式図であって、(a)は正面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である(断面を示すハッチは省略)。
以下、図1に加え図2を参照して本実施形態の水潤滑スラスト軸受1について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態としての水潤滑スラスト軸受1の要部構成を示す模式図であって、(a)は正面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である(断面を示すハッチは省略)。
[1−2−1.水潤滑スラスト軸受の全体構成]
軸受1は、図1に示すようにスラストカラー106の両側に配置された静止ディスク2を備えている。静止ディスク2は、ケーシング103の適所に固定支持された静止状態のディスクである。
各静止ディスク2は、図2に示すように、径方向に一定の幅を持った円環状部材であり、各静止ディスク2の正面(すなわちスラストカラー106に向く面)21には周方向に複数並設された軸受パッド3(図1では省略)が設けられている。各軸受パッド3は、潤滑剤として海水(水)を介してスラストカラー106と摺接する。
軸受1は水没状態であり、軸受1の周囲の海水が、軸受1とスラストカラー106との両摺接面に引き込まれて潤滑剤として使用される。
軸受1は、図1に示すようにスラストカラー106の両側に配置された静止ディスク2を備えている。静止ディスク2は、ケーシング103の適所に固定支持された静止状態のディスクである。
各静止ディスク2は、図2に示すように、径方向に一定の幅を持った円環状部材であり、各静止ディスク2の正面(すなわちスラストカラー106に向く面)21には周方向に複数並設された軸受パッド3(図1では省略)が設けられている。各軸受パッド3は、潤滑剤として海水(水)を介してスラストカラー106と摺接する。
軸受1は水没状態であり、軸受1の周囲の海水が、軸受1とスラストカラー106との両摺接面に引き込まれて潤滑剤として使用される。
[1−2−2.軸受パッドの構成]
軸受パッド3は、図2(b)に示すように、ベース部材33と、ベース部材33の正面331に重ね合わされた第1弾性層32と、第1弾性層32の正面に重ね合わされた摺接層31と、ベース部材33の背面332に重ね合わされた第2弾性層34とを備える。すなわち、スラストカラー106側から、摺接層31,第1弾性層32,ベース部材33,第2弾性層34の順に積層されて構成される。また、正面視(スラストカラー106側から視た場合)では、摺接層31,第1弾性層32,ベース部材33,第2弾性層34は、円環を周方向に複数に分割したような同一の形状をしている。
摺接層31,第1弾性層32,ベース部材33,第2弾性層34の相互間は、加硫接着にて接合される。
軸受パッド3は、図2(b)に示すように、ベース部材33と、ベース部材33の正面331に重ね合わされた第1弾性層32と、第1弾性層32の正面に重ね合わされた摺接層31と、ベース部材33の背面332に重ね合わされた第2弾性層34とを備える。すなわち、スラストカラー106側から、摺接層31,第1弾性層32,ベース部材33,第2弾性層34の順に積層されて構成される。また、正面視(スラストカラー106側から視た場合)では、摺接層31,第1弾性層32,ベース部材33,第2弾性層34は、円環を周方向に複数に分割したような同一の形状をしている。
摺接層31,第1弾性層32,ベース部材33,第2弾性層34の相互間は、加硫接着にて接合される。
ベース部材33は、メタル(金属)製であり、軸受パッド3の強度を確保する強度メンバである。第1弾性層32及び第2弾性層34は、ベース部材33よりも弾性変形し易い素材(例えばゴムや樹脂)により形成された層であり、本実施形態では、第1弾性層32にゴムを使用し、第2弾性層34に樹脂を使用している。摺接層31は、スラストカラー106と水膜を介して摺接する層であって、第1弾性層32よりも摩擦係数の低い素材により形成された層である。摺接層31は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)により形成される。
ここで、第1弾性層32の入口側の4分の1程度の領域32aは、その他の領域(領域32aよりも出口側の領域)であって厚み一定の領域32bに較べて、背面側(静止ディスク2側)に板厚の厚い厚肉部として形成されている。そこで、以下、領域32aを厚肉部32aとも表記し、領域32bを薄肉部32bとも表記する。
換言すれば、図10に示す特許文献1のピローブロック01の滑りライニング03では入口側及び出口側の両方に厚肉部03aが形成されていたのに対し、軸受パッド3では入口側だけに厚肉部32aが形成されている。
この厚肉部32aは、詳しくは、入口側になるにしたがって背面側に厚みが漸増し、且つ、背面が円弧形状(以下「R形状」とも表記する)に形成された厚肉部である。つまり、入口側になるにしたがって厚みが漸増するだけでなく、入口側になるにしたがって厚肉化傾向(一定長さ当たりの厚みの増大量)が増加する形状となっている。
換言すれば、図10に示す特許文献1のピローブロック01の滑りライニング03では入口側及び出口側の両方に厚肉部03aが形成されていたのに対し、軸受パッド3では入口側だけに厚肉部32aが形成されている。
この厚肉部32aは、詳しくは、入口側になるにしたがって背面側に厚みが漸増し、且つ、背面が円弧形状(以下「R形状」とも表記する)に形成された厚肉部である。つまり、入口側になるにしたがって厚みが漸増するだけでなく、入口側になるにしたがって厚肉化傾向(一定長さ当たりの厚みの増大量)が増加する形状となっている。
