JP2021020403A - 複数潜像を有する画像形成体 - Google Patents

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毅之 兵頭
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Abstract

【課題】 観察角度や観察方向を変えることで、複数の潜像が視認できる画像形成体において、更なる視覚効果を有した画像形成体を提供する。【解決手段】 基材上の一部に、複数の潜像模様が形成された画像領域を備える画像形成体であって、画像領域は、互いに異なる方向に配列される凹及び/又は凸形状の第1、第2、・・・、第nの微細画線群から成り、第1、第2、第nの微細画線群は、それぞれ同一の方向性を有して配列される凹及び/又は凸形状の断面形状の異なる複数の第1、第2、第nの潜像微細画線と、第1、第2、第nの背景微細画線とによって第1、第2、第nの潜像模様を形成し、第1、第2、・・・、第nの微細画線群にかけて配列される方向が徐々に異なり、第1、第2、第nの潜像模様の形成される位置又は形状の一方が徐々に異なる画像形成体とした。【選択図】図18

Description

本発明は、複数潜像を有する画像形成体に関し、特に銀行券、硬貨、メダル、株券、有価証券、通行券、パスポート、商品券、カード等の偽造や複写を防止する必要のあるセキュリティ製品の光反射性又は光透過性基材を用いた真偽判別可能な画像形成体に適用される。
近頃、セキュリティ製品における真偽判別のために、基材の表面に回折格子やホログラムを記録したシール等を貼付したものがある。当該技術はセキュリティ製品の真正性の保証をしており、真贋を判別するのに有効であった。
しかし、これらの技術は回折光による視覚効果によるため、近年の微細構造の解析技術の向上や微細加工技術の普及に伴い偽造が容易となり、偽造防止効果が低下していた。また、特徴的な視覚効果も低下している現状がある。
これに対して、偽造や模造に対する防止効果が高い、回折格子の断面形状としてブレーズド格子を利用することが提案されている。この技術は、鋸歯状断面の各表面で反射が起こるため、技術的に偽造や模造が困難で、偽造品や類似品に対しても一般的な技術で施された回折格子やホログラムに比べて、高い精度での判別が可能である。例えば、回折格子の配置により、表示画像を構成する回折格子パターンにおいて、少なくとも一部分の回折格子が左右対称でない断面形状であるブレーズド格子を含む物品がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1は、2種類のブレーズド格子を用いるか、又は2種類のブレーズド格子を複数組用いて2種類の絵柄や文字の表現をするものであり、限定された情報パターンの表現しかできないという課題があった。
また、光反射性層の上に積層された光透過性層に深度を変化させた線群又は点群の深度を背景部と潜像部とで変化させ、真上から観察した際には深い部分は暗くなって潜像が観察され、また、傾けた際には深い部分の反射面積が大きくなることで明るくなり、コントラストの差によって潜像が観察される画像形成体がある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2は、潜像を付与するためには深度差をつける必要があり、鮮明な潜像を付与するためには深度を深くしなければならないため、基材の強度が低下するという課題がある。また、潜像の観察についても正対での観察では濃度差はあるが複数の潜像が観察されるため視認性が低下し、加えて、傾けた際の反射光による観察でも同様に視認性が著しく低下するという課題があった。
さらに、基材に対してエンボス加工又は凹版印刷により凸部を形成し、その凸部の断面形状の一部を変形させることで、凸部の画線に当たる光の反射状態により生じる明暗の差による潜像を、特定の方向のみから視認する、印刷又は表示画像の作製方法及び該作製方法により作製された画像表示体がある(例えば、特許文献3参照)。
この特許文献3は、基材に対してエンボス加工又は凹版印刷により凸部を形成し、その凸部の断面形状を変形させることで生じる反射光の明暗の差により潜像を視認するものであり、潜像の付与が単体でしかできないという課題がある。
そこで、本出願人は特許文献1から特許文献3までの課題を解決することを目的とし、同一の方向性を有する凹及び/又は凸形状の画線の断面形状の傾斜角度を変化させて複数の潜像模様を形成することで、正反射光下で観察すると凹及び/又は凸形状の画線の断面形状の傾斜角度の違いにより、凹及び/又は凸形状の画線に当たる光の反射状態により生じる明暗の差で複数の潜像模様が視認できる複数潜像を有する画像形成体を出願している(例えば、特許文献4参照)。
特許第4774687号公報 特許第4604206号公報 特許第3718742号公報 特許第5975256号公報
しかし、特許文献4は、観察角度及び観察方向に応じて、複数の潜像模様が切り替わって視認される効果を奏するものの、真偽判別要素として観察者の注意を引くためには単なる潜像模様の切り替わりではない更なる視覚効果が要望されていた。
以上の課題から、本発明は、基材に凹凸を施した媒体であって、観察角度及び観察方向に応じて視認される潜像模様が単純に切り替わるだけではなく、更なる視覚効果を有した画像形成体を提供することを目的としたものである。
