JP2021020411A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法精度を確保し、積層枚数の増加を抑制する。【解決手段】複数のノズル4にそれぞれ連通する複数の圧力室6に連通する共通供給流路10を形成する共通流路部材20は、複数の板状部材21(21A〜21F)を金属拡散接合して構成し、複数の板状部材21の内、板状部材21A〜21Eには、それぞれ共通供給流路10を構成する貫通穴25が設けられ、貫通穴25が設けられた板状部材21A〜21Eの内、個別流路部材40と接着剤60で接合する板状部材21Aの厚み最も薄くしている。【選択図】図3

Description

本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
液体を吐出する液体吐出ヘッドとして、複数の板状部材を積層接合して流路部材を構成するものがある。
例えば、同じ厚みの流路板、ハウジング板を積層して拡散接合によって接合するものが知られている(特許文献1)。同様に、板厚の異なる複数の金属プレートを金属拡散接合した金属プレート組を使用するものが知られている(特許文献2)。
特開2007−216633号公報 特開2006−181958号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示の構成にあっては、例えば流路精度を高めるために板厚を薄くするに伴って積層枚数が増加するという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、流路部材の寸法精度を高めながら積層枚数の増加を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る液体吐出ヘッドは、
複数のノズルにそれぞれ通じる複数の圧力室に連通する共通流路を形成する流路部材を備え、
前記流路部材は、前記共通流路を構成する貫通穴を形成した複数の板状部材を積層接合して構成され、
前記複数の板状部材は、厚みが最も薄い少なくとも1つの前記板状部材を含む
構成とした。
本発明によれば、流路部材の寸法精度を高めながら積層枚数の増加を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。 本発明の第1実施形態における共通流路部材の平面説明図である。 図2のA−A線に相当するノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。 比較例1の共通流路部材の断面説明図である。 比較例2の共通流路部材の断面説明図である。 本発明の第2実施形態における共通流路部材の図3のB−B線に相当するノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。 本発明の第3実施形態における共通流路部材の図3のB−B線に相当するノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。 本発明の第4実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(圧力室長手方向)に沿う断面説明図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例の概略説明図である。 同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の他の例の要部平面説明図である。 同装置の要部側面説明図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの他の例の要部平面説明図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例の正面説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(圧力室長手方向)に沿う断面説明図である。
液体吐出ヘッド100は、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とを積層接合(図1のように複数の板状部材を重ねて接着剤等で接合することを指す)している。そして、振動板部材3の振動領域(振動板)30を変位させる圧電アクチュエータ11と、ヘッド100のフレーム部材を兼ねている本発明に係る流路部材である共通流路部材20とを備えている。
ノズル板1は、液体を吐出する複数のノズル4を有している。
流路板2は、複数のノズル4に通じる複数の圧力室6と、各圧力室6にそれぞれ通じる流体抵抗部を含む個別供給流路7と、1又は複数の個別供給流路7に通じる液導入部となる中間供給流路8を形成している。
振動板部材3は、流路板2の圧力室6の壁面を形成する変位可能な複数の振動板(振動領域)30を有する。ノズル板1、流路板2及び振動板部材3を相互に接着剤接合して個別流路部材40を構成している。
そして、振動板部材3には圧力室6とは反対側に、振動板部材3の振動領域30を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ11を配置している。
この圧電アクチュエータ11は、ベース部材13上に接合した圧電部材にハーフカットダイシングによって溝加工をして、ノズル配列方向において、所要数の柱状の圧電素子12を所定の間隔で櫛歯状に形成している。そして、圧電素子12は、振動板部材3の振動領域30に形成した厚肉部である凸部30aに接合している。
この圧電素子12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極(端面電極)に接続され、外部電極にフレキシブル配線部材が接続される。
共通流路部材20は、複数の圧力室6に通じる共通供給流路10を形成している。共通供給流路10は、振動板部材3に設けた開口部9を介して中間供給流路8に連通し、中間供給流路8を介して個別供給流路7に通じている。
共通流路部材20は、他の部材である個別流路部材40と接着剤60で接合されている。
また、振動板部材3は、共通供給流路10の壁面を形成する復元可能に変形可能なダンパ91を形成している。流路板2は、ダンパ91をはさんで共通供給流路10と反対側にダンパ室92を形成し、ダンパ室92は連通路93を介して大気に通じている。