第1弾性層32の入口側に厚肉部32aを形成することで、スラストカラー106が回転して圧力が作用した際に、第1弾性層32の入口側が薄肉変形し易くなる。これにより、スラストカラー106の回転時に、図2(b)に破線で示すように、摺接面(摺接層31の表面)311の入口側が、上流側(入口側)に向く微小テーパ面を形成し、この微小テーパ面とスラストカラー106との間に、入口側に向かって拡大する正くさび形状の水膜が形成され負荷能力が向上する。
ここで、図2(a)に示す平面視において、軸受パッド3の上流縁及び下流縁をそれぞれ延長した直線のなす角度(以下、パッド張り角ともいう)をθ0、厚肉部32aの上流縁及び下流縁をそれぞれ延長した直線のなす角度θ1とすると、角度θ1は、角度θ0の1/7〜1/4の範囲にあることが好ましい。角度θ1が1/7未満であると、厚肉部32aの効果が十分得られない。角度θ1が1/4を越えると、圧力の立ちやすい回転方向中央側で厚肉部32aの薄肉変形が入口側よりも大きくなって、厚肉部32a及び摺接面311が出口側に向く微小テーパ面を形成する。これにより、スラストカラー106と軸受パッド3との間に、出口側に向かって拡大する逆くさび形状の隙間が形成されてしまい、軸受1の負荷能力が低下してしまう。
例えば、角度θ0は20°に設定され、角度θ1は5°に設定されるが、これに限定されるものではない。
例えば、角度θ0は20°に設定され、角度θ1は5°に設定されるが、これに限定されるものではない。
また、ベース部材33における第1弾性層32の厚肉部32aとの対向面は、厚肉部32aの形状に嵌合するように、厚肉部32aに沿ったR形状断面を有するように形成されている。
第2弾性層34は、スラストカラー106が、軸受2に対して片当たりした時の局所的な荷重を吸収するために設けられる。このため、荷重を吸収する能力が高くなるように第2弾性層34は厚めのほうが好ましい。これに対して、第1弾性層34は、厚肉部32aを除く薄肉部32bはできるだけ薄いほうが好ましい。これは、薄肉部32bは、後述するように薄肉変形すると、出口側に逆くさび形状の空間が形成されて負荷能力が低下してしまうので、薄肉変形しにくいよう薄いほうが好ましいためである。
[1−3.作用・効果]
海流発電装置100では一般的にプロペラ軸105及びスラストカラー106の回転速度が例えば数m/s以下であり他の回転機械に較べて低速であること、また、潤滑剤である海水(水)の粘度が、一般的な潤滑剤に較べて低いこと、から、軸受パッド3とスラストカラー106との摺接面に潤滑剤(海水)が入りにくい。
本発明の第1実施形態では、軸受パッド3の第1弾性層32の入口側に、他の出口側の領域(薄肉部)32bよりも厚い厚肉部32aを設けているので、厚肉部32a(つまり第1弾性層32の入口側)が他の出口側の領域32bに較べて圧力変形し易い。したがって、スラストカラー106の回転が、摺接面に海水を引き込むと共に摺接面の圧力を立たせるように作用した際には、スラストカラー106の回転速度が低速のためこの作用が弱いものであっても、(水深の深い場所で使用された場合には水圧が高くなるので相乗的に)厚肉部32aが容易に薄肉変形する。したがって、厚肉部32aが摺接層31と一体に入口側に向いた微小テーパ形状を形成することで両摺接面の間に形成される正くさび形状の空間をより大きなものとすることでき、当該正くさび形状の空間に水膜を形成して負荷能力を向上することができる。
海流発電装置100では一般的にプロペラ軸105及びスラストカラー106の回転速度が例えば数m/s以下であり他の回転機械に較べて低速であること、また、潤滑剤である海水(水)の粘度が、一般的な潤滑剤に較べて低いこと、から、軸受パッド3とスラストカラー106との摺接面に潤滑剤(海水)が入りにくい。
本発明の第1実施形態では、軸受パッド3の第1弾性層32の入口側に、他の出口側の領域(薄肉部)32bよりも厚い厚肉部32aを設けているので、厚肉部32a(つまり第1弾性層32の入口側)が他の出口側の領域32bに較べて圧力変形し易い。したがって、スラストカラー106の回転が、摺接面に海水を引き込むと共に摺接面の圧力を立たせるように作用した際には、スラストカラー106の回転速度が低速のためこの作用が弱いものであっても、(水深の深い場所で使用された場合には水圧が高くなるので相乗的に)厚肉部32aが容易に薄肉変形する。したがって、厚肉部32aが摺接層31と一体に入口側に向いた微小テーパ形状を形成することで両摺接面の間に形成される正くさび形状の空間をより大きなものとすることでき、当該正くさび形状の空間に水膜を形成して負荷能力を向上することができる。
また、第1弾性層32の出口側には、薄肉部32bが設けられているので、軸受1が水深の深い場所で使用された場合でも、軸受パッド3の出口側は、薄肉変形(圧力変形)しづらい。したがって、軸受パッド3の摺接面311は、出口側においては、出口側に向いた微小テーパ形状を形成しづらく、摺接面311とスラストカラー106との間に逆くさび形状の空間が形成されることを抑制できる。
つまり、本発明の実施形態によれば、軸受パッド3の第1弾性層32に対して、入口側を厚肉部32aとする一方で出口側を薄肉部32bとしているので(第1弾性層32の入口側にだけ厚肉部32aを設けているので)、軸受パッド3の負荷能力を入口側から出口側に亘って良好に保持することができ、軸受パッド3とスラストカラー106との片当たりを防止することができる。
つまり、本発明の実施形態によれば、軸受パッド3の第1弾性層32に対して、入口側を厚肉部32aとする一方で出口側を薄肉部32bとしているので(第1弾性層32の入口側にだけ厚肉部32aを設けているので)、軸受パッド3の負荷能力を入口側から出口側に亘って良好に保持することができ、軸受パッド3とスラストカラー106との片当たりを防止することができる。
また、厚肉部32aが、入口側になるにしたがって厚さが漸増するので、厚肉部32aの厚さ設定が、軸受パッド3とスラストカラー106との圧力分布に応じたものとなり(すなわち、厚肉部32aは入口側ほど厚肉に形成されるので、圧力が立ちにくい入口側端部ほど薄肉変形し易くなり)、軸受パッド3とスラストカラー106との間に、効率的に正くさび形状の水膜を形成して負荷能力を向上させることができる。