上述した課題を解決するために、本発明は、基材上の少なくとも一部に、複数の潜像模様が形成された画像領域を備える複数潜像を有する画像形成体であって、画像領域は、i)互いに異なる方向に配列される凹及び/又は凸形状の第1の微細画線群、第2の微細画線群、・・・、第nの微細画線群(nは3以上の自然数)から成るか、又は、ii)互いに重ならないように同一の方向に配列される凹及び/又は凸形状の第1の微細画線群、第2の微細画線群、・・・、第nの微細画線群(nは3以上の自然数)から成り、第1の微細画線群は、同一の方向性を有して配列される凹及び/又は凸形状の断面形状の異なる複数の第1の潜像微細画線と、第1の背景微細画線とにより第1の潜像模様を形成し、第2の微細画線群は、同一の方向性を有して配列される凹及び/又は凸形状の断面形状の異なる複数の第2の潜像微細画線と、第2の背景微細画線とにより第2の潜像模様を形成し、・・・、第nの微細画線群は、同一の方向性を有して配列される凹及び/又は凸形状の断面形状の異なる複数の第nの潜像微細画線と、第nの背景微細画線とにより第nの潜像模様を形成し、i)の場合、少なくとも第1の微細画線群から第2の微細画線群、・・・、第nの微細画線群にかけて配列される方向が徐々に異なるか、又は、ii)の場合、少なくとも断面形状の傾斜角度が、第1の潜像微細画線から第2の潜像微細画線、・・・、第nの潜像微細画線にかけて徐々に異なり、第1の潜像模様、第2の潜像模様、・・・、第nの潜像模様の形成される位置又は形状の少なくとも一方が徐々に異なり、拡散光下では各潜像模様が視認されず、複数潜像を有する画像形成体を傾けて正反射光下で観察すると各微細画線群内の各潜像微細画線と、各背景微細画線との断面形状の傾斜角度の違いによる反射光量の差による明暗差により各潜像模様のいずれかが視認され、i)の場合、更に複数潜像を有する画像形成体を観察する方向を変えながら観察すると、各微細画線群の中で光を正反射する微細画線群が徐々に切り替わり、各潜像模様が動的に視認されるか、又はii)の場合、更に複数潜像を有する画像形成体を傾ける角度を変えながら観察すると、各微細画線群の中で光を正反射する微細画線群が徐々に切り替わり各潜像模様が動的に視認される複数潜像を有する画像形成体である。
また、i)の場合、配列される方向が第1の微細画線群から第2の微細画線群、・・・、第nの微細画線群にかけて15度から30度までの範囲で異なる複数潜像を有する画像形成体である。
また、ii)の場合、断面形状の傾斜角度が第1の潜像微細画線から第2の潜像微細画線、・・・、第nの潜像微細画線にかけて3度から10度までの範囲で異なる複数潜像を有する画像形成体である。
本発明の複数潜像を有する画像形成体は、基材の強度を低下させることなく複数の潜像模様を形成することができるほか、観察方向を変えながら観察することで潜像模様が動的に視認されるという効果を奏する。
本発明の複数潜像を有する画像形成体の構成を示す概略図である。 画像形成体の第1の微細画線群の構成を示す概略図である。 画像形成体の第1の潜像微細画線と第1の背景微細画線の配置を示す概略図である。 画像形成体の第1の潜像微細画線と第1の背景微細画線の断面形状を示す概略図である。 画像形成体の第1の微細画線群における効果を示す図である。 画像形成体の第2の微細画線群の構成を示す概略図である。 画像形成体の第2の潜像微細画線と第2の背景微細画線の配置を示す概略図である。 画像形成体の第2の潜像微細画線と第2の背景微細画線の断面形状を示す概略図である。 画像形成体の第2の微細画線群における効果を示す図である。 画像形成体の効果を示す図である。 画像形成体の別形態の構成を示す概略図である。 別形態の第1の微細画線群の構成を示す概略図である。 別形態の第1の潜像微細画線と第1の背景微細画線の断面形状を示す概略図である。 別形態の第2の微細画線群の構成を示す概略図である。 別形態の第2の潜像微細画線と第2の背景微細画線の断面形状を示す概略図である。 画像形成体の別形態の断面形状を示す概略図である。 画像形成体の別形態の効果を示す図である。 実施例1における各微細画線群の配置を示す図である。 実施例1における各微細画線群と各潜像模様の関係を示す図である。 実施例1の画像形成体の効果を示す図である。 実施例1の変形例における各微細画線群と各潜像模様の関係を示す図である。 実施例1の変形例の画像形成体の効果を示す図である。 実施例2における各微細画線群の配置を示す図である。 実施例2における各微細画線群と各潜像模様の関係を示す図である。 実施例2における各潜像微細画線の断面形状を示す概略図である。 実施例2の画像形成体の効果を示す図である。
本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明は以下に述べる発明を実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている技術の範囲であれば、その他色々な実施の形態が含まれる。なお、全ての図面を通じて同様の機能となる構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本明細書においては凹形状画線を用いて説明するが、凸形状画線についても同様である。
なお、本発明の基本となる構成及び原理は特許文献4の技術の構成及び原理と同様であるため、先に特許文献4の技術について説明する。
図1(a)に特許文献4の複数潜像を有する画像形成体(1)の一例を示す。ここで、画像形成体(1)は、基材(2)上の少なくとも一部の領域に複数の潜像模様が形成された画像領域(3)を備えている。
特許文献4の画像形成体(1)を構成する基材(2)としては、少なくとも光反射性を有する必要があり、光反射性を有していない場合は、画線の断面の傾斜角度の差を保持するように基材(2)上に光反射層を付与する必要がある。また、基材が光透過性も有している場合は透過光下での観察も可能となる。