この液体吐出ヘッド100においては、例えば圧電素子12に与える電圧を基準電位(中間電位)から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板部材3の振動領域30が引かれて圧力室6の容積が膨張することで、圧力室6内に液体が流入する。
その後、圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて圧力室6の容積を収縮させることにより、圧力室6内の液体が加圧され、ノズル4から液体が吐出される。
次に、本発明の第1実施形態における共通流路部材について図2及び図3を参照して説明する。図2は同共通流路部材の平面説明図、図3は同共通流路部材の図2のA−A線に相当するノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
共通流路部材20は、共通供給流路10と、2つの共通供給流路10、10間に配置され圧電アクチュエータ11が挿入されるアクチュエータ挿入穴22と、共通供給流路10にそれぞれ外部から液体を供給する供給口24とを有している。
また、共通流路部材20は、位置合わせ用貫通穴23を有している。位置合わせ用貫通穴23は、共通流路部材20と個別流路部材40とを接着剤60で接合するとき、共通流路部材20と個別流路部材40の位置合わせをするための貫通穴である。
この共通流路部材20は、複数、ここでは、5枚の金属プレートである板状部材21(21A〜21F)を金属拡散接合して構成している。金属拡散接合は、接合面に接着剤が介在せず、接合後は剥離できないという特徴を有している。
ここで、複数の板状部材21の内、板状部材21A〜21Eには、それぞれ共通供給流路10を構成する貫通穴25が設けられている。そして、貫通穴25が設けられた板状部材21A〜21Eの内、個別流路部材40と接着剤60で接合する板状部材21Aの厚み最も薄くしている。
最も薄い板状部材は1枚である必要はなく、例えば、板状部材21Aと接合した板状部材21Bも板状部材21Aと同じ厚みにすることもできる。
したがってまた、本実施形態では、共通流路部材20を構成する複数枚の板状部材21(21A〜21F)の内、他の部材である個別流路部材40と接着剤60で接合する表面を形成する板状部材21Aの厚みを最も薄くしている。
次に、このように構成した実施形態の作用について図4及び図5も参照して説明する。図4は比較例1の共通流路部材の断面説明図、図5は比較例2の共通流路部材の断面説明図である。
本実施形態における共通流路部材20の高さをH1とするとき、比較例1は、5枚の板状部材21A〜21Eを積層した構成、比較例2は、10枚の板状部材21A〜21Jを積層した構成である。
高解像度の印字を可能とするためには高精細なパターンの流路形成が必要であり、薄い板状部材(薄板)にエッチング工法で流路パターンを形成し、複数の板状部材を積層することで流路部材を構成することが好ましい。
エッチング工法で流路パターンを形成するとき、寸法精度は板状部材の板厚に依存しており、薄いほど高い寸法精度を得ることができる。ヘッド内の流路の構成は、高画質化のために高精細化しており、液体流路に対しても、より高い寸法精度が要求されている。必要な寸法精度を得るためにはより、薄い板状部材で構成することが求められる。
例えば、2.5mmの厚さ(高さH1)の共通流路部材20を作製する場合、厚さ0.5mmの板状部材21を積層するのであれば、図4に示す比較例1のように、5枚の板状部材21A〜21Eで構成することができる。しかしながら、1枚の板状部材の板厚が厚いために必要な流路パターンの寸法精度が得られなくなる。
一方、厚さ0.25mmの板状部材21を使用することで、高い寸法精度が得られるものの、図5に示す比較例2のように、10枚の板状部材21A〜21Jを積層しなければならず、部品コストが高くなる。
そこで、流路パターンの寸法精度は、特に他の部材との接合面において重要であることから、本実施形態では、共通流路部材20と接合する他の部材である個別流路部材40との接合面を形成する板状部材21Aの厚みを最も薄くし、所要の寸法精度を確保している。
そして、その他の板状部材21B〜21Fの厚みは板状部材21Aの厚みよりも相対的に厚くすることで、板状部材の積層枚数を抑制している。
本実施形態では、6枚の板状部材21A〜21Fによって共通流路部材20の高さ(厚さ)H1を確保しており、比較例1よりも高い寸法精度を確保しつつ、比較例2よりも積層枚数を減らすことができている。
次に、本発明の第2実施形態について図6を参照して説明する。図6は同実施形態における共通流路部材の図3のB−B線に相当するノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。
本実施形態では、位置合わせ用貫通穴23は、相対的の小径の基準となる貫通穴(基準穴)23aと、基準穴23aより大経の貫通穴23bとで構成されている。
つまり、共通流路部材20と個別流路部材40とを接着剤60で接合するとき、高い位置合わせ精度で接着できるように位置合わせ用貫通穴23を設ける。このとき、複数の板状部材21を積層して拡散接合する場合、全ての板状部材21に同じ径の貫通穴を形成すると、拡散接合時にずれが生じたとき、位置合わせ用のピン部材を通すことができなくなる。
そこで、複数の板状部材21の内の1枚に高い寸法精度で基準穴23aを形成し、他の板状部材21には基準穴23aよりも大きい貫通穴23bを形成する。
ここで、本実施形態では、複数の板状部材21A〜21Fの内、位置合わせて用の基準穴23aを形成する板状部材21Aの厚さを最も薄くしている。
これにより、位置合わせ用の基準穴について高い寸法精度を確保し、積層枚数を抑制できる。
また、本実施形態では、前記第1実施形態と同様に、複数の板状部材21A〜21Fの内、個別流路部材40との接合面を形成する最も薄い板状部材21Aに基準穴23aを形成している。
これにより、1枚の板状部材を最も薄くすることで、流路及び基準穴の寸法精度を確保でき、他の板状部材の厚みを厚くすることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。図7は同実施形態における共通流路部材の図3のB−B線に相当するノズル配列方向と直交する方向の断面説明図である。