さらに、厚肉部32aに繰り返し変動加重が作用しても、厚肉部32aがR形状をしているため、変動加重による応力が一部に集中することを抑制することができ、前記変動加重による第1弾性層32の疲労や、ベース部材33からのズレや剥離を抑制することができる。
また、厚肉部32aをR形状としているので、入口側になるにしたがって厚肉化傾向(一定長さ当たりの厚みの増大量)が増大し、圧力が立ちにくい入口側端部が一層効果的に薄肉変形しやすくなり、軸受パッド3とスラストカラー106との間に、逆くさび形状の空間を形成してしまうことを抑制でき、確実に正くさび形状の水膜を形成することができる。
また、厚肉部32aをR形状としているので、入口側になるにしたがって厚肉化傾向(一定長さ当たりの厚みの増大量)が増大し、圧力が立ちにくい入口側端部が一層効果的に薄肉変形しやすくなり、軸受パッド3とスラストカラー106との間に、逆くさび形状の空間を形成してしまうことを抑制でき、確実に正くさび形状の水膜を形成することができる。
また、第1弾性層32の表面に摺接層31を設けているので、スラストカラー106が軸受1に接触した際には、スラストカラー106と第1弾性層32とが直接接触することを防止でき、負荷能力の向上に大きく寄与する第1弾性層32の損傷を防止できる。
また、摺接層31は、第1弾性層32よりも潤滑性能が高いので、スラストカラー106と第1弾性層32とが接触した場合よりも、接触時の衝撃が緩和され、接触による摺接層31自体の損傷を防止でき又は損傷の程度を軽減することができる。さらには、摺接層31が、接触によって摩耗することで、スラストカラー106の片当たりに対して、軸受1の摺接面を有する摺接層31の形状が、負荷能力を得やすい最適な形状とされ、軸受1に負荷が過剰に作用することが抑制され、軸受1の寿命を延ばすことができる。
また、摺接層31は、第1弾性層32よりも潤滑性能が高いので、スラストカラー106と第1弾性層32とが接触した場合よりも、接触時の衝撃が緩和され、接触による摺接層31自体の損傷を防止でき又は損傷の程度を軽減することができる。さらには、摺接層31が、接触によって摩耗することで、スラストカラー106の片当たりに対して、軸受1の摺接面を有する摺接層31の形状が、負荷能力を得やすい最適な形状とされ、軸受1に負荷が過剰に作用することが抑制され、軸受1の寿命を延ばすことができる。
また、第2弾性層34を設けているので、スラストカラー106が軸受パッド3に片当たりする場合や、スラストカラー106が静止ディスク12に対して傾斜して、スラストカラー106と軸受1とが全体的に片当たりする場合に、片当たりによる軸受パッド3や軸受1に対する局所的な荷重が、第2弾性層34によって吸収(分散)される。
[1−4.実施例]
下表1の条件に従ってシミュレーション結果を行った結果を、図3,図4に示す。
図3は、横軸を周方向角度θ[degree]、縦軸を厚肉部32aの薄肉変形量(薄肉側を正とする、圧力による肉厚の変形量)、として、軸受パッド3の角度位置(周方向角度θに対応した軸受パッド3の部位)における薄肉変形量の分布を示す図である。
図4は、横軸を周方向角度θ[degree]、縦軸を摺動面311に形成された水膜(潤滑膜)厚さ)[μm]として、軸受パッド3の角度位置における水膜厚さの分布を示す図である。
周方向角度θは、軸受パッド3の上流縁を基準〔0(ゼロ)degree〕とする角度である(図2(a)参照)。
図3及び図4からも明らかなように、第1弾性層32に対し、入口部を厚肉部32aとすると共に出口部を薄肉部32bとすることで、第1弾性層32の入口部の薄肉変形量を促進すると共に第1弾性層32の出口部の薄肉変形量を抑制することができ、軸受パッド3の摺接面311の入口側に形成される水膜厚さを、他の軸受パッド3の領域と同等に保持できることが分かった。
[1−4.実施例]
下表1の条件に従ってシミュレーション結果を行った結果を、図3,図4に示す。
図4は、横軸を周方向角度θ[degree]、縦軸を摺動面311に形成された水膜(潤滑膜)厚さ)[μm]として、軸受パッド3の角度位置における水膜厚さの分布を示す図である。
周方向角度θは、軸受パッド3の上流縁を基準〔0(ゼロ)degree〕とする角度である(図2(a)参照)。
図3及び図4からも明らかなように、第1弾性層32に対し、入口部を厚肉部32aとすると共に出口部を薄肉部32bとすることで、第1弾性層32の入口部の薄肉変形量を促進すると共に第1弾性層32の出口部の薄肉変形量を抑制することができ、軸受パッド3の摺接面311の入口側に形成される水膜厚さを、他の軸受パッド3の領域と同等に保持できることが分かった。
[2.第2実施形態]
[2−1.水潤滑スラスト軸受の構成]
以下、図5を参照して本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Aについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態としての水潤滑スラスト軸受1Aの要部構成を示す模式的断面図であって、図2(a)のA−A断面図に相当する図である(断面を示すハッチは省略)。
本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Aは、図1に示す第1実施形態の海流発電装置100において水潤滑スラスト軸受1に替えて使用されるものである。
図5に示すように、水潤滑スラスト軸受1Aは、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1に対して、軸受パッド3に替えて軸受パッド3Aを使用したものである。軸受パッド3Aは、軸受パッド3と入口側の厚肉部の形状が異なる。具体的には、軸受パッド3Aの入口側の厚肉部32a′は、軸受パッド3の入口側の厚肉部32aに対し、入口側になるにしたがって背面側に厚みが漸増する点は同じであるが、背面がフラットな傾斜面に形成されている点で異なる。
