JP2022144937A - 圧電素子駆動回路、液体吐出ヘッド、および液体を吐出する装置 - Google Patents
圧電素子駆動回路、液体吐出ヘッド、および液体を吐出する装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】圧電素子と金属ベース等のベース部材の接合剥がれや、圧電素子に発生したクラックによる負荷変動バラツキを抑える。【解決手段】圧電素子を固定するベース部材と、圧電素子に電気的に接続される電極と、を有し、圧電素子とベース部材とは導電性接着剤により固定され、電極がベース部材との接合面に配置され、接合面とは異なる位置で圧電素子とベース部材とにそれぞれ電気的に接合される導通部材を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、圧電素子駆動回路、液体吐出ヘッド、および液体を吐出する装置に関する。
圧電素子の駆動数に伴う圧電素子駆動電圧の変動(負荷変動)を抑えるために、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuits)や金属ベースからアースをとる技術が知られている。例えば、特許文献1には、長尺ヘッドでヘッドの中央部でも電圧降下を抑える目的で、圧電素子の共通電極と金属ベースを電気的に接合しアースをとる構成が開示されている。
特許文献1では、金属ベースでアースを取っているが、圧電素子が金属ベースからはがれた場合や、圧電素子に発生したクラックが生じた場合に、負荷変動にばらつきが生じるという問題は解消できていない。
本発明は、圧電素子と金属ベース等のベース部材の接合剥がれや、圧電素子に発生したクラックによる負荷変動バラツキを抑えることが可能な圧電素子駆動回路を提供することを目的とする。
本発明にかかる圧電素子駆動回路は、圧電素子を固定するベース部材と、前記圧電素子に電気的に接続される電極と、を有し、前記圧電素子と前記ベース部材とは導電性接着剤により固定され、前記電極が前記ベース部材との接合面に配置され、前記接合面とは異なる位置で前記圧電素子と前記ベース部材とにそれぞれ電気的に接合される導通部材を有する、ことを特徴とする圧電素子駆動回路として構成される。
本発明によれば、圧電素子と金属ベース等のベース部材の接合剥がれや、圧電素子に発生したクラックによる負荷変動バラツキを抑えることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態として、本発明を適用した圧電素子駆動回路、液体吐出ヘッド、および液体を吐出する装置について説明する。圧電素子に剥がれやクラックが発生しても負荷変動を抑えられるよう、共通電極をFPC(フレキシブルプリント基板)等のフレキシブル配線部材と金属ベース等のベース部材の両方と電気的に接合すること、言い換えると、FPCは圧電素子及びベース部材と電気的に接触していることが特徴になっている。当該構成により、圧電素子とベース部材が導電性接着剤で接合されているアクチュエータにおいて、例えば、端部で接合剥がれが発生した場合には圧電素子端部の電極からFPCへアースされ、圧電素子の端部溝にクラックが発生した場合にはベース部材を通してアースすることができる。また、接合剥がれとクラックは同時に発生しにくいため、圧電素子のアース経路としてFPCとベース部材の2通りがあれば、負荷変動バラツキを抑えることができる。上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。まず、本実施例における圧電素子駆動回路を説明する前に、比較例について説明する。
図1は、比較例における圧電素子駆動回路900の断面図の一例を示す図である。図1では、2つの圧電素子12と圧電素子12’がベース部材13に接着されている断面図を示す。図1では、圧電素子12と圧電素子12’は、ベース部材13に絶縁性接着剤6により接着されている。また、圧電素子12と圧電素子12’には、駆動電圧供給側の個別電極5と駆動電圧受容側の共通電極3と共通電極4が備わっている。共通電極3と共通電極4は、高負荷駆動時の電圧降下を低減させるために圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13が接着される面まで領域を広げられており、共通電極3(共通電極4)とベース部材13は絶縁性接着剤6で接着されている。したがって、通常であれば、図1の(a)に示すように、共通電極3(共通電極4)とベース部材13は、上記接着剤6により絶縁されている。
ところが、図1の(b)に示すように共通電極3(共通電極4)の表面及びベース部材13の表面には微小な凹凸7が存在し、互いの面に点接触し導通状態になる。すなわち、共通電極3と共通電極4は、ベース部材13を介して導通状態になる。したがって、共通電極3(共通電極4)とベース部材13の間は、微小な凹凸7の点接触の発生状況により接触抵抗にばらつきが生じる。この接触抵抗のばらつきが、圧電素子12(圧電素子12’)に加わる駆動波形に影響を及ぼし、列毎の負荷変動の違いを生じさせる。