画像領域(3)は、例えば、図1(b)に示す第1の微細画線群(4)と、図1(c)に示す第2の微細画線群(5)から成り、第1の微細画線群(4)と第2の微細画線群(5)は異なる方向に配置される。
次に、図2を用いて第1の微細画線群(4)の構成について説明する。図2(a)は第1の微細画線群(4)を示した図であり、第1の微細画線群(4)は、図2(b)に示す複数の第1の潜像微細画線(6)と、図2(c)に示す複数の第1の背景微細画線(7)から成る。
第1の潜像微細画線(6)及び第1の背景微細画線(7)は、同一の方向性を有して配置された凹及び/又は凸形状の画線である。なお、「同一の方向性」とは第1の潜像微細画線(6)及び第1の背景微細画線(7)の始点から終点に向かう方向が全て同じ方向であることを指し、図2(b)及び図2(c)においてはS1方向のことを指す。
図2(b)に示すように第1の潜像微細画線(6)は、S1方向という同一の方向性を有して、S1方向及びS2方向に複数配置され、点線で囲まれている第1の潜像部(8)を形成している。なお、点線は説明の便宜上示しているものであり、実際に形成されているものではない。
同様に図2(c)に示すように第1の背景微細画線(7)は、点線で囲まれている第1の背景部(9)を形成している。
次に、図3(a)及び図3(b)は、第1の潜像微細画線(6)及び第1の背景微細画線(7)の配列状態を示したものである。
第1の潜像微細画線(6)及び第1の背景微細画線(7)の画線幅は、ともにW1であり、始点から終点に向かってS1方向に伸びている。また、第1の潜像微細画線(6)及び第1の背景微細画線(7)ともにS1方向にピッチがP1、S2方向にピッチがP2で複数配列されている。
ここでは、第1の潜像微細画線(6)及び第1の背景微細画線(7)の画線幅を全て同じ例で説明したが、第1の潜像微細画線(6)及び第1の背景微細画線(7)の中に幅が異なるものがあってもよい。
ただし、詳細は後述するが、画線幅が異なると画線からの反射光量及び/又は透過光量に差が発生し、観察される第1の潜像部(8)及び第1の背景部(9)の中で明暗差が生じることになることから、画線幅は全て同じであることが好ましい。
画線の画線幅は、基材(1)に形成できる範囲であれば特に制約はないが、画線に対して入射する光に対して反射及び/又は透過する光を捉えることができる範囲として、5μm以上の画線幅とすることが好ましい。
次に、第1の微細画線群(4)の断面形状と視認原理について図4及び図5を用いて説明する。
図4は第1の潜像微細画線(6)、第1の背景微細画線(7)の断面形状をそれぞれ示した図である。
図4(a)は第1の潜像微細画線(6)を示した図であり、図4(a)中のX−X’線の断面図を示したものが図4(b)であり、図4(b)における第1の潜像微細画線(6)は、断面形状の傾斜角度αを有している。
図4(c)は第1の背景微細画線(7)を示した図であり、図4(c)中のY−Y’線の断面図を示したものが図4(d)であり、図4(d)における第1の背景微細画線(7)は、断面形状の傾斜角度βを有している。
第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)は、微細な画線であるため、拡散反射光下では反射光量及び/又は透過光量に大きな差は生じない。しかし、前述したように断面の傾斜角度が異なることから、正反射光下及び/又は透過光下で観察した際には、第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)で光を反射及び/又は透過する面積や方向が異なるため、反射光量及び/又は透過光量に差が生じる。
なお、ここでは断面形状における反射面を直線とした例で示したが、傾斜角度の違いにより反射光量及び/又は透過光量に差が生じる構成であれば、断面形状における反射面を曲線とすることも可能である。
また、凹形状の画線深さ(D1)については断面形状の傾斜角度が異なれば第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)が同じであっても異なっていてもよい。このことは、図4(e)及び図4(f)に示す凸形状で画線を形成する場合の画線高さ(H1)においても同様である。
なお、凸形状で画線を形成する場合の断面形状の傾斜角度は、図4(e)に示すα’、図4(f)に示すβ’のように異なっている。
画線深さ又は高さは、基材(1)に形成できる範囲であれば特に制約はないが、画線へ入射する光に対して反射及び/又は透過する光を捉えることができる範囲として、0.5μm以上とすることが好ましい。
図5(a)に示す第1の微細画線群(4)を、図5(b)に示すように光源(10)からの拡散反射光が支配的な角度で観察者(11a)が観察すると、第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)からの反射光量に大きな差はないため、図5(c)に示すように特に模様は視認されない。
一方、第1の微細画線群(4)が有する同一の方向性であるS1方向と直行するS2方向から、基材(2)を傾けて光源(10)からの正反射光が支配的な角度及び/又は透過光下で観察者(11b)が観察すると、第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)からの反射光量及び/又は透過光量に差が生じるため、第1の潜像部(8)と第1の背景部(9)で明暗差が生じ、図5(d)に示すように第1の潜像模様(100)が視認される。