この他の構成は、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1と同様であるので説明を省略する。
[2−1.水潤滑スラスト軸受の構成]
以下、図5を参照して本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Aについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態としての水潤滑スラスト軸受1Aの要部構成を示す模式的断面図であって、図2(a)のA−A断面図に相当する図である(断面を示すハッチは省略)。
本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Aは、図1に示す第1実施形態の海流発電装置100において水潤滑スラスト軸受1に替えて使用されるものである。
図5に示すように、水潤滑スラスト軸受1Aは、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1に対して、軸受パッド3に替えて軸受パッド3Aを使用したものである。軸受パッド3Aは、軸受パッド3と入口側の厚肉部の形状が異なる。具体的には、軸受パッド3Aの入口側の厚肉部32a′は、軸受パッド3の入口側の厚肉部32aに対し、入口側になるにしたがって背面側に厚みが漸増する点は同じであるが、背面がフラットな傾斜面に形成されている点で異なる。
この他の構成は、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1と同様であるので説明を省略する。
[2−2.作用効果]
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、第1弾性層32の入口側に厚肉部32a′が設けられ、また、出口側には薄肉部32bが設けられているので、軸受パッド3Aの負荷能力を入口側から出口側に亘って良好に保持することができ、軸受パッド3Aとスラストカラー106との片当たりを防止することができる。
また、厚肉部32a′が、入口側になるにしたがって厚さが漸増するので、厚肉部32a′の厚さ設定が、軸受パッド3Aとスラストカラー106との間の圧力分布に応じたものとなり(すなわち圧力が立ちにくい入口側ほど厚く薄肉変形し易くなり)、軸受パッド3Aとスラストカラー106との間に、効率的に正くさび形状の水膜を形成して負荷能力を向上させることができる。
その他、厚肉部32a′の背面はフラットな傾斜形状なので、第1実施形態のR形状の厚肉部32aに較べて加工が容易になり、第1実施形態に較べて製作コストを削減できる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、第1弾性層32の入口側に厚肉部32a′が設けられ、また、出口側には薄肉部32bが設けられているので、軸受パッド3Aの負荷能力を入口側から出口側に亘って良好に保持することができ、軸受パッド3Aとスラストカラー106との片当たりを防止することができる。
また、厚肉部32a′が、入口側になるにしたがって厚さが漸増するので、厚肉部32a′の厚さ設定が、軸受パッド3Aとスラストカラー106との間の圧力分布に応じたものとなり(すなわち圧力が立ちにくい入口側ほど厚く薄肉変形し易くなり)、軸受パッド3Aとスラストカラー106との間に、効率的に正くさび形状の水膜を形成して負荷能力を向上させることができる。
その他、厚肉部32a′の背面はフラットな傾斜形状なので、第1実施形態のR形状の厚肉部32aに較べて加工が容易になり、第1実施形態に較べて製作コストを削減できる。
[3.第3実施形態]
[3−1.水潤滑スラスト軸受の構成]
以下、図6を参照して本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Bについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第3実施形態としての水潤滑スラスト軸受1Bの要部構成を示す模式的断面図であって、図2(a)のA−A断面図に相当する図である(断面を示すハッチは省略)。
本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Bは、図1に示す第1実施形態の海流発電装置100において水潤滑スラスト軸受1に替えて使用されるものである。
水潤滑スラスト軸受1Bは、図6に示すように構成され、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1に対して、軸受パッド3に替えて軸受パッド3Bを使用したものである。軸受パッド3Bは、軸受パッド3と入口側の厚肉部の形状が異なる。具体的には、軸受パッド3Bの入口側の厚肉部32a″は、軸受パッド3の入口側の厚肉部32aに対し、背面側に厚みが増加する点は同じであるが、ステップ的に厚みが増加するステップ状厚肉部である点で異なる。
この他の構成は、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1と同様であるので説明を省略する。
[3−1.水潤滑スラスト軸受の構成]
以下、図6を参照して本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Bについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第3実施形態としての水潤滑スラスト軸受1Bの要部構成を示す模式的断面図であって、図2(a)のA−A断面図に相当する図である(断面を示すハッチは省略)。
本実施形態の水潤滑スラスト軸受1Bは、図1に示す第1実施形態の海流発電装置100において水潤滑スラスト軸受1に替えて使用されるものである。