このような問題に対し、共通電極3(共通電極4)とベース部材13の接触抵抗のばらつきを低減させる方法として、図1の(c)に示すように、圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13間の上記接着剤6を、導電性接着剤8により構成する方法がある。絶縁性接着剤6を導電性接着剤8に変えることで、共通電極3(共通電極4)とベース部材13の電気的接続が点接触から面接触9になり、微小な凹凸7の点接触の発生状況に関係なく接触抵抗を低く一定にすることができる。
接触抵抗にばらつきが生じることについて、図2を用いてより具体的に説明する。図2の(a)は、図1で説明した圧電素子12とベース部材13の接合に絶縁性接着剤6を使用した従来のアクチェータの例を示している。また、図2の(b)、(c)は、それぞれ、図2の(a)に示したアクチェータのA方向の側面図である。また、図2の(d)は、図2の(a)に示したアクチェータにおけるFPC電極の接合位置の例を示す図である。図2の(b)~(d)では、説明のため個別電極5を省略している。これらの図に示すように、圧電素子12、個別電極5、フレキシブル配線部材15は、この順序で積層するようにはんだ接合される。絶縁性接着剤6で圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13間を接合すると、点線部Yで示すように、圧電素子12(圧電素子12’)のダイシング端部でクラックXが発生し、フレキシブル配線部材15のアース用電極部Eを圧電素子12(圧電素子12’)にしか設けていない場合、共通電極3(共通電極4)のアースが取れなくなってしまう。
また、図3に示すように、図1で説明した圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13の接合に導電性接着剤8を用いた場合でも、圧電素子のダイシング端部でクラックXが発生した場合、共通電極のアースはとれるが導通経路が長くなってしまう。この点について、図3を用いて説明する。図3においても、図2の場合と同様、圧電素子12、個別電極5、フレキシブル配線部材15は、この順序で積層するようにはんだ接合される。
図3の(a)は、圧電素子12とベース部材13の接合に導電性接着剤8を使用した従来のアクチェータの例を示している。また、図3の(b)、(c)は、それぞれ、図3の(a)に示したアクチェータのB方向の側面図、FPC電極の接合位置の例を示す図である。図3の(b)~(e)では、説明のため個別電極5を省略している。図3の構成では、圧電素子12とベース部材を導電性接着剤で接続し、圧電素子12(圧電素子12’)の共通電極3(共通電極4)を、ベース部材13を通して導通部材としてのフレキシブル配線部材15へ導通させる構成となっている。しかし、この構成では、フレキシブル配線部材15のアース用電極部Eを圧電素子12(圧電素子12’)に設け、さらにベース部材13にもフレキシブル配線部材15のアース用電極部Eを設けた場合でも、点線部Y1で示すように、クラックXが発生したダイシング端部周辺の圧電素子12(圧電素子12’)からフレキシブル配線部材15までの導通経路が長くなり、負荷変動バラツキが大きくなる。
また、図3の(d)、(e)は、それぞれ、図3の(a)に示したアクチェータのB方向の側面図、FPC電極の接合位置の他の例を示す図である。これらの図では、導電性接着剤8の一部に剥がれ箇所8’が生じている例を示している。このように、導電性接着剤8に剥がれ箇所8’が生じた場合、すなわち、圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13間の導電性接着剤8が剥がれた場合にも、図3の(b)、(c)で示した場合と同様、さらにベース部材13にもフレキシブル配線部材15のアース用電極部Eを設けた場合でも、点線部Y2で示すように、剥がれた周辺の圧電素子12(圧電素子12’)からフレキシブル配線部材15までの導通経路が長くなり、負荷変動バラツキが大きくなる。
そこで、以下に説明するように、フレキシブル配線部材15のアース用電極部Eを、圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13の両方に接合することによって、クラックや上記剥がれの有無にかかわらず共通電極3(共通電極4)のアースを取ることができ、また電気的な抵抗がより小さくなり、圧電素子列毎の負荷変動バラツキのさらなる低減が可能となる。
図4は、圧電素子とベース部材を導電性接着剤で接続し、FPCを圧電素子の共通電極とベース部材の両方と電気的に接合する構成の一例を示す図である。図4の(a)、(b)は、それぞれ、図3の(a)に示したアクチェータのB方向の側面図、FPC電極の接合位置の他の例を示す図である。図4では、説明のため個別電極5を省略している。図4に示すように、フレキシブル配線部材15は、少なくとも圧電素子12(圧電素子12’)の端部と金属ベース13の端部において電気的に接合される。このような構成であれば、圧電素子12(圧電素子12’)の端部に発生したクラックX、または圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13間の導電性接着剤8に剥がれが発生した場合でも、点線部Y3で示すように、フレキシブル配線部材15への導通経路が確保されるため、負荷変動バラツキを抑えることができる。