第1の潜像微細画線(6)は、断面形状の傾斜角度が全て同じであることが好ましい。前述したように断面形状の傾斜角度が異なると、反射光量及び/又は透過光量に差が生じるため、第1の潜像微細画線(6)の中に断面形状の傾斜角度が異なるものがあると、第1の潜像部(8)内での明暗差が生じてしまうためである。なお、画線幅が同じであることが好ましいことも同様の理由であり、断面形状の傾斜角度が同じであっても画線幅が異なると観察角度によって反射面積に差が生じ、結果として反射光量及び/又は透過光量に差が生じるためである。同様の理由にて第1の背景微細画線(7)についても断面形状の傾斜角度が全て同じであることが好ましい。
また、画線の断面形状の傾斜角度の違いにより生じる反射光量及び/又は透過光量の差を利用していることから、第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)は、互いに重ならないように配置する必要がある。
次に、第2の微細画線群(5)について、図6を用いて説明する。図6(a)は第2の微細画線群(5)を示した図であり、第2の微細画線群(5)は、図6(b)に示す複数の第2の潜像微細画線(12)と、図6(c)に示す複数の第2の背景微細画線(13)から成る。
第2の潜像微細画線(12)と第2の背景微細画線(13)は、同一の方向性を有して配置された凹及び/又は凸形状の画線であり、図6(b)及び図6(c)においてはS2方向のことを指す。
図6(b)に示すように第2の潜像微細画線(12)は、S2方向という同一の方向性を有して、S1方向及びS2方向に複数配置され、第2の潜像部(14)を形成している。
同様に、図6(c)に示すように第2の背景微細画線(13)は、第2の背景部(15)を形成している。
図7(a)、図7(b)は、それぞれ第2の潜像微細画線(12)、第2の背景微細画線(13)の配列状態を示したものである。第2の潜像微細画線(12)、第2の背景微細画線(13)ともに幅はW1であり、始点から終点に向かってS2方向に伸びている。また、第2の潜像微細画線(12)、第2の背景微細画線(13)ともにS2方向にピッチがP3、S1方向にピッチがP4で複数配列されている。
第2の潜像微細画線(12)、第2の背景微細画線(13)の画線幅については、前述したそれぞれ第1の潜像微細画線(6)、第1の背景微細画線(7)と同様であるので説明は省略する。
図8は、第2の潜像微細画線(12)、第2の背景微細画線(13)の断面形状の傾斜角度を示した図である。また、図9は、第2の潜像模様(200)の視認原理を示した図であるが、その視認原理は前述の第1の潜像模様(100)と同様であるので説明は省略する。
なお、ここで第2の潜像微細画線(12)の断面形状の傾斜角度は、第1の潜像微細画線(6)の断面形状の傾斜角度と同じα、そして、第2の背景微細画線(13)の断面形状の傾斜角度は、第1の背景微細画線(7)の断面形状の傾斜角度と同じβとしたが、第2の潜像微細画線(12)と第2の背景微細画線(13)の断面形状の傾斜角度が異なっていれば第1の潜像微細画線(6)と第2の潜像微細画線(12)の断面形状の傾斜角度が同じであっても異なっていてもよい。また、第1の背景微細画線(7)と第2の背景微細画線(13)の断面形状の傾斜角度も同様に同じであっても異なっていてもよい。
図10(a)に第1の微細画線群(4)と第2の微細画線群(5)を基材(2)上に形成した複数潜像を有する画像形成体(1)を示す。この画像形成体(1)を傾けてS2方向からの正反射光が支配的な観察角度及び/又は透過光下で観察すると、第1の潜像模様(100)が視認できる。また、観察方向をS1方向から反射光が支配的な方向に変えて、観察角度及び/又は透過光下で観察すると第2の潜像模様(200)が視認できる。
ここでは第1の潜像模様(100)がアラビア数字の「1」、第2の潜像模様(200)がアラビア数字の「2」とした例にて説明したが、これに限定されるものではなく、潜像として表現したい図柄に合わせて画線の配置を適宜設計すればよい。
また、画線群の方向についても2方向に配置される例について説明したが、当然、3方向以上の画線群を用いて形成することも可能である。画線群の数が増えるとそれに伴い潜像模様の数も増加する。
特許文献4の複数潜像を有する画像形成体(1)において、第1の微細画線群(4)及び第2の微細画線群(5)を形成する方法としては、直接加工する方法、加工した物を原版として型取り、転写する方法、印刷による方法、他の工程にて形成した画線部を基材に貼り付ける方法等があり、画線を形成できるものであれば、形成方法は特に限定されない。また、直接加工する方法としては、機械彫刻、レーザ彫刻等の各種彫刻方法及びエンボスによるものがあり、転写方法としては、射出成型、ナノインプリント等の各種型取り方法により成型される。なお、成型物が光反射特性を保有していない場合、加工前及び/又は加工後、断面の傾斜角度の差を保持するように、オフセット印刷方式、スパッタリング法等により、光反射層を付与する。
ここでは2方向以上の微細画線群によって複数の潜像を形成する形態を示したが、1方向の微細画線群で複数の潜像を形成する形態も可能であり、以下その形態について説明する。
図11(a)は1方向の微細画線群により複数の潜像模様を形成した画像形成体(1)を示した図であり、図11(b)及び図11(c)に示すように、ともにS1方向という同一の方向性を有して配列される第1の微細画線群(4)、第2の微細画線群(5)を備えている。
また、図11(d)に示すように、第1の微細画線群(4)と第2の微細画線群(5)は互いに重ならないように、S2方向に配列される位相が異なっている。
図12(a)は第1の微細画線群(4)を示した図であり、図12(b)に示す第1の潜像微細画線(6)で第1の潜像部(8)、図12(c)に示す第1の背景微細画線(7)で第1の背景部(9)を形成している。