水潤滑スラスト軸受1Bは、図6に示すように構成され、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1に対して、軸受パッド3に替えて軸受パッド3Bを使用したものである。軸受パッド3Bは、軸受パッド3と入口側の厚肉部の形状が異なる。具体的には、軸受パッド3Bの入口側の厚肉部32a″は、軸受パッド3の入口側の厚肉部32aに対し、背面側に厚みが増加する点は同じであるが、ステップ的に厚みが増加するステップ状厚肉部である点で異なる。
この他の構成は、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1と同様であるので説明を省略する。
[3−2.作用効果]
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、第1弾性層32の入口側に厚肉部32a″が設けられ、また、入口側には薄肉部32bが設けられているので、軸受パッド3Bの負荷能力を入口側から出口側に亘って良好に保持することができ、軸受パッド3Bとスラストカラー106との片当たりを防止することができる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、第1弾性層32の入口側に厚肉部32a″が設けられ、また、入口側には薄肉部32bが設けられているので、軸受パッド3Bの負荷能力を入口側から出口側に亘って良好に保持することができ、軸受パッド3Bとスラストカラー106との片当たりを防止することができる。
その他、厚肉部32a″はステップ形状なので、第1実施形態のR形状の厚肉部32aに較べて加工が容易になり、第1実施形態に較べて製作コストを削減できる。
[4.第4実施形態]
[4−1.軸受装置の構成]
以下、図7を参照して本実施形態の軸受装置について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の第4実施形態の軸受装置5及び水潤滑スラスト軸受1Cの要部構成を示す模式図であって、水潤滑スラスト軸受1Cの模式的断面図〔図2(a)のA−A断面図に相当する図。断面を示すハッチは省略。〕と共に制御ブロック図を示す。
[4−1.軸受装置の構成]
以下、図7を参照して本実施形態の軸受装置について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の第4実施形態の軸受装置5及び水潤滑スラスト軸受1Cの要部構成を示す模式図であって、水潤滑スラスト軸受1Cの模式的断面図〔図2(a)のA−A断面図に相当する図。断面を示すハッチは省略。〕と共に制御ブロック図を示す。
水潤滑スラスト軸受(以下「軸受」とも表記する)1Cは、図7に示すように構成され、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1に対して、軸受パッド3に替えて、潤滑剤供給通路(補助潤滑剤通路)35を穿設された軸受パッド3Cを使用したものである。潤滑剤供給通路35は、ベース部材33の円弧状外周面から、ベース部材33,第1弾性層32及び摺接層31をこの順に貫通して、摺動面11まで至っており、一端が、ベース部材33の円弧状外周面に開口する潤滑剤注入孔(補助潤滑剤注入孔)35bを構成し、他端が、摺接層31の表面311に開口する潤滑剤供給孔(補助潤滑剤供給孔)35aを構成する。
水潤滑スラスト軸受1Cのこの他の構成は、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1と同様であるので説明を省略する。
水潤滑スラスト軸受1Cのこの他の構成は、第1実施形態の水潤滑スラスト軸受1と同様であるので説明を省略する。
軸受装置5は、軸受1Cと、カートリッジ式グリース供給ポンプ(補助潤滑剤供給装置、以下「グリース供給ポンプ」と表記する)4と、グリース供給ポンプ4と軸受1Cとを接続する潤滑剤通路4aと、プロペラ軸105(図1参照)の回転速度を検出するエンコーダ(回転速度検出手段)11と、海流発電装置100(図1参照)の制御装置10内に機能構成されたポンプ制御部(供給装置制御手段)10aとを備えて構成される(図1では制御装置10は省略)。
グリース供給ポンプ4は、潤滑剤としてのグリースが入ったカートリッジを備えており、このグリースを軸受1Cへと供給する。
ポンプ制御部10aには、エンコーダ11からプロペラ軸105の回転速度情報が入力されると共に、制御装置10の内部信号である海流発電装置100の作動開始指令が入力される。ポンプ制御部10aは、海流発電装置100の作動開始指令を取得すると、プロペラ104の作動(回転)が開始されるよりも前に、グリース供給ポンプ4を作動させて、潤滑剤通路4aを介して潤滑剤注入孔35bから潤滑剤供給通路35内にグリースを供給する。これにより、潤滑剤供給孔35aからグリースが摺動面311に供給される。ポンプ制御部10aは、プロペラ104の回転開始後も、エンコーダ11から取得した回転速度情報に基づいて、プロペラ軸105の回転速度が所定の回転速度(閾値)を越えたと判断するまで、グリース供給ポンプ4を動作させる。
グリース供給ポンプ4は、潤滑剤としてのグリースが入ったカートリッジを備えており、このグリースを軸受1Cへと供給する。
ポンプ制御部10aには、エンコーダ11からプロペラ軸105の回転速度情報が入力されると共に、制御装置10の内部信号である海流発電装置100の作動開始指令が入力される。ポンプ制御部10aは、海流発電装置100の作動開始指令を取得すると、プロペラ104の作動(回転)が開始されるよりも前に、グリース供給ポンプ4を作動させて、潤滑剤通路4aを介して潤滑剤注入孔35bから潤滑剤供給通路35内にグリースを供給する。これにより、潤滑剤供給孔35aからグリースが摺動面311に供給される。ポンプ制御部10aは、プロペラ104の回転開始後も、エンコーダ11から取得した回転速度情報に基づいて、プロペラ軸105の回転速度が所定の回転速度(閾値)を越えたと判断するまで、グリース供給ポンプ4を動作させる。