また、図5に示すように、圧電素子12(圧電素子12’)端部のクラックXと、圧電素子12(圧電素子12’)とベース部材13間の接着の剥がれ箇所8’は同時には発生しない。先に接着剤剥がれが発生した場合は、接着剤がはがれた箇所に対応する圧電素子12(圧電素子12’)の領域Rにかかる応力は解放されて小さくなるため、圧電素子12(圧電素子12’)の端部にクラックXは生じない。また、圧電素子12(圧電素子12’)はベース部材13に比べ伸びにくいが、圧電素子12(圧電素子12’)の厚みが薄い領域(厚みd1)と厚い領域(厚みd2)との間においても伸びにくさは異なる。この場合、厚みが厚い領域(厚みd2)の方が、厚みが薄い領域(厚みd1)に比べて伸びにくいため、クラックXは端の溝部に発生しやすい。なお、図5では、説明のため個別電極5を省略している。
このように、圧電素子駆動回路900は、FPC(フレキシブル配線部材)15と、圧電素子12と、圧電素子12に電気的に接続される共通電極3,4と、ベース部材13とを有し、フレキシブル配線部材15は、圧電素子12及び、ベース部材13の両方に電気的に接続されている。より具体的には、複数の圧電素子12(圧電素子12’)を固定するベース部材である金属ベース13と、圧電素子12(圧電素子12’)に電気的に接続される共通電極3,4と、を有し、圧電素子12(圧電素子12’)と上記ベース部材13とは導電性接着剤8により固定され、少なくとも一方の圧電素子の共通電極3,4が上記ベース部材との接合面に配置され、接合面とは異なる位置で圧電素子12(圧電素子12’)と上記ベース部材13とに電気的に接合されるフレキシブル配線部材15を有する。このような構成により、例えば、圧電素子12とベース部材13とを接着する導電性接着剤8が剥がれた場合でも、圧電素子12はフレキシブル配線部材15を経由して導通が可能となる。上記のような剥がれが発生しても導通の経路が短くなり負荷変動バラツキを抑えることができる。また、従来のように、圧電素子12がフレキシブル配線部材15と電気的に接続され導通される構成において、圧電素子12の端部にクラックが発生した場合に導通経路が遮断されてしまい、負荷変動バラツキが大きくなるという問題を解消することができる。
また、上記ベース部材13とフレキシブル配線部材15とは、導電性接着剤8により固定され、電気的に接合される。したがって、圧電素子駆動回路のメカ的な接合強度を確保することができる。圧電素子駆動回路の製作工程内でフレキシブル配線部材15とベース部材13の剥がれ防止のために接着剤などで両者を接合している場合は、この工程を省くことができる。すなわち、電気的接合部をはんだで接合するのではなく、電気的接合部とそれ以外の箇所も導電性接着剤で接合することで、金属ベースとFPCの固定も兼ねるため組立工数の削減につなげることができる。
(基本構成)
(基本構成)
以下、上述した実施形態についての基本構成を、添付図面を参照して説明する。図6は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(圧力室長手方向)に沿う断面説明図、図7は同じくノズル配列方向に沿う断面説明図である。図8は、同実施形態に係る液体吐出ヘッドの外観斜視図、図9は図7で示した断面説明図の拡大図である。
本実施形態の液体吐出ヘッド100は、ノズル板1と、個別流路部材である流路板2と、壁面部材としての振動板部材390とを積層接合している。そして、振動板部材390の振動領域(振動板)30を変位させる圧電アクチュエータ11と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通流路部材20とを備えている。
ノズル板1は、液体を吐出する複数のノズル490を有している。
流路板2は、複数のノズル490に通じる複数の圧力室690と、各圧力室690にそれぞれ通じる個別流路である個別供給流路790と、1又は複数(本実施形態では1つ)の個別供給流路790に通じる液導入部となる中間供給流路890を形成している。
振動板部材390は、流路板2の圧力室690の壁面を形成する変位可能な複数の振動板(振動領域)30を有する。ここでは、振動板部材390は2層構造(限定されない)とし、流路板2側から薄肉部を形成する第1層3Aと、厚肉部を形成する第2層3Bで構成されている。
そして、薄肉部である第1層3Aで圧力室690に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。振動領域30内には、第2層3Bで圧電アクチュエータ11と接合する厚肉部である凸部30aを形成している。
そして、振動板部材390の圧力室690とは反対側に、振動板部材390の振動領域30を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ11を配置している。
この圧電アクチュエータ11は、ベース部材13上に接合した圧電部材にハーフカットダイシングによって溝加工をして、ノズル配列方向において、所要数の柱状の圧電素子12を所定の間隔で櫛歯状に形成している。そして、圧電素子12は、振動板部材390の振動領域30に形成した厚肉部である凸部30aに接合している。