第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)の配列については図3に示す構成と同様に設計すればよいため、ここでの説明は省略する。
図13は第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)の断面形状を示した図である。
図13(a)は第1の潜像微細画線(6)を示した図であり、図13(a)中のX−X’線の断面図を示したものが図13(b)であり、図13(b)における第1の潜像微細画線(6)は、断面形状の傾斜角度αを有している。
図13(c)は第1の背景微細画線(7)を示した図であり、図13(c)中のY−Y’線の断面図を示したものが図13(d)であり、図13(d)における第1の背景微細画線(7)は、断面形状の傾斜角度βを有している。
図14(a)は第2の微細画線群(5)を示した図であり、図14(b)に示す第2の潜像微細画線(12)で第2の潜像部(14)、図14(c)に示す第2の背景微細画線(13)で第2の背景部(15)を形成している。
第2の潜像微細画線(12)と第2の背景微細画線(13)の配列については図3に示す構成と同様に設計すればよいため、ここでの説明は省略する。
図15は第2の潜像微細画線(12)と第2の背景微細画線(13)の断面形状を示した図である。
図15(a)は第2の潜像微細画線(12)を示した図であり、図15(a)中のX−X’線の断面図を示したものが図15(b)であり、図15(b)における第2の潜像微細画線(12)は、断面形状の傾斜角度γを有している。
図15(c)は第2の背景微細画線(13)を示した図であり、図15(c)中のY−Y’線の断面図を示したものが図15(d)であり、図15(d)における第2の背景微細画線(13)は、断面形状の傾斜角度βを有している。
図16(a)は画像領域(3)及びその一部拡大図を示した図であり、一部拡大図中のX−X’線の断面図を示したものが図16(b)であり、図16(b)における第1の潜像微細画線(6)は、断面形状の傾斜角度α、第2の潜像微細画線(12)は断面形状の傾斜角度γ、第1の背景微細画線(7)及び第2の背景微細画線(13)は断面形状の傾斜角度βを有している。
図17は1方向の微細画線群で複数の潜像模様を形成した例の画像形成体(1)を観察した場合の効果を示したものである。
1方向の微細画線群で複数の潜像模様を形成した例の潜像模様の視認原理は、2方向以上の微細画線群で複数の潜像模様を形成する例と同じであり、断面形状の傾斜角度の差による反射光量及び/又は透過光量の差を利用したものである。
図17(a)に示す複数潜像を有する画像形成体(1)を、図17(b)に示すように光源(10)からの拡散反射光が支配的な角度で観察者(11a)が観察すると、第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)、そして、第2の潜像微細画線(12)と第2の背景微細画線(13)からの反射光量に大きな差はないため、図17(c)に示すように潜像模様は視認されない。
一方、第1の微細画線群(4)及び第2の微細画線群(5)が有する同一の方向性であるS1方向と直行するS2方向から、画像形成体(1)を傾けて光源(10)からの正反射光が支配的な角度及び/又は透過光下で観察者(11b)が観察すると、第1の潜像微細画線(6)と第1の背景微細画線(7)からの反射光量及び/又は透過光量に差が生じるため、第1の潜像部(8)と第1の背景部(9)で明暗差が生じ、図17(d)に示すように第1の潜像模様(100)が視認される。
さらに、画像形成体(1)を傾ける角度を変えて観察者(11c)が観察すると、光源(10)からの光を正反射する微細画線群が第1の微細画線群(4)から第2の微細画線群(5)に切り替わり、第2の潜像微細画線(12)と第2の背景微細画線(13)からの反射光量及び/又は透過光量に差が生じるため、第2の潜像部(14)と第2の背景部(15)で明暗差が生じ、図17(e)に示すように第2の潜像模様(200)が視認される。
このように潜像画像が切り替わって視認されるのは、第1の潜像微細画線(6)と第2の潜像微細画線(12)の断面形状の傾斜角度が異なっており、観察角度を変えることで光を正反射及び/又は透過する潜像微細画線が変わることによるものである。
以上の原理によって潜像模様が切り替わって視認されることから、第1の潜像微細画線(6)と第2の潜像微細画線(12)の断面形状の傾斜角度は異なる必要があるが、第1の背景微細画線(7)と第2の背景微細画線(13)の断面形状の傾斜角度は同じでも異なっていてもよい。
以上が1方向の微細画線群で複数の潜像模様を形成する例であるが、これに2方向以上の微細画線群で複数の潜像模様を形成する例の構成を加えることで、観察角度を変えた場合だけでなく、観察方向を変えた場合にも潜像模様が切り替わる構成とすることも可能である。
以上が本発明の基本となる構成及び原理であり、続いて本発明の画像形成体(1’)の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明は基本となる構成に加え、観察方向を徐々に変えながら観察することで、潜像模様が動的に視認されるという効果を備えるものである。
図18に実施例1の複数潜像を有する画像形成体(1’)を示す。図18(a)に示す画像形成体(1’)は、図18(b)に示す第1の微細画線群(4’)、図18(c)に示す第2の微細画線群(5’)、図18(d)に示す第3の微細画線群(16’)、図18(e)に示す第4の微細画線群(17’)、図18(f)に示す第5の微細画線群(18’)及び図18(g)に示す第6の微細画線群(19’)からなる。