[4−2.作用効果]
本実施形態では、プロペラ軸105の回転開始前に、グリース供給ポンプ4を作動させて、潤滑性能の高いグリースを摺動面311に供給し、このグリースの供給をプロペラ軸105の回転速度が所定の回転速度を越えるまで続ける。
本実施形態では、プロペラ軸105の回転開始前に、グリース供給ポンプ4を作動させて、潤滑性能の高いグリースを摺動面311に供給し、このグリースの供給をプロペラ軸105の回転速度が所定の回転速度を越えるまで続ける。
水潤滑スラスト軸受1Cは、プロペラ軸105のスラストカラー106が回転することによって潤滑剤としての水が摺動面311に引き込まれる。このため、プロペラ軸105の回転開始前には、潤滑剤(水)が摺動面311に十分に行き渡っていないので、プロペラ軸105の回転開始時の起動トルクが大きなものとなる。
本発明の第4実施形態によれば、プロペラ軸105の回転開始前にグリース供給ポンプ4により摺動面311にグリースが供給されるので、このプロペラ軸105の起動トルクをグリースによって低減させることができる。
なお、プロペラ104が回転を開始して水が摺動面311に引き込まれると、この水に弾かれるようにして、摺動面311に形成されたグリースの油膜(潤滑膜)は摺動面311から分離され、摺動面311には水膜が速やかに形成される。すなわち、摺動面311に形成される潤滑膜が、油膜から水膜にスムーズに移行する。
本発明の第4実施形態によれば、プロペラ軸105の回転開始前にグリース供給ポンプ4により摺動面311にグリースが供給されるので、このプロペラ軸105の起動トルクをグリースによって低減させることができる。
なお、プロペラ104が回転を開始して水が摺動面311に引き込まれると、この水に弾かれるようにして、摺動面311に形成されたグリースの油膜(潤滑膜)は摺動面311から分離され、摺動面311には水膜が速やかに形成される。すなわち、摺動面311に形成される潤滑膜が、油膜から水膜にスムーズに移行する。
[5.第5実施形態]
[5−1.軸受装置の構成]
以下、図8を参照して本実施形態の軸受装置について説明する。なお、上記第4実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の第5実施形態の軸受装置5Aの要部構成を示す模式図であって、水潤滑スラスト軸受1Cの模式的断面図〔図2(a)のA−A断面図に相当する図。断面を示すハッチは省略。〕と共に制御ブロック図を示す。
[5−1.軸受装置の構成]
以下、図8を参照して本実施形態の軸受装置について説明する。なお、上記第4実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の第5実施形態の軸受装置5Aの要部構成を示す模式図であって、水潤滑スラスト軸受1Cの模式的断面図〔図2(a)のA−A断面図に相当する図。断面を示すハッチは省略。〕と共に制御ブロック図を示す。
本実施形態の軸受装置5Aは、前記第4実施形態の軸受装置5に対し、さらに、水潤滑スラスト軸受1Cの振動(スラストカラー106と軸受パッド3Cとの間の摩擦トルクの増加に相関するパラメータ)を検出する振動センサ(トルク増加検出手段)12を備える。振動センサ12は、水潤滑スラスト軸受1Cに取り付けられ、例えば静止ディスク2に固定されている。また、振動センサ12により検出された振動情報は、ポンプ制御部10aに入力される。
ポンプ制御部10aは、振動センサ12により検出された振動情報に基づいて、静止ディスク2の振動が大きい場合、つまり振動の振幅が所定の振幅を越えている場合には、この振動が所定の振幅以下に収まるまで、軸受1Cが摩耗粉等の異物を噛み込んで摩擦トルクが突発的に増加しているとして、グリース供給ポンプ4を作動させる。
ポンプ制御部10aは、振動センサ12により検出された振動情報に基づいて、静止ディスク2の振動が大きい場合、つまり振動の振幅が所定の振幅を越えている場合には、この振動が所定の振幅以下に収まるまで、軸受1Cが摩耗粉等の異物を噛み込んで摩擦トルクが突発的に増加しているとして、グリース供給ポンプ4を作動させる。
[5−2.作用効果]
本発明の第5実施形態によれば、静止ディスク2の振動が所定の閾値を越えている場合には、グリース供給ポンプ4が作動して摺接面311にグリースを供給するので、突発的な摩擦トルクの増加を低減することできる。
本発明の第5実施形態によれば、静止ディスク2の振動が所定の閾値を越えている場合には、グリース供給ポンプ4が作動して摺接面311にグリースを供給するので、突発的な摩擦トルクの増加を低減することできる。
[5−3.変形例]
上記第5実施形態では、本発明の「スラストカラーと軸受パッドとの間の摩擦トルクの増加又は摩擦トルクの増加に相関するパラメータを検出するトルク増加検出手段」を振動センサ12により構成したが、トルク増加検出手段は振動センサに限定されない。
例えば、海流発電装置が、プロペラを2基有する2翼式であって、各プロペラの回転軸(プロペラ軸)がそれぞれ水潤滑スラスト軸受1Cにより支持される場合には、各プロペラ軸に、プロペラ軸の回転速度を検出するエンコーダを設けると共に、制御装置10に、これらのエンコーダの検出結果から各プロペラ軸の回転速度偏差を算出してポンプ制御部10aへ出力する回転速度偏差算出手段を設けて、前記エンコーダ及び前記回転速度偏差算出手段から、トルク増加検出手段を構成してもよい。
これにより、トルク増加検出手段により算出されたプロペラ軸の回転速度偏差が所定の閾値を越えている間は、プロペラ軸の回転速度が遅い方のプロペラ軸に取り付けられた軸受1Cに、突発的な摩擦トルクの増加が発生しているとして、ポンプ制御部10aがグリース供給ポンプ4を作動させて、プロペラ軸の回転速度の遅い軸受1Cの摺動面311にグリースが供給されるようになる。