本実施形態では、複数の板状部材21A〜21Fの内、位置合わせて用の基準穴23aを形成する板状部材21Bの厚さを最も薄くしている。この場合、位置合わせて用の基準穴23aを形成する板状部材21Bは、両面に、板状部材21A、21Cが接合される板状部材である。
つまり、位置合わせの精度を求める場合、板状部材の厚さの調整のみでは必要な貫通穴の径精度を得ることが難しいことがある。この場合、後加工で、リーマ加工により基準穴を形成することがある。後加工で処理する場合、必要な穴径よりも小さな穴径で作成し、接合後に加工する。このリーマ加工によりバリが発生することがある。
このとき、前記第2実施形態のように、他の部材との接合面を形成する板状部材21(21A)に基準穴23aを形成すると、バリが表面より外部に出て他の部材との接合不良が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態のように、両面に板状部材が接合される板状部材である内側に位置する板状部材21Bに基準穴23aを形成することで、基準穴23aの後加工によってバリが発生しても、接合面にバリが出ることがなく、他の部材との接合における接合不良を防止できる。
また、本実施形態で、板状部材21A、21Bをそれぞれ最も厚みの薄い板状部材とすることができる。これにより、他の部材である個別流路部材40との接合面を形成する板状部材21と、基準穴23aを形成する板状部材とに分けることができ、流路及び基準穴の寸法精度の確保、積層枚数の増加の抑制、接合不良の防止を図ることができる。
上記各実施形態において、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法を実施するには、複数の板状部材21を積層して拡散接合で共通流路部材20を作製する工程と、作製した共通流路部材20と個別流路部材40とを接着剤60で接合する工程とを行えばよい。
次に、本発明の第4実施形態について図8を参照して説明する。図8は同実施形態の係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(圧力室長手方向)に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッド100は、循環型液体吐出ヘッドであり、前記第1実施形態と同様に、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とを積層接合している。そして、振動板部材3の振動領域(振動板)30を変位させる圧電アクチュエータ11と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通流路部材20とを備えている。
流路板2は、複数のノズル4に各々ノズル連通路5を介して通じる複数の圧力室6と、複数の圧力室6に各々通じる複数の個別供給流路7と、1又は複数の個別供給流路7に通じる1又は複数の中間供給流路8を形成している。中間供給流路8は、振動板部材3の供給側の開口部9を介して共通供給流路10に通じている。
また、流路板2は、複数の圧力室6にノズル連通路5を介して各々通じる流路板2の面方向に沿う複数の個別回収流路56と、1又は複数の個別回収流路56に通じる1又は複数の中間排出流路58を形成している。中間排出流路58は、振動板部材3の回収側の開口部59を介して共通回収流路50に通じている。
共通流路部材20は、共通供給流路10と、共通回収流路50とを形成している。
本実施形態において、流路板2は、本発明に係る流路部材であり、複数の板状部材102(102A〜102G)を積層して拡散接合して形成している。
ここで、複数の板状部材102の内、ノズル板1と接着接合する接合面を形成する板状部材102Aと、振動板部材3と接着接合する接合面を形成する板状部材102Gとは最も厚さの薄い板状部材としている。
これにより、前記第1実施形態と同様に、流路の寸法精度を確保し、積層枚数の増加を抑制することができる。
なお、流路板2にノズル板1、振動板部材3との位置合わせ用貫通穴を設ける場合には、前記第2実施形態あるいは第3実施形態を適用することができる。
また、本実施形態において、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法を実施するには、複数の板状部材102を積層して拡散接合で流路板2を作製する工程と、作製した流路板2とノズル板及び振動板部材3とを接着剤で接合する工程とを行えばよい。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図9及び図10を参照して説明する。図9は同装置の概略説明図、図10は同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
この液体を吐出する装置である印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連帳紙、シート材などの連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
この連続体510は、印刷手段505において、搬送ガイド部材559上をヘッドユニット550及びヘッドユニット555に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が形成され、ヘッドユニット555から吐出される処理液で後処理が行われる。
ここで、ヘッドユニット550には、例えば、搬送方向上流側から、4色分のフルライン型ヘッドアレイ551A、551B、551C、551D(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ551」という。)が配置されている。
各ヘッドアレイ551は、液体吐出手段であり、それぞれ、搬送される連続体510に対してブラックK,シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
ヘッドアレイ551は、例えば、本発明に係る液体吐出ヘッド(これを、単に「ヘッド」ともいう。)100をベース部材552上に千鳥状に並べて配置したものであるが、これに限らない。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の他の例について図11及び図12を参照して説明する。図11は同装置の要部平面説明図、図12は同装置の要部側面説明図である。