図18(h)に各微細画線群の配列状態を示す。第1の微細画線群(4’)の配列角度を0度とすると、第2の微細画線群(5’)の配列角度は30度、第3の微細画線群(16’)の配列角度は60度、第4の微細画線群(17’)は90度、第5の微細画線群(18’)は120度、第6の微細画線群(19’)は150度となっており、第1の微細画線群(4’)から第6の微細画線群(19’)までにかけて、各々配列角度が30度ずつ異なっている。
図19に各微細画線群と各微細画線群によって形成される潜像模様を示す。各微細画線群内での潜像微細画線と背景微細画線の配置は視認させたい潜像模様に応じて適宜設計すればよいため、全ての画線を図示しているわけではないが、図19(a)に示す第1の微細画線群(4’)は点線で示す領域に第1の潜像微細画線(6’)、それ以外の領域に第1の背景微細画線(7’)を備えており、図19(b)に示すように、第1の潜像模様(100’)を形成している。
同様に図19(c)に示す第2の微細画線群(5’)は図19(d)に示す第2の潜像模様(200’)、図19(e)に示す第3の微細画線群(16’)は図19(f)に示す第3の潜像模様(300’)、図19(g)に示す第4の微細画線群(17’)は図19(h)に示す第4の潜像模様(400’)、図19(i)に示す第5の微細画線群(18’)は図19(j)に示す第5の潜像模様(500’)、図19(k)に示す第6の微細画線群(19’)は図19(l)に示す第6の潜像模様(600’)をそれぞれ形成している。
ここで、各潜像模様は全て同じ丸形状としたが、図19(a)〜(l)に示すように各潜像微細画線が配置される位置が異なることによって各潜像模様が形成される場所が異なっている。
図20は実施例1の複数潜像を有する画像形成体を観察した場合の効果を示したものである。
潜像が視認される基本的な原理は前述した特許文献4の技術と同じであるため説明は省略するが、図20(a)に示す画像形成体(1’)を図20(b)に示すように光源(10’)からの拡散反射光が支配的な角度で観察者(11a’)が観察すると潜像模様は視認されない。
一方、画像形成体(1’)を傾けて光源(10’)からの正反射光が支配的な角度及び/又は透過光下で観察者(11b’)が観察すると、第1の潜像模様(100’)が視認される。さらに、観察する方向を徐々に変えながら観察することで、図20(c)に示すように、観察される潜像模様は第1の潜像模様(100’)から第2の潜像模様(200’)、第3の潜像模様(300’)、第4の潜像模様(400’)、第5の潜像模様(500’)、第6の潜像模様(600’)へと順次切り替わって視認される。
ここで、各潜像模様を形成する微細画線群の配列方向が徐々に変化していること、そして、各潜像模様の形成される位置が徐々に変化していることから、観察される潜像模様は第1の潜像模様(100’)から第6の潜像模様(600’)までにかけて図20(c)中に示す矢印に沿って移動しているように視認される。
このように動的な効果を伴って潜像模様を視認させるためには各画線群の配列が重要となる。実施例1では30度ずつ配列方向が異なる例で説明したが、30度を超えると観察方向を変えて観察した際に視認される潜像模様がジャンプする現象が発生し、動的な効果は低くなる。
また、15度を下回ると、観察方向を変えて観察した際に潜像模様が複数重なって視認されるため、潜像模様の視認性が低下する。
そのため、滑らか、かつ、鮮明に動的な効果を持った潜像模様を視認させるためには、各微細画線群の配列される方向が15度から30度までの範囲内で徐々に異なっていることが好ましい。
実施例1の画像形成体(1’)を構成する基材は、前述した特許文献4の基材と同様の基材を用いればよい。
また、実施例1の画像形成体(1’)の各潜像画線群の作製方法としては、特許文献4と同じ作成方法を用いればよい。
以上のように実施例1は同じ模様が移動して観察されるように構成する例で説明したが、変形例として各潜像模様の配置される位置を同じ位置とし、各潜像模様の形状を徐々に変化する構成とすることで、観察される潜像模様の形状が徐々に変化するといった効果を得ることも可能であり、以下に実施例1の変形例の画像形成体(1’)について説明する。なお、ここでいう「形状」とは具体的には「潜像模様の大きさや形」のことをいう。
(実施例1の変形例)
図21に実施例1の変形例の各微細画線群と各微細画線群によって形成される潜像模様を示す。各微細画線群内での潜像微細画線と背景微細画線の配置は視認させたい潜像模様に応じて適宜設計すればよいため、全ての画線を図示しているわけではないが、図21(a)に示す第1の微細画線群(4’)は点線で示す領域に第1の潜像微細画線(6’)、それ以外の領域に第1の背景微細画線(7’)を備えており、図21(b)に示すように、第1の潜像模様(100’)を形成している。
同様に図21(c)に示す第2の微細画線群(5’)は図21(d)に示す第2の潜像模様(200’)、図21(e)に示す第3の微細画線群(16’)は図21(f)に示す第3の潜像模様(300’)、図21(g)に示す第4の微細画線群(17’)は図21(h)に示す第4の潜像模様(400’)、図21(i)に示す第5の微細画線群(18’)は図21(j)に示す第5の潜像模様(500’)、図21(k)に示す第6の微細画線群(19’)は図21(l)に示す第6の潜像模様(600’)をそれぞれ形成している。
ここで、各潜像模様は全て同じ丸形状としたが、図21(a)〜(l)に示すように各潜像微細画線が配置される領域の大きさが徐々に異なることによって各潜像模様の大きさが異なっている。