上記第5実施形態では、本発明の「スラストカラーと軸受パッドとの間の摩擦トルクの増加又は摩擦トルクの増加に相関するパラメータを検出するトルク増加検出手段」を振動センサ12により構成したが、トルク増加検出手段は振動センサに限定されない。
例えば、海流発電装置が、プロペラを2基有する2翼式であって、各プロペラの回転軸(プロペラ軸)がそれぞれ水潤滑スラスト軸受1Cにより支持される場合には、各プロペラ軸に、プロペラ軸の回転速度を検出するエンコーダを設けると共に、制御装置10に、これらのエンコーダの検出結果から各プロペラ軸の回転速度偏差を算出してポンプ制御部10aへ出力する回転速度偏差算出手段を設けて、前記エンコーダ及び前記回転速度偏差算出手段から、トルク増加検出手段を構成してもよい。
これにより、トルク増加検出手段により算出されたプロペラ軸の回転速度偏差が所定の閾値を越えている間は、プロペラ軸の回転速度が遅い方のプロペラ軸に取り付けられた軸受1Cに、突発的な摩擦トルクの増加が発生しているとして、ポンプ制御部10aがグリース供給ポンプ4を作動させて、プロペラ軸の回転速度の遅い軸受1Cの摺動面311にグリースが供給されるようになる。
[6.その他]
(1)上記各実施形態の水潤滑スラスト軸受1,1A,1B,1Cでは、第2弾性層34をベース部材33の背面全面を覆うように設置したが、例えば水潤滑スラスト軸受1に対し、図9に示すように第2弾性層34′を、ベース部材33の入口側(回転方向aにおける上流端から所定範囲)を除いた範囲に設けてもよい。この範囲は、第1弾性層32の厚肉部32aの設置範囲と同じ範囲とすることが好ましい。このような構成とすることにより、第1弾性層32の薄肉変形に加えて、軸受パッド3の入口側全体が、図9に破線で示すように背面側に傾斜変形するので、摺接面311のテーパの傾斜が大きなものとなって負荷容量が一層向上する。もちろん、水潤滑スラスト軸受1A,1B,1Cに関しても、同様に、第2弾性層34′を、ベース部材33の入口側を除いた範囲に設けるようにしてもよい。
(1)上記各実施形態の水潤滑スラスト軸受1,1A,1B,1Cでは、第2弾性層34をベース部材33の背面全面を覆うように設置したが、例えば水潤滑スラスト軸受1に対し、図9に示すように第2弾性層34′を、ベース部材33の入口側(回転方向aにおける上流端から所定範囲)を除いた範囲に設けてもよい。この範囲は、第1弾性層32の厚肉部32aの設置範囲と同じ範囲とすることが好ましい。このような構成とすることにより、第1弾性層32の薄肉変形に加えて、軸受パッド3の入口側全体が、図9に破線で示すように背面側に傾斜変形するので、摺接面311のテーパの傾斜が大きなものとなって負荷容量が一層向上する。もちろん、水潤滑スラスト軸受1A,1B,1Cに関しても、同様に、第2弾性層34′を、ベース部材33の入口側を除いた範囲に設けるようにしてもよい。
(2)上記第4実施形態及び第5実施形態では、起動時又は摩擦トルクの異常増加時に、水潤滑スラスト軸受1Cの摺動面に供給する補助潤滑剤にグリースを使用したが、水(海水)を使用してもよい。
(3)上記各実施形態では、ベース部材33の背面332に第2弾性層34を設けたが、第1弾性層32の入口側に厚肉部32a,32a′,32a″を設けるだけでも厚肉部32a,32a′,32a″の薄肉変形により入口側の水膜を確保することができるので、第2弾性層34を省略してもよい。
(4)軸受パッドの上記各実施形態の形状に限定されない。例えば、図10に示す特許文献1に開示されたピローブロック01のように平面視で円形でもよいし、平面視で四角形など多角形でもよく、種々の形状が選択可能である。
(5)上記各実施形態では、本発明を海流発電装置に適用した例を説明したが、本発明は、水没状態で使用される回転機械であれば適用できるものであり、例えば水力発電装置に適用できる。
1,1A,1B,1C 水潤滑スラスト軸受
2 静止ディスク
21 静止ディスクの正面21
3,3A,3B,3C 軸受パッド
31 摺接層
311 表面(摺動面)
32 第1弾性層
32a,32a′,32a″ 厚肉部
32b 薄肉部
33 ベース部材
331 正面
332 背面
34 第2弾性層
35 潤滑剤供給通路
35a 潤滑剤供給孔(補助潤滑剤供給孔)
35b 潤滑剤注入孔(補助潤滑剤注入孔)
4 カートリッジ式グリース供給ポンプ(補助潤滑剤供給装置)
4a 潤滑剤通路
5,5A 軸受装置
10 制御装置
10a ポンプ制御部(供給装置制御手段)
11 プロペラ軸105のエンコーダ(回転速度検出手段)
12 振動センサ(トルク増加検出手段)
100 海流発電装置
101 係留ブロック
102 係留索
103 ケーシング
104 プロペラ
105 プロペラ軸
106 スラストカラー
107 発電機
a プロペラ軸105の回転方向
θ0 第1弾性層32の角度、パッド張り角
θ1 厚肉部32aの角度
2 静止ディスク
21 静止ディスクの正面21
3,3A,3B,3C 軸受パッド
31 摺接層
311 表面(摺動面)
32 第1弾性層
32a,32a′,32a″ 厚肉部
32b 薄肉部
33 ベース部材
331 正面
332 背面
34 第2弾性層
35 潤滑剤供給通路
35a 潤滑剤供給孔(補助潤滑剤供給孔)
35b 潤滑剤注入孔(補助潤滑剤注入孔)
4 カートリッジ式グリース供給ポンプ(補助潤滑剤供給装置)
4a 潤滑剤通路
5,5A 軸受装置
10 制御装置
10a ポンプ制御部(供給装置制御手段)
11 プロペラ軸105のエンコーダ(回転速度検出手段)
12 振動センサ(トルク増加検出手段)
100 海流発電装置
101 係留ブロック
102 係留索
103 ケーシング
104 プロペラ
105 プロペラ軸
106 スラストカラー
107 発電機
a プロペラ軸105の回転方向
θ0 第1弾性層32の角度、パッド張り角
θ1 厚肉部32aの角度