この圧電素子12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極(端面電極)に接続され、外部電極にフレキシブル配線部材15が接続されている。
共通流路部材20は複数の圧力室690に通じる共通供給流路10を形成している。共通供給流路10は、振動板部材390に設けた開口部9を介して液導入部となる中間供給流路890に連通し、中間供給流路890を介して個別供給流路790に通じている。
この液体吐出ヘッド100においては、例えば圧電素子12に与える電圧を基準電位(中間電位)から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板部材390の振動領域30が引かれて圧力室690の容積が膨張することで、圧力室690内に液体が流入する。
その後、圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材390の振動領域30をノズル490に向かう方向に変形させて圧力室690の容積を収縮させることにより、圧力室690内の液体が加圧され、ノズル490から液体が吐出される。
本実施形態の液体吐出ヘッド100は、循環型液体吐出ヘッドであり、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材390とを積層接合している。そして、振動板部材390の振動領域(振動板)30を変位させる圧電アクチュエータ11と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通流路部材20とを備えている。
そして、流路板2は、複数のノズル490に各々ノズル連通路590を介して通じる複数の圧力室690と、複数の圧力室690に各々通じる複数の流体抵抗部を兼ねる個別供給流路790と、2以上の個別供給流路790に通じる1又は複数の液導入部となる中間供給流路890などを形成している。
個別供給流路790は、前記実施形態と同様に、個別供給流路790は、圧力室690よりも流体抵抗が高い2つの第1流路部7A及び第2流路部7Bと、第1流路部7Aと第2流路部7Bとの間に配置され、第1流路部7A及び第2流路部7Bよりも流体抵抗が低い第3流路部7Cとを含む。
なお、流路板2は、複数枚の板状部材2A~2Eを積層して構成しているが、これに限るものではない。
また、流路板2は、複数の圧力室690にノズル連通路590を介して各々通じる流路板2の面方向に沿う複数の個別回収流路57と、2以上の個別回収流路57に通じる1又は複数の液導出部となる中間回収流路58を形成している。
個別回収流路57は、圧力室690よりも流体抵抗が高い2つの第1流路部57A及び第2流路部57Bと、第1流路部57Aと第2流路部57Bとの間に配置され、第1流路部57A及び第2流路部57Bよりも流体抵抗が低い第3流路部57Cとを含む。個別回収流路57は、第2流路部57Bよりも循環方向において下流側となる流路部57Dは第3流路部57Cと同じ流路幅にしている。
共通流路部材20は、共通供給流路10と共通回収流路50とを形成している。なお、本実施形態においては、共通供給流路10は、ノズル配列方向において共通回収流路50と並ぶ流路部分10Aと、共通回収流路50と並ばない流路部分10Bとで構成している。
共通供給流路10は、振動板部材390に設けた開口部9を介して液導入部となる中間供給流路890に連通し、中間供給流路890を介して個別供給流路790に通じている。共通回収流路50は、振動板部材390に設けた開口部59を介して液導出部となる中間回収流路58に連通し、中間回収流路58を介して個別回収流路57に通じている。
また、共通供給流路10は供給ポート71に通じ、共通回収流路50は回収ポート72に通じている。
なお、その他の振動板部材390の層構成、圧電アクチュエータ11の構成などは、前記第1実施形態と同様である。
この液体吐出ヘッド100においても、前記第1実施形態と同様にして、圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板部材390の振動領域30をノズル490に向かう方向に変形させて圧力室690の容積を収縮させることにより、圧力室690内の液体が加圧され、ノズル490から液体が吐出される。
また、ノズル490から吐出されない液体はノズル490を通過して個別回収流路57から共通回収流路50に回収され、共通回収流路50から外部の循環経路を通じて共通供給流路10に再度供給される。また、ノズル490から液体吐出を行っていないときも、共通供給流路10から圧力室690を経て共通回収流路50に液体が循環し、外部の循環経路を通じて共通供給流路10に再度供給される。
本実施形態においても、簡単な構成で、液体吐出に伴う圧力変動を減衰して、共通供給流路10、共通回収流路50に対する伝搬を抑制することができる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図10及び図11を参照して説明する。図10は同装置の概略説明図、図11は同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