図22は実施例1の変形例の画像形成体(1’)を観察した場合の効果を示したものである。
潜像が視認される基本的な原理は前述した特許文献4の技術と同じであるため説明は省略するが、図22(a)に示す画像形成体(1’)を図22(b)に示すように光源(10’)からの拡散反射光が支配的な角度で観察者(11a’)が観察すると潜像模様は視認されない。
一方、画像形成体(1’)を傾けて光源(10’)からの正反射光が支配的な角度及び/又は透過光下で観察者(11b’)が観察すると、第1の潜像模様(100’)が視認される。更に観察する方向を徐々に変えながら観察することで、図22(c)に示すように、観察される潜像模様は第1の潜像模様(100’)から第2の潜像模様(200’)、第3の潜像模様(300’)、第4の潜像模様(400’)、第5の潜像模様(500’)、第6の潜像模様(600’)へと順次切り替わって視認される。
ここで、各潜像模様を形成する微細画線群の配列方向が徐々に変化していること及び各潜像模様の形成される大きさが徐々に変化していることから、観察される潜像模様は第1の潜像模様(100’)から第6の潜像模様(600’)までにかけて拡大するように視認される。
また、実施例1のように各潜像模様が配置される位置を徐々に変化させるとともに、各潜像模様の形状を徐々に変化するように形成することで、観察される潜像模様が移動しつつ、形状が変化する構成とすることも可能である。
実施例1の画像形成体(1’)を構成する基材は、前述した特許文献4の基材と同様の基材を用いればよい。
また、実施例1の画像形成体(1’)の各潜像画線群の作製方法としては、特許文献4と同じ作成方法を用いればよい。
(実施例2)
実施例1は複数の微細画線群が異なる方向に配置される形態であるが、本発明の別の実施例として、複数の微細画線群が同じ方向に配置される形態について以下に説明する。
図23(a)に示すのは実施例2の複数潜像を有する画像形成体(1’)であり、基材(2’)上の少なくとも一部の領域に、複数の潜像画模様が形成された画像領域(3’)を備えており、画像領域(3’)は、図23(b)に示すように、同じ方向に互いに重ならないように配置される第1の微細画線群(4’)、第2の微細画線群(5’)、・・・、第6の微細画線群(19’)からなる。
図24(a)から図24(l)までに各微細画線群によって形成される潜像模様を示す。各微細画線群内での潜像微細画線と背景微細画線の配置は視認させたい潜像模様に応じて適宜設計すればよいため、全ての画線を図示しているわけではないが、図24(a)に示す第1の微細画線群(4’)は点線で示す領域に第1の潜像微細画線(6’)、それ以外の領域に第1の背景微細画線(7’)を備えており、図22(b)に示すように第1の潜像模様(100’)を形成している。
同様に図24(c)に示す第2の微細画線群(5’)は図24(d)に示す第2の潜像模様(200’)、図24(e)に示す第3の微細画線群(16’)は図24(f)に示す第3の潜像模様(300’)、図24(g)に示す第4の微細画線群(17’)は図24(h)に示す第4の潜像模様(400’)、図24(i)に示す第5の微細画線群(18’)は図24(j)に示す第5の潜像模様(500’)、図24(k)に示す第6の微細画線群(19’)は図24(l)に示す第6の潜像模様(600’)をそれぞれ形成している。
ここで、各潜像模様は全て同じ丸形状としたが、図24(a)から図24(l)までに示すように各潜像微細画線が配置される位置が異なることによって、各潜像模様が形成される場所が異なっている。
図25は、各微細画線群における潜像微細画線の断面形状の傾斜角度を示した図である。
図25(a)に示す第1の潜像微細画線(6’)の断面形状の傾斜角度は70度である。同様に図25(b)に示す第2の潜像微細画線(12’)の断面形状の傾斜角度は65度、図25(c)に示す第3の潜像微細画線(20’)の断面形状の傾斜角度は60度、図25(d)に示す第4の潜像微細画線(21’)の断面形状の傾斜角度は55度、図25(e)に示す第5の潜像微細画線(22’)の断面形状の傾斜角度は50度、図25(f)に示す第6の潜像微細画線(23’)の断面形状の傾斜角度は45度であり、第1の潜像微細画線(6’)から第6の潜像微細画線(23’)までにかけて断面形状の傾斜角度が5度ずつ異なっている。
なお、各背景微細画線の傾斜角度は同じであっても異なっていてもよいが、潜像微細画線と傾斜角度が同じであると、観察角度によっては同時に光を反射してしまうことから、潜像微細画線の傾斜角度とは異なる傾斜角度であることが好ましく、実施例2では各背景微細画線の断面形状の傾斜角度を35度とする。
図26は実施例2の画像形成体(1’)を観察した場合の効果を示したものである。
潜像が視認される基本的な原理は前述した特許文献4の技術と同じであるため説明は省略するが、図26(a)に示す画像形成体(1’)を図26(b)に示すように光源(10’)からの拡散反射光が支配的な角度で観察者(11a’)が観察すると潜像模様は視認されない。
一方、画像形成体(1’)を傾けて光源(10’)からの正反射光が支配的な角度及び/又は透過光下で観察者(11b’)が観察すると、第1の潜像模様(100’)が視認される。画像形成体(1’)をさらに傾けて観察角度を徐々に変えながら観察することで、図26(c)に示すように、観察される潜像模様は第1の潜像模様(100’)から第2の潜像模様(200’)、第3の潜像模様(300’)、第4の潜像模様(400’)、第5の潜像模様(500’)、第6の潜像模様(600’)へと順次切り替り、矢印に沿って移動しているように視認される。