Claims (11)
- 水を潤滑剤として使用し、回転軸と一体に回転するスラストカラーを回転可能に支持する、水潤滑スラスト軸受であって、
前記スラストカラーと前記潤滑剤を介して摺接する静止ディスクと、
前記静止ディスクの前記スラストカラー側を向く正面に、周方向に沿って複数並設された軸受パッドとを備え、
前記軸受パッドは、ベース部材と、前記ベース部材の前記スラストカラー側を向く正面に重ね合わされた第1弾性層と、前記第1弾性層の前記スラストカラー側を向く正面に重ね合わされ前記スラストカラーと対面する摺接層とを備え、
前記第1弾性層は、前記スラストカラーの回転方向で上流側に形成された厚肉部と、前記回転方向で下流側に形成され前記厚肉部よりも薄い薄肉部とを備えた
ことを特徴とする、水潤滑スラスト軸受。 - 前記厚肉部は、前記上流側になるほど、厚さが前記ベース部材側に漸増する
ことを特徴とする、請求項1に記載の水潤滑スラスト軸受。 - 前記厚肉部は、前記ベース部材側の背面が円弧形状とされた
ことを特徴とする、請求項2に記載の水潤滑スラスト軸受。 - 前記厚肉部は、前記上流側になるほど厚さが直線的に漸増するテーパ形状である
ことを特徴とする、請求項2に記載の水潤滑スラスト軸受。 - 前記厚肉部は、厚さが前記ベース部材側にステップ的に増大するステップ形状である
ことを特徴とする、請求項1に記載の水潤滑スラスト軸受。 - 前記軸受パッドは、前記ベース部材の前記スラストカラー側とは反対側を向く背面に設けられた第2弾性層をさらに備えた
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の水潤滑スラスト軸受。 - 前記第2弾性層は、前記ベース部材の前記回転方向における上流端から所定範囲を除いて、設けられたことを特徴とする、請求項6に記載の水潤滑スラスト軸受。
- 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の水潤滑スラスト軸受と、
前記摺接層に設けられた補助潤滑剤供給孔と、
前記ベース部材に設けられた補助潤滑剤注入孔と、
前記補助潤滑剤供給孔と前記補助潤滑剤注入孔とを繋ぐ補助潤滑剤通路と、
前記補助潤滑剤注入孔に前記潤滑剤を供給する補助潤滑剤供給装置と、
前記補助潤滑剤供給装置の作動を制御する供給装置制御手段とを備えた
ことを特徴とする、軸受装置。 - 前記回転軸の回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
前記供給装置制御手段は、前記回転速度検出手段により検出された回転速度に基づいて、前記回転速度が閾値を超えるまでの期間、前記補助潤滑剤供給装置を作動させる
ことを特徴とする、請求項8に記載の軸受装置。 - 前記スラストカラーと前記軸受パッドとの間の摩擦トルクの増加又は前記摩擦トルクの増加に相関するパラメータを検出するトルク増加検出手段を備え、
前記供給装置制御手段は、前記トルク増加検出手段の検出結果に基づいて前記摩擦トルクが異常増加したと判断した場合には前記補助潤滑剤供給装置を作動させる
ことを特徴とする、請求項8又は9に記載の軸受装置。 - 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の水潤滑スラスト軸受、又は、請求項8〜請求項10の何れか一項に記載の軸受装置を備えた
ことを特徴とする、回転機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016060747A JP2017172732A (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | 水潤滑スラスト軸受,軸受装置及び回転機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016060747A JP2017172732A (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | 水潤滑スラスト軸受,軸受装置及び回転機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017172732A true JP2017172732A (ja) | 2017-09-28 |
Family
ID=59970732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016060747A Pending JP2017172732A (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | 水潤滑スラスト軸受,軸受装置及び回転機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017172732A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11795997B2 (en) | 2021-03-31 | 2023-10-24 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Fluid film bearing |
-
2016
- 2016-03-24 JP JP2016060747A patent/JP2017172732A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11795997B2 (en) | 2021-03-31 | 2023-10-24 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Fluid film bearing |
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