この液体を吐出する装置である印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連帳紙、シート材などの連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
この連続体510は、印刷手段505において、搬送ガイド部材559上をヘッドユニット550及びヘッドユニット555に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が形成され、ヘッドユニット555から吐出される処理液で後処理が行われる。
ここで、ヘッドユニット550には、例えば、搬送方向上流側から、4色分のフルライン型ヘッドアレイ551A、551B、551C、551D(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ551」という。)が配置されている。
各ヘッドアレイ551は、液体吐出手段であり、それぞれ、搬送される連続体510に対してブラックK,シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
ヘッドアレイ551は、例えば、本発明に係る液体吐出ヘッド(これを、単に「ヘッド」ともいう。)100をベース部材552上に千鳥状に並べて配置したものであるが、これに限らない。
次に、液体循環装置の一例について図12を参照して説明する。図12は同循環装置のブロック説明図である。なお、ここでは1つのヘッドのみ図示しているが、複数のヘッドを配列する場合には、マニホールドなどを介して複数のヘッドの供給側、回収側にそれぞれ供給側液体経路、回収側液体経路を接続することになる。
液体循環装置600は、供給タンク601、回収タンク602、メインタンク603、第1送液ポンプ604、第2送液ポンプ605、コンプレッサ611、レギュレータ612、真空ポンプ621、レギュレータ622、供給側圧力センサ631、回収側圧力センサ632などで構成されている。
ここで、コンプレッサ611及び真空ポンプ621は、供給タンク601内の圧力と回収タンク602内の圧力とに差圧を生じさせる手段を構成している。
供給側圧力センサ631は、供給タンク601とヘッド100との間であって、ヘッド100の供給ポート71に繋がった供給側液体経路に接続されている。回収側圧力センサ632は、ヘッド1と回収タンク602との間であって、ヘッド100の回収ポート72に繋がった回収側液体経路に接続されている。
回収タンク602の一方は、第1送液ポンプ604を介して供給タンク601と接続されており、回収タンク602の他方は第2送液ポンプ605を介してメインタンク603と接続されている。
これにより、供給タンク601から供給ポート71を通ってヘッド100内に液体が流入し、回収ポート72から回収タンク602へ回収され、第1送液ポンプ604によって回収タンク602から供給タンク601へ液体が送られることによって、液体が循環する循環経路が構成される。
ここで、供給タンク601にはコンプレッサ611がつなげられており、供給側圧力センサ631で所定の正圧が検知されるように制御される。一方、回収タンク602には真空ポンプ621がつなげられており、回収側圧力センサ632で所定の負圧が検知されるよう制御される。
これにより、ヘッド100内を通って液体を循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
また、ヘッド100のノズル490から液体を吐出すると、供給タンク601及び回収タンク602内の液体量が減少していく。そのため、適宜、第2送液ポンプ605を用いて、メインタンク603から回収タンク602に液体を補充する。
なお、メインタンク603から回収タンク602への液体補充のタイミングは、回収タンク602内の液体の液面高さが所定高さよりも下がったときに液体補充を行うなど、回収タンク602内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の他の例について図13及び図14を参照して説明する。図13は同装置の要部平面説明図、図14は同装置の要部側面説明図である。
この印刷装置500は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド100及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド100は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド100は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド100は、前述した液体循環装置600と接続されて、所要の色の液体が循環供給される。