このように動的な効果を伴って潜像模様を視認させるためには各潜像微細画線の断面形状の傾斜角度が重要となる。実施例2では5度ずつ傾斜角度が異なる例で説明したが、10度を超えると観察角度を変えて観察した際に視認される潜像模様がジャンプする現象が発生し、動的な効果は低くなる。他方、3度を下回ると観察角度を変えて観察した際に潜像模様が複数重なって視認されるため、潜像模様の視認性が低下する。
そのため、滑らかであり、かつ、鮮明に動的な効果を有した潜像模様を視認させるためには、各潜像微細画線の断面形状の傾斜角度が3度から10度までの範囲内で徐々に異なっていることが好ましい。
また、動的な効果を有した潜像模様を視認させるためには、各潜像微細画線の断面形状の傾斜角度は異なっている必要があるが、各背景微細画線の断面形状の傾斜角度は同じでも異なっていてもよい。
以上のように実施例2は同じ模様が移動して観察されるように構成する例で説明したが、実施例1の変形例のように、各潜像模様の形状が徐々に変化する構成とすることで、観察される潜像模様が拡大又は縮小されるといった効果、形状が徐々に変化するといった効果を得ることも可能である。
実施例2の画像形成体(1’)を構成する基材は、前述した特許文献4の基材と同様の基材を用いればよい。
また、実施例2の画像形成体(1’)の各潜像画線群の作製方法としては、特許文献4と同じ作成方法を用いればよい。
また、実施例1と実施例2を組み合わせることで観察方向を変えて観察した場合及び観察角度を変えて観察した場合、動的効果を有した潜像画像が視認できる構成とすることも可能である。
1、1’ 画像形成体
2、2’ 基材
3、3’ 画像領域
4、4’ 第1の微細画線群
5、5’ 第2の微細画線群
6、6’ 第1の潜像微細画線
7、7’ 第1の背景微細画線
8、8’ 第1の潜像部
9、9’ 第1の背景部
10、10’ 光源
11a、11b、11c、11a’、11b’ 観察者
12、12’ 第2の潜像微細画線
13、13’ 第2の背景微細画線
14、14’ 第2の潜像部
15、15’ 第2の背景部
16’ 第3の微細画線群
17’ 第4の微細画線群
18’ 第5の微細画線群
19’ 第6の微細画線群
20’ 第3の潜像微細画線
21’ 第4の潜像微細画線
22’ 第5の潜像微細画線
23’ 第6の潜像微細画線
100、100’ 第1の潜像模様
200、200’ 第2の潜像模様
300’ 第3の潜像模様
400’ 第4の潜像模様
500’ 第5の潜像模様
600’ 第6の潜像模様
P1、P2、P3、P4 ピッチ
W1 画線幅
D1 画線深さ
H1 画線高さ
α、β、γ、α’、β’ 傾斜角度
S1、S2 方向

Claims (3)

  1. 基材上の少なくとも一部に、複数の潜像模様が形成された画像領域を備える複数潜像を有する画像形成体であって、
    前記画像領域は、i)互いに異なる方向に配列される凹及び/又は凸形状の第1の微細画線群、第2の微細画線群、・・・、第nの微細画線群(nは3以上の自然数)から成るか、又は、ii)互いに重ならないように同一の方向に配列される凹及び/又は凸形状の第1の微細画線群、第2の微細画線群、・・・、第nの微細画線群(nは3以上の自然数)から成り、前記第1の微細画線群は、同一の方向性を有して配列される凹及び/又は凸形状の断面形状の異なる複数の第1の潜像微細画線と、第1の背景微細画線とにより第1の潜像模様を形成し、前記第2の微細画線群は、同一の方向性を有して配列される凹及び/又は凸形状の断面形状の異なる複数の第2の潜像微細画線と、第2の背景微細画線とにより第2の潜像模様を形成し、・・・、前記第nの微細画線群は、同一の方向性を有して配列される凹及び/又は凸形状の断面形状の異なる複数の第nの潜像微細画線と、第nの背景微細画線とにより第nの潜像模様を形成し、
    前記i)の場合、少なくとも前記第1の微細画線群から前記第2の微細画線群、・・・、前記第nの微細画線群にかけて配列される方向が徐々に異なるか、
    又は、前記ii)の場合、少なくとも前記断面形状の傾斜角度が、前記第1の潜像微細画線から前記第2の潜像微細画線、・・・、前記第nの潜像微細画線にかけて徐々に異なり、前記第1の潜像模様、前記第2の潜像模様、・・・、前記第nの潜像模様の形成される位置又は形状の少なくとも一方が徐々に異なり、拡散光下では各潜像模様が視認されず、前記複数潜像を有する画像形成体を傾けて正反射光下で観察すると各微細画線群内の各潜像微細画線と、各背景微細画線の前記断面形状の傾斜角度との違いにて生じる反射光量の差による明暗差により各潜像模様のいずれかが視認され、
    前記i)の場合、更に前記複数潜像を有する画像形成体を観察する方向を変えながら観察すると、各微細画線群の中で光を正反射する微細画線群が徐々に切り替わり、各潜像模様が動的に視認されるか、
    又は、前記ii)の場合、更に前記複数潜像を有する画像形成体を傾ける角度を変えながら観察すると、各微細画線群の中で光を正反射する微細画線群が徐々に切り替わり各潜像模様が動的に視認されることを特徴とする複数潜像を有する画像形成体。
  2. 前記i)の場合、配列される方向が前記第1の微細画線群から前記第2の微細画線群、・・・、前記第nの微細画線群にかけて15度から30度までの範囲で異なることを特徴とする請求項1記載の複数潜像を有する画像形成体。
  3. 前記ii)の場合、前記断面形状の傾斜角度が前記第1の潜像微細画線から前記第2の潜像微細画線、・・・、前記第nの潜像微細画線にかけて3度から10度までの範囲で異なることを特徴とする請求項1記載の複数潜像を有する画像形成体。
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