この印刷装置500は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド100及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド100は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド100は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
この印刷装置500は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド100に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド100の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド100のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの印刷装置500においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド100を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成
する。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図13を参照して説明する。図13は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニット440、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド100で構成されている。
なお、この液体吐出ユニット440の例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420を更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図14を参照して説明する。図14は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニット440は、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド100と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド100と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
1 ノズル板
4 ノズル
2 流路板
3 振動板部材
6 圧力室
7 個別供給流路
10 共通供給流路
11 圧電アクチュエータ
20 共通流路部材
21 板状部材
50 共通回収流路
100 液体吐出ヘッド
102 板状部材
403 キャリッジ
440 液体吐出ユニット
500 印刷装置(液体を吐出する装置)
550 ヘッドユニット

Claims (10)

  1. 複数のノズルにそれぞれ通じる複数の圧力室に連通する共通流路を形成する流路部材を備え、
    前記流路部材は、複数の板状部材を積層接合して構成され、
    前記複数の板状部材の内の前記共通流路を構成する貫通穴が設けられた2以上の前記板状部材には、厚みが最も薄い少なくとも1つの前記板状部材を含む
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 少なくとも、複数のノズルにそれぞれ通じる複数の圧力室を形成する流路部材を備え、
    前記流路部材は、前記圧力室を構成する貫通穴を形成した複数の板状部材を積層接合して構成され、
    前記複数の板状部材は、厚みが最も薄い少なくとも1つの前記板状部材を含む
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 前記複数の板状部材の内、他の部材と接着接合される表面を形成する前記板状部材の厚みが最も薄い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記複数の板状部材には、それぞれ、他の部材と接合するときの位置合わせ用貫通穴が設けられ、
    他の位置合わせ用貫通穴より小径の位置合わせ用貫通穴を形成している前記板状部材の厚みが最も薄い
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記他の位置合わせ用貫通穴よりも小径の位置合わせ用貫通穴を形成している前記板状部材は、両面に他の前記板状部材が接合されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを含むことを特徴とする液体吐出ユニット。
  7. 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか一つと前記液体吐出ヘッドとを一体化した
    ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ユニット。
  8. 請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項6若しくは7に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
  9. 厚みの異なる2以上の板状部材を拡散接合して流路部材を作製する工程と、
    前記流路部材を他の部材と接着剤で接合する工程と、を行う
    ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記流路部材が、少なくとも、複数のノズルにそれぞれ通じる複数の圧力室を形成する流路板、又は、前記複数の圧力室に連通する共通流路を形成する共通流路部材である
    ことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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