この印刷装置500は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド100に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド100の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド100のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの印刷装置500においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド100を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図15を参照して説明する。図15は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニット440、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド100で構成されている。
なお、この液体吐出ユニット440の例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420を更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図16を参照して説明する。図16は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニット440は、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド100と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド100と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
上記の実施形態ではフレキシブル配線部材をもちいて共通電極とベース部材との間のアースを取る構成を説明したが、共通電極以外の任意の電極とベース部材との間のアースを取る構成としてもよい。
また、上記の実施形態では共通電極とベース部材との間のアースを取るための導通部材としてフレキシブル配線部材を用いたが、これに代えて板状の配線部材を用いてもよいし、配線の機能を有しない金属板等を用いてもよい。
上記の実施形態ではフレキシブル配線部材をもちいて共通電極とベース部材との間のアースを取る構成を説明したが、共通電極以外の任意の電極とベース部材との間のアースを取る構成としてもよい。
また、上記の実施形態では共通電極とベース部材との間のアースを取るための導通部材としてフレキシブル配線部材を用いたが、これに代えて板状の配線部材を用いてもよいし、配線の機能を有しない金属板等を用いてもよい。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
900 圧電素子駆動回路
3,4 共通電極
8 導電性接着剤
12 圧電素子
13 ベース部材
15 FPC(フレキシブル配線部材)
3,4 共通電極
8 導電性接着剤
12 圧電素子
13 ベース部材
15 FPC(フレキシブル配線部材)
Claims (7)
- 圧電素子を固定するベース部材と、
前記圧電素子に電気的に接続される電極と、を有し、
前記圧電素子と前記ベース部材とは導電性接着剤により固定され、
前記電極が前記ベース部材との接合面に配置され、
前記接合面とは異なる位置で前記圧電素子と前記ベース部材とにそれぞれ電気的に接合される導通部材を有する、
ことを特徴とする圧電素子駆動回路。 - 前記導通部材は、フレキシブル配線部材である
ことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子駆動回路。 - 前記ベース部材と前記導通部材とは、前記導電性接着剤により固定され、電気的に接合される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電素子駆動回路。 - 前記導通部材は、少なくとも前記圧電素子の端部と前記ベース部材の端部において電気的に接合される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電素子駆動回路。 - 前記圧電素子を複数備え、
前記電極は、複数の前記圧電素子に電気的に接続される共通電極である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の圧電素子駆動回路。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載の圧電素子駆動回路を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の圧電素子駆動回路を備えたことを特徴とする液体を吐出する装置。
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JP2021046142A JP2022144937A (ja) | 2021-03-19 | 2021-03-19 | 圧電素子駆動回路、液体吐出ヘッド、および液体を吐出する装置 |
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